JP2000273699A - 陽極化成装置、陽極化成用電極、基板の処理方法及び基板の製造方法 - Google Patents

陽極化成装置、陽極化成用電極、基板の処理方法及び基板の製造方法

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JP2000273699A
JP2000273699A JP11082351A JP8235199A JP2000273699A JP 2000273699 A JP2000273699 A JP 2000273699A JP 11082351 A JP11082351 A JP 11082351A JP 8235199 A JP8235199 A JP 8235199A JP 2000273699 A JP2000273699 A JP 2000273699A
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Kenji Yamagata
憲二 山方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極化成の際のシリコン基板の汚染や化成異常
を低減する。 【解決手段】処理対象のシリコン基板101の表面側と
マイナス電極106との間にはHF溶液107を満た
し、シリコン基板101の裏面側には円環状のプラス電
極110を接触させて、該基板に陽極化成処理を施す。
プラス電極110の表面には、シリコン基板101を真
空吸着するための溝110aが設けられている。円環状
のプラス電極110を採用することにより、シリコン基
板101とプラス電極110との接触面積を小さくする
ことができ、シリコン基板101の汚染が低減される。
また、シリコン基板101をプラス電極110に吸着す
ることにより、内部応力によるシリコン基板101の変
形に起因する化成異常の発生を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陽極化成装置、陽
極化成用電極、基板の処理方法及び基板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】多孔質シリコンは、A.Uhlir及びD.R.Tur
nerにより、弗化水素酸の水溶液中において単結晶シリ
コンを正電位にバイアスして、これを電解研磨する研究
の過程で発見された。
【0003】その後、多孔質シリコンの反応性に富む性
質を利用して、該多孔質シリコンをシリコン集積回路の
製造の際の素子分離工程に応用する検討がなされ、多孔
質シリコン酸化膜による完全分離技術(FIPOS: Full Iso
lation by Porous OxidizedSilicon)等が開発された(K.
Imai, Solid State Electron 24, 159, 1981)。
【0004】また、最近では、多孔質シリコン基板上に
シリコンエピタキシャル層を成長させて、該基板を酸化
膜を介して非晶質基板や単結晶シリコン基板に貼り合せ
る直接接合技術等への応用技術が開発された(特開平5-
21338号)。
【0005】その他の応用として、多孔質シリコンは、
それ自体が発光するフォトルミネッセンスやエレクトロ
ルミネッセンス材料としても注目されている(特開平6-
338631号)。
【0006】以下、多孔質シリコン層を有する基板を製
造するための従来の陽極化成装置について説明する。
【0007】図9は、第1の従来例に係る陽極化成装置
の構成を示す図である。この陽極化成装置では、シリコ
ン基板901の裏面を金属電極902に密着させ、シリ
コン基板901の表面の外周部の上にOリング904を
介して槽壁部材905を載置して陽極化成槽を形成す
る。そして、シリコン基板901に対向させて電極90
6を配置すると共に槽内にHF溶液903を満たした状
態で、電極906をマイナス電極とし、金属電極902
をプラス電極として両電極間に直流電圧を印加すること
により、シリコン基板901が陽極化成されて、そのマ
イナス電極側の面に多孔質シリコン層が形成される。
【0008】この陽極化成装置では、シリコン基板90
1の裏面の全面を金属電極902に押圧して接触させる
構造を有するため、両者の接触面積が大きく、シリコン
基板901が金属による汚染を受け易い。また、このよ
うな構造では、シリコン基板901の裏面又は金属電極
902の表面に異物やパーティクル等が付着している場
合に、それらによってシリコン基板901が局所的に変
形し、その変形部分に電界が集中することによって化成
異常が発生する可能性がある。また、シリコン基板90
1の全面を金属電極に接触させるために、陽極化成の終
了後に、シリコン電極901を金属電極902から引き
剥がすことが困難な場合がある。また、陽極化成の際
に、シリコン基板901に形成された多孔質シリコン層
に内部応力が発生し、これによりシリコン基板901が
傘状に変形してシリコン基板901の裏面の一部が金属
電極902から離れ、その結果、化成異常が生じる可能
性がある。更に、この陽極化成装置では、多孔質化され
る領域がシリコン基板901の表面のうちOリング90
4の内側の部分だけである。
【0009】図10は、第2の従来例に係る陽極化成装
置(特開昭60-94737号)の構成を示す図である。この陽
極化成装置では、上記の第1の従来例の幾つかの問題点
が解決されている。この陽極化成装置は、シリコン基板
1001を両側から挟むようにして、耐HF材料である
テフロン(米国du Pont社の商品名)製の陽極化成槽1
002a及び1002bを配置して構成される。陽極化
成槽1002a、1002bがシリコン基板1001を
保持する部分には、シール用のOリング1004a、1
004bが夫々取り付けられている。また、陽極化成槽
1002a、1002bには、夫々白金電極1003
a、1003bが設けられている。2つの陽極化成槽1
002a及び1002bによりシリコン基板1001を
挟んだ後、陽極化成槽1002a、1002bには、夫
々HF溶液1005a、1005bが満たされる。この
状態で、白金電極1003aをマイナス電極とし、白金
電極1003bをプラス電極として両電極間に直流電圧
を印加することによりシリコン基板1001が陽極化成
されて、そのマイナス電極側の面に多孔質シリコン層が
形成される。
【0010】この陽極化成装置によれば、シリコン基板
1001が電極に接触しないため、異物やパーティクル
による影響を受けにくく、また、金属による汚染が比較
的小さい。しかし、この陽極化成装置では、第1の従来
例と同様に、多孔質化される領域がシリコン基板100
1の表面のうちOリング1004aの内側の領域だけで
ある。また、この陽極化成装置では、シリコン基板の表
面側と裏面側の双方に陽極化成槽を取り付ける必要があ
るため、陽極化成のための準備作業が煩わしく、この作
業を自動化する場合においても陽極化成槽自体を移動さ
せる駆動機構が必要である。
【0011】図11は、第3の従来例に係る陽極化成装
置(特開平6-310488号)の構成を示す図である。この陽
極化成装置では、シリコン基板1101の周辺部をOリ
ング1006によってシールして、Oリング1006の
内側の空間を減圧することによってシリコン基板100
1をホルダ1004に真空吸着する。この時、Oリング
1006の内側において、バネの力によって円盤状の電
極1003aがシリコン基板1001の裏面に圧接され
る。シリコン基板1001を保持したホルダ1004
は、HF溶液1007が満たされた陽極化成槽1002
内に浸漬される。陽極化成槽1002には、シリコン基
板1001に対向する位置に電極1003bが配置され
ている。
【0012】この状態で、電極1003aをプラス電極
とし、電極1003bをマイナス電極として、両電極間
に直流電流を印加することにより、シリコン基板100
1の表面が化成処理されて多孔質シリコン層が形成され
る。この陽極化成装置によれば、シリコン基板1001
の表面全体がHF溶液に接触するため、表面全体に多孔
質シリコン層が形成される。
【0013】しかし、この陽極化成装置では、周辺部を
除いてシリコン基板1001の裏面の全体に電極110
3aが接触する。従って、シリコン基板1001が電極
1103aによる汚染を受け易すい。また、シリコン基
板1001の裏面又は電極1003aの表面に異物やパ
ーティクル等が付着している場合に、それらによってシ
リコン基板1001が局所的に変形し、その変形部分に
電界が集中することによって化成異常が発生する可能性
がある。また、この陽極化成装置では、シリコン基板1
001の全面を電極1003aに接触させるために、陽
極化成の終了後に、シリコン電極1001を電極100
3aから引き剥がすことが困難な場合がある。また、こ
の陽極化成装置では、陽極化成の際に、シリコン基板1
