JP2001279430A - 成膜方法及び装置 - Google Patents

成膜方法及び装置

Info

Publication number
JP2001279430A
JP2001279430A JP2000094210A JP2000094210A JP2001279430A JP 2001279430 A JP2001279430 A JP 2001279430A JP 2000094210 A JP2000094210 A JP 2000094210A JP 2000094210 A JP2000094210 A JP 2000094210A JP 2001279430 A JP2001279430 A JP 2001279430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
predetermined
hearth
evaporation source
film forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000094210A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Sakuragi
進 桜木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000094210A priority Critical patent/JP2001279430A/ja
Publication of JP2001279430A publication Critical patent/JP2001279430A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な成膜材料を使用した場合にも、ハース
ライナーの損傷を防止しつつ高品質の膜を安定して供給
することができる成膜装置を提供すること。 【解決手段】 プラズマビームPBにより加熱されてハ
ースライナー53の凹部53aに収容された膜材料MM
が溶融し、その表面から膜材料MMの蒸発粒子が出射す
る。この蒸発粒子は、プラズマビームPBによりイオン
化され、負電圧が印加された基板WAの表面に付着して
被膜が形成される。この際、溶融した膜材料MMを収容
するハースライナー53の凹部53a内面を被覆部材5
3cによって被覆しているので、ハースライナー53の
本体53bが高温の膜材料MMに直接接触しなくなる。
しかも、被覆部材53cは導電性を有するので、膜材料
MMに必要な電流を流すことができる。よって、本体5
3bが浸食されることを防止しつつ、Pt等の膜材料M
Mにプラズマビームを供給して膜材料MMを蒸発させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラズマを用い
てイオンプレーティングを行う成膜装置及び方法に関
し、特に不純物混入のない高品質の金属膜あるいは半導
体膜を形成するのに適した成膜装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成膜装置として、圧力勾配型のプ
ラズマガンからのプラズマビームをハースに導き、ハー
ス上に配置したルツボ状のハースライナー中の蒸着物質
を蒸発・イオン化し、このように蒸発・イオン化した蒸
着物質をハースに対向して配置された基板の表面に付着
させるイオンプレーティング装置が知られている。
【0003】ここで、ハースに設けた蒸発物質源である
ハースライナーは、グラファイト、タングステン、モリ
ブデン、タンタル等の導電性の材料により作製された容
器状のもので、金属薄膜を成膜する場合、その凹部に成
膜材料であるCu、Ag等の金属を入れて溶融・蒸発さ
せている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記成膜装置
によって、Pt等の成膜材料を金属溶湯とすることによ
って蒸発させる場合、溶融した成膜材料中にハースライ
ナーを構成する材料自体が溶け出し、成膜材料に対する
耐食性が弱く、成膜材料の純度が低下するという問題が
生じ、さらにハースライナーに穴が開いて使用不能とな
ることもある。この解決策として、一般の金属材料の溶
解時に耐火物ルツボとして用いる酸化物系セラミックス
をハースライナーとして用いることも考えられるが、そ
のままでは絶縁物であるため、ハースとの導通を確保す
ることができず、イオンプレーティングでは採用されて
いなかった。
【0005】そこで、本発明は、多様な成膜材料を使用
した場合にも、ハースライナーの損傷を防止しつつ高品
質の膜を安定して供給することができる成膜装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の成膜装置は、プラズマビームを成膜
室中に供給するプラズマ源と、金属若しくは半導体とな
る所定の膜材料に対して耐食性を有するとともに導電性
を有する所定の耐食導電材料からなる被覆部材によって
