JP2000281343A - 高温耐久性を有する酸素吸収・放出能に優れたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物とその製造方法 - Google Patents

高温耐久性を有する酸素吸収・放出能に優れたセリウム−ジルコニウム系複合酸化物とその製造方法

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JP2000281343A
JP2000281343A JP11085034A JP8503499A JP2000281343A JP 2000281343 A JP2000281343 A JP 2000281343A JP 11085034 A JP11085034 A JP 11085034A JP 8503499 A JP8503499 A JP 8503499A JP 2000281343 A JP2000281343 A JP 2000281343A
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吟也 足立
Tetsuya Ozaki
哲也 尾崎
Kenichi Machida
憲一 町田
Toshiyuki Masui
敏行 増井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気中、1000℃での酸化・還元後におい
ても400℃以下の低温領域において高い酸素吸収・放
出能を有するセリウム−ジルコニウム複合酸化物とその
製造方法を提供する。 【解決手段】 セリウム−ジルコニウム複合酸化物の表
面を塩素化し、塩化アルミニウムをはじめとする金属ハ
ロゲン化物、およびこれらを含む多成分金属ハロゲン化
物を錯化剤に用いて、複合酸化物表面に生じた金属塩化
物と気相錯体を形成させ、生成した錯体を化学気相輸送
することにより、表面を化学的にエッチングしたセリウ
ム−ジルコニウム複合酸化物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1000℃での酸
化・還元後においても優れた酸素吸収・放出能を有する
セリウム−ジルコニウム複合酸化物の製造方法、及びそ
れを用いた自動車等の内燃機関、特に、ガソリンエンジ
ンから排出される排ガス浄化触媒における助触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内燃機関、特に、ガソリンエ
ンジンから排出される排気ガス中の一酸化炭素と炭化水
素とを炭酸ガスと水とに酸化すると同時に、窒素酸化物
を窒素と水に還元する排ガス浄化触媒、いわゆる三元触
媒が既に実用化されている。この三元触媒は、白金、ロ
ジウム、パラジウム等の貴金属を主成分とし、セリウム
やジルコニウムを助触媒とするものであり、通常セラミ
ックスや金属からなるハニカム状モノリス基体上に、ア
ルミナ系担体と共に層状にコーティングされている。
【0003】このような三元触媒が前項の酸化反応及び
還元反応に対して同時に高い活性を示すには、すなわち
高い排ガス浄化能を達成するには、エンジンのシリンダ
内における空気と燃料の割合、即ち空燃比がウインドウ
と呼ばれる理論空燃比付近になければならない。そこ
で、従来より排ガス中の酸素濃度を酸素センサによって
測定し、シリンダ内に送り込む燃料を制御しているもの
の、実際の加速や減速に伴う空燃比の変化に対する制御
系の時間遅れのために、このシステムだけでは高い浄化
率を常に維持するのは極めて困難である。
【0004】ここで、酸化セリウムは、セリウムの3価
と4価の酸化還元反応作用に基づく良好な酸素吸収・放
出能を示すことが知られている。この特性により、上記
三元触媒において触媒近傍における酸素濃度の変動を抑
制し、見かけ上のウインドウの幅を広げることができる
ため、従来、排ガス浄化触媒の助触媒として実用化され
ている。しかしながら、従来の酸化セリウムを主成分と
する酸化物は、400℃以下の低温域における酸素吸収
・放出能が不充分であり、また850℃以上の高温にな
ると性能が低下する等の欠点がある。
【0005】そこで、このような欠点を改善するため
に、例えば、特開平8−103650号公報、特開平8
−109020号公報、特開平8−109021号公報
等に見られるように、高い酸素吸収・放出能を有する酸
化セリウムと酸化ジルコニウムの複合酸化物が提案され
ている。
【0006】しかしながら、前記方法等によって製造さ
れた従来の酸化セリウムと酸化ジルコニウムを含む複合
酸化物は、優れた酸素吸収・放出能を有するものの、例
えば、Journal of Alloys and Compounds、第270巻
(1998年)第107〜114頁、及びJournal of S