001に形成された多孔質シリコン層に内部応力が発生
し、これによりシリコン基板1001が傘状に変形して
シリコン基板1001の裏面の一部が電極1003aか
ら離れ、その結果、化成異常が生じる可能性がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】 多孔質シリコン層を
有する基板をより有用に利用するためには、第1に、電
極等によるシリコン基板の汚染を低減すること、第2
に、異物やパーティクルによるシリコン基板の局所的な
変形や内部応力によるシリコン基板の変形に起因する化
成異常の発生を低減すること、第3に、所望の分布(例
えば、均一な分布)を有する多孔質シリコン層を形成す
ること、第4に、シリコン基板の広い領域に多孔質シリ
コン層を形成することが好ましい。
【0015】本発明は、例えば、上記の背景に鑑みてな
されたものであり、新たな構造を有する陽極化成装置及
びそれに関連する装置を提供することを目的とする。
【0016】具体的には、本発明は、例えば、処理対象
の基板の汚染を低減することを目的とする。
【0017】また、本発明は、例えば、化成異常の発生
を防止することを目的とする。
【0018】また、本発明は、例えば、所望の分布を有
する多孔質層を形成することを目的とする。
【0019】また、本発明は、例えば、広い領域に多孔
質層を形成することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】 本発明の第1の側面に
係る陽極化成装置は、基板に陽極化成処理を施すための
陽極化成装置であって、マイナス電極と、略中央部に非
接触部を有し、前記非接触部の外側に接触部を有するプ
ラス電極と、前記マイナス電極と処理対象の基板との間
に電解質溶液を満たすための陽極化成槽とを備え、前記
マイナス電極と処理対象の基板の一方の面との間に電解
質溶液を満たすと共に前記プラス電極の接触部を処理対
象の基板の他方の面に直接接触させた状態で、該基板に
陽極化成処理を施すために使用されることを特徴とす
る。
【0021】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極の接触部は、前記非接
触部を全周的に取り囲む形状を有することが好ましい。
【0022】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極の接触部は、実質的に
円環状の形状を有することが好ましい。
【0023】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、処理対象の基板を前記プラス電極の接
触部に吸着させるための吸着機構を更に備えることが好
ましい。
【0024】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記吸着機構は、真空吸着機構である
ことが好ましい。
【0025】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、処理対象の基板を前記プラス電極の接
触部に吸着させるための吸着機構を更に備え、前記吸着
機構は、前記接触部に、該接触部と実質的に同心円状に
配置された真空吸着用の溝を有することが好ましい。
【0026】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極のうち少なくとも前記
接触部は、多孔質材料で構成されていることが好まし
い。
【0027】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極は、処理対象の基板を
吸着するための吸着機能を有することが好ましい。
【0028】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極のうち多孔質材料で構
成された部分を介して処理対象の基板を吸引することに
より該基板を前記プラス電極の接触部に吸着させるため
の吸着機構を更に備えることが好ましい。
【0029】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極の接触部は、半導体材
料で構成されていることが好ましい。
【0030】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極の接触部は、金属材料
で構成されていることが好ましい。
【0031】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極を処理対象の基板に近
づけたり遠ざけたりするための駆動機構を更に備えるこ
とが好ましい。
【0032】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記陽極化成槽は、処理対象の基板を
保持すべき位置に開口部を有し、前記開口部を塞ぐよう
にして該基板を保持することによって、前記マイナス電
極と該基板の一方の面との間に電解質溶液を満たすこと
ができる状態になることが好ましい。
【0033】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記陽極化成槽は、処理対象の基板が
保持された状態において、前記開口部を通して前記プラ
ス電極の接触部を該基板に接触させることが可能な構造
を有することが好ましい。
【0034】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記陽極化成槽は、処理対象の基板を
保持する基板保持部を有することが好ましい。
【0035】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記保持部は、処理対象の基板を前記
他方の面の周辺部で保持することが好ましい。
【0036】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記保持部は、処理対象の基板を水平
に保持することが好ましい。
【0037】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記マイナス電極は、処理対象の基板
の上方に配置されることが好ましい。
【0038】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記マイナス電極は、貫通した多数の
穴を有することが好ましい。
【0039】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、基板の処理の際に陽極化成反応により
発生するガスが前記マイナス電極の下部に溜まることを
防止するための手段を更に備えることが好ましい。
【0040】本発明の第1の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極と前記マイナス電極と
の間に電圧を印加する電源を更に備えることが好まし
い。
【0041】本発明の第2の側面に係る陽極化成装置
は、基板に陽極化成処理を施すための陽極化成装置であ
って、マイナス電極と、プラス電極と、前記マイナス電
極と処理対象の基板との間に電解質溶液を満たすための
陽極化成槽と、処理対象の基板を前記プラス電極に吸着
させるための吸着機構とを備えることを特徴とする。
【0042】本発明の第2の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記吸着機構は、真空吸着機構である
ことが好ましい。
【0043】本発明の第2の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記真空吸着機構は、前記プラス電極
の表面に実質的に円環状に配置された真空吸着用の溝を
有することが好ましい。
【0044】本発明の第2の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記プラス電極のうち少なくとも処理
対象の基板と接触する部分は、多孔質材料で構成されて
いることが好ましい。
【0045】本発明の第2の側面に係る陽極化成装置に
おいて、例えば、前記吸着機構が、前記プラス電極のう
ち多孔質材料で構成された部分を介して処理対象の基板
を吸引することにより該基板を前記プラス電極に吸着さ
せることが好ましい。
【0046】本発明の第3の側面に係る陽極化成装置
は、基板に陽極化成処理を施すための陽極化成装置であ
って、マイナス電極と、多孔質材料で構成された接触部
を有するプラス電極と、前記マイナス電極と処理対象の
基板との間に電解質溶液を満たすための陽極化成槽とを
備え、前記マイナス電極と処理対象の基板の一方の面と
の間に電解質溶液を満たすと共に前記プラス電極の接触
