JP2000275632A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置および電子機器

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JP2000275632A
JP2000275632A JP11077900A JP7790099A JP2000275632A JP 2000275632 A JP2000275632 A JP 2000275632A JP 11077900 A JP11077900 A JP 11077900A JP 7790099 A JP7790099 A JP 7790099A JP 2000275632 A JP2000275632 A JP 2000275632A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal device
substrate
color filter
substrates
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JP11077900A
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English (en)
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Tetsuhiko Takeuchi
哲彦 竹内
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視差を低減して表示品質を向上させることが
でき、しかも構成を単純化して製造コストを低減するこ
とのできる反射型液晶装置およびその液晶装置を備えた
電子機器を提供する。 【解決手段】 可撓性を有する一対の基板(1,2)間
に挟持される液晶層(3)と、光が入射する側の前記基
板のみに設けられた偏光板(8)と、他方の基板の上記
液晶層とは反対側に設けられる反射板(6)とを少なく
とも備える液晶装置であって、上記一対の基板の何れか
一方の上記液晶層とは反対側に、カラーフィルタ(C)
が形成されてなる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置およびそ
れらの電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パーソナルコンピュータ,携帯
型ゲーム機や電子手帳などの種々の電子機器には表示部
として消費電力の少ない液晶表示装置が多用されてい
る。
【0003】特に近年は、表示内容の多様化に伴って、
カラー表示可能な液晶表示装置の需要が高まっている。
【0004】また、上記電子機器のバッテリー駆動時間
を長くしたいという要求から、バックライト装置を必要
としない反射型のカラー液晶表示装置が開発されてい
る。
【0005】以下に従来の反射型のカラー液晶表示装置
の構成例の概要を図面を参照して説明する。
【0006】図7の(a),(b)は、従来の反射型カ
ラー液晶表示装置の要部を示す拡大概略断面図である。
このうち、図7(a)は前方散乱板タイプ、(b)は内
面散乱板タイプを示し、ともに偏光板を光入射側に1枚
のみ有する一枚偏光板型液晶装置である。
【0007】図7(a)に示した前方散乱板タイプの液
晶装置は、一対のガラス基板100,101間に液晶層
102が挟持され、一方(図では下側)のガラス基板1
00の液晶層102側の表面には、反射板を兼ねるAl
薄膜等からなる画素電極103が表面がフラットな状態
で形成されている。一方、光入射側のガラス基板101
の液晶層102側の表面には、カラーフィルタ104が
形成されている。また、ガラス基板101の上面側に
は、例えば厚さ50〜200μmのトリアリルシアネー
トからなる基材に金属酸化物粒子をフィラーとして分散
させた前方散乱フィルム105が透明な粘着剤または粘
着シート(図示せず)を介して貼付され、その上に偏光
板106が設けられている。
【0008】このような前方散乱板タイプの液晶装置で
は、入射光L1は、偏光板−前方散乱フィルム−カラー
フィルタ−液晶層を通過後、画素電極103の表面で反
射され、反射された光が液晶層−カラーフィルタ−前方
散乱フィルム−偏光板を介して液晶装置から出射する。
出射する光は液晶層102の状態によって偏光状態が制
御される、すなわち、液晶層における液晶分子の配列状
態により反射光の偏光状態が制御され、反射光の偏光状
態が偏光板の偏光軸と一致した場合には偏光板を透過し
