JP2000275902A - トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー - Google Patents
トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナーInfo
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- JP2000275902A JP2000275902A JP7754299A JP7754299A JP2000275902A JP 2000275902 A JP2000275902 A JP 2000275902A JP 7754299 A JP7754299 A JP 7754299A JP 7754299 A JP7754299 A JP 7754299A JP 2000275902 A JP2000275902 A JP 2000275902A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶融流動性及び低温定着性が良好で、耐ブロ
ッキング性に優れたトナー用ポリエステル樹脂、その製
造方法及びそれを用いたトナーを提供する。 【解決手段】 (a)全酸成分に対して70〜100モ
ル%のテレフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分
を主体とするジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対し
て0.1〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分
及び/または3価以上の多価アルコール成分、(c)全
酸成分に対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成
分、(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他の
ジオール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜1
0モル%の単官能イソシアナート化合物より構成され、
軟化温度が100〜150℃であり、酸価が5mgKO
H/g以下であり、酸価と水酸基価より算出した数平均
分子量が1,000〜10,000であるトナー用ポリ
エステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー。
ッキング性に優れたトナー用ポリエステル樹脂、その製
造方法及びそれを用いたトナーを提供する。 【解決手段】 (a)全酸成分に対して70〜100モ
ル%のテレフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分
を主体とするジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対し
て0.1〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分
及び/または3価以上の多価アルコール成分、(c)全
酸成分に対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成
分、(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他の
ジオール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜1
0モル%の単官能イソシアナート化合物より構成され、
軟化温度が100〜150℃であり、酸価が5mgKO
H/g以下であり、酸価と水酸基価より算出した数平均
分子量が1,000〜10,000であるトナー用ポリ
エステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜
像の現像に用いる乾式トナー用のバインダーとして有用
なポリエステル樹脂に関する。特に、本発明は、耐ブロ
ッキング性、溶融流動性、低温定着性及び帯電特性に優
れ、特に高い溶融流動性が要求されるフルカラー用、低
温定着性が要求される高速複写機及び高速プリンター用
として有用なトナー用ポリエステル樹脂、その製造方法
及びそれを用いたトナーに関する。
記録法や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜
像の現像に用いる乾式トナー用のバインダーとして有用
なポリエステル樹脂に関する。特に、本発明は、耐ブロ
ッキング性、溶融流動性、低温定着性及び帯電特性に優
れ、特に高い溶融流動性が要求されるフルカラー用、低
温定着性が要求される高速複写機及び高速プリンター用
として有用なトナー用ポリエステル樹脂、その製造方法
及びそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着を行う。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着を行う。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は溶剤蒸気との接触や加圧もしくは加熱
によって行われ、加熱方式には電気オーブンによる無接
触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式とがある
が、定着工程の高速化が要請される最近では主として後
者が用いられている。
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着を行う。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着を行う。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は溶剤蒸気との接触や加圧もしくは加熱
によって行われ、加熱方式には電気オーブンによる無接
触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式とがある
が、定着工程の高速化が要請される最近では主として後
者が用いられている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、一
成分系トナーと二成分系トナーがある。二成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に分散させた後、次いで粗粉
砕および微粉砕を行い、所定の粒度範囲に分級して製造
される。一成分系トナーは、上記の二成分系のトナーの
各成分の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
成分系トナーと二成分系トナーがある。二成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に分散させた後、次いで粗粉
砕および微粉砕を行い、所定の粒度範囲に分級して製造
される。一成分系トナーは、上記の二成分系のトナーの
各成分の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】バインダー樹脂は、トナー配合中の主成分
であるため、トナーに要求される性能の大部分を支配す
る。このためトナー用樹脂には、トナーの製造において
は溶融混練工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕
性の良いことなどが要求され、またトナーの使用におい
ては定着性、非オフセット性、耐ブロッキング性及び電
気的性質が良いことなどの多用な性能が要求される。ト
ナーの製造に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹
脂などが公知であるが、圧着加熱定着方式用には主にス
チレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が用
いられてきた。
であるため、トナーに要求される性能の大部分を支配す
る。このためトナー用樹脂には、トナーの製造において
は溶融混練工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕
性の良いことなどが要求され、またトナーの使用におい
ては定着性、非オフセット性、耐ブロッキング性及び電
気的性質が良いことなどの多用な性能が要求される。ト
ナーの製造に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹
脂などが公知であるが、圧着加熱定着方式用には主にス
チレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が用
いられてきた。
【0005】しかしながら、オフセット現象を防止する
ために樹脂に架橋構造をとらせたり、高分子化させたり
すると、溶融流動性が低下するため、フルカラートナー
用のバインダー樹脂としては適さない。従って、フルカ
ラー用複写機の場合、非オフセット性を得るため、定着
ローラー表面にシリコーンオイル等を塗布している。定
着部の高速化、省エネルギー化が強く望まれている最近
では、フルカラー以外の一般複写機、プリンターにおい
ても、定着ローラーにシリコンオイル等を塗布するなど
のオフセット防止の手法が用いられている例も少なくな
い。
ために樹脂に架橋構造をとらせたり、高分子化させたり
すると、溶融流動性が低下するため、フルカラートナー
用のバインダー樹脂としては適さない。従って、フルカ
ラー用複写機の場合、非オフセット性を得るため、定着
ローラー表面にシリコーンオイル等を塗布している。定
着部の高速化、省エネルギー化が強く望まれている最近
では、フルカラー以外の一般複写機、プリンターにおい
ても、定着ローラーにシリコンオイル等を塗布するなど
のオフセット防止の手法が用いられている例も少なくな
い。
