JP2000275179A - 冷却水系の循環水濃縮倍数管理方法 - Google Patents

冷却水系の循環水濃縮倍数管理方法

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JP2000275179A JP11082689A JP8268999A JP2000275179A JP 2000275179 A JP2000275179 A JP 2000275179A JP 11082689 A JP11082689 A JP 11082689A JP 8268999 A JP8268999 A JP 8268999A JP 2000275179 A JP2000275179 A JP 2000275179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくともクーリングタワーと熱交換器とを
有する冷却水系における循環水の濃縮倍数を迅速且つ正
確に求め、また、監視して、冷却水系の循環水濃縮倍数
の適正な管理を行う。 【解決手段】 冷却水系の循環水の濃縮倍数を算出する
に当たり、冷却水系への補給水中のハロゲン分子及び/
又はハロゲン化物と循環水中のハロゲン分子及び/又は
ハロゲン化物の少なくとも後者を化学発光法により定量
して、後者の濃度値/前者の濃度値の比をもって濃縮倍
数とする。遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯
体を酸化して遷移金属元素の酸化数を増加させ、次い
で、得られる酸化体と補給水及び循環水の少なくとも後
者の試料水とを接触させる際に系内に遷移金属のハロゲ
ン化物とヒドロキシ酸及び/又はその塩を共存させて化
学発光せしめ、その発光強度を測定し、ハロゲン分子及
び/又はハロゲン化物の濃度を定量する。検出用試薬と
しては、例えば、発光物質としてはルテニウム錯体を用
い、検出対象物質としては沃素分子や沃化物を補給水に
添加して用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水系の循環水
濃縮倍数管理方法に関し、詳しくは、冷却水系の循環水
の濃縮倍数を算出するに当たり、ハロゲン分子及び/又
はハロゲン化物を化学発光法により検出、定量する方法
によって、安定的且つ効率的な冷却水系の循環水濃縮倍
数管理を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】少なくともクーリングタワーと熱交換器
を有し、冷却水を繰り返し使用する冷却水系において、
循環水の濃縮倍数を管理することが種々のトラブルを防
ぐために重要である。循環水系において発生する障害は
一般的に腐食障害、スケール障害、スライム障害等があ
り、これらが原因となって、ポンプ動力の増大、熱交換
器の熱伝達係数の低下、管の閉塞、管や装置等の腐食、
循環水が漏れた時の周辺や製品の汚染、装置内の汚物
(スラッジ)沈積等のトラブルが発生する。
【0003】循環水の濃縮は、主にクーリングタワーで
の蒸発によって生じ、上記の各障害を防止するために、
防食剤、スラッジ分散剤、スケール防止剤、スライム防
除剤(スライムコントロール剤)等の添加水処理薬剤の
循環水中濃度と水質を可及的に一定に保つための強制ブ
ローと補給水の供給が行われる。濃縮倍数は、循環水中
での塩類濃度が補給水に比較して何倍になっているかを
示す指標である。冷却水系が定常状態で運転されている
場合は、補給水と共に系内に流入する溶存塩類の量と、
ブロー水及び飛散水に含まれて系外に排出される溶存塩
類の量は等しくなる。
【0004】循環水の高濃縮化による補給水量の減少の
程度は、濃縮倍数5倍程度までが著しく、それ以上は濃
縮倍数を上げても顕著な減少はない。一方、高濃縮倍数
での冷却水系の運転は循環水の水質悪化を招き、上記の
ような種々のトラブルを生じ易くするだけでなく、添加
水処理薬剤の効果の持続性にも限度があるため、適度の
濃縮倍数を選定する必要がある。上記冷却水系の運転
は、通常、循環水の濃縮倍数が約5倍以下で行われてい
る。
【0005】循環水の濃縮倍数を求める方法としては、
一般に補給水と循環水の電気伝導度の測定を用いる方法
