JP2000273111A - 重合開始剤系及びそれを用いた重合体の製造方法 - Google Patents
重合開始剤系及びそれを用いた重合体の製造方法Info
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Abstract
体を製造するのに有用な重合開始剤系を得る。 【解決手段】 炭化水素配位子を含む遷移金属カルボニ
ル錯体(A)と、ハロゲン化合物(B)と、ルイス酸
(C)とで構成された重合開始剤系の存在下、ビニル系
単量体をリビング的にラジカル重合する。前記配位子に
は、シクロペンタジエニル配位子などが含まれ、ハロゲ
ン化合物(B)には、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン含
有エステル、スルホニルハライドなどが含まれ、ルイス
酸(C)には、Al,Ti,Zr,Snなどの金属アル
コキシドなどが含まれる。前記遷移金属カルボニル錯体
(A)は下記式(1)で表される。 M1 L(CO)i X1 j (1) (式中、M1 は周期表6〜10族遷移金属元素、Lは前
記配位子、X1 は、水素原子、ハロゲン原子又は擬ハロ
ゲン基を示す。iは1〜5の整数、jは0〜4の整数を
示す)
Description
ハロゲン化合物及びルイス酸で構成された重合開始剤
系、及びそれを用いて得られた重合体並びに重合体の製
造方法に関する。
流動性、耐熱性、他の樹脂との相溶性など)は、重合体
の一次構造(例えば、分子量、分子量分布、共重合体の
構造、末端基の構造など)により大きく影響される。そ
のため、所望の特性を有する重合体を得るには、一次構
造を制御するのが有効である。この一次構造を制御する
方法として、リビング重合などが用いられている。リビ
ング重合は、末端基の構造を制御できるとともに、ブロ
ック共重合体を合成することが可能であり、また分子量
分布の狭い重合体を得るのに有用であり、通常、イオン
重合(アニオン重合、カチオン重合など、特にアニオン
重合)が利用されている。しかし、このような重合法
は、重合系における不純物(水、酸素など)、溶媒など
の影響を受け易く、また高純度のモノマー、不活性雰囲
気、及び低温での重合が必要になるなど、操作が難しい
上に、煩雑化し、また経済的にも不利であるため、工業
化が困難である。
合法として、ラジカル重合が挙げられる。ラジカル重合
は、これら不純物の影響を受けにくいため、操作が簡便
となり、また種々のモノマーに適用でき、さらに種々の
重合法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合な
ど)が利用できるため、実験室レベルでもまた工業的に
も広く採用されている。しかし、ラジカル重合では、連
鎖移動反応や停止反応が生じるため、末端基の構造を制
御することが難しく、分子量分布が広くなる傾向にあ
る。また、通常の方法ではブロック共重合体を製造する
のが困難である。
制御し、分子量分布が狭い重合体を得る方法、例えば、
ラジカル重合をリビング的に進行させる方法(リビング
ラジカル重合)が見出されており、一次構造を制御する
ことが可能になりつつある。
(1982) において、大津らはイニファーター重合を提案
している。しかし、この方法では分子量分布の狭い重合
体を得るのが困難である。
O94/11412では、2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)のような安
定なラジカルを用いる方法により、分子量分布の狭いポ
リスチレンが得られることが記載されている。しかし、
この方法では、使用されるモノマーが限定されたり、ま
た条件によっては着色が生じたりする。
平8−41117号公報には、ハロゲン化炭化水素又は
ハロゲン化スルホニル化合物と、周期表第8族元素を中
心金属とする金属錯体と、活性化剤としてのルイス酸と
で構成されたリビング重合開始剤の存在下、不飽和カル
ボン酸又はその誘導体を重合させることが開示されてい
る。特開平9−208616号公報には、周期表第8族
金属錯体と、アルミニウム化合物と、ハロゲン化炭化水
素又はハロゲン化スルホニル化合物とで構成された重合
開始剤の存在下、スチレン類を重合させることが提案さ
れている。しかし、これらの方法では、重合体の分子量
分布は比較的狭くなるが十分でない。
95) 、Macromolecules, 28, 7901 (1995) 及びWO96
/30421(特表平10−509475号公報)に
は、遷移金属錯体を用い、スチレン、メタクリル酸メチ
ルなどをリビングラジカル重合すると、分子量分布の狭
い重合体が得られることが記載されている。しかし、こ
の方法では、金属錯体の配位子としてビピリジンを用い
ると、配位子の溶解性が低いため、溶解性を向上するに
はジノニルビピリジンなどの特殊なビピリジンなどを使
用する必要がある。
カル開始剤と、3価のルテニウム化合物と、ルイス酸な
どのモノマー活性化剤との存在下で、ビニル系単量体を
重合させることが開示されている。この文献には、得ら
れる重合体の分子量が重合の進行とともに増加すること
が記載されている。しかし、この方法では、重合体の分
子量を十分に制御できているとは言えない。
は、ラジカル重合であっても、重合がリビング的に進行
することにより、分子量が制御され、分子量分布の狭い
重合体を製造できる新規な重合開始剤系、及びそれを用
いて得られる重合体並びに重合体の製造方法を提供する
ことにある。
を達成するため鋭意検討の結果、特定のカルボニル錯
体、ハロゲン化合物及びルイス酸で重合開始剤系を構成
すると、ビニル系単量体をリビング的にラジカル重合で
き、重合体の分子量及び分子量分布を制御できることを
見出し、本発明を完成した。
基を有していてもよい炭化水素配位子を含む遷移金属カ
ルボニル錯体(A)と、ハロゲン化合物(B)と、ルイ
ス酸(C)とで構成されており、リビング重合のために
有用な重合開始剤系である。前記遷移金属カルボニル錯
体(A)は、下記式(1) M1 L(CO)i X1 j (1) (式中、M1 は遷移金属元素を示し、Lは炭化水素環を
含む炭化水素配位子を示し、置換基を有していてもよ
い。X1 は他の配位子(水素原子、ハロゲン原子、擬ハ
ロゲン基など)を示す。iは1〜5の整数、jは0〜4
の整数を示す。)で表される金属錯体であってもよい。
前記配位子は、シクロペンタジエニル配位子、インデニ
ル配位子、フルオレニル配位子などであってもよく、錯
体を構成する金属は周期表6〜10族金属などであって
もよい。前記ハロゲン化合物(B)としては、下記式
(2a)又は(2b)
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を
含む有機基を示す。R4 は、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基を示す。R1 〜R4 で
表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基は置換基を
有していてもよい。X2 はハロゲン原子を示す。)で表
