JP2000273113A - 予備重合触媒及びそれを使用したポリオレフィンの重合方法 - Google Patents

予備重合触媒及びそれを使用したポリオレフィンの重合方法

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JP2000273113A
JP2000273113A JP11078474A JP7847499A JP2000273113A JP 2000273113 A JP2000273113 A JP 2000273113A JP 11078474 A JP11078474 A JP 11078474A JP 7847499 A JP7847499 A JP 7847499A JP 2000273113 A JP2000273113 A JP 2000273113A
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catalyst
prepolymerization
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carbon atoms
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JP11078474A
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Hitoshi Matsuoka
仁志 松岡
Yoshiyuki Kitajima
佳幸 北島
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィン、特に炭素数3以上のα−オレフィ
ンの重合を行った場合に高立体規則性の重合体を高収率
で得ることを可能にする予備重合触媒及びそれを使用し
たポリオレフィンの製造方法を提供する。 【解決手段】下記固体チタン化合物[A]、有機アルミ
ニウム化合物[B]及び有機ケイ素化合物[C]成分よ
りなる重合触媒の存在下にオレフィンの予備重合を行な
い、得られた予備重合物と下記有機アルミニウム化合物
[B]及び有機ケイ素化合物[D]成分よりなる触媒の
存在下にオレフィンの予備重合を行うことによって得ら
れるオレフィンの予備重合触媒であり、かかる予備重合
触媒、有機アルミニウム化合物及び電子供与体の存在下
にオレフィンを重合する。[C]成分:一般式[II]で
示される R23Si(OR42 [II] [D]成分:一般式[III]で示される 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なオレフィン
の予備重合触媒及び該予備重合触媒を使用したポリオレ
フィンの重合方法に関する。詳しくは、オレフィン、特
に炭素数3以上のα−オレフィンの重合において、極め
て高い立体規則性の重合体を高収率で得ることが可能な
予備重合触媒および上記重合体の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】オレフィンの重合用触媒として、ジエチ
ルアルミニウムクロライド、トリアルキルアルミニウム
のような有機アルミニウム化合物と三塩化チタン、四塩
化チタンのような固体チタン触媒を主成分とするチーグ
ラー・ナッタ型触媒は公知のものである。従来、この触
媒の重合活性及び立体規則性を改善する方法が種々提案
されている。中でも、該固体チタン触媒として、チタ
ン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とする、いわ
ゆる担持型固体チタン触媒を使用することにより重合活
性の大幅な改善がなされている。
【0003】しかし、この触媒を用いてプロピレンなど
のオレフィンの重合を行った場合、活性は高いものの、
得られる重合体の立体規則性がきわめて低くアタクチッ
ク成分が多いことから、実用的価値が低下していた。
【0004】そこで、チタン、マグネシウム及びハロゲ
ンを含有する固体チタン触媒に種々のエステル、エ一テ
ルなどの電子供与体を合有せしめる(内部ドナー)こと
により立体規則性を向上させる方法が提案されており、
さらに、このような固体チタン触媒と有機アルミニウム
化合物に加え、エステル、エ一テル、アミン、有機ケイ
素化合物などの電子供与体(外部ドナー)を添加するこ
とで立体規則性の一層の改善がなされている。
【0005】また、特開昭55−75409号公報に
は、このような触媒系を用い、少量のプロピレンと本重
合の前に予備重合させることで、重合活性やポリマー性
状が改善されるばかりか、重合体の立体規則性も向上す
ることが知られている。
【0006】さらに、特開平9−278819号公報に
は、チタン、マグネシウム及びハロゲンを必須成分とし
て含むチタン化合物とトリアルキルアルミニウムの如き
有機アルミニウム化合物、さらに5〜8員環の置換環状
アミノ基を含む有機ケイ素化合物の存在下にオレフィン
の予備重合を行い、得られた固体チタン触媒成分とトリ
アルキルアルミニウムの如き有機アルミニウム化合物、
さらに5〜8員環の置換環状アミノ基を含む有機ケイ素
化合物の存在下にオレフィンの重合を行う方法が開示さ
れている。
【0007】この方法により得られたポリオレフィン
は、それまで知られている触媒に比べ高い重合活性や立
体規則性は有するものの、これらの特性については、未
だ改良の余地があり、特に成形品の高剛性、高硬度、高
耐熱性、低収縮率等の諸物性を満足させるには、更に一
層の高立体規則性ポリプロピレンが望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、極めて高い立体規則性を有するオレフィン重合体を
得ることが可能なオレフィンの予備重合触媒及びかかる
予備重合触媒を使用したポリオレフィンの製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、下
記の構成によって達成することができる。
【0010】即ち、本発明は、下記[A]、[B]及び
[C]成分よりなる重合触媒の存在下にオレフィンの予
備重合(以下、第一段予備重合という)を行ない、得ら
れた予備重合物と下記[B]及び[D]成分よりなる触
媒の存在下にオレフィンの予備重合(以下、第二段予備
重合という)を行うことによって得られるオレフィンの
予備重合触媒である。
【0011】[A]成分:固体チタン化合物 [B]成分:一般式[I]で示される有機アルミニウム
化合物 R1 3Al [I] (但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。) [C]成分:一般式[II]で示される有機ケイ素化合物 R23Si(OR42 [II] (但し、R2、R3は炭素数1〜20の同種または異種の
炭化水素基であり、少なくとも一方はケイ素原子に直結
する原子が3級炭素である鎖状炭化水素基又は2級炭素
である環状炭化水素基であり、R4は炭素数13のアル
キル基である。)で示される有機ケイ素化合物 [D]成分:一般式[III]で示される有機ケイ素化合
【0012】
【化2】
【0013】(但し、nは2〜6の整数であり、R5
6は同種又は異種の水素又はメチル基であり、R7、R
