JP2000273098A - β−エストラジオールまたはメチルアンドロステンジオールを原料とする新規重合性光学活性物質及びそれを含む光学活性液晶組成物、光学活性液晶高分子ネットワーク - Google Patents

β−エストラジオールまたはメチルアンドロステンジオールを原料とする新規重合性光学活性物質及びそれを含む光学活性液晶組成物、光学活性液晶高分子ネットワーク

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JP2000273098A
JP2000273098A JP11079926A JP7992699A JP2000273098A JP 2000273098 A JP2000273098 A JP 2000273098A JP 11079926 A JP11079926 A JP 11079926A JP 7992699 A JP7992699 A JP 7992699A JP 2000273098 A JP2000273098 A JP 2000273098A
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Shuji Hattori
秀志 服部
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性液晶高分子ネットワーク用の重合性
光学活性物質を比較的容易な合成方法により提供する。 【解決手段】 β−エストラジオールまたはメチルアン
ドロステンジオールの水酸基に、重合性基を含有する置
換基を導入することによって、2官能重合性光学活性物
質を比較的容易に合成することができる。重合性光学活
性物質は、液晶組成物に混合して光学活性液晶組成物と
したり、これを重合して光学活性液晶高分子ネットワー
クとしたりして使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−エストラジオ
ールまたはメチルアンドロステンジオールを原料とする
重合性光学活性物質及びそれを含む光学活性液晶組成
物、光学活性液晶高分子ネットワークに関し、特に、光
学補償板、偏光板、反射板、電場応答膜などの光学素子
や記録・表示素子に好適に用いることができる重合性光
学活性物質及びそれを含む光学活性液晶組成物、光学活
性液晶高分子ネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
液晶組成物を3次元的に架橋させた液晶高分子ネットワ
ークが光機能性材料として注目されている。このような
液晶高分子ネットワークは液晶ゲル、液晶エラストマ
ー、液晶サーモセットなどの名称で呼ばれ、例えばディ
スコティック液晶を用いた光学補償板(河田ら、液晶、
Vol.1, No.1,45, 1997)、コレステリック液晶を用いた
偏光板(中野渡ら、液晶、Vol.1, No.2, 32, 1998; D.
J.Broer et al., Nature, Vol.378, 467, 1997; S.M.Fa
ris et al., Molecular Crystals Liquid Crystals, Vo
l.301, 237, 1997 )、コレステリック液晶を用いた電
場応答性ゲル(R.A.M.Hikmet et al.,Nature,Vol.392,4
76,341,1998)、コレステリック液晶を用いた偽造防止材
料(G.Maxein et al., Advanced Materials, 341, 199
8) などが実用化段階、あるいは応用研究段階にある。
【0003】光学活性液晶高分子ネットワークを作成す
るには、原料となる液晶組成物中に光学活性物質を含む
必要がある。この場合、光学活性物質自体は液晶性であ
る必要はないが、母体となる液晶組成物との高い相溶性
が求められるため、液晶構造あるいは液晶類似構造を有
することが好ましい。なお、本明細書において使用する
用語「液晶類似構造」とは、液晶性を示さないが液晶と
の高い相溶性を示す構造と定義する。
【0004】また、光学活性物質自体は重合性である必
要はないが、液晶高分子ネットワークを実用化する上で
重合性が重要となる場合がしばしばあるので、光学活性
物質は2官能以上の重合性基を有することが好ましい。
【0005】実際、光学活性液晶高分子ネットワーク用
の光学活性物質として、液晶性と重合性を併せ持つ光学
活性物質が多数報告されている(J. Lub et al., Liqui
d Crystals, Vol. 18, 319, 1995; J. Lub et al., Mol
ecular Crystals Liquid Crystals, Vol. 307, 111, 19
97; D. Hoelter et al., Advanced Materials, 864,199
8)。このような光学活性物質の構造式(V) 〜(VII) 及
びこれらの簡略化した模式図を以下に示す。
【0006】
【化5】
【化6】
【0007】また、液晶高分子ネットワーク用の光学活
性物質として、液晶性を示さない重合性光学活性物質も
報告されている(BASF, DE 43 42 280 A1, 1995)。この
