JP2000275709A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

レンズ付きフイルムユニット

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JP2000275709A
JP2000275709A JP8041999A JP8041999A JP2000275709A JP 2000275709 A JP2000275709 A JP 2000275709A JP 8041999 A JP8041999 A JP 8041999A JP 8041999 A JP8041999 A JP 8041999A JP 2000275709 A JP2000275709 A JP 2000275709A
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JP
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film
lens
strobe
color
light
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JP8041999A
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English (en)
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Mitsuhiro Uchida
充洋 内田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内や夜間で撮影に適したレンズ付きフイル
ムユニットを提供する。 【解決手段】 レンズ付きフイルムユニットは、「−6
≦2log2 (A)+log2 (1/T)−log
2 (0.3・S)≦4」の条件を満たすように絞り板4
1による絞り値A,シャッタ装置のシャッタ速度T,写
真フイルム26bのISO感度Sが決められている。ま
た、ストロボ装置23は、そのガイドナンバーが1〜8
となるように決められ、撮影画面の上下方向の画角を2
θとしたきに、撮影画面の上下方向の角度1.5θにお
けるストロボ光量が、撮影画面の中心のストロボ光量に
対して60%以上となるように配光特性が調節されてい
る。室内等の暗い場所で撮影を行ったときに、主要被写
体を及び背景が適切に描写されたプリント写真を作成で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ付きフイル
ムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】撮影レンズ,シャッタ装置,フイルム巻
上げ装置等の簡単な撮影機構を内蔵したユニット本体に
未露光の写真フイルムが製造時に装填されたレンズ付き
フイルムユニットが各種販売されている。また、レンズ
付きフイルムユニットには、ストロボ装置を組み込んで
夜間や室内等の暗い場所での撮影を可能にしたストロボ
内蔵型のものもある。
【0003】ストロボ内蔵型のレンズ付きフイルムユニ
ットは、シャッタ速度,絞り値,フイルム感度の組み合
わせが昼間時の明るさに対応するように設定され、室内
等の暗い場所での撮影時には、例えば1〜4m程度の撮
影距離にある主要被写体に対して適正となるストロボ撮
影が行われるように設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスト
ロボ内蔵型のレンズ付きフイルムユニットを用いて室内
あるいは夜間屋外でストロボ撮影を行うと、人物等の主
要被写体は露光オーバになるのに対し、背景はかなり露
光アンダーになって満足のゆくプリント写真が得られな
いことが多い。これは、シャッタ速度,絞り値,フイル
ム感度の組み合わせが昼光時の撮影を基準に決められ、
そしてストロボ光量が1〜3m程度の撮影距離にある主
要被写体を基準にして決められているためである。
【0005】また、ストロボ撮影は室内で行われること
が確率的に非常に高いが、室内でストロボ撮影を行うと
蛍光灯の照明光が撮影画面内に混在することが多くな
る。ところが、蛍光灯による照明光の色温度がストロボ
光の色温度と異なっているため、ストロボ光の色温度を
基準にしてプリントを行うと、蛍光灯で照明された部分
に緑色の発色が重畳されてしまい、逆に、蛍光灯の色温
度を基準にしてプリントを行うと、人物の肌色が不適切
な色になってしまうという色再現性の点でも難点があっ
た。
【0006】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、室内や暗い屋外で撮影を行った際に、ストロ
ボの使用の有無にかかわらず、主要被写体だけでなく背
景について満足し得る露光レベルで撮影することができ
るようにしたレンズ付きフイルムユニットを提供するこ
とを目的とし、また該レンズ付きフイルムユニットで撮
影したネガからプリント写真を得るときに、階調及び色
再現性に優れたプリント写真作成方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、次
の項目1〜5に挙げた課題を達成することによって解決
することができる。 1:背景がある程度の露光レベルをもって写真フイルム
に露光されること 2:主要被写体が適切な露光レベルで露光されること 3:被写界深度不足によるボケ及び手ブレが問題のない
レベルであること 4:主要被写体が人物の場合にプリント写真上で肌色が
適切に表現されること 5:露光アンダーによる撮影の失敗が少ないこと
【0008】このため、本発明のレンズ付きフイルムユ
ニットは、各項目に対応する以下の条件式,条件等を満
たすようにする。なお、項目5を達成するには、レンズ
付きフイルムユニット,プリント作成段階のいずれか一
方、または両方において、これを達成するための手法を
とることができる。
【0009】まず、項目1を達成するにあたり、本発明
者らがレンズ付きフイルムユニットを利用する一般ユー
ザの撮影環境を調査した結果、室内,夜間における背景
の照度は75ルクス以上の場合が大半であることが分か
った。そして、このような撮影環境のもとで実際にレン
ズ付きフイルムユニットを用いて撮影したときに、レン
ズ付きフイルムユニットのシステム感度がどの程度であ
れば満足のゆくプリント写真が得られるかを確認するた
めに、システム感度が異なる6種類のサンプルを用意し
代表的な室内シーンについて各々20枚ずつ撮影を行っ
た。
【0010】システム感度とは、ISO感度Sの写真フ
イルムを内蔵したレンズ付きフイルムユニットで、シャ
ッタ速度T(sec)、絞り値Aのもとで撮影したとき
に、写真フイルムに最適な露光量を与えることができる
値を表し次式で定義される。 2log2(A)+log2(1/T)−log2(0.3 ・S)
【0011】6種類のサンプルについては、システム感
度の変更をシャッタ速度Tを変えることで対応し、IS
O感度S及び絞り値Aはそれぞれ「800」,「F5.