部を処理対象の基板の他方の面に直接接触させた状態
で、該基板に陽極化成処理を施すために使用されること
を特徴とする。
【0047】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
は、基板に陽極化成処理を施すために該基板の一方の面
に接触させて使用される陽極化成用電極であって、略中
央部に非接触部を有し、前記非接触部の外側に接触部を
有し、基板に陽極化成処理を施す際に、該基板に前記接
触部を接触させて利用されることを特徴とする。
【0048】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記接触部は、前記非接触部を全周
的に取り囲む形状を有することが好ましい。
【0049】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記接触部は、実質的に円環状の形
状を有することが好ましい。
【0050】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記接触部に処理対象の基板を吸着
させるための吸着機構を更に備えることが好ましい。
【0051】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記吸着機構は、真空吸着機構であ
ることが好ましい。
【0052】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、処理対象の基板を前記接触部に真空
吸着させるための溝を更に有し、前記溝は、前記接触部
に、該接触部と実質的に同心円状に配置されていること
が好ましい。
【0053】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、少なくとも前記接触部は、多孔質材
料で構成されていることが好ましい。
【0054】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、処理対象の基板を前記接触部に吸着
させるための吸着機構を更に備えることが好ましい。
【0055】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記多孔質材料で構成された部分を
介して処理対象の基板を吸引することにより該基板を前
記接触部に吸着させるための吸着機構を更に備えること
が好ましい。
【0056】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記接触部は、半導体材料で構成さ
れていることが好ましい。
【0057】本発明の第4の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記接触部は、金属材料で構成され
ていることが好ましい。
【0058】本発明の第5の側面に係る陽極化成用電極
は、基板に陽極化成処理を施すために該基板の一方の面
に接触させて使用される陽極化成用電極であって、処理
対象の基板を電極面に吸着させるための吸着機構を有す
ることを特徴とする。
【0059】本発明の第5の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記吸着機構は、真空吸着機構であ
ることが好ましい。
【0060】本発明の第5の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記真空吸着機構は、前記電極面に
実質的に円環状に配置された真空吸着用の溝を有するこ
とが好ましい。
【0061】本発明の第5の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記電極面を構成する部材は、多孔
質材料からなることが好ましい。
【0062】本発明の第5の側面に係る陽極化成用電極
において、例えば、前記吸着機構は、前記電極面を構成
する多孔質材料からなる部材を介して処理対象の基板を
吸引することにより該基板を前記電極面に吸着させるこ
とが好ましい。
【0063】本発明の第6の側面に係る陽極化成用電極
は、基板に陽極化成処理を施すために該基板の一方の面
に接触させて使用される陽極化成用電極であって、少な
くとも処理対象の基板と接触する部分が多孔質材料で構
成されていることを特徴とする。
【0064】本発明の第7の側面に係る基板の処理方法
は、処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に
電解質溶液を満たすと共に、略中央部に非接触部を有し
前記非接触部の外側に接触部を有するプラス電極を該基
板の他方の面に接触させる工程と、前記プラス電極と前
記マイナス電極との間に電圧を印加する工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0065】本発明の第8の側面に係る基板の処理方法
は、処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に
電解質溶液を満たすと共に、プラス電極を該基板の他方
の面に接触させる工程と、前記プラス電極に前記基板を
吸着させながら、前記プラス電極と前記マイナス電極と
の間に電圧を印加する工程とを含むことを特徴とする。
【0066】本発明の第8の側面に係る基板の処理方法
は、処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に
電解質溶液を満たすと共に、多孔質材料で構成された接
触部を有するプラス電極の該接触部を該基板の他方の面
に接触させる工程と、前記プラス電極と前記マイナス電
極との間に電圧を印加する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0067】本発明の第9の側面に係る基板の製造方法
は、上記の処理方法によって基板の表面に多孔質層を形
成する工程と、前記多孔質層上に少なくとも半導体層を
有する第1の基板を作成する工程と、前記第1の基板の
前記半導体層側の面に第2の基板を貼り合わせて貼り合
わせ基板を作成する工程と、前記多孔質層の部分で前記
貼り合わせ基板を2枚の基板に分離する工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0068】
【発明の実施の形態】 まず、本発明の好適な実施の形
態に係る陽極化成装置により製造される多孔質シリコン
層を有する基板の代表的な適用例としてSOI基板の製
造方法について説明する。
【0069】図8は、本発明の好適な実施の形態に係る
SOI基板の製造方法を工程順に説明する図である。
【0070】図8(a)に示す工程では、単結晶Si基
板11を準備して、後述の各実施の形態に係る陽極化成
装置によって、その表面に多孔質Si層12を形成す
る。この多孔質層Si層12として、処理条件を段階的
に変更することによって、多孔度の異なる複数の層から
なる多層構造の多孔質層を形成してもよい。
【0071】次いで、図8(b)に示す工程では、多孔
質Si層12上に非多孔質層である単結晶Si層13を
エピタキシャル成長法により形成し、その後、単結晶S
i層13の表面を酸化させることにより非多孔質の絶縁
層であるSiO2層14を形成する。これにより、第1
の基板10が形成される。
【0072】図8(c)に示す工程では、第2の基板2
0として単結晶Si基板を準備し、第1の基板10のS
iO2層14が第2の基板20に面するように、第1の
基板10と第2の基板20とを室温で密着させる。その
後、この基板に、陽極接合、加圧若しくは熱処理又はこ
れらを組合わせた処理を施してもよい。この処理によ
り、第2の基板20とSiO層14が強固に結合した
貼り合わせ基板30が形成される。なお、SiO層1
4は、上記のように単結晶Si基板11側に形成しても
良いし、第2の基板20上に形成しても良く、両者に形
成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を
密着させた際に、図8(c)に示す状態になれば良い。
【0073】図8(d)に示す工程では、貼り合わせ基
板30を多孔質Si層12の部分で分離する。これによ
り、第2の基板側(10''+20)は、多孔質Si層1
2''/単結晶Si層13/絶縁層14/単結晶Si基板
20の積層構造となる。一方、第1の基板側(10')
は、単結晶Si基板11上に多孔質Si層12’を有す
る構造となる。
【0074】分離後の第1の基板側(10’)は、残留
した多孔質Si層12’を除去し、必要に応じて、その
表面を平坦化することにより、再び第1の基板10を形
成するための単結晶Si基板11又は第2の基板20と
して使用される。
【0075】貼り合わせ基板30を分離した後、図8
