JP2001192817A - 成膜方法及び装置 - Google Patents

成膜方法及び装置

Info

Publication number
JP2001192817A
JP2001192817A JP37448199A JP37448199A JP2001192817A JP 2001192817 A JP2001192817 A JP 2001192817A JP 37448199 A JP37448199 A JP 37448199A JP 37448199 A JP37448199 A JP 37448199A JP 2001192817 A JP2001192817 A JP 2001192817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
hearth
film
substrate
evaporation source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP37448199A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Sakuragi
進 桜木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP37448199A priority Critical patent/JP2001192817A/ja
Publication of JP2001192817A publication Critical patent/JP2001192817A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フットプリントの増大を最小限に抑えつつ、
基板の簡易な受け渡しや保持を可能にする成膜装置と成
膜方法とを提供すること。 【解決手段】 真空容器10中には、被処理面を上側に
した基板WAがゲートバルブ70を介して搬入され、支
持板51上に載置固定される。ハース61下部のハース
ライナー63aは、プラズマビームPBにより加熱さ
れ、このハースライナー63aに含有された蒸発金属
(膜材料)が溶融して表面に浸み出し、ハースライナー
63aの下面USから金属の蒸発ビームが安定して出射
する。この蒸発ビームは、プラズマビームPBによりイ
オン化され、成膜面を上側にした基板WAの表面に付着
して被膜が形成される。この際、ハースライナー63a
の表面から安定した蒸気ビームが出射するので、基板W
A上に金属を簡易に埋め込むことができ、かかる配線膜
の成膜が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、プラズマを用い
てイオンプレーティングを行う成膜装置及び方法に関
し、特に金属配線膜を形成するのに適した成膜装置及び
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成膜装置として、圧力勾配型のプ
ラズマガンからのプラズマビームを真空容器底部に設け
たハースに導き、ハース上に配置したルツボ状のハース
本体中の蒸着物質を蒸発・イオン化し、このように蒸発
・イオン化した蒸着物質をハースに対向して配置された
基板の表面に付着させるイオンプレーティング装置が知
られている。
【0003】特開平7−138743号公報には、この
種のイオンプレーティング装置において、ハース内に配
置された棒磁石とハースの周囲に同心に配置された永久
磁石とからなる入射ビーム方向調整手段を組み込むこと
によってハースの入射面上方にカスプ磁場を形成するも
のが開示されている。このイオンプレーティング装置で
は、ハース上方のカスプ磁場によってハースに入射する
プラズマビームを修正し、プラズマビームをハースの真
上から直線的に入射させるので、基板の表面に形成され
る膜の厚みを均一にすることができる。
【0004】なお、ハースに設けた蒸発物質源であるハ
ースライナーは、グラファイト等により作製された容器
状のもので、その凹部に成膜材料であるCu、Ag等の
金属を入れて溶融させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記成膜装置
は、下側のハースライナーから上側の基板に向けて蒸発
物質を供給する、すなわち被処理面を下側にして成膜を
行うデポアップ型の成膜装置であることから、成膜中及
びその前後において基板の被処理面を下側にして基板を
保持、搬送等する必要がある。つまり、処理すべき基板
