JP2000280201A - あさり刃を備える帯鋸身及びその製造方法 - Google Patents

あさり刃を備える帯鋸身及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はあさり刃を備えた帯鋸身に関する。 【解決手段】 帯鋸の身が、複数の刃を備える半加工材
から作られ、且つ刃の少なくとも幾つかはあさり付けさ
れる。これらのあさり刃は、刃の前すくい面の少なくと
も上側部分が鋸身の中心線に対して直角に延在する線と
鋭角を成すように、あさり付けする前に研削加工する。
その後研削加工した刃は、半加工材の各々の側面に向か
ってあさり付けされることによって、各々の刃の横方向
すくい角が、各々の側面逃げ角より小さくなる。好まし
くは、この側面逃げ角は横方向すくい角より少なくとも
5°大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はあさり刃を備えた帯
鋸身に関する。
【0002】
【従来の技術】帯鋸身は、切断すべき材料から切り屑を
形成することを含む非常に困難な特性と非常に困難な切
削作用とを備える材料を切削するのに使用する。金属、
プラスチック、及び非常に均質な材料は、多かれ少なか
れ連続して切り屑を生じながら鋸刃で切削され、切り屑
は一つの鋸刃の作用によって加工材から分離される。木
材のような繊維材料は、次の幾つかの工程で作用する鋸
刃で好ましく切断される。すなわち、二つの連続的な切
り込み刃のナイフ状の点での切り込み作用によるこの繊
維の第1の切削を含む工程、双方の端部で切断さ且つ割
れによって加工材から多少とも離れる繊維の切り屑を取
り除く工程、及びそれらの間での繊維を曲げる工程であ
る。切り込む刃の力は、繊維を個々に切断するので、時
間とともに非常に変化する。時には、Granbergの米国特
許第754,134号に示されるように、繊維に平行な
歯と共にかき落とす刃よる切り屑の除去によって続ける
ことができる。
【0003】均質な材料に対する切削力は、繊維材料に
対するよりもほとんど高くなるが、変化は少ない。その
力及びその方向は、切れ刃と、勾配と、すくい角と、逃
げ角との形状とに強く依存する。溶接は鋸身の主面に大
きな力を付与しうるので、刃が溶接された炭化物の刃先
である場合は特に重要であるが、しかし横方向の力の成
分に対して脆くて壊れやすい。
【0004】硬いかまたは加工が困難な材料を切削する
に使用する帯鋸身に対しては、横方向の力を最小にする
ように、刃とそれに隣接する表面とを計画することが重
要であり、その結果あさり幅を変化させる。これが、鋸
身の捩じれと曲がりとを少なくするので、真っ直ぐな切
断を確実にする。刃に及ぼす横方向の力は、頂部と交差
した切れ刃に沿うすくい面に及ぼす圧力成分と摩擦力、
及び刃の側面に及ぼす圧力からなる。適切な横方向すく
い角すなわち通常小さなネガ型の角度を選択することに
よって、全部の力を最小にすることができる。
【0005】これは、木材の断面を切断する刃に対す
る、切削力の最小化と混同してはならなく、切削力は、
側面刃に沿って生じ且つ25〜50°の大きなポジ型の
すくい角を備えた鋭い側面刃を選択することによって最
小化される。あさり刃を備えた帯鋸身(または、手鋸で
も)を製造するに現在使用されるこの二つの方法は、十
分に小さな横方向の力を維持するものでない。もっとも
一般的な方法は図4〜6に示され、図4及び5に示すあ
さり作用の前の半加工材(2)は刃(3)含み、各々の
刃がすくい面(4)と逃げ面(5)を備える。すくい面
(4)は、半加工材の中心線CLに対して直角方向に研
削加工またはフライス加工することによって形成され
た。その後刃をあさり付けする場合、刃の刃先T捩じら
れる(図6参照)。すなわち、刃Eは、所望の側面に対
してそれを越えて傾斜して、切削作業の際に、切り屑を
中心に向かわせる。あさり刃の各々は、側面逃げ角
(6)と横方向すくい角(7)とが示される。これらの
角度は、面(4、5)が互いに直角であるので、互いに
等しい。側面逃げ角(6)は、全ての金属に対して、及
び加工硬化する強靭材料の機械加工に対して、ポジ型の
角度にすべきであり、そしてその角度は、切削面での加
工硬化を避け且つ低い切削力を保持するために、少なく
とも15°にする必要がある。しかしながら、横方向す
くい角(7)は、切削作業の際に刃の外側コーナーで発
生する大きく局在化する力を生させる。これは靭性材料
を切削するためには不適切であり、高摩擦、高切削力及
び切削面の加工硬化をもたらすであろう。
【0006】図4、図5及び図7に示される他の一般的
に使用される方法は、ドイツ特許第8807350号ま
たは米国特許第5,410,935号に開示する粗打ち
抜きした鋸身の半加工材のあさり付け後に、すくい角と
逃げ面を連続的に研削加工することを含む。結果とし
て、横方向すくい角はほとんど零になる。これは、時
折、側面刃を材料に向かって横方向に移動させることに
