JP2000277846A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP2000277846A
JP2000277846A JP8333699A JP8333699A JP2000277846A JP 2000277846 A JP2000277846 A JP 2000277846A JP 8333699 A JP8333699 A JP 8333699A JP 8333699 A JP8333699 A JP 8333699A JP 2000277846 A JP2000277846 A JP 2000277846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裂開時の衝撃による電極の浮きや剥がれ等を
防止して、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒化
物半導体レーザ素子を得る。 【解決手段】 基板1上にn型窒化物半導体層2、活性
層3、およびp型窒化物半導体層4が順に積層され、積
層方向の裂開面Sが光共振面とされ、活性層3より発光
する帯状のレーザ素子共振器を構成している。p型窒化
物半導体層4上面にSiO2よりなる電流狭窄用絶縁膜
5を介して、p電極を形成する。p電極は、露出させた
p型窒化物半導体層4の表面に積層され裂開面Sに臨む
接触部p電極6と、その上面に形成され裂開面Sよりも
1〜500μm程度内側に端面7aを持つ主p電極7か
ら構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体より
なるレーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの記録密度は、光ディスクに
集光される光ビームのスポットサイズが小さい程高くな
り、光ビームのスポットサイズは光の波長の二乗に比例
する。このため、光ディスクの記録密度を上げるために
は光源である半導体レーザ装置の発振波長を短くするこ
とが必要である。
【0003】現在CDには、主として波長780nm
(赤外)領域で発光するGaAlAs半導体レーザ装置
が用いられ、CDより記録密度の高いDVDには、波長
650nm(赤色)領域で発光するInGaAlP半導
体レーザ装置が用いられている。さらにDVDの記録密
度を上げて高い品質の画像等を記録するためには、波長
の短い青色領域で発光する半導体レーザ装置が必要であ
る。
【0004】このような半導体レーザ装置を実現できる
半導体レーザ素子に用いる半導体レーザ材料として、近
年開発された窒化物半導体(InX AlY Ga1−
X−Y N,0≦X,0≦Y,X+Y≦1)が注目を浴
びている。
【0005】窒化物半導体レーザ素子は、サファイア、
SiC、ZnO等の異種材料よりなる基板上に窒化物半
導体レーザ材料をエピタキシャル成長させることにより
形成されることが多い。サファイアやZnOのような絶
縁性の基板上に窒化物半導体レーザ材料をエピタキシャ
ル成長させてレーザ素子を作る場合は、p型窒化物半導
体層とn型窒化物半導体層のそれぞれからp電極、n電
極を同一面側に形成しなければならない。
【0006】しかし最近では、窒化物半導体そのもの
(InX AlY Ga1−X−YN,0≦X,0≦
Y,X+Y≦1)で基板を作製できる技術開発が行われ
ており、この場合は基板の裏面にn電極を設けることが
できる。
【0007】図11は従来の窒化物半導体レーザ素子を
示す斜視図、図12は図11の窒化物半導体レーザ素子
を光共振面側からみた正面図である。
【0008】従来の窒化物半導体レーザ素子は、図11
および図12に示すように、基板21上にn型窒化物半
導体層22、活性層23、およびp型窒化物半導体層2
4が順に積層された構造を有している。このp型窒化物
半導体層24上面にSiO2等よりなる電流狭窄用絶縁
膜25を介して、p電極26を形成する。さらに、n型
窒化物半導体層22が露出するように、p型窒化物半導
体層24、活性層23、およびn型窒化物半導体層22
の一部をエッチングして除去し、露出した活性層23よ
り発光する帯状のレーザ共振器を形成する。そして、露
出したn型窒化物半導体層22上にn電極27を形成す
る。このようにして、帯状のレーザ共振器と直交する窒
化物半導体の裂開面、もしくは化学的異方性エッチング
面のいずれかをレーザの発光端面とした窒化物半導体レ
ーザ素子が形成される。
【0009】ところで、半導体レーザ素子を形成するに
は、半導体層にレーザを発振させるための光共振面を形
成することが重要である。光共振面はレーザを発振させ
るために平坦な鏡面状であることが必要であり、従来の
GaAs系及びInGaAlP系の化合物半導体よりな
る半導体レーザ素子は、結晶の性質上へき開性を有して
いるため、このへき開性を利用してへき開した面を半導
体レーザ素子の光共振面として形成する。
【0010】一方、窒化物半導体は六方晶系であり、従
来のGaAs系と異なり、へき開性を有していない。さ
らに、窒化物半導体はサファイア基板の表面に成長形成
されることが多く、サファイアもまた結晶の性質上、へ
き開性を有していない。従って、窒化物半導体でレーザ
素子を作成する場合、GaAs系のようにへき開面を光
共振面とすることは困難である。
【0011】そこで、このような問題点を解消し、へき
開性を有さない窒化物半導体に光共振面を形成する技術
が、特開平8−153931号公報等に提案されてい
る。
【0012】特開平8−153931号公報記載の窒化
ガリウム系化合物半導体レーザ素子の製造方法は、サフ
ァイア基板を特定の面方位で割ることによって窒化物半
導体層に光共振面を形成することができるという知見に
基づいて案出されたものである。これは、サファイア基
板の(0001)面の表面に窒化ガリウム系化合物半導
体をレーザ素子の構造に積層した後、そのサファイア基
板を各側面の内のいずれかの面方位で割ることにより半
導体レーザ素子の光共振面を作製するものである。これ
により、へき開性のないサファイア基板上に積層した窒
化物半導体層からへき開面と同様の光共振面が得られレ
ーザ発振が可能となることが示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平8−
153931号公報等に記載されているように、サファ
イア基板を特定の面方位で割ること、すなわち裂開によ
り窒化物半導体層の光共振面を形成する方法で製造され
る窒化物半導体レーザ素子においては、裂開時の衝撃に
より、裂開面である光共振面の上部に形成されているp
電極が浮いたり、剥がれたり、光共振面にだれたりしや
すくなってしまう。そして、窒化物半導体系レーザでは
水平方向の電流広がりが極めて小さいため、このように
電極が半導体層から浮いた部分は可飽和吸収領域となる
ので、閾値が変動して高くなったり、ヒステリシス特性
を持ったりしてばらつくため、レーザ特性が不安定にな
ってしまい信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得る
ことができない。また光共振面にp電極がだれると、1
ミクロン程度あるレーザスポット径にかかってしまう可
能性が高いので良好なレーザパターンが得られない。
【0014】そこで、裂開時の衝撃によるp電極の浮き
や剥がれを防止する技術が特開平10−27939号公
報に開示されている。特開平10−27939号公報記
載の技術は、裂開面側のp電極端面が裂開面よりも内側
にあることにより、裂開時のブレークによる衝撃が電極
端面に伝わらないようにし、電極の剥がれ等を防止した
ものである。ところが、このようにp電極端面を裂開面