て所望の色が表示されることになる。
【0009】また、図7(b)の内面散乱板タイプの液
晶装置は、一対のガラス基板100,101、液晶層1
02を備え、ガラス基板100の液晶層102側の表面
には、反射板を兼ねるAl薄膜等からなる画素電極10
7が表面に光を乱反射する凹凸を設けた状態で形成され
ている。
【0010】光入射側のガラス基板101の液晶層10
2側の表面には、カラーフィルタ104が形成され、ガ
ラス基板101の上面側には偏光板106が設けられて
いる。
【0011】このような内面散乱板タイプの液晶装置で
は、入射光L1は、偏光板−カラーフィルタ−液晶層を
通過後、画素電極107の表面で乱反射され、液晶層1
02の状態によって偏光が変化された後、反射光はカラ
ーフィルタ104を通過し、偏光板106により反射光
の偏光状態により透過、不透過とされ、透過した場合に
は画素電極107が直接見えない状態の散乱光L3とし
て観察者の肉眼Eに入射することによりカラーの液晶表
示として視認される。
【0012】ここで、カラーフィルタ104は、例えば
図8の概略断面図に示すように、ガラス基板101の表
面(図7における液晶層102側の表面)上に、光遮断
用のブラックマスク211,カラー表示用のRGBパタ
ーン212,RGBパターン212を保護する透明な保
護膜213を順次形成することにより構成されている。
ブラックマスク211は、例えばスパッタリング法,真
空蒸着法等により厚さ1000〜2000オングストロ
ーム程度のクロム等の金属薄膜をパターニングして形成
される。RGBパターン212は、赤色パターン
(R),緑色パターン(G),青色パターン(B)が、
所望のパターン形状で配列され、例えば、所定の着色材
を含有する感光性樹脂を使用した顔料分散法,各種印刷
法,電着法,転写法,染色法等の種々の方法で形成され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一対の基板
で液晶層を挟持し、基板の液晶層とは反対側に反射板を
配置する反射型液晶装置の構成においては、基板の屈折
率および厚さに基づいて不可避的に視差を生じる。
【0014】即ち、図9(a)に示すように、一対の基
板A,Bの厚さをそれぞれdとした場合(なお、液晶層
は薄いためその厚さは無視できる)に、基板A,Bの法
線Hに対して角度θで入射する入射光Laは、入射側の
基板Aに入射すると屈折され、法線Hに対して角度θ'
の屈折光Lbとなって基板Bの底面に達する。
【0015】この際に、観察者の肉眼Eに生じる視差g
(μm)は、g=dtan(θ')となり、図9(b)
のグラフに示すように基板の厚さdおよび入射角θに比
例して大きくなってしまう。そして、この視差に基づく
表示品質の劣化は、液晶表示に対する高精細の要求が高
まるにつれて見逃せない問題となってきた。
【0016】視差を小さくするためには、基板A,Bの
厚さを薄くしていけばよいのであるが、ガラス製の基板
にあっては機械的強度から300μmが限界であるとさ
れている。
【0017】一方で、反射型のカラー液晶装置は、バッ
クライトが不要なため消費電力が小さくて済むという優
れた特性から、いわゆるモバイル型の電子機器等への大
きな需要が見込まれるため、液晶装置の構成を如何にし
て単純化して製造コストを下げるかが課題とされてい
る。
【0018】ところが、従来の反射型のカラー液晶装置
は、図7(a),(b)で示したように、カラーフィル
タ104は、光入射側の基板101の液晶層102側
に、ブラックマスク211,RGBパターン212,そ
のRGBパターン212を保護する透明な保護膜213
を順次形成する必要があるため、各層や膜を形成する毎
に、ガラス基板101に対して種類の異なる複雑な工程
によって成膜,印刷などの加工を施さねばならず、基板
101を使用可能な状態に仕上げるまでに、膨大なコス
トと時間がかかるという問題があり、液晶装置の製造コ
ストが嵩む要因の一つとなっていた。
【0019】本発明は、上記問題点および課題を解決す
べく案出されたものであり、視差を低減して表示品質を
向上させることができ、しかも構成を単純化して製造コ
ストを低減することのできる液晶装置およびその液晶装
置を備えた電子機器を提供することを主な目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る液晶装置は、可撓性を有する一対の基
板と、該基板間に挟持される液晶層と、前記一対の基板
のうち一方の基板のみに設けられた偏光板と、他方の基
板の上記液晶層とは反対側に設けられる反射板とを少な