が採られている。しかし、この方法は、循環水のpH等
の影響を受け易く、正確な濃縮倍数を求めることはでき
ない。補給水には、通常約50〜100ppm程度の塩
素イオンが含まれており、正確に循環水の濃縮倍数を求
める方法として、補給水と循環水の塩素イオン濃度をイ
オンクロマト法で測定する方法もあるが、長時間を要
し、そのデータはフィードバック情報としては殆ど価値
が無い場合も生じ、また、コストも高いなどの欠点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、少なくともクーリングタワーと熱
交換器とを有する冷却水系における循環水の濃縮倍数を
迅速且つ正確に求め、また、監視することもできる冷却
水系の循環水濃縮倍数管理方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ハロ
ゲン分子及び/又ハロゲン化物濃度を化学発光法を用い
て測定することができるという知見を得、この知見に基
づいて上記冷却水系の循環水濃縮倍数管理を行うことが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、少なくともクーリングタ
ワーと熱交換器とを有する冷却水系において、冷却水系
の循環水の濃縮倍数を算出するに当たり、冷却水系への
補給水中のハロゲン分子及び/又はハロゲン化物と循環
水中のハロゲン分子及び/又はハロゲン化物の少なくと
も後者を化学発光法により定量して、後者の濃度値/前
者の濃度値の比をもって濃縮倍数とすることを特徴とす
る冷却水系の循環水濃縮倍数管理方法を提供するもので
ある。本発明の方法は、化学発光法を利用して補給水と
循環水の少なくとも後者中のハロゲン分子及び/又はハ
ロゲン化物を定量して、冷却水系の循環水濃縮倍数管理
が行える限り、如何なる態様により実施することもでき
る。冷却水系の補給水には一般に塩素イオンが含まれ、
これを化学発光法による検出対象物質として本発明の方
法を実施することもできるが、補給水にハロゲン分子及
び/又はハロゲン化物を添加し、少なくともこれを化学
発光法による検出対象物質として本発明の方法を実施す
るのが好ましい。
【0009】本発明の方法において、好ましい代表的な
化学発光法は、遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子と
の錯体を酸化して遷移金属元素の酸化数を増加させ、次
いで、得られる酸化体と補給水及び循環水の少なくとも
後者の試料水とを接触させる際に、系内に遷移金属のハ
ロゲン化物とヒドロキシ酸及び/又はその塩を共存さ
せ、化学発光を生じさせる方法である。ここで、遷移金
属のハロゲン化物とヒドロキシ酸及び/又はその塩は、
化学発光物質である遷移金属元素と含窒素芳香族系配位
子との錯体の酸化体を化学発光させる化学発光原因物質
であるハロゲン分子やハロゲン化物で該酸化体を化学発
光させる際の或る種の発光助剤として機能するが、これ
らが補給水や循環水に必要量含まれていることは稀なの
で、これらを補給水と循環水の少なくとも後者の試料水
に添加して定量するのが好ましい。なお、スライム防除
剤等として機能するイソチアゾロン類及び/又はスケー
ル防止剤等として機能するポリカルボン酸類が添加され
ている冷却水系では、これらも化学発光原因物質として
働くことが本発明者等により見出されているが、試料水
の化学発光強度(以下、「発光強度」と言う)は、イソ
チアゾロン類による発光強度及び/又はポリカルボン酸
類による発光強度とハロゲン分子及び/又はハロゲン化
物による発光強度の和として現れる。ただし、イソチア
ゾロン類やポリカルボン酸類は、系内に遷移金属のハロ
ゲン化物とヒドロキシ酸及び/又はその塩が共存しなく
ても発光するため、遷移金属のハロゲン化物とヒドロキ
シ酸及び/又はその塩を共存させた場合の発光強度と共
存させなかった場合の発光強度の差を測定することで、
系内にイソチアゾロン類やポリカルボン酸類が共存して
いても、ハロゲン分子及び/又はハロゲン化物の濃度を
定量することが可能である。
【0010】本発明では、化学発光法による検出対象物
質として沃素分子及び/又は沃化物を用いるのが好まし
い。上記冷却水系には沃素分子や沃化物は通常殆ど含ま