は、一般に被処理面を上側にして搬送されてくるので、
成膜の前後において基板を円滑に反転させる特別の機構
が必要となり、さらに被処理面を下側にして基板を固定
したり搬送したりする必要性が生じる。このため、成膜
装置としてのフットプリントが増大したり、基板の取扱
や搬送の信頼性が低下する等の問題があった。
【0006】そこで、本発明は、フットプリントの増大
を最小限に抑えつつ、基板の簡易な受け渡しや保持を可
能にする成膜装置と成膜方法とを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の成膜装置は、プラズマビームを成膜室中に
供給するプラズマ源と、成膜の対象である基板を成膜室
中に膜形成面を上側にして支持する基板支持部材と、成
膜室中で基板支持部材の上方に配置され、膜材料である
蒸発金属を底面に湧出させる材料蒸発源を有するととも
に、この材料蒸発源にプラズマビームを導くハースとを
備える。
【0008】上記装置では、溶融するタイプの蒸発金属
を膜材料とする場合であっても、これを材料蒸発源の底
面に湧出させることによって蒸発させるので、下方の基
板支持部材に支持した基板上にそのまま成膜を行うこと
ができる。つまり、溶融する金属を膜材料として簡易に
デポダウン型の成膜を行うことができ、フットプリント
の増大を最小限に抑えつつ、成膜に際して基板の簡易な
受け渡しや保持が可能になる。
【0009】また、上記装置の好ましい態様では、材料
蒸発源が蒸発金属を収容するとともに底部に蒸発金属を
浸透させる浸透部を有する容器である。
【0010】上記装置では、容器底部の浸透部から蒸発
金属を徐々に湧出させて成膜を行うことができ、しかも
容器内に蒸発金属を収容することで、蒸発金属を長時間
に亘って連続して安定に供給することができる。
【0011】また、上記装置の好ましい態様では、容器
が高融点金属の多孔質焼結体から形成されている。
【0012】この場合、多孔質焼結体からなる容器に損
傷を与えることなく、材料蒸発源の底面に蒸発金属を徐
々に湧出させることができる。
【0013】また、上記装置の好ましい態様では、材料
蒸発源が、蒸発金属を含浸させた高融点金属の多孔質焼
結体からなる。
【0014】この場合、多孔質焼結体からなる材料蒸発
源を損傷することなく、この材料蒸発源の底面に蒸発金
属を徐々に湧出させることができる。
【0015】また、上記装置の好ましい態様では、多孔
質焼結体が、W、Ta、Moのいずれか、又はW、T
a、Moのいずれかを含む混合物からなる。
【0016】この場合、多孔質焼結体の気孔率を10〜
70%とすることで、多孔質焼結体の構造を維持しつつ
蒸発金属を効率的に成膜することができる。
【0017】また、上記装置の好ましい態様では、ハー
スの周囲に環状に配置された磁石、又は磁石及びコイル
からなりハースの近接した下方の磁界を制御する磁場制
御部材と、磁場制御部材の下方に配置されてハースの近
接した下方の電界を制御する補助陽極とをさらに備え、
プラズマ源が、圧力勾配型のプラズマガンである。
【0018】この場合、磁場制御部材によってハースに
入射するプラズマビームをカスプ状磁場で修正してより
均一な厚みの膜を形成することができる。また、補助陽
極によってハースへのプラズマビームの供給をオン・オ
フ切り換える等の多様な制御が可能になる。さらに、圧
力勾配型のプラズマガンによって高出力で安定したプラ
ズマビームを連続的に供給できる。
【0019】また、本発明の成膜方法は、成膜室中に陽
極として配置された材料蒸発源に向けてプラズマビーム
を供給しつつ材料蒸発源から膜材料である蒸発金属を蒸
発させて成膜室中の下方に配置された基板の表面に付着
させる成膜方法であって、蒸発金属を材料蒸発源の底面
に湧出させることによってこの蒸発金属を成膜室中に蒸
発させる。
【0020】上記方法では、溶融するタイプの蒸発金属
を膜材料とする場合であっても、これを材料蒸発源の底
面に湧出させることによって蒸発させるので、下方に配
置された基板上にそのまま成膜を行うことができる。つ
まり、溶融する金属を膜材料として簡易にデポダウン型
の成膜を行うことができ、フットプリントの増大を最小
限に抑えつつ、成膜に際して基板の簡易な受け渡しや保
持が可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、本発明
に係る第1実施形態の成膜装置の全体構造を概念的に説
明する図である。この成膜装置は、成膜室である真空容