よりも内側に形成すると、窒化物半導体は、電流が厚み
方向に垂直な方向に広がりにくい傾向にあるため、p電
極が光共振面まで形成されていない部分は可飽和吸収領
域となりやすい。そうなると閾値が変動して高くなった
り、ヒステリシス特性を持ったりしてばらつくためレー
ザ特性が不安定になってしまう。
【0015】また、裂開面である光共振面の上部に形成
されているp電極の密着性が強固であり、かつp電極そ
のものの硬度が大きいまたは延性や展性が小さい場合、
これによって裂開面が乱されて、均一で良好な光共振面
が得られないことがある。
【0016】本発明は、裂開により光共振面を形成する
窒化物半導体レーザ素子において、上記のような課題が
生じない、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒化
物半導体レーザ素子を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の1番目の窒化物
半導体レーザ素子は、基板上にn型窒化物半導体層と活
性層とp型窒化物半導体層とが順に積層され、前記基板
裏面または前記n型窒化物半導体層、およびp型窒化物
半導体層にそれぞれn電極およびp電極がそれぞれ積層
され、積層方向に裂開した裂開面が光共振面とされる窒
化物半導体レーザ素子において、前記p電極は、前記p
型窒化物半導体層の表面に積層され前記裂開面に臨む接
触部p電極と、前記接触部p電極に電気的に接続可能な
開口部を備える絶縁膜を介してその上面に形成され前記
裂開面よりも内側に端面を持つ主p電極とから構成され
ることを特徴としたものである。
【0018】これにより、p電極を構成する接触部p電
極のp型窒化物半導体層との接触面の端部が裂開面にあ
ることによってp電極とp型窒化物半導体層との電気的
接触を損なうことなく接触面積を保ちつつ、p電極を構
成する主p電極が裂開面よりも内側にあることによって
p電極が裂開時に受ける衝撃を少なくすることができ、
裂開時の衝撃によるp電極の浮きや剥がれやだれ等の裂
開異常を防止して、安定したレーザ特性を持つ信頼性の
高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0019】また、本発明の2番目の窒化物半導体レー
ザ素子は、基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp型
窒化物半導体層とが順に積層され、前記基板裏面または
前記n型窒化物半導体層、およびp型窒化物半導体層に
それぞれn電極およびp電極がそれぞれ積層され、積層
方向に裂開した裂開面が光共振面とされる窒化物半導体
レーザ素子において、前記p電極は、絶縁膜を介して前
記p型窒化物半導体層と電気的に接続された前記裂開面
に臨む薄膜部p電極及び前記裂開面よりも内側に端面を
持つ厚膜部p電極から構成されることを特徴としたもの
である。
【0020】薄膜部p電極と厚膜部p電極はもともと一
体であり、かつ真空中で成膜した後、薄膜部p電極をエ
ッチングしてp電極として一括形成するから、相互の物
理的密着性は非常に良い。また薄膜部p電極と厚膜部p
電極を別々に成膜した場合と比較すると相互の電気的接
触は格段に良好である。そして、p電極を構成する薄膜
部p電極のp型窒化物半導体層との接触面の端部が裂開
面にあることによってp電極とp型窒化物半導体層との
電気的接触を損なうことなく接触面積を保ちつつ、p電
極を構成する厚膜部p電極が裂開面よりも内側にあるこ
とによってp電極が裂開時に受ける衝撃を非常に少なく
することができ、裂開時の衝撃によるp電極の浮きや剥
がれやだれ等の裂開異常を防止して、安定したレーザ特
性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得るこ
とができる。更に薄膜部p電極と厚膜部p電極とを一体
で成膜して一括してエッチングするので電極工程を半分
に減らすことができ、容易な製造プロセスで作成が可能
である。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、基板上
にn型窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層と
が順に積層され、前記n型窒化物半導体層およびp型窒
化物半導体層にそれぞれn電極およびp電極がそれぞれ
積層され、積層方向の裂開面が光共振面とされる窒化物
半導体レーザ素子において、前記p電極は、前記p型窒
化物半導体層の表面に積層され前記裂開面に臨む接触部
p電極と、前記接触部p電極に電気的に接続可能な開口
部を備える絶縁膜を介してその上面に形成され前記裂開
面よりも内側に端面を持つ主p電極とから構成されるこ
とを特徴とする窒化物半導体レーザ素子であり、p電極
を構成する接触部p電極のp型窒化物半導体層との接触
面の端部が裂開面にあることによってp電極とp型窒化
物半導体層との電気的接触を損なうことなく接触面積を
保ちつつ、p電極を構成する主p電極が裂開面よりも内
側にあることによってp電極が裂開時に受ける衝撃を少
なくすることができ、裂開時の衝撃によるp電極の浮き
や剥がれやだれ等の裂開異常を防止することができる。
【0022】請求項2に記載の発明は、前記p電極が、
前記接触部p電極の上面に前記主p電極が積層されたも
のである請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子であ
り、接触部p電極を主p電極とを別々に形成することに
よって、裂開時にp電極が受ける衝撃を低減させること
ができる。また、接触部p電極によって電流を注入する
面積を決めることができるので、レーザ素子への精度良
い電流注入を行うことができる。さらに、外部からの電
圧を面積の大きい主p電極によって接触良く印可させる
ことができる。
【0023】請求項3に記載の発明は、前記接触部p電
極の厚みが、前記主p電極の厚みよりも薄い請求項1ま
たは2記載の窒化物半導体レーザ素子であり、裂開時に
接触部p電極が受ける衝撃は、接触部p電極が主p電極
と同じ厚みのときよりも少なくなり、p型窒化物半導体
層との接触面積が同じでありながら、裂開時に受ける衝
撃をより小さな体積で受けることができるので、裂開時
の衝撃によるp電極の浮きや剥がれ等を防止することが
できる。また、主p電極はp電極へワイヤーボンディン
グする際に必要な厚みとすることができるため、ワイヤ
ーボンディング時に主p電極が変形することがなく、電
流を安定して伝えることができる。また接触式で外部か
らp電極にコンタクトをとる場合でも、主p電極はそれ
に必要な面積を取ることが可能である。
【0024】請求項4に記載の発明は、前記接触部p電
極の厚みが、10〜1000オングストロームである請
求項1から3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素
子であり、ワイヤーボンディングに必要なp電極の厚み
5000オングストローム程度に対して接触面の端部の
p電極の厚みが10〜1000オングストローム、好ま
しくは20〜500オングストロームであることから、
裂開時にp電極の端部が変形してp型窒化物半導体層側
に垂れ下がる、いわゆるだれが生じることがなくなる。
このような裂開異常を防止することにより、光共振面か
らのレーザ発振へ悪影響を及ぼすことがなくなる。この
接触面の端部のp電極の厚みが10オングストロームよ
り小さい場合には、接触部p電極とp型窒化物半導体層
表面間の電気抵抗が大きくなり、上面に主p電極が形成
されていない箇所は、電気的にバリアが発生することに