6」で一定である。撮影後、標準的なプロセスでフイル
ム現像及びプリント処理を行い、プリント写真上で主要
被写体及び背景の描写が適切に表現されているかどうか
を評価したところ、次の表1に示す結果が得られた。
【0012】
【表1】
【0013】この評価の結果から、システム感度が「−
6」から「4」までの範囲であれば、主要被写体及び背
景を適切に撮影することが可能であることが分かった。
また、「1」から「3」までの範囲であればほぼ全シー
ンにおいて適切な撮影が可能であることが分かる。
【0014】したがって、次の条件式を満たすよう
に、またより好ましくは条件式を満たすようにして、
レンズ付きフイルムユニットの絞り値A、シャッタ装置
のシャッタ速度T(sec),写真フイルムのISO感
度Sを組み合わせることで項目1を達成することが可能
である。 −6≦2log2(A)+log2(T)−log2(0.3 ・S)≦4・・・ 1≦2log2(A)+log2(1/T)−log2(0.3 ・S)≦3・・・
【0015】なお、絞り値A,シャッタ速度T等の調節
により、露光量を手動あるいは自動で調節する露光量調
節機構を搭載するのも望ましい。そして、この場合に
は、上記の条件式外のシステム感度となる撮影モードを
設けることが好ましい。すなわち、上記条件式は、室内
及び夜間での撮影を前提にして導き出されたものである
ため、日中の屋外等の明るい環境下では必ずしも適切な
露光条件となり得ないからであり、このような環境下で
の撮影を行うことを考慮すると露光量調節機構を設ける
ことが望ましくなる。
【0016】露光量の調節を実現するための最も簡単な
手法は、ストロボ発光の有無を選択操作する操作部材の
操作に応じて、絞り値A,シャッタ速度Tのいずれか一
方または両方の値が切り換わるようにすることである。
そして、ストロボ発光時には、上記条件式を満たすよう
にし、ストロボ発光を行わないときには絞り値Aを大き
くするようにして絞りを閉じ、シャッタ速度を高速にす
る。
【0017】上記項目2については、ストロボ撮影がで
きるようにレンズ付きフイルムユニットがストロボ装置
を備えていることが望ましい。また、ストロボ装置を備
えた場合に、ストロボ光量、すなわちガイドナンバーが
適切な大きさになっている必要がある。さらに、ストロ
ボ装置の配光特性も重要である。発明者らの鋭意検討の
結果、図12に示すように、撮影画面80の撮影画面の
上下方向の画角を2θとしたきに、撮影画面80の上下
方向の角度1.5θにおけるストロボ光量が、撮影画面
80の中心のストロボ光量に対して60%以上の光量を
有するようにして、ストロボ装置の照射角を広げれば、
好ましい写真の撮影が可能であることがわかった。すな
わち、図12において、符号Aで示される撮影画面の中
心のストロボ光量を100%としたときに、符号Bで示
される位置でのストロボ光量が60%以上とすることで
ある。さらに好ましくは、80%以上のストロボ光量と
することである。
【0018】従来は、ストロボ装置の照射角(50%の
光量となる角度)は、撮影画角を基準に考えられてい
た。すなわち、撮影画角(撮影画面の対角線に張る角
度)、におけるストロボ光量が50%以上有すれば、問
題のない撮影が可能であると思われていた。しかしなが
ら、本発明のように、背景を写し込めるようなシステム
感度に設定した場合、従来の配光特性では予期せぬ背景
光源の影響を受けることがあった。すなわち、ストロボ
光の色と背景光源の色とが異なるために、好ましくない
色再現のプリントとなる場合が発生した。発明者らの検
討の結果、ストロボ装置の上下方向の照射角を広げるこ
とにより、ストロボ光の一部を天井や床面でバウンスさ
せて、このバウンスライトを背景に与えることができる
ようになって、背景光源によりもたらされる好ましくな
い色再現を低減できることがわかった。また、このよう
にストロボ装置の照射角を広げる方法の一つとして、ス
トロボ装置の前面の拡散板を配置することが好ましいこ
とも見いだした。
【0019】ガイドナンバーに関しては、どの程度の距
離(撮影距離)までの被写体に対してストロボ光で適切
な露光を得るようにするか、また絞り値A,写真フイル
ムのISO感度S等によっても変わるが、上記項目1の
条件式、あるいはを満たすようにしたときに、ガイ
ドナンバーがどの程度であれば満足のゆくプリント写真
が得られるかを確認するために、ストロボ発光しないサ
ンプルを含めてガイドナンバーG(ISO100・m)
が異なる5種類のサンプルを用意し、代表的な室内シー
ンについて各々20枚ずつ撮影を行った。
【0020】各サンプルについては、ガイドナンバーG
が異なるだけであり、ISO感度S,絞り値A及びシャ
ッタ速度Tは,それぞれ「800」,「F5.6」,
「1/30(sec)」で一定とされ、項目1に対応す
る条件式を満たすようにしてある。撮影後、標準的なプ
ロセスでフイルム現像及びプリント処理を行い、プリン
ト写真上でストロボ光を光源とする主要被写体が適切に
表現されているか、主要被写体と背景の濃度比が適切と
なっているかの2点を同時に評価したところ、次の表2
に示す結果が得られた。
【0021】
【表2】
【0022】この評価結果に基づいて、レンズ付きフイ
ルムユニットは、ストロボ装置のガイドナンバーG(I
SO100・m)を、「1」から「8」までの範囲とす
る必要性が見い出され、「1」から「6」までの範囲が
好ましく、さらには、「3」から「5」までの範囲とす
れば、ほぼ全シーンにおいて満足のいくプリント写真を
得ることができるようになりより好ましいことが分かっ
た。そして、このようにすることで、主要被写体に対し
て適切な露光が得られ、かつプリント写真上で主要被写
体と背景の濃度比が適切となる確率を高くすることがで
きることができる。
【0023】したがって、ガイドナンバーをG(ISO
100 ・m)としたときに、次の条件式を満たすよう
に、また好ましくは条件式を、より好ましくは条件式
を満たす光量で、レンズ付きフイルムユニットのスト
ロボ装置がストロボ発光を行うようにすれば項目2を達
成することができる。 1≦G≦8・・・ 1≦G≦6・・・ 3≦G≦5・・・
【0024】また、項目2の目的を達成するにあたり、
ガイドナンバーG(ISO100・m)とシャッタ速度
T(sec)を調節することで、「log2(G2 )+log2
(1/T)」の値が異なる各種レンズ付きフイルムユニ
ットを作成し、各々のレンズ付きフイルムユニットで、
代表的な室内シーンについて各々20枚ずつ撮影を行っ
た。そして、上記同様にして、評価を行ったところ次の
表3の結果が得られた。なお、各レンズ付きフイルムユ
ニットのISO感度S及び絞り値Aはそれぞれ「80
0」,「F5.6」で一定である。
【0025】
【表3】
【0026】この評価結果より、ストロボ装置のガイド
ナンバーG(ISO100 ・m)と、シャッタ速度Tとの
関係が次の条件式を、より好ましくは条件式を満た
すようにすることがよいことが分かった。そして、この
ような条件式を満たすようにすることによっても、項目
2を達成することができ、どのような環境下において
も、主要被写体に適切な露光が行われるようにしなが
ら、プリント写真上で背景を適切な濃度範囲に再現する
ことができるようになる。 7.0≦log2(G2 )+log2(1/T)≦12.0・・・ 8.0≦log2(G2 )+log2(1/T)≦10.0・・・
【0027】なお、上記条件式,は、項目1に対応
する条件式を満たしているか否かににかかわらず利用で
きる。また、露光量調節機構で絞り値Aを大きくして日
中屋外の撮影も行えるようにした場合には、これに応じ
てガイドナンバーを大きくできるようにするのが望まし
い。このようにすれば、日中の屋外において逆光で撮影
する際の日中シンクロ撮影を行った場合にも良好なプリ
ント写真を作成できるようになる。
【0028】項目3の被写界深度不足によるボケについ
ては、絞り値Aに依存し、絞り値Aが大きくなるほど被
写界深度を大きくとれ、広範囲な撮影距離で良好なピン
トを得ることができる。また、手ブレについては、シャ
ッタ速度Tを速く(短く)することにより軽減できる。
これらを実現するためには、項目1の条件式の下では、
レンズ付きフイルムユニットの写真フイルムとして高感