なるネガ型(negative)の横方向成分を有する不安定な切
削力となり(すなわち、自己横方向送り)、主すくい角
が非常に小さくないかぎり、外側コーナー近くに余りに
も薄くて割れやすい刃が残されることになり、これは切
削力を増加させることになる。横方向に移動すること
は、振動、不安定性、及び波形切削面を生じることにな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
以下に記載する方法で解決することができる。本発明の
帯鋸身は、帯鋸身の両側面の各々の側へあさりを付けた
複数のあさり刃を含む帯鋸身であって、あさり刃の各々
が、少なくとも5°のネガ型の横方向すくい角と、横方
向すくい角より大きな側面逃げ角とを備える。本発明の
帯鋸身は、横方向すくい角が、5〜10°である。さら
に本発明の帯鋸身は、側面逃げ角が、横方向すくい角よ
り少なくとも5°大きい。また、本発明の帯鋸身は、側
面逃げ角が、少なくとも15°である。
【0008】さらに、本発明の帯鋸身の製造方法は、
A)前すくい面を備える複数の刃を含む半加工材を準備
する工程、B)刃の前すくい面の少なくとも上側部分
が、半加工材の中心線に対して直角に延在する線と鋭角
を成すように、少なくとも幾つかの刃を形成する工程、
及びC)工程Bにおいて形成された刃を、半加工材の各
々の側面に向かってあさり付けを行うことによって、あ
さり刃の各々の横方向すくい角が、側面逃げ角より小さ
くする工程、を特徴とする。本発明の帯鋸身の製造方法
は、工程Bが、研削加工によって行われる。また、本発
明の帯鋸身の製造方法は、鋭角が少なくとも5°であ
る。また、本発明の帯鋸身の製造方法は、側面逃げ角
が、横方向すくい角より少なくとも5°大きい。さら
に、本発明の帯鋸身の製造方法は、横方向すくい角が、
5〜10°の範囲にある。さらに、本発明の帯鋸身の製
造方法は、側面逃げ角が、少なくとも5°である。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明は
帯鋸身及び帯鋸身を製造する方法に関する。帯鋸は、そ
の鋸身の対面する各々の側面に向けてあさり付けされた
複数のあさり刃を含む。あさり刃のそれぞれが、少なく
とも5°のネガ型の横方向すくい角と、その横方向すく
い角よりも大きな側面逃げ角とを有する。
【0010】横方向すくい角は、好ましくは5〜10で
あり、そして側面逃げ角は横方向すくい角より大きく少
なくとも5°である。帯鋸身を製造するための方法は、
次の工程を含む。すなわち、 A)複数の刃を含み、少なくとも幾つかの刃が前すくい
面を備える半加工材を準備する工程、 B)刃の前すくい面の少なくとも上側部分が、半加工材
の中心線に対して直角に延在する線と鋭角を成すよう
に、少なくとも幾つかの刃を形成する工程、及び C)少なくとも幾つかの刃を、半加工材の各々の側面に
向かってあさり付けを行うことによって、あさり刃の横
方向すくい角が、それらの側面逃げ角より小さくする工
程、である。
【0011】好ましくは、この前すくい面を研削加工す
ることによって、鋭角を形成し、そしてこの鋭角は好ま
しくは少なくとも5°である。側面すくい角は、好まし
くは5〜10°の範囲内にある横方向すくい角より少な
くとも5°大きい。
【0012】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明の目的及び利点
は、次に記載する添付図面に関する好ましい実施態様の
詳細から明確にでき、それらの図においては、類似する
構成材を類似する番号で示した。図1はあさり刃を含む
帯鋸身(10)の一部を示し、各々の刃が側面逃げ角
(16)と横方向すくい角(18)とを備える。側面逃
げ角(16)は、殆どの金属の機械加工のために、すな
わち加工硬化する強靭材料の機械加工のために、ポジ型
の角度にすべきであり、そしてその角度(16)は、切
削面での加工硬化を避け且つ低い切削力を保持するため
に、少なくとも15°にする必要がある。これは、刃の
すくい面(20)の近く及び頂部(刃先)Tの近くの刃
だけを、あさり付け機械のハンマーで槌打ちすることに
よって通常達成され、それによってあさり加工の際に刃
に捩じれが生じる。刃の頂部近くの横方向すくい角(1
8)は5〜10°のネガ型の角度にして、切削の際に横
方向の力の大きさを最小にする。
【0013】本発明にしたがい、あさり付け作業の前
に、半加工材(10B)の前すくい面(20)上の研削
加工作業の実施によって、あさり刃の側面逃げ角(1
6)と横方向すくい角(18)とが互いに無関係に選択
することができる。すなわち、図2と図3に示すよう
に、前すくい面(20)の少なくとも上側部分を、中心
線CLの対して直角に延在する横断線Lに関して鋭角
(22)に研削加工する。この角(22)は、側面逃げ
角(16)と横方向すくい角(18)との間の所望の差
に相当する。好ましくはこの角は、少なくとも5°であ
る。