れておらず、しかも上記の好ましい化学発光法で沃素分
子及び/又は沃化物は極めて高い感度で定量できるた
め、その添加量を適当なものとすれば、濃縮倍数の算出
に当たり、冷却水系中の他の化学発光原因物質の存在を
無視できる場合も多いからである。このような場合は、
沃素分子や沃化物の補給水中濃度は、その添加濃度をそ
のまま濃縮倍数を算出する際のその濃度として簡易に用
いることができるが、化学発光法で測定した濃度を用い
てもよいのは勿論である。
【0011】本発明においては、冷却水系の補給水と循
環水の少なくとも後者からサンプリングした試料水を化
学発光法による測定に供し、検出対象物質としてのハロ
ゲン分子及び/又はハロゲン化物の濃度を求める。より
具体的には、例えば、試料水の発光強度の測定値を、予
め作成しておいた検量線と対比することにより検出対象
物質の濃度を算出する。なお、実試料水自体の発光強度
を測定するのが一般的であるが、必要に応じて実試料水
の希釈液、濃縮液又は精製液の発光強度を測定して、検
出対象物質の濃度を算出することもできる。
【0012】本発明で検出用試薬(発光物質)として用
いることができる遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子
との錯体における遷移金属元素としては、例えば、ルテ
ニウム、イリジウム、クロム、コバルト、鉄、ロジウ
ム、オスミウム等が挙げられる。これらのうち、特に好
ましい遷移金属元素は、低毒性や高発光効率などの点で
ルテニウムとオスミウムである。一方、含窒素芳香族系
配位子としては、例えば、ビピリジン、ビピラジン、フ
ェナントロリン及びこれらの誘導体が挙げられる。ここ
で言う誘導体とは、ビピリジン、ビピラジン、フェナン
トロリン中のピリジン環又はピラジン環内の炭素原子に
直接結合した水素原子の少なくとも一つが他の置換基に
よって置換されているものを指す。このような置換基の
例としては、メチル基、フェニル基、ビニル基、カルボ
キシル基、カルボン酸エステル基、硫酸基、硫酸アミド
基、水酸基、アミノ基、アミド基、アンモニウム基、ピ
リジニウム基等が挙げられる。含窒素芳香族系配位子の
若干の具体例としては、2,2’−ビピリジン、2,
2’,5,5’−ビピラジン、1,10−フェナントロ
リン、バソフェナントロリン、4,4’−ジカルボキシ
−2,2’−ビピリジン及びその塩、4,4’−ジカル
ボキシ−2,2’−ビピリジンのモノ−及びジ−アルキ
ルエステル及びそれらの塩、4,4’−ジカルボキシ−
2,2’−ビピリジンのモノ−及びジ−N−ヒドロキシ
スクシンイミド及びそれらの塩、4,4’−ジスルホン
酸−2,2’−ビピリジン及びその塩、4−メチル−
4’−ビニル−2,2’−ビピリジン及びその単独重合
体と共重合体、4−クロロメチル−4’−メチル−2,
2’−ビピリジン、4,4’−ジ(クロロメチル)−
2,2’−ビピリジン、バソフェナントロリンジスルホ
ン酸及びその塩等が挙げられる。これらのうち、特に好
ましい含窒素芳香族系配位子は、2,2’−ビピリジン
と1,10−フェナントロリンである。
【0013】また、本発明で検出用試薬として遷移金属
元素と含窒素芳香族系配位子との錯体と共に用いること
ができる遷移金属のハロゲン化物としては、例えば、ル
テニウム、イリジウム、クロム、コバルト、鉄、ロジウ
ム、オスミウム等のハロゲン化物が挙げられる。これら
のうち、特に好ましい遷移金属のハロゲン化物は、塩化
ルテニウム(III) 、塩化鉄(III) である。このような遷
移金属のハロゲン化物の試料水中の量は、遷移金属元素
と含窒素芳香族系配位子との錯体1モルに対し、好まし
くは0.005〜0.4モル、より好ましくは0.01
〜0.2モルである。なお、このような遷移金属のハロ
ゲン化物は、遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との
錯体中に元々混入している場合もあるため、その混入量
が充分である場合には、新たに添加する必要はない。こ
のような遷移金属のハロゲン化物の量が上記錯体1モル
に対し0.005モル未満では、ハロゲン分子やハロゲ
ン化物を高感度では測定することはできない。一方、遷
移金属のハロゲン化物の量が上記錯体1モルに対し0.