(e)に示す工程では、第2の基板側(10''+20)
の表面の多孔質層12''を選択的に除去する。これによ
り、単結晶Si層13/絶縁層14/単結晶Si基板2
0の積層構造、即ち、SOI構造を有する基板が得られ
る。
【0076】陽極化成反応によるシリコン基板の多孔質
化、即ち、細孔の形成処理は、例えばHF溶液中で行わ
れる。この処理には、シリコン基板中に正孔が存在する
ことが不可欠であることが知られており、その反応メカ
ニズムは、次のように推定される。
【0077】まず、HF溶液中で電界が印加されたシリ
コン基板内の正孔が該シリコン基板のマイナス電極側の
表面に誘起される。その結果、シリコン基板の表面の未
結合手を補償する形で存在しているSi−H結合の密度
が増加する。この時、マイナス電極側のHF溶液中のF
イオンが、Si−H結合に対して求核攻撃を行ってS
i−F結合を形成する。この反応によりH分子が発生
すると同時にプラス電極側に1個の電子が放出される。
【0078】Si−F結合が形成されると、Si−F結
合の分極特性のためにシリコン基板の表面近傍のSi−
Si結合が弱くなる。すると、この弱いSi−Si結合
は、HF或いはHOに攻撃され、結晶表面のSi原子
は、SiFを形成して結晶表面から離脱する。その結
果、結晶表面に窪みが発生し、この部分に正孔を優先的
に引き寄せる電場の分布(電界集中)が生じ、この表面
異質性が拡大することによりシリコン原子の蝕刻が電界
に沿って連続的に進行する。なお、陽極化成に使用する
溶液は、HF溶液に限定されず、他の電解質溶液であっ
てもよいが、以下の実施の形態では、電解質溶液として
HF溶液を採用した場合について説明する。
【0079】以下、本発明の好適な実施の形態に係る陽
極化成装置について説明する。
【0080】[第1の実施の形態]図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る陽極化成装置の概略構成を示す図
である。図2は、図1に示す陽極化成装置100の陽極
化成槽102の概略的な構成を示す斜視図である。図3
は、図1に示す陽極化成装置100のプラス電極110
の概略構成を示す斜視図である。
【0081】この陽極化成装置100は、シリコン基板
101を保持することにより、内部にHF溶液107を
満たすことが可能な状態になる陽極化成槽102を有す
る。陽極化成槽102は、耐弗化水素酸性の材料、例え
ば、四弗化エチレン樹脂(テフロンの商品名で知られて
いる)、ポリプロピレン、又はポリエチレン等で構成さ
れる。陽極化成槽102は、シリコン基板101を保持
すべき側壁部に開口部103を有する。開口部103
は、例えば、保持すべきシリコン基板101よりも小さ
い直径を有する円形状の形状を有する。
【0082】陽極化成槽102の内側には、開口部10
3に沿って吸着パッド104が取り付けられている。吸
着パッド104は、例えば円環状の形状を有する。吸着
パッド104の表面には、シリコン基板101を吸着す
るための吸着機構として、真空吸着用の円環状の溝10
4aが形成されている。この溝104aは、陽極化成槽
102の内部の吸引孔102aを介して真空ライン10
5に通じている。この真空ライン105は、真空ポンプ
(不図示)に接続される。吸引孔102a及び真空ライ
ン105を介して真空ポンプによって溝104a内の減
圧することにより、吸着パッド104にシリコン基板1
01を吸着させることができる。このように、シリコン
基板101をその裏面でのみ保持することにより、シリ
コン基板101の表面の略全面に多孔質層を形成するこ
とができる。
【0083】吸着パッド104によりシリコン基板10
1を保持した陽極化成槽102には、陽極化成用の電解
質溶液の1つであるHF溶液107が満たされる。HF
溶液107には、反応生成物であるH等の気泡をシリ
コン基板101の表面から効率的に除去するために、エ
タノールやイソプロピルアルコ−ル等のアルコール類を
混ぜてもよい。
【0084】陽極化成槽102には、シリコン基板10
1に対向する位置にマイナス電極106が取り付けられ
ている。マイナス電極106としては、例えば、耐弗化
水素酸性の材料である白金で構成された電極、白金で被
覆された電極、シリコン材料からなる電極、シリコン材
料で被覆された電極等が好適である。マイナス電極10
6の形状は、例えば、シリコン基板101と同一の直径
を有する円盤状であることが好ましい。マイナス電極1
06は、電源115のマイナス端子に接続されている。
【0085】この陽極化成装置100では、シリコン基
板101の裏面、即ち、多孔質シリコン層を形成しない
面には、陽極化成槽103の開口部103を通してプラ
ス電極110を直接接触させる。具体的には、プラス電
極110をアクチュエータ114により押し出すことに
より、該プラス電極110をシリコン基板101の裏面
に当接させる。アクチュエータ114は、例えば、エア
シリンダで構成することができる。プラス電極110
は、電源115のプラス端子に接続されている。
【0086】プラス電極110としては、例えば、白金
等の金属で構成された電極、シリコン材料からなる電
極、シリコン材料で被覆された電極、導電性ポリマーで
構成された電極等が好適である。プラス電極110がシ
リコン基板101に接触する部分をシリコン材料で構成
することにより、シリコン基板101の汚染を効果的に
防止することができる。
【0087】プラス電極110がシリコン基板101に
接触する部分は、この実施の形態では、円環状の形状を
有する。ここで、プラス電極110の中心軸とシリコン
基板101との中心軸が略一致するように、プラス電極
110と吸着パッド104との位置関係が決定されてい
ることが好ましい。
【0088】プラス電極110の幅(外周の半径と内周
の半径との差)は、特に限定されない。ただし、プラス
電極110の幅を小さくし過ぎると、シリコン基板10
1とプラス電極110との間で接触不良が生じるという
問題がある。逆に、プラス電極110の幅を大きくし過
ぎると、接触面積の増大によってシリコン基板110が
汚染される可能性が高くなるという問題や、シリコン基
板101とプラス電極110との間に異物やパーティク
ル等が付着する可能性が高くなるいう問題がある。な
お、シリコン基板101とプラス電極110との間に異
物やパーティクル等が付着すると、シリコン基板101
の局所的な変形による化成異常が発生する可能性があ
る。
【0089】プラス電極110の幅は、例えば、1.5
mm〜15mm程度であることが好ましく、3mm〜5
mm程度であることが更に好ましい。プラス電極110
の幅が3mm〜5mm程度であっても、形成される多孔
質シリコン層の厚さ等の分布は比較的均一になることが
確認されている。ただし、プラス電極110の最適な幅
は、例えば、処理すべきシリコン基板101の直径、厚
さ、HF溶液(電解質溶液)107の組成、陽極化成時
にマイナス電極106とプラス電極110との間に流す
電流の大きさ、プラス電極110の平均直径(外径と内
径との平均)等の種々の要素によって変化する。
【0090】以上のように、プラス電極110がシリコ
ン基板101に接触する部分を円環状の形状とすること
により、第1に、両者が接触する部分の面積を小さくし
てシリコン基板101の汚染の可能性を低減することが
できる。また、第2に、プラス電極110とシリコン基
板101との間に異物やパーティクル等が挟まることに
よる問題、即ち、シリコン基板101が局所的に変形し
てその変形部分に電界が集中することにより化成異常の
発生を低減することができる。また、第3に、シリコン
基板101に対して比較的均一な電界を与えることがで
きるため、形成される多孔質シリコン層の厚さ等を均一
化することができる。
【0091】上記のプラス電極110の構造、即ち、シ
リコン基板101に接触する部分(接触部)が円環状の
形状を有する構造は、例えば、中央部に非接触部(プラ
ス電極がシリコン基板に接触しない部分)を有し、その
外側に接触部を有する構造、或いは、中央部に非接触部
を有し、該非接触部を全周的に取り囲むような接触部を
有する構造の一例として捉えることができる。
【0092】この実施の形態では、プラス電極110に
は、シリコン基板101との接触を良好に維持するため
に吸着機構111aが設けられている。この実施の形態
は、吸着機構111aとして真空吸着機構を採用した例
であり、シリコン基板101を吸着するための円環状の
溝を有し、該溝は、吸引孔110b及び真空ライン11
3を介して真空ポンプ(不図示)に接続されている。
【0093】このような吸着機構を設けることにより、
陽極化成の際に発生する内部応力によってシリコン基板
101が変形することに起因してプラス電極110とシ
リコン基板101とが非接触状態になることを防止する