なり、窒化物半導体系レーザでは水平方向の電流広がり
が極めて小さいため、可飽和吸収領域となったり、閾値
電圧がばらついたりしてレーザ特性が不安定になってし
まうことがある。一方、1000オングストロームより
大きい場合には、この厚みが大きくなるにつれ、p型窒
化物半導体層表面への密着力よりも接触部p電極の裂開
時に受ける衝撃力が大きくなってくるので、p電極の浮
きや剥がれ等を完全に防止することができなくなる。
【0025】請求項5に記載の発明は、前記主p電極の
前記裂開面側の端面が、前記裂開面から1〜500μm
の範囲にある請求項1から4のいずれかに記載の窒化物
半導体レーザ素子であり、これによって、ワイヤーボン
ディングに必要な主p電極の長さを保持し、安定して電
流を伝えることが可能となる。この主p電極の前記裂開
面側の端面が、裂開面から1μmより近い場合には、裂
開の位置精度がそれほど高くないことと、裂開時の衝撃
が主p電極に伝わってしまうことになって裂開異常や浮
きや剥がれ等が生じることがあり、500μmより遠い
場合は、ワイヤーボンディングに必要な主p電極の長さ
が少なくなって、ワイヤーボンディングが困難となる。
【0026】請求項6に記載の発明は、前記絶縁膜の開
口部を前記裂開面よりも内側に形成した請求項1から5
のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子であり、こ
のように裂開時の衝撃を直接受ける裂開面よりも内側の
絶縁膜上に、主p電極との電気的な接触を保つための開
口部を形成することにより、接触部p電極が裂開時の衝
撃で浮いたり、剥がれたりすることを更に防止すること
ができる。
【0027】請求項7に記載の発明は、前記接触部p電
極上のうち前記主p電極の端面よりも外側の部分の少な
くとも一部が絶縁膜で覆われた請求項1から6のいずれ
かに記載の窒化物半導体レーザ素子としたものであり、
裂開時の衝撃を受ける接触部p電極が絶縁膜によってp
型窒化物半導体層側に押さえ込まれるので浮いたり、剥
がれたりするのを更に防止することができる。
【0028】請求項8に記載の発明は、前記裂開面側の
n電極端面が、前記裂開面よりも内側となるように形成
された請求項1から7のいずれかに記載の窒化物半導体
レーザ素子としたものであり、裂開時にn電極に直接衝
撃が伝わることがなくなるため、n電極が浮いたり、剥
がれたりするのを防止することができる。
【0029】請求項9に記載の発明は、前記裂開面側の
n電極端面と前記裂開面との間に、前記n型窒化物半導
体層の一部または全部が除去された割溝形成用切欠部が
形成された請求項8記載の窒化物半導体レーザ素子とし
たものであり、裂開したい光共振面の面積を減らすこと
ができるので、精度良く光共振面を作成できる。また裂
開時にn電極に伝わる衝撃が少なくなるため、裂開時に
n電極が浮いたり、剥がれたりするのをさらに防止する
ことができる。
【0030】請求項10に記載の発明は、基板上にn型
窒化物半導体層と活性層とp型窒化物半導体層とが順に
積層され、前記基板裏面または前記n型窒化物半導体
層、およびp型窒化物半導体層にそれぞれn電極および
p電極がそれぞれ積層され、積層方向に裂開した裂開面
が光共振面とされる窒化物半導体レーザ素子において、
前記p電極は、絶縁膜を介して前記p型窒化物半導体層
と電気的に接続された前記裂開面に臨む薄膜部p電極及
び前記裂開面よりも内側に端面を持つ厚膜部p電極から
構成されることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子で
あり、p電極を構成する薄膜部p電極のp型窒化物半導
体層との接触面の端部が裂開面にあることによってp電
極とp型窒化物半導体層との電気的接触を損なうことな
く接触面積を保ちつつ、p電極を構成する厚膜部p電極
が裂開面よりも内側にあることによってp電極が裂開時
に受ける衝撃を非常に少なくすることができ、裂開時の
衝撃によるp電極の浮きや剥がれやだれ等の裂開異常を
防止して、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒化
物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0031】請求項11に記載の発明は、前記p電極
が、前記p電極の前記裂開面に臨む部分をエッチングし
て形成される薄膜部p電極と、前記裂開面よりも内側に
端面を持つ厚膜部p電極とから構成されている請求項1
0記載の窒化物半導体レーザ素子である。裂開時に薄膜
部p電極が受ける衝撃は、薄膜部p電極をエッチングし
ないときに比べて少なくなり、p型窒化物半導体層との
接触面積が同じでありながら、裂開時に受ける衝撃をよ
り小さな体積で受けることができるので裂開時の衝撃に
よるp電極の浮きや剥がれやだれ等の裂開異常を防止す
ることができる。また、もともと一体である薄膜部p電
極と厚膜部p電極は真空中で成膜された後、薄膜部p電
極をエッチングしてp電極として一括形成するから、相
互の物理的密着性は非常に良いため、裂開時に薄膜部p
電極が受ける衝撃を膜厚の厚い厚膜部p電極に迅速かつ
自然に伝達して急速に緩和することができる。また厚膜
部p電極は、p電極へワイヤーボンディングする際に必
要な厚みとすることができるため、ワイヤーボンディン
グ時に厚膜部p電極が変形することがなく、電流を安定
して伝えることができる。また接触式で外部からp電極
にコンタクトをとる場合でも、厚膜部p電極はそれに必
要な面積を取ることが可能である。また更に薄膜部p電
極と厚膜部p電極はもともと一体であるので相互の電気
的接触は格段に良好である。
【0032】請求項12に記載の発明は、前記薄膜部p
電極の厚みが、10〜1000オングストロームである
請求項10または11記載の窒化物半導体レーザ素子と
したものであり、ワイヤーボンディングに必要なp電極
の厚み5000オングストローム程度に対して接触面の
端部のp電極の厚みが10〜1000オングストロー
ム、好ましくは20〜500オングストロームであるこ
とから、裂開時にp電極の端部が変形してp型窒化物半
導体層側に垂れ下がる、いわゆるだれが生じることがな
くなる。このような裂開異常を防止することにより、光
共振面からのレーザ発振へ悪影響を及ぼすことがなくな
る。この接触面の端部のp電極の厚みが10オングスト
ロームより小さい場合には、薄膜部p電極とp型窒化物
半導体層表面間の電気抵抗が大きくなり、上面に厚膜部
p電極が形成されていない箇所は、電気的にバリアが発
生することになり、窒化物半導体系レーザでは水平方向
の電流広がりが極めて小さいため、可飽和吸収領域とな
ったり、閾値電圧がばらついたりしてレーザ特性が不安
定になってしまうことがある。一方、1000オングス
トロームより大きい場合には、この厚みが大きくなるに
つれ、p型窒化物半導体層表面への密着力よりも薄膜部
p電極の裂開時に受ける衝撃力が大きくなってくるの
で、p電極の浮きや剥がれ等を完全に防止することがで
きなくなる。
【0033】請求項13に記載の発明は、前記厚膜部p
電極の前記裂開面側の端面が、前記裂開面から1〜50
0μmの範囲にある請求項10から12のいずれかに記
載の窒化物半導体レーザ素子である。これによって、ワ
イヤーボンディングに必要な厚膜部p電極の長さを保持
し、安定して電流を伝えることが可能となる。この厚膜
部p電極の前記裂開面側の端面が、裂開面から1μmよ
り近い場合には、裂開の位置精度がそれほど高くないこ
とと、裂開時の衝撃が厚膜部p電極に伝わってしまうこ
とになって裂開異常や浮きや剥がれ等が生じることがあ
り、500μmより遠い場合は、ワイヤーボンディング