ような光学活性物質の構造式(VIII)、(IX)及びこれらの
簡略化した模式図を以下に示す。
【化7】
【化8】
【0008】上記式(V) 〜(VII) で表されるタイプの光
学活性物質は、母体液晶との相溶性に優れるものの、一
般に合成方法が多段階に及び、コスト的に好ましくない
という欠点を有する。また、上記式(VIII)及び(IX)で表
されるタイプの光学活性物質は、一般的に分子の剛直性
が乏しく、母体液晶との相溶性が不十分であり、可塑剤
として働くことにより液晶性を損なうという欠点を有す
る。
【0009】したがって、本発明の目的は、比較的容易
に合成でき且つ液晶との相溶性の高い重合性光学活性物
質を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、光学活性物質を下記の簡略化した
模式図:
【化9】 で表される従来にはないタイプの構造とすることで、比
較的容易な合成方法により液晶との相溶性の高い重合性
光学活性物質が得られるとの着想に基づき、β−エスト
ラジオールまたはメチルアンドロステンジオールを原料
とすることによって、合成が比較的容易で液晶との相溶
性が高い新規2官能重合性光学活性物質が得られること
を見出し、本発明に想到した。
【0011】すなわち、本発明の重合性光学活性物質
は、下記一般式(I) 〜(IV)により表すことができる。
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 (式(I) 、(II)、(III) 及び(IV)において、W は少なく
ともひとつのベンゼン環またはシクロヘキサン環を含有
する基であり、X は無しまたはカルボニル基、Yは無
し、または炭素数1〜12のアルキレン基、またはエチレ
ンオキサイドを繰り返し単位とする炭素数2〜12の基、
Z は重合性基である。)
【0012】本発明は、β−エストラジオールまたはメ
チルアンドロステンジオールが光学活性で且つ剛直な多
環構造を有することに着目したものである。β−エスト
ラジオール及びメチルアンドロステンジオールは3位及
び17位に水酸基を有するので、分子中の2箇所に重合性
基を容易に導入できるという特徴を有する。したがっ
て、本発明によれば、β−エストラジオールまたはメチ
ルアンドロステンジオールを原料とすることにより、液
晶との相溶性の高い2官能重合性光学活性物質を比較的
容易に合成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】[1] β−エストラジオールまたは
メチルアンドロステンジオールを原料とする重合性光学
活性物質 本発明の重合性光学活性物質の構造は前記一般式(I) 、
(II)、(III) 、(IV)により表される。一般式(I) 、(II
I) により表される重合性光学活性物質はβ−エストラ
ジオールを原料とし、一般式(II)、(IV)により表される
重合性光学活性物質はメチルアンドロステンジオールを
原料とするものである。
【0014】以下、β−エストラジオールまたはメチル
アンドロステンジオールに導入する置換基W 、X 、Y 、
Z について詳細に説明する。
【0015】(1) 環状構造含有部位W 式(III) 及び(IV)において、W はベンゼン環またはシク
ロヘキサン環を一つ以上含む基である。W が2個以上の
環状構造から成る場合、それらは、炭素−炭素結合、エ
ーテル結合、エステル結合、アミド結合などで連結され
る。
【0016】環状構造含有部位W における環の数は、好
ましくは3個以下であり、さらに好ましくは2個以下が
良い。4個以上になると合成が複雑になる、液晶との相
溶性が乏しくなる、液晶組成物の粘度を上げすぎるなど
の問題が生じるので好ましくない。
【0017】環状構造含有部位W は、β−エストラジオ
ールまたはメチルアンドロステンジオールの水酸基とエ
ステル結合によって連結されており、ステロイド骨格−
エステル結合−環状構造含有部位W を一体として液晶類
似構造におけるメソゲニックな部位とみなすことができ
る。
【0018】このように環状構造含有部位W を導入する
ことにより、液晶類似構造におけるメソゲニックな部分
が延長されるため、式(III) 及び(IV)の化合物は、式
(I) 及び(II)の化合物と比べて融点が高くなる。本発明
の重合性光学活性物質は、他の液晶と混合して用いるの
で、様々な融点を有する材料を揃えておけば多種多様な
液晶が利用可能になる。
【0019】(2) 反応残基X X は環状部位とスペーサー基Y とを結合させる際に残る
反応残基であり, 具体的には無しまたはカルボニル基で
ある。すなわち、環状部位とスペーサー基はエーテル結
合またはエステル結合で結ばれる。
【0020】(3) スペーサー基Y Y は無し、あるいは炭素数1〜12のアルキレン基または
エチレンオキサイドを繰り返し単位とする炭素数2〜12
の置換基である。これらの中で、特に炭素数2〜10のア
ルキレン基または炭素数2〜10のエチレンオキサイドを
繰り返し単位とする置換基が好ましい。炭素数が13以上
のアルキレン基や14以上のエチレンオキサイドを繰り返