4モルを超えると、ハロゲン分子やハロゲン化物の測定
感度が著しく低下するため好ましくない。
【0014】また、本発明で検出用試薬として用いるこ
とができるヒドロキシ酸及び/又はその塩とは、一分子
中にカルボキシル基とアルコール性水酸基とを持つ有機
化合物及び/又はその塩を指すものである。上記ヒドロ
キシ酸の例としては、α−乳酸、β−乳酸、γ−ヒドロ
キシ吉草酸、グリセリン酸、酒石酸、グリコール酸、リ
ンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、トロパ酸、ベンジル酸
等が奉げられる。また、これらのヒドロキシ酸の塩とし
ては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ア
ンモニウムの塩が挙げられる。具体例としては、α−乳
酸リチウム、α−乳酸ナトリウム、α−乳酸カルシウ
ム、α−乳酸鉄、クエン酸三ナトリウム、クエン酸カル
シウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、クエン
酸第一鉄ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カ
リウム、リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、
グルコン酸亜鉛、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅等が
挙げられる。特に好ましいヒドロキシ酸又はその塩の例
としては、酒石酸、グリコール酸、乳酸リチウム、リン
ゴ酸ナトリウムが挙げられる。このようなヒドロキシ酸
及び/又はその塩の量は、遷移金属元素と含窒素芳香族
系配位子との錯体1モルに対し、好ましくは0.2〜1
00モル、より好ましくは0.5〜50モルの範囲で用
いることができる。ヒドロキシ酸及び/又はその塩の量
が上記錯体1モルに対し0.2モル未満では、ハロゲン
分子やハロゲン化物を高感度では測定することはできな
い。一方、ヒドロキシ酸及び/又はその塩の量が上記錯
体1モルに対し100モルを越えると、ハロゲン分子や
ハロゲン化物の測定を行う際にヒドロキシ酸及び/又は
その塩が測定を妨害するようになるため好ましくない。
【0015】本発明で利用される化学発光の一般的な発
光機構について、トリス(2,2’−ビピリジル)ルテ
ニウム(II)錯体を例として説明する。ルテニウムが2
価のトリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(II)
錯体は、酸化を受けるとルテニウムが3価のトリス
(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(III) 錯体とな
り、これが化学発光原因物質により還元され、その化学
反応のエネルギーにより、励起状態の2価錯体を生成
し、これが基底状態の2価錯体となる時に過剰のエネル
ギーを発光として放出するものと考えられる。この時の
発光波長は、610〜620nm近辺である。ただし、
本発明の系において、遷移金属のハロゲン化物やヒドロ
キシ酸及び/又はその塩が或る種の発光助剤として発光
機構にどのような影響を与えているのかについては、不
明確な点が多く、今後の検討課題である。以下、遷移金
属錯体の代表例としてルテニウム錯体を採り、これを中
心として説明するが、本発明がこれに限定されないこと
は勿論である。
【0016】上述のことから明らかな様に、本発明の方
法においてハロゲン分子やハロゲン化物を検出しようと
する場合、遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯
体を酸化して中心金属である遷移金属元素の酸化数(価
数)を増加させた状態にしてやることが必要である。こ
の遷移金属の酸化方法には幾つかの方法が知られてお
り、例えば、遷移金属を酸化剤を用いて酸化する方法
〔酸化剤として二酸化鉛、酸化ビスマス、酸化金などの
金属酸化物を用い、この金属酸化物をカラムに充填し、
ルテニウム錯体等の遷移金属錯体をカラムに通すことで
酸化する方法(特開平5−302895号公報)、酸化
剤としてペルオキソ二硫酸カリウム等を水に溶解して用
い、この酸化剤と遷移金属錯体を共存させた状態で光を
照射して光化学的に酸化する方法(山崎重雄等、J. Hig
h Resol. Chromatogr., 21, 315〜316, 1998)、酸化
剤として二酸化鉛/硫酸水溶液を用いる方法など〕、電
極上で電気化学的に遷移金属を酸化する方法(特開平5
−52755号公報)等が挙げられる。本発明において
は、遷移金属の酸化方法に特に制限はなく、いずれの酸
化方法を用いても良い。
【0017】このように、遷移金属錯体が発光するため
には、励起状態の活性種を生成してやることが重要であ
り、本発明の系にルテニウムハライド等の遷移金属のハ
ロゲン化物とヒドロキシ酸を加えることで、その詳細な
機構は不明であるが、ハロゲン分子やハロゲン化物の高
感度での検出が可能となる。一方、多くの有機系還元性
物質や無機塩では、ルテニウム錯体等の遷移金属錯体と
反応はするものの励起状態の活性種(錯体等)が形成さ
れないため、発光は示さない。従って、本発明において