ことができる。従って、化成異常の発生を効果的に防止
することができる。
【0094】この実施の形態では、プラス電極110を
大気中において直接シリコン基板101に接触させるた
め、例えば、上記のような吸着機構の構成を簡略化する
ことができると共に陽極化成工程の自動化のための設計
が容易になる。
【0095】また、この実施の形態では、プラス電極1
10は、アクチュエータ114により駆動される。具体
的には、プラス電極110は、絶縁部材111を介して
アクチュエータ114のロッド112に連結されてお
り、アクチュエータ114によりシリコン基板101に
当接されたり、逆に、シリコン基板101から引き離さ
れたりする。
【0096】(実施例)この実施例は、直径が8イン
チ、比抵抗が0.01〜0.02Ωcmであるシリコン
基板101を処理対象の基板とした場合の陽極化成装置
の設計例及び使用例に関する。なお、この実施例に係る
陽極化成装置は、オリエンテーションフラット付きの基
板及びノッチ付きの基板の双方に対応可能である。
【0097】陽極化成槽102は、四弗化エチレン系樹
脂(商品名:テフロン)で構成されている。また、陽極
化成槽102は、上部にシリコン基板101を出し入れ
するための開口部を有する他、シリコン基板101を保
持すべき側壁に直径180mmの開口部103を有す
る。
【0098】陽極化成槽102の内側には、開口部10
3に沿って、内径184mm、外径202mmの円環状
の溝が設けられており、この溝には、弗素樹脂系である
パーフロロエチレン製の吸着パッド104がはめ込まれ
ている。吸着パッド104の表面には、内径186m
m、外径188mm、深さ2mmの円環状の吸着用の溝
104aが形成されている。この溝104aは、吸引孔
102aを介して真空ライン105に通じている。
【0099】この吸着パッド104を用いることによっ
て、直径8インチのJEIDA規格のオリエンテーショ
ンフラット付きのシリコン基板(オリエンテーションフ
ラット部の半径は95.5mm)であっても、該基板の
中心と吸着パッド104の中心とを合わせることによ
り、オリエンテーションフラットの向きに拘らず、吸着
パッド104によって保持することができる。また、ノ
ッチ付きのシリコン基板についても、ノッチの向きに拘
らず吸着パッド104によって保持することができる。
【0100】陽極化成槽102の内壁には、開口部10
3に対向する位置に、直径200mm、厚さ0.2mm
の白金製のマイナス電極106が設けられており、陽極
化成槽102の側壁を貫通してリード線が引き出されて
いる。
【0101】プラス電極110は、シリコン基板101
との接触面として、外径160mm、内径152mmの
円環状の接触面を有する。この接触面には、幅1mmの
真空吸着用の溝110aが形成されており、この溝11
0aは、吸引孔110bを介して真空ライン113に通
じている。プラス電極110は、アルミニウムで構成さ
れている。
【0102】以上の構成からなる陽極化成装置100を
用いて、以下のようにしてシリコン基板101に多孔質
層を形成した。
【0103】まず、陽極化成槽102の吸着パッド10
4に、直径が8インチ、比抵抗が0.01〜0.02Ω
cmであるオリエンテーションフラット付き又はノッチ
付きのシリコン基板101を吸着させた。次いで、49
%弗化水素酸とエタノールを2:1の割合で混合したH
F溶液107を陽極化成槽102の内部に満たした。
【0104】次いで、アクチュエータ114を駆動し
て、プラス電極110をシリコン基板101の裏面に当
接させ、その後、吸着機構110aによりシリコン基板
101をプラス電極110に吸着させた。
【0105】次いで、電源115を作動させて、プラス
電極110とマイナス電極106との間に2.56Aの
定電流を10分間流した。
【0106】この条件の下で、シリコン基板101の表
面に平均厚さが約11μmの多孔質シリコン層を形成す
ることができた。形成された多孔質シリコン層は、プラ
ス電極110との接触部の反対側の領域の厚さを基準と
して、中心部及び最外周部の厚さが該基準に対して約8
%薄い同心円状の分布を有していた。この分布を有する
多孔質シリコン層は、例えば、前述のSOI基板の製造
において十分に実用的である。
【0107】[第2の実施の形態]図4は、本発明の第
2の実施の形態に係る陽極化成装置の概略構成を示す図
である。図5は、図4に示す陽極化成装置200の陽極
化成槽202の概略構成を示す斜視図である。この陽極
化成装置200は、シリコン基板101を水平に保持し
て処理する点で第1の実施の形態に係る陽極化成装置1
00と異なる。なお、第1の実施の形態に係る陽極化成
装置100と実質的に同一の機能を有する部材には同一
の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態に係
る陽極化成装置100との相違点に関してのみ説明す
る。
【0108】陽極化成槽202は、その底部に、プラス
電極110をシリコン基板101の裏面に接触させるた
めの開口部203を有する。そして、陽極化成槽202
の底部の内壁には、該開口部203の周辺に沿って円環
状の吸着パッド204が取り付けられている。
【0109】吸着パッド204の吸着面には、シリコン
基板101を真空吸着するための円環状の溝204aが
形成されている。この溝204aは、吸引孔202a及
び真空ライン205を介して真空ポンプ(不図示)に接
続される。吸引孔202a及び真空ライン205を介し
て真空ポンプによって溝204a内の減圧することによ
り、吸着パッド204にシリコン基板101を吸着させ
ることができる。このように、シリコン基板101をそ
の裏面でのみ保持することにより、シリコン基板101
の表面の略全面に多孔質層を形成することができる。
【0110】陽極化成処理を実施する際には、シリコン
基板101の上部にマイナス電極206が配置される。
マイナス電極206は、陽極化成反応によって生じるガ
ス(主に、水素ガス)が該マイナス電極206の下部に
溜まることを避けるために、例えば直径数mm程度の多
数の穴206aを有する。また、マイナス電極206と
しては、例えば、耐弗化水素酸性の材料である白金で構
成された電極、白金で被覆された電極、シリコン材料か
らなる電極、シリコン材料で被覆された電極等が好適で
ある。マイナス電極206の形状は、例えば、シリコン
基板101と同一の直径を有する円盤状であることが好
ましい。マイナス電極206は、電源115のマイナス
端子に接続されている。
【0111】この陽極化成装置200では、マイナス電
極206を陽極化成槽202から取り出した状態で、シ
リコン基板101を陽極化成槽202にセット(即ち、
吸着パッド204によって保持)する。また、この陽極
化成装置200では、第1の実施の形態に係る陽極化成
装置100と同様に、シリコン基板101を陽極化成槽
202にセットすることにより、陽極化成槽202にH
F溶液107を満たすことができる状態となる。
【0112】また、シリコン基板101を吸着パッド2
04から取り外す際は、事前に、陽極化成槽202内の
HF溶液107を排出する。
【0113】(実施例1)この実施例は、直径8イン
チ、比抵抗0.01〜0.02Ωcmのp型シリコン基
板101を処理対象基板とした場合の陽極化成装置の設
計例及び使用例に関する。なお、この設計例に係る陽極
化成装置は、オリエンテーションフラットを有する基板
及びノッチを有する基板の双方を処理することができ
る。
【0114】陽極化成槽202は、四弗化エチレン樹脂
(商品名:テフロン)で構成されている。また、陽極化
成槽202は、上部にシリコン基板101を出し入れす
るための開口部を有する他、底部にシリコン基板101
にプラス電極110を接触させるための開口部203を
有する。
【0115】陽極化成槽202の底部の内側には、開口
部203に沿って、内径184mm、外径202mmの
円環状の溝が設けられており、この溝には、弗素樹脂系
であるパーフロロエチレン製の吸着パッド204がはめ
込まれている。吸着パッド204の表面には、内径18
6mm、外径188mm、深さ2mmの円環状の吸着用
の溝204aが形成されている。この溝204aは、吸
引孔202aを介して真空ライン205に通じている。
【0116】この吸着パッド204を用いることによっ
て、直径8インチのJEIDA規格のオリエンテーショ
ンフラット付きのシリコン基板(オリエンテーションフ
ラット部の半径は95.5mm)であっても、該基板の
中心と吸着パッド204の中心とを合わせることによ
り、オリエンテーションフラットの向きに拘らず、吸着
パッド204によって保持することができる。また、ノ
ッチ付きのシリコン基板についても、ノッチの向きに拘
らず吸着パッド204によって保持することができる。