器10と、真空容器10中にプラズマビームPBを供給
するプラズマ源であるプラズマガン30と、真空容器1
0の底部に配置されて基板WAを保持する保持機構50
と、真空容器10内の上部に配置されてプラズマビーム
PBの流れを制御する陽極部材60と、これらの動作を
統括制御する主制御装置80とを備える。
【0022】プラズマガン30は、プラズマビームPB
を発生する圧力勾配型のプラズマガンであり、その本体
部分は、真空容器10の側壁に設けられた筒状部12に
装着されている。この本体部分は、陰極31によって一
端が閉塞されたガラス管32からなる。ガラス管32内
には、モリブデンMoで形成された円筒33が陰極31
に固定されて同心状に配置されており、この円筒33内
には、LaB6で形成された円盤34とタンタルTaで
形成されたパイプ35とが内蔵されている。ガラス管3
2の両端部のうち陰極31とは反対側の端部と、真空容
器10に設けた筒状部12の端部との間には、第1及び
第2中間電極41、42が同心状に直列に配置されてい
る。一方の第1中間電極41内には、プラズマビームP
Bを収束するための環状永久磁石44が内蔵されてい
る。第2中間電極42内にも、プラズマビームPBを収
束するための電磁石コイル45が内蔵されている。な
お、筒状部12の周囲には、陰極31側で発生して第1
及び第2中間電極41、42まで引き出されたプラズマ
ビームPBを真空容器10内に導くステアリングコイル
47が設けられている。
【0023】プラズマガン30の動作は、ガン駆動装置
48によって制御されている。このガン駆動装置48
は、陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極41、42、電磁石コイル45、及びステアリング
コイル47への給電を調整する。このようなガン駆動装
置48によって、真空容器10中に供給されるプラズマ
ビームPBの状態が制御される。
【0024】なお、プラズマガン30の最も内心側に配
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るAr等のキャリアガスをプラズマガン30中に導入す
るためものであり、流量計37及び流量調節弁38を介
してガス供給源39に接続されている。流量計37によ
って検出されたキャリアガスの流量は主制御装置80で
監視されており、流量調節弁38によるキャリアガスの
流量調整等に利用される。なお、真空容器10のプラズ
マガン30に対向する側面には、真空容器10内を減圧
するため、真空ゲート76を介して排気ポンプ77が取
り付けられている。
【0025】真空容器10中の下部に配置される保持機
構50は、成膜面を上側にして基板WAを保持するため
の基板支持部材である支持板51と、搬送ロボット等に
よって真空容器10外から被処理面(成膜面)を上側に
して搬入されてきた未処理の基板WAを受け取ったり成
膜後の処理済みの基板WAを搬送ロボット等に渡すため
の基板受渡装置52と、支持板51の下部に固定されて
基板WAを裏面側から温度調節する温度調節装置53と
を備える。
【0026】支持板51は、基板WAの周囲を固定する
固定部材(不図示)を備えるともに真空容器10に対し
て絶縁された状態で基板電源装置57から給電されてお
り、ゼロ電位の真空容器10に対して例えば負電位に基
板WAの成膜面をバイアスする。基板受渡装置52は、
基板WA裏面を一時的に支持する複数の支持ピン52a
と、これら支持ピン52aを昇降させる昇降駆動装置5
2bとを備え、昇降駆動装置52bの動作は、昇降制御
装置58によって制御されている。支持ピン52aは、
基板の受渡時に、支持板51の表面から突出して基板W
A裏面を一時的に支持したり支持板51中に収納される
動作にともなって支持板51に基板WAを渡す。温度調
節装置53は、温調制御装置59によって制御されてお
り、温調制御装置59は、温度調節装置53に内蔵した
ヒータに給電し、或いはこれに内蔵した配管に冷却媒体
を供給して、温度調節装置53更には支持板51を所望
の温度に保持する。
【0027】真空容器10の下部であって保持機構50
の側方には、ゲートバルブ70が設けられており、真空
容器10内外への基板WAの搬出・搬入を可能にしてい
る。なお、真空容器10は、このゲートバルブ70を介
して、搬送ロボットを収容する他の真空容器(不図示)
に接続される。
【0028】真空容器10中の上部に配置された陽極部
材60は、プラズマビームPBを上方に導く主陽極であ