し単位とする置換基は、原料の入手が困難であったり、
生成物の結晶性が高すぎ、液晶組成物中で相分離しやす
いという問題点があるので好ましくない。液晶との相溶
性を損なわない範囲内であれば、スペーサー基Y は側鎖
を有していても良い。
【0021】(4) 重合性基Z Z は重合性基である。重合性基として例えば、アクリロ
イル(オキシ)基、メタクリロイル(オキシ)基、ビニ
ルエーテル基、エポキシ基、ビニル基、水酸基、アミノ
基、イソシアネート基などが挙げられる。
【0022】これらの重合性基のうち、光重合により重
合させる場合は、アクリロイル(オキシ)基、メタアク
リロイル(オキシ)基、ビニルエーテル基が好ましい。
また、基板に接着して使用する場合は、エポキシ基が好
ましい。
【0023】[2] β−エストラジオールまたはメチルア
ンドロステンジオール骨格を含有する重合性光学活性物
質の合成方法 β−エストラジオールに適用される合成方法は全てメチ
ルアンドロステンジオールにも適用可能である。よっ
て、β−エストラジオールを例に用いて、式(I)及び式
(III) により表される重合性光学活性物質の合成方法に
ついて説明する。
【0024】(1) 式(I) の重合性光学活性物質の合成方
法 式(I) の重合性光学活性物質は、主に次の2段階の反応
で合成することができる。
【化14】
【0025】(a) 反応について すでに述べたようにスペーサー基Y はエーテル結合また
はエステル結合によりβ−エストラジオールと結ばれ
る。いずれの場合も公知の方法を特に制限なく用いるこ
とが出来る。
【0026】エーテル結合で結ぶ方法としては、例え
ば、n-ハロゲノアルキルアルコールのように末端に水酸
基を含有するスペーサー用化合物にP-トルエンスルホニ
ルクロリドと反応させることによってトシル基を付加さ
せ、しかるのちに、β−エストラジオールと反応させる
方法がある。反応は、溶媒としては、ジクロロメタン、
ピリジンなどを用い、アルカリ性の条件下、-20 〜30℃
の温度で、3 〜48時間行うのが好ましい。
【0027】エステル結合で結ぶ方法としては、例え
ば、n-ハロゲノアルキルカルボン酸とβ−エストラジオ
ールをジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合
剤を用いて結ぶ方法がある。反応は、溶媒としてはジク
ロロメタンなどを用い、0 〜50℃の温度で、1 〜24時間
行うのが好ましい。
【0028】(b) 反応について 反応で合成した前駆体に重合性基Z を結合させる場合
も公知の方法を特に限定なく用いることができる。例え
ば、ラジカル重合性を付与するためスペーサー末端の水
酸基にアクリロイル基を結合させるには、アクリロイル
クロライドを用いればよい。反応は、ジクロロメタンな
どを溶媒として用い、発生する塩酸の捕捉剤としてはト
リエチルアミンなどを用い、-20 〜30℃の温度で、0.5
〜24時間行うのが好ましい。
【0029】また、例えばスペーサーの末端の臭素にメ
タアクリロイロキシ基を結合させるには、メタアクリル
酸のカリウム塩を反応させればよい。反応は、ジメチル
ホルムアミドなどを溶媒として用い、重合禁止剤として
ハイドロキノンなどを用い、50〜130 ℃の温度で、0.5
〜24時間行うのが好ましい。
【0030】(2) 式(III) の2官能性重合性光学活性物
質の合成方法 このタイプの化合物の合成手法としては、Z-Y-X-O-W-CO
OHを予め合成し、しかる後にこれをβ−エストラジオー
ルと反応させる方法が好ましい。Z-Y-X-O-W-COOHは、
(1) で説明した反応、のほかに公知の液晶合成法を
適用できる。例えば、4-ヒドロキシ安息香酸や、4-ヒド
ロキシ-4'-カルボキシビフェニルなどをn-ハロゲノアル
キルアルコールと反応させるにはいわゆるウィリアムソ
ンのエーテル合成法が好適である。
【0031】Z-Y-X-O-W-COOHをβ−エストラジオールの
水酸基と反応させる場合、重合性基Z が反応しないよう
に、室温で反応させるのが好ましいが、その方法として
は、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどを用いてカル
ボキシル基と水酸基を脱水縮合させる方法や、塩化チオ
ニルなどによりカルボキシル基を酸クロライドの形にし
た後、水酸基と反応させる方法がある。
【0032】[3] 本発明の重合性光学活性物質を用いた
光学活性液晶組成物 一般的に母体液晶であるネマチック液晶に本発明の重合
性光学活性物質を加えるとカイラルネマチック液晶(コ
レステリック液晶)が得られる。また、母体液晶である
スメクチック液晶に加えるとカイラルスメクチック液晶
を得られる。母体液晶は単品でもよいが、一般的に複数
の化合物が混合された液晶組成物が用いられる。母体液
晶は、一官能以上の重合性物質を含んでいても良く、こ
の場合、重合性物質自体は液晶性を示さなくてもよい。
【0033】また本発明の重合性光学活性物質以外の光
学活性物質を必要に応じて添加してもよい。光学活性物
質自体は必ずしも液晶性を有する必要はないが、組成物
の液晶性を害しない範囲内で添加しなければならない。