容器状の内面が被覆された材料蒸発源を備え、成膜室中
に配置されて材料蒸発源にプラズマビームを導くハース
とを備える。
【0007】上記成膜装置では、材料蒸発源の容器状の
内面を、所定の膜材料に対して耐食性を有するとともに
導電性を有する耐食導電材料からなる被覆部材によって
被覆しているので、溶融等した所定の膜材料に対して被
覆部材が障壁となって材料蒸発源が浸食されることを防
止でき、かつ、材料蒸発源中の所定の膜材料に被覆部材
を介してハースとの導通を確保することができる。
【0008】また、本発明の第2の成膜装置は、プラズ
マビームを成膜室中に供給するプラズマ源と、金属若し
くは半導体となる所定の膜材料に対して耐食性を有する
所定の耐食材料によって容器状の内面が形成されて底部
に所定の膜材料と同一材質の導電性の電極部材(ハース
との導通を確保するための電流パス)を有する材料蒸発
源を備え、成膜室中に配置されて材料蒸発源にプラズマ
ビームを導くハースとを備える。
【0009】上記成膜装置では、材料蒸発源の容器状の
内面を、所定の膜材料に対して耐食性を有する耐食材料
によって形成しているので、溶融等した所定の膜材料に
よって材料蒸発源が内面から浸食されることを防止でき
る。しかも、材料蒸発源の底部に膜材料と同一材質の導
電性の電極部材を有するので、材料蒸発源中の蒸発金属
等に電極部材を介してハースとの導通を確保することが
できる。
【0010】また、上記第2の成膜装置の好ましい態様
では、材料蒸発源は、所定の耐食材料からなり底部に貫
通孔を有する容器状の本体を有し、電極部材は、貫通孔
を封止するとともに底部下面から下方に突出し、ハース
に接続している。
【0011】この場合、材料蒸発源の容器状の本体を単
一の材料で簡易に形成することができ、内面を被覆する
必要がない。なお、電極部材は、材料蒸発源の底面から
突出する下端部を冷却することにより、その溶融を防止
することができる。
【0012】また、上記第2の成膜装置の好ましい態様
では、材料蒸発源は、耐熱性を有する材料からなり底部
に貫通孔を有する容器状の本体と、本体の内面を被覆す
る所定の耐食材料からなる被覆部材とを有し、電極部材
は、貫通孔を封止するとともに底部下面から下方に突出
し、ハースに接続している。
【0013】この場合、材料蒸発源の内面を被覆するだ
けで、所望の耐食性を持たせることができる。なお、電
極部材は、材料蒸発源の底面から突出する下端を冷却す
ることにより、その溶融を防止することができる。
【0014】また、上記第1の成膜装置の好ましい態様
では、所定の耐食導電材料は、TiC、V43、Zr
C、NbC、Mo2C、HfC、TaC、WC、Ti
N、VN、Cr2N、ZrN、NbN、Mo2N、Hf
N、TaN、W2Nの少なくとも1つを含むセラミック
スである。なお、上記のような所定の耐食導電材料は、
単一材料や複合材料からなる単層膜とすることができ、
さらに異なる単相膜を複数積層した多層膜とすることも
できる。さらに、上記のような所定の耐食導電材料を被
覆する基材(容器本体の材料)は、導電性があるものが
望ましく、例えばタングステン、モリブデン、タンタ
ル、カーボン等の少なくとも1つを含むもとすることが
できる。そして、上記のような所定の耐食導電材料の膜
は、スパッタリング、真空蒸着、電子ビーム蒸着、イオ
ンプレーティング、熱CVD、プラズマCVD等の手法
で形成することができる。
【0015】また、上記第2の成膜装置の好ましい態様
では、所定の耐食材料は、アルミナ、ジルコニア、カル
シア、マグネシア、チタニア、窒化ホウ素、炭化ケイ
素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ハフニウムの少な
くとも1つを含むセラミックスである。
【0016】また、上記第1及び2の成膜装置の好まし
い態様では、ハースの周囲に環状に配置された磁石、又
は磁石及びコイルからなりハースの近接した上方の磁界
を制御する磁場制御部材と、磁場制御部材の上方に配置
されてハースの近接した上方の電界を制御する補助陽極
とをさらに備え、プラズマ源は、圧力勾配型のプラズマ
ガンである。
【0017】この場合、磁場制御部材によって、ハース
に入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正してよ
り均一な厚みの膜を形成することができる。また、補助
陽極によって、ハースへのプラズマビームの供給をオン
・オフ状態に切り換える等の多様な制御が可能になる。
さらに、圧力勾配型のプラズマガンによって高出力で安
定したプラズマビームを連続的に供給できる。
【0018】また、本発明の成膜方法は、成膜室中に陽
極として配置された材料蒸発源に向けてプラズマビーム
を供給することによって、材料蒸発源に収容された金属
若しくは半導体となる所定の膜材料を蒸発させて成膜室
中に配置された基板の表面に付着させる成膜方法であっ
て、材料蒸発源は、所定の膜材料に対して耐食性を有す