【0006】フルカラートナー用や高速複写機用トナー
のためのバインダー樹脂は、溶融混合や低エネルギー溶
融のため、低粘度化の必要がある。ポリエステル樹脂の
場合、低粘度化に適した酸成分とアルコール成分の組み
合わせとして、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと
を用いることが望ましい。しかし、これに弾性を付与す
るため3価以上の多官能成分を組み込もうとすると、反
応性が高いために反応の間の粘度の上昇を止めることは
容易ではなく、適切な粘度の樹脂を得ることは困難であ
った。
のためのバインダー樹脂は、溶融混合や低エネルギー溶
融のため、低粘度化の必要がある。ポリエステル樹脂の
場合、低粘度化に適した酸成分とアルコール成分の組み
合わせとして、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと
を用いることが望ましい。しかし、これに弾性を付与す
るため3価以上の多官能成分を組み込もうとすると、反
応性が高いために反応の間の粘度の上昇を止めることは
容易ではなく、適切な粘度の樹脂を得ることは困難であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の欠点を解消するため、溶融流動性及び低温
定着性が良好で、かつ、耐ブロッキング性に優れたトナ
ー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いた
トナーを提供することを目的とする。
な従来技術の欠点を解消するため、溶融流動性及び低温
定着性が良好で、かつ、耐ブロッキング性に優れたトナ
ー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いた
トナーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討したところ、特定量の単官能
イソシアナート化合物を使用して得られたポリエステル
樹脂により上記の目的が達成できることを見出し、本発
明を完成した。
を解決するために鋭意検討したところ、特定量の単官能
イソシアナート化合物を使用して得られたポリエステル
樹脂により上記の目的が達成できることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、上記課題を解決する
ため、(a)全酸成分に対して70〜100モル%のテ
レフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分を主体と
するジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対して0.1
〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分及び/ま
たは3価以上の多価アルコール成分、(c)全酸成分に
対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成分、
(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他のジオ
ール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜10モ
ル%の単官能イソシアナート化合物より構成され、軟化
温度が100〜150℃であり、酸価が5mgKOH/
g以下であり、酸価と水酸基価より算出した数平均分子
量が1,000〜10,000であるトナー用ポリエス
テル樹脂を提供する。
ため、(a)全酸成分に対して70〜100モル%のテ
レフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分を主体と
するジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対して0.1
〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分及び/ま
たは3価以上の多価アルコール成分、(c)全酸成分に
対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成分、
(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他のジオ
ール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜10モ
ル%の単官能イソシアナート化合物より構成され、軟化
温度が100〜150℃であり、酸価が5mgKOH/
g以下であり、酸価と水酸基価より算出した数平均分子
量が1,000〜10,000であるトナー用ポリエス
テル樹脂を提供する。
【0010】また、本発明は、(a)全酸成分に対して
70〜100モル%のテレフタル酸成分及び/またはイ
ソフタル酸成分を主体とするジカルボン酸成分、(b)
全酸成分に対して0.1〜30モル%の3価以上の多価
カルボン酸成分及び/または3価以上の多価アルコール
成分、(c)全酸成分に対して40〜120モル%の脂
肪族ジオール成分及び(d)全酸成分に対して0〜80
モル%のその他のジオール成分を、アルコール成分の酸
成分に対するモル比が2.0以下となるように混合し、
140℃以上の温度でエステル化反応またはエステル交
換反応を行った後、66.7kPa(500mmHg)
以下の圧力で脂肪族ジオールを系外に留出させて重縮合
を行い、反応混合物が所定の溶融粘度となった時点で
(e)単官能イソシアナート化合物を全酸成分に対して
0.01〜10モル%添加することを含むトナー用ポリ
エステル樹脂の製造方法を提供する。
70〜100モル%のテレフタル酸成分及び/またはイ
ソフタル酸成分を主体とするジカルボン酸成分、(b)
全酸成分に対して0.1〜30モル%の3価以上の多価
カルボン酸成分及び/または3価以上の多価アルコール
成分、(c)全酸成分に対して40〜120モル%の脂
肪族ジオール成分及び(d)全酸成分に対して0〜80
モル%のその他のジオール成分を、アルコール成分の酸
成分に対するモル比が2.0以下となるように混合し、
140℃以上の温度でエステル化反応またはエステル交
換反応を行った後、66.7kPa(500mmHg)
以下の圧力で脂肪族ジオールを系外に留出させて重縮合
を行い、反応混合物が所定の溶融粘度となった時点で
(e)単官能イソシアナート化合物を全酸成分に対して
0.01〜10モル%添加することを含むトナー用ポリ
エステル樹脂の製造方法を提供する。
【0011】さらに、本発明は、上記ポリエステル樹脂
をバインダーとして含有する静電荷現像用トナーを提供
する。
をバインダーとして含有する静電荷現像用トナーを提供
する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のトナー用ポリエステル樹
脂は、(a)全酸成分に対して70〜100モル%のテ
レフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分を主体と
するジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対して0.1
〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分及び/ま
たは3価以上の多価アルコール成分、(c)全酸成分に
対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成分、
(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他のジオ
ール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜10モ
ル%の単官能イソシアナート化合物より構成される。
脂は、(a)全酸成分に対して70〜100モル%のテ
レフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分を主体と
するジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対して0.1
〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分及び/ま
たは3価以上の多価アルコール成分、(c)全酸成分に
対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成分、
(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他のジオ
ール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜10モ
ル%の単官能イソシアナート化合物より構成される。
【0013】本発明において、(a)成分を構成するの
に用いられるテレフタル酸成分及び/またはイソフタル
酸成分は、テレフタル酸、イソフタル酸またはそれらの
低級アルキルエステルから誘導された成分である。テレ
フタル酸及びイソフタル酸の低級アルキルエステルの例
としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチ
ル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等がある
が、ハンドリング性及びコストの点でテレフタル酸ジメ
チルやイソフタル酸ジメチルが好ましい。これらのジカ
ルボン酸またはその低級アルキルエステルは、単独でま
たは2種以上を併用して使用される。上記のジカルボン
酸成分は、得られる樹脂のTgを上げてトナーの耐ブロ
ッキング性を向上させる効果があるため、全酸成分に対
して70〜100モル%、好ましくは75〜100モル
%、さらに好ましくは85〜100モル%の量で使用さ
れるのがよい。(a)成分中に上記のジカルボン酸成分