光学活性な液晶を得るための光学活性な添加剤は液晶メ
ーカーから多数販売されており、それらを適宜用いるこ
とが出来る。
【0034】本発明の重合性光学活性物質は、液晶組成
物全体に対して0.5 〜70重量%の割合で添加するのが好
ましい。0.5 重量%未満であると、本発明の化合物以外
の光学活性物質や多官能重合性物質を多量に添加する必
要があり、液晶組成物が高価になったり、液晶温度範囲
を制御しにくくなるので好ましくない。また、70重量%
超の場合は、母体液晶の選択範囲が狭められるので好ま
しくない。
【0035】本発明の光学活性液晶組成物を得るには、
原料を溶融させたり共通溶媒に溶かした後に溶媒を蒸発
させれば良い。溶融時や溶媒蒸発時の温度は、重合を防
ぐために45℃以下が望ましく、やむを得ず高温にする場
合は、出来るだけ短時間にする必要がある。
【0036】[4] 本発明の重合性光学活性物質を用いた
光学活性液晶高分子ネットワーク 光学活性液晶高分子ネットワークを得るには、[3] で説
明した光学活性液晶組成物を熱重合、放射線重合などの
公知の方法により重合すればよい。熱重合による場合は
重合に適した温度が液晶温度範囲に含まれない場合が多
いので、放射線重合のほうが好ましい。放射線重合の場
合は、紫外線、電子線などを好適に用いることが出来
る。紫外線を用いる場合、あらかじめラジカル発生剤等
の重合開始剤を光学活性液晶組成物中に添加しておく。
重合開始剤は市販のものを特に制限なく用いることがで
きる。
【0037】重合時の液晶配列を制御するには、基板表
面に配向処理を施せばよい。配向処理の方法としては、
公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば
平行配向状態を得るためには、ポリイミドのラビング配
向法を用いればよいし、垂直配向状態を得るには、アル
キル基を有する界面活性物質やシランカップリング剤な
どで基板表面を処理すればよい。
【0038】基板としては、ガラスや高分子フィルムを
用いることが出来る。基板は一枚でも二枚でも良い。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。実施例1 本実施例により、下記式:
【化15】 により表される重合性光学活性物質1を作成した。
【0040】まず、β−エストラジオール3.5 g と4-ジ
メチルアミノピリジン0.35 gをジクロロメタン20 ml 中
に加えた。これに、11- ブロモウンデカン酸7.2 g のジ
クロロメタン溶液とジシクロヘキシルカルボジイミド5.
9 g のジクロロメタン溶液を加え、室温で6時間反応さ
せた。粗生成物はシリカゲルカラム(酢酸エチル1/ヘ
キサン6)により精製した。前駆体の収量は7.6 g であ
った。
【0041】上記前駆体7.6 g 、アクリル酸カリウム塩
3.6 g 、ハイドロキノン0.4 g をジメチルホルムアミド
100 mlに加え、115 ℃で1時間反応させた。粗生成物を
シリカゲルカラム(クロロホルム)により精製し、重合
性光学活性物質1を得た。収量は4.0 g であった。1 H-
NMR によって重合性光学活性物質1が得られたことを確
認できた。1 H-NMR の結果を下記に示す。
【0042】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.82 (3
H, s), 1.29-1.77 (40H, m), 1.86-1.89 (2H, m), 2.17
-2.32 (5H, m), 2.53 (2H, t), 2.85 (2H, m), 4.15 (4
H, t), 4.70 (1H, t), 5.81 (2H, dd), 6.12 (2H, dd),
6.38 (2H, dd), 6.77 (1H, d), 6.82 (2H, dd), 7.27
(1H, d)
【0043】重合性光学活性物質1の融点は3.7 ℃(DSC
測定) であり、比旋光度は20℃、1%クロロホルム溶液
中で18.2°であった。
【0044】実施例2 本実施例により、下記式:
【化16】 により表される重合性光学活性物質2を作成した。
【0045】まず、β−エストラジオールを3.6 g と
し、11- ブロモウンデカン酸7.2 g の代わりに6-ブロモ
-n- カプロン酸6.5 g を用いた以外は実施例1と同様に
して、前駆体を合成した。収量は6.3 g であった。
【0046】上記前駆体を6.3 g を使用し、アクリル酸
カリウム塩を4.0 g とした以外は実施例1と同様にして
重合性光学活性物質2を生成した。収量は2.6 g であっ
た。 1 H-NMR によって重合性光学活性物質2が得られた
ことを確認できた。1 H-NMRの結果を下記に示す。
【0047】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.82 (3
H, s), 1.25-1.83 (22H, m), 1.86-1.90 (2H, m), 2.18
-2.31 (3H, m), 2.33 (2H, t), 2.55 (2H, t), 2.84-2.