に必要な厚膜部p電極の長さが少なくなって、ワイヤー
ボンディングが困難となる。
【0034】(実施の形態1)図1は本発明の第1実施
の形態における窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図、
図2は図1の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側から
みた正面図である。
【0035】図に示すように、本発明の第1実施の形態
における窒化物半導体レーザ素子は、基板1上にn型窒
化物半導体層2、活性層3、およびp型窒化物半導体層
4が順に積層され、積層方向の裂開面Sが光共振面とさ
れ、活性層3より発光する帯状のレーザ共振器を構成し
ている。
【0036】p型窒化物半導体層4上面には、SiO2
よりなる絶縁膜5を形成し、さらに、p型窒化物半導体
層4、活性層3、およびn型窒化物半導体層2の一部を
エッチングしてn型窒化物半導体層2を露出させてあ
る。
【0037】p型窒化物半導体層4上の絶縁膜5は、活
性層3に電流を狭窄して注入するために帯状に除去さ
れ、露出させたp型窒化物半導体層4の表面上にNiと
Auの積層構造からなる接触部p電極6が配置されてい
る。または、p型窒化物半導体層4の表面上にNiとA
uの積層構造からなる接触部p電極6を帯状に配置した
後、絶縁膜5を成膜し接触部p電極6上の絶縁膜5を帯
状に除去してもよい。それからTiとAuの積層構造か
らなる主p電極7を配置する。同様に、n型窒化物半導
体層2の上面にはTiとAuの積層構造からなるn電極
8が配置されている。
【0038】p電極は、露出させたp型窒化物半導体層
4の表面に積層され裂開面Sに臨む接触部p電極6と、
その上面に形成され裂開面Sよりも1〜500μm程度
内側に端面7aを持つ主p電極7から構成される。
【0039】このように、p電極を構成する接触部p電
極6とp型窒化物半導体層4との接触面が裂開面Sまで
あることによって、p電極とp型窒化物半導体層4との
接触面積が保たれ、電流を安定して伝わらせることが可
能となる。また、p電極を構成する主p電極7の裂開面
S側の端面7aが裂開面Sよりも内側に形成されること
によって、p電極が裂開時に受ける衝撃を少なくするこ
とができ、裂開時の衝撃によるp電極の浮きや剥がれ等
を防止することができる。
【0040】また、接触部p電極6の厚みは、主p電極
7の厚みよりも薄くなるように、主p電極7の厚み50
00オングストローム程度に対して100〜200オン
グストローム程度となるようにしている。
【0041】このように、裂開面Sまで形成された接触
部p電極6の厚みを主p電極7の厚みよりも薄くするこ
とによって、裂開時に接触部p電極6が受ける衝撃は、
接触部p電極6が主p電極7と同じ厚みのときよりも少
なくなり、裂開時の衝撃によるp電極の浮きや剥がれ等
を防止することができる。また、裂開時に接触部p電極
6の端部が変形してp型窒化物半導体層側に垂れ下が
る、いわゆるだれが生じることがないため、光共振面か
らのレーザ発振に悪影響を及ぼすことがない。
【0042】一方、主p電極7は裂開時の衝撃の影響を
受けることがなく、主p電極7へワイヤーボンディング
する際に必要な厚みの5000オングストローム程度と
することができるため、ワイヤーボンディング時に主p
電極7が変形することがなく、電流を安定して伝えるこ
とができる。
【0043】以上のように、p電極が裂開時に受ける衝
撃を少なくすることによって、裂開時の衝撃によるp電
極の浮きや剥がれ等を防止することができ、電流の過飽
和領域が発生しなくなるため、閾値が上昇したり、不安
定になったりすることがなくなる。したがって、レーザ
発振時の閾値電圧を低くすることができ、発熱量が少な
く室温での連続発振が可能な安定したレーザ特性を持つ
信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0044】なお、本実施の形態1においては、n電極
8がn型窒化物半導体層2の上面に配置されているが、
基板1を窒化物半導体そのもので作製し、n電極8を基
板1の裏面に設けておくことも可能である。
【0045】(実施の形態2)図3は本発明の第2実施
の形態における窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図、
図4は図3の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側から
みた正面図である。
【0046】本発明の第2実施の形態における窒化物半
導体レーザ素子は、その主な部分は第1実施の形態と同
様の構造であるが、n電極8の裂開面S側の端面8a
を、あらかじめ裂開面Sとなる位置より内側に形成した
ものである。
【0047】裂開により光共振面を形成する際に、光共
振面として裂開したいライン上にn電極8が存在してい
ると、裂開時の衝撃をn電極8が受けてしまい、浮きや
剥がれを生じたりするのであるが、このように、あらか
じめ裂開面Sとなる位置より内側に形成するようにする
とn電極8が受ける衝撃が少なくなり、浮きや剥がれが
生じにくくなり、窒化物半導体系レーザでは水平方向の
電流広がりが極めて小さいため、浮きや剥がれが原因と
なる電流の可飽和吸収領域が発生しないため、閾値が上
昇したり、不安定になったりすることがない。すなわ
ち、レーザ発振時の閾値電圧を低くして、発熱量が少な
く室温での連続発振が可能な信頼性の高い窒化物半導体
素子が得られるようになる。
【0048】n電極は裂開面Sより内側に形成すると、
電流が流れ込む面積が減少して抵抗が高くなりがちなの
であるが、n電極8は、p電極よりも比較的面積が大き
いため、裂開面Sより内側に形成しても、閾値が上昇し
たり、不安定になったりする影響は少なく、むしろn電
極8の浮きや剥がれが少ないことによる高信頼性の窒化
物半導体レーザ素子が得られることになる。
【0049】(実施の形態3)図5は本発明の第3実施
の形態における窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図、
図6は図5の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側から
みた正面図である。
【0050】本発明の第3実施の形態における窒化物半
導体レーザ素子は、その主な部分は第1実施の形態と同
様の構造であるが、n電極8の裂開面S側の端面8a
を、あらかじめ裂開面Sとなる位置より内側に形成した
のち、n型窒化物半導体層2の一部または全部が除去さ
れた割溝形成用切欠部9を形成する。
【0051】裂開により光共振面を形成する際に、光共
振面として裂開したいライン上にn電極8が存在してい
ると、裂開時の衝撃をn電極8が受けてしまい、浮きや
剥がれを生じたりするのであるが、このように、あらか
じめ裂開面Sとなる位置より内側に形成し、さらに裂開
面Sとn電極8の裂開面S側の端面8aとの間に、n型
窒化物半導体層2の一部または全部が除去された割溝形
成用切欠部9を形成してから裂開するようにすると裂開
時の衝撃の影響を全く受けなくなるため、n電極8は浮
いたり剥がれたりすることが全くなくなり、電流の可飽
和吸収領域が発生しないため、閾値が上昇したり、不安
定になったりすることがなくなる。すなわち、レーザ発
振時の閾値電圧を低くして、発熱量が少なく室温での連
続発振が可能な信頼性の高い窒化物半導体素子が得られ
る。
【0052】(実施の形態4)図7は本発明の第4実施
の形態における窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図、