8は同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
3〜6の環状アルキル基又はアリール基であり、R9
炭素数1〜3のアルキル基である。) また、本発明は、上記予備重合触媒、有機アルミニウム
化合物及び電子供与体よりなる触媒の存在下にオレフィ
ンを重合することを特徴とする高立体規則性を有するポ
リオレフィンの製造方法をも提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる固体チタン化
合物は、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与
体を必須成分として含有しているものであれば、公知の
ものが特に制限なく使用される。
【0015】かかる固体チタン化合物の製法は、これま
でに数多くの提案がなされており、本発明においてはこ
れら公知の方法で得られた固体チタン化合物が何ら制限
なく使用される。例えば、テトラハロゲン化チタン等の
チタン化合物をマグネシウム化合物と共に電子供与体の
存在下に共粉砕する方法、又は、溶媒中でチタン化合
物、マグネシウム化合物及び電子供与体を接触させる方
法等が挙げられる。
【0016】これらの固体チタン化合物の調製方法は、
詳細には、特開昭56−155206号公報、同56−
136806号公報、同57−34103号公報、同5
8−8706号公報、同58−83006号公報、同5
8−138708号公報、同58−183709号公
報、同59−206408号公報、同59−21931
1号公報、同60−81208号公報、同60−812
09号公報、同60−186508号公報、同60−1
92708号公報、同61−211309号公報、同6
l一271304号公報、同62−15209号公報、
同62−11706号公報、同62−72702号公
報、同62−104810号公報等に開示されている。
【0017】上記固体チタン化合物の調製に用いられる
チタン化合物は、4価のチタン化合物が用いられる。か
かる4価のチタン化合物としては、テトラハロゲン化チ
タン、テトラアルコキシチタン、トリハロゲン化アルコ
キシチタン、ジハロゲン化ジアルコキシチタン及びハロ
ゲン化トリアルコキシチタン類等を用いることができ
る。このような化合物の具体的例としては、テトラクロ
ロチタン、テトラブロムチタン、テトラヨードチタン、
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ
n−プロポキシチタン、テトラi−プロポキシチタン、
テトラブトキシチタン、テトラi−ブトキシチタン、テ
トラヘキシルオキシチタン、テトラオクチルオキシチタ
ン、トリクロロエトキシチタン、ジクロロジエトキシチ
タン、トリエトキシクロロチタン、トリクロロブトキシ
チタン、ジクロロジブトキシチタン、トリブトキシクロ
ロチタン等を用いることができる。
【0018】また、上記した固体チタン化合物の調製に
用いられるマグネシウム化合物は、塩化マグネシウム等
のハロゲン化マグネシウム、マグネシウムジエトキシド
等のアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウム
ハライド、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マ
グネシウムのカルボン酸塩類等を用いることができる。
更に、該固体チタン化合物の調製に用いられる電子供
与体は、公知のものが特に制限なく使用される。例え
ば、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒ
ド類、カルボン酸類、有機酸ハライド類、有機酸又は無
機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水
物、アミン類、ニトリル類、イソシアネート類、アンモ
ニアなどを挙げることができる。
【0019】これらの中でも有機酸のエステルが好まし
く、特に、分子内に2個以上のエステル結合を有するも
のが好ましい。
【0020】このような、分子内に2個以上のエステル
結合を有する化合物としては、具体的には、コハク酸ジ
エチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、
α−メチルグルタル酸ジイi−ブチル、メチルマロン酸
ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、i−プロピルマロ
ン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロ
ン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマ
ロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸
ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジ
ブチル、ブチルマレイン酸ジエチル、β−メチルグルタ
ル酸ジi−プロピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シ
トラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エス
テル、l,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、
1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テト
ラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルのよう
な脂環族ポリカルボン酸エステル、フタル酸モノエチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル
酸モノi−ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチル
i−ブチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジi−プロ
ピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジi−ブチル、フタ
ル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フ
タル酸ジオクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸
ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニ
ル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカ
ルボン酸ジブチル、トリメット酸トリエチル、トリメッ
ト酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル等を
挙げることができる。
【0021】また、分子内に2個以上のエステル結合を
有する化合物の他の例としては、アジピン酸ジエチル、