るとともに導電性を有する所定の耐食導電材料からなり
容器状の内面を被覆する被覆部材と、所定の膜材料に対
して耐食性を有する所定の耐食材料からなる容器状の内
面の底部に設けられた所定の膜材料と同一材質の導電性
の電極部材とのいずれかを介して所定の膜材料と材料蒸
発源とを導通させる。
【0019】上記成膜方法では、1つの手法として、所
定の耐食導電材料からなり容器状の内面を被覆する被覆
部材を介して所定の膜材料と材料蒸発源を支持するハー
スとを導通させているので、溶融等した所定の膜材料に
よって材料蒸発源が内面から浸食されることを防止で
き、かつ、耐食導電被覆を介して材料蒸発源中の蒸発金
属等の所定の膜材料とハースとを導通させることができ
る。また、上記成膜方法では、別の手法として、所定の
耐食材料からなる容器状の内面の底部に設けられた所定
の膜材料と同一材質の導電性の電極部材を介して所定の
膜材料と材料蒸発源を支持するハースとを導通させるの
で、溶融等した所定の膜材料によって材料蒸発源が内面
から浸食されることを防止でき、かつ、材料蒸発源中の
蒸発金属等の所定の膜材料とハースとの導通を確保する
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明
に係る第1実施形態の成膜装置の全体構造を概略的に説
明する図である。この成膜装置は、成膜室である真空容
器10と、真空容器10中にプラズマビームPBを供給
するプラズマ源であるプラズマガン30と、真空容器1
0内の底部に配置されてプラズマビームPBの流れを制
御する陽極部材50と、真空容器10上部に配置されて
基板WAを保持する保持機構60と、これらの動作を統
括制御する主制御装置80とを備える。
【0021】プラズマガン30は、プラズマビームPB
を発生する圧力勾配型のプラズマガンであり、その本体
部分は、真空容器10の側壁に設けられた筒状部12に
装着されている。この本体部分は、陰極31によって一
端が閉塞されたガラス管32からなる。ガラス管32内
には、モリブデンMoで形成された円筒33が陰極31
に固定されて同心状に配置されており、この円筒33内
には、LaB6で形成された円盤34とタンタルTaで
形成されたパイプ35とが内蔵されている。ガラス管3
2の両端部のうち陰極31とは反対側の端部と、真空容
器10に設けた筒状部12の端部との間には、第1及び
第2中間電極41、42が同心状に直列に配置されてい
る。一方の第1中間電極41内には、プラズマビームP
Bを収束するための環状永久磁石44が内蔵されてい
る。第2中間電極42内にも、プラズマビームPBを収
束するための環状の電磁石コイル45が内蔵されてい
る。なお、筒状部12の周囲には、陰極31側で発生し
て第1及び第2中間電極41、42まで引き出されたプ
ラズマビームPBを真空容器10内に導く環状のステア
リングコイル47が設けられている。
【0022】プラズマガン30の動作は、ガン駆動装置
48によって制御されている。このガン駆動装置48
は、陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極41、42、電磁石コイル45、及びステアリング
コイル47への給電を調整する。このようなガン駆動装
置48によって、真空容器10中に供給されるプラズマ
ビームPBの状態が制御される。
【0023】なお、プラズマガン30の最も内心側に配
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るAr等のキャリアガスをプラズマガン30中に導入す
るためものであり、流量計37及び流量調節弁38を介
してガス供給源39に接続されている。流量計37によ
って検出されたキャリアガスの流量は主制御装置80で
監視されており、流量調節弁38によるキャリアガスの
流量調整等に利用される。なお、真空容器10のプラズ
マガン30に対向する側面には、真空容器10内を減圧
するため、真空ゲート76を介して排気ポンプ77が取
り付けられている。
【0024】真空容器10中の下部に配置された陽極部
材50は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であ
るハース51と、その周囲に配置された環状の補助陽極
52とからなる。
【0025】前者のハース51は、例えばCu等の熱伝
導率の良い導電性材料で形成されるとともに接地された
真空容器10に図示を省略する絶縁物を介して支持され
ている。このハース51は、陽極電源装置58によって
適当な正電位に制御されており、プラズマガン30から
出射したプラズマビームPBを下方に吸引する。なお、
ハース51は、プラズマガン30からのプラズマビーム
PBが入射する中央上部に形成された凹部に、ルツボ状
の材料蒸発源であるハースライナー53を有している。
【0026】後者の補助陽極52は、ハース51の周囲
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心的に積層されたコイ