【0117】マイナス電極206は、直径200mm、
厚さ0.2mmの円盤状の白金で構成されている。ま
た、マイナス電極206には、陽極化成反応によって発
生するガス(主に水素ガス)が該マイナス電極206の
下部に溜まることを防止するために、直径2mmの穴2
06aが4mmの間隔で格子状に設けられている。
【0118】プラス電極110は、シリコン基板101
との接触面として、外径160mm、内径152mmの
円環状の接触面を有する。この接触面には、幅1mmの
真空吸着用の溝110aが形成されており、この溝11
0aは、吸引孔110bを介して真空ライン113に通
じている。プラス電極110は、アルミニウムで構成さ
れている。
【0119】以上の構成からなる陽極化成装置200を
用いて、以下のようにしてシリコン基板101に多孔質
層を形成した。
【0120】まず、吸着パッド204に、直径が8イン
チ、比抵抗が0.01〜0.02Ωcmであるオリエン
テーションフラット又はノッチ付きのシリコン基板10
1を取り付けた。次いで、49%弗化水素酸とエタノー
ルを2:1の割合で混合したHF溶液107を陽極化成
槽202の内部に満たした。
【0121】次いで、マイナス電極206をHF溶液1
07中に浸漬し、シリコン基板101に平行(即ち、水
平)に配置した。
【0122】次いで、アクチュエータ114を駆動し
て、プラス電極110を上昇させてシリコン基板101
の裏面に当接させ、その後、吸着機構110aによりシ
リコン基板101をプラス電極110に吸着させた。
【0123】次いで、電源115を動作させて、プラス
電極110とマイナス電極206との間に2.56Aの
定電流を10分間流した。
【0124】この条件の下で、シリコン基板の表面に平
均厚さが約11μmの多孔質シリコン層を形成すること
ができた。形成された多孔質シリコン層は、プラス電極
110との接触部の反対側の領域の厚さを基準として、
中心部及び最外周部の厚さが該基準に対して約8%薄い
同心円状の分布を有していた。この分布を有する多孔質
シリコン層は、例えば、前述のSOI基板の製造におい
て十分に実用的である。
【0125】(実施例2)この実施例は、直径12イン
チのノッチ付きのシリコン基板101を処理対象基板と
した場合の陽極化成装置の設計例に関する。実施例1と
の相違点に関してのみ説明する。
【0126】プラス電極110は、シリコン基板101
との接触面として、外径200mm、内径140mmの
円環状の接触面を有する。この接触面には、幅1mmの
真空吸着用の溝110aを同心円状に2重に設けられて
いる。この2重の溝110aは、吸引孔110bを介し
て真空ライン112に通じている。プラス電極110
は、ステンレススチールの部材にp型シリコンをスパッ
タリング法によってコーティングして形成されている。
陽極化成槽202の底部には、直径275mmの開口部
203が設けられている。吸着パッド204の外径は3
10mm、内径は290mmである。
【0127】以上の構成からなる陽極化成装置200に
より、シリコン基板の表面に平均厚さが約11μmの多
孔質シリコン層を形成することができた。形成された多
孔質シリコン層は、プラス電極110との接触部の反対
側の領域の厚さを基準として、中心部及び最外周部の厚
さが該基準に対して約8%薄い同心円状の分布を有して
いた。この分布を有する多孔質シリコン層は、例えば、
前述のSOI基板の製造において十分に実用的である。
【0128】[第3の実施の形態]図6は、本発明の第
3の実施の形態に係るプラス電極及びその支持体の概略
構成を示す図である。図7は、図6に示すプラス電極及
びその支持体の概略構成を示す斜視図である。
【0129】この実施の形態に係るプラス電極602
は、例えば、第1及び第2の実施の形態に係る陽極化成
装置のプラス電極110の代わりに使用することができ
る。
【0130】プラス電極602は、導電性の多孔質材料
からなる円環状の部材で構成されている。プラス電極6
02は、円環状の溝を有する電極支持体601にはめ込
まれ、該電極支持体601によって支持されている。プ
ラス電極602の外側の側壁と電極支持体601との
間、プラス電極602の内側の側壁と電極支持体601
との間には、夫々シール用のOリング603、604が
取り付けられている。そして、このOリング603及び
604により電極支持体601内に密閉空間606が形
成されている。密閉空間606は、真空ライン605を
介して真空ポンプ(不図示)に接続される。この真空ポ
ンプによって密閉空間606を減圧することにより、多
孔質材料からなるプラス電極602の表面にシリコン基
板101を吸着することができる。
【0131】プラス電極602は多孔質材料で構成され
ているため、プラス電極602の内部の他、その表面に
は多数の孔がある。従って、プラス電極602の表面や
保持すべきシリコン基板101の裏面に異物やパーティ
クル等が付着した場合においても、この孔にその異物や
パーティクル等が入り込む可能性が高いために、異物や
パーティクル等による影響、即ち、シリコン基板101
の局所的な変形が小さい。即ち、このプラス電極602
によれば、シリコン基板101の局所的な変形に起因す
る化成異常の発生を低減することができる。
【0132】この効果は、多孔質材料からなるプラス電
極602を採用することによってプラス電極602とシ
リコン基板101との実効的な接触面積が小さくなるこ
とによるものと考えることもできる。
【0133】また、多孔質材料からなるプラス電極60
2を採用することにより、プラス電極602とシリコン
基板101との実効的な接触面積を小さく抑えながら、
プラス電極602とシリコン基板101とが接触する領
域を大きくすることができるため、シリコン基板101
の広い領域に対して均一な電位を印加することが容易で
ある。
【0134】また、多孔質材料からなるプラス電極60
2を採用することにより、プラス電極602とシリコン
基板101との実効的な接触面積を小さく抑えながら、
シリコン基板101の広い領域を吸着することができる
ため、陽極化成処理の際の内部応力等によるシリコン基
板101の変形を効果的に抑制することができる。
【0135】プラス電極602は、リード線607を介
して、例えば電源115のプラス端子に接続される。電
極支持体601は、例えば、アクチュエータ114のロ
ッド112によって駆動される。
【0136】なお、この実施の形態では、多孔質材料か
らなる円環状のプラス電極602を採用しているが、多
孔質材料からなる円盤状のプラス電極を採用してもよ
い。
【0137】なお、この実施の形態では、プラス電極が
シリコン基板に接触する部分を全て多孔質材料で構成し
ているが、プラス電極とシリコン基板との接触部の一部
のみを多孔質材料で構成してもよい。
【0138】(実施例)この実施例は、図6及び図7に
示すプラス電極602を第2の実施の形態に係るプラス
電極110の代わりに使用した場合の陽極化成装置の設
計例及び使用例に関する。また、この実施例は、直径1
2インチのノッチ付きのシリコン基板101を処理対象
基板とした場合の例である。
【0139】プラス電極602は、外径200mm、内
径140mm、厚さ10mmの円環状の形状を有する多
孔質のp型多孔質シリコンで構成されている。電極支持
体601は、ステンレススチールで構成されている。陽
極化成槽202の底部には、直径275mmの開口部2
03が設けられている。吸着パッド204の外径は31
0mm、内径は290mmである。
【0140】以上の構成からなる陽極化成装置により、
シリコン基板の表面に平均厚さが約11μmの多孔質シ
リコン層を形成することができた。形成された多孔質シ
リコン層は、プラス電極602との接触部の反対側の領
域の厚さを基準として、中心部及び最外周部の厚さが該
基準に対して約8%薄い同心円状の分布を有していた。
この分布を有する多孔質シリコン層は、例えば、前述の
SOI基板の製造において十分に実用的である。
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、例えば、略中央部に非
接触部を有し、その外側に接触部を有するプラス電極を
採用することにより、例えば、基板とプラス電極との接
触面積を小さくすることができ、これにより基板の汚染
を低減することができる。
【0142】また、本発明によれば、例えば、上記の所
定の形状を有するプラス電極を採用することにより、例
えば、処理対象の基板とプラス電極との接触面積を小さ
くすることができ、基板とプラス電極との間の異物やパ
ーティクル等による基板の変形に起因する化成異常の発
生を防止することができる。
【0143】また、本発明によれば、例えば、基板とプ
ラス電極との接触面積を小さくした場合においても、上
