JP2000275851A - 平版印刷材料 - Google Patents

平版印刷材料

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JP2000275851A
JP2000275851A JP8291399A JP8291399A JP2000275851A JP 2000275851 A JP2000275851 A JP 2000275851A JP 8291399 A JP8291399 A JP 8291399A JP 8291399 A JP8291399 A JP 8291399A JP 2000275851 A JP2000275851 A JP 2000275851A
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plate
matting agent
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Genzo Yamano
元三 山野
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷
材料に於て、版胴への張設及び調合を向上し、平版印刷
版の自動印刷機適性及び印刷面の耐キズ性に優れた平版
印刷版を提供する事を目的とする。 【解決手段】支持体上に少なくとも裏塗り層を有する平
版印刷材料に於いて、該裏塗り層が二層以上であり、最
上層に0.1〜2.5ミクロンのマット剤、下層に最上
層のマット剤より大きい1〜10ミクロンのマット剤を
含有する事を特徴とする平版印刷材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法
を応用した平版印刷材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画線部分と、インキを受理しない撥油性の非
画線部分とからなり、一般に該非画線部は水を受け付け
る親水性部分から構成されている。通常の平版印刷で
は、水とインキの両方を版面に供給し、画線部は着色性
のインキを、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを、例えば紙等の被印刷体に転写させること
によって印刷がなされている。
【0003】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層
を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,72
8,114号、同第4,134,769号、同第4,1
60,670号、同第4,336,321号、同第4,
501,811号、同第4,510,228号、同第
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像
を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一
方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤
により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散
し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の
物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
【0004】該平版印刷版には支持体としてポリエチレ
ンで被覆した紙を用いた紙版やポリエチレンテレフタレ
ート等の樹脂フイルムを用いた樹脂フィルム版がある。
特開平2−259642号及び282749号、特開平
4−114163号、特開平5−19481号等に記載
されている走査型露光用平版印刷版において、ヘリウム
・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザ
ー、発光ダイオード等のレーザー光で出力できるCTP
システム(コンピュータ ツウ プレート)により、高
い解像力をもつカラー印刷が可能になった。しかし、該
平版印刷版を菊半サイズ以上の平版印刷機の版胴に張設
及び調合する事が上記、支持体であるが為に歪み、伸
び、場合によっては版切れが発生する事もあった。一
方、A3以下の印刷機では自動印刷機適性が必要となっ
た。
【0005】自動印刷機適性とはA3以下の印刷機にお
いて自動給版、廃版が可能な印刷機が各印刷機メーカーより
販売されている。(HEIDELBERG T−OFF
SET、RYOBI 3200PCX−AUT/320
0PMX−AUTO)この印刷機において印刷版を自動
でエッチング・セットし、印刷が終われば自動でシリン
ダーから廃版される自動印刷機において自動で給廃版が
スムースに行われる必要があった。エッチングや印刷に
より版の裏面が濡れシリンダーに版がスムースに送れな
かったり、剥れなかったりした。
【0006】以上のように自動印刷機適性、印刷版の版
胴への張設及び調合は平版印刷版にとって重要なファク
ターであり、近年になってレーザー光及び発光ダイオー
ドでの出力機が開発され、直接製版するDTPが米国特
許第4501811号、特開昭59−71055、特開
昭60−75838、特開昭60−100148に開示
されているが、このような出力機で精度の高い平版印刷
版を出力しても、版胴への張設及び調合が悪いと、好ま
しいカラー印刷物、好ましい画像品質を得る事は難しか
った。高い取り扱い性が平版印刷版にも要求された。更
に現像処理でのプロセッサー内での安定した搬送性も重
要であり、蛇行したり、ジャムたり、最悪の場合詰まっ
てしまいプロセッサーを分解しなくてはならない場合が
あり、当然この時、平版印刷版の表面にキズが入り印刷
画像の欠落や非画像部の汚れとなり、満足のいく印刷物
を得ることは不可能となった。
【0007】前記、刷版と版胴の摩擦抵抗を軽減させる
方法として、特開平7−47782号公報に滑剤を用い
ることが開示されている。しかしながら本発明が対象と
する平版印刷材料に適用しても満足な効果が得られなか
った。
【0008】特開平1−271752号には該裏塗り層
に0.1ミクロンまでのコロイダルシリカを含有することが
開示されているが、カール対策には効果は見られるもの
の、版掛けには効果が見られなかった。更に特開平6−
83062においてシリカマット剤を含有させることが
知られている。しかし、これら裏塗り層では自動印刷機
適性も含め満足できるものではなく、本発明の課題は解
決できなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
印刷機適性が高く、フルカラー印刷に入っていけるCT
Pシステムのダイレクト印刷版として少部数、ショート
ランカラーに対し本発明の裏塗層により版胴への高い張
設及び調合を有し幅広い版掛けシステムに有効であり、
特に自動印刷機適性の高い平版印刷版を提供する事にあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも裏塗り層を有する銀錯塩拡散転写法
を応用した平版印刷材料に於いて、該裏塗り層が二層以
上であり、最上層に0.1〜2.5ミクロンのマット
剤、下層に最上層のマット剤より大きい1〜10ミクロ
ンのマット剤を含有する事により達成された。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする平版印刷版材
料には、従来からマット剤が用いられており、マット剤
は平版印刷版の重要な役割を果たしてきた。一般的に知
られているマット剤として、シリカ(二酸化珪素)、酸
化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、アクリル
系樹脂、ポリスチレン等のポリマー、でんぷん等がある
が、シリカ粒子が好ましく用いられている。
【0012】本発明のマット剤として球状、平板状、不
定形粒子及び有機、無機剤の限定はなく、使用可能であ
る。マット剤の分散安定化技術として、特開平5−80
518に酸化チタンを共存させる方法及び超音波で分散
する方法等があり、マット剤のあらゆる併用が可能であ
る。
【0013】従来から一般的に用いられるマット剤は2
0〜100nmの一次粒子を1〜10ミクロン程度の二
次凝集体になったものであり、従来から平版印刷版の裏
塗り層、下塗り層、乳剤層に一般に用いられていたシリ
カマット剤である。本発明の最上層のマット剤は0.1
〜2.5ミクロンであり、一次粒子が好ましいが、二次
凝集体でも良く二次凝集体の場合でも平均粒子サイズが
2.5ミクロン以下であれば、吸油量が少なく粒子表面
の親水性を保持出来るためか、本発明の効果を発揮させ
る事が出来る。
【0014】近年、0.1〜2.5ミクロンの粒子で分
散安定性の良いマット剤が各社より入手する事が可能と
なり、これらのマット剤を裏塗り最上層に使用し、その
下層に最上層のマット剤より大きい1〜10ミクロンの
従来のマット剤を使用する事で本発明の張設及び調合、
更にマット剤の脱落のない、更に自動印刷機適性の高い
平版印刷版を得る事が可能となった。裏塗り下層で大き
なマット性を確保し、最上層で小さなマット性を確保す
ることで、大きなマット剤の脱落を防止し、大きなマッ
ト剤の上に乗った小さなマット剤により、印刷機の版胴
への高い張設及び調合、更に自動印刷機適性が得られ
た。単一層での異なる粒径のマット剤を併用しても本発
明の効果をえることはできなかった。
【0015】最上層及びその下層に含むマット剤の量は
使用されるバインダーに対し5〜60重量%であり、よ
り好ましくは最上層で10〜50重量%、その下層で1
0〜30重量%であり、裏塗りが3層以上の場合は下層
または中間層にマット剤を含まない層が存在しても良
い。裏塗り層のトータルバインダー量はカール性の関連
でハロゲン化銀乳剤層側のバインダー量の30〜100
重量%が好ましく、より好ましくは40〜80重量%が
好ましい。裏塗り最上層のバインダーは裏塗りトータル
バインダー量の10〜70重量%が好ましく、より好ま
しくは20〜60重量%が好ましい。
【0016】上記0.1〜2.5ミクロンのマット剤と
して、日産化学、シオノギ製薬、富士シリシア株
式会社等より入手する事が可能であり、以下に示す商品
名として入手することができる。 MP−1040:平均粒径0.1ミクロン粒度分布のシャーフ゜な単分散シリカゾル MP−2040:平均粒径0.18ミクロン 上記に同じ MP−3040:平均粒径0.34ミクロン 上記に同じ MP−4540:平均粒径0.45ミクロン 上記に同じ ST−CZL:*平均粒径0.13ミクロン粒度分布の広い単分散シリカゾル FSP101:○平均粒径1.2ミクロン 吸油量の少ない二次凝集シリカ SY310 :○平均粒径1.4ミクロン 比較的吸油量の少ないシリカ (粒子サイズの測定方法は、*:BET法、○:コールターカウンター法、その 他は遠心沈降法である。)平均粒径サイズは測定方法により異なるが、コールタ ーカウンター法は遠心沈降法の約半分のサイズと見積もれる。
【0017】上記のマット剤の単分散シリカゾルは湿式
法により、EgonMatijevie 「サーフェス アンド コロ
イドサイエンス」の第6巻、3〜100項(1973)
に詳細に述べられており、主に珪酸ソーダを出発原料と
して酸による中和等で製造されたものであり、NaO
H、アンモニア等のアルカリで安定化されている。更
に、アルミン酸ナトリウムで表面処理したサンプルも入
手可能である。近年、単分散性のよい0.1〜0.45
ミクロンのマット剤が入手可能となった。
【0018】本発明の最上層と下層のマット剤の粒子サ
イズ比は使用されるバインダー量に影響を受けるが(最
上層/下層)1/2〜1/50が好ましく、より好まし
くは1/3〜1/20である。平均粒子サイズの測定方
法は同一としての比である。
【0019】本発明のマット剤は無定形シリカマット剤
が主流であるが、他のマット剤(球状、無定形、平板状
マット剤、有機マット剤等)と併用する事もできる。併
用するマット剤として特に限定するものではない。下層
に最上層と同じ種類またはサイズのマット剤が大きいマ
ット剤と併用されていても良い。逆に最上層に下層の大
きいマット剤を併用しても良いが使用量とともに本発明
の効果は減少する。
【0020】本発明の裏塗り層構成はあらゆる面、あら
ゆる状況においても接触面との滑り性が良く平版印刷版
材料が遭遇する製版される場合の真空密着性、搬送性が
改善され耐キズ性において優位となった。更に下層に導
電性カーボンを使用し樹脂フイルムの帯電防止効果を付
与させ本発明の裏塗り層構成マット剤との相乗効果も期
待出来る。最下層の導電性カーボンは樹脂フイルム端面
からの光の入り込みを防止させる効果もあり、明室での
取り扱いが可能となった。
【0021】本発明のマット剤構成で裏塗り下層のマッ
ト剤のサイズの選択と量で裏塗り層の中心線平均粗さR
a値は決まるがRa値は0.05〜1.0が好ましく、
より好ましくは0.1〜0.6の範囲である。
【0022】該平版印刷版の中心線平均粗さは、表面粗