わされるハロゲン化合物(ハロゲン化炭化水素、ハロゲ
ン含有エステル(ハロゲン化エステル)、ハロゲン含有
ケトン(ハロゲン化ケトン)、スルホニルハライド(ハ
ロゲン化スルホニル)など)などが例示できる。
は(3b)
13族元素を示し、M3 は周期表4族元素又は周期表1
4族元素を示す。R5 〜R8 は、同一又は異なって、ハ
ロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキ
シ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を示
す。)で表される化合物などであってもよい。遷移金属
カルボニル錯体(A)とルイス酸(C)との割合は、前
者/後者=0.05/1〜10/1(モル比)程度であ
る。
在下、少なくとも一種のビニル系単量体(スチレン系単
量体、(メタ)アクリル系単量体など)を重合すること
により得られる。重合体の数平均分子量(Mn)は、5
00〜1,000,000程度であり、分子量分布(M
w/Mn)は、1.01〜1.9程度である。
ビニル系単量体を重合させる重合体の製造方法も含まれ
る。
素配位子(又は配位子としての炭化水素基)を含む遷移
金属カルボニル錯体(A)と、ハロゲン化合物(B)
と、ルイス酸(C)とで構成されており、ビニル系単量
体のリビング重合に有用である。 [重合開始剤系] [遷移金属カルボニル錯体(A)]遷移金属カルボニル
錯体(A)は、遷移金属と、この遷移金属に配位又は結
合する配位子として、少なくとも一酸化炭素(CO)と
炭化水素配位子(炭化水素基)とを含んでいればよい。
3族金属〜周期表12族金属から選択できる。遷移金属
としては、周期表3族金属(スカンジウムScなど)、
周期表4族金属(チタンTiなど)、周期表5族金属
(バナジウムVなど)、周期表6族金属(クロムCr、
モリブデンMo、タングステンWなど)、周期表7族金
属(マンガンMn、テクネチウムTc、レニウムReな
ど)、周期表8族金属(鉄Fe、ルテニウムRuな
ど)、周期表9族金属(コバルトCo、ロジウムRhな
ど)、周期表10族金属(ニッケルNi、パラジウムP
d、白金Ptなど)、周期表11族金属(銅Cu,銀A
gなど)、周期表12族金属(亜鉛Znなど)などが使
用できる。好ましい遷移金属は、周期表6〜10族金
属、特に周期表8〜10族金属[Fe、Co、Ni、R
u、Rh、Pdなど]である。前記金属の価数は特に制
限されず、1〜8程度、好ましくは1〜6(例えば1〜
4)程度である。前記金属は単独又は二種以上組み合わ
せて用いてもよい。
えば、下記式(1) M1 L(CO)i X1 j (1) (式中、M1 は遷移金属元素を示し、Lは5員の炭化水
素環を含む炭化水素配位子を示し、置換基を有していて
もよい。X1 は他の配位子(水素原子、ハロゲン原子、
擬ハロゲン基など)を示す。iは1〜5の整数、jは0
〜4の整数を示す。)で表される金属錯体などであって
もよい。
ある。Lで表される配位子としては、前記遷移金属に単
座で又は多座で配位又は結合可能な炭化水素配位子(又
は炭化水素基)であれば特に制限されず、炭化水素配位
子は置換基を有していてもよい。炭化水素配位子として
は、例えば、鎖状炭化水素配位子(2−メチルアリル、
2−ブテニルなどのオレフィン類、アレン類など)、炭
化水素環(特に不飽和結合を有する炭化水素環)を含む
配位子(例えば、フェニル、シクロペンタジエニル、シ
クロヘキサジエニル、シクロオクタジエニル、シクロオ
クタテトラエニル、ノルボナジエニル配位子など)が例
示できる。炭化水素環は、通常、5員炭化水素環(特に
不飽和炭化水素環)、特にシクロペンタジエンで構成で
きる。シクロペンタジエン骨格を含む炭化水素配位子と
しては、シクロペンタジエニル配位子(シクロペンタジ
エニル基)、インデニル配位子(インデニル基)、フル
オレニル配位子(フルオレニル基)などが挙げられる。
基、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基などのC
1-4 アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基、アリ
ル基などのC2-5 アルケニル基など)、アルキニル基、
アルコキシ基(メトキシ基などのC1-4 アルコキシ基な
ど)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基
などのC1-4 アルコキシ−カルボニル基など)、アシル
基(アセチル基などのC 2-5 アシル基など)、アシルオ
キシ基(ホルミル基、アセチルオキシ基などのC 2-5 ア
シルオキシ基など)、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アミド基、イミノ基、ニトロ基、シアノ
基、チオエステル基、チオケトン基、チオエーテル基、
ハロゲン原子(塩素、臭素など)などを有していてもよ
い。置換基を有する炭化水素配位子としては、例えば、
ペンタメチルシクロペンタジエニルなどの1〜5個のメ
チル基で置換されていてもよい環状炭化水素配位子など
が例示できる。前記錯体(A)は、複数の前記炭化水素
基を有していてもよい。
配位子の他に、他の配位子X1 、例えば、水素原子、ヒ
ドロキソ(OH)、アルコキシル基(メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ基など)、アシル基(アセチ
ル、プロピオニル基など)、アルコキシカルボニル基
(メトキシカルボニル(アセタト)、エトキシカルボニ
ル基など)、アセチルアセトナト、ハロゲン原子(フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)、擬ハロゲン基[CN、チオ
シアナート(SCN)、セレノシアナート(SeC
N)、テルロシアナート(TeCN)、SCSN3 、O
CN、ONC、アジド(N3 )など]、酸素原子、H2
O(アコ)、リン化合物[ホスフィン(トリフェニルホ
スフィンなどのトリアリールホスフィンなど)など]、
窒素含有化合物[NH3 (アンミン)、NO、NO
2 (ニトロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリ
ンなど]などを有していてもよい。例えば、前記式
(1)に示されるように、他の配位子X1 として、水素
原子、ハロゲン原子(特に、塩素、臭素、ヨウ素原子な
ど)、擬ハロゲン基(特に、CN、チオシアナート、ア
ジドなど)などを有するのが好ましい。錯体(A)は、
このような他の配位子を、一種又は二種以上有していて
もよい。
〜5、好ましくは1〜3であり、特に1又は2が好まし
い。前記他の配位子の配位数jは、0〜4、好ましくは
0〜3、さらに好ましくは1〜2である。
例としては、例えば、ジカルボニルシクロペンタジエニ
ルヨウ化鉄(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル
臭化鉄(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル塩化