度のものを用いて「log2(0.3 ・S)」の値を大きくす
ることにより、大きな絞り値A,速いシャッタ速度Tを
選択できるようにする。具体的な条件は、写真フイルム
のISO感度を640以上、より好ましくは1000以
上とするのがよい。
【0029】項目4については、主要被写体の人物の肌
色をプリント写真上で適切な色に表現するのを妨げる最
も大きな要因が、写真フイルムに対するストロボ装置と
室内等の照明に用いられる蛍光灯との間の光源色(色温
度)の違いであることを見い出した。すなわち、視覚的
には蛍光灯が白色光を出力し、これで照明されている背
景はその物体色で観察されるが、人間の目と写真フイル
ムとの分光感度が異なり、また蛍光灯の種類によって多
少は異なるが、写真フイルム上では蛍光灯の光は緑色の
感光層により強く感光する傾向があり、一方ではストロ
ボ光はほぼニュートラルに感光するため、ストロボ光に
よる照明効果がない物体等の背景がプリント写真上の色
で緑色の色味を持つようになることに起因していること
が分かった。
【0030】そして、このように背景の色味が緑色とな
ると、プリンタプロセッサで自動色補正を行ってプリン
ト写真を作成する際に、この背景の色味の影響を受けて
プリンタプロセッサが全体に緑色の補色であるマゼンタ
の色味を強くして緑色を打ち消すように補正する。する
と、ストロボ光で照明された人物画像に対してもマゼン
タがの色味が強くされて、肌色の再現としては最も好ま
しくない、人物の顔の肌色が飲酒して酔ったような赤ら
んだものとなる。
【0031】もちろん、色補正を手動で行って、背景の
色味の影響を受けないようにしてプリント写真を作成す
れば、人物の肌色を適切に再現できるが、蛍光灯を光源
とする背景は色味が緑色のままである。そして、この緑
色は、「Ugly green」とも称され、見苦し
く、不快感を与えるものであってプリント写真の品質を
低下させる原因ともなっていた。
【0032】上記の点を考慮して本発明者らが鋭意検討
した結果、下記の手法で求めた蛍光灯の光源色に対応す
るCIE 1976 L* * * 空間(以下、CIE
LABと略記する)におけるクロマティックネス指数a
* ,b* が下記の条件(1)を満たすようにレンズ付き
フイルムユニットを構成すれば、肌色をプリント写真上
で適切な色に再現可能であることが分かった。また、条
件(2)を満たすようにしてもよいことが分かった。
【0033】条件(1) 「0≦√((a* 2 +(b* 2 )≦5.0」 条件(2) 「0≦√((a* 2 +(b* 2 )≦15.0 かつ、0°≦Y≦100.0°」 または 「0≦√((a* 2 +(b* 2 )≦15.0 かつ、210°≦Y≦360.0°」 ただし、 a* =0かつb* =0のときにY=0° a* ≠0かつb* ≠0のときには、Y=tan -1(b*
* )とし、 a* ≧0,b* ≧0のときに0°≦tan -1(b*
* )≦90° a* ≦0,b* ≧0のときに90°≦tan -1(b* /a
* )≦180° a* ≦0,b* ≦0のときに180°≦tan -1(b*
* )≦270° a* ≧0,b* ≧0のときに270°≦tan -1(b*
* )≦360° とする。
【0034】上記条件(1)及び条件(2)中のクロマ
ティックネス指数a* ,b* は、次の(a)〜(e)の
手順によって求めたものを適用する。 (a):ストロボ装置を光源として、反射率18%のグ
レー反射板(以下、標準反射板という)を写真フイルム
に適正露光する (b):JIS Z 8719で規定されているF6型
の蛍光灯を光源として標準反射板を写真フイルムに適正
露光する (c):(a)で得られた写真フイルムを用いてカラー
印画紙にカラープリントを行い、これで作成されたプリ
ント写真上において標準反射板の色味を測定したときに
得られるCIELABにおけるクロマティックネス指数
* ,b* が「a* =0,b* =0」となるプリント条
件を求める (d):(c)で求めたプリント条件下で、(b)で得
られた写真フイルムを用いてカラー印画紙にカラープリ
ントを行い、プリント写真を作成する (e):(d)で作成したプリント写真上において、標
準反射板の色味を測定し、この測定で上記条件式中に用
いるCIELABにおけるクロマティックネス指数
* ,b* を得る ただし、手順(c),(d)で色味を測定する際には、
標準の光D65を照明光として用いる。
【0035】上記のようにして、クロマティックネス指
数a* ,b* を求めた場合には、これはストロボ装置を
光源として撮影された標準反射板の色味を原点としたと
きの、蛍光灯を光源として撮影された標準反射板の色味
をCIELABにおける座標として表したものになる。
【0036】したがって、「√((a* 2 +(b*
2 )」は、ストロボ装置の光源を光源として撮影された
標準反射板に対する蛍光灯を光源として撮影された標準
反射板の色味の差、すなわち、写真フイルム上でのスト
ロボ装置の光源色と蛍光灯の光源色の色味の差を表して
いる。また、「tan-1(b* /a* )」(Y)は、ス
トロボ装置を光源として撮影された標準反射板に対する
蛍光灯を光源として撮影された標準反射板の色味の差の
方向、すなわち写真フイルム上でのストロボ装置の光源
色に対する蛍光灯の光源色の色味の違いの方向が表され
る。
【0037】条件(1)は、写真フイルムに対するスト
ロボ装置の光源色と蛍光灯の光源色とを近づけるように
規定したしたものである。これによれば、写真フイルム
上において、ストロボ装置の光源色と蛍光灯の光源色と
が近くなるので、ストロボ装置を光源とする人物の肌色
と、蛍光灯を光源とする背景とが近い色味を帯びるよう
になる。したがって、プリント写真を作成する際に、背
景の色味を打ち消すように色補正されたとしても、この
色補正による人物の肌色への影響がかなり小さくなり、
肌色をプリント写真上で適切に再現することが可能とな
る。
【0038】また、条件(2)は、写真フイルム対する
ストロボ装置の光源色と蛍光灯の光源色とに差がある場
合に、その差が一定の範囲内であり、その色味の違いが
特定の色味方向への違いあればよいことを規定してい
る。これによっても、肌色をプリント写真上で適切にプ
リントすることが可能である。特定の色味方向について
は、ストロボ装置の光原色を色味を帯びていないグレー
(「a* =0,b* =0」)としてプリントされるよう
にしたときに、蛍光灯の光源色がおおよそ赤色から黄色
までの範囲と、青色から赤紫の範囲となるように規定し
ており、見苦しく、不快感を与える緑色の色味がかから
ないようにしている。
【0039】これらの条件(1)または(2)を満たす
ためには、レンズ付きフイルムユニットに内蔵するスト
ロボ装置によるストロボ光の分光エネルギー,装填され
る写真フイルムの分光感度を調節することで行うことが
できる。ストロボ光の分光エネルギーの調節は、ストロ
ボ装置のストロボ放電管を保護したり、ストロボ光を拡
散させるプロテクタ等に染料フイルタを設けたり、プロ
テクタを着色することにより行うことができる。また、
写真フイルムの分光感度の調節は、青,緑、赤の各感光
乳剤層の分光感度を調節する他、本出願人により特願平
10−111196号で提案され、青,緑、赤の各感光
乳剤層の他に新たな感光乳剤層を写真フイルムに設ける
ことによる重層効果の調節で達成することができる。
【0040】項目5については、写真フイルム上での被
写体の露光量が少ないと、プリント写真にプリントする
写真フイルムの濃度域が低濃度域、すなわち特性曲線の
足部に入り込んでしまう。そして、足部では、露光量に
対する濃度が圧縮されているため、プリント写真上で階
調再現されない。すなわち、露光アンダーによる撮影の
失敗が発生する。
【0041】したがって、露光アンダーによる撮影の失
敗を少なくするには、濃度(階調)を正しく再現可能な
特性曲線の直線部を十分に長く、すなわちラチチュード
を十分に広くすればよい。このためには、例えば軟調と
なるようにして写真フイルム自体のラチチュードを広く
する他に、プリンタプロセッサでプリント写真を作成す
る際にデジタル画像処理を行い、写真フイルムの特性曲
線の直線部が低濃度域に延長されるようにして、特性曲