さ形状測定装置、例えば、東京精密社サーフコム500
Bを用いることにより測定する事ができる。粗さ曲線か
らその中心線の方向に測定長さlの部分を抜取り、この
抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、
粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、中心線平均粗さ
Ra値は、マイクロメートル単位で表し、数1の式によ
って計算する事ができる。
【0023】
【数1】
【0024】本発明の対象たる平版印刷版はゼラチンを
含有しており、その含有量は下塗り層であり、乳剤層で
あり、また物理現像核層でもありうる。これらのゼラチ
ン含有量は、ゼラチン硬膜剤で硬化することができる。
ゼラチン硬膜剤としては、例えばクロム明ばんのような
無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデ
ヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素
やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル
酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様な
アルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S
−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ
−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、
ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N−トリ
アクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であ
るエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有
する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉
等の種々の化合物の一種もしくは二種以上をもちいるこ
とができる。
【0025】硬膜剤はすべての層に添加することも出
来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。
勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一
層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製
造時に添加したり、塗布時にインラインで添加すること
もできる。
【0026】本発明のゼラチン含有層におけるゼラチン
は、その一部を、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリ
ン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエ
チルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共
重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換する
ことも出来る。さらにビニル重合体水性分散物(ラテッ
クス)をゼラチン層に添加することも出来る。
【0027】下塗り層の高分子結合剤は、一般に0.5
〜10g/m2より好ましくは1〜6g/m2である。下塗
り層にはハレーション防止の目的でカーボンブラック等
の顔料、染料等を含み得るし、また耐刷力向上のために
平均粒径0.1〜10ミクロンの固形粉末(例えばシリ
カ粒子)を含み得る。さらに現像主薬等の写真用添加物
も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48−55
03号、同昭48−100203号、同昭49−165
07号公報に記載のようなものであってもよい。
【0028】ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、
臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものか
らなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム
塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩
等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化
銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀
の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒
子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロ
ゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、
その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ま
しい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム
塩を含む、塩化銀が70モル%以上の単分散もしくは多
分散結晶がある。
【0029】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時
又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来
る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素に
よって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によ
って、又はこれらの両者の併用など当該技術分野におい
て良く知られた方法で化学的に増感することが好まし
い。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシア
ニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増
