JP2000282216A - サイドガイド竪ロールおよびその製造方法 - Google Patents

サイドガイド竪ロールおよびその製造方法

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JP2000282216A
JP2000282216A JP11085981A JP8598199A JP2000282216A JP 2000282216 A JP2000282216 A JP 2000282216A JP 11085981 A JP11085981 A JP 11085981A JP 8598199 A JP8598199 A JP 8598199A JP 2000282216 A JP2000282216 A JP 2000282216A
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JP
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side guide
carbide
diffusion layer
roll
subjected
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JP11085981A
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English (en)
Inventor
Satoru Midorikawa
悟 緑川
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 耐エッジ摩耗性、耐皮膜剥離性を向上させ
たサイドガイド竪ロールおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 鋼製ロール心材外周上に拡散層を介して
炭化物系サーメットからなる封孔処理された高速ガス炎
溶射層を有するサイドガイド竪ロールであり、これを製
造するには、鋼製ロール心材外周である下地に炭化物系
サーメット粉末を高速ガス炎溶射して皮膜を形成し、次
いで非酸化性雰囲気中で熱処理して皮膜と下地との界面
に拡散層を形成させ、さらに皮膜に封孔処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延設備の仕
上ミルやダウンコイラ、ステンレスコールドミルに設置
されているサイドガイド竪ロールおよびその製造方法に
関する。サイドガイドは、搬送ライン上を走行するスト
リップの幅方向位置を制御するための装置であり、図4
に示すように、ストリップ2幅端に回動自在に当接する
竪ロール(サイドガイド竪ロール)1と該竪ロール1を
支持してサイドガイドシフト方向(ライン幅方向に平
行)6にシフト可能なサイドガイド本体3とで構成され
ている。
【0002】
【従来の技術】一般に、図1に示すように、サイドガイ
ド竪ロール1には、炭化物(WC, TiC,NbC, Cr3C2 )含
有のCo基自溶性合金溶射法、炭化物サーメット(TiC, N
bC, Cr 3C2+NiCr)のプラズマアーク溶接(PTA)法、
ハイス(高強度工具鋼(C, W, Mo, Cr含有))系のサ
ブマージアーク溶接(SAW)法による表面改質Aが行
われている。なお、図1において、5はストリップ搬送
方向である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭化物
含有のCo基自溶性合金溶射法では、炭化物含有量が高々
35wt%に過ぎず、平均硬度も高々Hv600 しか得られず、
炭化物が球状化しているため容易に脱落し、図1に示す
ように、ストリップ2に擦られることよるエッジ摩耗B
により寿命が短いという問題があった。また、PTA法
では、前記Co基自溶性合金溶射法よりも炭化物含有量を
増やすことができるものの、プラズマを熱源としている
ため、酸化の影響や炭化物の変態により本来の炭化物で
の耐摩耗性が得られず、やはりエッジ摩耗により寿命が
短いという問題があった。さらに、通常のハイス系のS
AW法では腐食摩耗による減肉が速く、また、溶接材料
を通常のものからCr増量により耐食性向上を図ったハイ
ス材に代えても、炭化物の偏析によりCr欠乏層ができ腐