くとも備える液晶装置であって、上記一対の基板の何れ
か一方の上記液晶層とは反対側に、カラーフィルタが形
成されてなる構成としたものである。これにより、カラ
ーフィルタ表面に形成される保護膜を省略したり、カラ
ーフィルタを基板と別物として扱うことができるため、
従来のようにカラーフィルタを光が入射する側の基板の
液晶層側に形成する場合よりも製造が簡単になり、製造
コストを低減することができる。
【0021】なお、上記基板は、厚さ200μm以下に
するとよい。これにより、基板としての強度を保持しな
がら、従来のガラス基板を用いる場合に比して、視差を
低減することができ、表示品質を向上させることができ
る。好ましくは50〜100μmとすることにより、一
層視差を低減できるとともに装置を小型化できる。
【0022】また、上記基板は、ポリカーボネート系、
ポリエーテルサルホン系、アクリル系、あるいはポリエ
チレンテレフタレートのベースフィルムに、少なくとも
1層の保護膜が積層されて構成される。これにより、比
較的容易に基板の薄膜化を達成することができる。
【0023】さらに、上記反射板は、表面が平滑な樹脂
フィルムあるいは金属フィルムを基材とし、当該基材上
に蒸着法あるいはスパッタ法によりAgまたはAlから
なる反射層が形成されて構成される。これにより、比較
的容易に反射板の薄膜化を達成することができるととも
に、反射効率の良い反射板を得ることができる。
【0024】上記液晶装置において、金属酸化物粒子を
フィラーとして分散させた散乱フィルムがいずれか一方
の基板に形成されるようにしてもよい。これにより、視
野角が広くなり、表示品質を一層向上できる。
【0025】前記散乱フィルムに用いられる基材はトリ
アリルシアネートあるいはポリエチレンテレフタレート
からなるようにするとよい。これにより、比較的容易に
散乱フィルムを薄膜化することができ、視差をなくし表
示品質を向上できる。
【0026】上記カラーフィルタは、上記反射板上に形
成されるようにするとよい。これにより、別工程でカラ
ーフィルタを兼ねた反射板を製造し、液晶パネルに貼付
することで液晶装置を完成することができるので、部品
点数を少なくでき、生産効率が上がり、さらには製造コ
ストを低減することができる。
【0027】上記反射板に形成されるカラーフィルタ
は、インクジェット印刷,カラーレーザー印刷あるいは
オフセット印刷よって形成されるとよい。これにより、
比較的容易に微細なカラーパターンを形成することがで
き、鮮明なカラー表示を得ることができる。
【0028】または、上記カラーフィルタは、ポリカー
ボネート系、ポリエーテルサルホン系、アクリル系、ト
リアリルシアネート、あるいはポリエチレンテレフタレ
ートのベースフィルムに形成されるようにしてもよい。
これにより、別工程でカラーフィルタを製造し、液晶パ
ネルに貼付することで液晶装置を完成することができる
ので、生産効率が上がり、さらには製造コストを低減す
ることができる。
【0029】または、上記カラーフィルタは、前記散乱
フィルムの表面に、インクジェット印刷,カラーレーザ
ー印刷あるいはオフセット印刷よって形成されてなるよ
うにしてもよい。これにより、別工程でカラーフィルタ
を兼ねた散乱フィルムを製造し、液晶パネルに貼付する
ことで液晶装置を完成することができるので、部品点数
を少なくでき、生産効率が上がり、さらには製造コスト
を低減することができる。さらに、比較的容易に微細な
カラーパターンを形成することができ、鮮明なカラー表
示を得ることができる。
【0030】さらに、可撓性を有する一対の基板と、該
基板間に挟持される液晶層と、前記一対の基板のうち一
方の基板側のみに設けられた偏光板とを少なくとも備
え、他方の基板の液晶層側の面には反射機能を有する材
料により電極が形成されてなる液晶装置であって、前記
偏光板と該偏光板を設けた前記基板との間にカラーフィ
ルタが形成されてなる構成とすることもできる。これに
より、液晶側に反射電極を備えた構成の液晶装置におい
ても、カラーフィルタ表面に形成される保護膜を省略し
たり、カラーフィルタを基板と別物として扱ったりでき
るため、従来のようにカラーフィルタを光が入射する側
の基板の液晶層側に形成する場合よりも製造が簡単にな
り、製造コストを低減することができる。
【0031】上述した液晶装置を表示手段として備える
電子機器にあっては、視差の少ない高品質の表示を提供
することができ、しかも、液晶装置の製造コストの低減
により、各種電子装置に低コストで反射式のカラー液晶
