JP2000275481A - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

プラスチック光ファイバケーブル

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JP2000275481A
JP2000275481A JP11085187A JP8518799A JP2000275481A JP 2000275481 A JP2000275481 A JP 2000275481A JP 11085187 A JP11085187 A JP 11085187A JP 8518799 A JP8518799 A JP 8518799A JP 2000275481 A JP2000275481 A JP 2000275481A
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高開口数で曲げによる光ロスが少なく、耐薬
品性に優れ、高温高湿度環境下において安定なプラスチ
ック光ファイバを提供する。 【解決手段】 PMMA系樹脂からなる芯1と、ビニリ
デンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロ
プロペンからなる特定組成の共重合体からなる鞘2と、
ビニリデンフロライド系樹脂からなる保護層3と、ビニ
リデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロ
ロプロペンからなる特定組成の共重合体からなる接着層
4と、ナイロン12からなる被覆層5を有するプラスチ
ック光ファイバケーブルとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車載用配線、移動
体配線、FA機器配線、パソコン配線などの光信号伝送
や、光電センサーなどに使用される、プラスチック光フ
ァイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】芯をポリメチルメタクリレート(PMM
A)系樹脂で形成したプラスチック光ファイバの鞘樹脂
としては、特公昭62−3401号公報にビニリデンフ
ロライドとテトラフロロエチレンやヘキサフロロプロペ
ンの共重合体などで、鞘樹脂のメルトフローインデック
スが、紡糸温度T℃において荷重10kgで、{(5/
9)×T−100}g/10分以上のものが提案されて
いる。
【0003】またビニリデンフロライド系樹脂からなる
鞘とPMMA系樹脂からなる芯を有するプラスチック光
ファイバは、特許第2583523号公報に記載されて
いるように、芯と鞘の間に0.1μm〜2μm程度にわ
たり芯樹脂と鞘樹脂が相溶した均質な相が形成され、そ
れによって伝送損失が低くできることが知られている。
【0004】特開平7−77642号公報にはPMMA
プラスチック光ファイバの裸線の周りに含フッ素ポリオ
レフィン樹脂からなる保護層とその上にナイロン12を
被覆することを特徴とするプラスチック光ファイバケー
ブルを提案している。この文献において含フッ素ポリオ
レフィン樹脂はナイロン12の被覆と比較的強く接着し
ていることを開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高開
口数で曲げによる光ロスが少なく、ガソリンなどの車載
薬品などにも耐性があり、かつ高温高湿度でも安定であ
り、ケーブルの端末部の処理においては、被覆を付けた
まま信頼性高い車載用などに好適なプラスチック光ファ
イバケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
とることにより上記課題を解決したものである。
【0007】即ち本発明のプラスチック光ファイバケー
ブルは、芯と鞘からなるプラスチック光ファイバ裸線の
外側に、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル
%、テトラフロロエチレン成分が28〜40モル%、ヘ
キサフロロプロペン成分が8〜22モル%の接着樹脂か
らなる厚さ2μm〜50μmの接着層と、さらに該接着
層の周囲に厚さ50〜700μmのナイロン12樹脂か
らなる被覆層とを有することを特徴とする。
【0008】本発明において、上記芯を形成する芯樹脂
がポリメチルメタクリレート系樹脂であり、上記鞘を形
成する鞘樹脂が、ビニリデンフロライド成分が40〜6
2モル%、テトラフロロエチレン成分が28〜40モル
%、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%からな
り、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率が1.3