【0014】真っ直ぐな刃に対して研削盤を位置出しす
ることは容易であるので、半加工材(10B)の研削加
工は精密に行うことが可能であり、鋭い刃をすくい面上
に確保することができる。あさり付けした後、横方向す
くい角を研削加工することは非常に困難であり、すなわ
ち、あさり付けする際に刃の振れがその隣合うものに依
存して、一つの刃から別の刃へと変化する。したがっ
て、角度を調整することなく余りにも少しの材料を取り
除いて刃の面取りをする場合も、また、多くの材料を取
り除いて低い刃を作り主切れ刃の切削効率を損なう場合
の、いずれの場合も余りにも大きな危険がある。
【0015】上記のように、横方向すくい角(18)は
少なくとも5°のネガ型の角度であり(好ましくは5〜
10°)、そして側面逃げ角(16)は横方向すくい角
より大きくて好ましくは少なくとも5°大きい。側面逃
げ角(16)はもっとも好ましくは少なくとも15°で
ある。本発明にしたがい、側面逃げ角は、低い切削力を
保持するため及び切削面の加工硬化を避けるために、十
分に大きく作ることができ、一方、横方向すくい角は、
切削加工の際に横方向の力を最小にするために、十分に
小さくすることができる。
【0016】本発明は好ましい実施態様に関して記載す
るが、特に記載しない追加、削除、改良及び置き換え
が、独立項に規定するような本発明の意図及び分野から
離脱することなく可能であることは当業者には理解でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にしたがう帯鋸身の一部分の上
面図である。
【図2】図2は、図1に示す帯鋸身が製造される半加工
材の上面図である。
【図3】図3は、図2に示す半加工材の側面である。
【図4】図4は、従来の半加工材の側面である。
【図5】図5は、図4に示す従来の半加工材の上面図で
ある。
【図6】図6は、図4及び図5の半加工材から作った従
来の帯鋸身の上面図である。
【図7】図7は、図4及び図5の半加工材から作った従
来の別の帯鋸身の上面図である。
【符号の説明】
2…半加工材 3…刃 4…すくい面 5…逃げ面 6…側面逃げ角 7…横方向すくい面 10…帯鋸身 10B…半加工材 16…側面逃げ角 18…横方向すくい角 20…刃のすくい面 22…角 CL…中心線 E…刃 T…頂部、刃先

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯鋸身の両側面の各々の側にあさりを付
    けた複数のあさり刃を含む帯鋸身であって、 あさり刃の各々が、少なくとも5°のネガ型の横方向す
    くい角と、前記横方向すくい角より大きな側面逃げ角と
    を備えることを特徴とする帯鋸身。
  2. 【請求項2】 前記横方向すくい角が、5〜10°であ
    ることを特徴とする請求項1記載の帯鋸身。
  3. 【請求項3】 前記側面逃げ角が、前記横方向すくい角
    より少なくとも5°大きいことを特徴とする請求項2記
    載の帯鋸身。
  4. 【請求項4】 前記側面逃げ角が、少なくとも15°で
    あることを特徴とする請求項3記載の帯鋸身。
  5. 【請求項5】 A)前すくい面を備える複数の刃を含む
    半加工材を準備する工程、 B)刃の前記前すくい面の少なくとも上側部分が、前記
    半加工材の中心線に対して直角に延在する線と鋭角を成
    すように、少なくとも幾つかの刃を形成する工程、及び C)工程Bにおいて形成された刃を、前記半加工材の各
    々の側面にあさり付けを行うことによって、あさり刃の
    各々の横方向すくい角が、側面逃げ角より小さくする工
    程、を特徴とする帯鋸身の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程Bが、研削加工によって行われ
    ることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記鋭角が少なくとも5°であることを
    特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記側面逃げ角が、前記横方向すくい角
    より少なくとも5°大きいことを特徴とする請求項5記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 前記横方向すくい角が、5〜10°の範
    囲にあることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記側面逃げ角が、少なくとも5°で
    あることを特徴とする請求項9記載の方法。
JP2000073976A 1999-03-11 2000-03-13 あさり刃を備える帯鋸身及びその製造方法 Pending JP2000280201A (ja)

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