表示装置の搭載を可能にすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0033】(第1の実施形態)図1は、第1の実施形
態に係る液晶装置の概略構成で、(a)は平面図で、
(b)は(a)のA−Aにおける断面図である。この液
晶装置は、偏光板を光入射側に1枚のみ有し、散乱板を
液晶パネルと偏光板との間に配置したタイプの液晶装置
である。
【0034】液晶パネルPは、例えば厚さ200μm以
下、好ましくは50〜100μmの一対の樹脂フィルム
基板1,2を備え、この間に液晶層3が挟持されて構成
される。樹脂フィルム基板1,2としては、例えばポリ
カーボネートあるいはポリエーテルサルホンのベースフ
ィルムを用い、このベースフィルムにガスバリア膜,耐
溶剤膜,ハードコート膜等を積層してラミネート構造と
したものが用いられる。このように、従来のガラス基板
より薄い樹脂フィルム基板1,2を用いることにより、
前出の図9(a)で示す視差g(g=dtan
(θ'))における厚さdの値が小さくなり、図9
(b)のグラフから分かるように、dが50〜100μ
mの場合には、θが30〜85°の何れにおいても視差
を80μm以下に抑えることができ、表示品質を向上さ
せることができる。
【0035】樹脂フィルム基板1,2の対向するそれぞ
れの面にはITO(Indium-Tin Oxide:インジウム・ス
ズ酸化物)からなるストライプ状の透明な電極4a,4
bが互いに直交する方向に形成されている。電極が形成
された基板1,2を、図示しないスペーサを介して所定
の間隙に設定し、シール樹脂5によって接着している。
そして、この間隙に液晶層3が封入されている。
【0036】図上、下方側の樹脂フィルム基板1の液晶
層3とは反対側の表面には、反射板6が設けられてい
る。反射板6は、例えば厚さ50〜200μmのポリカ
ーボネート,ポリエーテルサルホン,トリアリルシアネ
ートまたはポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィル
ム、あるいは金属フィルムを基材とし、当該基材上に蒸
着法あるいはスパッタ法によりAgまたはAlからなる
反射層が厚さ1000オングストローム以上で成膜され
て形成されている。このような反射板は、透明な粘着剤
または粘着シートによって樹脂フィルム基板1に貼付さ
れている。
【0037】一方、光入射側の樹脂フィルム基板2の液
晶層3とは反対側の表面には、カラーフィルタC,前方
散乱フィルム7,偏光板8がそれぞれ配置されている。
【0038】上記カラーフィルタC,前方散乱フィルム
7,偏光板8の設け方として、図5の(a),(b)に
示す2通りの方法を例示する。このうち、図5(a)
は、カラーフィルタを単体の部材として形成したもの
を、液晶パネルに貼付するようにした例である。カラー
フィルタC1は、例えば、厚さ50〜200μmのポリ
カーボネート、ポリエーテルサルホン、アクリル樹脂、
トリアリルシアネート、あるいはポリエチレンテレフタ
レートのベースフィルムFの表面に、インクジェット印
刷,カラーレーザー印刷あるいはオフセット印刷よって
顔料または染料からなるRGBパターン9を形成して構
成される。
【0039】この別部材として形成されたカラーフィル
タC1が液晶パネルPの片面(図では上面)に透明な粘
着剤または粘着シート(図示せず)を介して貼付され
(矢印)、このカラーフィルタC1の上に前方散乱フ
ィルム7と偏光板8が順次設けられる(矢印)。
【0040】これによれば、予め別の製造ラインによっ
てカラーフィルタC1を作製し、そのカラーフィルタC
1を液晶パネルの片面(図では上面)に貼付するだけで
よいため、製造を簡素化でき、製造コストを低減するこ
とができる。
【0041】一方、図5(b)は、カラーフィルタと前
方散乱フィルムとを一体的に形成したものを、液晶パネ
ルに貼付するようにした例である。例えば、厚さ50〜
200μmのトリアリルシアネートからなる基材に金属
酸化物粒子をフィラーとして分散させた前方散乱フィル
ム7の表面に、インクジェット印刷,カラーレーザー印
刷あるいはオフセット印刷よって顔料または染料からな
るRGBパターン9を形成して、カラーフィルタを兼ね
た散乱フィルムを構成することができる。
【0042】このカラーフィルタを兼ねた散乱フィルム
が液晶パネルPの片面(図では上面)に透明な粘着剤ま
たは粘着シート(図示せず)を介して貼付され(矢印
)、該散乱フィルム7上に偏光板8が設けられる(矢
印)。
【0043】これによれば、カラーフィルタと前方散乱