ル56とが収納されている。これら永久磁石55及びコ
イル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方
にカスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向き等を修正することが
できる。
【0027】補助陽極52内のコイル56は電磁石を構
成し、陽極電源装置58から給電される。この場合、励
磁されたコイル56における中心側の磁界の向きは、永
久磁石55により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るように構成される。陽極電源装置58は、コイル56
に供給する電流を変化させることができ、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能にな
る。
【0028】補助陽極52の容器も、ハース51と同様
に熱伝導率の良い導電性材料で形成される。この補助陽
極52は、ハース51に対して図示を省略する絶縁物を
介して取り付けられている。陽極電源装置58は、補助
陽極52に印加する電圧を変化させることによってハー
スライナー53の上方の電界を補助的に制御できるよう
になっている。
【0029】真空容器10中の上部に配置される保持機
構60は、ハース51の上方において成膜面を下側にし
て基板WAを保持するための基板ホルダ61と、この基
板ホルダ61上部に固定されて基板WAを裏面側から温
度調節する温度調節装置62とを備える。基板ホルダ6
1は、真空容器10に対して絶縁された状態で基板電源
装置68から給電されており、ゼロ電位の真空容器10
に対して例えば負電位にバイアスされる。温度調節装置
62は、温調制御装置69によって制御されており、温
調制御装置69は、温度調節装置62に内蔵したヒータ
に給電し、或いは内蔵した配管に冷却媒体を供給して、
温度調節装置62更には基板ホルダ61を所望の温度に
保持する。
【0030】図2は、材料蒸発源であるハースライナー
53の構造等を説明する側方断面図である。ハースライ
ナー53は、外形が円柱状の容器であり、銅製のハース
51の上部に形成された凹部51aに収容されている。
ハースライナー53は、上部にPt等の膜材料MMを収
容する球面状の凹部53aを有しており、この凹部53
aの内面は、被覆部材53cによって一定の厚みで被覆
されている。ハースライナー53の本体53bは、例え
ばタングステン等の導電性を有する高融点金属を加工す
ることによって形成されている。被覆部材53cは、P
t等の膜材料MMに対して耐食性を有するとともに導電
性を有する耐食導電材料からなる。具体的には、被覆部
材53cは、TiCやTiNのセラミック層からなる。
これらの炭化物や窒化物は、電気伝導性を有するため、
ハース51との導通を図ることができイオンプレーティ
ングに際して好適である。しかも、これらの炭化物や窒
化物は、溶融温度が3140℃、2950℃と高く、高
温で溶融しているPt等の膜材料MMと直接接触しても
浸食されにくく高い耐久性を有するという特徴がある。
【0031】被覆部材53cの形成方法としては、スパ
ッタリング、真空蒸着、電子ビーム蒸着、イオンプレー
ティング、熱CVD、プラズマCVD等の種々の方法が
あるが、基材である本体53bとの密着性を考慮した場
合、処理温度の高い熱CVDを利用した成膜が最も好ま
しい。被覆部材53cの厚さは、例えば1〜2μm程度
とする。
【0032】ハース51上部に形成された凹部51aの
底部下方には、冷却媒体を供給するためのキャビティ5
1bが形成されている。このキャビティ51bには、図
示を省略するポンプや配管を介して水等の冷却媒体が適
当量だけ適宜供給されており、ハースライナー53が過
熱されることを防止している。
【0033】なお、上記の例では、被覆部材53cの材
料としてTiCやTiNを用いたが、これに代えて、V
43、ZrC、NbC、Mo2C、HfC、TaC、W
C、VN、Cr2N、ZrN、NbN、Mo2N、Hf
N、TaN、W2N等のセラミックスを膜材料MMの種
類に応じて適宜用いることができる。この際、これらの
材料を単独で用いることもできるが、これらを多層にコ
ートしたり、これらを混合した組成物を単層若しくは多
層にコートすることによって被覆部材53cとすること
ができる。
【0034】また、上記の例では、ハースライナー53
の本体53bの材料としてタングステンを用いたが、こ
れに代えて、モリブデン、タンタル、カーボン等の導電
性の材料を用いることができる。この際、これらの材料
を単独で用いることができるが、これらを組み合わせる
ことによって本体53bを形成することもできる。
【0035】被覆部材53cを形成すべき凹部53aの
内面形状は、図示のものには限られない。例えば矩形の
窪みをハースライナー53上部に形成してこの窪みに膜
材料MMを収容することもできる。