図8は図7のレーザ共振器長手方向の中央部の断面図で
ある。
【0053】本発明の第4実施の形態における窒化物半
導体レーザ素子は、その主な部分は第1実施の形態と同
様の構造であるが、p電極は、p型窒化物半導体層4の
表面に積層され裂開面Sに臨む接触部p電極6と、接触
部p電極6に電気的に接続可能な開口部を備える絶縁膜
を介してその上面に形成され裂開面Sよりも内側に端面
を持つ主p電極とから構成されている。
【0054】このように、p型窒化物半導体層の表面に
積層され裂開面Sに臨む接触部p電極と、接触部p電極
6に電気的に接続可能な開口部を備える絶縁膜を介して
その上面に形成され裂開面よりも内側に端面を持つ主p
電極7とからp電極を構成することにより、裂開時の衝
撃を受ける接触部p電極6がこの絶縁膜5によって押さ
え込まれることになり、接触部p電極6が裂開時の衝撃
で浮いたり、剥がれたりすることをさらに防止すること
ができるようになる。すなわち、電流の可飽和吸収領域
が発生しなくなるため、閾値が上昇したり、不安定にな
ったりすることがなくなる。これによって、室温のみな
らず80℃を超えるような高温動作環境にあってもしき
い値の温度変化量を一定範囲内に収めることができ、光
ディスクなど種々の情報機器用の光源として十分な信頼
性を確保することができる。
【0055】(実施の形態5)図9は本発明の第5実施
の形態における窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図、
図10は図9の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側か
らみた正面図である。
【0056】図に示すように、本発明の第5実施の形態
における窒化物半導体レーザ素子は、基板1上にn型窒
化物半導体層2、活性層3、およびp型窒化物半導体層
4が順に積層され、積層方向の裂開面Sが光共振面とさ
れ、活性層3より発光する帯状のレーザ共振器を構成し
ている。
【0057】p型窒化物半導体層4上面には、SiO2
よりなる絶縁膜5を形成し、さらに、p型窒化物半導体
層4、活性層3、およびn型窒化物半導体層2の一部を
エッチングしてn型窒化物半導体層2を露出させてあ
る。
【0058】p型窒化物半導体層4上の絶縁膜5は、活
性層3に電流を狭窄して注入するために帯状に除去さ
れ、露出させたp型窒化物半導体層4の表面上にNiと
Auの積層構造からなる厚膜部p電極10が配置され
る。それから厚膜部p電極10はエッチングにより、端
面10aを持ちNiとAuの積層構造からなる厚膜部p
電極10と、NiまたはNiとAuの積層構造からなる
薄膜部p電極10bとに区分される。
【0059】すなわち、p電極は、露出させたp型窒化
物半導体層4の表面に積層され裂開面Sに臨む薄膜部p
電極10bと、その上面に形成され裂開面Sよりも1〜
500μm程度内側に端面10aを持つ厚膜部p電極1
0から構成される。
【0060】このように、p電極を構成する薄膜部p電
極10bとp型窒化物半導体層4との接触面が裂開面S
まであることによって、p電極とp型窒化物半導体層4
との接触面積が保たれ、電流を安定して伝わらせること
が可能となる。一方、p電極を構成する厚膜部p電極1
0の裂開面S側の端面10aが裂開面Sよりも内側に形
成されることによって、p電極が裂開時に受ける衝撃を
少なくすることができ、裂開時の衝撃によるp電極の浮
きや剥がれ等を防止することができる。
【0061】また、薄膜部p電極10bの厚みは、厚膜
部p電極10の厚みよりも薄くなるように、厚膜部p電
極10の厚み5000オングストローム程度に対して1
00〜200オングストローム程度となるようにしてい
る。
【0062】このように、裂開面Sまで形成された薄膜
部p電極10bの厚みを厚膜部p電極10の厚みよりも
薄くすることによって、薄膜部p電極10bをエッチン
グしないときに比べて少なくなり、p型窒化物半導体層
4との接触面積が同じでありながら、裂開時に受ける衝
撃をより小さな体積で受けることができるので、裂開時
の衝撃によるp電極の浮きや剥がれやだれ等の裂開異常
を防止することができる。またもともと一体である薄膜
部p電極10bと厚膜部p電極10は真空中で成膜され
た後、薄膜部p電極10bをエッチングしてp電極とし
て一括形成するから、相互の物理的密着性は非常に良い
ため裂開時に薄膜部p電極10bが受ける衝撃を、膜厚
の厚い厚膜部p電極10に迅速かつ自然に伝達して急速
に緩和することができる。
【0063】したがって、裂開時に薄膜部p電極10b
の端部が変形してp型窒化物半導体層4側に垂れ下が
る、いわゆるだれが生じることがないため、光共振面か
らのレーザ発振に悪影響を及ぼすことがない。
【0064】また厚膜部p電極10は、p電極へワイヤ
ーボンディングする際に必要な厚みの5000オングス
トローム程度とすることができるため、ワイヤーボンデ
ィング時に厚膜部p電極10が変形することがなく、電
流を安定して伝えることができる。また接触式で外部か
らp電極にコンタクトをとる場合でも、厚膜部p電極1
0はそれに必要な面積を取ることが可能である。また更
に薄膜部p電極10bと厚膜部p電極10はもともと一
体であるので相互の電気的接触は格段に良好である。
【0065】以上のように、p電極が裂開時に受ける衝
撃を少なくすることによって、裂開時の衝撃によるp電
極の浮きや剥がれ等を防止することができ、電流の過飽
和領域が発生しなくなるため、閾値が上昇したり、不安
定になったりすることがなくなる。したがって、レーザ
発振時の閾値電圧を低くすることができ、発熱量が少な
く室温での連続発振が可能な安定したレーザ特性を持つ
信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0066】なお、本実施の形態5においては、n電極
8がn型窒化物半導体層2の上面に配置されているが、
基板1を窒化物半導体そのもので作製し、n電極8を基
板1の裏面に設けておくことも可能である。
【0067】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0068】本実施例は、有機金属気相成長法を用いて
成長した窒化ガリウム系半導体層により作製される窒化
物半導体レーザ素子を示すものである。
【0069】(実施例1)本実施例を図1および図2を
参照しながら説明する。
【0070】まず、基板表面がC面であって表面を鏡面
に仕上げたサファイア等の基板1を反応管内の基板ホル
ダーに載置した後、基板1の表面温度を1100℃に1
0分間保ち、水素ガスを流しながら基板1を加熱するこ
とにより、基板1の表面に付着している有機物の汚れや
水分を取り除くクリーニングを行う。
【0071】次に、基板1の表面温度を600℃まで降
下させ、主キャリアガスとしての窒素ガスを10リット
ル/分、アンモニアを5リットル/分、トリメチルアル
ミニウム(以下、「TMA」と記す)を含むTMA用の
キャリアガスを20cc/分で流しながら、AlNから
なるバッファ層であるn型窒化物半導体層2を25nm
の厚さとなるように成長させる。その後、TMAのキャ
リアガスの供給を止めて1050℃まで昇温させた後、
主キャリアガスとして、窒素ガスを9リットル/分、水
素ガスを0.95リットル/分で流しながら、新たにト
リメチルガリウム(以下、「TMG」と記す)用のキャ
リアガスを4cc/分、Si源である10ppmのSi
4(モノシラン)ガスを10cc/分で流しながら6
0分間成長させて、SiをドープしたGaNからなる第
1のn型層を2μmの厚さで成長させる。このとき、第
1のn型層のキャリア濃度は1×1018cm-3とす
る。