フィルムとが一体的に形成され一つの部材として構成さ
れているので、図5(a)ようにカラーフィルタC1を
単独の部材とする場合より部品点数が少なくてすみ、製
造が簡単になるため、製造コストを低減することができ
る。
【0044】第1の実施形態に係る液晶装置によれば、
入射光L1は液晶層3を通過後反射板6によって反射さ
れ、再び液晶層3を通過後、カラーフィルタC、前方散
乱フィルム7、及び偏光板8を通過して液晶装置から出
射する。偏光板から出射する光は、液晶層の液晶分子の
ねじれ角や偏光板の偏光軸などによるが、基本的には液
晶層の状態によって制御される。すなわち、電圧印加/
無印加による液晶層の液晶分子の配列により偏光状態が
制御されるのである。
【0045】この際に、先に述べたように、樹脂フィル
ム基板1,2は、従来のガラス基板よりも薄いため、視
差g(g=dtan(θ'))における厚さdの値が小
さくなり、基板の厚さdを50〜100μmとすること
により、視差を80μm以下に抑えることができ、表示
品質を向上させることができる。
【0046】(第2の実施形態)図2は、第2の実施形
態に係る液晶装置に関する概略構成を示す拡大断面図で
ある。
【0047】この液晶装置も、上記第1の実施形態と同
様に入射側に散乱フィルムを有するタイプであり、偏光
板も光入射側に1枚のみ有する構造の液晶装置である。
基本的な構成は第1の実施形態と同様であるので異なる
点についてのみ説明する。
【0048】樹脂フィルム基板1の液晶層3とは反対側
の面に、カラーフィルタCと反射板6が設けられ、光入
射側の樹脂フィルム基板2の液晶層3とは反対側の面
に、前方散乱フィルム7と偏光板8が設けられている。
【0049】カラーフィルタCは、第1の実施形態と同
じ構成である。従って、本形態でも樹脂フィルム基板1
の液晶層3とは反対側の表面にカラーフィルタCを貼付
するだけでよいため、製造を簡素化でき、製造コストを
低減することができる。
【0050】また、図5(c)に示すように、カラーフ
ィルタと反射板6とを一体的に構成し、これを液晶パネ
ルPの片面(図では下面)に貼付して構成することもで
きる。
【0051】即ち、反射板6は、例えば厚さ50〜20
0μmのポリカーボネート,ポリエーテルサルホン,ト
リアリルシアネートまたはポリエチレンテレフタレート
等の樹脂フィルムあるいは金属フィルムを基材として、
当該基材上に蒸着法あるいはスパッタ法によりAgまた
はAlを厚さ1000オングストローム以上で成膜した
反射層を積層して形成され、さらに、この反射層の上
に、インクジェット印刷,カラーレーザー印刷あるいは
オフセット印刷によって顔料または染料からなるRGB
パターン9を形成してカラーフィルタを兼ねた反射板を
構成することができる。
【0052】このカラーフィルタを兼ねた反射板が、液
晶パネルPの片面(図では下面)に透明な粘着剤または
粘着シート(図示せず)を介して貼付される。
【0053】これによれば、カラーフィルタと反射板と
が一体的に形成され一つの部材として構成されているの
で、図5(a)のようにカラーフィルタC1を単独の部
材とする場合より部品点数が少なくてすむ。したがっ
て、製造が簡単になるため、製造コストを低減すること
ができる。また、先に述べたように、樹脂フィルム基板
1,2は、従来のガラス基板よりも薄いため、視差g
(g=dtan(θ'))における厚さdの値が小さく
なり、dを50〜100μmとすることにより、視差を
80μm以下に抑えることができ、表示品質を向上させ
ることができる。
【0054】(第3の実施形態)図3は、第3の実施形
態に係る液晶装置の概略構成を示す拡大断面図である。
【0055】本形態の液晶装置は、表面に凹凸を形成し
て散乱タイプにした反射板を液晶パネルPの片面(図で
は下面)に配置した構成である。また、本形態も偏光板
を光入射側に1枚のみ有する構造の液晶装置である。基
本的な構成は前記第1および第2の実施形態と同一であ
るので異なる点のみ説明をする。
【0056】図上、下方側の樹脂フィルム基板1の液晶
層3とは反対側の表面には、反射板10が設けられてい
る。反射板10は、表面に凹凸を形成した散乱型の反射
板である。反射板10は、例えば厚さ50〜200μm
のポリカーボネート,ポリエーテルサルホン,トリアリ
ルシアネートまたはポリエチレンテレフタレート等の樹
脂フィルムあるいは金属フィルムを基材とし、当該基材
上に蒸着法あるいはスパッタ法によりAgまたはAlか
らなる反射層が厚さ1000オングストローム以上で成
膜され形成される。
【0057】なお、反射板10には、基材のエンボス加