線の足部に対応する写真フイルムから読み取った画像の
階調を修正することによる、実質的に写真フイルムのラ
チチュードを広くする手法をとることができる。
【0042】レンズ付きフイルムユニットとして、露光
アンダーによる撮影の失敗を少なくするためには、上記
のようにラチチュードを長くした写真フイルムを用いる
か、レンズ付きフイルムユニットに露光量調節機構を内
蔵させる必要がある。そして、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットにおいても、ラチチュードを広くした写真
フイルムを用いて、露光アンダーによる撮影の失敗を少
なくするのが望ましい。レンズ付きフイルムユニットに
露光量調節機構を持たせるには、例えば実開平01−1
30118号公報記載のように、ストロボスイッチと絞
り切換えを連動させるようにすればよく、またストロボ
スイッチと連動あるいは独立したスイッチ等でシャッタ
スピードを切り換えられるようにしてもよい。
【0043】なお、写真フイルム自体のラチチュードを
広くしたり、プリント時にデジタル画像処理を行って実
質的な写真フイルムのラチチュードを広くする手法は、
露光アンダーによる撮影の失敗を少なくための他に、露
光オーバーによる撮影の失敗を少なくするのにも有用で
ある。
【0044】
【発明の実施の形態】図2に本発明を実施したレンズ付
きフイルムユニットの外観を示す。このレンズ付きフイ
ルムユニットは、ユニット本体2と、このユニット本体
2を部分的に覆うラベル3とから構成されており、ユニ
ット本体2には各種の撮影機構が組み込まれるととも
に、現在市販されているIX240型式の写真フイルム
カートリッジが予め装填されている。このレンズ付きフ
イルムユニットは、夜間の屋外や室内等の比較的に暗い
場所でストロボ撮影を行っても、ストロボ光で照明され
る主要被写体と、ストロボ光の効果がほとんどない背景
の描写が不自然でない美しいプリント写真を作成できる
ようにしてある。なお、以下の説明では、説明の便宜上
このレンズ付きフイルムユニットを室内用レンズ付きフ
イルムユニットと称して説明する。
【0045】ユニット本体2の前面には、撮影レンズ
4,ファインダ5の対物側窓6,ストロボ光を被写体に
向けて照射するストロボ発光部7,ストロボ用の操作レ
バー8が設けられている。また、ユニット本体2の上面
には、シャッタボタン10,残り撮影可能コマ数を表示
するカウンタ窓11,ストロボ充電の完了を表示する表
示用ライトガイド12が突出される開口13が設けられ
ている。さらに、ユニット本体2の背面には、1コマの
撮影ごとに回転操作される巻上げノブ14が露呈され、
また対物側窓6に対面する位置にファインダ5の接眼側
窓(図示省略)が設けられている。ラベル3は、その裏
面に接着剤が塗布されてユニット本体2の中央部分に貼
付されており、各部に設けた開口から撮影レンズ4,フ
ァインダ5,カウンタ窓11等を外部に露呈させてい
る。
【0046】ストロボ発光部7は、ストロボ放電管(図
示省略)や、ストロボ放電管を保護するプロテクタ7a
(図1参照),このプロテクタ7aの前面に配されてス
トロボ光の照射角を広げる拡散板7b等とから構成され
ている。この実施形態では、配光特性を決めるためにプ
ロテクタ7aがフレネルレンズとされた従来のストロボ
装置を用いているため、プロテクタ7aの前面に拡散板
7bを配置し、これらの形状等を調節することでストロ
ボ光の配光特性が所定のものとなるようにしているが、
拡散板7bの前面にプロテクタ7aを配して所定の配光
特性を得てもよく、プロテクタ7a,拡散板7bのいず
れか一方だけを設けて所定の配光特性を得るようにする
ことも可能である。
【0047】このストロボ発光部7のストロボ光の配光
特性は、図12によって説明したように、撮影画面80
の撮影画面の上下方向の画角を2θとしたきに、撮影画
面80の上下方向の角度1.5θにおけるストロボ光量
が、撮影画面80の中心のストロボ光量に対して60%
以上の光量を有するようにしてある。また、このストロ
ボ発光部7aは、プロテクタ7aあるいは拡散板7bに
染料フィルタを取り付けたり、プロテクタ7aあるいは
拡散板7b自体を着色することにより、ストロボ光が所
定の分光エネルギーとなるようにすることができる。
【0048】操作レバー8は、ストロボ装置をON/O
FFするストロボスイッチ15(図1参照)に連動して
おり、これを上方にスライドしたON位置にすると、ス
トロボスイッチ15がONとなって充電が行われるとと
もに、ストロボ発光が許容される。充電完了後に、操作
レバー8をON位置とした状態のまま、シャッタボタン
10を押圧操作して撮影を行うと、この撮影に同期して
ストロボ発光部7よりストロボ光が被写体に向けて照射
される。また、操作レバー8を下方にスライドしてOF
F位置にすると、ストロボスイッチ15がOFFとなり
充電が停止されるとともに、ストロボ発光が禁止され
る。
【0049】表示用ライトガイド12は、操作レバー8
の上下のスライドに連動してユニット本体2の上面から
突出した突出位置と、ユニット本体2内に収納された収
納位置とにスライドされる。この表示用ライトガイド1
2は、突出位置にある時には、その下端がストロボ装置
の充電完了表示用LEDに対面し、充電完了表示用LE
Dの光をユニット本体2の外部に導く。充電完了表示用
LEDは、充電が完了すると点灯する。これにより、表
示用ライトガイド12で充電完了を知ることができる。
【0050】図1にユニット本体2を分解して示す。ユ
ニット本体2は、本体基部20,露光ユニット21,ス
トロボ装置23,前カバー24,後カバー25とから構
成される。本体基部20の両端には、カートリッシ室2
0aとフイルムロール室20bとが一体に形成されてい
る。カートリッシ室20aとフイルムロール室20bに
は、製造段階でそれぞれ写真フイルムカートリッジ26
のカートリッジ26aと、このカートリッジ26aから
引き出した写真フイルム26bをロール状にしたフイル
ムロールとが装填される。本体基部20の中央部には写
真フイルム26b上の露光画面サイズを画定するアパー
チャ20cが形成されている。
【0051】カートリッジ26aの表面にはラベル27
が貼付されており、このラベル27には写真フイルム2
6bの乳剤や仕向けられる商品に応じた品種,フイルム
感度,撮影可能コマ数等のフイルム情報や、カートリッ
ジ毎に付与されたID番号等をコード化して表したコー
ド表示27a、このコード表示27aを表したバーコー
ド27b等が記されている。
【0052】IX240型式の写真フイルム26bは、
乳剤面と反対側のベース面側には透明な磁気記録層が形
成されており、この磁気記録層には各種のデータを記録
するため磁気データトラックが設定されている。写真フ
イルム26bの先端部に設けられた磁気データトラック
には、製造段階で前述のフイルム情報やID番号等が磁
気記録される。さらに、写真フイルム26bの先端部の
非撮影領域には、フイルム情報やID番号等を表した数
字やバーコードが製造段階でサイドプリントされ、現像
処理によって顕在化する。現像処理及びプリント処理の
際には、写真フイルム26bの磁気データトラックや顕
在化されたバーコード等からフイルム情報が読み取ら
れ、得られた情報に基づいた処理が行われる。
【0053】このように構成された写真フイルムカート
リッジ26は、一般に市販されたり、通常のレンズ付き
フイルムユニット等に装填されたりするが、上記の室内
用レンズ付きフイルムユニットに装填されるものについ
ては、その製造時にこの室内要レンズ付きフイルムユニ
ットに特有なフイルム情報が与えられる。また、室内用
レンズ付きフイルムユニットに装填される写真フイルム
26bは、設計時に規定されたISO感度(フイルム感
度)のものとなっている。なお、この室内用レンズ付き
フイルムユニットに装填される写真フイルム26bは、
ネガカラータイプである。
【0054】露光ユニット21は、従来のレンズ付きフ
イルムユニットと同様に、撮影レンズ4の光路を光密に
遮光する暗箱28に、撮影レンズ4,シャッタ装置等の
撮影機構や,ファインダ5を構成する対物レンズと接眼
レンズ等を組み付けてユニット化したものである。この