【0036】以下、図1及び図2に示す第1実施形態の
成膜装置の動作について説明する。この成膜装置におい
ては、プラズマガン30の陰極31と真空容器10内の
ハース51との間で放電が生じ、これによりプラズマビ
ームPBが生成される。このプラズマビームPBは、ス
テアリングコイル47と補助陽極52内の永久磁石55
等とにより決定される磁界に案内されてハース51に到
達する。ハース51上部のハースライナー53は、プラ
ズマビームPBにより加熱され、ハースライナー53の
凹部53aに収容された膜材料MMが溶融して、その表
面から膜材料MMの蒸発粒子が出射する。この蒸発粒子
は、プラズマビームPBによりイオン化され、例えば負
電圧が印加された基板WAの表面に付着して被膜が形成
される。この際、溶融した膜材料MMを収容するハース
ライナー53の凹部53a内面を被覆部材53cによっ
て被覆しているので、ハースライナー53の本体53b
が高温の膜材料MMに直接接触しなくなる。しかも、被
覆部材53cは導電性を有するので、膜材料MMとハー
ス51間の導通を確保することができる。よって、本体
53bが浸食されることを防止しつつ、Pt等の膜材料
MMにプラズマビームPBを供給して膜材料MMを蒸発
させることができる。
【0037】〔第2実施形態〕以下、本発明の第2実施
形態について説明する。なお、第2実施形態の成膜装置
は、第1実施形態の成膜装置の材料蒸発源を変形したも
のであり、同一部分については重複説明を省略する。
【0038】図3は、材料蒸発源であるハースライナー
153の構造等を説明する側方断面図である。このハー
スライナー153は、上部にPt等の膜材料MMを収容
する球面状の凹部153aを有するとともに、その底部
中央に鉛直方向に延びる貫通孔153dを有する本体1
53bからなる。この貫通孔153dには、棒状の電極
部材である電流パス153fが貫通して固定されてい
る。
【0039】ハースライナー153の本体153bは、
Pt等の膜材料MMに対して耐食性を有する耐食材料、
例えばアルミナ等の絶縁性セラミックスで形成されてい
る。電流パス153fは、膜材料MMと同一材質の導電
性の材料、例えばPt等からなる。
【0040】電流パス153fの下端は、水冷された銅
製のハース51の上部に形成された凹部51aに設けた
孔51dに圧入等により挿入されている。これにより、
ハース51と電流パス153fとが電気的、熱的に接続
されるので、電流パス153fを介してハースライナー
153中の膜材料MMとハース51間の導通を確保する
ことができる。ここで、ハースライナー153中の膜材
料MMが加熱されると、ハースライナー153の凹部1
53aの底部中央に露出する電流パス153fの先端も
一部溶融することになる。しかし、この電流パス153
fの下端は、キャビティ51bに供給される冷却媒体に
よってハースライナー153とともに所定温度まで冷却
されるので、電流パス153f全体が溶融して膜材料M
Mが貫通孔153dを介してハースライナー153下方
に流出することを防止できる。
【0041】電流パス153fの形状は、図示のような
円柱に限らず、角柱すなわち多角形の断面を持つもので
あってもよい。電流パス153fの寸法は、電流パス1
53fに電流を通すために十分な程度に大きいことを要
するが、入力熱量に対する熱伝導ロス、主にハース51
への放熱等を考慮してある程度小さな値に設定する必要
がある。具体的には、膜材料MMの電気伝導率、熱伝導
率、融点、蒸気圧等の物性値のほか、本体153bとハ
ース51との接触面積、本体153bの熱伝導率等を考
慮して電流パス153fの形状や寸法を定める。
【0042】以上説明した第2実施形態の成膜装置で
も、プラズマビームPBによりハース51上部のハース
ライナー153中の膜材料MMが加熱され、膜材料MM
から出射した蒸発粒子がプラズマビームPBを経て基板
WAの表面に付着して被膜が形成される。この際、溶融
した膜材料MMは、耐食性のアルミナ等の絶縁性セラミ
ックスで形成されている本体153bに収容されてい
る。このため、高温の膜材料MMは、ハースライナー1
53の本体153bに直接接触してもこれと反応を起こ
すことがなく浸食を生じさせない。しかも、電流パス1
53fが導電性を有するので、ハース51と膜材料MM
間の導通を確保することができる。よって、本体153
bが浸食されることを防止しつつ、Pt等の膜材料MM
にプラズマビームを供給して膜材料MMを蒸発させるこ
とができる。
【0043】なお、上記の例では、ハースライナー15
3の本体153bの材料として、アルミナを用いたが、
これに代えてジルコニア、カルシア、マグネシア、チタ
ニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タン
タル、炭化ハフニウム等の耐食性セラミックスを、膜材
料MMの種類に応じて適宜用いることができる。この
際、これらの材料を単独で用いることもできるが、これ