鉄(II)、ジカルボニルインデニルヨウ化鉄(II)、ジ
カルボニルインデニル臭化鉄(II)、ジカルボニルイン
デニル塩化鉄(II)、ジカルボニルフルオレニルヨウ化
鉄(II)、ジカルボニルフルオレニル臭化鉄(II)、ジ
カルボニルフルオレニル塩化鉄(II)などの鉄錯体;ジ
カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ルテニウム(I
I)、ジカルボニルシクロペンタジエニル臭化ルテニウ
ム(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル塩化ルテ
ニウム(II)、ジカルボニルインデニルヨウ化ルテニウ
ム(II)、ジカルボニルインデニル臭化ルテニウム(I
I)、ジカルボニルインデニル塩化ルテニウム(II)、
ジカルボニルフルオレニルヨウ化ルテニウム(II)、ジ
カルボニルフルオレニル臭化ルテニウム(II)、ジカル
ボニルフルオレニル塩化ルテニウム(II)などのルテニ
ウム錯体;カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ニッ
ケル(II)、カルボニルシクロペンタジエニル臭化ニッ
ケル(II)、カルボニルシクロペンタジエニル塩化ニッ
ケル(II)、カルボニルインデニルヨウ化ニッケル(I
I)、カルボニルインデニル臭化ニッケル(II)、カル
ボニルインデニル塩化ニッケル(II)、カルボニルフル
オレニルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニ
ルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニル臭化
ニッケル(II)、カルボニルフルオレニル塩化ニッケル
(II)などのニッケル錯体;トリカルボニルシクロペン
タジエニルヨウ化モリブデン(II)、トリカルボニルシ
クロペンタジエニル臭化モリブデン(II)、トリカルボ
ニルシクロペンタジエニル塩化モリブデン(II)などの
モリブデン錯体;トリカルボニルシクロペンタジエニル
ヨウ化タングステン(II)、トリカルボニルシクロペン
タジエニル臭化タングステン(II)、トリカルボニルシ
クロペンタジエニル塩化タングステン(II)などのタン
グステン錯体;ジカルボニルシクロペンタジエニルコバ
ルト(I )などのコバルト錯体;トリカルボニルシクロ
ペンタジエニルマンガン(I )、トリカルボニル(メチ
ルシクロペンタジエニル)マンガン(I )などのマンガ
ン錯体;トリカルボニルシクロペンタジエニルレニウム
(I )などのレニウム錯体などが挙げられる。特に、ジ
カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化鉄(II)、ジカ
ルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ルテニウム(I
I)、カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ニッケル
(II)などが好ましい。
は、一種又は二種以上組み合わせて使用できる。 [ハロゲン化合物(B)]ハロゲン化合物(B)は、少
なくとも1つのハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)を含み、前記錯体(A)と作用してラジカル
種を発生させることにより重合を開始させる開始剤とし
て用いられる。このようなハロゲン化合物は一種又は二
種以上組み合わせて使用できる。前記ハロゲン化合物
(B)としては、特に制限されず種々の化合物が使用で
きるが、例えば、下記式(2a)又は(2b)で表わさ
れるハロゲン化合物などが挙げられる。
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を
含む有機基を示す。R4 は、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基を示す。R1 〜R4 で
表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基は置換基を
有していてもよい。X2 はハロゲン原子を示す。) 前記R1 〜R3 、及びX2 で表わされるハロゲン原子と
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが例示でき、
特に、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基などのC1-12アルキル
基などが例示できる。シクロアルキル基としては、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基な
どのC4-12シクロアルキル基(好ましくはC4-8 シクロ
アルキル基)などが例示できる。アリール基としては、
フェニル、トリル、ナフチル基などのC6-12アリール基
などが例示でき、アラルキル基としては、ベンジル、フ
ェネチル基などのC7-14アラルキル基などが例示でき
る。
とも1つのヘテロ原子(窒素、酸素又は硫黄などのヘテ
ロ原子)を含む有機基、例えば、エステル基[アルコキ
シカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基などの脂肪族C1-10アルコキシ−カルボニル基;フ
ェノキシカルボニル基などのC6-12アリールオキシ−カ
ルボニル基など)、アシルオキシ基(アセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基などの脂肪族C2-10アシルオ
キシ基);ベンゾイルオキシ基などのC6-12アリールカ
ルボニルオキシ基など]、ケトン基(ホルミル基、アセ
チル基などの脂肪族C1-10アシル基;ベンゾイル基など
のC6-12アリール−カルボニル基など)、エーテル基
(メトキシ基、エトキシ基などの脂肪族C1-10アルコキ
シ基;フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6-12アリー
ルオキシ基など)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
アミノ基、アミド基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、
チオエステル基、チオケトン基、チオエーテル基(硫化
アルキル基、硫化アリール基など)などが例示できる。
前記ハロゲン原子以外のR1 〜R4 は、前記炭化水素配
位子の置換基と同様の置換基などを有していてもよい。
式(2a)で表わされるハロゲン化炭化水素、ハロゲン
化エステル(ハロゲン含有エステル)、ハロゲン化ケト
ン(ハロゲン含有ケトン)、前記式(2b)で表わされ
るスルホニルハライド(ハロゲン化スルホニル化合物)
などが含まれる。
ば、ハロアルカン[塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メ