【0072】第1のn型層の成長後、引き続いて主キャ
リアガスとTMG用のキャリアガスとをそのままの流量
で流しながら、SiH4ガスの流量のみを50cc/分
に変更して6分間流して、SiをドープしたGaNから
なる第2のn型層を0.2μmの厚さで成長させる。こ
のとき、第2のn型層のキャリア濃度は5×1018c
-3とする。
【0073】第1のn型層と第2のn型層でn型窒化物
半導体層2が形成される。
【0074】n型窒化物半導体層2を成長形成後、TM
G用のキャリアガスとSiH4ガスを止め、基板1の表
面温度を750℃まで降下させ、新たに主キャリアガス
として窒素ガスを10リットル/分、TMG用のキャリ
アガスを2cc/分、トリメチルインジウム(以下、
「TMI」と記す)用のキャリアガスを200cc/分
で流しながら30秒間成長させて、ノンドープのInG
aNからなる活性層3を6nmの厚さで成長させる。
【0075】さらに、活性層3の成膜後、TMI用のキ
ャリアガスとTMG用のキャリアガスを止め、基板1の
表面温度を1050℃まで上昇させ、新たに主キャリア
ガスとして窒素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.
94リットル/分、TMG用のキャリアガスを4cc/
分、TMA用のキャリアガスを6cc/分、Mg源であ
るビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、「C
2Mg」と記す)用のキャリアガスを50cc/分で
流しながら4分間成長させて、MgをドープしたAlG
aNからなる第1のp型層を0.1μmの厚さで成長さ
せる。
【0076】引き続き、TMA用のキャリアガスのみを
止め、1050℃にて、新たに主キャリアガスとして窒
素ガスを9リットル/分、水素ガスを0.90リットル
/分と、TMG用のキャリアガスを4cc/分、Cp2
Mg用のキャリアガスを100cc/分で流しながら3
分間成長させ、MgをドープしたGaNからなる第2の
p型層を0.1μmの厚さで成長させる。
【0077】この第1のp型層と第2のp型層でp型窒
化物半導体層4が形成される。
【0078】そして、p型窒化物半導体層4成長後に
は、原料ガスであるTMG用のキャリアガスとアンモニ
アを止め、窒素ガスと水素ガスをそのままの流量で流し
ながら室温まで冷却した後、ウエハを反応管から取り出
す。
【0079】このようにして形成した窒化ガリウム系化
合物半導体からなる量子井戸構造を含む積層構造に対し
て、その表面上にSiO2膜からなる絶縁膜5をプラズ
マCVD法により堆積させる。絶縁膜5の成膜条件は、
基板温度を350℃とし、酸素ガスを4cc/分、テト
ラエチルオルソシリケートを100cc/分で流しなが
ら、RFパワー250Wで30分成膜し、1μmの厚さ
のSiO2膜を形成する。
【0080】次に、このように形成したウェハにレーザ
構造を形成し、窒化物半導体レーザ素子を作製する。
【0081】まず、窒化物半導体層を所望のパターンで
形成する方法として、まず除去する部分の絶縁膜5をバ
ッファードフッ酸等のウェットエッチャントにより除去
し、所定の形状のマスクを形成する。その後、化学的異
方性のドライエッチングによりp型窒化物半導体層4、
活性層3、およびn型窒化物半導体層2の一部を除去
し、基板にほぼ平行な平面を露出させる。
【0082】それから、活性層3に電流を狭窄して注入
するために、p型窒化物半導体層4上の絶縁膜5を帯状
に除去する。絶縁膜5の除去は、所定のストライプ形状
のマスクを形成し、バッファードフッ酸等のウェットエ
ッチャントにより行う。まず、レジストを塗付し、接触
部p電極6を成膜したい領域にレジストが残らないよう
にパターンニングする。次に、NiとAuの積層構造か
らなる接触部p電極6を蒸着法により連続成膜した後、
溶剤でレジストを除去するとレジスト上の接触部p電極
6は同時に除去され、所望のパターンの接触部p電極6
が残る。それから、再度レジストを塗付し、主p電極7
を成膜したい領域にレジストが残らないようにパターン
ニングする。さらに、TiとAuの積層構造からなる主
p電極7を蒸着法により連続成膜した後、溶剤でレジス
トを除去するとレジスト上の主p電極7は同時に除去さ
れ、所望のパターンの主p電極7が残る。
【0083】次に、n電極8を露出させたn型窒化物半
導体層2上に形成する。このとき、n電極8の厚みは3
000〜5000オングストロームとなるようにする。
n電極8はTiとAuの積層構造となるように蒸着法で
形成する。
【0084】この後、基板1の裏面を研磨して50μm
にまで薄くする。研磨後、窒化物半導体レーザ構造が形
成されたウェハをレーザ素子に分割する。
【0085】まず、スクライブ装置を用いてp型窒化物
半導体層4上に形成した帯状のパターンのストライプ方
向に対して垂直方向に第1の割溝を形成する。第1の割
溝は溝幅5μm、溝深さ1μm程度である。この第1の
割溝に沿って、第1の割溝の反対側からブレーキング装
置を用いてウェハを圧し割る。このようにして形成した
端面をレーザ素子の光共振面とする。第1の割溝は平行
方向に600μmピッチで形成してレーザ素子の共振器
長を600μmとする。
【0086】次に、p型窒化物半導体層4上に形成した
帯状のパターンに対して平行な方向に、レーザ素子単体
に分割できるように400μmピッチでスクライブ装置
を用いて第2の割溝を形成する。この割溝に沿って割り
溝の反対側からブレーキング装置を用いて圧し割り、窒
化物半導体レーザ素子を作製する。これにより600μ
m×400μmサイズの窒化物半導体レーザ素子が作製
される。
【0087】このとき、接触部p電極6は光共振面に全
くだれていなかった。この窒化物半導体レーザ素子をヒ
ートシンクに設置し、室温で通電を行いレーザ発振を試
みたところ、同一ウエハから得られたレーザ素子の80
%以上について、閾値電流100〜200mA、ばらつ
き±10%以内の収率で、発振波長410nmのレーザ
発振が確認された。
【0088】(実施例2)実施例1と同様の手順によ
り、第2実施の形態において説明した図3および図4に
示す窒化物半導体レーザ素子を作製する。但し、n電極
8は光共振面から20μm内側となるように形成する。
【0089】この窒化物半導体レーザ素子の光共振面を
裂開法で形成しても、n電極8の浮きはほとんど確認さ
れず、剥離は全くなかった。
【0090】この窒化物半導体レーザ素子をヒートシン
クに設置し、室温で通電を行いレーザ発振を試みたとこ
ろ、同一ウエハから得られたレーザ素子の85%以上に
ついて、閾値電流100〜200mA、ばらつき±10
%以内の収率で、発振波長410nmのレーザ発振が確
認された。
【0091】(実施例3)実施例1と同様の手順によ
り、第3実施の形態において説明した図5および図6に
示す窒化物半導体レーザ素子を作製する。但し、n型窒
化物半導体層2に設けた割溝形成用切欠部9の深さは
1.5〜2.0μmとなるように形成する。
【0092】この窒化物半導体レーザ素子の光共振面を
裂開法で形成しても、n電極の浮きは全く確認されず、
剥離も全くなかった。
【0093】この窒化物半導体レーザ素子をヒートシン
クに設置し、室温で通電を行いレーザ発振を試みたとこ
ろ、同一ウエハから得られたレーザ素子の80%以上に
ついて、閾値電流100〜200mA、ばらつき±10
%以内の収率で、発振波長410nmのレーザ発振が確
認された。
【0094】(実施例4)実施例1と同様の手順によ
り、第4実施の形態において説明した図7および図8に
示す窒化物半導体レーザ素子を作製する。但し、接触部
p電極6を形成した後は次のように作製する。