olid State Chemistry、第138巻(1998年)第4
7〜54頁等に見られるように、これらの製造法により
得られる酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの複合酸化
物は、いったん1000℃を超える高温で酸化されると
400℃以下の低温域における酸素吸収・放出能が著し
く低下することが報告されている。
【0007】さらに、近年の排ガス規制の強化に伴い、
自動車が定速走行に入ったときに排出される高温排気ガ
スだけでなく、エンジン始動直後の低温排気ガスも浄化
可能である触媒が求められている。従って、自動車排ガ
ス浄化に用いられる助触媒には、900℃を超える高温
下で使用した後でも、400℃以下の低温領域において
高い酸素吸収・放出能を有するという厳しい条件が強く
求められている。
【0008】
【発明が解決しようという課題】本発明の目的は、空気
中、1000℃での酸化・還元後においても400℃以
下の低温領域において高い酸素吸収・放出能を有する酸
化セリウム及び酸化ジルコニウムを含む複合酸化物とそ
の製造方法、及びそれを用いた排ガス浄化触媒における
助触媒を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するための本発明の要旨は、特許請求の範囲に
記載の通りである。このうち、本発明のセリウム−ジル
コニウム複合酸化物の製造方法は、セリウム及びジルコ
ニウムを含有する複合酸化物の表面を塩素化し、塩化ア
ルミニウムをはじめとする金属ハロゲン化物、およびこ
れらを含む多成分金属ハロゲン化物を錯化剤に用いて、
酸化物表面に生じた金属ハロゲン化物と気相錯体を形成
させ、生成した錯体を化学気相輸送することにより複合
酸化物表面を化学的にエッチングすることを特徴とす
る。
【0010】これにより、1000℃において酸化・還
元を繰り返し行った後においても、400℃以下の低温
領域において高い酸素吸収・放出能を有するものが極め
て容易に得られる。そして、このようなセリウム−ジル
コニウム複合酸化物は、例えば、厳しい環境にさらされ
る用途においても、耐熱性に優れた排ガス浄化用触媒の
ための助触媒として好適に使用できる。
【0011】上記複合酸化物におけるセリウムとジルコ
ニウムの配合比率は、任意に設定することができ、いず
れの組成においても、1000℃で酸化・還元を繰り返
し行った後でも、400℃以下の低温領域において高い
酸素吸収・放出能を有するセリウム−ジルコニウム複合
酸化物を得ることができるが、酸化セリウムの含有率を
CeO2に換算したときの重量にて1〜99重量%にす
るのが望ましい。さらに望ましくは、排ガス浄化用助触
媒としての活性を高くするために、50重量%以上とす
るのがよい。
【0012】本発明で製造されるセリウム−ジルコニウ
ム複合酸化物の形態としては、粉体が好ましいが、圧粉
体、焼結体、単結晶体、あるいはこれらの混合物でも反
応を行うことができる。また、高温で処理することが可
能であるため、多少の水分、有機溶剤等を含んだ試料も
原料として用いることができる。
【0013】本発明では気相錯体を媒介とした化学気相
輸送法を利用しているため、取扱いが極めて容易であ
り、かつ簡便な操作で目的とするセリウム−ジルコニウ
ム複合酸化物を製造することが可能である。また、化学
気相輸送する際の温度を自由に設定することが可能であ
るため、高温でエッチング処理を行うことにより、最終
的に得られるセリウム−ジルコニウム複合酸化物に耐熱
性を付与することが可能である。
【0014】さらに、原料として用いるセリウム−ジル
コニウム複合酸化物の表面が完全にハロゲン化されずオ
キシハロゲン化物を生成することがあるが、炭素等の還
元剤を加えることによってこれを抑制することができ
る。また、原料粉体として、きわめて均一な状態で炭素
が分散したセリウム−ジルコニウム複合酸化物、例え
ば、セリウムとジルコニウムの複合シュウ酸塩を不活性
中で熱分解して得られる多量の遊離炭素を含んだセリウ
ム−ジルコニウム複合酸化物を原料として用いると、化
学気相輸送後に得られる複合酸化物の低温領域における
酸素吸収・放出特性が著しく向上するという効果があ
る。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0015】本発明の表面エッチングを行うには、目的
とするセリウム−ジルコニウム複合酸化物表面におい
て、塩化物の生成が必要である。
【0016】前記の表面塩化物相の生成には、塩素、塩
化水素、四塩化炭素等、塩素化能を持つガス、あるいは
これらを窒素、アルゴン等の非酸化性ガスで希釈したも
ののいずれを用いても良いが、好ましくは塩素ガスを窒