工、反射層をエッチングするなどして光を乱反射させる
凸部10aが形成されている。この反射板10が透明な
粘着剤または粘着シートによって樹脂フィルム基板1の
液晶層3とは反対側の表面に貼付されている。
【0058】一方、光入射側の樹脂フィルム基板2の液
晶層3とは反対側の表面には、カラーフィルタC,偏光
板8がそれぞれ配置されている。カラーフィルタCは、
第1,第2の実施形態で説明した構成と同一である。
【0059】本形態においても、カラーフィルタCを偏
光板8と一体的に構成し、これを樹脂フィルム基板2の
液晶層3とは反対側の面に配置した構成とすることもで
きる。即ち、偏光板8の表面にインクジェット印刷,カ
ラーレーザー印刷あるいはオフセット印刷よって顔料ま
たは染料からなるRGBパターンを形成して、カラーフ
ィルタを兼ねた偏光板を構成するようにしてもよい。
【0060】これによれば、カラーフィルタと偏光板と
が一体的に形成され一つの部材として構成されているの
で、上記のようにカラーフィルタCを単独の部材とする
場合より部品点数が少なくてすみ、液晶装置の製造が簡
単になるため、製造コストを低減することができる。
【0061】第3の実施形態の構成によれば、樹脂フィ
ルム基板1,2は、従来のガラス基板よりも薄いため、
視差g(g=dtan(θ'))における厚さdの値が
小さくなり、dを50〜100μmとすることにより、
視差を80μm以下に抑えることができ、表示品質を向
上させることができる。また、カラーフィルタを別部材
として形成し、貼り付けにより液晶装置を形成すること
ができるため部品点数、製造工程上の利点が増す。更に
は、反射板を光散乱型としているため、光散乱フィルム
が不要となるとともに、像の映り込みを防止することが
できる。
【0062】(第4の実施形態)図4は、第4の実施形
態に係る液晶装置の概略構成を示す拡大断面図である。
基本構成は前述の実施形態1乃至3とほぼ同一である。
実施形態3と異なる点はカラーフィルタを反射板側に設
けた点である。
【0063】図上、下方側の樹脂フィルム基板1の液晶
層3とは反対側には、カラーフィルタCと反射板10が
設けられている。一方、光入射側の樹脂フィルム基板2
の液晶層3とは反対側の表面には、偏光板8が配置され
ている。カラーフィルタCは、第1〜第3の実施形態で
説明した構成と同一である。樹脂フィルム基板1の液晶
層3とは反対側の面に透明な粘着剤または粘着シートを
介して貼付されている。
【0064】また、カラーフィルタと反射板とを一体的
に構成し、これを樹脂フィルム基板1の液晶層3とは反
対側の面に貼付して構成することもできる。
【0065】即ち、反射板10に光を乱反射させる凸部
10aを形成した後、例えばその表面に透明樹脂を塗布
するなどして平坦化し、その表面にインクジェット印
刷,カラーレーザー印刷あるいはオフセット印刷よって
顔料または染料からなるRGBパターンを形成してカラ
ーフィルタを兼ねた散乱型の反射板を構成するようにし
てもよい。
【0066】これによれば、カラーフィルタと反射板と
が一体的に形成され一つの部材として構成されているの
で、カラーフィルタCを単独の部材とする場合より部品
点数が少なくてすみ、液晶装置の製造が簡単になるた
め、製造コストを低減することができる。
【0067】(第5の実施形態)上記第1および第3の実
施形態において、液晶パネルPの外側(図では下側)に
設けられた反射板6あるいは10を省略して、基板1の
液晶側の面に形成されている電極4aを反射電極とした
液晶パネルを形成し、該パネルと偏光板との間にカラー
フィルタを設けて構成される液晶装置とすることもでき
る。
【0068】第1の実施形態の変形例として、光が入射
する側と反対の基板の電極としてAl、あるいはAgを
スパッタや蒸着により成膜、これをフォトエッチングに
よりパターニングし反射電極とする。
【0069】また、第3の実施形態の変形例として、予
め基板表面に凹凸を形成した後、Al、あるいはAgを
スパッタや蒸着により成膜、これをフォトエッチングに
よりパターニングし反射電極とする。
【0070】一方、光が入射する側の基板の液晶層とは
反対側に、カラーフィルタと偏光板を形成し、本実施形
態にかかる液晶装置を構成する。
【0071】これにより、液晶側に反射電極を備えた構
成の液晶装置においても、カラーフィルタ表面に形成さ
れる保護膜を省略したり、カラーフィルタを基板と別物
として扱ったりできるため、従来のようにカラーフィル
タを光が入射する側の基板の液晶層側に形成する場合よ
りも製造が簡単になり、製造コストを低減することがで