食摩耗がかえって促進されるという問題があった。
【0004】このようなことから、高速ガス炎溶射(H
VOF;High Velocity Oxyfuel )法によるWCサーメッ
ト溶射が過去何度となく試みられているが、溶射皮膜自
体がポーラスなことと、皮膜と下地(鋼)とが機械的な
投錨効果のみで密着しているに過ぎないため、衝撃が加
わると図2に示すように容易に皮膜剥離Cが生じたり、
短期間に水が皮膜内の気孔(径:数μm 〜数十μm )を
通って下地に達してそこを腐食させ剥離に至るという問
題があった。
【0005】そこで本発明は、耐エッジ摩耗性、耐皮膜
剥離性を向上させたサイドガイド竪ロールおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、鋼製ロール心材外周上に拡散層を介して炭
化物系サーメットからなる封孔処理された高速ガス炎溶
射層を有するサイドガイド竪ロールである。また、本発
明は、サイドガイド竪ロールの製造方法において、鋼製
ロール心材外周である下地に炭化物系サーメット粉末を
高速ガス炎溶射して皮膜を形成し、次いで非酸化性雰囲
気中で熱処理して皮膜と下地との界面に拡散層を形成さ
せ、さらに皮膜に封孔処理を施すことを特徴とするサイ
ドガイド竪ロールの製造方法である。
【0007】前記熱処理は、高周波誘導加熱(HFIH)に
て行うのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のサイドガイド竪ロール
は、鋼製ロール心材外周上に拡散層を介して炭化物系サ
ーメットからなる封孔処理された高速ガス炎溶射層(H
VOF層)を有するものである。拡散層は、HVOF層
中の金属と下地(鋼製ロール心材)中の金属とが相互に
相手側に拡散し合って形成された層である。従来のもの
は、HVOF層と下地とが機械的な投錨(アンカー)効
果により密着しているに過ぎなかったが、本発明では、
HVOF層と下地間に拡散層が形成されているので、自
溶性合金溶射皮膜と同等以上の密着力が備わり、図2の
ような皮膜剥離が発生しなくなる。
【0009】また、溶射層には封孔処理が施されている
ので、気孔からの水侵入による下地腐食剥離も発生しな
くなる。HVOF層の厚みは 500μm 以上が好ましい。
この範囲未満では、竪ロールの耐摩耗性が不足気味とな
る。また、拡散層厚みは5μm 以上が好ましい。この範
囲未満では、耐剥離性改善効果が小さい。
【0010】本発明では、サーメットは炭化物系サーメ
ットに限る。酸化物系、窒化物系のサーメットでは、含
有する酸化物、窒化物が溶射層と下地との密着性を阻害
する傾向があるので好ましくない。なお、炭化物系サー
メットの炭化物は、WC, Cr3C 2, TiC, NbC 等が好適であ
る。HVOFは、例えば図5に示すようなジェットコー
ト溶射ガンを用いて行う。この方法は燃焼がガンの内部
で行われ、酸素(4〜6kgf/cm2 )、燃料ガス(4〜6
kgf/cm2 )ともに高圧になっており、ガスジェットの速
度が非常に速く、その粒子速度も爆発溶射法と同等以上
になる。なお、JP−5000溶射ガン等のジェットコート溶
射ガン以外のガンを用いてもよい。
【0011】拡散層を形成させる熱処理は、非酸化性雰
囲気中で行うに限る。酸化性雰囲気中での熱処理では、
皮膜中の炭化物が変質して耐摩耗性が低下し、また、気
孔を通じて下地鋼が酸化し皮膜が剥離し易くなる。この
熱処理は、拡散層厚みを上記好適範囲に収める観点か
ら、加熱温度:1000〜1200℃、加熱時間:60s以上で行
うのがよい。熱処理方法は、高周波誘導加熱(HFIH)が
好ましい。高周波誘導加熱であれば、表皮効果により皮
膜と下地との界面およびその近傍を集中的に加熱するこ
とができ、加熱効率が良く、またロール心材(鋼)中心
部への熱影響も小さい。
【0012】封孔処理は、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂等をアルコール等の溶媒に溶かして
なる封孔処理液を、ハケあるいはスプレーにより皮膜に
塗布することにより、気孔に含浸させ、乾燥後気孔を樹
脂で塞ぐという方法にて行うことができる。ただし、気
孔内に空気が存在すると封孔処理液を含浸させ難いの
で、塗布前に気孔内を排気するのが好ましい。気孔内の