を全酸成分に対して70〜100モル%使用することに
より、樹脂のTgが高く維持され、トナーの耐ブロッキ
ング性が良好となる。
に用いられるテレフタル酸成分及び/またはイソフタル
酸成分は、テレフタル酸、イソフタル酸またはそれらの
低級アルキルエステルから誘導された成分である。テレ
フタル酸及びイソフタル酸の低級アルキルエステルの例
としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチ
ル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等がある
が、ハンドリング性及びコストの点でテレフタル酸ジメ
チルやイソフタル酸ジメチルが好ましい。これらのジカ
ルボン酸またはその低級アルキルエステルは、単独でま
たは2種以上を併用して使用される。上記のジカルボン
酸成分は、得られる樹脂のTgを上げてトナーの耐ブロ
ッキング性を向上させる効果があるため、全酸成分に対
して70〜100モル%、好ましくは75〜100モル
%、さらに好ましくは85〜100モル%の量で使用さ
れるのがよい。(a)成分中に上記のジカルボン酸成分
を全酸成分に対して70〜100モル%使用することに
より、樹脂のTgが高く維持され、トナーの耐ブロッキ
ング性が良好となる。
【0014】(a)成分を構成するその他のジカルボン
酸成分の例としては、フタル酸、セバシン酸、イソデシ
ルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル
酸、アジピン酸、及びそれらのモノメチル、モノエチ
ル、ジメチル、ジエチルエステルなど、及びそれらの酸
無水物から導入される成分が挙げられる。これらは必要
に応じて適宜使用することができる。
酸成分の例としては、フタル酸、セバシン酸、イソデシ
ルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル
酸、アジピン酸、及びそれらのモノメチル、モノエチ
ル、ジメチル、ジエチルエステルなど、及びそれらの酸
無水物から導入される成分が挙げられる。これらは必要
に応じて適宜使用することができる。
【0015】本発明において、(b)成分を構成するの
に用いられる3価以上の多価カルボン酸及び/または3
価以上の多価アルコールとしては、3価以上の多価カル
ボン酸として、例えば、トリメリット酸、ピロメリット
酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,
5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸ま
たはそれらの無水物もしくは低級アルキルエステルが挙
げられ、また3価以上の多価アルコールとして、例え
ば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒ
ドロキシメチルベンゼンが挙げられる。特に好ましく
は、トリメリット酸及び/またはその無水物、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパンであり、これら
の3価以上の多価カルボン酸と3価以上の多価アルコー
ルは、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み
合わせて使用してもよい。
に用いられる3価以上の多価カルボン酸及び/または3
価以上の多価アルコールとしては、3価以上の多価カル
ボン酸として、例えば、トリメリット酸、ピロメリット
酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,
5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸ま
たはそれらの無水物もしくは低級アルキルエステルが挙
げられ、また3価以上の多価アルコールとして、例え
ば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロ
パントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリ
オール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒ
ドロキシメチルベンゼンが挙げられる。特に好ましく
は、トリメリット酸及び/またはその無水物、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパンであり、これら
の3価以上の多価カルボン酸と3価以上の多価アルコー
ルは、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を組み
合わせて使用してもよい。
【0016】本発明において、(b)成分はポリエステ
ル樹脂を架橋もしくは分岐化するために用いられ、その
使用量は全酸成分に対して、0.1〜30モル%、好ま
しくは0.1〜27モル%、さらに好ましくは1〜25
モル%である。(b)成分が全酸成分に対して0.1〜
30モル%の量で使用されたポリエステル樹脂を使用し
たトナーは適度な数平均分子量となり、定着性が良好と
なる。
ル樹脂を架橋もしくは分岐化するために用いられ、その
使用量は全酸成分に対して、0.1〜30モル%、好ま
しくは0.1〜27モル%、さらに好ましくは1〜25
モル%である。(b)成分が全酸成分に対して0.1〜
30モル%の量で使用されたポリエステル樹脂を使用し
たトナーは適度な数平均分子量となり、定着性が良好と
なる。
【0017】本発明において、(c)成分を構成するの
に用いられる脂肪族ジオールの具体例としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3
−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3
−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどが
挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合で使用
できる。定着性の点からエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
が好ましい。
に用いられる脂肪族ジオールの具体例としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3
−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3
−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどが
挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合で使用
できる。定着性の点からエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
が好ましい。
【0018】この(c)成分はポリエステル樹脂の溶融
粘度を下げる効果があるため、生成したポリエステル樹
脂中に、全酸成分に対し40〜120モル%、好ましく
は50〜110モル%、さらに好ましくは60〜100
モル%で存在するのがよい。(c)成分が全酸成分に対
して40〜120モル%の量で用いられたポリエステル
樹脂を使用したトナーは、溶融粘度が下がるため定着性
が良好となる。
粘度を下げる効果があるため、生成したポリエステル樹
脂中に、全酸成分に対し40〜120モル%、好ましく
は50〜110モル%、さらに好ましくは60〜100
モル%で存在するのがよい。(c)成分が全酸成分に対
して40〜120モル%の量で用いられたポリエステル
樹脂を使用したトナーは、溶融粘度が下がるため定着性
が良好となる。
【0019】本発明において、(d)成分を構成するそ
の他のジオールは脂肪族ジオール以外のジオールであ
り、その具体例としてはポリオキシエチレン−(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン−(6.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(5.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
の芳香族ポリエーテルグリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどの脂肪族ポリエ
ーテルグリコールが挙げられ、これらは単独でまたは2
種以上の混合で使用される。芳香族ポリエーテルグリコ
ールは、ガラス転移温度を上げる効果があり、特に2.
1≦n≦4.0であるポリオキシプロピレン(n)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び
2.0≦n≦3.0であるポリオキシプロピレン(n)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。一方、脂肪族ポリエーテルグリコールは、ガ
ラス転移温度を下げ、定着性を良くする効果がある。
の他のジオールは脂肪族ジオール以外のジオールであ
り、その具体例としてはポリオキシエチレン−(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン−(6.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(5.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
の芳香族ポリエーテルグリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどの脂肪族ポリエ
ーテルグリコールが挙げられ、これらは単独でまたは2
種以上の混合で使用される。芳香族ポリエーテルグリコ
ールは、ガラス転移温度を上げる効果があり、特に2.