露光ユニット21は、本体基部20のアパーチャ20c
の前面に組み付けられる。
【0055】カートリッジ室20aの上部には、巻上げ
ノブ14が配され、その下面に一体に設けた巻上げ軸の
先端がカートリッジ26aのスプールに係合するように
なっている。これにより、巻上げノブ14を図中矢線方
向に回動操作すると、スプールの回転によって写真フイ
ルム26bの撮影済の部分がカートリッジ26a内に巻
き込まれる。
【0056】ストロボ装置23は、前述のストロボ発光
部7,ストロボスイッチ15の他,トリガスイッチ3
0,メインコンデンサ31,電源となる電池(単3乾電
池)32,充放電のための回路素子等をプリント基板3
3に組み付けてユニット化したものである。ストロボス
イッチ15は、前述のように操作レバー8の操作に連動
してON/OFFされる。メインコデンサ31は、スト
ロボスイッチ15がONとなることにより充電される。
【0057】トリガスイッチ30は、上下に並べて配さ
れた2枚の接片で構成され、シャッタ羽根が全開した瞬
間に2枚の接片が接触してONとなる。ストロボスイッ
チ15がONとされているときに、トリガスイッチ30
がONとなると、メインコデンサ31に充電された電荷
がストロボ放電管内で放電される。これにより、ストロ
ボ発光部7よりストロボ光が被写体に向けて照射され
る。
【0058】前カバー24は、その上面にシャッタボタ
ン10が一体に形成されている。また、前カバー24の
前面には、撮影レンズ4等を露呈するための開口が,ま
たストロボ発光部7の拡散板7bが嵌め込まれた開口が
設けられているとともに、操作レバー8が組み付けられ
る。この前カバー24は、露光ユニット21,ストロボ
装置23を組み付けた本体基部20の前面に組み付けら
れる。後カバー25は、写真フイルムカートリッジ26
を収納した本体基部20の背面側を光密に覆う。この後
カバー25には、その底部に底蓋25a,25bが形成
されており、これらの底蓋25a,25bによってカー
トリッジ室20aとフイルムロール室20bとの底部が
光密に閉じられる。カートリッジ室20aの底蓋25a
を開放することによりは、撮影済の写真フイルム26b
を収納したカートリッジ26aを取り出すことができ
る。
【0059】図3に露光ユニット21を示す。暗箱28
の前面とこの前面に組み付けられるシャッタカバー35
との間には、回動自在に軸支されたシャッタ羽根36が
配されている。シャッタ羽根36は、バネ37によって
シャッタ開口38を閉じた閉じ位置に付勢されている。
このシャッタ開口38は、暗箱28の前面中央、すなわ
ち撮影レンズ4の撮影光軸4a上に設けられている。
【0060】シャッタカバー35の前面中央には、開口
39が形成され、これの周囲を囲むようにしてレンズ筒
40が形成されている。このレンズ筒40には、絞りと
しての円形上の絞り開口41aが形成された絞り板41
と、撮影レンズ4とが順にはめ込まれ、これらはレンズ
筒40にレンズホルダ43が組み付けられることで保持
される。
【0061】シャッタボタン10の押圧操作によるシャ
ッタレリーズに連動して蹴飛ばしレバー44が図中右方
向に移動される。この蹴飛ばしレバー44により、シャ
ッタ羽根36の上端部36aが蹴飛ばされ、バネ37の
付勢に抗してシャッタ羽根36が時計方向に回動され
る。そして、この後、バネ37によって反時計方向にシ
ャッタ羽根36が回動される。このシャッタ羽根36の
1往復の揺動により、シャッタ開口38が開閉される。
このシャッタ開口38の開閉の間に、撮影レンズ4を透
過した撮影光は、絞り開口41a,シャッタ開口38を
通って暗箱28内に入射し、写真フイルム26bを露光
する。また、シャッタ羽根36がシャッタ開口38を全
開したときには、押圧片36bによってストロボ装置2
3のトリガ30がONとされる。
【0062】シャッタ羽根36や蹴飛ばしレバー44等
で構成されるシャッタ装置のシャッタ速度T、絞り板4
1の絞り開口41aの開口径すなわち絞り値A,ストロ
ボ発光部7より放出されるストロボ光の光量すなわちス
トロボ装置23のガイドナンバーG、写真フイルム26
bのISO感度Sは、それぞれ前述した各項目の条件式
を満たすように設計時に規定された一定値に固定されて
いるが、日中の屋外での撮影や露光アンダーによる撮影
の失敗を少なくするといった点等を考慮すると、シャッ
タ速度T,絞り値A,ガイドナンバーGの値を変更でき
るようにするのも好ましい。
【0063】図4に、写真フイルムからプリント写真を
作成するデジタル型のプリンタプロセッサ(以下、デジ
タルプリンタという)の一例を示す。このデジタルプリ
ンタは、後述する各項目に応じた条件式や条件を満たす
ようにされた上記の室内用レンズ付きフイルムユニット
で多少の露光アンダーとなるように撮影された写真フイ
ルム26bからでも、階調再現が極めてみ良好なプリン
ト写真を作成できるように、従来のデジタルプリンタの
制御プログラムを一部変更・追加したものである。
【0064】このデジタルプリンタは、大別して入力部
50と出力部51とからなる。入力部50は、写真フイ
ルム26bの磁気データトラックのデータを読み取る磁
気ヘッド52,サイドプリントされたバーコード等を光
学的に読み取るフォトセンサ53,写真フイルム26b
の各撮影コマから画像を読み取るスキャナ54,A/D
変換器55,画像メモリ56,画像処理回路57,カー
トリッジ26aから現像済の写真フイルム26bをスキ
ャナ54に向けて搬送する搬送機構(図示省略)、及び
これらを制御するコントローラ58等とからなる。
【0065】写真フイルム26bの搬送中に、磁気ヘッ
ド52は、写真フイルム26bの各磁気データトラック
からフイルム情報等を読み取る。この読み取り結果は、
コントローラ58に送られる。また、この写真フイルム
26bの搬送中に、フォトセンサ53は、顕在化したバ
ーコードを読み取る。このフォトセンサ53の読み取り
結果についても、コントローラ58に送られる。各磁気
ヘッド52及びフォトセンサ53による読み取り結果
は、コントローラ58で解読され画像処理の制御に利用
される。
【0066】スキャナ54は、フイルムキャリア,フイ
ルムキャリアにセットされている撮影コマを照明する照
明装置,撮影コマの画像を読み取るCCD、撮影コマの
画像をCCD上に結像させるレンズ等とから構成されて
いる。このスキャナ54は、写真フイルム26bが1コ
マ分送られる毎に、CCDで撮影コマの画像を赤色,緑
色,青色の3色分解測光して撮像し、得られる光電信号
をA/D変換器55に送る。
【0067】A/D変換器55は、各色の光電信号をデ
ジタル変換することにより、CCDで撮像された画像を
赤色,緑色,青色の画像データに変換する。3色の画像
データは、画像メモリ56に書き込まれる。画像処理回
路57は、画像メモリ56に1コマ分の画像データが書
き込まれると、これを読み出してコントローラ58の制
御の下で所定の画像処理を行う。
【0068】この画像処理の際に、磁気ヘッド52で読
み取られたフイルム情報から上記の室内用レンズ付きフ
イルムユニットに用いられる品種であることが検出され
た写真フイルム26bに対しては、デジタル画像処理に
より従来のプリント写真作成のための通常の画像処理を
行う他、写真フイルム26bの特性曲線に基づいた階調
修正を行う。この階調修正は、特性曲線のほぼ直線状の
直線部が低濃度域に対応する特性曲線の足部まで延長さ
れるようにして、写真フイルム26bから読み取った画
像の階調変換を行う。
【0069】より具体的には、写真フイルム26bの特
性曲線に基づいて、露光量が不足している低濃度域の画
像データを階調変換処理することにより、低濃度域の部
分でも露光量(実際には露光量の対数)の増加に対して
濃度の増加率がほぼ一定となるように画像データを修正
する。この階調修正により、露光アンダーとなっている
低濃度域まで仮想的に特性曲線の直線部を広げ、すなわ
ちラチチュードを長くし、露光量が多少不足するような
撮影コマからでも、極めて良好に階調再現されたプリン
ト写真を作成する。
【0070】同様にして、高濃度域の曲線状の特性曲線
の部分、すなわち肩部が写真フイルム26bの本来の特
性曲線の直線部の延長となるように写真フイルム26b
から読み取った画像の階調修正を行う。これにより、露