感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域
に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増
感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザ
ー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし
得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
【0030】乳剤層の上部に存在する表面層には物理現
像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビス
マス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、こ
れらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれ
らの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には、親
水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラ
チン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニ
ルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニ
ルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含
むことが出来、その含有量は0.5g/m2以下である
ことが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬
や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の
硬膜剤を含んでいてもよい。
【0031】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、裏塗り
層、物理現像核層等の各塗布層には、塗布助剤として、
非イオン性、陰イオン性、陽イオン性もしくは両性界面
活性剤のいくつかを含んでいてもよいし、カブリ防止
剤、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を含むことが出来
る。
【0032】本発明の平版印刷版の支持体としては、
紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニ
ウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば
使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以
上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両
面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗
布層との接着を良くする為に表面処理することも可能で
ある。
【0033】特に好ましく用いられる支持体は、両面も
しくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリ
エステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステル
フィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。
これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表
面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支
持体は裏面露光が可能なように光透過性であっても良
い。
【0034】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤とし
ての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香
酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、
例えば臭化カリウム、特開昭47−26201号公報に
記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カ
テコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変
性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化
合物等を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米
国特許第3,776,728号に記載の如き表面銀層の
インキ乗りを良くする化合物等を使用することが出来
る。
【0035】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層
は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ない
しは受容性を増強せしめ得る。このような処理液として
は、例えば特公昭48−29723号、米国特許第3,
721,559号等に記載されている。印刷方法、ある
いは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られ
た方法によることが出来る。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが勿論
本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0037】実施例1 175ミクロンの下引き済みポリエチレンテレフタレー
トフィルムの片面の裏塗り下層にシリカ粒子を主体とす
るマット化層をゼラチンが2g/m2、最上層はゼラチン
が1g/m2となるよう塗布し、反対側の面をコロナ放電
加工後、カーボンブラック、及び平均粒径3.5ミクロ
ンのシリカ粉末(富士サイシリア製SY445、コール
ターカウンター法)0.9g/m2含む下塗り層(ゼラチ
ン3.5g/m2)と、その上に1−フェニル−3−ピラ
ゾリドン0.1g/m2を有する長波長増感(600nm