チル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化イ
ソプロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロピル、
塩化t−ブチル、臭化t−ブチル、ヨウ化t−ブチルな
どのC1-12アルキルモノハライド;ジクロロメタン、ジ
ブロモメタン、ジヨードメタン、1,1−ジクロロエタ
ン、1,1−ジブロモエタン、1,1−ジヨードエタ
ン、1−ブロモ−1−クロロエタン、2,2−ジクロロ
プロパン、2,2−ジブロモプロパン、2,2−ジヨー
ドプロパン、2−クロロ−2−ヨードプロパン、2−ブ
ロモ−2−ヨードプロパンなどのジハロC1- 12アルカ
ン;クロロホルム、ブロモホルム、ヨードホルム、1,
1,1−トリクロロエタン、1,1,1−トリブロモエ
タン、1,1,1−トリヨードエタン、1−ブロモ−
1,1−ジクロロエタン、1−クロロ−1,1−ジブロ
モエタン、1−ヨード−1,1−ジクロロエタン、1−
クロロ−1,1−ジヨードエタン、1−ヨード−1,1
−ジブロモエタンなどのトリハロC1-12アルカン;四塩
化炭素、ブロモトリクロロメタン、ジクロロジブロモメ
タン、クロロトリブロモメタン、四臭化炭素、ヨードト
リクロロメタン、ジクロロジヨードメタン、クロロトリ
ヨードメタン、四ヨウ化メタン、ヨードトリブロモメタ
ン、ジブロモジヨードメタン、ブロモトリヨードメタン
などのテトラハロC1-12アルカン(テトラハロメタンな
ど)など]、ハロゲン化シクロアルキル(シクロヘキシ
ルクロライド、シクロオクチルクロライドなどのC5-10
シクロアルキルハライドなど)、ハロゲン化アリール
(クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化
C6-14アリールなど)、ハロゲン化アラルキル[塩化ベ
ンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、1−フェニル
エチルクロリド、1−フェニルエチルブロミド、1−フ
ェニルエチルヨージド、キシリレンジクロリド、キシリ
レンジブロミド、キシリレンジヨージドなどのC7-14ア
ラルキルハライドなど]などが挙げられる。
ジクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸メチル、2−クロ
ロイソ酪酸メチル、2−クロロイソ酪酸エチル、2−ブ
ロモイソ酪酸メチル、2−ブロモイソ酪酸エチル、2−
ヨードイソ酪酸メチル、2−ヨードイソ酪酸エチルなど
のハロゲン含有C2-12モノカルボン酸のC1-10アルキル
エステル(好ましくはハロゲン含有C4-8 モノカルボン
酸のC1-4 アルキルエステルなど);2−クロロ−2−
メチルマロン酸ジメチル、2−クロロ−2−メチルマロ
ン酸ジエチル、2−ブロモ−2−メチルマロン酸ジメチ
ル、2−ブロモ−2−メチルマロン酸ジエチル、2−ヨ
ード−2−メチルマロン酸ジメチル、2−ヨード−2−
メチルマロン酸ジエチルなどのハロゲン含有C1-14多価
カルボン酸のC1-10アルキルエステル(好ましくはハロ
ゲン含有C2-8 ジカルボン酸のジC1-4 アルキルエステ
ルなど)、ジクロロ酢酸、ジブロモ酢酸、トリクロロ酢
酸、トリブロモ酢酸、2−クロロイソ酪酸、2−ブロモ
イソ酪酸などのハロゲン含有C2-12カルボン酸などが例
示できる。
−クロロアセトン、1,1−ジクロロアセトン、1,
1,1−トリクロロアセトン、エチルクロロメチルケト
ン、1−ブロモエチルエチルケトンなどのハロゲン化C
1-10アルキル−C1-10アルキルケトン;2,2−ジクロ
ロアセトフェノン、2,2,2−トリクロロアセトフェ
ノンなどのハロゲン化C1-10アルキル−C6-12アリール
ケトンなどが例示できる。
ライドとしては、例えば、塩化メタンスルホニル、臭化
メタンスルホニル、ヨウ化メタンスルホニル、塩化クロ
ロメタンスルホニル、臭化クロロメタンスルホニル、ヨ
ウ化クロロメタンスルホニル、塩化ジクロロメタンスル
ホニル、臭化ジクロロメタンスルホニル、ヨウ化ジクロ
ロメタンスルホニル、塩化トリクロロメタンスルホニ
ル、臭化トリクロロメタンスルホニル、ヨウ化トリクロ
ロメタンスルホニル、塩化ブロモメタンスルホニル、臭
化ブロモメタンスルホニル、ヨウ化ブロモメタンスルホ
ニル、塩化ジブロモメタンスルホニル、臭化ジブロモメ
タンスルホニル、ヨウ化ジブロモメタンスルホニル、塩
化トリブロモメタンスルホニル、臭化トリブロモメタン
スルホニル、ヨウ化トリブロモメタンスルホニル、塩化
ヨードメタンスルホニル、臭化ヨードメタンスルホニ
ル、ヨウ化ヨードメタンスルホニル、塩化ジヨードメタ
ンスルホニル、臭化ジヨードメタンスルホニル、ヨウ化
ジヨードメタンスルホニル、塩化トリヨードメタンスル
ホニル、臭化トリヨードメタンスルホニル、ヨウ化トリ
ヨードメタンスルホニルなどの有脂肪族スルホニルハラ
イド(特に、メタンスルホニルハライドなどのアルカン
スルホニルハライド);塩化ベンゼンスルホニル、臭化
ベンゼンスルホニル、ヨウ化ベンゼンスルホニル、塩化
p−メチルベンゼンスルホニル、臭化p−メチルベンゼ
ンスルホニル、ヨウ化p−メチルベンゼンスルホニル、
塩化p−クロロベンゼンスルホニル、臭化p−クロロベ
ンゼンスルホニル、ヨウ化p−クロロベンゼンスルホニ
ル、塩化p−メトキシベンゼンスルホニル、臭化p−メ
トキシベンゼンスルホニル、ヨウ化p−メトキシベンゼ
ンスルホニル、塩化p−ニトロベンゼンスルホニル、臭
化p−ニトロベンゼンスルホニル、ヨウ化p−ニトロベ
ンゼンスルホニル、二塩化1,4−ジスルホニルベンゼ
ン、二臭化1,4−ジスルホニルベンゼン、二ヨウ化
1,4−ジスルホニルベンゼン、二塩化2,6−ジスル
ホニルナフタレン、二臭化2,6−ジスルホニルナフタ
レン、二ヨウ化2,6−ジスルホニルナフタレンなどの
芳香族スルホニルハライドなどが例示できる。
化合物には、ハロゲン化アルコール(2,2−ジクロロ
エタノール、2,2−ジブロモエタノール、2,2,2
−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタ
ノールなどの脂肪族、脂環族又は芳香族ハロゲン化C
1-10アルコールなど)、ハロゲン化ニトリル(ジクロロ
アセトニトリル、ジブロモアセトニトリル、トリクロロ
アセトニトリルなどのハロゲン化アセトニトリルな
ど)、ハロゲン化アルデヒド(トリクロロアセトアルデ
ヒド、トリブロモアセトアルデヒドなど)、ハロゲン化
アミド(トリクロロアセトアミドなど)などが例示でき
る。
化合物(B)との割合は、前者/後者=0.1/1〜5
0/1(モル比)程度の広い範囲から選択でき、通常、
0.2/1〜10/1(モル比)、好ましくは0.25
/1〜5/1(モル比)程度である。
記錯体(A)に作用することにより、ラジカル重合を促
進させる活性化剤として用いられる。前記ルイス酸は、
一種又は二種以上組み合わせて使用できる。ルイス酸の
種類は特に制限されず、種々のルイス酸、例えば、下記
式(3a)又は(3b)で表される化合物などが使用で