光オーバーとなる高濃度域まで、仮想的に特性曲線の直
線部広げ、露光量が多少多くなるような環境下で撮影を
行って得られた撮影コマからでも、極めて良好に階調再
現されたプリント写真を作成する。なお、階調修正の基
となる特性曲線のデータは、画像処理回路57に内蔵さ
れたEEPROM等に予め書き込まれて登録される。
【0071】出力部51は、画像処理回路57からの処
理済画像データが書き込まれる画像メモリ60,赤色、
青色、緑色の各レーザ光を出力するレーザユニット6
1、このレーザユニット61の出力を画像メモリ60の
処理済み画像データに基づいて制御するドライバ62,
周知のポリゴンミラー63,Fθレンズ64、長尺のカ
ラー印画紙65を搬送する搬送機構(図示せず)等から
構成されている。
【0072】この出力部51により、カラー印画紙65
がその長手方向に搬送されている間に、高速回転するポ
リゴンミラー63によるレーザ光の主走査と、カラー印
画紙65の搬送による副走査とによって、カラー印画紙
65に画像処理回路57で処理されたカラー画像が露光
される。露光されたカラー印画紙65は、現像処理の後
に1個の画像毎に切り分けられてプリント写真とされ
る。
【0073】次に上記構成の作用について簡単に説明す
る。室内用レンズ付きフイルムユニットに装填される写
真フイルム26bには、その製造段階で室内用レンズ付
きフイルムユニットに用いられる品種であることを示す
フイルム情報が磁気データトラックに磁気記録される。
フイルム情報が記録された写真フイルム26bは、カー
トリッジ26aとともに本体基部20に装填される。そ
して、本体基部20に露光ユニット21,ストロボ装置
23,前カバー24,後カバー25を組み付けてユニッ
ト本体2が完成し、検査の後に、ユニット本体2にラベ
ル3が貼付されて室内用レンズ付きフイルムユニットが
完成する。完成した室内用レンズ付きフイルムユニット
は、出荷されてユーザのもとで撮影に供される。
【0074】撮影を行う際には、まず巻き上げノブ14
を回動操作し、写真フイルム26bを1コマ分巻き上げ
る。そして、この巻き上げに連動してシャッタチャージ
が行われる。また、撮影者は、必要に応じて操作レバー
8を操作してストロボ発光の有無を選択する。
【0075】例えば、ストロボ発光を行う場合には、操
作レバー8を上方にスライドしてON位置にする。する
と、ストロボスイッチ15がONとなり充電が開始され
るとともに、ストロボ発光が許容された状態となる。充
電完了を表示用ライトガイド12が光ることで確認した
後に、シャッタボタン10を押圧する。
【0076】シャッタボタン10の押圧により、シャッ
タ装置が作動されてシャッタ羽根36が開閉される。こ
のときにシャッタ羽根36が全開すると、シンクロスイ
ッチ30がONとなってストロボ発光が行われる。シャ
ッタ羽根36が開いている間に、撮影レンズ4を透過し
た撮影光は、絞り開口41a,シャッタ開口38,アパ
ーチャ20cを介して写真フイルム26bに達し写真フ
イルム26bが露光される。このときに、例えば室内で
撮影を行った場合に、3m前後の撮影距離にある被写体
(主要被写体)に対してはストロボ光の照明効果があり
ストロボ装置23を光源として露光されることになる
が、それよりも遠くの被写体(背景)はストロボ光の照
明効果がなく、室内の照明、例えば蛍光灯を光源として
写真フイルム26bに露光されることになる。
【0077】このようにして、各撮影毎に撮影を行い、
全撮影コマの撮影終了後、ユーザは巻上げノブ14を連
続的に回動操作して、全ての写真フイルム26bをカー
トリッジ26aに収納する。そして、このレンズ付きフ
イルムユニットを現像所やDPE店に提出する。
【0078】現像所等では、ユニット本体2から撮影済
の写真フイルムカートリッジ26を取り出す。取り出さ
れた写真フイルムカートリッジ26は、そのカートリッ
ジ26aから写真フイルム26bが引き出されて分離さ
れる。そして、この写真フイルム26bは、所定の現像
装置にかけられて現像処理された後、再びカートリッジ
26aに収納されてから、このカートリッジ26aごと
デジタルプリンタにセットされる。デジタルプリンタ
は、カートリッジ26aがセットされると、現像済の写
真フイルム26bを引き出して、これの先端をスキャナ
54に向けて搬送する。
【0079】この搬送中に磁気ヘッド52及びフォトセ
ンサ53により、写真フイルム26bの先端側に設けら
れた磁気データトラックや顕在化したバーコードからフ
イルム情報等が読み取られ、コントローラ58によって
解読される。そして、この解読したフイルム情報に基づ
いてコントローラ58は、画像処理回路57を制御す
る。
【0080】図5にデジタルプリンタでの処理手順を示
すように、コントローラ58は、磁気データトラックか
ら読み出したフイルム情報から現在セットされている写
真フイルムの品種を調べ、これが室内用レンズ付きフイ
ルムユニットに用いられものであるか否かを判断する。
この場合の写真フイルム26bは、室内用レンズ付きフ
イルムユニット用のものであるから、コントローラ58
は、処理を開始した写真フイルム26bに対しては、通
常の色補正等の画像処理の他に、階調修正を行うように
制御を切り換える。
【0081】第1番目の撮影コマがスキャナ54のフイ
ルムキャリアにセットされると、CCDが作動される。
これにより、第1番目の撮影コマの画像が読み取られ、
A/D変換器55を介して3色の画像データとして画像
メモリ56に書き込まれる。この後、画像処理回路57
が画像メモリ56から画像データを読み出すとともに、
コントローラ58は、先のフイルム情報の読み取り結果
に基づいた指示を画像処理回路57に与える。
【0082】この指示により、画像処理回路57は、最
初に、この第1番目の撮影コマの画像データに対して階
調修正を行う。画像処理回路57にはこの写真フイルム
26bの赤色,緑色、青色の各特性曲線のデータが予め
記憶されており、画像処理回路57は、このデータに基
づいて、写真フイルム26b上で低濃度域に対する特性
曲線の足部が直線部を延長した直線状になるようにし
て、低濃度域の各色の画像データの値を修正する。
【0083】図6に写真フイルム26bの赤色(R),
緑色(G),青色(B)の特性曲線の一例を示すよう
に、各色の特性曲線の足部は、露光量の変化に対して濃
度が連続的に変化するが増加率は一定でなく、露光量の
増加に対して徐々に増加率が増大するような曲線で表さ
れる。そして、画像処理回路57は、この足部の曲線が
一点鎖線で示されるように、直線部を延長した直線状に
なるようにして、低濃度域の画像データに対して階調修
正処理を行う。これにより、露光量が多少不足するよう
な環境下で撮影されたような場合で、カラー印画紙65
に露光する濃度域を足部の濃度域を含むように低濃度側
にずらしてプリントするときでも、この足部に相当する
画像の階調部分がプリント写真上で良好に階調再現され
る。
【0084】同様にして、高濃度域の各色の画像データ
の値を修正することにより、露光量が多少多くなるよう
な環境下で撮影されたような場合で、カラー印画紙65
に露光する濃度域を肩部部の濃度域を含むように高濃度
側にずらしたときでも、この肩部に相当する階調部分が
プリント写真上で良好に階調再現される。
【0085】画像処理回路57は、上記のようにして階
調修正を行った後に、画像データに通常処理を行ってか
ら、3色の処理済みの画像データを出力して、これを出
力部51の画像メモリ60に書き込む。この通常処理の
際には、画像処理回路57は、画像データに基づいて、
写真フイルム26b上のどの濃度範囲の画像をプリント
写真上に適切に再現するか、また色補正の種類,程度を
決定し、これに基づいた画像処理を行う。
【0086】処理済の画像データが画像メモリ60に書
き込まれると、この画像データに基づいてレーザユニッ
ト61がドライバ62で駆動される。これにより、カラ
ー印画紙65には、第1番目の撮影コマのカラー画像が
潜像として記録される。以下同様にして、各撮影コマの
画像がスキャナ54で読み取られ、画像処理回路56で
画像処理が行われてからカラー印画紙65に潜像として
記録される。
【0087】上記のようにして露光されたカラー印画紙