〜700nm)された高感度塩化銀乳剤(ゼラチン0.
8g/m2含む)を硝酸銀として1.0g/m2になるよう
に、二層同時塗布を行った。
【0038】硬膜剤としては、2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを裏塗り下層に
40mg/m2、最上層に20mg/m2、下塗り層に17
0mg/m2含有し、乳剤層にはN−メチロールエチレン
尿素を80mg/m2含有させた。乾燥後、50℃2日加
温し、特開昭53−21602の実施例2に記載の核塗
布液(ポリマーとしてはNo.3のアクリルアミドとイミダ
ゾールとの共重合体を含み現像主薬としてハイドロキノ
ンを0.6g/m2の割合で含む)に特開平4−2777
47のプルランを4mg/m2を加え塗布、乾燥し本発明
の比較例1〜5、本発明1〜6の平版印刷版を作成し
た。
【0039】本発明の実施例となる平版印刷版は上記平
版印刷版に於いて従来の裏塗りマット剤構成である比較
1〜5に対し、本発明のマット剤構成のマット剤を下層
及び最上層に含む本発明の平版印刷版1〜6を作成し、
その構成を表1にまとめた。
【0040】これら11種の平版印刷版を製造後、三菱
製紙製のSDP−2600でPS版と同様の30ミクロンの
細線で10mm方眼のレーザー露光し、プロセッサーは
同メーカーのドッキングプロセッサーを使用し、下記の
銀錯塩拡散転写現像液により30℃で20秒間現像処理
を行った。
【0041】<銀塩拡散転写現像液> 水 700ml 水酸化ナトリウム 24g 水酸化カリウム 8g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−メルカプト安息香酸 1g 2−メチルアミノエタノール 10g 5-フェニル-2-メルカフ゜ト-1,3,4-オキサシ゛アソ゛ール 0.1g 水を加えて1リットルとする。 直ちに下記組成を有する中和液で25℃20秒間処理
し、絞りローラーで余分の液を除去し、更に水洗層を常
温で20秒間水洗し、ドライヤー部分で乾燥した。
【0042】<安定化液> 水 600ml リン酸 10g 第1リン酸ナトリウム 35g 無水亜硫酸ナトリウム 2.5g エチレングリコール 5ml 5-フェニル-2-メルカフ゜ト-1,3,4オキサシ゛アソ゛ール 0.1g 水を加えて1リットルとする。
【0043】 <不感脂化液> 水 600ml イソプロピルアルコール 400ml エチレングリコール 50g 3-メルカフ゜ト-4-アセトアミト゛-5-n-ヘフ゜チル-1,2,4-トリアソ゛ール 1g
【0044】<給湿液> o−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g 水を加えて2リットルとする。
【0045】上記、出力機及びプロセッサーにより、製
版した表1の平版印刷版を小森リスロンの連続給水タイフ゜
4色機の版胴に張設及び調合しその性能を比較した。1
胴目と4胴目は比較として240ミクロンのPS版を、2胴
目はクランプピンタイプで50ミクロンのゲージフィルムを
版裏面と版胴(版胴とゲージフィルムの間はスプレーボ
ンド使用、終始同じものを使用)の間に入れ厚さ調整し
版尻はフリーで印刷を行っい、3胴目は2胴目と同様に
50ミクロンのゲージフィルムを入れPS版同様に万力で調
整した。万力で調整する場合加わる力が一定になるよう
調整締め具を使用した。
【0046】インキは大日本インキのトランス−G−N
のY,M,C,Bをそれぞれ使用し給湿液はPS版用の
EU−3を使用し、印刷用紙は三菱製紙パールコートA
を使用し、印刷を開始し、まず1、4胴目のPS版の方
眼の4角を0.02mm以内に調整し、試し刷り100
目までに2、3胴目の頭部左右端と天地方向の見当合わ
せを行った後印刷を開始し500枚目と5000枚目の
4角の見当ズレの平均をだし500枚目で版掛け時の歪
みを評価し、5000枚目で版の伸び及び版胴への張設
及び調合の程度を評価した。
【0047】更に、裏塗りによる版面へのキズの入り方
を見る為に画像部を下向けにして5版ずつ重ねて上から
5Kg/m2のおもりを乗せ下から2版目を引き抜いた時
のキズの入り方(手動)とプロセッサーで入ったキズ
(処理)を以下の評価基準で評価した。 ◎:全くキズが入らない。 ○:キズは見られるが少ない。 △:多くのキズが見られる。 ×:はっきりしたキズが見られる。 キズの入り方を表2に示す。
【0048】自動印刷機適性はHEIDELBERG
T−OFFSETを使用し、100印刷自動で50版、
自動給版、排版を行い、そのトラブルの数で以下のよう
に評価した。 ◎:全て問題なく印刷 ○:1版の給排版不良 △:2〜4版の給排版不良 ×:5版以上の給排版不良 以上のように評価した結果を表2にまとめた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】上記の結果から、本発明の裏塗層のマット剤
及びマット剤構成にする事により、平版印刷版の版胴への
張設及び調合に優れ、自動印刷機適性及び耐キズ性に優
れる事が確認された。
【0052】実施例2 実施例1で使用した175ミクロンの厚さのポリエステ
ルベースの代わりに100ミクロンのポリエステルベースを
使用し、裏塗り層には実施例1と同じマット剤を含む平
版印刷版であること以外は実施例1と5000枚目の版
伸びは20%ほど大きく、自動印刷機適性が劣るものの
ほぼ表2と同じ結果を得た。
【0053】ポリエステルベースの厚さにほとんど左右
されず本発明のマット剤構成により、版胴への張設及び
調合に優れ、自動印刷機適性及び耐キズ性に優れる事が
確認された。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を応
用した平版印刷版の版胴への張設及び調合に優れ、自動
印刷機適性及び耐キズ性の優れた平版印刷版を提供する
事ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも裏塗り層を有する
    平版印刷材料に於いて、該裏塗り層が二層以上であり、
    最上層に0.1〜2.5ミクロンのマット剤、下層に最
    上層のマット剤より大きい1〜10ミクロンのマット剤
    を含有する事を特徴とする平版印刷材料。
  2. 【請求項2】 請求項1の平版印刷材料に於て、該裏塗
    り層の表面粗さRaが0.1〜1.0の範囲である事を
    特徴とする請求項1の平版印刷材料。
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