アジビン酸ジi−ブチル、セバシン酸ジi−プロピル、
セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン
酸ジ−2−エチルヘキシル等の長鎖ジカルボン酸のエス
テルなどを挙げることができる。
【0022】これらの中で、フタル酸エステル類を用い
ることが、本発明の効果において有効であるために最も
好ましい。
【0023】本発明において第一段予備重合及び第二段
予備重合で用いられる有機アルミニウム化合物は、下記
一般式[I]で示されるトリアルキルアルミニウムであ
る。 R1 3Al [I] 上記一般式[I]中、R1は炭素数1〜10の飽和アル
キル基である。炭素数1〜10の飽和アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチ
ル基、ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の鎖状ア
ルキル基及び環状アルキル基が挙げられる。
【0024】特に好適に使用できるトリアルキルアルミ
ニウム化合物を具体的に例示すると、例えば、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリi−ブ
チルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオ
クチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等が挙げ
られる。
【0025】尚、上記有機アルミニウム化合物は、その
作用を著しく阻害しない範囲で、ハロゲン化有機アルミ
ニウム化合物のような他の有機アルミニウム化合物が存
在していても良い。一般に、かかる割合はハロゲン原子
を実質的に持たない有機アルミニウム化合物に対して2
00重量%以下である。
【0026】本発明の第一段予備重合において用いられ
る有機ケイ素化合物は下記一般式[II]で示されるケイ
素化合物である。
【0027】R23Si(OR42 [II] 前期化合物中、R2、R3は炭素数1〜20の同種または
異種の炭化水素基であり、少なくとも一方はケイ素原子
に直結する原子が2級又は3級炭素である鎖状炭化水素
基又は2級炭素である環状炭化水素基である。例えば、
ケイ素原子に直結する原子が2級又は3級炭素である鎖
状炭化水素基としては、i−プロピル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、t−アミル基などが挙げられる。ま
た、ケイ素原子に直結する原子が2級炭素である環状炭
化水素基としては、シクロペンチル基、2−メチルシク
ロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチ
ルシクロペンチル基、2−ブチルシクロペンチル基、
2,3−ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチル
シクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル
基、2,3−ジエチルシクロペンチル基、2,3,4−
トリメチルシクロペンチル基、2,3,5−トリメチル
シクロペンチル基、2,3,4−トリエチルシクロペン
チル基、テトラメチルシクロペンチル基、テトラエチル
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシク
ロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチ
ルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、
2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチル
シクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル
基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジエ
チルシクロヘキシル基、2,3,4−トリメチルシクロ
ヘキシル基、2,3,5−トリメチルシクロヘキシル
基、2,3,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,
4,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,4,6−ト
リメチルシクロヘキシル基、2,3,4−トリエチルシ
クロヘキシル基、2,3,4,5−テトラメチルシクロ
ヘキシル基、2,3,4,6−テトラメチルシクロヘキ
シル基、2,3,5,6−テトラメチルシクロヘキシル
基、2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキシル基、
ペンタメチルシクロヘキシル基、ペンタエチルシクロヘ
キシル基等が挙げられる。
【0028】また、炭素数1〜20の炭化水素基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル
基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、および前
述したようなシクロペンチル基、置換シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、t−ブ
チル基、t−アミル基等が挙げられる。
【0029】R4は炭素数1〜3のアルキル基である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基が挙げられる。
【0030】このような一般式[II]で表される有機ケ
イ素化合物の更に具体的な例としては、ジi−プロピル
ジメトキシシラン、ジs−ブチルジメトキシシラン、ジ
t−ブチルジメトキシシラン、ジt−アミルジメトキシ
シラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロ
ヘキシルジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロペン
チル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロペ
ンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシク
ロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,
4−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,5−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4−トリエチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロヘキシル)ジ
メトキシシラン、ジ(3−メチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(4−メチルシクロヘキシル)ジメト