【0095】まず、接触部p電極6全体を覆うように絶
縁膜5を成膜する。それからレジストを塗付し、主p電
極7を成膜したい領域にレジストが残らないようにパタ
ーンニングする。次に、接触部p電極6と主p電極7が
コンタクトする領域をあけるために、絶縁膜5をフッ酸
等のウエットエッチャントでエッチングする。または、
ドライエッチングを行ってもよい。さらに、TiとAu
の積層構造からなる主p電極7を蒸着法により連続成膜
した後、溶剤でレジストを除去するとレジスト上の主p
電極7は同時に除去され、図7および図8に示す窒化物
半導体レーザ素子が得られる。
【0096】この窒化物半導体レーザ素子をヒートシン
クに設置し、室温で通電を行いレーザ発振を試みたとこ
ろ、同一ウエハから得られたレーザ素子の90%以上に
ついて、閾値電流100〜200mA、ばらつき±10
%以内の収率で、発振波長410nmのレーザ発振が確
認された。
【0097】(実施例5)実施例1と同様の手順によ
り、第5実施の形態において説明した図9および図10
に示す窒化物半導体レーザ素子を作製する。但し、窒化
物半導体層をストライプ状にエッチングした後、露出さ
せたp型窒化物半導体層4の表面上にNiとAuの積層
構造からなる厚膜部p電極10が配置される。それか
ら、厚膜部p電極10はエッチングにより、端面10a
を持ちNiとAuの積層構造からなる厚膜部p電極10
と、NiまたはNiとAuの積層構造からなる薄膜部p
電極10bとに区分される。
【0098】このとき、薄膜部p電極10bは光共振面
に全くだれていなかった。この窒化物半導体レーザ素子
をヒートシンクに設置し、室温で通電を行いレーザ発振
を試みたところ、同一ウエハから得られたレーザ素子の
90%以上について、閾値電流80〜90mA、ばらつ
き±10%以内の収率で、発振波長410nmのレーザ
発振が確認された。
【0099】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏するこ
とができる。
【0100】(1)請求項1記載の発明によって、p電
極が裂開時に受ける衝撃を少なくして、裂開時の衝撃に
よるp電極の浮きや剥がれ等を防止することができる。
窒化物半導体系レーザでは水平方向の電流広がりが極め
て小さいため、浮きや剥がれを防止することにより電流
の可飽和吸収領域が発生しなくなるため、閾値が変動し
て高くなったり、ヒステリシス特性を持ったりしてばら
つくような不安定なレーザ特性がなくなる。したがっ
て、レーザ発振時の閾値電圧を低くすることができ、発
熱量が少なく室温での連続発振が可能な安定したレーザ
特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得る
ことができる。
【0101】(2)請求項2記載の発明によって、裂開
時にp電極が受ける衝撃は接触部p電極に吸収させ、p
型窒化物半導体層からの電流は接触部p電極を介して主
p電極へと伝わらせることができるようになり、安定し
た電流によって安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い
窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0102】(3)請求項3記載の発明によって、裂開
時に接触部p電極が受ける衝撃は、接触部p電極が主p
電極と同じ厚みのときよりも少なくなり、裂開時の衝撃
によるp電極の浮きや剥がれ等を防止することができ
る。また、主p電極はp電極へワイヤーボンディングす
る際に必要な厚みとすることができるため、ワイヤーボ
ンディング時に主p電極が変形することがなく、電流を
安定して伝えることができるようになり、安定したレー
ザ特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得
ることができる。
【0103】(4)請求項4記載の発明によって、裂開
時にだれが生じることがなくなるため、光共振面からの
レーザ発信に悪影響を及ぼすことがなく、安定したレー
ザ特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得
ることができる。
【0104】(5)請求項5記載の発明によって、ワイ
ヤーボンディングに必要な主p電極の長さを保持し、安
定して電流を伝えることが可能となり、安定したレーザ
特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得る
ことができる。
【0105】(6)請求項6記載の発明によって、絶縁
膜の開口部を前記裂開面よりも内側に形成することによ
り、接触部p電極が裂開時の衝撃で浮いたり、剥がれた
りすることを更に防止することができる。
【0106】(7)請求項7記載の発明によって、裂開
時の衝撃を受ける接触部p電極の少なくとも一部を絶縁
膜で覆って押さえ込むことにより、接触部p電極が裂開
時の衝撃で浮いたり、剥がれたりすることをさらに防止
することができ、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高
い窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0107】(8)請求項8記載の発明によって、裂開
時にn電極に直接衝撃が伝わることがなくなるため、裂
開時にn電極が浮いたり、剥がれたりするのを防止する
ことができ、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒
化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0108】(9)請求項9記載の発明によって、裂開
時にn電極に伝わる衝撃が少なくなるため、裂開時にn
電極が浮いたり、剥がれたりするのをさらに防止するこ
とができ、安定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒化
物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0109】(10)請求項10記載の発明によって、
p電極が裂開時に受ける衝撃を少なくして、裂開時の衝
撃によるp電極の浮きや剥がれ等を防止することができ
る。窒化物半導体系レーザでは水平方向の電流広がりが
極めて小さいため、こうすることより電流の可飽和吸収
領域が発生しなくなるため、閾値が変動して高くなった
り、ヒステリシス特性を持ったりしてばらつくような不
安定なレーザ特性がなくなる。したがって、レーザ発振
時の閾値電圧を低くすることができ、発熱量が少なく室
温での連続発振が可能な安定したレーザ特性を持つ信頼
性の高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0110】(11)請求項11に記載の発明によっ
て、裂開時に薄膜部p電極が受ける衝撃は、薄膜部p電
極をエッチングしないときに比べて少なくなり、裂開時
の衝撃によるp電極の浮きや剥がれやだれ等の裂開異常
を防止することができる。またもともと一体である薄膜
部p電極と厚膜部p電極は相互の物理的密着性は非常に
良いため、裂開時に薄膜部p電極が受ける衝撃を、膜厚
の厚い厚膜部p電極に迅速かつ自然に伝達して急速に緩
和することができるので、安定したレーザ特性を持つ信
頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0111】(12)請求項12に記載の発明によっ
て、ワイヤーボンディングに必要なp電極の厚みに対し
て接触面の端部のp電極の厚みが薄いことから、裂開時