るハース61と、その周囲に配置された環状の補助陽極
62とからなる。
【0029】前者のハース61は、熱伝導率の良い導電
性材料で形成されるとともに接地された真空容器10に
図示を省略する絶縁物を介して支持されている。このハ
ース61は、陽極電源装置68によって適当な正電位に
制御されており、プラズマガン30から水平方向に出射
したプラズマビームPBを上方に吸引する。なお、ハー
ス61は、プラズマガン30からのプラズマビームPB
が入射する中央に、材料蒸発源である容器状のハースラ
イナー63aを収納するための凹部61aを有してい
る。この凹部61aの下端には、ホルダ64がねじ込ま
れ、ハースライナー63aの下面外周を支持してハース
ライナー63aの落下を防止している。
【0030】ハースライナー63aは、後に詳述する
が、高融点金属の多孔質焼結体からなる容器であり、そ
の容器内に銅等の溶融した蒸発金属を膜材料として収容
し、その下面からその溶融金属を湧出させて金属蒸気を
下方に出射させる。ハースライナー63aには、膜材料
からなる線材WMが真空容器10外の材料供給装置67
から供給される。材料供給装置67は、線材WMを真空
容器10内部に所望のスピードで送り込むとともにハー
ス61の中心軸に設けた孔61bを介して線材WMの先
端をハースライナー63a中に供給する。
【0031】後者の補助陽極62は、ハース61の周囲
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石65と、これと同心的に積層されたコイ
ル66とが収納されている。これら永久磁石65及びコ
イル66は、磁場制御部材であり、ハース61の直下に
カスプ状磁場を形成する。これにより、ハース61に入
射するプラズマビームPBの向き等を修正することがで
きる。
【0032】補助陽極62内のコイル66は電磁石を構
成し、陽極電源装置68から給電される。この場合、励
磁されたコイル66における中心側の磁界の向きは、永
久磁石65により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るように構成される。陽極電源装置68は、コイル66
に供給する電流を変化させることができ、ハース61に
入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能にな
る。
【0033】補助陽極62の容器も、ハース61と同様
に熱伝導率の良い導電性材料で形成される。この補助陽
極62は、ハース61に対して図示を省略する絶縁物を
介して取り付けられている。陽極電源装置68は、補助
陽極62に印加する電圧を変化させることによってハー
スライナー63aの下方の電界を補助的に制御できるよ
うになっている。
【0034】図2は、ハースライナー63aとその保持
機構とを説明する側方断面図である。ハースライナー6
3aは、円筒状の側壁63dと円形の底部63eとから
なる容器である。ハースライナー63aは、例えばCu
(銅)とW(タングステンと)をほぼ同一量だけ混合し
て得た焼結合金(Cu−W)で形成されている。この場
合、比較的低融点のCuが蒸発金属となり、比較的高融
点のWが構造体となる。この構造体は、含浸したCuが
完全に湧出すると約50%の気孔率を有することにな
る。
【0035】ハースライナー63aは、ハース61の凹
部61aにねじ込まれた円筒状のホルダ64に支持され
ている。ホルダ64の底部には開口64aが形成されて
おり、ハースライナー63aの底部63eを露出させて
いる。これにより、プラズマビームPBに含まれる電子
によって浸透部である底部63eが加熱され、底部63
eから金属融液MMが徐々に浸み出し、底部63eの下
面USで加熱されて蒸気となって下方に蒸気ビームが出
射する。
【0036】さらに、ハースライナー63aは、溶融し
たCu等の金属融液MMを容器として収容している。つ
まり、プラズマビームPBによって底部63eが加熱さ
れる際に、ハースライナー63a中の蒸発金属も加熱さ
れて融解し、所望の温度の金属融液MMとなる。ハース
ライナー63aの上部には、蓋63fを設けてあり、金
属融液MMからの金属蒸気のハース61への付着や供給
口61bへの付着を防止している。蓋63fの中央部に
は、開口63gを設けている。この開口63gには、孔
61bから延びる線材WMが挿入され、線材WM下端
は、金属融液MMに漬かって溶融している。
【0037】なお、線材WMは、一定速度で下方に送ら