キシシラン、ジ(2−エチルシクロヘキシル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)
ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチルシクロヘキシ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,6−ジメチルシクロヘ
キシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリ
メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,
3,5−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,6−トリメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,4,5−トリメチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,6−トリメチル
シクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−
トリエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5−テトラメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,3,4,6−テトラメチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5,6−
テトラメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(ペンタメチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、ジ(ペンタエチルシクロヘキシル)ジメ
トキシシラン、i−プロピルメチルジメトキシシラン、
i−プロピルエチルジメトキシシラン、s−ブチルメチ
ルジメトキシシラン、s−ブチルエチルジメトキシシラ
ン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエ
チルジメトキシシラン、t−アミルメチルジメトキシシ
ラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロ
ペンチルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシランなどを挙げることができる。
【0031】本発明の第二段予備重合において用いられ
る有機ケイ素化合物は下記一般式[III]で示されるケ
イ素化合物である。
【0032】
【化3】
【0033】前記一般式[III]中、R5、R6は同種又
は異種の水素又はメチル基である。また、R7、R8は同
種又は異種の、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状の
アルキル基、炭素数3〜6の環状アルキル基もしくはア
リール基である。
【0034】上記炭素数1〜4の鎖状もしくは分岐アル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i
−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基が挙げられる。また、炭素数3〜6の
環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げら
れる。このうち、製造面からシクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基が特に好ましい。アリール基としてはフェニ
ル基が挙げられる。
【0035】R9は炭素数1〜3のアルキル基である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基が挙げられる。
【0036】このような有機ケイ素化合物としては、よ
り具体的には下記のような化合物が挙げられる。
【0037】例えば、N,N'−ジメチルエチレンジア
ミノジメトキシシラン、N,N'−ジメチル−1,2,
−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジメチル−1,1,2,2,−テトラメチルエチ
レンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジエチルエ
チレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジエチル
−1,2,−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジエチル−1,1,2,2,−テトラメ
チルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジ
プロピルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'
−ジプロピル−1,2,−ジメチルエチレンジアミノジ
メトキシシラン、N,N'−ジプロピル−1,1,2,
2,−テトラメチルエチレンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジi−プロピルエチレンジアミノジメト
キシシラン、N,N'−ジ i−プロピル−1,2,−ジ
メチルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−
ジi−プロピル−1,1,2,2,−テトラメチルエチ
レンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジブチルエ
チレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジブチル
−1,2,−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジブチル−1,1,2,2,−テトラメ
チルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジ
i−ブチルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジi−ブチル−1,2,−ジメチルエチレンジア
ミノジメトキシシラン、N,N'−ジi−ブチル−1,
1,2,2,−テトラメチルエチレンジアミノジメトキ
シシラン、N,N'−ジs−ブチルエチレンジアミノジ
メトキシシラン、N,N'−ジs−ブチル−1,2,−
ジメチルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'
−ジs−ブチル−1,1,2,2,−テトラメチルエチ
レンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジt−ブチ
ルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジt
−ブチル−1,2,−ジメチルエチレンジアミノジメト
キシシラン、N,N'−ジt−ブチル−1,1,2,
2,−テトラメチルエチレンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジメチル1,3−プロパンジアミノジメ
トキシシラン、N,N'−ジエチル−1,3−プロパン
ジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジプロピル−
1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,N'
−ジiプロピル−1,3−プロパンジアミノジメトキシ
シラン、N,N'−ジブチル −1,3−プロパンジアミ
ノジメトキシシラン、N,N'−ジi−ブチル−1,3
−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジs
−ブチル−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジtブチル−1,3−プロパンジアミノ
ジメトキシシラン、N,N'−ジメチル −2−メチル−
1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,N'
−ジエチル −2−メチル−1,3−プロパンジアミノ
ジメトキシシラン、N,N'−ジプロピル −2−メチル
−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジi−プロピル−2−メチル−1,3−プロパン
ジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジブチル −2−
メチル−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、
N,N'−ジi−ブチル−2−メチル−1,3−プロパ
ンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジs−ブチル
−2−メチル−1,3−プロパンジアミノジメトキシシ
ラン、N,N'−ジt−ブチル−2−メチル−1,3−
プロパンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジメチ
ル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミノジメ
トキシシラン、N,N'−ジエチル −2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジプロピル −2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジi−プロピ
ル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミノジメ
トキシシラン、N,N'−ジブチル −2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジi−ブチル−2,2−ジメチル−1,3−プロ
パンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジs−ブチ
ル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミノジメ
トキシシラン、N,N'−ジt−ブチル−2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジアミノジメトキシシラン、
N,N'−ジメチル−1,4−ブタンジアミノジメトキ
シシラン、N,N'−ジエチル−1,4−ブタンジアミ
ノジメトキシシラン、N,N'−ジプロピル−1,4−
ブタンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジi−プ
ロピル−1,4−ブタンジアミノジメトキシシラン、
N,N'−ジブチル−1,4−ブタンジアミノジメトキ
シシラン、N,N'−ジiブチル−1,4−ブタンジア
ミノジメトキシシラン、N,N'−ジs−ブチル−1,
4−ブタンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジt
−ブチル−1,4−ブタンジアミノジメトキシシラン、
N,N'−ジメチル−1,5−ペンタンジアミノジメト
キシシラン、N,N'−ジエチル−1,5−ペンタンジ
アミノジメトキシシラン、N,N'−ジプロピル−1,
5−ペンタンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジ
i−プロピル−1,5−ペンタンジアミノジメトキシシ
ラン、N,N'−ジブチル−1,5−ペンタンジアミノ
ジメトキシシラン、N,N'−ジi−ブチル−1,5−
ペンタンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジs−
ブチル−1,5−ペンタンジアミノジメトキシシラン、
N,N'−ジt−ブチル−1,5−ペンタンジアミノジ
メトキシシラン、N,N'−ジメチル−1,6−ヘキサ
ンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジエチル−
1,6−ヘキサンジアミノジメトキシシラン、N,N'
−ジプロピル−1,6−ヘキサンジアミノジメトキシシ
ラン、N,N'−ジi−プロピル−1,6−ヘキサンジ
アミノジメトキシシラン、N,N'−ジブチル−1,6
−ヘキサンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジi
−ブチル−1,6−ヘキサンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジs−ブチル−1,6−ヘキサンジアミ
ノジメトキシシラン、N,N'−ジt−ブチル−1,6
−ヘキサンジアミノジメトキシシラン、N,N'−ジシ
クロプロピルエチレンジアミノジメトキシシラン、N,
N'−ジシクロブチルエチレンジアミノジメトキシシラ
ン、N,N'−ジシクロペンチルエチレンジアミノジメ
トキシシラン、N,N'−ジシクロヘキシルエチレンジ
アミノジメトキシシラン、N,N'−ジフェニルエチレ
ンジアミノジメトキシシラン、などが挙げられる。
【0038】この中で特にN,N'−ジメチルエチレン
ジアミノジメトキシシラン、N,N’−ジメチル−1,
1,2,2,−テトラメチルエチレンジアミノジメトキ
シシラン、N,N’−ジi−プロピルエチレンジアミノ
ジメトキシシラン、N,N’−ジメチル−1,3−プロ
パンジアミノジメトキシシラン、N,N’−ジメチル−
1,4−ブタンジアミノジメトキシシラン、N,N’−
ジシクロペンチルエチレンジアミノジメトキシシラン、
N,N’−ジシクロヘキシルエチレンジアミノジメトキ
シシラン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミノジメ
トキシシランなどが好ましい。
【0039】本発明の予備重合触媒の特徴は、予備重合
を前記一般式[II]及び[III]の異なる特定の有機ケ
イ素化合物を使用し、二段階でオレフィンを予備重合し