5〜1.37であり、23℃におけるショアD硬度(A
STM D2240)が38〜45である樹脂であるこ
とが好ましく、同時に、上記鞘層と接着層の間にさら
に、ビニリデンフロライド成分が65モル%以上で23
℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)が5
0〜75のビニリデンフロライド系樹脂からなる厚さ5
〜25μmの保護層を有することが好ましい。
【0009】また、望ましくは、上記鞘樹脂が、ビニリ
デンフロライド成分が52〜60モル%、テトラフロロ
エチレン成分が28〜35モル%、ヘキサフロロプロペ
ン成分が9〜13モル%からなり、メルトフローインデ
ックスMI(ASTM D1238、荷重10kg、オ
リフィスの直径2mm、長さ8mmノズルから10分間
に流れる樹脂のg数)が紡糸温度T℃において15<M
I<(5/9)×T−100であり、上記保護層を形成
する保護層樹脂が、ビニリデンフロライド成分が70モ
ル%以上であり、上記接着樹脂が、ビニリデンフロライ
ド成分が52〜60モル%、テトラフロロエチレン成分
が28〜35モル%、ヘキサフロロプロペン成分が9〜
13モル%からなり、メルトフローインデックスMI
(ASTMD1238、荷重10kg、オリフィスの直
径2mm、長さ8mmノズルから10分間に流れる樹脂
のg数)が240℃において15〜50である。
【0010】本発明のプラスチック光ファイバケーブル
は、被覆層の剥離強度が7kg以上に形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック光ファイバ
ケーブルにおいては、芯樹脂としてあらゆる透明な樹脂
を用いることが可能であるが、特に好ましいのはPMM
A系樹脂である。即ちメチルメタクリレートを50重量
%以上含んだ共重合体で、共重合可能な成分としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルな
どのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミド
のようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、ス
チレンなどがあり、これらの中から一種以上適宜選択し
て共重合させたものなどであり、その分子量が重量平均
分子量として8万〜20万程度のものが好ましく、特に
10万〜12万が好ましい。
【0012】本発明に用いる鞘樹脂としては、ビニリデ
ンフロライド成分が40〜62モル%、テトラフロロエ
チレン成分が28〜40モル%、ヘキサフロロプロペン
成分が8〜22モル%の範囲からなる共重合体でナトリ
ウムD線で20℃で測定した屈折率が1.35〜1.3
7の範囲にあり、23℃におけるショアD硬度(AST
M D2240)の値が38〜45の樹脂である。尚、
以下に記載する「ショアD硬度」とは全て上記23℃に
おけるショアD硬度(ASTM D2240)を意味す
る。
【0013】従来のPMMA系樹脂からなる芯とビニリ
デンフロライド系樹脂からなる鞘とから構成されるプラ
スチック光ファイバにおいては、鞘樹脂として用いられ
ているビニリデンフロライド系樹脂からなる鞘は、それ
自信はやや濁っているが、PMMA系樹脂からなる芯と
相溶して透明な相溶相を形成することにより低い伝送損
失を確保していた。しかしながら、この従来のファイバ
を高温高湿度環境下に放置した場合には、上記相溶相が
濁りを生じ、その結果、ファイバの開口数が下がるとい
うことがわかった。
【0014】一方本発明において、芯樹脂としてPMM
A系樹脂を用い、鞘樹脂として上記特定の組成の3元共
重合体を用いる場合には、プラスチック光ファイバの芯
と鞘の境界面に芯樹脂と鞘樹脂が互いに混じり合った相
溶相を全く形成させない。従って、鞘樹脂単独で十分な
透明性を有することが必須である。
【0015】このようなPMMA系樹脂からなる芯と特
定の3元共重合体からなる鞘とを有する構成において
は、PMMA系樹脂からなる芯に軟らかで透明な鞘が吸
盤のようにしっとり貼り付いている状態にあり、両者は
相互に融け合っていない。このような鞘樹脂はある程度
軟らかである必要がある。即ち、上記特定の組成範囲の
ビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサ
フロロプロペンとからなる3元共重合体を鞘樹脂として
用いる場合、該鞘樹脂は、ショアD硬度が38〜45
と、非常に軟らかく設定しなければならない。
【0016】本発明において用いられる鞘樹脂としてよ
り好ましくは、ビニリデンフロライド成分が52〜60