1≦n≦4.0であるポリオキシプロピレン(n)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及び
2.0≦n≦3.0であるポリオキシプロピレン(n)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。一方、脂肪族ポリエーテルグリコールは、ガ
ラス転移温度を下げ、定着性を良くする効果がある。
【0020】(d)成分を構成するこれらのジオール
は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を調整する点で
好ましいが、高温で熱分解を起こし易いため、高い反応
温度を必要とする芳香族ジカルボン酸との併用には、そ
の量が限られる。その使用量は全酸成分に対して0〜8
0モル%であり、より好ましくは0〜60モル%、さら
に好ましくは0〜30モル%である。(d)成分が全酸
成分に対して0〜80モル%の量で用いられたポリエス
テル樹脂を使用したトナーは、分解生成物が少なく、適
度なガラス転移温度となるため、臭気が少なく、耐ブロ
ッキング性及び定着性が良好となる。
は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を調整する点で
好ましいが、高温で熱分解を起こし易いため、高い反応
温度を必要とする芳香族ジカルボン酸との併用には、そ
の量が限られる。その使用量は全酸成分に対して0〜8
0モル%であり、より好ましくは0〜60モル%、さら
に好ましくは0〜30モル%である。(d)成分が全酸
成分に対して0〜80モル%の量で用いられたポリエス
テル樹脂を使用したトナーは、分解生成物が少なく、適
度なガラス転移温度となるため、臭気が少なく、耐ブロ
ッキング性及び定着性が良好となる。
【0021】本発明おいて、(e)成分を構成する単官
能イソシアナート化合物は分子内に1つのイソシアナー
ト基を持つ化合物であり、その具体例としては1−ナフ
チルイソシアナート、フェニルイソシアナート、o−ク
ロロフェニルイソシナート、m−クロロフェニルイソシ
アナート、p−クロロフェニルイソシアナート、シクロ
ヘキシルイソシアナート、n−オクタデシルイソシアナ
ート、n−ブチルイソシアナート、n−プロピルイソシ
アナートなどが挙げられる。
能イソシアナート化合物は分子内に1つのイソシアナー
ト基を持つ化合物であり、その具体例としては1−ナフ
チルイソシアナート、フェニルイソシアナート、o−ク
ロロフェニルイソシナート、m−クロロフェニルイソシ
アナート、p−クロロフェニルイソシアナート、シクロ
ヘキシルイソシアナート、n−オクタデシルイソシアナ
ート、n−ブチルイソシアナート、n−プロピルイソシ
アナートなどが挙げられる。
【0022】このような単官能イソシアナート化合物
は、ポリエステル末端の水酸基と反応してウレタン結合
を生じ、ポリエステル末端を封止してエステル結合がさ
らに生じることに因るポリエステルの粘度上昇を止める
効果及び樹脂の水酸基価を下げてトナーの帯電量を調節
する効果がある。また、ウレタン結合はトナーの耐湿性
及び耐ブロッキング性を損なう傾向にあるので、その使
用量は限られる。その使用量は全酸成分に対して0.0
1〜10モル%であり、より好ましくは0.1〜7モル
%、さらに好ましくは0.5〜5モル%である。(e)
成分が全酸成分に対して0.01〜10モル%の量で用
いられたポリエステル樹脂を使用したトナーは、帯電量
が安定し、耐湿性及び耐ブロッキング性が良好となる。
は、ポリエステル末端の水酸基と反応してウレタン結合
を生じ、ポリエステル末端を封止してエステル結合がさ
らに生じることに因るポリエステルの粘度上昇を止める
効果及び樹脂の水酸基価を下げてトナーの帯電量を調節
する効果がある。また、ウレタン結合はトナーの耐湿性
及び耐ブロッキング性を損なう傾向にあるので、その使
用量は限られる。その使用量は全酸成分に対して0.0
1〜10モル%であり、より好ましくは0.1〜7モル
%、さらに好ましくは0.5〜5モル%である。(e)
成分が全酸成分に対して0.01〜10モル%の量で用
いられたポリエステル樹脂を使用したトナーは、帯電量
が安定し、耐湿性及び耐ブロッキング性が良好となる。
【0023】また、ポリエステルの特性を損なわない限
り、一般に全酸成分に対して10モル%以下の範囲で、
上記以外のモノマーを使用してもさしつかえない。
り、一般に全酸成分に対して10モル%以下の範囲で、
上記以外のモノマーを使用してもさしつかえない。
【0024】本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造
においては、単官能イソシアナート化合物以外の前記モ
ノマーを所定量反応釜に仕込み、加熱昇温することによ
り、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、こ
の反応で生じた水またはアルコールを系外に除去する。
引き続き反応混合物の溶融粘度が所定の値になるまで反
応を継続するが、この際66.7kPa(500mmH
g)以下の圧力下で(c)脂肪族ジオールの一部を系外
に留出除去させながら重縮合を行う。反応温度について
は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に設
定すればよく、最終的に180〜260℃の温度で反応
を行うのが好ましい。また、重合に際しては、通常公知
の重合触媒、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチ
ルスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、2硫化スズ、3
酸化アンチモン、2酸化ゲルマニウム等を用いることが
できる。
においては、単官能イソシアナート化合物以外の前記モ
ノマーを所定量反応釜に仕込み、加熱昇温することによ
り、エステル化反応またはエステル交換反応を行い、こ
の反応で生じた水またはアルコールを系外に除去する。
引き続き反応混合物の溶融粘度が所定の値になるまで反
応を継続するが、この際66.7kPa(500mmH
g)以下の圧力下で(c)脂肪族ジオールの一部を系外
に留出除去させながら重縮合を行う。反応温度について
は特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に設
定すればよく、最終的に180〜260℃の温度で反応
を行うのが好ましい。また、重合に際しては、通常公知
の重合触媒、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチ
ルスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、2硫化スズ、3
酸化アンチモン、2酸化ゲルマニウム等を用いることが
できる。
【0025】本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造
において、重縮合段階で反応混合物が所定の溶融粘度に
達したとき、単官能イソシアナート化合物を添加して、
ポリエステル末端の水酸基と反応させ、重縮合による反
応の進行を停止させる。この際、反応系内に圧力をかけ
ることが望ましく、好ましくは98.0kPa(1kg
/cm2 )以上、より好ましくは196.1kPa(2
kg/cm2 )以上の圧力をかける。
において、重縮合段階で反応混合物が所定の溶融粘度に
達したとき、単官能イソシアナート化合物を添加して、
ポリエステル末端の水酸基と反応させ、重縮合による反
応の進行を停止させる。この際、反応系内に圧力をかけ
ることが望ましく、好ましくは98.0kPa(1kg
/cm2 )以上、より好ましくは196.1kPa(2
kg/cm2 )以上の圧力をかける。
【0026】本発明のポリエステル樹脂の軟化温度は1
00〜150℃であり、より好ましくは110〜145
℃である。軟化温度が100〜150℃の樹脂を用いた
トナーは、トナーの凝集力、溶融流動性及び低温定着性
が良好で、フルカラートナー用及び定着性本位の高速複
写機トナー用バインダーに適している。
00〜150℃であり、より好ましくは110〜145
℃である。軟化温度が100〜150℃の樹脂を用いた
トナーは、トナーの凝集力、溶融流動性及び低温定着性
が良好で、フルカラートナー用及び定着性本位の高速複
写機トナー用バインダーに適している。
【0027】本発明のポリエステル樹脂の酸価は5mg
KOH/g以下であり、好ましくは0.1〜4mgKO
H/gである。酸価が5mgKOH/g以下であるポリ
エステル樹脂を用いたトナーは、正負の極性を問わずそ
の樹脂を使用したトナーのカブリが小さくなる。
KOH/g以下であり、好ましくは0.1〜4mgKO
H/gである。酸価が5mgKOH/g以下であるポリ
エステル樹脂を用いたトナーは、正負の極性を問わずそ
の樹脂を使用したトナーのカブリが小さくなる。
【0028】本発明のポリエステル樹脂の酸価と水酸基
価の合計より算出した数平均分子量は、1,000〜1
0,000であり、好ましくは1,200〜8,000
である。平均分子量を測定する方法としてはゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによる方法もあるが、設
定した移動相(溶剤)では本発明のポリエステル樹脂が
完全に溶解しない場合があるので、ポリエステル樹脂全
体の数平均分子量を知るためにポリエステル樹脂の酸価
と水酸基価の合計すなわち末端基数より算出した。数平
均分子量が1,000〜10,000の樹脂を使用した
トナーは、トナーの耐ブロッキング性、溶融流動性及び
低温定着性が良好で、フルカラートナー用及び高速複写
機トナー用のバインダーに適している。
価の合計より算出した数平均分子量は、1,000〜1
0,000であり、好ましくは1,200〜8,000
である。平均分子量を測定する方法としてはゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによる方法もあるが、設
定した移動相(溶剤)では本発明のポリエステル樹脂が
完全に溶解しない場合があるので、ポリエステル樹脂全
体の数平均分子量を知るためにポリエステル樹脂の酸価
と水酸基価の合計すなわち末端基数より算出した。数平
均分子量が1,000〜10,000の樹脂を使用した