て得られた点にある。即ち、第一段予備重合において前
記[A]、[B]及び[C]の各成分よりなる触媒の存
在下にオレフィンの予備重合を施した後、第二段予備重
合において上記第一段予備重合で得られた予備重合物と
[B]及び[D]の各成分よりなる触媒の存在下にオレ
フィンを2段階に予備重合して得られる。かかる二段階
の予備重合によって得られる予備重合触媒は、それぞれ
の有機ケイ素化合物を使用して得られる予備重合触媒に
対して、著しく高い立体規則性を有するポリオレフィン
を得ることができる。
【0040】尚、本発明において、前記第一予備重合、
第二予備重合は、上記一般式で示される同一種類の有機
ケイ素化合物を使用して予備重合を行う限り、これを多
段に分けて行っても、一段の予備重合であると言える。
【0041】本発明の各段の予備重合において、上記触
媒の各成分は逐次添加されてもよく、一括混合したもの
を用いてもよい。各成分の量は、下記の範囲で決定する
ことが望ましい。
【0042】即ち、有機アルミニウム化合物の使用量
は、第一段予備重合及び第二段予備重合において、それ
ぞれ固体チタン化合物中のチタン原子に対し、Al/T
i(モル比)で、1〜1000、好ましくは5〜500
である。
【0043】また、第一段予備重合における、前記一般
式[II]で示される有機ケイ素化合物の使用量は、有機
アルミニウム化合物に対するモル比で、0.01〜1
0、好ましくは、0.01〜1.0である。
【0044】更に、第二段予備重合における、前記一般
式[III]で示される有機ケイ素化合物の使用量は、有
機アルミニウム化合物に対するモル比で、0.01〜1
0、好ましくは、0.01〜1.0である。
【0045】また、各予備重合でのオレフィンの重合量
は、それぞれ固体チタン化合物成分1g当り0.1〜1
00g、好ましくは1〜100gの純囲であり、工業的
には特に2〜50gの範囲が好適である。
【0046】また、各予備重合で用いるオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、4−メチル
ペンテン−1等のオレフィンが挙げられる。上記のオレ
フィンは、2種類以上同時に使用することも可能であ
り、各予備重合で異なるオレフィンを任意に用いること
ができるが、得られる重合体の立体規則性の向上を勘案
すると、一種のオレフィンを90モル%以上、好ましく
は97モル%以上用いることが好ましい。また、予備重
合で水素を共存させることも可能である。
【0047】更に、各予備重合は、重合速度0.001
〜1.0g−ポリマー/g−触媒・分の範囲で行うこと
が好ましく、かかる重合速度を達成するために、通常、
スラリー重合が最も好適に採用される。この場合、溶媒
として、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエンなどの飽和脂肪族炭化水素もしくは芳香族
炭化水素を単独で、又はこれらを併用して用いることが
できる。
【0048】本発明において、各予備重合温度は、一般
に−20〜100℃、特に0〜60℃が好ましく、予備
重合の各段階で異なる温度の条件下で行ってもよい。ま
た、重合時間は、重合温度及び重合量に応じ適宜決定す
れぱよく、予備重合における重合圧カは限定されるもの
ではないが、スラリー重合の場合は一般に大気圧〜5k
g/cm2程度である。
【0049】第一段予備重合によって得られる予備重合
物及び第二段予備重合によって得られる本発明の予備重
合触媒は、それぞれ、予備重合終了後に、適当な溶媒に
よって余分な触媒成分を洗浄・除去することが望まし
い。かかる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族炭化水素
もしくは芳香族炭化水素を単独で又は混合して使用する
ことができる。また、洗浄回数は通常の場合3〜6回が
好ましい。
【0050】本発明において、各予備重合は、回分、半
回分、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0051】以上、予備重合方法をスラリー重合を中心
に説明したが、気相重合、無溶媒重合によっても予備重
合を実施することが可能であり、前記重合条件に基づ
き、それぞれの重合方法において適宜条件を決定して予
備重合を行えばよい。
【0052】本発明の前記予備重合において、予備重合
の各段階で、上記した固体チタン化合物[A]、有機ア
ルミニウム化合物[B]、有機ケイ素化合物[C]及び
含窒素有機ケイ素化合物[D]に加えて、下記一般式
[IV] R10−I [IV] (但し、R10はヨウ素原子又は炭化水素基である。)で
示されるヨウ素化合物[E]を併用することが、得られ
る重合体の立体規則性を更に高くすることができ好まし
い。
【0053】該R10の炭化水素基としては、炭素数1〜
10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基等が挙げられる。
【0054】上記一般式[IV]で示されるヨウ素化合物
としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化メチル、ヨウ化エチ
ル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウドベンゼン、
p−ヨウ化トルエン等が挙げられる。
【0055】中でもヨウ化メチル、ヨウ化エチルが好ま
しい。予備重合段階で用いるヨウ素化合物の使用量はチ
タン化合物中のTi原子に対し、I/Ti(モル比)
で、0.1〜100、好ましくは0.5〜50である。
【0056】本発明の予備重合触媒を使用して極めて高
い立体規則性を有するポリオレフィンを製造する方法が
提供される。即ち、本発明により、上記予備重合触媒、
有機アルミニウム化合物及び電子供与体よりなる触媒の
存在下にオレフィンを重合(本重合)することを特徴と
するポリオレフィンの製造方法が提供される。
【0057】上記有機アルミニウム化合物としては、前
記各予備重合において使用することのできる有機アルミ
ニウム化合物が特に制限なく使用される。
【0058】また、電子供与体は、例えば、炭素数3以
上のオレフィンに対して、その立体規則性制御のためエ
ーテル、アミン、アミド、含硫黄化合物、ニトリル、カ
ルボン酸、酸アミド、酸無水物、酸エーテル、有機ケイ
素化合物などが使用される。中でも、有機ケイ素化合物
が好ましい。かかる有機ケイ素化合物は前述の予備重合
時に選ばれたものが使用できる。
【0059】上記電子供与体の好適な使用割合は、有機
アルミニウム化合物に対するモル比で、0.01〜1.
0の範囲である。また、重合温度は、20〜200℃、
好ましくは50〜150℃であり、分子量調節剤として
水素を共存させることもできる。また、重合はスラリー
重合、無溶媒重合、及び気相重合にも適用でき、回分
式、半回分式、連続式の何れの方法でもよく、更に重合
を条件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0060】本重合に使用するオレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン
−1等のα −オレフィンが挙げられ、これらのオレフ