モル%、テトラフロロエチレン成分が28〜35モル
%、ヘキサフロロプロペン成分が9〜13モル%であ
る。このような鞘樹脂のメルトフローインデックスを、
ASTM D1238、荷重10kg、オリフィスの直
径2mm、長さ8mmノズルから10分間に流れる樹脂
のg数、と定義したとき、紡糸温度T℃において、15
〜200g/10分のものが使用できるが、前述のよう
に、芯に貼り付き接着をしていることから、本鞘樹脂と
しては、ファイバの繰り返し曲や引張りなどの時に生じ
るずれに対する耐力が必要なことから、比較的メルトフ
ローインデックスの低目の高分子の強度の強いものが好
ましい。具体的には、上記メルトフローインデックスM
Iが紡糸温度T℃において15<MI<(5/9)×T
−100なる関係のある領域である。尚、以下に記載す
る「メルトフローインデックスMI」とは、全てAST
M D1238、荷重10kg、オリフィスの直径2m
m、長さ8mmノズルから10分間に流れる樹脂のg数
を意味する。
【0017】本発明に用いる鞘樹脂の各成分の含有量
は、NMRにより測定することができる。具体的には、
鞘樹脂試料の適量をアセトン−d6とα,α,α−トリ
フロロトルエンとの混合溶媒に溶解してなる試料溶液を
用意し、観測周波数は1Hが400MHz、19Fが37
6MHzとし、化学シフトの基準物として、1H−NM
Rはテトラメチルシランを基準に換算し、19F−NMR
はトリクロロフロロメタンを基準に換算した。スペクト
ルからの各成分濃度の算出は次式により求めた重量%組
成を、モル%換算する。
【0018】
【数1】
【0019】尚、上記式中、 A:試料溶液中のトリフロロトルエンmmol数 B:1H−NMRで2.2〜2.7ppmと3.0〜
3.8ppmの積分値合計 C:1H−NMRで7.0〜8.5ppmの積分値 D:試料溶液中の試料mg数 E:19F−NMRで−67〜−78ppmの積分値 F:19F−NMRで−62〜−66ppmの積分値
【0020】本発明の用途は主に車載用途やFA用途で
あるが、このような用途では、薬品に対する対策が特に
必要である。ナイロン12はかなりの薬品に対して侵入
を防ぐ有益な樹脂ではあるが、万能ではない。特にガソ
リンなどに対しては別の樹脂で多層構造で防御しなけれ
ばならない。そのようなナイロン12と組合せ、ナイロ
ン12で防ぎ切れない薬品に対して防御性能の強い樹脂
として、ビニリデンフロライド系樹脂からなる保護層を
鞘の外側に配置するのが効果的である。
【0021】上記保護層を形成する保護層樹脂として
は、ビニリデンフロライド成分が65モル%以上でショ
アD硬度が50〜75のビニリデンフロライド系樹脂で
あり、例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチ
レンとの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフロ
ロプロペンとの共重合体、ビニリデンフロライドとテト
ラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体、
などである。この保護層は複合紡糸により裸線を製造す
るときに同時に紡糸するのが便利であるが、電線被覆の
ように、裸線に後被覆することも可能である。保護層の
厚さは5〜25μmであり、この層にはカーボンブラッ
クなどを加えてもよい。
【0022】本発明において、芯・鞘からなるプラスチ
ック光ファイバ裸線或いは芯・鞘・保護層からなるプラ
スチック光ファイバ第1素線に直接ナイロン12の被覆
を施した場合、密着強度は4〜5kgで比較的強いので
はあるが、それ以上強くしてファイバの端末処理に該ナ
イロン12被覆を残して使用する場合にはもう少し密着
強度が必要である。本発明ではこの密着強度を引き抜き
強度で示し、下記のように定義する。
【0023】まず50mmの長さのプラスチック光ファ
イバケーブルをとり、片端から5mmずつ注意深く被覆
をはぎとり、合計長さ20mmの被覆をはぎとり、30
mmについては被覆を残す。被覆を取り除いたプラスチ
ック光ファイバ素線部を1.1mmの孔を明けた5mm
のアクリル板に貫通させ、その素線を引きながら、ナイ
ロン被覆とプラスチック光ファイバ素線が引き抜かれる
強度を測定した値を引き抜き強度とし、該値を超えると
プラスチック光ファイバ素線(或いは裸線)が伸びはじ
めるような強度である。本発明は7kg以上の引き抜き
強度を確保することを目的にしている。
【0024】そこで、本発明では芯・鞘からなる裸線或
いは芯・鞘・保護層からなる第1素線の上に、さらに一
層接着層を配置し第2素線とする。この接着層はビニリ
デンフロライド成分が40〜62モル%、テトラフロロ
エチレン成分が28〜40モル%、ヘキサフロロプロペ