用いることができる化学発光法は、高感度での分析が可
能な上に選択性にも優れた方法であり、冷却水系の循環
水濃縮倍数管理を効果的に行うことができる。
【0018】また、上記の酸化により得られるトリス
(2,2’−ビピリジル)ルテニウム(III) 等は、含水
溶媒中では不安定なため、調製後、速やかにハロゲン分
子及び/又はハロゲン化物と化学発光反応させる必要が
ある。
【0019】本発明で検出対象物質となることができる
ハロゲン分子としては、弗素分子、塩素分子、臭素分
子、沃素分子が挙げられる。これらのうち、特に沃素分
子の検出感度が極めて高く、かなりの低濃度でも測定が
可能である。
【0020】また、本発明で検出対象物質となることが
できるハロゲン化物とは、ハロゲンXとこれより電気陰
性度の小さい元素もしくは原子団Aとの化合物AXを指
すものである。このAXは、水溶性の共有結合性分子で
あってもイオン結合性分子であっても良い。ただし、遷
移金属はAとしては除外される。
【0021】水溶性の共有結合性ハロゲン化物の例とし
ては、Aが有機基や周期律表 IIIA族もしくはIVA族元
素の場合であり、クロロホルム、塩化ビニル、トリクロ
ロエタン、塩素化イソシアヌル酸、クロロ酢酸、クロロ
アセトアルデヒド、クロロアニリン、ジクロロアニリ
ン、クロロアセトフェノン、ジクロロベンゾフェノン、
クロロ安息香酸、ジクロロ安息香酸、クロロニトロアニ
リン、クロロフェニル酢酸、クロロフェノール、クロロ
ベンズアルデヒド、臭化ビニル、ジブロモプロパノー
ル、ブロモ酢酸、ブロモ酪酸、N−ブロモコハク酸イミ
ド、沃化安息香酸、チロキシン、塩化アルミニウム、ポ
リ塩化アルミニウム等が挙げられる。ただし、ハロゲン
が弗素のみの共有結合性弗化物については、その安定性
が極めて高いため、本発明における化学発光法の検出対
象物質からは除外する。
【0022】イオン結合性ハロゲン化物の例としては、
Aが水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属やアンモニ
ウム等の場合であり、具体例としては、弗化水素酸、塩
化水素酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化リチウム、塩
化リチウム、臭化リチウム、沃化リチウム、弗化ナトリ
ウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、沃化ナトリウ
ム、弗化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、沃化
カリウム、弗化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化
マグネシウム、沃化マグネシウム、弗化カルシウム、塩
化カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム、酸性
弗化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウ
ム、沃化アンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフルオライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、
テトラメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロライド、トリブチルベンジルアン
モニウムクロライド、N−ラウリルピリジニウムクロラ
イド、N−ベンジルピコリニウムクロライド、N−ラウ
リルピコリニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラエチルアンモニラムブロマイド、
テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチル
アンモニウムブロマイド、トリメチルフェニルアンモニ
ウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムブロ
マイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テト
ラブチルアンモニウムアイオダイド等が挙げられる。こ
れらのハロゲン化物のうち、特に沃化物が極めて高い検
出感度で測定可能なため、検出対象物質としては好まし
い。
【0023】本発明の方法においてハロゲン分子及び/
又はハロゲン化物を検出する際の測定条件としては、特
に制限はなく、測定温度、pH、試料水の濃度等は任意
に設定することができる。ただし、ハロゲン分子及び/
又はハロゲン化物の検出感度は、測定温度、pHの影響
を受けるため、これらに関しては一定した測定条件で測
定を行うのが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明するが、本発明はこのような実施の形態に限定
されるものではない。
【0025】本発明の冷却水系の循環水濃縮倍数管理方
法において、検出対象物質の検量線を予め作成してお
く。この様な検量線は、検出対象物質を含まないブラン
ク水及び異なる既知検出対象物質濃度の幾つかの対照水
の発光強度の測定を行って作成する。なお、ブランク水