65の部分は、カラー用の現像処理工程に送られ、現
像、定着、乾燥等が行われてから、各画像毎に切り分け
られてデジタルプリンタからプリント写真として排紙さ
れる。得られたプリント写真は、写真フイルム26bと
ともにユーザに渡される。
【0088】
【実施例】『第1実施例』第1実施例における室内用レ
ンズ付きフイルムユニットの仕様を次の表4に示す。な
お、この表4及び下記第2〜第3実施例、比較例の各表
中における、システム感度は、前述したように「2log2
(A)+log2(T)−log2(0.3 ・S)」で表される値
であり、a* ,b* は、前述の手順により蛍光灯を光源
として標準反射板を露光し、作成したプリント写真上で
測定した標準反射板のCIELABにおけるクロマティ
ックネス指数である。また、このクロマティックネス指
数a * ,b* を測定する際には、本出願人により製造・
販売されているカラー印画紙を用いてプリント写真作成
している。
【0089】
【表4】
【0090】写真フイルム26bは、特願平10−11
1196号記載のように、緑色感光乳剤層と赤色感光乳
剤層との間に520nm付近の光に感度を有する第4感
光乳剤層を設けたものを用いた。特願平10−1111
96号記載の写真フイルムはISO400のフイルム感
度を有するが、この実施例1では大サイズのハロゲン化
銀粒子を用いることによりISO800のフイルム感度
を有する写真フイルム26bを作成した。この写真フイ
ルム26bの測定された分光感度は、図7のグラフに示
す通りである。
【0091】また、ストロボ装置23は、プロテクタ7
aの前面に染料フイルタを設けることにより、分光エネ
ルギーを調節した。その分光エネルギーは、図8のグラ
フに示す通りである。さらに、前述のように、このスト
ロボ装置23は、その前面(プロテクタ7aの前面)に
拡散板7bを配することによってストロボ光の配光特性
を調節した。このストロボ光の撮影画面の上下方向にお
ける配光特性を図9の実線で示す。撮影画面80の上下
方向の画角2θは50°(θ=25°)であり、「θ」
の1.5倍の角度1.5θにおけるストロボ光量は84
%である。
【0092】上記表4より分かるように、この第1実施
例の室内用レンズ付きフイルムユニットは、項目1の条
件式を、項目2の条件式及び条件式をそれぞれ満
たしている。また、ISO感度が「800」であるか
ら、項目3のISO640以上という条件を満たしてい
る。さらに、項目4の条件(2)を満たしている。
【0093】この第1実施例は、室内撮影でストロボ光
を光源とした主要被写体の描写、及び室内の照明を光源
とした背景の描写がプリント写真上で極めて良好にされ
ており、室内の撮影に適したものであった。また、絞り
値Aは、比較的に小さいが、ピントの合致する範囲は室
内の撮影においては十分に満足できるレベルとなってい
る。さらに、写真フイルム26bは、光源適正に優れ、
蛍光灯の光源色を忠実に再現するものであるが、ストロ
ボ光の光原色をやや黄色方向に設定することにより、蛍
光灯およびこれで照明される物体が主要被写体の背景と
して同時に露光される場合でも、主要被写体は極めて良
好な色再現が可能である。
【0094】また、この第1実施例の室内用レンズ付き
フイルムユニットに、ストロボスイッチ15のON/O
FFに応じて絞り値,シャッタ速度,ガイドナンバーを
下記の表5に示すように切り換える調節スイッチを設け
ることにより、日中の屋外における逆光シーンから美術
館のように室内でストロボ撮影できないようなシーンま
で、幅広いシーンでの撮影が可能となった。なお、表5
中のシャッタ速度,ガイドナンバーの単位は、それぞれ
「秒」、「ISO100・m」である。
【0095】
【表5】
【0096】『第2実施例』第2実施例における室内用
レンズ付きフイルムユニットの仕様を次の表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】写真フイルム26bは、第1実施例と異な
り、第4感光乳剤層を設けない従来の手法で作成された
ものである。この写真フイルム26bの測定された分光
感度は、図10のグラフに示す通りである。また、スト
ロボ装置23から照射されるストロボ光の分光エネルギ
ーは、図11のグラフに示す通りである。さらに、プロ
テクタ7aの前面に拡散板7bを配置してあり、その配
光特性は実施例1と同様である。撮影画面80の上下方
向の画角2θは50°(θ=25°),これの1.5倍
の角度1.5θにおけるストロボ光量は84%である。
撮影画面80の上下方向の画角2θは50°(θ=25
°),「θ」の1.5倍の角度1.5θにおけるストロ
ボ光量は84%である。
【0099】上記表6より分かるように、この第2実施
例の室内用レンズ付きフイルムユニットは、項目1の条
件式を、項目2の条件式及び条件式をそれぞれ満
たしている。また、ISO感度が「3200」であるか
ら、項目3のISO感度1000以上という条件を満た
している。さらに、項目4の条件(1)および(2)の
いずれも満たしている。
【0100】この第2実施例は、写真フイルム26bと
してISO3200の超高感度のものを用いた例であ
り、写真フイルム26bの分光感度は、ISO感度を最
優先にして各色間での重なりがなるべく少なくなるよう
に設計されている。この超高感度の写真フイルム26b
を用いることにより、あらゆる撮影条件下において、十
分な被写界深度が得られる絞り値、手ブレの発生確率が
ほとんどないシャッタ速度の選択を可能としている。ま
た、ストロボ光の光原色は、あらゆる撮影条件下におい
て良好な色再現となるように最適化されており、蛍光灯
およびこれで照明される物体が背景として同時に露光さ
れた場合でも、ほぼ問題のない色再現が可能である。
【0101】『第3実施例』第3実施例における室内用
レンズ付きフイルムユニットの仕様を次の表7に示す。
なお、この室内用レンズ付きフイルムユニットについて
も、プロテクタ7aの前面に拡散板7bを配置してあ
り、撮影画面80の上下方向の画角2θ及びストロボ光
の配光特性は、実施例1と同じである。
【0102】
【表7】
【0103】上記表7より分かるように、この第3実施
例の室内用レンズ付きフイルムユニットは、項目1の条
件式を、項目2の条件式,をそれぞれ満たしてい
る。また、ISO感度が「2000」であるから、項目
3のISO感度1000以上という条件を満たしてい
る。さらに、項目4の条件(1)および(2)を満たし
ている。
【0104】写真フイルム26bは、第1実施例と同様
に、第4感光乳剤層を設けたものであるが、通常のカラ
ーネガタイプの写真フイルムと比較してやや軟調にし、
露光量の対数(logE)で「0.6」程度ラチチュー
ドを広くしてある。また、これと同時に、写真フイルム
26bの特性曲線のデータを上記デジタルプリンタに登
録して、階調修正を行うようにした。
【0105】その結果は、Ev(ISO100相当)で
約5.0〜16.5の撮影条件で階調再現と色再現が良
好なプリント写真を作成可能であった。すなわち、露光
アンダー、露光オーバーとなる撮影条件下からでも、デ
ジタルプリンタによる階調修正で良好なプリント写真を
作成できた。
【0106】上記第3実施例の室内用レンズ付きフイル
ムユニットと、従来のレンズ付きフイルムユニットとを
用いて比較実験を行った。比較例として用いた従来のレ
ンズ付きフイルムユニットの仕様は次の表8の通りであ
り、Ev9〜16の撮影が可能となっている。また、従
来のレンズ付きフイルムユニットで用いられているスト
ロボ装置は、図9に破線で示される配光特性のものであ
り、撮影画面80の上下方向の画角2θは50°(θ=
25°)であり、「θ」の1.5倍の角度1.5θにお
ける光量は53%であった。
【0107】
【表8】
【0108】比較実験は、第3実施例および比較例の各
レンズ付きフイルムユニットを用いて、それぞれEv2
〜9.5の明るさの室内及び夜間(ストロボ使用)の2
00シーンを撮影し、写真フイルム26bを現像処理し
た後に、上記の階調修正を行うデジタルプリンタでカラ
ーのプリント写真を作成した。この結果、本発明を用い
た第3実施例の室内用レンズ付きフイルムユニットで
は、あらゆるシーンにおいて主要被写体及び背景が適切