ン成分が8〜22モル%の範囲からなる接着樹脂で形成
される。好ましくは、ビニリデンフロライド成分が52
〜60モル%、テトラフロロエチレン成分が28〜35
モル%、ヘキサフロロプロペン成分が9〜13モル%で
あり、メルトフローインデックスMIが240℃におい
て15〜50の樹脂である。本発明にかかる接着層の厚
さは2〜50μmである。
【0025】本発明においては、上記接着樹脂がナイロ
ン12の被覆層と非常に強固に接着することが本発明の
主たる特徴である。そのため本接着層の上にナイロン1
2を被覆した場合、その引き抜き強度は7kgを超え
る。これは、プラスチック光ファイバ裸線とナイロン被
覆を一体として、端末のコネクター固定などの端末処理
ができることになり端末処理の信頼性を大きく向上させ
るものである。ナイロン12樹脂は十分な剛性と寸法安
定性があり、コネクターの固定方法でも、ナイロン12
の被覆層を締め付けて固定することも十分可能になる。
【0026】上記のような接着層の被覆は、一つは、裸
線或いは第1素線を得た後電線被覆法で行う方法で、も
う一つは、芯・鞘・接着層を同時に3層複合紡糸ダイ
で、或いは、芯・鞘・保護層・接着層を同時に4層複合
紡糸ダイで一気に紡糸する方法で得ることができる。
【0027】本発明のプラスチック光ファイバ裸線の直
径は900μm〜1100μm程度であり、そのうち芯
の直径はプラスチック光ファイバの直径の90.0%〜
99.4%であり、鞘の厚さはプラスチック光ファイバ
の直径の0.3%〜5.0%である。このようなプラス
チック光ファイバ裸線に対し、ナイロン12の被覆層の
厚さは50μm〜700μm必要である。50μm未満
では被覆が困難であり、700μmを超えるとケーブル
が剛直になりすぎるからである。より好ましい厚さは1
00μm〜300μmであり、このようなケーブルはプ
ラスチック光ファイバとナイロン12被覆が一体となっ
た光ファイバとして端末処理が容易に行える。
【0028】端末処理としては、ナイロン12の被覆が
比較的強固に密着しているため、ファイバ端面は切断し
たまま、或いは研磨して用いることができる。この場
合、コネクターとの固定は、フェルールとナイロン12
被覆の間に接着剤で固定したり、フェルールを圧着した
り、或いはナイロン12層に止め歯を打ち込んだりして
行うことができる。さらに好ましくは、特許第2834
811号公報にあるように、先端部を熱板処理し皿状に
膨大化する方法等を組み合わせれば、ピストニングによ
る、問題も完全に防止できるというメリットがある。
【0029】本発明のプラスチック光ファイバケーブル
はそのまま使用されることもあるし、その上にポリエチ
レンやポリ塩化ビニルやポリウレタン、ナイロン12、
ポリプロピレン、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂の外ジ
ャケットを施してより補強したケーブルとして用いるこ
ともできる。これらの被覆材には難燃剤としてメラミン
系のものや赤燐、水酸化マグネシウムなどを加えること
も当然可能である。
【0030】
【実施例】(実施例1)芯樹脂として屈折率nd20
1.492のポリメチルメタクリレート樹脂で重量平均
分子量が10万の樹脂を用いた。鞘樹脂としては、ビニ
リデンフロライド57モル%、テトロフロロエチレン3
2%、ヘキサフロロプロペン11%からなる、メルトフ
ローインデックスMIが27(g/10分)、屈折率が
1.364でショアD硬度が41の樹脂を用いた。保護
層に用いるビニリデンフロライド系樹脂として、ビニリ
デンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20
モル%からなる共重合体で、ショアD硬度が60でカー
ボンブラック入りの樹脂を用いた。
【0031】上記芯樹脂、鞘樹脂、保護層樹脂の三つの
樹脂を3層複合紡糸ダイに導入し、ダイの温度を240
℃で紡糸した。ダイから吐出されたストランドを2倍に
延伸し熱処理して、芯径970μm、鞘厚み7.5μ
m、保護層厚み7.5μmの直径1000μmのプラス
チック光ファイバ第1素線を得た。次いで、このプラス
チック光ファイバ第1素線を電線被覆用のクロスヘッド
ダイに導入し、230℃の温度で接着樹脂を被覆した。
接着樹脂としては、上記鞘樹脂と同じ樹脂を用いた。該
接着層の厚さは20μmであり、結果として直径が10
40μmの第2素線を得た。次いでこの第2素線を電線
被覆用のクロスヘッドダイに導入し、210℃の温度
で、ナイロン12を180μmの厚さに被覆し、直径が
1400μmのケーブルを得た。
【0032】上記プラスチック光ファイバケーブルの伝
送損失を測定した。650nmの単色光で、射NA0.