としては、検出対象物質のみを含まず他の成分(例え
ば、不純物成分や添加水処理薬剤)は同じブランク水を
用いるのが測定精度の点では好ましいことは勿論である
が、他の検出対象物質に比べて極めて高感度での検出が
可能な沃素分子や沃化物を検出対象物質として用いる場
合は、その添加量を適量とすることにより、他の成分の
影響は無視できる場合が多い。
【0026】検出対象物質であるハロゲン分子やハロゲ
ン化物は、通常の補給水や循環水そのままを用いて化学
発光法により充分な感度で検出できるが、必要に応じて
希釈、濃縮又は精製等の操作を行ってから化学発光法に
よる検出に供してもよい。補給水中に元々含まれる塩素
イオンを検出対象物質として、これを化学発光法を利用
して検出し、本発明の方法を実施する場合に、冷却水系
にスライム防除剤等としてのイソチアゾロン類やスケー
ル防止剤等としてのポリカルボン酸類が添加されている
時は、これらが妨害物質として影響するので、クロマト
カラム等で試料水を精製してイソチアゾロン類やポリカ
ルボン酸類を実質的に含まない検出対象物質含有溶出液
(精製液)の発光強度を測定し、測定発光強度値を最初
の試料水の検出対象物質濃度に換算し、その定量を行う
こともできるが、その操作は煩雑となり、時間と労力を
要することとなる。しかし、この方法を実施する場合も
本発明の実施であることに変わりない。
【0027】次に、本発明において好ましい化学発光法
を実施する装置について説明する。装置は、基本的にヒ
ドロキシ酸を含むキャリア溶液を送液するポンプ、ハロ
ゲン分子及び/又はハロゲン化物を含む試料水をキャリ
ア溶液中に注入するインジェクター、遷移金属元素と含
窒素芳香族系配位子との錯体と遷移金属のハロゲン化物
を含む溶液を送液するポンプ、遷移金属元素と含窒素芳
香族系配位子との錯体を酸化する酸化反応器、キャリア
溶液、試料水及び遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子
との錯体と遷移金属のハロゲン化物を含む溶液を混合す
る混合器、発光を検出する検出器、検出器で得られたデ
ータを記録するデータプロセッサーで構成される。ただ
し、場合によっては、ヒドロキシ酸を含むキャリア溶液
とハロゲン分子及び/又はハロゲン化物を含む試料水と
を予め混合し、混合物を連続的に供給することもあるた
め、そのような系ではインジェクターは不要となる。ま
た、混合器としては、インラインミキサー、混合コイル
等でもよく、混合後の混合物は直ちに検出に供されるの
が望まれるので、検出器に混合器を付設したり、検出器
中で攪拌混合や合流混合する様な構成の検出器が混合器
をも兼ねるものでもよい。
【0028】上記の酸化反応器としては、遷移金属元素
と含窒素芳香族系配位子との錯体を酸化させる酸化方式
により異なる反応器が用いられる。例えば、酸化剤とし
て二酸化鉛、酸化ビスマス、酸化金などの金属酸化物を
用いる場合には、この金属酸化物をカラムに充填させた
ものを反応器として用いる。また、酸化剤としてペルオ
キソ二硫酸カリウム等を用いる場合には、この酸化剤と
遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体を共存さ
せた状態で光を照射して光化学的に酸化させることが可
能な装置を反応器として用いる。一方、電極上で電気化
学的に遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体を
酸化する方法を採用する場合には、安定化直流電源を備
えた電解酸化装置を反応器として用いる。
【0029】なお、検出対象物質が水溶性共有結合性ハ
ロゲン化物の場合、検出対象物質からハロゲンイオンを
遊離させ、検出感度を高めるため、例えば、紫外線を発
する光源と紫外線照射下に置かれたリアクションコイル
からなる光反応装置を上記装置に付加するのも好まし
い。
【0030】図1は、このような装置の一例を示すフロ
ー図である。ルテニウム錯体等の遷移金属元素と含窒素
芳香族系配位子との錯体と遷移金属のハロゲン化物とを
含む溶液(図1では、この溶液を「Ru錯体溶液」で代
表している)とヒドロキシ酸を含むキャリア溶液は、そ
れぞれポンプ11、12により供給される。なお、酸化
反応器として光化学的な酸化反応器を用いる場合には、
遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体と遷移金
属のハロゲン化物とを含む溶液に、ペルオキソ二硫酸カ
リウム等の酸化剤を予め添加しておくのが望ましい。ル
テニウム錯体等の遷移金属元素と含窒素芳香族系配位子
との錯体と遷移金属のハロゲン化物とを含む溶液は、酸
化反応器14で連続的に酸化されて混合器付検出器15
に供給される。一方、ヒドロキシ酸を含むキャリア溶液
には、インジェクター13からハロゲン分子及び/又は
ハロゲン化物を含む試料水の一定量が注入され、混合器
付検出器15に供給される。混合器付検出器15ではヒ
ドロキシ酸を含むキャリア溶液、ハロゲン分子及び/又
はハロゲン化物を含む試料水及びルテニウム錯体等の遷
移金属元素と含窒素芳香族系配位子との錯体と遷移金属
のハロゲン化物とを含む溶液が混合されて反応し、発光
が起こる。この発光が検出器15で検出され、発光強度
がデータプロセッサー16に記録される。検出器15に