トナーは、トナーの耐ブロッキング性、溶融流動性及び
低温定着性が良好で、フルカラートナー用及び高速複写
機トナー用のバインダーに適している。
【0029】本発明のトナーは、上記した本発明のポリ
エステル樹脂、荷電制御剤、着色剤及びその他の添加剤
で構成される。
エステル樹脂、荷電制御剤、着色剤及びその他の添加剤
で構成される。
【0030】本発明のトナーに用いられる荷電制御剤と
しては、特に制限はなく、従来電子写真用に用いられて
いる荷電制御剤を使用することができる。負帯電性の荷
電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料としてオリ
エント化学社製のボントロンS−31、ボントロンS−
32、ボントロンS−34、ボントロンS−36等、保
土ヶ谷化学社製のアイゼンスピロンブラックTVH等、
サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としてオリエン
ト化学社製のボントロンE−85等、四級アンモニウム
塩としてヘキスト社製のCopy Charge NX
VP434等、及び銅フタロシアニン染料等が挙げら
れる。また、正帯電性の荷電制御剤としては、例えば、
イミダゾール誘導体として四国化成社製のPLZ−20
01、PLZ−8001等、トリフェニルメタン誘導体
としてヘキスト社製のCopyCharge BLUE
PR等、四級アンモニウム塩としてオリエント化学社
製のボントロンP−51、ヘキスト社製のCopy C
harge PXVP435、セチルトリメチルアンモ
ニウムブロマイド等、及びポリアミン樹脂としてオリエ
ント化学社製のAFP−B等が挙げられる。本発明で
は、上記の荷電制御剤を単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。また、主荷電制御剤と逆極性
の荷電制御剤との併用も可能である。
しては、特に制限はなく、従来電子写真用に用いられて
いる荷電制御剤を使用することができる。負帯電性の荷
電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料としてオリ
エント化学社製のボントロンS−31、ボントロンS−
32、ボントロンS−34、ボントロンS−36等、保
土ヶ谷化学社製のアイゼンスピロンブラックTVH等、
サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としてオリエン
ト化学社製のボントロンE−85等、四級アンモニウム
塩としてヘキスト社製のCopy Charge NX
VP434等、及び銅フタロシアニン染料等が挙げら
れる。また、正帯電性の荷電制御剤としては、例えば、
イミダゾール誘導体として四国化成社製のPLZ−20
01、PLZ−8001等、トリフェニルメタン誘導体
としてヘキスト社製のCopyCharge BLUE
PR等、四級アンモニウム塩としてオリエント化学社
製のボントロンP−51、ヘキスト社製のCopy C
harge PXVP435、セチルトリメチルアンモ
ニウムブロマイド等、及びポリアミン樹脂としてオリエ
ント化学社製のAFP−B等が挙げられる。本発明で
は、上記の荷電制御剤を単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。また、主荷電制御剤と逆極性
の荷電制御剤との併用も可能である。
【0031】本発明のトナーに使用される着色剤として
は、一般に使用されているカーボンブラック、有彩色の
顔料及び染料が使用でき、特に限定はない。カラートナ
ーの場合には、例えば、C.I.ソルベントイエロー2
1、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベ
ントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー1
2、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83、
C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレ
ッド49、C.I.ソルベントレッド128、C.I.
ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド13、
C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレ
ッド48・2、C.I.ディスパースレッド11、C.
I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー
94、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメ
ントブルー15・3等が挙げられる。
は、一般に使用されているカーボンブラック、有彩色の
顔料及び染料が使用でき、特に限定はない。カラートナ
ーの場合には、例えば、C.I.ソルベントイエロー2
1、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベ
ントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー1
2、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー83、
C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレ
ッド49、C.I.ソルベントレッド128、C.I.
ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド13、
C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレ
ッド48・2、C.I.ディスパースレッド11、C.
I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー
94、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメ
ントブルー15・3等が挙げられる。
【0032】また、本発明のトナーに用いられるその他
の添加剤としては、離型剤として、例えば、ポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン−酢酸
ビニルワックス、塩素化ポリエチレンワックス、シリコ
ンワックス、アミド系ワックス、脂肪酸金属塩、脂肪酸
エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高
級アルコール、多価アルコールエステル等が挙げられ、
流動性向上剤として、例えば、シリカ、アルミナ、酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チ
タン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜
鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ藻土、酸化セリウム、
ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
の添加剤としては、離型剤として、例えば、ポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン−酢酸
ビニルワックス、塩素化ポリエチレンワックス、シリコ
ンワックス、アミド系ワックス、脂肪酸金属塩、脂肪酸
エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高
級アルコール、多価アルコールエステル等が挙げられ、
流動性向上剤として、例えば、シリカ、アルミナ、酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チ
タン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜
鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ藻土、酸化セリウム、
ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化
ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カル
シウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
【0033】シリカ等の無機粉末を加えると、耐ブロッ
キング性が良好となり、その効果はバインダー樹脂のガ
ラス転移温度が低いものほど顕著である。例えば、ガラ
ス転移温度が45℃以上の樹脂に関しては、無機粉末を
加えれば、耐ブロッキング性が良好となる。ガラス転移
温度が50℃以上の樹脂に関しては、無機粉末を加えな
くとも耐ブロッキング性は良好である。また、ガラス転
移温度が70℃以下ならば、定着性能が極端に低下する
ことはなく、ガラス転移温度を45〜70℃とすること
により、フルカラートナー用及び定着性本位の高速複写
機トナー用バインダーとして適した樹脂となる。従っ
て、本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、4
5〜70℃であるのが好ましく、より好ましくは50〜
65℃である。
キング性が良好となり、その効果はバインダー樹脂のガ
ラス転移温度が低いものほど顕著である。例えば、ガラ
ス転移温度が45℃以上の樹脂に関しては、無機粉末を
加えれば、耐ブロッキング性が良好となる。ガラス転移
温度が50℃以上の樹脂に関しては、無機粉末を加えな
くとも耐ブロッキング性は良好である。また、ガラス転
移温度が70℃以下ならば、定着性能が極端に低下する
ことはなく、ガラス転移温度を45〜70℃とすること
により、フルカラートナー用及び定着性本位の高速複写
機トナー用バインダーとして適した樹脂となる。従っ
て、本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度は、4
5〜70℃であるのが好ましく、より好ましくは50〜
65℃である。
【0034】本発明において、樹脂の軟化温度は、島津
製作所社製フローテスターCFT−500により、1.