きる。
表13族元素を示し、M3 は、周期表4族元素又は周期
表14族元素を示す。R5 〜R8 は、同一又は異なっ
て、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキ
ルオキシ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基
を示す。) 前記M2 としては、周期表3族元素(スカンジウムS
c、イットリウムYなど)、周期表13族元素(ホウ素
B、アルミニウムAl、ガリウムGa、インジウムIn
など)が挙げられる。好ましい元素M2 は、Sc、B、
Al(特に、Sc、Alなど)などである。
ンTi、ジルコニウムZr、ハフニウムHfなど)、周
期表14族元素(ケイ素Si、スズSn、鉛Pbなど)
が使用できる。好ましい元素M3 は、Ti、Zr、Sn
などである。
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基としては、前記R
1 〜R4 と同様の基が挙げられる。シクロアルキルオキ
シ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シク
ロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基などのC
4-12シクロアルキルオキシ基(好ましくはC4-8 シクロ
アルキルオキシ基など)などが例示でき、アラルキルオ
キシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ
基などのC7-14アラルキルオキシ基などが例示できる。
は、前記炭化水素配位子の置換基と同様の置換基などを
有していてもよい。例えば、アリールオキシ基は、芳香
環上に置換基(C1-5 アルキル基など)を一つ又はそれ
以上有していてもよく、このような置換アリールオキシ
基の具体例としては、2−メチルフェノキシ基、3−メ
チルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−エチ
ルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基、4−エチル
フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6
−ジエチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェ
ノキシ基、2,6−ジ−n−ブチルフェノキシ基、2,
6−ジ−t−ブチルフェノキシ基などが挙げられる。
素、臭素、ヨウ素など)、アルキル基、アルコキシ基
(エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s
−ブトキシ基、t−ブトキシ基など)などである。
は、例えば、アルミニウムアルコキシド[アルミニウム
トリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、
アルミニウムトリs−ブトキシド、アルミニウムトリt
−ブトキシド、アルミニウムトリフェノキシドなどのア
ルミニウムのC1-4 アルコキシド又はアリールオキシ
ド;メチルアルミニウムビス(2,6−ジーt−ブチル
フェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ
ーt−ブチルフェノキシド)、メチルアルミニウムビス
(2,6−ジーt−ブチル−4―メチルフェノキシド)
などのアルキルアルミニウムアリールオキシドなど]、
アルミニウムハライド(三塩化アルミニウム、三臭化ア
ルミニウム、三ヨウ化アルミニウムなどのアルミニウム
トリハライドなど)などのアルミニウム系ルイス酸;前
記アルミニウム系ルイス酸に対応するスカンジウム系ル
イス酸(スカンジウムトリイソプロポキシドなどのスカ
ンジウムアルコキシド、三塩化スカンジウム、三臭化ス
カンジウム、三ヨウ化スカンジウムなどのスカンジウム
ハライドなど)などが例示できる。
チタンアルコキシド(チタンテトラメトキシド、チタン
テトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チ
タンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキ
シド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラフェ
ノキシド、クロロチタントリイソプロポキシド、ジクロ
ロチタンジイソプロポキシド、トリクロロチタンイソプ
ロポキシドなど);チタンハライド(四塩化チタン、四
臭化チタン、四ヨウ化チタンなど)などのチタン系ルイ
ス酸;前記チタン系ルイス酸に対応するジルコニウム系
ルイス酸(ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウ
ムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプ
ロボキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジル
コニウムテトラt−ブトキシドなどのジルコニウムアル
コキシド、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、
四ヨウ化ジルコニウムなどのジルコニウムハライドな
ど);前記チタン系ルイス酸に対応するスズ系ルイス酸
(スズテトライソプロポキシドなどのスズアルコキシ
ド、四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズなどのスズ
ハライドなど)などが例示できる。
ム、スカンジウム、チタン、ジルコニウム及びスズから
選択された金属化合物(特に金属アルコキシド)が含ま
れ、例えば、アルミニウムアルコキシド(アルミニウム
トリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、
アルミニウムトリs−ブトキシド、アルミニウムトリt
−ブトキシドなど)、スカンジウムアルコキシド(スカ
ンジウムトリイソプロポキシドなど)、チタンアルコキ
シド(チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシ
ド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−
ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテト
ラフェノキシドなど)、ジルコニウムアルコキシド(ジ
ルコニウムテトライソプロポキシドなど)、スズアルコ
キシド(スズテトライソプロポキシドなど)などが例示
できる。
(C)との割合は、前者/後者=0.05/1〜10/
1(モル比)、好ましくは0.1/1〜5/1(モル
比)、さらに好ましくは0.2/1〜4/1(モル比)
程度である。 [重合体]本発明において、前記重合開始剤系の存在