ィンを単独で、又は2種類以上を混合して用いることが
できる。但し、2種類以上のオレフィンを用いる場合
は、特定の一種を90モル%以上、好ましくは97モル
%以上、特に、99モル%以上用いることが、得られる
ポリオレフィンの立体規則性の向上の点から好ましい。
【0061】
【発明の効果】本発明のオレフィンの予備重合触媒は、
高い立体規則性を有するポリオレフィンを効率よく製造
することができる。また、本発明予備重合触媒を使用し
て得られたポリオレフィンは、その高い立体規則性の発
現により、高剛性、高耐熱性、高硬度、低熱収縮性とい
う優れた性質を有する。
【0062】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するため
に、実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものでばない。
【0063】尚、以下の実施例及び比較例において用い
た測定方法は下記の通りである。
【0064】(1)メルトインデックス(以下、MIと
略す) ASTM D−1238に準拠した。
【0065】(2)p−キシレン可溶分量 ポリマー1gをp−キシレン100CCに加え攪はんしな
がら、120℃まで昇温した後、更に30分攪はんを続
け、ポリマーを完全に溶かした後、p−キシレン溶液を
23℃、24時間放置した。析出物は濾別し、p−キシ
レン溶液は完全に濃縮することで可溶分を得た。
【0066】室温 p-キシレン可溶分(%)=(p-キシレン可溶
分(g)/ポリマー1g)×100 で表される。
【0067】(3)昇温溶離分別法による主溶出ピーク
位置(以下、Tmaxと略す)及び主溶出ピークの半値幅
(以下、δと略す) 昇温溶離分別法とは、Journal of Appl
ied Polymer Science;Appli
ed Polymer Symposium45,1−
24(1990)に詳細に記述されている方法であり、
ポリプロピレン等のポリオレフィンを結晶性の分布、す
なわち、溶剤への溶解温度の差により分別する方法であ
る。詳しくは、クロモソルブを充填剤として用たカラム
内に試料溶液を導入し、試料を該充填剤表面に吸着させ
た後、カラム温度を昇温しながら、オルトジクロロベン
ゼンで溶出せしめ、各温度で溶出してくるポリマー濃度
を検出することにより測定することができる。
【0068】かかる測定温度範囲は、ポリマーの溶出が
全量行われる範囲で設定される。本発明の対象とするポ
リプロピレンについて、その測定温度は10〜140℃
の範囲である。
【0069】本実施例における測定は、センシュー科学
製SSC−7300を用い、溶媒:o−ジクロルベンゼ
ン、流速:2ml/min、昇温速度:4℃/Hr、カ
ラム:30mm×300mmの条件で行った。
【0070】図1に昇温溶離分別法によるTmax及び
δの分析チャートのモデルを示す。
【0071】上記昇温溶離分別法によって作成された溶
出曲線よりなる分析チャートにおいて、主溶出ピーク位
置(Tmax)は、その最大ピーク位置の溶出温度
(℃)を示し、主溶出ピークの半値幅(δ)は、Tma
xにおける溶出曲線のピークの高さを二等分(a/a)
した重量分率の横軸と2点で交わる該溶出曲線の幅(温
度(℃))で示した。
【0072】かかるTmaxは、得られるポリオレフィ
ンの結晶性成分において最も多く存在する成分の立体規
則性に関する特性を示し、δは、得られるポリオレフィ
ンの結晶性成分の分布に関する特性を示す。
【0073】(4)分子量分布(以下Mw/Mnと略
す) GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法
により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)を測定し求めた。測定は、センシュー科学製SSC
−7100により、o−ジクロルベンゼンを溶媒として
135℃で行った。
【0074】実施例1 [固体チタン化合物の調製]固体チタン化合物の調製法
は、特開昭58−83006号公報の実施例1の方法に
準じて行った。すなわち無水塩化マグネシウム0.95
g(10mmol)、デカン10ml、及び2−エチルヘキシ
ルアルコール4.7ml(30mmol)を125℃で2時間
加熱攪拌した後、この溶液中に無水フタル酸0.55g
(6.75mmol)を添加し、125℃にて更に1時間攪
拌混合を行い均一溶液とした。室温まで冷却した後、1
20℃に保持された四塩化チタン40ml(0.36mo
l)中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了
後、この混合液の温度を2時間かけて110℃に昇温
し、110℃に達したところでジi−ブチルフタレート
0.54ml(2.5mmol)を添加し、これより2時間同
温にて攪拌下保持した。2時間の反応終了後熱濾過にて
固体部を採取し、この固体部を200mlのTiCl4
て再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を
行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、
デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物
が検出されなくなるまで十分洗浄した。固体Ti触媒の
組成はチタン2.1重量%、塩素57重量%、マグネシ
ウム18.0重量%、及びジi−ブチルフタレート2
1.9重量%であった。
【0075】[予備重合]N2置換を施した1lのオ−
トクレーブに、精製ヘキサン200ml、トリエチルア
ルミニウム50mmol、ジシクロペンチルジメトキシシラ
ン10mmol、ヨウ化エチル50mmol及び固体チ
タン触媒成分をTi原子換算で5mmol装入した後、
プロピレンを固体触媒成分1gに対し3gとなるように
30分間連続的にオ−トクレーブに導入し、1段目の予
備重合を施した。なお、この間の温度は10℃に保持し
た。30分後反応を停止し、オートクレーブ内をN2
充分に置換した。得られたスラリーの固体部分を精製ヘ
キサンで4回洗浄した。更にこの固体成分をN2置換を
施した1lのオートクレーブに装入し、精製ヘキサン2
00ml、トリエチルアルミニウム50mmol、N,
N'−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシラン10
mmol、ヨウ化エチル50mmolを加えた後、プロ
ピレンを更に固体チタン触媒成分1gに対し3gとなる
ように30分間連続的にオ−トクレーブに導入し、2段
目の予備重合を施した。なお、この間の温度は10℃に
保持した。30分後反応を停止し、オートクレーブ内を
2で充分に置換した。得られたスラリーの固体部分を
精製ヘキサンで4回洗浄し、予備重合触媒を得た。
【0076】[重合]N2置換を施した内容積2lのオ
−トクレーブに、プロピレンを1.0l装入し、トリエ
チルアルミニウム1.1mmol、ジシクロペンチルジ
メトキシシラン1.1mmol、更に水素ガスを気相中
ガス濃度で1mol%となるように装入した後、オート
クレーブの内温を65℃に昇温し、上記子備重合で得ら