0mmφ×10mmのノズルを用い、荷重294N(3
0kgf)で、昇温速度3℃/minの等速昇温下で測
定した時に、サンプル1.0g中の1/2が流出した時
点の温度を言う。ガラス転移温度(Tg)は、示差走差
熱量計を用いて昇温速度5℃/minで測定した時のチ
ャートのベースラインとガラス転移温度近傍の吸熱カー
ブとの接線の交点の温度である。樹脂の酸価は、ベンジ
ルアルコール中で水酸化カリウム溶液で滴定して算出し
た。樹脂の水酸基価は、ピリジン中無水酢酸でアセチル
化したの後、過剰の酢酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定
して算出した。また、樹脂組成分析に関しては、酸成分
及びアルコール成分は樹脂をヒドラジンで加水分解し、
液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィー
で定量し、単官能イソシアナート化合物由来の官能基数
は 1H−NMRスペクトル法で定量した。
製作所社製フローテスターCFT−500により、1.
0mmφ×10mmのノズルを用い、荷重294N(3
0kgf)で、昇温速度3℃/minの等速昇温下で測
定した時に、サンプル1.0g中の1/2が流出した時
点の温度を言う。ガラス転移温度(Tg)は、示差走差
熱量計を用いて昇温速度5℃/minで測定した時のチ
ャートのベースラインとガラス転移温度近傍の吸熱カー
ブとの接線の交点の温度である。樹脂の酸価は、ベンジ
ルアルコール中で水酸化カリウム溶液で滴定して算出し
た。樹脂の水酸基価は、ピリジン中無水酢酸でアセチル
化したの後、過剰の酢酸を水酸化ナトリウム溶液で滴定
して算出した。また、樹脂組成分析に関しては、酸成分
及びアルコール成分は樹脂をヒドラジンで加水分解し、
液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィー
で定量し、単官能イソシアナート化合物由来の官能基数
は 1H−NMRスペクトル法で定量した。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例にさらに説明するが、本
発明の実施の形態はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
発明の実施の形態はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0036】<定着性評価>トナー4重量部に対して鉄
キャリアー(パウダーテック社製EFV−200/30
0)100重量部をポリエチレン製容器に入れ、ロール
ミルで30分間攪拌して現像剤を調製した。市販の複写
機(シャープ社製SF−7850)の改造機でテストチ
ャートを複写し、定着部を通さずにトナーののったテス
ト紙を取り出した。このテスト紙をローラー速度を40
0mm/sec、ニップ幅を8.0mmに設定した温度
可変定着ローラーに通し、トナーがテスト紙のみに定着
し、定着ローラーにトナーが移行しないときの最低温度
を最低定着温度とし、以下の基準を用いて定着性を判断
した。 最低定着温度が130℃以下である(優) : ◎ 最低定着温度が141〜160℃である(良) : ○ 最低定着温度が161〜170℃である(可) : △ 最低定着温度が170℃以上である(不可) : ×
キャリアー(パウダーテック社製EFV−200/30
0)100重量部をポリエチレン製容器に入れ、ロール
ミルで30分間攪拌して現像剤を調製した。市販の複写
機(シャープ社製SF−7850)の改造機でテストチ
ャートを複写し、定着部を通さずにトナーののったテス
ト紙を取り出した。このテスト紙をローラー速度を40
0mm/sec、ニップ幅を8.0mmに設定した温度
可変定着ローラーに通し、トナーがテスト紙のみに定着
し、定着ローラーにトナーが移行しないときの最低温度
を最低定着温度とし、以下の基準を用いて定着性を判断
した。 最低定着温度が130℃以下である(優) : ◎ 最低定着温度が141〜160℃である(良) : ○ 最低定着温度が161〜170℃である(可) : △ 最低定着温度が170℃以上である(不可) : ×
【0037】<非オフセット性評価>定着性評価を行っ
たのと同様の操作を行い、最低定着温度から定着ローラ
ーの温度を上昇させ、定着ローラーに再びトナーが付着
し始める温度をホットオフセット開始温度とし、以下の
基準を用いて非オフセット性を判断した。 ホットオフセット開始温度が220℃以上である(優) : ◎ ホットオフセット開始温度が200℃以上である(良) : ○ ホットオフセット開始温度が180℃以上である(不可): ×
たのと同様の操作を行い、最低定着温度から定着ローラ
ーの温度を上昇させ、定着ローラーに再びトナーが付着
し始める温度をホットオフセット開始温度とし、以下の
基準を用いて非オフセット性を判断した。 ホットオフセット開始温度が220℃以上である(優) : ◎ ホットオフセット開始温度が200℃以上である(良) : ○ ホットオフセット開始温度が180℃以上である(不可): ×
【0038】<耐ブロッキング性評価>トナー約5gを
秤量し、サンプル瓶に投入してこれを50℃の恒温槽中
に24時間放置し、トナーの凝集の程度を評価して、耐
ブロッキング性の指標とした。以下の基準を用いて耐ブ
ロッキング性を判断した。 サンプル瓶を逆さにするだけで分散する(優) : ◎ サンプル瓶を逆さにし、2〜3回叩くと分散する(良) : ○ サンプル瓶を逆さにし、4〜5回叩くと分散する(不良): ×
秤量し、サンプル瓶に投入してこれを50℃の恒温槽中
に24時間放置し、トナーの凝集の程度を評価して、耐
ブロッキング性の指標とした。以下の基準を用いて耐ブ
ロッキング性を判断した。 サンプル瓶を逆さにするだけで分散する(優) : ◎ サンプル瓶を逆さにし、2〜3回叩くと分散する(良) : ○ サンプル瓶を逆さにし、4〜5回叩くと分散する(不良): ×
【0039】<画像安定性>上記定着性評価の場合と同
様に現像剤を調製し、ロールミルで7日間攪拌し、上記
試験機を用いて画像安定性について評価した。 帯電量(画像濃度)が安定している(優) : ◎ 初期帯電量と最終帯電量に若干変化があるが、 画像濃度に影響が少ない(良) : ○ 画像濃度が大きく変化するし、 カブリやカスレが生じる(不可) : ×
様に現像剤を調製し、ロールミルで7日間攪拌し、上記
試験機を用いて画像安定性について評価した。 帯電量(画像濃度)が安定している(優) : ◎ 初期帯電量と最終帯電量に若干変化があるが、 画像濃度に影響が少ない(良) : ○ 画像濃度が大きく変化するし、 カブリやカスレが生じる(不可) : ×
【0040】実施例1 テレフタル酸1,993重量部、イソフタル酸2,07
6重量部、トリメリット酸無水物96重量部、エチレン
グリコール1,242重量部、1,2−プロパンジオー
ル761重量部及び三酸化アンチモン1.25重量部を
蒸留塔を有する反応容器に投入した。内温を260℃、
撹拌回転数120rpmに保ち、常圧下で6時間エステ
ル化反応させた後、反応系内を30分かけて0.13k
Pa(1.0mmHg)まで減圧し、内温を220℃に
保ち、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオー
ルを留出せしめながら重縮合反応を4時間行い、攪拌機
の軸トルクの上昇が著しくなった時点で窒素を導入して
反応系内圧力を98.1kPa(1kg/cm2 )に
し、フェニルイソシアナート15重量部を添加した。軸
トルクが安定するまで20分間攪拌した後、淡黄色透明の
樹脂R−1を得た。得られた樹脂は、軟化温度T1/2 が