は、光電子倍増管、アバランシェフォトダイオード、イ
メージインテンシファイヤー等を用いることができる。
【0031】検出対象物質として、弗化カリウム、塩化
カリウム、沃化カリウム、沃素分子を純水で希釈して表
1の濃度のモデル試料水を調製して用いた以外は、下記
の実施例1と同様の条件下で発光強度を測定した結果を
表1に示す。これらの検出対象物質は何れも化学発光
し、本発明の方法に利用できることが分かる。特に、沃
化カリウムと沃素分子は非常に低濃度であっても極めて
高感度で検出可能で、条件を選べば、沃化カリウム等の
沃化物や沃素分子を検出対象物質として補給水に添加し
て、補給水と循環水の少なくとも後者の試料水の発光強
度を測定することにより、冷却水系に他の妨害物質(塩
素イオン、イソチアゾロン類、ポリカルボン酸類等)が
存在しても妨害物質による発光強度を無視し得ることが
分かるが、勿論、妨害物質の影響を差し引いて濃縮倍数
を求めてもよい。この場合、補給水中へ検出対象物質と
して添加した沃素分子や沃化物の補給水中濃度をそのま
ま化学発光法で定量すること無く濃縮倍数の算出に用い
ることもできる。
【0032】
【表1】
【0033】イソチアゾロン類やポリカルボン酸類は、
発光助剤(遷移金属のハロゲン化物とヒドロキシ酸)無
しで化学発光することが本発明者等により見出されてい
るので、これらについては発光助剤の添加無しで発光強
度を測定しておき、補給水中に含まれる塩素イオンを検
出対象物質とし、補給水にハロゲン分子やハロゲン化物
を添加すること無しに、補給水と循環水の各試料水の発
光強度を測定し、イソチアゾロン類やポリカルボン酸類
の影響を差し引いて濃縮倍数を求めることも理屈の上で
は可能であるが、信頼性が低いものとなるので、信頼性
を高めるには上述の様にクロマトカラム等を用いた精製
を行うのが望ましい。
【0034】以上述べた様に、本発明における検出対象
物質濃度測定手順は、通常、簡便で、測定値も再現性良
く迅速に得られるために、冷却水系の循環水濃縮倍数管
理を簡単に行うことができる。つまり、循環水濃縮倍数
管理は、化学発光法によって求めた濃縮倍数値に基づい
て、補給水の供給と強制ブローを適宜行えばよい。ま
た、オンライン装置として化学発光分析機器(例えば、
図1の装置)を冷却水系に設置し、該分析機器からの出
力信号を変換部で操作出力に変換し、補給水供給ポンプ
のストロークや強制ブロー弁の開度を自動制御すれば循
環水の濃縮倍数を適正に保つことが容易にできる。
【0035】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、実施例は本発明の一実施態様を説明するもので
あり、本発明を何ら限定するものではない。
【0036】実施例1 補給水中の沃素イオン濃度が0.1ppmとなる様に沃
化カリウムを添加し、下記の条件でクーリングタワーと
熱交換器を有する冷却水系のパイロットプラントを運転
した。 水質:戸田工業用水 保有水量:2トン 循環水量:1トン/分 熱交換器の冷却水入口水温:30℃ 熱交換器の冷却水出口水温:35℃ 蒸発損失量:9kg/分 飛散損失量:1kg/分
【0037】なお、循環水の濃縮倍数を約5倍とするた
め、強制ブロー量と補給水量を下記の様に設定した。 強制ブロー水量:1.3kg/分 補給水量:11.3kg/分
【0038】運転が定常状態に達した後、循環水をサン
プリングし、その試料水を化学発光法及びイオンクロマ
ト法により沃素イオン濃度を測定した。
【0039】化学発光法による沃素イオン濃度の測定
は、図1に示した装置を用いて行った。なお、図1中の
酸化反応器としては、光化学的酸化装置〔20Wの蛍光
灯に内径1mmポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)チューブを巻き付けたものであり、反応時間(滞留
時間)は約1.5分〕14を用いた。
【0040】本実施例における化学発光法における沃素
イオン濃度測定条件は、補給水に含まれる塩素イオンや
冷却水系に添加されたイソチアゾロン類やポリカルボン
酸類が存在したとしても、これらに起因する発光強度が
沃素イオンに起因する発光強度と比べると殆ど無視でき
る程に弱くなる条件であった。
【0041】試料水をインジェクター13から20μL
(マイクロリットル)ずつキャリア溶液中に注入した。
キャリア溶液としては、酒石酸を50ミリモル/L濃度
の燐酸緩衝液(pH:2.5)に溶解させ、1ミリモル
/Lの濃度に調製したものを用い、0.5ml/分で送
液した。
【0042】一方、ルテニウム錯体を含む溶液として
は、トリス(2,2’−ビピリジル)ジクロロルテニウ
ム(II)と三塩化ルテニウムとペルオキソ二硫酸カリウ
ムとを10ミリモル/L(リットル、以下同様)濃度の
アセテート緩衝液(pH:3.3)に溶解させ、それぞ
れ0.5ミリモル/L、65マイクロモル/L、1ミリ
モル/Lの濃度に調製したものを用いた。このルテニウ
ム錯体を含む溶液を0.5ml/分で送液して酸化反応
器(光化学的酸化装置)14に供給し、Ru(II)をR
u(III) に酸化した。
【0043】前記の表1のRun No. 4〜9のデータを基
にして作成した検量線を用いて化学発光法により測定し
た循環水からサンプリングした試料水の沃素イオン濃度