れた予備重合触媒をTi原子として4.38×10-3
mol装入した。続いてオートクレーブの内温を70℃
まで昇温し1時間の重合を行った。重合終了後、未反応
のプロピレンをパージし、白色穎粒状の重合体を得た。
得られた重合体は70℃で1時間の真空乾燥を行った。
結果を表1に示した。
【0077】実施例2〜6 第二段予備重合で用いたN,N'−ジメチルエチレンジ
アミノジメトキシシランの代わりに、N,N’−ジメチ
ル−1,1,2,2,−テトラメチルエチレンジアミノ
ジメトキシシラン(実施例2)、N,N’−ジi−プロ
ピルエチレンジアミノジメトキシシラン(実施例3)、
N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミノジメト
キシシラン(実施例4)、N,N’−ジシクロヘキシル
エチレンジアミノジメトキシシラン(実施例5)、N,
N’−ジフェニルエチレンジアミノジメトキシシラン
(実施例6)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行
った。結果を表2に示した。
【0078】比較例1 実施例1の予備重合で用いた有機ケイ素化合物につい
て、第一段予備重合にN,N'−ジメチルエチレンジア
ミノジメトキシシランを、第二段予備重合にジシクロペ
ンチルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様
の操作を行った。結果を表1に示した。
【0079】比較例2 実施例1の予備重合において、第二段予備重合でN,
N'−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシランの代
わりに第一段予備重合で用いたのと同じジシクロペンチ
ルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の操
作を行った。結果を表1に示した。
【0080】比較例3 実施例1の予備重合において、第一段予備重合でジシク
ロペンチルジメトキシシランの代わりに第二段予備重合
で用いたのと同じN,N'−ジメチルエチレンジアミノ
ジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の操作
を行った。結果を表1に示した。
【0081】比較例4 実施例1の予備重合において、段二段予備重合を行わな
かった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表
1に示した。
【0082】比較例5 実施例1の予備重合において、第一段予備重合に用いた
ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにN,N'
−ジメチルエチレンジアミノジメトキシシランを用い、
第二段予備重合を行わなかった以外は実施例1と同様の
操作を行った。結果を表1に示した。
【0083】
【表1】
【0084】実施例7〜10 実施例1の予備重合において、第一段及び第二段予備重
合量をそれぞれ表2に示す割合で行った以外は実施例1
と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】実施例11、12 実施例1において、第一段予備重合の重合で用いたジシ
クロペンチルジメトキシシランの代わりにジi−プロピ
ルジメトキシシラン(実施例11)、t−ブチルエチル
ジメトキシシラン(実施例12)を用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
【0087】比較例7 実施例11の予備重合で用いた有機ケイ素化合物につい
て、第一段予備重合にN,N'−ジメチルエチレンジア
ミノジメトキシシランを、第二段予備重合にジi−プロ
ピルジメトキシシランを用いた以外は実施例11と同様
の操作を行った。結果を表3に示した。
【0088】比較例8 実施例12の予備重合で用いた有機ケイ素化合物につい
て、第一段予備重合にN,N'−ジメチルエチレンジア
ミノジメトキシシランを、第二段予備重合にt−ブチル
エチルジメトキシシランを用いた以外は実施例12と同
様の操作を行った。結果を表3に示した。
【0089】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】昇温溶離分別法によるTmax及びδの分析チャ
ート
【図2】本発明の代表的な重合手段を示すフローチャー
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC04A AC05A AC06A AC07A BA00A BA03B BB00A BB01B BC15B BC34B BC39B CA16A CB12C CB27C CB35A CB36A CB62C CB66C CB81C DA01 DA02 DA03 DA05 EA03 EB02 EB04 EB05 EB08 EB09 EB10 ED01 ED02 ED03 ED05 EE01 EE02 EE03 EE05 GA12 GB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記[A]、[B]及び[C]成分より
    なる重合触媒の存在下にオレフィンの予備重合を行な
    い、得られた予備重合物と下記[B]及び[D]成分よ
    りなる触媒の存在下にオレフィンの予備重合を行うこと
    によって得られるオレフィンの予備重合触媒。 [A]成分:固体チタン化合物 [B]成分:一般式[I]で示される有機アルミニウム
    化合物 R1 3Al [I] (但し、R1は炭素数1〜10のアルキル基である。) [C]成分:一般式[II]で示される有機ケイ素化合物 R23Si(OR42 [II] (但し、R2、R3は炭素数1〜20の同種または異種の
    炭化水素基であり、少なくとも一方はケイ素原子に直結
    する原子が3級炭素である鎖状炭化水素基又は2級炭素
    である環状炭化水素基であり、R4は炭素数1〜3のア
    ルキル基である。) [D]成分:一般式[III]で示される有機ケイ素化合
    物 【化1】 (但し、nは2〜6の整数であり、R5、R6は同種又は
    異種の水素又はメチル基であり、R7、R8は同種又は異
    種の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜6の環状ア
    ルキル基又はアリール基であり、R9は炭素数1〜3の
    アルキル基である。)
  2. 【請求項2】 請求項1の予備重合触媒、有機アルミニ
    ウム化合物及び電子供与体よりなる触媒の存在下にオレ
    フィンを重合することを特徴とするポリオレフィンの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012523490A (ja) * 2009-04-13 2012-10-04 フオルモサ・プラステイクス・コーポレイシヨン・ユー・エス・エイ ポリオレフィン触媒のための電子供与体としての環式有機ケイ素化合物

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