らを混合した組成物から本体153bを形成することが
できる。
【0044】〔第3実施形態〕以下、本発明の第3実施
形態について説明する。なお、第3実施形態の成膜装置
は、第2実施形態の成膜装置の材料蒸発源を変形したも
のである。
【0045】図4は、材料蒸発源であるハースライナー
253の構造等を説明する側方断面図である。このハー
スライナー253は、上部にPt等の膜材料MMを収容
する球面状の凹部153aを有する本体253bからな
る。この凹部153aの内面は、被覆部材253cによ
って一定の厚みで被覆されている。さらに、凹部153
aの底部中央には、貫通孔153dが形成されており、
Pt等である膜材料MMと同一材料からなる棒状の電極
部材である電流パス153fが貫通して固定されてい
る。
【0046】ハースライナー253の本体253bは、
例えばタングステン等の高融点金属を加工することによ
って形成されている。また、被覆部材253cは、Pt
等の膜材料MMに対して耐食性を有する耐食材料、例え
ばアルミナ等の絶縁性セラミックスで形成されている。
【0047】以上説明した第3実施形態の成膜装置で
も、プラズマビームPBによりハース51上部のハース
ライナー253中の膜材料MMが加熱され、膜材料MM
から出射した蒸発ビームがプラズマビームPBを経て基
板WAの表面に付着して被膜が形成される。この際、溶
融した膜材料MMは、耐食性のアルミナ等の絶縁性セラ
ミックスで形成されている被覆部材253cに接して凹
部153a収容されている。このため、高温の膜材料M
Mは、本体253c自体と反応を起こすことがなくこれ
に浸食を生じさせない。しかも、電流パス153fが導
電性を有するので、膜材料MMとハース51間の導通を
確保することができる。よって、ハースライナー253
が浸食されることを防止しつつ、Pt等の膜材料MMに
プラズマビームを供給して膜材料MMを蒸発させること
ができる。
【0048】なお、上記の例では、ハースライナー25
3の被覆部材253cの材料として、アルミナを用いた
が、これに代えてジルコニア、カルシア、マグネシア、
チタニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素等の耐食絶縁性セラ
ミックスを用いることができる。この際、これらの材料
を単独で用いることもできるが、これらを混合した組成
物の単層若しくは複数層から被覆部材253cを形成す
ることができる。
【0049】また、上記の例では、ハースライナー25
3の本体253bの材料として、タングステンを用いた
が、これに代えて、モリブデン、タンタル、カーボン、
窒化ホウ素、炭化ケイ素等の材料を用いることができ
る。この際、これらの材料を単独で用いることもできる
が、これらを組み合わせることによって本体253bを
形成することができる。
【0050】被覆部材253cの形成方法としては、ス
パッタリング、真空蒸着、電子ビーム蒸着、イオンプレ
ーティング、熱CVD、プラズマCVD等の種々の方法
があるが、基材である本体253bとの密着性を考慮し
た場合、処理温度の高い熱CVDを利用した成膜が最も
好ましい。被覆部材253cの厚みは、例えば1〜2μ
mとすることができる。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の成膜装置によれば、材料蒸発源の容器状の内面
を、所定の膜材料に対して耐食性を有するとともに導電
性を有する耐食導電材料からなる被覆部材によって被覆
しているので、溶融等した所定の膜材料に対して被覆部
材が障壁となって材料蒸発源が浸食されることを防止で
き、かつ、材料蒸発源中の所定の膜材料とハースとの間
に導通を確保することができる。
【0052】また、本発明の第2の成膜装置によれば、
材料蒸発源の容器状の内面を、所定の膜材料に対して耐
食性を有する耐食材料によって形成しているので、溶融
等した所定の膜材料によって材料蒸発源が内面から浸食
されることを防止できる。しかも、材料蒸発源の底部に
膜材料と同一材質の導電性の電極部材を有するので、材
料蒸発源中の蒸発金属等にプラズマビームを導くことが
できる。
【0053】また、本発明の成膜方法によれば、所定の
耐食導電材料からなり容器状の内面を被覆する被覆部材
を介して所定の膜材料に通電するので、溶融等した所定
の膜材料によって材料蒸発源が内面から浸食されること
を防止でき、かつ、材料蒸発源中の蒸発金属等にプラズ
マビームを導くことができる。また、上記成膜方法で
は、所定の耐食材料からなる容器状の内面の底部に設け
られた所定の膜材料と同一材質の導電性の電極部材を介
して所定の膜材料に導通するので、溶融等した所定の膜
材料によって材料蒸発源が内面から浸食されることを防
止でき、かつ、材料蒸発源中の蒸発金属等にプラズマビ
ームを導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の成膜装置の構造を説明する図で
ある。