な濃度に再現されたプリント写真を得ることができ、色
再現も大変に良好であった。一方、比較例として用いた
従来のレンズ付きフイルムユニットでは、室内及び夜間
のシーンを撮影して作成されたプリント写真は、背景が
真っ暗になっているものが目立ち、全体に暗い印象であ
った。また、人物の階調がつぶれて白く飛んでいるプリ
ント写真も散見された。
【0109】さらに、上記のようにして各レンズ付きフ
イルムユニットから得られたプリント写真を用い、同一
シーンを撮影したプリント写真を提示し、いずれのレン
ズ付きフイルムユニットから得られたものが好ましいか
を選択するようにして、被験者20人に官能評価を行っ
た。この結果は、次の表9の通りであり、本発明を用い
た室内用レンズ付きフイルムユニットから得られたプリ
ント写真の方が圧倒的に高い支持を得た。この結果から
本発明のレンズ付きフイルムユニット及びプリント写真
作成方法がユーザに対して好ましいプリント写真を提供
できることが分かる。
【0110】
【表9】
【0111】『第4実施例』第4実施例における室内用
レンズ付きフイルムユニットの仕様を次の表10に示
す。なお、この室内用レンズ付きフイルムユニットにつ
いても、プロテクタ7aの前面に拡散板7bを配置して
あり、撮影画面80の上下方向の画角2θ及びストロボ
光の配光特性は、実施例1と同じである。
【0112】
【表10】
【0113】上記表10より分かるように、この第4実
施の室内用レンズ付きフイルムユニットは、項目1の条
件式を、項目2の条件式,をそれぞれ満たしてい
る。また、ISO感度が「1600」であるから、項目
3のISO感度1000以上という条件を満たしてい
る。さらに、項目4の条件(1)および(2)を満たし
ている。
【0114】写真フイルム26bは、第1実施例と同様
に、第4感光乳剤層を設けたものである。この室内用レ
ンズ付きフイルムユニットは、操作レバー8の操作、す
なわちストロボスイッチ15のON/OFFに連動し
て、以下の表11に示すように絞り値及びシャッタ速度
が変化する。
【0115】
【表11】
【0116】このように、ストロボスイッチ15がOF
Fの場合は、絞りが絞り込まれ、またシャッタ速度が高
速化して、日中屋外での撮影にも対応する。また、ユー
ザの操作も従来のレンズ付きフイルムユニットと変わら
ず、手軽に高画質の写真撮影を楽しむことが可能であ
る。
【0117】『第5実施例』画面サイズが35mm×2
4mmである135タイプの写真フイルムを利用するレ
ンズ付きフイルムユニットについて、第1〜第4実施例
と同様な仕様で各評価を行った。この場合においても、
上記と同様な結果が得られた。
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレンズ付
きフイルムユニットによれば、シャッタ装置のシャッタ
速度,絞りの絞り値,写真フイルムのISO感度,スト
ロボ装置のガイドナンバー,ストロボ光の配光特性を、
あるいはその組み合わせが所定の条件を満たすようにし
たから、室内や夜間の屋外等で撮影を行ったときにも階
調再現性、色再現性や、主要被写体と背景の濃度比が良
好なプリント写真を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したレンズ付きフイルムユニット
を分解して示す分解斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの外観図である。
【図3】露光ユニットを分解して示す斜視図である。
【図4】デジタルプリンタの構成を示すブロック図であ
る。
【図5】デジタルプリンタの処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】写真フイルムの特性曲線の一例を示すグラフで
ある。
【図7】第1実施例における写真フイルムの分光感度を
示すグラフである。
【図8】第1実施例におけるストロボ光の分光エネルギ
ーを示すグラフである。
【図9】第1実施例におけるストロボ光の配光特性を示
すグラフである。
【図10】第2実施例における写真フイルムの分光感度
を示すグラフである。
【図11】第2実施例におけるストロボ光の分光エネル
ギーを示すグラフである。
【図12】撮影画面の上下方向の画角2θと撮影画面8
0の上下方向の角度1.5θを示す説明図である。
【符号の説明】
4 撮影レンズ 7 ストロボ発光部 7b 拡散板 23 ストロボ装置 26b 写真フイルム 36 シャッタ羽根 41 絞り板 54 スキャナ 57 画像処理回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズとシャッタ装置と絞りとを有
    した撮影機構を備え、予め未露光の写真フイルムが装填
    されたレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記シャッタ装置のシャッタ速度をT秒,前記絞りの絞
    り値をA,前記写真フイルムのISO感度をSとしたと
    きに、 −6≦2log2(A)+log2(1/T)−log2(0.3 ・
    S)≦4 の条件式を満たすISO感度、及びシャッタ速度と絞り
    値によって撮影が可能とされていることを特徴とするレ
    ンズ付きフイルムユニット。
  2. 【請求項2】 被写体に向けてストロボ光を照射するス
    トロボ装置を備え、前記ストロボ装置のガイドナンバー
    をG(ISO100・m)としたときに、 7.0≦log2(G2 )+log2(1/T)≦12.0 の条件式を満たすことを特徴とする請求項1記載のレン
    ズ付きフイルムユニット。
  3. 【請求項3】 被写体に向けてストロボ光を照射するス
    トロボ装置を備え、このストロボ装置がガイドナンバー
    1〜8(ISO100・m)の範囲の光量で発光が可能
    であり、撮影画面の上下方向の画角を2θとしたきに、
    撮影画面の上下方向の角度1.5θにおけるストロボ光
    量が、撮影画面の中心のストロボ光量に対して60%以
    上であることを特徴とする請求項1または2記載のレン
    ズ付きフイルムユニット。
  4. 【請求項4】 ストロボ装置の前面に拡散板が配置され
    ていることを特徴とする請求項2ないし3のいずれか1
    項に記載のレンズ付きフイルムユニット。
JP8041999A 1998-10-27 1999-03-24 レンズ付きフイルムユニット Pending JP2000275709A (ja)

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JP8041999A JP2000275709A (ja) 1999-03-24 1999-03-24 レンズ付きフイルムユニット
US09/425,962 US6222995B1 (en) 1998-10-27 1999-10-25 Lens-fitted photo film unit, and method of making photo-print
DE69931008T DE69931008T2 (de) 1998-10-27 1999-10-27 Fotofilmeinheit mit angebrachter Linse sowie Verfahren zum Ausbilden von Fotoabzügen
EP99308503A EP1001308B1 (en) 1998-10-27 1999-10-27 Lens-fitted photo film unit, and method of making photo-print

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7343090B2 (en) 2004-09-01 2008-03-11 Fujifilm Corporation Lens-fitted photo film unit

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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