素ガスで希釈したものが用いられる。このときの塩素ガ
スの含有率は1ppm〜100%までの任意の割合に設
定して良いが、好ましくは塩素ガスの割合を0.1〜2
0%に調節したものが用いられる。
【0017】本発明において用いられる錯化剤として
は、気相錯体を形成する金属ハロゲン化物、すなわちア
ルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化
物、遷移金属ハロゲン化物、これらを含む多成分金属ハ
ロゲン化物、およびこれらの混合物のいずれを用いても
良いが、好ましくは塩化アルミニウム、塩化カリウム、
および塩化ナトリウムが用いられる。
【0018】前記の錯化剤として用いる金属ハロゲン化
物は分離操作に供した後、分離回収し再び次のエッチン
グ操作に使用することも可能である。
【0019】本発明では、まずキャリアガス中に塩素化
ガスを導入し、セリウム−ジルコニウム複合酸化物表面
を塩素化した後、錯化剤蒸気を輸送し気相錯体形成によ
るエッチングを行うが、キャリアガス中に塩素化ガスな
らびに錯化剤蒸気の両方を混入することで、金属酸化物
の塩素化と同時に気相錯体の形成を行わせ、そのまま化
学気相輸送によりエッチングを行っても良い。また、い
ずれの場合においても、気相錯体を効率よく生成させる
ために、原料となるセリウム−ジルコニウム複合酸化物
に炭素等の還元剤を混合してもよい。
【0020】また、エッチングを行う温度によっては、
表面を塩素化した際に生成した塩化物の蒸気圧が大きい
ために気化が起こり、塩化物蒸気としてキャリアガスと
共に化学気相輸送されることがある。このような場合に
は錯化剤を用いることなくエッチングすることが可能で
ある。
【0021】本発明におけるセリウム−ジルコニウム複
合酸化物表面の塩素化、およびエッチングは200℃以
上の任意の温度で行うことができるが、エッチングの効
果及び生成物の収率を大きくするためには、600〜1
300℃で行うことが望ましい。塩素化時間は任意に設
定することができるが、長時間行うと酸化物がすべて塩
素化されてしまうため、60分以内で行うのが望まし
く、特に好ましくは1〜10分で行う。また、錯化剤蒸
気の輸送時間は生成した表面塩化物がすべて輸送される
のに充分な時間であれば特に限定されないが、通常は6
0分以内で行うのが望ましい。
【0022】さらに、エッチング後に得られたセリウム
−ジルコニウム複合酸化物は必要に応じて空気中におい
てか焼処理を行ってもよい。このときの温度は400〜
1000℃、か焼時間は1〜5時間で行うのが望まし
い。
【0023】本発明により製造されたセリウム−ジルコ
ニウム複合酸化物の酸素吸収・放出能は、例えば、Chem
istry of Materials、第10巻(1998年)第400
5〜4009頁に記載されている方法等により測定する
ことができる。具体的には、0.03gの試料をU字型
の石英管に装填し、80ml/minの水素ガスを流通
させながら200℃から1000℃まで昇温させる。試
料から放出される酸素は水素と反応し水となるので、ガ
スクロマトグラフの熱伝導検出器により水素ガスとの熱
伝導差を利用してスペクトル測定を行うことができる。
そして、得られた昇温還元スペクトルとその面積から、
酸素放出温度及び放出酸素量を求めることができる。
【0024】以下に実施例及び比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0025】
【実施例】0.5モル/リットル濃度の硝酸第一セリウ
ム水溶液100ミリリットルと、0.5モル/リットル
濃度の硝酸ジルコニル水溶液100ミリリットルとを混
合し、硝酸第一セリウム−硝酸ジルコニル水溶液200
ミリリットルを調製した。別に、シュウ酸粉末を脱イオ
ン水に溶解させ、0.5モル/リットル濃度のシュウ酸
水溶液280ミリリットルを調製した後、これに上記硝
酸第一セリウム−硝酸ジルコニル水溶液200ミリリッ
トルを混合した。次いで、上記混合水溶液を3時間攪拌
後、生成した沈殿を遠心分離し、脱イオン水にて4回洗
浄し、これを空気中80℃で乾燥させて、白色のセリウ
ム−ジルコニウム複合シュウ酸塩を得た。このようにし
て得られたセリウム−ジルコニウムシュウ酸塩を、アル
ゴンガス流通下、1000℃で5時間加熱し、酸化セリ
ウムの含有率がCeO2に換算したときの重量にて58
重量%であるセリウム−ジルコニウム複合酸化物粉末を
得た。
【0026】この粉末3gと活性炭素1.5gをよく混
合してアルミナボートにのせ、図1に示す流通式の反応
装置の電気炉Bに導入し、また錯化剤である塩化アルミ
ニウム10gを電気炉Aに導入した。反応管内にキャリ
アガスとして窒素を300ml/minで流通させ、電
気炉Bを1000℃まで昇温した後、塩素ガスを5ml