137℃であり、ガラス転移温度Tgが65.5℃であ
り、酸価が4.5mgKOH/gであり、水酸基価が
7.5mgKOH/gであり、末端基数より計算した数
平均分子量が9,384であった。得られた樹脂の組成
分析結果を表1に示す。
6重量部、トリメリット酸無水物96重量部、エチレン
グリコール1,242重量部、1,2−プロパンジオー
ル761重量部及び三酸化アンチモン1.25重量部を
蒸留塔を有する反応容器に投入した。内温を260℃、
撹拌回転数120rpmに保ち、常圧下で6時間エステ
ル化反応させた後、反応系内を30分かけて0.13k
Pa(1.0mmHg)まで減圧し、内温を220℃に
保ち、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオー
ルを留出せしめながら重縮合反応を4時間行い、攪拌機
の軸トルクの上昇が著しくなった時点で窒素を導入して
反応系内圧力を98.1kPa(1kg/cm2 )に
し、フェニルイソシアナート15重量部を添加した。軸
トルクが安定するまで20分間攪拌した後、淡黄色透明の
樹脂R−1を得た。得られた樹脂は、軟化温度T1/2 が
137℃であり、ガラス転移温度Tgが65.5℃であ
り、酸価が4.5mgKOH/gであり、水酸基価が
7.5mgKOH/gであり、末端基数より計算した数
平均分子量が9,384であった。得られた樹脂の組成
分析結果を表1に示す。
【0041】また、バインダー樹脂としてこの樹脂R−
1を92重量部、カーボンブラック(三菱化学社製#4
4)5重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成工業
社製ビスコール660P)2重量部、正帯電性の荷電制
御剤(オリエント化学社製P−51)1重量部を使用
し、ヘンシェルミキサーで30分間混合した。次いで、
得られた混合物をインターナルミキサー(栗本鉄工社
製)で溶融混練した。溶融混練物を室温まで冷却し、ハ
ンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミル(日本ニュー
マチック社製)を用いて微粉砕した。その後、風力分級
機(日本ニューマチック社製)を用いて分級して体積平
均粒径7μmとし、トナーT−1を得た。得られたトナ
ーの性能評価結果を表2に示す。このトナーの定着性、
非オフセット性、耐ブロッキング性及び画像安定性に問
題はなかった。
1を92重量部、カーボンブラック(三菱化学社製#4
4)5重量部、ポリプロピレンワックス(三洋化成工業
社製ビスコール660P)2重量部、正帯電性の荷電制
御剤(オリエント化学社製P−51)1重量部を使用
し、ヘンシェルミキサーで30分間混合した。次いで、
得られた混合物をインターナルミキサー(栗本鉄工社
製)で溶融混練した。溶融混練物を室温まで冷却し、ハ
ンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミル(日本ニュー
マチック社製)を用いて微粉砕した。その後、風力分級
機(日本ニューマチック社製)を用いて分級して体積平
均粒径7μmとし、トナーT−1を得た。得られたトナ
ーの性能評価結果を表2に示す。このトナーの定着性、
非オフセット性、耐ブロッキング性及び画像安定性に問
題はなかった。
【0042】実施例2〜6 仕込み組成を表1に示したようにした以外は、実施例1
と同様の操作を行い、樹脂R−2〜R−6を得た。樹脂
R−2〜R−6の組成分析結果を表1に示す。また、バ
インダー樹脂をR−2〜R−6にした以外は、実施例1
と同様の操作を行い、トナーT−2〜T−6を得た。ト
ナーT−2〜T−6の性能評価結果を表2に示す。何れ
のトナーも性能良好であった。なお、表1において、ジ
オールAはポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表し、ジ
オールBはポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表す。
と同様の操作を行い、樹脂R−2〜R−6を得た。樹脂
R−2〜R−6の組成分析結果を表1に示す。また、バ
インダー樹脂をR−2〜R−6にした以外は、実施例1
と同様の操作を行い、トナーT−2〜T−6を得た。ト
ナーT−2〜T−6の性能評価結果を表2に示す。何れ
のトナーも性能良好であった。なお、表1において、ジ
オールAはポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表し、ジ
オールBはポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】比較例1 テレフタル酸1,453重量部、イソフタル酸2,07
6重量部、トリメリット酸無水物720重量部、エチレ
ングリコール1,708重量部、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール721重量部及びジブチルスズオキシド
2.13重量部を蒸留塔を有する反応容器に投入した。
内温を260℃、撹拌回転数120rpmに保ち、常圧
下で5時間エステル化反応させた後、反応系内を30分
かけて0.13kPa(1.0mmHg)まで減圧し、
内温を220℃に保ち、エチレングリコール及び1,4
−シクロヘキサンジメタノールを留出せしめながら重縮
合反応を4時間行い、攪拌機の軸トルクの上昇が著しく
なった時点で窒素を導入して反応系内圧力を98.1k
Pa(1kg/cm2 )にしたが、単官能イソシアナー
ト化合物を添加しなかったため、反応の進行は止まら
ず、2分後に攪拌不可能となった。得られた樹脂R−7
の組成分析結果を表3に示す。樹脂R−7は、単官能イ
ソシアナート化合物を添加しなかったため、軟化温度の
高い樹脂となった。
6重量部、トリメリット酸無水物720重量部、エチレ
ングリコール1,708重量部、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール721重量部及びジブチルスズオキシド
2.13重量部を蒸留塔を有する反応容器に投入した。
内温を260℃、撹拌回転数120rpmに保ち、常圧
下で5時間エステル化反応させた後、反応系内を30分
かけて0.13kPa(1.0mmHg)まで減圧し、
内温を220℃に保ち、エチレングリコール及び1,4
−シクロヘキサンジメタノールを留出せしめながら重縮
合反応を4時間行い、攪拌機の軸トルクの上昇が著しく
なった時点で窒素を導入して反応系内圧力を98.1k
Pa(1kg/cm2 )にしたが、単官能イソシアナー
ト化合物を添加しなかったため、反応の進行は止まら
ず、2分後に攪拌不可能となった。得られた樹脂R−7
の組成分析結果を表3に示す。樹脂R−7は、単官能イ
ソシアナート化合物を添加しなかったため、軟化温度の
高い樹脂となった。
【0046】また、バインダー樹脂を樹脂R−7とした
以外は、実施例1と同様の操作を行い、トナーT−7を
得た。トナーT−7の性能評価結果を表4に示す。トナ
−T−7は、使用したバインダー樹脂R−7の軟化温度
が高すぎるため定着性が悪く、酸価が高いため画像安定
性に劣っていた。
以外は、実施例1と同様の操作を行い、トナーT−7を
得た。トナーT−7の性能評価結果を表4に示す。トナ
−T−7は、使用したバインダー樹脂R−7の軟化温度
が高すぎるため定着性が悪く、酸価が高いため画像安定
性に劣っていた。
【0047】比較例2〜5 仕込み組成を表3に示したようにした以外は、実施例1
と同様の操作を行い、樹脂R−8〜R−11を得た。樹
脂R−8〜R−11の組成分析結果を表3に示す。ま