【図2】図1中のハースライナーの構造を説明する断面
図である。
【図3】図2のハースライナーの変形例を説明する断面
図である。
【図4】図2のハースライナーの別の変形例を説明する
断面図である。
【符号の説明】
10 真空容器 30 プラズマガン 39 ガス供給源 47 ステアリングコイル 48 ガン駆動装置 50 陽極部材 51 ハース 52 補助陽極 53 ハースライナー 53a 凹部 53b 本体 53c 被覆部材 58 陽極電源装置 60 保持機構 68 基板電源装置 77 排気ポンプ 80 主制御装置 MM 膜材料 PB プラズマビーム WA 基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、 金属若しくは半導体となる所定の膜材料に対して耐食性
    を有するとともに導電性を有する所定の耐食導電材料か
    らなる被覆部材によって容器状の内面が被覆された材料
    蒸発源を備え、前記成膜室中に配置されて前記材料蒸発
    源に前記プラズマビームを導くハースと、を備える成膜
    装置。
  2. 【請求項2】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、 金属若しくは半導体となる所定の膜材料に対して耐食性
    を有する所定の耐食材料によって容器状の内面が形成さ
    れて底部に前記所定の膜材料と同一材質の導電性の電極
    部材を有する材料蒸発源を備え、前記成膜室中に配置さ
    れて前記材料蒸発源に前記プラズマビームを導くハース
    と、を備える成膜装置。
  3. 【請求項3】 前記材料蒸発源は、前記所定の耐食材料
    からなり底部に貫通孔を有する容器状の本体を有し、前
    記電極部材は、前記貫通孔を封止するとともに前記底部
    下面から下方に突出することを特徴とする請求項2記載
    の成膜装置。
  4. 【請求項4】 前記材料蒸発源は、耐熱性を有する材料
    からなり底部に貫通孔を有する容器状の本体と、前記本
    体の内面を被覆する前記所定の耐食材料からなる被覆部
    材とを有し、前記電極部材は、前記貫通孔を封止すると
    ともに前記底部下面から下方に突出することを特徴とす
    る請求項2記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の耐食導電材料は、TiC、V
    43、ZrC、NbC、Mo2C、HfC、TaC、W
    C、TiN、VN、Cr2N、ZrN、NbN、Mo
    2N、HfN、TaN、W2Nの少なくとも1つを含むセ
    ラミックスであることを特徴とする請求項1記載の成膜
    装置。
  6. 【請求項6】 前記所定の耐食材料は、アルミナ、ジル
    コニア、カルシア、マグネシア、チタニア、窒化ホウ
    素、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タンタル、炭化ハフ
    ニウムの少なくとも1つを含むセラミックスであること
    を特徴とする請求項2記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】 前記ハースの周囲に環状に配置された磁
    石、又は磁石及びコイルからなり前記ハースの近接した
    上方の磁界を制御する磁場制御部材と、前記磁場制御部
    材の上方に配置されて前記ハースの近接した上方の電界
    を制御する補助陽極とをさらに備え、前記プラズマ源
    は、圧力勾配型のプラズマガンであることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれか記載の成膜装置。
  8. 【請求項8】 成膜室中に陽極として配置された材料蒸
    発源に向けてプラズマビームを供給することによって、
    前記材料蒸発源に収容された金属若しくは半導体となる
    所定の膜材料を蒸発させて成膜室中に配置された基板の
    表面に付着させる成膜方法であって、 前記材料蒸発源は、前記所定の膜材料に対して耐食性を
    有するとともに導電性を有する所定の耐食導電材料から
    なり容器状の内面を被覆する被覆部材と、前記所定の膜
    材料に対して耐食性を有する所定の耐食材料からなる容
    器状の内面の底部に設けられた前記所定の膜材料と同一
    材質の導電性の電極部材とのいずれかを介して、前記所
    定の膜材料と前記材料蒸発源を支持するハースとを導通
    させることを特徴とする成膜方法。