/minの流量で5分間流通させた。5分後、塩素の流
通を止め、電気炉Aを80℃まで昇温し、60分間保持
した。
【0027】エッチング処理後のセリウム−ジルコニウ
ム複合酸化物粉体を取り出し、次いで、空気中、400
℃でか焼して余剰の炭素を除去した後、エッチング処理
前後における酸素吸収・放出能を昇温還元スペクトルに
より評価した。さらに、このセリウム−ジルコニウム複
合酸化物の高温耐久性を評価するために、1000℃に
おいて水素還元と空気酸化のサイクルを10〜300分
間隔で繰り返し30回連続して行った後、酸素吸放出特
性を評価した。これらの結果を図2に示す。また、サイ
クル後の酸素の吸放出温度及び吸放出量を表1に示す。
これらの結果より、エッチング処理を施すことによって
酸素放出量を減らすことなく酸素放出温度の著しい低下
がみられ、さらに還元・酸化サイクルを行うと酸素放出
温度がさらに低下することがわかる。また、1000℃
における還元・酸化サイクル後の酸素吸放出能は処理前
の約71%に低下するものの、酸素吸放出温度は400
℃以下であり、本発明のセリウム−ジルコニウム複合酸
化物が高温耐久性を有していることが認められた。これ
に対し以下に述べる比較例により製造したセリウム−ジ
ルコニウム複合酸化物は、1000℃でのて水素還元と
空気酸化のサイクルにより酸素吸収・放出温度が著しく
上昇した。
【0028】
【比較例】1.0モル/リットルの硝酸セリウム水溶液
100ミリリットルと1.0モル/リットルオキシ硝酸
ジルコニウム水溶液100ミリリットルを混合して20
0ミリリットルの硝酸セリウム−オキシ硝酸ジルコニウ
ムの混合水溶液を調製した。また、市販のアンモニア水
を脱イオン水で4倍希釈した希アンモニア水を調製し
た。次いで、前記調製した硝酸セリウム−オキシ硝酸ジ
ルコニウムの混合水溶液40ミリリットルと希アンモニ
ア水200ミリリットルを混合した。生成した沈澱を脱
イオン水で5回洗浄し、空気中150℃にて乾燥した
後、空気中、1000℃で5時間焼成し、酸化セリウム
の含有率がCeO2に換算したときの重量にて58重量
%であるセリウム−ジルコニウム複合酸化物粉末を得
た。次に得られた複合酸化物をアルゴンガス希釈10%
水素ガス流通下1000℃、5時間加熱し、次いでアル
ゴンガス流通下で600℃に降温した後、酸素ガス流通
下600℃、5時間加熱することによりセリウム−ジル
コニウム複合酸化物を得た。
【0029】得られた複合酸化物について、実施例と全
く同様に1000℃において水素還元と空気酸化のサイ
クルを行った後、酸素吸放出特性を評価した。結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のセリウム−ジルコニウム複合酸
化物は、1000℃での酸化・還元後においても400
℃以下の低温領域において高い酸素吸収・放出能を有
し、耐熱性に極めて優れていることから、燃焼触媒、触
媒担体、自動車排気ガス浄化用触媒のための助触媒とし
て有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるエッチング操作に使用した反応
装置図である。
【図2】実施例1で合成したセリウム−ジルコニウム複
合酸化物のエッチング前後、及び1000℃における還
元・酸化サイクル後の酸素吸収・放出能を示すグラフで
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月1日(1999.6.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するための本発明の要旨は、特許請求の範囲に
記載の通りである。このうち、本発明のセリウム−ジル
コニウム複合酸化物の製造方法は、セリウム及びジルコ
ニウムを含有する複合酸化物の表面を塩素化し、塩化ア
ルミニウムをはじめとする金属ハロゲン化物、およびこ
れらを含む多成分金属ハロゲン化物を錯化剤に用いて、
酸化物表面に生じた金属塩化物と気相錯体を形成させ、
生成した錯体を化学気相輸送することにより複合酸化物
表面を化学的にエッチングすることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】さらに、原料として用いるセリウム−ジル
コニウム複合酸化物の表面が完全にハロゲン化されずオ
キシハロゲン化物を生成することがあるが、炭素等の還
元剤を加えることによってこれを抑制することができ
る。また、原料粉体として、きわめて均一な状態で炭素
が分散したセリウム−ジルコニウム複合酸化物、例え
ば、セリウムとジルコニウムの複合シュウ酸塩を不活性
雰囲気中で熱分解して得られる多量の遊離炭素を含んだ
セリウム−ジルコニウム複合酸化物を原料として用いる