きる。
【0072】上記第1〜第5の実施形態に係る液晶装置
をディスプレイとして備える電子機器として、パーソナ
ルコンピュータ、ワードプロセッサ、ページャ、携帯電
話、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビ
デオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、腕時
計、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネ
ルを備えた装置などを挙げることができる。
【0073】図6の(a)は携帯電話を示す斜視図であ
る。200は携帯電話本体を示し、そのうちの201は
本発明に係る液晶装置を用いた液晶表示部である。
【0074】図6の(b)はワードプロセッサ、パーソ
ナルコンピュータ等の携帯型情報処理装置を示す図であ
る。300は情報処理装置を示し、301はキーボード
等の入力部、302は本発明に係る液晶装置を用いた表
示部、303は情報処理装置本体を示す。
【0075】図9の(c)は、腕時計型電子機器400
を示す斜視図である。401は本発明に係る液晶装置を
用いた液晶表示部である。
【0076】各々の電子機器は、表示部として上述の実
施形態に示すように視差を抑制することができる液晶装
置を用いているので、高品質の表示を得ることができ
る。
【0077】また、上記実施形態に係る液晶装置は、簡
易な構成により製造コストを下げることができるので、
需要の高い反射型のカラー液晶表示装置を安価に安定し
て供給することができ、各種電子機器の製造コストを低
減することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示
す拡大断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示
す拡大断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示
す拡大断面図である。
【図4】第4の実施形態に係る液晶装置の概略構成を示
す拡大断面図である。
【図5】上記実施形態に係る液晶パネルの構成形態を示
す概略図である。
【図6】本発明に係る液晶装置を使った電子機器の例を
示す外観図である。
【図7】従来の反射型カラー液晶表示装置の要部を示す
拡大概略断面図である。
【図8】従来の反射型カラー液晶表示装置のカラーフィ
ルタの構成を示す概略断面図である。
【図9】液晶パネルにおける視差の発生を示す説明図
(a)および基板厚と視差の関係を示すグラフ(b)で
ある。
【符号の説明】
1 樹脂フィルム基板 2 樹脂フィルム基板 3 液晶層 4a,4b 透明電極 5 シール樹脂 6 反射板 7 前方散乱フィルム 8 偏光板 9 RGBパターン 10 反射板 10a 凸部 L1 入射光 L2 反射光 C,C1 カラーフィルタ 100 ガラス基板 101 ガラス基板 102 液晶層 103 反射板を兼ねる電極 104 カラーフィルタ 105 前方散乱板 106 偏光板 107 散乱型の反射板を兼ねる電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/04 C08L 79/04 Z 81/06 81/06 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 Fターム(参考) 2H048 BA02 BA55 BA64 BB02 BB08 BB15 BB42 2H090 JA09 JB03 JB10 JB12 JC07 JC14 JC19 JD01 KA05 LA09 LA20 2H091 FA02X FA14Y FA32Y FB02 FD04 FD14 FD24 GA01 GA11 GA17 HA07 LA03 LA11 LA12 LA15 LA30 4J002 CF061 CM021 DE046 FD016 GQ00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する一対の基板と、該基板間に
    挟持される液晶層と、前記一対の基板のうち一方の基板
    側のみに設けられた偏光板と、他方の基板の上記液晶層
    とは反対側に設けられる反射板とを少なくとも備える液
    晶装置であって、 上記一対の基板の何れか一方の上記液晶層とは反対側
    に、カラーフィルタが形成されてなることを特徴とする
    液晶装置。