た、バインダー樹脂をR−8〜R−11にした以外は、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−8〜T−11
を得た。トナーT−8〜T−11の性能評価結果を表4
に示す。何れのトナーも不良であった。なお、表3にお
いて、ジオールAおよびジオールBは表1のものと同一
のものを表す。
と同様の操作を行い、樹脂R−8〜R−11を得た。樹
脂R−8〜R−11の組成分析結果を表3に示す。ま
た、バインダー樹脂をR−8〜R−11にした以外は、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−8〜T−11
を得た。トナーT−8〜T−11の性能評価結果を表4
に示す。何れのトナーも不良であった。なお、表3にお
いて、ジオールAおよびジオールBは表1のものと同一
のものを表す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に従って
単官能イソシアナートを使用し、本発明の製造方法で製
造したトナー用ポリエステル樹脂を用いた場合、耐ブロ
ッキング性、溶融流動性及び帯電性能に優れ、特に高い
溶融流動性が要求されるフルカラー用、低温定着性が要
求される高速複写機及び高速プリンター用として有用な
トナーが得られる。
単官能イソシアナートを使用し、本発明の製造方法で製
造したトナー用ポリエステル樹脂を用いた場合、耐ブロ
ッキング性、溶融流動性及び帯電性能に優れ、特に高い
溶融流動性が要求されるフルカラー用、低温定着性が要
求される高速複写機及び高速プリンター用として有用な
トナーが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 浩二 愛知県豊橋市牛川通4丁目1−2 三菱レ イヨン株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AB02 CA08 DA06 DA10 EA03 EA06 EA07 EA10
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)全酸成分に対して70〜100モ
ル%のテレフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分
を主体とするジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対し
て0.1〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分
及び/または3価以上の多価アルコール成分、(c)全
酸成分に対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成
分、(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他の
ジオール成分及び(e)全酸成分に対して0.01〜1
0モル%の単官能イソシアナート化合物より構成され、
軟化温度が100〜150℃であり、酸価が5mgKO
H/g以下であり、酸価と水酸基価より算出した数平均
分子量が1,000〜10,000であるトナー用ポリ
エステル樹脂。 - 【請求項2】 (a)全酸成分に対して70〜100モ
ル%のテレフタル酸成分及び/またはイソフタル酸成分
を主体とするジカルボン酸成分、(b)全酸成分に対し
て0.1〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分
及び/または3価以上の多価アルコール成分、(c)全
酸成分に対して40〜120モル%の脂肪族ジオール成
分及び(d)全酸成分に対して0〜80モル%のその他
のジオール成分を、アルコール成分の酸成分に対するモ
ル比が2.0以下となるように混合し、140℃以上の
温度でエステル化反応またはエステル交換反応を行った
後、66.7kPa(500mmHg)以下の圧力で脂
肪族ジオールを系外に留出させて重縮合を行い、反応混
合物が所定の溶融粘度となった時点で(e)単官能イソ
シアナート化合物を全酸成分に対して0.01〜10モ
ル%添加することを含むトナー用ポリエステル樹脂の製
造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のポリエステル樹脂をバ
インダーとして含有する静電荷現像用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7754299A JP2000275902A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7754299A JP2000275902A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000275902A true JP2000275902A (ja) | 2000-10-06 |
Family
ID=13636899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7754299A Pending JP2000275902A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法及びそれを用いたトナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000275902A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013702A1 (ja) * | 2002-08-01 | 2004-02-12 | Mitsui Chemicals, Inc. | トナー用バインダー樹脂およびトナー |
US8461288B2 (en) | 2009-10-22 | 2013-06-11 | Samyang Corporation | Polyester resin and toner comprising same |
JP2017107115A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | 花王株式会社 | 電子写真用トナーの製造方法 |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP7754299A patent/JP2000275902A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013702A1 (ja) * | 2002-08-01 | 2004-02-12 | Mitsui Chemicals, Inc. | トナー用バインダー樹脂およびトナー |
US7115702B2 (en) | 2002-08-01 | 2006-10-03 | Mitsui Chemicals, Inc. | Binder resin for toner and toners |
CN100458577C (zh) * | 2002-08-01 | 2009-02-04 | 三井化学株式会社 | 调色剂用粘结剂树脂和调色剂 |
US8461288B2 (en) | 2009-10-22 | 2013-06-11 | Samyang Corporation | Polyester resin and toner comprising same |
JP2017107115A (ja) * | 2015-12-11 | 2017-06-15 | 花王株式会社 | 電子写真用トナーの製造方法 |
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