JP2000094210A 2000-03-30 2000-03-30 成膜方法及び装置 Withdrawn JP2001279430A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000094210A JP2001279430A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 成膜方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000094210A JP2001279430A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 成膜方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001279430A true JP2001279430A (ja) 2001-10-10

Family

ID=18609289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000094210A Withdrawn JP2001279430A (ja) 2000-03-30 2000-03-30 成膜方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001279430A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013201202A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Epiquest:Kk Kセル用るつぼ、kセル、およびmbe装置
EP2850220A4 (en) * 2012-05-15 2015-11-11 United Technologies Corp CERAMIC COATING DEPOSITION

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013201202A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Epiquest:Kk Kセル用るつぼ、kセル、およびmbe装置
EP2850220A4 (en) * 2012-05-15 2015-11-11 United Technologies Corp CERAMIC COATING DEPOSITION
EP3473745A3 (en) * 2012-05-15 2019-05-15 United Technologies Corporation Ceramic coating deposition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5808417B2 (ja) 電子ビームを形成するための装置
US5677012A (en) Plasma processing method and plasma processing apparatus
JP2001279430A (ja) 成膜方法及び装置
JP2005272965A (ja) 電極部材、及びこれを備えた成膜装置
JP2019121422A (ja) 表面処理装置
JP4056680B2 (ja) 成膜装置及び方法
JP5816500B2 (ja) プラズマガンおよびそれを用いた成膜装置
JP2002047559A (ja) Ito膜及びその成膜方法
JP2002180240A (ja) 成膜装置
JP7084201B2 (ja) 反応性イオンプレーティング装置および方法
CN105316628A (zh) 成膜装置
JP2001262323A (ja) 成膜方法及び装置
JPH07166335A (ja) イオンプレーティング装置
JP3038464B2 (ja) イオンプレーティングのプラズマビーム制御方法及び制御装置
JP2001295031A (ja) 成膜装置及び方法
JP2001011607A (ja) 成膜装置及び方法
JP3850502B2 (ja) ホローカソードおよびこのホローカソードを具備するイオンプレーティング装置
JP2000026953A (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
KR100887703B1 (ko) 일체형 애노드를 구비한 이온 플레이팅 장치
Beilis et al. Chromium and titanium film deposition using a hot refractory anode vacuum arc plasma source
RU2676719C1 (ru) Способ низкотемпературного нанесения нанокристаллического покрытия из альфа-оксида алюминия
JP2001250793A (ja) 成膜装置及び方法
JP2000282228A (ja) 成膜装置及び方法
JP4146555B2 (ja) 成膜方法
JP2622683B2 (ja) 磁気記録媒体の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070605