にp電極の端部が変形してp型窒化物半導体層側に垂れ
下がる、いわゆるだれが生じることがなくなる。また、
厚膜部p電極はp電極へワイヤーボンディングする際に
必要な厚みとすることができるため、ワイヤーボンディ
ング時に厚膜部p電極が変形することがなく、電流を安
定して伝えることができるようになり、安定したレーザ
特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レーザ素子を得る
ことができる。
【0112】(13)請求項13に記載の発明によっ
て、ワイヤーボンディングに必要な厚膜部p電極の長さ
を保持し、安定して電流を伝えることが可能となり、安
定したレーザ特性を持つ信頼性の高い窒化物半導体レー
ザ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態における窒化物半導体
レーザ素子を示す斜視図
【図2】図1の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側か
らみた正面図
【図3】本発明の第2実施の形態における窒化物半導体
レーザ素子を示す斜視図
【図4】図3の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側か
らみた正面図
【図5】本発明の第3実施の形態における窒化物半導体
レーザ素子を示す斜視図
【図6】図5の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側か
らみた正面図
【図7】本発明の第4実施の形態における窒化物半導体
レーザ素子を示す斜視図
【図8】図7のレーザ共振器長手方向の中央部の断面図
【図9】本発明の第5実施の形態における窒化物半導体
レーザ素子を示す斜視図
【図10】図9の窒化物半導体レーザ素子を裂開面S側
からみた正面図
【図11】従来の窒化物半導体レーザ素子を示す斜視図
【図12】図11の窒化物半導体レーザ素子を光共振面
側からみた正面図
【符号の説明】
1 基板 2 n型窒化物半導体層 3 活性層 4 p型窒化物半導体層 5 絶縁膜 6 接触部p電極 7 主p電極 7a 端面 8 n電極 8a 端面 9 割溝形成用切欠部 10 厚膜部p電極 10a 端面 10b 薄膜部p電極
フロントページの続き (72)発明者 樋渡 竜也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 矢野 振一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA24 AA25 CA04 CA05 CA34 CA40 CA46 CA65 CA92 CA93 CA98 5F073 AA04 AA61 AA73 BA06 CA07 CB05 DA05 DA30 DA32 EA29 FA27

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にn型窒化物半導体層と活性層とp
    型窒化物半導体層とが順に積層され、前記基板裏面また
    は前記n型窒化物半導体層、およびp型窒化物半導体層
    にそれぞれn電極およびp電極がそれぞれ積層され、積
    層方向に裂開した裂開面が光共振面とされる窒化物半導
    体レーザ素子において、前記p電極は、前記p型窒化物
    半導体層の表面に積層され前記裂開面に臨む接触部p電
    極と、前記接触部p電極に電気的に接続可能な開口部を
    備える絶縁膜を介してその上面に形成され前記裂開面よ
    りも内側に端面を持つ主p電極とから構成されることを
    特徴とする窒化物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】前記p電極が、前記接触部p電極の上面に
    前記主p電極が積層されたものであることを特徴とする
    請求項1記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】前記接触部p電極の厚みが、前記主p電極
    の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1または2記
    載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】前記接触部p電極の厚みが、10〜100
    0オングストロームであることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】前記主p電極の前記裂開面側の端面が、前
    記裂開面から1〜500μmの範囲にあることを特徴と
    する請求項1から4のいずれかに記載の窒化物半導体レ
    ーザ素子。
  6. 【請求項6】前記絶縁膜の開口部を前記裂開面よりも内
    側に形成したことを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】前記接触部p電極上のうち前記主p電極の
    端面よりも外側の部分の少なくとも一部が絶縁膜で覆わ
    れたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載
    の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】前記裂開面側のn電極端面が、前記裂開面
    よりも内側となるように形成されたことを特徴とする請
    求項1から7のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
  9. 【請求項9】前記裂開面側のn電極端面と前記裂開面と
    の間に、前記n型窒化物半導体層の一部または全部が除
    去された割溝形成用切欠部が形成されたことを特徴とす
    る請求項8記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 【請求項10】基板上にn型窒化物半導体層と活性層と
    p型窒化物半導体層とが順に積層され、前記基板裏面ま
    たは前記n型窒化物半導体層、およびp型窒化物半導体
    層にそれぞれn電極およびp電極がそれぞれ積層され、
    積層方向に裂開した裂開面が光共振面とされる窒化物半
    導体レーザ素子において、前記p電極は、絶縁膜を介し
    て前記p型窒化物半導体層と電気的に接続された前記裂
    開面に臨む薄膜部p電極及び前記裂開面よりも内側に端
    面を持つ厚膜部p電極から構成されることを特徴とする
    窒化物半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】前記p電極が、前記p電極の前記裂開面
    に臨む部分をエッチングして形成される薄膜部p電極
    と、前記裂開面よりも内側に端面を持つ厚膜部p電極と
    から構成されていることを特徴とする請求項10記載の
    窒化物半導体レーザ素子。
  12. 【請求項12】前記薄膜部p電極の厚みが、10〜10
    00オングストロームであることを特徴とする請求項1
    0または11記載の窒化物半導体レーザ素子。
  13. 【請求項13】前記厚膜部p電極の前記裂開面側の端面
    が、前記裂開面から1〜500μmの範囲にあることを
    特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の窒化
    物半導体レーザ素子。
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