と、化学気相輸送後に得られる複合酸化物の低温領域に
おける酸素吸収・放出特性が著しく向上するという効果
がある。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【比較例】1.0モル/リットルの硝酸セリウム水溶液
100ミリリットルと1.0モル/リットルオキシ硝
酸ジルコニウム水溶液100ミリリットルを混合して2
00ミリリットルの硝酸セリウム−オキシ硝酸ジルコニ
ウムの混合水溶液を調製した。また、市販のアンモニア
水を脱イオン水で4倍希釈した希アンモニア水を調製し
た。次いで、前記調製した硝酸セリウム−オキシ硝酸ジ
ルコニウムの混合水溶液40ミリリットルと希アンモニ
ア水200ミリリットルを混合した。生成した沈澱を脱
イオン水で5回洗浄し、空気中150℃にて乾燥した
後、空気中、1000℃で5時間焼成し、酸化セリウム
の含有率がCeO2に換算したときの重量にて58重量
%であるセリウム−ジルコニウム複合酸化物粉末を得
た。次に得られた複合酸化物をアルゴンガス希釈10%
水素ガス流通下1000℃、5時間加熱し、次いでアル
ゴンガス流通下で600℃に降温した後、酸素ガス流通
下600℃、5時間加熱することによりセリウム−ジル
コニウム複合酸化物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 敏行 大阪府吹田市青山台1丁目2番C20−103 号 Fターム(参考) 4G048 AA03 AB01 AC08 AE06 4G066 AA06D AA09D AA10D AA12A AA12B AA23A AA23B AA32D AA34D AA53A BA36 CA37 DA02 FA05 FA17 FA21 FA34 FA37 GA16 GA32 4G069 AA15 BB06A BB06B BC43A BC43B BC51A BC51B CA03 ED06 FB48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリウム及びジルコニウムを含有する複
    合酸化物の表面を塩素化し、塩化アルミニウムをはじめ
    とする金属ハロゲン化物、およびこれらを含む多成分金
    属ハロゲン化物を錯化剤に用いて、酸化物表面に生じた
    金属ハロゲン化物と気相錯体を形成させ、生成した錯体
    を化学気相輸送することにより複合酸化物表面をエッチ
    ングすることを特徴とする、セリウム−ジルコニウム複
    合酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セリウム−ジルコニウム複合酸化物
    におけるセリウムの含有率が、CeO2に換算したとき
    の重量にて1〜99重量%となるように配合される、請
    求項1に記載のセリウム−ジルコニウム複合酸化物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 空気中、1000℃での酸化・還元後に
    おいても酸素吸収・放出温度が400℃以下であること
    を特徴とする、請求項1ないし2のいずれかに記載のセ
    リウム−ジルコニウム複合酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 セリウム−ジルコニウム複合酸化物にお
    けるセリウムの含有率が、CeO2に換算したときの重
    量にて1〜99重量%であり、空気中、1000℃での
    酸化・還元後においても酸素吸収・放出温度が400℃
    以下であることを特徴とするセリウム−ジルコニウム複
    合酸化物。
  5. 【請求項5】 セリウム−ジルコニウム複合酸化物にお
    けるセリウムの含有率が、CeO2に換算したときの重
    量にて1〜99重量%であり、空気中、1000℃での
    酸化・還元後においても酸素吸収・放出温度が400℃
    以下であるセリウム−ジルコニウム複合酸化物を含有す
    ることを特徴とする、自動車排気ガス浄化用触媒のため
    の助触媒。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006030763A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Daiichi Kigenso Kagaku Kogyo Co., Ltd. セリウム-ジルコニウム系複合酸化物、その製造方法、それを用いた酸素吸蔵放出材料、排気ガス浄化触媒、及び排気ガス浄化方法

Cited By (4)

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