れており、成膜に伴って金属融液MMが消費されてもハ
ースライナー63a中には常に一定量の金属融液MMが
溜まった状態となる。
【0038】また、ハース61の凹部61a上方には、
水等の冷却媒体を流すための空洞61dが形成されてお
り、プラズマビームPBによって加熱されるハースライ
ナー63aの温度をある程度一定の範囲に保つ。
【0039】また、ホルダ64は、プラズマビームPB
によってダメージを受けない材料、例えば高融点金属、
セラミックス等を用いて形成することができる。さら
に、ホルダ64は、それ自体で水冷される銅製とするこ
ともできる。
【0040】上記の例では、ハースライナー63aを形
成する焼結体をCu−Wとしたが、この代わりに、Cu
−Mo、Cu−Ta、又はW、Mo、Taの2以上の組
み合わせとCuとからなる焼結体とすることができる。
【0041】また、上記の例では、ハースライナー63
aをほぼ同一量の銅とタングステンとで形成したが、実
験では、蒸発金属の比率を10〜70容量%の範囲で変
化させても同様の結果が得られることを確認した。この
場合、ハースライナー63aのポロシティ(気孔率)は
10〜70%となる。
【0042】また、上記の例では、Cuを蒸発金属とす
る場合について説明したが、他の金属Ag、Au等を蒸
発金属とする場合、W、Mo、Ta等の高融点金属とこ
れらAg等とを混合した焼結体でハースライナー63a
を形成することができる。
【0043】また、ハースライナー63aの底部63e
の形状も、円柱状に限らず、各種形状とすることができ
る。ただし、プラズマビームが入射し蒸気ビームが出射
する下面USは、平坦で一定以上の面積を有することが
望ましい。
【0044】以下、図1及び図2に示す第1実施形態の
成膜装置の動作について説明する。未処理の基板WA
は、成膜面を上側にした状態で、ゲートバルブ70を介
して真空容器10内部に搬入される。この基板WAは、
昇降する支持ピン52aを介して支持板51上に載置・
固定される。次に、支持板51上の基板WAの温度や電
位を温度調節装置53や基板電源装置57によって適宜
調節する。次に、ガン駆動装置48や陽極電源装置68
等を適宜動作させることにより、真空容器10中に形成
された磁界に案内され、プラズマビームPBがハース6
1に到達する。ハース61下部のハースライナー63a
は、このプラズマビームPBにより加熱され、このハー
スライナー63aに含有された蒸発金属(膜材料)が溶
融して表面に浸み出し、ハースライナー63aの下面U
Sから金属の蒸発ビームが安定して出射する。この蒸発
ビームは、プラズマビームPBによりイオン化され、負
電圧が印加された基板WAの表面に付着して被膜が形成
される。この際、ハースライナー63aの表面から安定
した蒸気ビームが出射するので、基板WA上に高アスペ
クト比の溝あるいは穴が形成されている場合であって
も、これに金属を簡易に埋め込むことができ、かかる配
線膜の成膜が容易になる。さらに、ハースライナー63
aの容器に蒸発金属を溜めて蒸発金属が常に一定の割合
でハースライナー63aの下面USに供給されることと
すれば、長時間に亘ってより安定した成膜が可能にな
る。
【0045】〔第2実施形態〕以下、本発明の第2実施
形態について説明する。なお、第2実施形態の成膜装置
は、第1実施形態の成膜装置の材料蒸発源を変形したも
のであり、同一部分については重複説明を省略する。
【0046】図3は、ハースライナー163aを説明す
る側方断面図である。ハースライナー163aを除くハ
ース61の本体部分は、第1実施形態のものと同一の構
造を有する。ハースライナー163aは、円柱状の外形
を有する中実のCu−W焼結合金からなる。ハースライ
ナー163aの下面USにプラズマビームが入射して、
ハースライナー163aが加熱されると、ハースライナ
ー163aを構成するCuが溶融する。このCuの融液
は、Wからなる構造体中に連続的に形成された空孔を通
ってハースライナー163aの下面USに浸み出す。こ
のように浸み出したCuの融液は、さらに加熱されて、
ハースライナー163aの下面USから徐々に蒸発し、
Cuの蒸気ビームとなる。この蒸気ビームは、成膜面を
上側にした基板WA上に入射し、Cu配線膜を形成す
る。
【0047】なお、線材WMは、図1に示す材料供給装
置67により下方に送られてハースライナー163a上
部に供給される。これにより、成膜に伴ってCuが消費
されても、蒸発に見合った量だけハースライナー63a
にCuを供給して、常に一定量のCu融液を含浸した状