の経過日数に対する変化をイオンクロマト法により測定
した沃素イオン濃度と共に表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から明らかな様に、化学発光法
により定量された沃素イオン濃度は、補給水中の沃素イ
オン濃度の約5倍で推移しており、循環水の濃縮倍率の
管理が本発明の方法で簡便に達成できることが分かっ
た。化学発光法及びイオンクロマト法により定量された
沃素イオン濃度は、概ね一致しており、化学発光法によ
る濃縮倍率の測定が定量的にも問題無いことが確認され
た。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、冷却水系の循環水濃縮
倍数管理方法において、ハロゲン分子及び/又はハロゲ
ン化物を検出対象物質として化学発光法により循環水濃
縮倍数を容易且つ迅速にしかも精度良く求め、また、監
視することもできるので、冷却水系の管理が容易とな
り、冷却水系の運転を安定的に経済的且つ合理的に実施
することができる。また、本発明で用いる検出対象物質
の検出は、応答速度が早い(発光反応に要する時間が短
い)ため、特に最近注目されている連続流れ分析法(F
IA: Flow Injection Analysis)に代表される全自動
連続測定系を組み込んだ冷却水系の循環水濃縮倍数の管
理方法への展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明において化学発光法を実施する
ための装置の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
11、12 ポンプ 13 インジェクター 14 酸化反応器 15 検出器 16 データプロセッサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇田川 淳 東京都江東区新砂1丁目2番8号 オルガ ノ株式会社内 Fターム(参考) 2G042 AA01 BA10 BB18 BC09 CA02 CB03 DA03 DA06 DA09 EA01 FA06 FB02 GA05 2G054 AA02 AB07 BB01 BB04 CA10 CB10 EA01 JA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともクーリングタワーと熱交換器
    とを有する冷却水系において、冷却水系の循環水の濃縮
    倍数を算出するに当たり、冷却水系への補給水中のハロ
    ゲン分子及び/又はハロゲン化物と循環水中のハロゲン
    分子及び/又はハロゲン化物の少なくとも後者を化学発
    光法により定量して、後者の濃度値/前者の濃度値の比
    をもって濃縮倍数とすることを特徴とする冷却水系の循
    環水濃縮倍数管理方法。
  2. 【請求項2】 前記補給水にハロゲン分子及び/又はハ
    ロゲン化物を添加することを特徴とする請求項1に記載
    の冷却水系の循環水濃縮倍数管理方法。
  3. 【請求項3】 前記化学発光法が、遷移金属元素と含窒
    素芳香族系配位子との錯体を酸化して遷移金属元素の酸
    化数を増加させ、次いで、得られる酸化体と前記補給水
    及び前記循環水の少なくとも後者の試料水とを接触させ
    る際に、系内に遷移金属のハロゲン化物とヒドロキシ酸
    及び/又はその塩を共存させ、化学発光を生じさせる方
    法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却
    水系の循環水濃縮倍数管理方法。
  4. 【請求項4】 発光助剤として、遷移金属のハロゲン化
    物とヒドロキシ酸及び/又はその塩を前記試料水に添加
    することを特徴とする請求項3に記載の冷却水系の循環
    水濃縮倍数管理方法。
  5. 【請求項5】 ハロゲン分子及び/又はハロゲン化物
    が、沃素分子及び/又は沃化物であることを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載の冷却水系の循環水濃
    縮倍数管理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102645427A (zh) * 2012-03-13 2012-08-22 常州大学 一种采用荧光示踪物质检测水处理剂含量的方法
CN112214044A (zh) * 2020-09-04 2021-01-12 华电电力科学研究院有限公司 一种基于总量控制的循环水自动控制系统及方法

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CN102645427A (zh) * 2012-03-13 2012-08-22 常州大学 一种采用荧光示踪物质检测水处理剂含量的方法
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CN112214044B (zh) * 2020-09-04 2023-04-07 华电电力科学研究院有限公司 一种基于总量控制的循环水自动控制系统及方法

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