記の所定の形状を有するプラス電極を採用することによ
り、形成される多孔質層の分布を適正化することができ
る。
【0144】また、本発明によれば、例えば、基板を片
面(プラス電極と接触する面)の周辺部で保持すること
により、例えば、該基板の広い領域に多孔質層を形成す
ることができる。
【0145】また、本発明によれば、例えば、処理対象
の基板をプラス電極に吸着させることにより、例えば、
内部応力等による基板の変形に起因する化成異常の発生
を効果的に防止することができる。
【0146】また、本発明によれば、例えば、多孔質材
料で構成された接触部を有するプラス電極を採用するこ
とにより、例えば、基板とプラス電極との間の異物やパ
ーティクル等による基板の変形に起因する化成異常の発
生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る陽極化成装置
の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す陽極化成装置の陽極化成槽の概略的
な構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示す陽極化成装置のプラス電極の概略構
成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る陽極化成装置
の概略構成を示す図である。
【図5】図4に示す陽極化成装置の陽極化成槽の概略構
成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るプラス電極及
びその支持体の概略構成を示す図である。
【図7】図6に示すプラス電極及びその支持体の概略構
成を示す斜視図である。
【図8】本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の
製造方法を工程順に説明する図である。
【図9】第1の従来例に係る陽極化成装置の構成を示す
図である。
【図10】第2の従来例に係る陽極化成装置の構成を示
す図である。
【図11】第3の従来例に係る陽極化成装置の構成を示
す図である。
【符号の説明】
10 第1の基板 11 単結晶Si基板 12 多孔質層Si層 13 単結晶Si層 14 SiO2層 20 第2の基板 30 貼り合わせ基板 100 陽極化成装置 101 シリコン基板 102 陽極化成槽 103 開口部 104 吸着パッド 105 真空ライン 106 マイナス電極 107 HF溶液 110 プラス電極 110a 真空吸着用の溝 110b 吸引孔 111 絶縁部材 112 ロッド 113 真空ライン 114 アクチュエータ 115 電源 200 陽極化成装置 202 陽極化成槽 203 開口部 204 吸着パッド 205 真空ライン 206 マイナス電極 206a 穴 601 電極支持体 601a 吸引孔 602 プラス電極 603,604 Oリング 605 真空ライン 606 密閉空間 607 リード線 901 シリコン基板 902 金属電極 903 HF溶液 904 Oリン 905 槽壁部材 906 電極 1001 シリコン基板 1002a,1002b 陽極化成槽 1003a,1003b 白金電極 1004a,1004b Oリング 1005a,1005b HF溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/02 H01L 21/02 B 21/316 21/316 T 27/12 27/12 B

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に陽極化成処理を施すための陽極化
    成装置であって、 マイナス電極と、 略中央部に非接触部を有し、前記非接触部の外側に接触
    部を有するプラス電極と、 前記マイナス電極と処理対象の基板との間に電解質溶液
    を満たすための陽極化成槽と、 を備え、前記マイナス電極と処理対象の基板の一方の面
    との間に電解質溶液を満たすと共に前記プラス電極の接
    触部を処理対象の基板の他方の面に直接接触させた状態
    で、該基板に陽極化成処理を施すために使用されること
    を特徴とする陽極化成装置。
  2. 【請求項2】 前記プラス電極の接触部は、前記非接触
    部を全周的に取り囲む形状を有することを特徴とする請
    求項1に記載の陽極化成装置。
  3. 【請求項3】 前記プラス電極の接触部は、実質的に円
    環状の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の
    陽極化成装置。
  4. 【請求項4】 処理対象の基板を前記プラス電極の接触
    部に吸着させるための吸着機構を更に備えることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の陽
    極化成装置。
  5. 【請求項5】 前記吸着機構は、真空吸着機構であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の陽極化成装置。
  6. 【請求項6】 処理対象の基板を前記プラス電極の接触
    部に吸着させるための吸着機構を更に備え、前記吸着機
    構は、前記接触部に、該接触部と実質的に同心円状に配
    置された真空吸着用の溝を有することを特徴とする請求
    項3に記載の陽極化成装置。
  7. 【請求項7】 前記プラス電極のうち少なくとも前記接
    触部は、多孔質材料で構成されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の陽極化成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記プラス電極は、処理対象の基板を吸
    着するための吸着機能を有することを特徴とする請求項
    7に記載の陽極化成装置。
  9. 【請求項9】 前記プラス電極のうち多孔質材料で構成
    された部分を介して処理対象の基板を吸引することによ
    り該基板を前記プラス電極の接触部に吸着させるための
    吸着機構を更に備えることを特徴とする請求項7に記載
    の陽極化成装置。
  10. 【請求項10】 前記プラス電極の接触部は、半導体材
    料で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項9のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  11. 【請求項11】 前記プラス電極の接触部は、金属材料
    で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    9のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  12. 【請求項12】 前記プラス電極を処理対象の基板に近
    づけたり遠ざけたりするための駆動機構を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項
    に記載の陽極化成装置。
  13. 【請求項13】 前記陽極化成槽は、処理対象の基板を
    保持すべき位置に開口部を有し、前記開口部を塞ぐよう
    にして該基板を保持することによって、前記マイナス電
    極と該基板の一方の面との間に電解質溶液を満たすこと
    ができる状態になることを特徴とする請求項1乃至請求
    項12のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  14. 【請求項14】 前記陽極化成槽は、処理対象の基板が
    保持された状態において、前記開口部を通して前記プラ
    ス電極の接触部を該基板に接触させることが可能な構造
    を有することを特徴とする請求項13に記載の陽極化成
    装置。
  15. 【請求項15】 前記陽極化成槽は、処理対象の基板を
    保持する基板保持部を有することを特徴とする請求項1
    乃至請求項14のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  16. 【請求項16】 前記保持部は、処理対象の基板を前記
    他方の面の周辺部で保持することを特徴とする請求項1
    5に記載の陽極化成装置。
  17. 【請求項17】 前記保持部は、処理対象の基板を水平
    に保持することを特徴とする請求項15又は請求項16
    に記載の陽極化成装置。
  18. 【請求項18】 前記マイナス電極は、処理対象の基板
    の上方に配置されることを特徴とする請求項17に記載
    の陽極化成装置。