下、少なくとも一種のビニル系単量体を重合させると、
分子量分布が狭く、分子量の制御された重合体を得るこ
とができる。
始剤系により重合可能であれば特に制限されず、種々の
重合性ビニル系単量体、例えば、芳香族ビニル単量体、
複素環式ビニル単量体(N−ビニルピロリドンなど)、
α, β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、α, β−不
飽和ニトリル、カルボン酸ビニルエステル、共役ジエン
系単量体、オレフィン系単量体、ハロゲン化ビニル、ハ
ロゲン化ビニリデンなどが使用できる。これらの単量体
は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
単量体、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例え
ば、o−, m−又はp−メチルスチレンなどのビニルト
ルエン類、2,4−ジメチルスチレンなどのビニルキシ
レン類、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレ
ン、p−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンな
ど)、α−アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチ
レン、α−メチル−p−メチルスチレンなど)、アルコ
キシスチレン(例えば、o−, m−又はp−メトキシス
チレン、p−t−ブトキシスチレンなど)、ハロスチレ
ン(例えば、o―,m−又はp−クロロスチレン、p−
ブロモスチレンなど)、スチレンスルホン酸又はそのア
ルカリ金属塩などが例示できる。好ましい芳香族ビニル
単量体には、スチレン、ビニルトルエンなどが含まれ、
特にスチレンが好ましい。
には、例えば、α, β−不飽和カルボン酸、α, β−不
飽和カルボン酸エステル、α, β−不飽和カルボン酸ア
ミド、α, β−不飽和カルボン酸イミドなどが含まれ
る。
例えば、(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸などの多価カルボン酸
又はそれらの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水
フマル酸など)などが例示できる。
は、前記例示のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエ
ステル(特にC1-20アルキルエステルなど)などが使用
でき、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、( メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの
(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C
4-20シクロアルキルエステル、又はこれらの(メタ)ア
クリル酸エステルに対応する多価カルボン酸エステル
(マレイン酸モノ又はジアルキルエステル、フマル酸モ
ノ又はジアルキルエステル、イタコン酸モノ又はジアル
キルエステルなど)が例示できる。また、前記アルキル
エステル類は、ヒドロキシル基、グリシジル基、アミノ
基又はN−アルキルアミノ基などの置換基を有していて
もよく、このような置換基含有エステルとしては、例え
ば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2-10アルキル
(メタ)アクリレートなど)、グリシジル(メタ)アク
リレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート(N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレートなど)などが例示できる。
は、例えば、(メタ)アクリルアミド、又はその誘導体
(例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミドなど、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドなど)、これらに対応する
フマル酸アミド(フマルアミド、フマルアミド酸又はそ
れらの誘導体など)などが例示できる。
は、例えば、マレイミド又はその誘導体(例えば、N−
メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど)など
が含まれる。α,β−不飽和ニトリルには、(メタ)ア
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などが含ま
れる。
ば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルなどのC1-10カルボン酸ビニルエステル
(特にC1-6 カルボン酸ビニルエステル)などが例示で
きる。
タジエン、イソプレン、クロロプレン、ネオプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、3―ブチル−1,3−オクタジエン、フェニ
ル−1,3−ブタジエンなどのC4-16ジエン(好ましく
はC4-10ジエンなど)などが例示できる。 オレフィン
系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブ
テン(イソブテンなど)などのC2-10アルケン(好まし
くはC2-6 アルケンなど)などが例示できる。
ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニルなどが例示でき、ハ
ロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデンなどが例示できる。
量体及び(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル(特にメタクリル酸メ
チルなどの(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル
など)、(メタ)アクリロニトリルなど]などである。
み合わせて使用できる。複数の単量体を組み合わせて用
いる場合、例えば、複数の単量体を同時に添加して重
合するとランダム共重合体が得られ、単量体を逐次的
に添加する方法、例えば、第1の単量体の重合が完結し
た後、第2の単量体を添加して重合を完結させ、さらに
第3の単量体を添加して重合する方法では、ブロック共
重合体が得られ、複数の単量体の組成比を経時的に変
化させるとグラジエント共重合体が得られる。
ば、数平均分子量(Mn)500〜1,000,00
0、好ましくは1,000〜500,000程度であ
る。また、重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、例え
ば、1.01〜1.9、好ましくは1.01〜1.7
(例えば、1.01〜1.5)程度であり、通常、1.