態にハースライナー63aを維持できる。
【0048】〔第3実施形態〕以下、本発明の第3実施
形態について説明する。なお、第3実施形態の成膜装置
は、第1実施形態の成膜装置の材料蒸発源を変形したも
のである。
【0049】図3は、ハースライナー263aを説明す
る側方断面図である。第3実施形態では、ハースライナ
ー263aをW等の高融点金属等のみからなる容器と
し、底部263eに多数の細孔NHを形成している。こ
れにより、プラズマビームPBに含まれる電子によって
底部63eが加熱され、底部63eに設けた多数の細孔
NHを介して下面USに金属融液MMが徐々に浸み出
し、下面USで加熱されて蒸気となって下方に蒸気ビー
ムが出射する。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の成膜装置では、溶融するタイプの蒸発金属を膜材料と
する場合であっても、簡易にデポダウン型の成膜を行う
ことができ、フットプリントの増大を最小限に抑えつ
つ、成膜に際して基板の簡易な受け渡しや保持が可能に
なる。
【0051】また、本発明の成膜方法では、溶融するタ
イプの蒸発金属を膜材料とする場合であっても、簡易に
デポダウン型の成膜を行うことができ、フットプリント
の増大を最小限に抑えつつ、成膜に際して基板の簡易な
受け渡しや保持が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る成膜装置の構造を
説明する図である。
【図2】図1の成膜装置の材料蒸発源等の構造を説明す
る側方断面図である。
【図3】第2実施形態に係る成膜装置の材料蒸発源等の
側方断面図である。
【図4】第3実施形態に係る成膜装置の材料蒸発源等の
側方断面図である。
【符号の説明】
10 真空容器 30 プラズマガン 39 ガス供給源 50 保持機構 51 支持板 60 陽極部材 61 ハース 61a 凹部 62 補助陽極 63a ハースライナー 64 ホルダ 64a 開口 65 永久磁石 66 コイル 67 材料供給装置 77 排気ポンプ 80 主制御装置 MM 金属融液 PB プラズマビーム US 下面 WA 基板 WM 線材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、 成膜の対象である基板を前記成膜室中に膜形成面を上側
    にして支持する基板支持部材と、 前記成膜室中で前記基板支持部材の上方に配置され、膜
    材料である蒸発金属を底面に湧出させる材料蒸発源を有
    するとともに、当該材料蒸発源に前記プラズマビームを
    導くハースと、を備える成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記材料蒸発源は、前記蒸発金属を収容
    するとともに底部に前記蒸発金属を浸透させる浸透部を
    有する容器であることを特徴とする請求項1記載の成膜
    装置。
  3. 【請求項3】 前記容器は、高融点金属の多孔質焼結体
    から形成されていることを特徴とする請求項2記載の成
    膜装置。
  4. 【請求項4】 前記材料蒸発源は、前記蒸発金属を含浸
    させた高融点金属の多孔質焼結体からなることを特徴と
    する請求項1記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記多孔質焼結体は、W、Ta、Moの
    いずれか、又はW、Ta、Moのいずれかを含む混合物
    からなることを特徴とする。
  6. 【請求項6】 前記ハースの周囲に環状に配置された磁
    石、又は磁石及びコイルからなり前記ハースの近接した
    下方の磁界を制御する磁場制御部材と、前記磁場制御部
    材の下方に配置されて前記ハースの近接した下方の電界
    を制御する補助陽極とをさらに備え、前記プラズマ源
    は、圧力勾配型のプラズマガンであることを特徴とする
    請求項1記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】 成膜室中に陽極として配置された材料蒸
    発源に向けてプラズマビームを供給しつつ前記材料蒸発
    源から膜材料である蒸発金属を蒸発させて成膜室中の下
    方に配置された基板の表面に付着させる成膜方法であっ
    て、 前記蒸発金属を前記材料蒸発源の底面に湧出させること
    によって当該蒸発金属を前記成膜室中に蒸発させること