  2. 【請求項2】上記基板は、厚さ200μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】前記基板の厚さは、好ましくは50〜10
    0μmであることを特徴とする請求項2記載の液晶装
    置。
  4. 【請求項4】上記基板は、ポリカーボネート系、ポリエ
    ーテルサルホン系、アクリル系、あるいはポリエチレン
    テレフタレートのベースフィルムに、少なくとも1層の
    保護膜が積層されてなることを特徴とする請求項1から
    請求項3のいずれかに記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】上記反射板は、樹脂フィルムあるいは金属
    フィルムを基材とし、当該基材上にAgまたはAlから
    なる反射層が形成されてなることを特徴とする請求項1
    から請求項4の何れかに記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】金属酸化物粒子をフィラーとして分散させ
    た散乱フィルムがいずれか一方の基板に形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の液晶装置。
  7. 【請求項7】前記散乱フィルムは、トリアリルシアネー
    トあるいはポリエチレンテレフタレートに前記金属酸化
    物粒子が分散してなることを特徴とする請求項6に記載
    の液晶装置。
  8. 【請求項8】上記カラーフィルタは、上記反射板上に形
    成されてなることを特徴とする請求項1から請求項7の
    何れかに記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】上記カラーフィルタは、インクジェット印
    刷,カラーレーザー印刷あるいはオフセット印刷によっ
    て形成されてなることを特徴とする請求項8記載の液晶
    装置。
  10. 【請求項10】上記カラーフィルタは、ポリカーボネー
    ト系、ポリエーテルサルホン系、アクリル系、トリアリ
    ルシアネート、あるいはポリエチレンテレフタレートの
    ベースフィルムに、インクジェット印刷,カラーレーザ
    ー印刷あるいはオフセット印刷によって形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項7に記載の液晶装
    置。
  11. 【請求項11】上記カラーフィルタは、前記散乱フィル
    ムの表面に、インクジェット印刷,カラーレーザー印刷
    あるいはオフセット印刷によって形成されてなることを
    特徴とする請求項6に記載の液晶装置。
  12. 【請求項12】可撓性を有する一対の基板と、該基板間
    に挟持される液晶層と、前記一対の基板のうち一方の基
    板側のみに設けられた偏光板とを少なくとも備え、他方
    の基板の液晶層側の面には反射機能を有する材料により
    電極が形成されてなる液晶装置であって、 前記偏光板と、該偏光板を設けた前記基板との間にカラ
    ーフィルタが形成されてなることを特徴とする液晶装
    置。
  13. 【請求項13】上記一方の基板は、厚さ200μm以下
    であることを特徴とする請求項12記載の液晶装置。
  14. 【請求項14】前記基板の厚さは、好ましくは50〜1
    00μmであることを特徴とする請求項13記載の液晶
    装置。
  15. 【請求項15】上記基板は、ポリカーボネート系、ポリ
    エーテルサルホン系、アクリル系、あるいはポリエチレ
    ンテレフタレートのベースフィルムに、少なくとも1層
    の保護膜が積層されてなることを特徴とする請求項12
    から請求項14のいずれかに記載の液晶装置。
  16. 【請求項16】金属酸化物粒子をフィラーとして分散さ
    せた散乱フィルムが入射側の基板に形成されてなること
    を特徴とする請求項12から請求項15のいずれかに記
    載の液晶装置。
  17. 【請求項17】前記散乱フィルムは、トリアリルシアネ
    ートあるいはポリエチレンテレフタレートに前記金属酸
    化物粒子が分散してなることを特徴とする請求項16に
    記載の液晶装置。
  18. 【請求項18】上記請求項1から請求項17に記載の液
    晶装置を、表示手段として備えることを特徴とする電子
    機器。
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