05〜1.4程度である。
剤であるハロゲン化合物(B)との割合により調整する
ことができ、所望の分子量を有する重合体を得ることが
できる。例えば、前記のような分子量を有する重合体を
得る場合、ビニル系単量体とハロゲン化合物(B)との
割合は、前者/後者=2/1〜40000/1(例え
ば、5/1〜10000/1)(モル比)、好ましくは
10/1〜5000/1(モル比)程度の範囲から選択
できる。
の重合方法は、特に制限されず、慣用の方法、例えば、
塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、又は塊状−
懸濁重合などが採用できる。
制限されず、慣用の溶媒、例えば、芳香族炭化水素類
(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンな
ど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサンなど)、脂肪
族炭化水素類(ヘキサン、オクタンなど)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンな
ど)、エーテル類(ジオキサン(1,4−ジオキサンな
ど)、テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸エ
チルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシ
ド類(ジメチルスルホキシドなど)などが使用できる。
特に炭化水素類(トルエン、エチルベンゼン、ベンゼン
など)が好ましい。このような溶媒は単独又は二種以上
混合して使用できる。
の種類に応じて、減圧、常圧又は加圧下で行うことがで
きる。重合温度は、重合法の種類、重合開始剤系の構
成、重合速度などに応じて、例えば、0〜200℃程度
の広い範囲から選択でき、通常、30〜200℃、好ま
しくは40〜160℃(例えば、80〜140℃)程度
の範囲から選択できる。重合は、通常、窒素、アルゴン
などの不活性ガスの雰囲気下、例えば、不活性ガスの流
通下などで行ってもよい。
どの手段を用いて、重合反応を促してもよい。このよう
な手段は、単独で適用してもよく、二種以上組み合わせ
て適用してもよい。
合反応の後、必要により溶媒で希釈し、貧溶媒中で析出
させたり、例えば、減圧下で、単量体や溶媒などの揮発
性成分を除去することにより分離精製してもよい。
単量体に適用でき、上記のように、分子量分布が狭く、
分子量の制御された重合体を製造することができる。そ
のため、得られた重合体は、ビニル系単量体の種類、重
合体の構造などに応じて、種々の用途(例えば、フィル
ム成形、射出成形などの成形用樹脂、塗料などのコーテ
ィング用樹脂、相溶化剤、熱可塑性エラストマーなど)
に利用できる。
化合物及びルイス酸を組み合わせて重合開始剤系を構成
するため、種々のビニル系単量体をリビング的にラジカ
ル重合させることができる。そのため、重合体の分子量
や分子量分布などの一次構造を制御することができ、分
子量分布の狭い重合体を得ることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
作は、特に断りのない限り、乾燥窒素雰囲気下で行い、
試薬類は容器から注射器により採取して反応系に添加し
た。また、単量体及び溶媒は、乾燥剤の存在下で蒸留精
製し、乾燥窒素を吹き込むことにより脱酸素してから使
用した。
率と分子量は、下記方法により測定した。 (重合率)重合反応で得られた反応溶液に残存する単量
体をガスクロマトグラフィーを用いて内部標準法により
定量し、単量体の減少量を重合体への転化率(重合率)
として算出した。 (分子量)数平均分子量(Mn)および重量平均分子量
(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC,日本分光(株)製)を用いて下記条件で測定
した。
9.2mg(0.096ミリモル)をアルゴン雰囲気下
でシュレンク反応管に精秤し、スチレン 2.2mL
(19.2ミリモル)、テトラヒドロナフタレン 0.
592mL、チタン(IV)イソプロポキシド 0.09
45mL(0.32ミリモル)、2−ヨードイソ酪酸エ
チルのトルエン溶液(濃度 0.676モル/L)0.
284mL(0.192ミリモル)を添加して、十分に
攪拌した。混合溶液を0.4mLずつ試験管に封管した
後、80℃に加温して重合を開始させた。
た時点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより
重合反応を停止させた。重合率は24時間経過後で57
%、70時間経過後で91%であった。
より金属錯体成分などを除去し、さらに単量体及び溶媒
などを蒸発させて重合体を得た。得られたポリスチレン
の分子量及び分子量分布は、24時間経過後でMn=6
800、Mw/Mn=1.06、70時間経過後でMn
=11800、Mw/Mn=1.13であった。得られ
たポリスチレンのGPC曲線はいずれも単峰性であっ
た。
7mg(0.032ミリモル)を用い、反応時間を18
及び76時間とする以外は実施例1と同様に重合を行っ
た。18時間経過後、重合率は43%、Mn=480
0、Mw/Mn=1.06であり、76時間経過後、重
合率は90%、Mn=11600、Mw/Mn=1.1
1であった。得られたポリスチレンのGPC曲線はいず
れも単峰性であった。
(III )イソプロポキシド65.4mg(0.032ミ
リモル)を添加し、反応温度を60℃、反応時間を19
2及び552時間とする以外は実施例1と同様に重合を
行った。192時間経過後、重合率は30%、Mn=3
000、Mw/Mn=1.47であり、552時間経過
後、重合率は61%、Mn=7200、Mw/Mn=
1.23であった。得られたポリスチレンのGPC曲線
はいずれも単峰性であった。
加せず、反応時間を96及び148時間とする以外は実
施例3と同様に重合を行った。96時間経過後、重合率
は10%、Mn=2300、Mw/Mn=1.75であ
り、148時間経過後、重合率は16%、Mn=240
0、Mw/Mn=1.77であった。
10及び22時間とする以外は実施例1と同様に重合を
行った。10時間経過後、重合率は55%、Mn=15
00、Mw/Mn=1.79であり、22時間経過後、
重合率は99%、Mn=1100、Mw/Mn=2.1
5であった。
び比較例1〜2から明らかなように、実施例では、重合
率が増加するに従って、重合体の数平均分子量が増加し
ていること、及び分子量分布が非常に小さな値となって
いることから、重合がリビング的に進行していることが
判る。金属錯体を添加しない比較例1では、重合速度が
非常に遅く、重合の進行に伴う分子量の増加が見られ