排気は、例えば被処理材全体を密閉空間内に入れて該密
閉空間内を真空吸引する方法など、種々の手段により行
うことができる。
【0013】
【実施例】SUJ2製ロール心材に表2に示す各種仕様
で表面改質を施した試験片を用い、図3に示す要領にて
円盤状の試験片10と相手材20とを荷重Pで押し合わせつ
つ相手材20を駆動回転させる摩耗試験を行った。試験条
件を表1に示す。同表に示すようにこの摩耗試験はサイ
ドガイド竪ロールの使用環境を模すため水スプレーにて
ウェット雰囲気にして行った腐食摩耗試験である。
【0014】試験結果を表2に示す。表2より、PTA
皮膜、SAW皮膜(No. 8、9)では摩耗深さが200 μ
m 以上であった。熱処理・封孔処理なしのHVOF皮膜
(No.10 )ではほぼ全面で剥離が起こって摩耗深さは測
定不可能であった。また、熱処理せず封孔処理のみ行っ
たHVOF皮膜(No. 5)では摩耗深さは小さかったも
のの微小剥離が散見された。また、プラズマ溶射皮膜
(No. 6、7)では摩耗深さが80μm 以上と大きく、プ
ラズマにより炭化物本来の耐摩耗性能が失われている。
【0015】これらの比較例に対し、本発明に則り熱処
理・封孔処理したHVOF皮膜(No. 1〜4)では、皮
膜剥離はなく、摩耗深さも12μm 以内と非常に小さく、
良好な結果が得られた。なお、本例では炭化物系サーメ
ット粉末としてWC系のものを使用したが、本発明はこれ
に限られずCr3C2 系、TiC 系、NbC 系のサーメット粉末
でもよい。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】次に、前記表2のNo.1の条件で表面改質し
た竪ロール(発明品)をステンレスコールドミル出側の
サイドガイドに取付けた。このミルでは、サイドガイド
竪ロールの従来品はSUJ2高周波焼入れ品であり、こ
の従来品は、ラインスピード:1000mpm 、ストリップ厚
み:0.1mm の操業条件下で、約2週間使用後の摩耗量が
約2.0mm に達していた。これに対し、発明品では1ヶ月
使用後の摩耗量が約 800μm (0.8mm )であった。すな
わち、発明品では2.5 月の寿命が予想され、従来品に比
し5倍以上の寿命延長が期待できる。
【0019】
【発明の効果】かくして本発明によれば、格段に優れた
耐エッジ摩耗性、耐皮膜剥離性を有するサイドガイド竪
ロールが得られ、竪ロール寿命が大幅に延長するという
優れた効果を奏する。また、エッジ摩耗深さが小さいこ
とからストリップエッジ部の疵発生防止効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】竪ロールのエッジ摩耗を示す立体図である。
【図2】竪ロールのHVOF皮膜剥離を示す立体図であ
る。
【図3】摩耗試験要領を示す説明図である。
【図4】サイドガイドの構成を示す要部断面図である。
【図5】ジェットコート溶射ガンの模式図である。
【符号の説明】
1 竪ロール(サイドガイド竪ロール) 2 ストリップ 3 サイドガイド本体 5 ストリップ搬送方向 6 サイドガイドシフト方向 10 試験片 20 相手材 A 表面改質 B エッジ摩耗 C 皮膜剥離

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製ロール心材外周上に拡散層を介して
    炭化物系サーメットからなる封孔処理された高速ガス炎
    溶射層を有するサイドガイド竪ロール。
  2. 【請求項2】 サイドガイド竪ロールの製造方法におい
    て、鋼製ロール心材外周である下地に炭化物系サーメッ
    ト粉末を高速ガス炎溶射して皮膜を形成し、次いで非酸
    化性雰囲気中で熱処理して皮膜と下地との界面に拡散層
    を形成させ、さらに皮膜に封孔処理を施すことを特徴と
    するサイドガイド竪ロールの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011151929A1 (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 トーカロ株式会社 熱間圧延設備用ロールおよびその製造方法

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