    を特徴とする成膜方法。
JP37448199A 1999-12-28 1999-12-28 成膜方法及び装置 Withdrawn JP2001192817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37448199A JP2001192817A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 成膜方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37448199A JP2001192817A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 成膜方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001192817A true JP2001192817A (ja) 2001-07-17

Family

ID=18503924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37448199A Withdrawn JP2001192817A (ja) 1999-12-28 1999-12-28 成膜方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001192817A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101087685B1 (ko) * 2010-05-12 2011-11-30 유흥상 진공증착장치
KR101103369B1 (ko) * 2010-05-12 2012-01-05 유흥상 진공증착방법
JP2013151727A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd プラズマ蒸着装置の材料供給装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101087685B1 (ko) * 2010-05-12 2011-11-30 유흥상 진공증착장치
KR101103369B1 (ko) * 2010-05-12 2012-01-05 유흥상 진공증착방법
JP2013151727A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd プラズマ蒸着装置の材料供給装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4860091B2 (ja) 大面積基板のコーティング装置
JP2001192817A (ja) 成膜方法及び装置
JP2002030426A (ja) 成膜方法及び装置
JP3189038B2 (ja) 真空成膜装置の材料供給装置
JP4056680B2 (ja) 成膜装置及び方法
JP3806834B2 (ja) 酸化窒化シリコンの成膜方法
JP3732074B2 (ja) 成膜装置
JP2019121422A (ja) 表面処理装置
JP4017310B2 (ja) 成膜装置
JP2005272965A (ja) 電極部材、及びこれを備えた成膜装置
JP2002249871A (ja) 成膜装置
JP2003105526A (ja) 珪素化合物膜の成膜方法
JP2000282223A (ja) 成膜装置及び方法
JP3038464B2 (ja) イオンプレーティングのプラズマビーム制御方法及び制御装置
JPH11273894A (ja) 薄膜形成装置
JP2000282228A (ja) 成膜装置及び方法
JP2001143894A (ja) プラズマ発生装置及び薄膜形成装置
TWI826807B (zh) 電漿槍、成膜裝置及負離子生成裝置
JP3120368B2 (ja) 真空成膜装置
JP2001011607A (ja) 成膜装置及び方法
JPH03163733A (ja) 高速原子線放射装置
JP2010132939A (ja) イオンプレーティング装置および成膜方法
JPH1143763A (ja) 真空成膜の材料供給装置
JP2003007240A (ja) プラズマ発生装置及び薄膜形成装置
JPH06251897A (ja) プラズマ発生方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070306