ず、分子量分布も大きな値となった。また、ルイス酸を
添加しない比較例2では、重合の進行に伴う分子量の増
加が見られず、さらに分子量分布も大きな値となった。
2.9mg(0.24ミリモル)をアルゴン雰囲気下で
シュレンク反応管に精秤し、アクリル酸メチル2.16
mL(24ミリモル)、n−オクタン 0.41mL、
トルエン 1.25mL、アルミニウム(III )イソプ
ロポキシドのトルエン溶液(濃度0.125モル/L)
1.92mL(0.24ミリモル)、2−ヨードイソ
酪酸エチルのトルエン溶液(濃度 0.887モル/
L) 0.271mL(0.24ミリモル)を添加し
て、十分に攪拌した。混合溶液を0.6mLずつ試験管
に封管した後、60℃に加温して重合を開始させた。
た時点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより
重合反応を停止させた。重合率は21時間経過後で56
%、80時間経過後で93%であった。
より金属錯体成分などを除去し、さらに単量体及び溶媒
などを蒸発させて重合体を得た。得られたポリアクリル
酸メチルの分子量及び分子量分布は、21時間経過後で
Mn=6400、Mw/Mn=1.31、80時間経過
後でMn=12100、Mw/Mn=1.19であっ
た。得られたポリアクリル酸メチルのGPC曲線はいず
れも単峰性であった。
に代えて、チタン(IV)イソプロポキシドを0.070
8mL(0.24ミリモル)添加し、重合温度80℃、
反応時間を25時間及び80時間とする以外は実施例4
と同様に重合を行った。25時間経過後、重合率は58
%、Mn=5800、Mw/Mn=1.35であり、8
0時間経過後、重合率は80%、Mn=8700、Mw
/Mn=1.36であった。得られたポリアクリル酸メ
チルのGPC曲線はいずれも単峰性であった。
加せず、反応時間を28時間及び87時間とする以外は
実施例4と同様に重合を行った。28時間経過後、重合
率は37%、Mn=7500、Mw/Mn=1.98で
あり、87時間経過後、重合率は65%、Mn=780
0、Mw/Mn=2.10であった。
応時間を87時間とする以外は実施例4と同様に重合を
行った。87時間経過しても重合体は得られなかった。
4,5及び比較例3,4から明らかなように、実施例で
は、重合率が増加するに従って、重合体の数平均分子量
が増加していること、及び分子量分布が非常に小さな値
となっていることから、重合がリビング的に進行してい
ることが判る。金属錯体を添加しない比較例3では、重
合速度が非常に遅く、重合の進行に伴う分子量の増加が
見られず、分子量分布も大きな値となった。また、ルイ
ス酸を添加しない比較例4では、重合は進行しなかっ
た。
Claims (14)
- 【請求項1】 置換基を有していてもよい炭化水素配位
子を含む遷移金属カルボニル錯体(A)と、ハロゲン化
合物(B)と、ルイス酸(C)とで構成されている重合
開始剤系。 - 【請求項2】 遷移金属カルボニル錯体(A)が、下記
式(1) M1 L(CO)i X1 j (1) (式中、M1 は遷移金属元素を示し、Lは炭化水素環を
含む炭化水素配位子を示し、置換基を有していてもよ
い。X1 は、水素原子、ハロゲン原子又は擬ハロゲン基
を示す。iは1〜5の整数、jは0〜4の整数を示
す。)で表される金属錯体である請求項1記載の重合開
始剤系。 - 【請求項3】 配位子が、シクロペンタジエニル配位
子、インデニル配位子、又はフルオレニル配位子である
請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項4】 遷移金属カルボニル錯体(A)が、周期
表6〜10族遷移金属の錯体である請求項1記載の重合
開始剤系。 - 【請求項5】 遷移金属カルボニル錯体(A)が、周期
表8〜10族遷移金属の錯体である請求項1記載の重合
開始剤系。 - 【請求項6】 ハロゲン化合物(B)が、下記式(2
a)又は(2b) 【化1】 (式中、R1 〜R3 は、同一又は異なって、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基を示
す。R4 は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基を示す。R1 〜R4 で表されるアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、
又はヘテロ原子を含む有機基は置換基を有していてもよ
い。X2 は、ハロゲン原子を示す。)で表わされるハロ
ゲン化合物である請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項7】 ハロゲン化合物(B)が、ハロゲン化炭
化水素、ハロゲン含有エステル、ハロゲン含有ケトン、
及びスルホニルハライドから選択された少なくとも一種
である請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項8】 ルイス酸(C)が、下記式(3a)又は
(3b) 【化2】 (式中、M2 は、周期表3族元素又は周期表13族元素
を示し、M3 は、周期表4族元素又は周期表14族元素
を示す。R5 〜R8 は、同一又は異なって、ハロゲン原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、ア
リールオキシ基又はアラルキルオキシ基を示す。)で表
される化合物である請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項9】 ルイス酸(C)が、アルミニウム、スカ
ンジウム、チタン、ジルコニウム、及びスズから選択さ
れた少なくとも一種の金属のアルコキシドである請求項
1記載の重合開始剤系。 - 【請求項10】 遷移金属カルボニル錯体(A)とルイ
ス酸(C)との割合が、前者/後者=0.05/1〜1
0/1(モル比)である請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項11】 請求項1記載の重合開始剤系の存在
下、少なくとも一種のビニル系単量体を重合して得られ
た重合体。 - 【請求項12】 ビニル系単量体が、スチレン系単量体
及び(メタ)アクリル系単量体から選択された少なくと
も一種である請求項11記載の重合体。 - 【請求項13】 数平均分子量(Mn)が500〜1,
000,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が
1.01〜1.9である請求項11記載の重合体。 - 【請求項14】 請求項1記載の重合開始剤系の存在
下、ビニル系単量体を重合する重合体の製造方法。
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