15で50mの長さで測定した伝送損失値は150dB
/kmであった。
【0033】本プラスチック光ファイバケーブルのナイ
ロン12被覆と、第2素線の引き抜き強度を測定した。
まず50mmの長さのプラスチック光ファイバケーブル
をとり、片端から5mmずつ注意深く被覆をはぎとり、
合計長さ20mmの被覆をはぎとり、30mmについて
は被覆を残した。被覆を取り除いたプラスチック光ファ
イバ第2素線部を1.1mmの孔を明けた5mmのアク
リル板に貫通させ、該第2素線を引きながら、ナイロン
被覆からプラスチック光ファイバ第2素線が引き抜かれ
る強度を測定した。その結果、第2素線が伸び始める7
kg以上の強度を有していた。
【0034】次にこの直径が1.4mmのケーブルを用
いて、クロスヘッドダイ経由で更にナイロン12を外被
覆し、外径2.2mmのプラスチック光ファイバケーブ
ルを得た。
【0035】このナイロン12は難燃剤としてメラミン
シアヌール酸系含有物を用いて難燃性を付与した。その
断面構造を図1に示す。図中、1は芯、2は鞘、3は保
護層、4は接着層、5は被覆層、6は外被覆層、7は裸
線、8は第1素線、9は第2素線である。このケーブル
を用いて耐熱性を評価した。
【0036】伝送特性は650nmLEDを用いて、フ
ァイバの長さ10mの光量の経時変化を測定した。LE
Dの出力は、標準ファイバを保管し、測定毎にそのファ
イバの出力が一定となるようにLEDの出力を調整して
行った。
【0037】ケーブルの端末は直径が2.2mmのナイ
ロン外被覆を剥がし、残りの直径が1.4mmのケーブ
ルを内径が1.45mmのフェルールに挿入し、先端は
180℃の熱板に押しつけ先端部がT型になるように処
理して用いた。この時、ナイロン12の被覆層がプラス
チック光ファイバの芯と鞘を皿状に支えており、ピスト
ニングにより引っ込みも完璧に防止できる。
【0038】その結果、室内保管品では10mの光パワ
ーが−16.3dBmであるのに対し、85℃、95%
湿度条件で1000時間放置したものは−16.6dB
mで高温湿度下でも安定していた。さらにこのケーブル
の耐薬品性を調べた。このケーブルを3mとり、そのう
ち中央部の1mを室温で200時間ガソリンに浸漬した
がそれによる光パワーの変化は0.3dBmであった。
【0039】他の車の薬品として不凍液に対する安定性
を調べた。同様のファイバサンプルで85℃で200時
間浸漬した時の光パワー変化は0.3dBmであった。
【0040】(比較例1)実施例1で得られた芯、鞘、
保護層からなる素線に、接着層を付ける事無くクロスヘ
ッドダイを用いて、ナイロン12を200μmの厚さに
被覆し、直径が1.4mmのプラスチック光ファイバケ
ーブルを得た。本プラスチック光ファイバケーブルにつ
いても実施例1と同様の引き抜き強度を測定した。引き
抜き強度は4.5〜5.5kgであった。
【0041】(比較例2)実施例1の芯樹脂と鞘樹脂を
用い、2層複合紡糸ダイにより芯径980μm、鞘外径
1000μmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。こ
の裸線を直接電線被覆用クロスヘッドダイに導入してナ
イロン12樹脂を200μmの厚さに被覆し、直径が
1.4mmのプラスチック光ファイバケーブルを得た。
本プラスチック光ファイバケーブルについても実施例1
と同様の引き抜き強度を測定した。引き抜き強度は7k
g以上であった。
【0042】次にこの直径が1.4mmケーブルを用い
て、クロスヘッドダイ経由で更にナイロン12を外被覆
し、外径が2.2mmのプラスチック光ファイバケーブ
ルを得て、更なる評価を行った。85℃、95%の高温
湿度条件下では1000時間でも全く安定であったが、
ガソリン浸漬テストにおいては200時間で1.2dB
mの光量変化が観測された。実施例1と同様に不凍液に
対する安定性を調べたところ、同様のファイバサンプル
で85℃で200時間浸漬した時の光パワー変化は3.