  19. 【請求項19】 前記マイナス電極は、貫通した多数の
    穴を有することを特徴とする請求項18に記載の陽極化
    成装置。
  20. 【請求項20】 基板の処理の際に陽極化成反応により
    発生するガスが前記マイナス電極の下部に溜まることを
    防止するための手段を更に備えることを特徴とする請求
    項18に記載の陽極化成装置。
  21. 【請求項21】 前記プラス電極と前記マイナス電極と
    の間に電圧を印加する電源を更に備えることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の陽極
    化成装置。
  22. 【請求項22】 基板に陽極化成処理を施すための陽極
    化成装置であって、マイナス電極と、 プラス電極と、 前記マイナス電極と処理対象の基板との間に電解質溶液
    を満たすための陽極化成槽と、 処理対象の基板を前記プラス電極に吸着させるための吸
    着機構と、 を備えることを特徴とする陽極化成装置。
  23. 【請求項23】 前記吸着機構は、真空吸着機構である
    ことを特徴とする請求項22に記載の陽極化成装置。
  24. 【請求項24】 前記真空吸着機構は、前記プラス電極
    の表面に実質的に円環状に配置された真空吸着用の溝を
    有することを特徴とする請求項21に記載の陽極化成装
    置。
  25. 【請求項25】 前記プラス電極のうち少なくとも処理
    対象の基板と接触する部分は、多孔質材料で構成されて
    いることを特徴とする請求項22に記載の陽極化成装
    置。
  26. 【請求項26】 前記吸着機構が、前記プラス電極のう
    ち多孔質材料で構成された部分を介して処理対象の基板
    を吸引することにより該基板を前記プラス電極に吸着さ
    せることを特徴とする請求項25に記載の陽極化成装
    置。
  27. 【請求項27】 基板に陽極化成処理を施すための陽極
    化成装置であって、 マイナス電極と、 多孔質材料で構成された接触部を有するプラス電極と、 前記マイナス電極と処理対象の基板との間に電解質溶液
    を満たすための陽極化成槽と、 を備え、前記マイナス電極と処理対象の基板の一方の面
    との間に電解質溶液を満たすと共に前記プラス電極の接
    触部を処理対象の基板の他方の面に直接接触させた状態
    で、該基板に陽極化成処理を施すために使用されること
    を特徴とする陽極化成装置。
  28. 【請求項28】 基板に陽極化成処理を施すために該基
    板の一方の面に接触させて使用される陽極化成用電極で
    あって、 略中央部に非接触部を有し、前記非接触部の外側に接触
    部を有し、基板に陽極化成処理を施す際に、該基板に前
    記接触部を接触させて利用されることを特徴とする陽極
    化成用電極。
  29. 【請求項29】 前記接触部は、前記非接触部を全周的
    に取り囲む形状を有することを特徴とする請求項28に
    記載の陽極化成用電極。
  30. 【請求項30】 前記接触部は、実質的に円環状の形状
    を有することを特徴とする請求項28に記載の陽極化成
    用電極。
  31. 【請求項31】 前記接触部に処理対象の基板を吸着さ
    せるための吸着機構を更に備えることを特徴とする請求
    項28乃至請求項30のいずれか1項に記載の陽極化成
    用電極。
  32. 【請求項32】 前記吸着機構は、真空吸着機構である
    ことを特徴とする請求項31に記載の陽極化成用電極。
  33. 【請求項33】 処理対象の基板を前記接触部に真空吸
    着させるための溝を更に有し、前記溝は、前記接触部
    に、該接触部と実質的に同心円状に配置されていること
    を特徴とする請求項30に記載の陽極化成用電極。
  34. 【請求項34】 少なくとも前記接触部は、多孔質材料
    で構成されていることを特徴とする請求項28乃至請求
    項30のいずれか1項に記載の陽極化成用電極。
  35. 【請求項35】 処理対象の基板を前記接触部に吸着さ
    せるための吸着機構を更に備えることを特徴とする請求
    項34に記載の陽極化成用電極。
  36. 【請求項36】 前記多孔質材料で構成された部分を介
    して処理対象の基板を吸引することにより該基板を前記
    接触部に吸着させるための吸着機構を更に備えることを
    特徴とする請求項34に記載の陽極化成用電極。
  37. 【請求項37】 前記接触部は、半導体材料で構成され
    ていることを特徴とする請求項28乃至請求項36のい
    ずれか1項に記載の陽極化成用電極。
  38. 【請求項38】 前記接触部は、金属材料で構成されて
    いることを特徴とする請求項28乃至請求項36のいず
    れか1項に記載の陽極化成用電極。
  39. 【請求項39】 基板に陽極化成処理を施すために該基
    板の一方の面に接触させて使用される陽極化成用電極で
    あって、 処理対象の基板を電極面に吸着させるための吸着機構を
    有することを特徴とする陽極化成用電極。
  40. 【請求項40】 前記吸着機構は、真空吸着機構である
    ことを特徴とする請求項39に記載の陽極化成用電極。
  41. 【請求項41】 前記真空吸着機構は、前記電極面に実
    質的に円環状に配置された真空吸着用の溝を有すること
    を特徴とする請求項40に記載の陽極化成用電極。
  42. 【請求項42】 前記電極面を構成する部材は、多孔質
    材料からなることを特徴とする請求項39に記載の陽極
    化成用電極。
  43. 【請求項43】 前記吸着機構は、前記電極面を構成す
    る多孔質材料からなる部材を介して処理対象の基板を吸
    引することにより該基板を前記電極面に吸着させること
    を特徴とする請求項42に記載の陽極化成用電極。
  44. 【請求項44】 基板に陽極化成処理を施すために該基
    板の一方の面に接触させて使用される陽極化成用電極で
    あって、 少なくとも処理対象の基板と接触する部分が多孔質材料
    で構成されていることを特徴とする陽極化成用電極。
  45. 【請求項45】 基板の処理方法であって、 処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に電解
    質溶液を満たすと共に、略中央部に非接触部を有し前記
    非接触部の外側に接触部を有するプラス電極を該基板の
    他方の面に接触させる工程と、 前記プラス電極と前記マイナス電極との間に電圧を印加
    する工程と、 を含むことを特徴とする基板の処理方法。
  46. 【請求項46】 基板の処理方法であって、 処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に電解
    質溶液を満たすと共に、プラス電極を該基板の他方の面
    に接触させる工程と、 前記プラス電極に前記基板を吸着させながら、前記プラ
    ス電極と前記マイナス電極との間に電圧を印加する工程
    と、 を含むことを特徴とする基板の処理方法。
  47. 【請求項47】 基板の処理方法であって、 処理対象の基板の一方の面とマイナス電極との間に電解
    質溶液を満たすと共に、多孔質材料で構成された接触部
    を有するプラス電極の該接触部を該基板の他方の面に接
    触させる工程と、 前記プラス電極と前記マイナス電極との間に電圧を印加
    する工程と、 を含むことを特徴とする基板の処理方法。
  48. 【請求項48】 基板の製造方法であって、 請求項45乃至請求項47に記載の処理方法によって基
    板の表面に多孔質層を形成する工程と、 前記多孔質層上に少なくとも半導体層を有する第1の基
    板を作成する工程と、 前記第1の基板の前記半導体層側の面に第2の基板を貼
    り合わせて貼り合わせ基板を作成する工程と、 前記多孔質層の部分で前記貼り合わせ基板を2枚の基板
    に分離する工程と、 を含むことを特徴とする基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014091841A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Dalton Corp 陽極酸化装置、陽極酸化システム及び陽極酸化方法
CN106435682A (zh) * 2016-11-11 2017-02-22 苏州胜禹材料科技股份有限公司 铝板阳极氧化设备及着色工艺

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