0dBmであった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラスチ
ック光ファイバは、ガソリンなどの車載薬品などに対す
る耐性に優れ、さらに高温高湿度環境にも安定であり、
引き抜き強度に優れ、ナイロン12被覆を剥がさずにそ
のまま端末処理を行うことができるため、取扱いが容易
であり、特に車載用配線などとして好ましく用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製したプラスチック光ファ
イバケーブルの断面模式図である。
【符号の説明】
1 芯 2 鞘 3 保護層 4 接着層 5 被覆層 6 外被覆層 7 裸線 8 第1素線 9 第2素線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 214/22 214:26 214:28) Fターム(参考) 2H050 AA15 AB43X AB48Y AC03 AC71 BB03S BB08Q BD03 BD05 4J040 DC091 LA07 LA08 LA10 MA10 MB02 NA17 4J100 AC24P AC26Q AC27R CA05 DA42 DA48 DA63 JA35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯と鞘からなるプラスチック光ファイバ
    裸線の外側に、ビニリデンフロライド成分が40〜62
    モル%、テトラフロロエチレン成分が28〜40モル
    %、ヘキサフロロプロペン成分が8〜22モル%の接着
    樹脂からなる厚さ2μm〜50μmの接着層と、さらに
    該接着層の周囲に厚さ50〜700μmのナイロン12
    樹脂からなる被覆層とを有することを特徴とするプラス
    チック光ファイバケーブル。
  2. 【請求項2】 上記芯を形成する芯樹脂がポリメチルメ
    タクリレート系樹脂であり、上記鞘を形成する鞘樹脂
    が、ビニリデンフロライド成分が40〜62モル%、テ
    トラフロロエチレン成分が28〜40モル%、ヘキサフ
    ロロプロペン成分が8〜22モル%からなり、ナトリウ
    ムD線で20℃で測定した屈折率が1.35〜1.37
    であり、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2
    240)が38〜45である樹脂であり、上記鞘層と接
    着層の間にさらに、ビニリデンフロライド成分が65モ
    ル%以上で23℃におけるショアD硬度(ASTM D
    2240)が50〜75のビニリデンフロライド系樹脂
    からなる厚さ5〜25μmの保護層を有する請求項1記
    載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 上記鞘樹脂が、ビニリデンフロライド成
    分が52〜60モル%、テトラフロロエチレン成分が2
    8〜35モル%、ヘキサフロロプロペン成分が9〜13
    モル%からなり、メルトフローインデックスMIが紡糸
    温度T℃において15<MI<(5/9)×T−100
    であり、上記保護層を形成する保護層樹脂が、ビニリデ
    ンフロライド成分が70モル%以上であり、上記接着樹
    脂が、ビニリデンフロライド成分が52〜60モル%、
    テトラフロロエチレン成分が28〜35モル%、ヘキサ
    フロロプロペン成分が9〜13モル%からなり、メルト
    フローインデックスMI(ASTM D1238、荷重
    10kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmノズル
    から10分間に流れる樹脂のg数)が240℃において
    15〜50である請求項2記載のプラスチック光ファイ
    バケーブル。
  4. 【請求項4】 上記被覆層の引き抜き強度が7kg以上
    である請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック光
    ファイバケーブル。
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