88 (2H, m), 4.15-4.20 (4H, m), 4.70 (1H, t), 5.80
(2H, dd), 6.09-6.15 (2H, m), 6.38 (2H, dd), 6.77
(1H, d), 6.82 (1H, dd), 7.28 (1H, d)
【0048】重合性光学活性物質2のガラス転移温度は
-69.2 ℃(DSC測定) であり、比旋光度は20℃、1%クロ
ロホルム溶液中で24.0°であった。
【0049】実施例3 本実施例により、下記式:
【化17】 により表される重合性光学活性物質3を作成した。
【0050】まず、β−エストラジオールを3.0 g と
し、11- ブロモウンデカン酸7.2gの代わりに4-ブロモ-n
- ブチル酸4.2 g を用いた以外は実施例1と同様にし
て、前駆体を合成した。収量は5.0 g であった。
【0051】この前駆体5.0 g を使用し、アクリル酸カ
リウム塩を3.0 g とした以外は実施例1の場合と同様に
して重合性光学活性物質3を得た。収量は1.3 g であっ
た。 1 H-NMR によって重合性光学活性物質3が得られた
ことを確認できた。1 H-NMRの結果を下記に示す。
【0052】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.82 (3
H, s), 1.25-1.59 (7H, m), 1.72-1.78 (1H, m), 1.86-
1.89 (2H, m), 2.03 (2H, m), 2.13 (2H, m), 2.21-2.3
1 (3H, m), 2.44 (2H, t), 2.67 (2H, t), 2.84-2.88
(2H, m), 4.21 (2H, t), 4.28(2H, t), 4.71 (1H, t),
5.85 (2H, dd), 6.10-6.17 (2H, m), 6.42 (2H, dd),6.
78 (1H, d), 6.83 (1H, dd), 7.28 (1H, d)
【0053】重合性光学活性物質の3のガラス転移温度
は-55.5 ℃(DSC測定) であり、比旋光度は20℃、1%ク
ロロホルム溶液中で25.6°であった。
【0054】実施例4 本実施例により、下記式:
【化18】 により表される重合性光学活性物質4を作成した。β−
エストラジオールの代わりにメチルアンドロステンジオ
ール6.0 g を使用し、11- ブロモウンデカン酸を13.0 g
とした以外は、実施例1と同様にして重合性光学活性物
質4を合成した。重合性光学活性物質の収量は5.2 g で
あった。1H-NMR によって重合性光学活性物質4が得ら
れたことを確認できた。1 H-NMR の結果を下記に示す。
【0055】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.85 (3
H, s), 1.04 (3H, s), 1.29-1.44 (29H, m), 1.41 (3H,
s), 1.52-1.70 (15H, m), 1.84-1.89 (2H, m), 1.99-
2.15 (3H, m), 2.22 (2H, t), 2.27 (2H, t), 2.30-2.3
2 (2H, m), 4.15 (4H, t), 4.61 (1H, m), 5.37 (1H,
d), 5.81 (2H, dd), 6.12 (2H, dd), 6.38 (2H, dd)
【0056】重合性光学活性物質4の融点は33.2℃(偏
光顕微鏡観察)であり、比旋光度は20℃、1%クロロホ
ルム溶液中で-25.1 °であった。
【0057】実施例5 本実施例により、下記式:
【化19】 により表される重合性光学活性物質5を作成した。
【0058】まず、4-[(メタクリロイロキシ)ヘキシ
ル)オキシ]ベンゾイックアシッド1.6 g を塩化メチレ
ン10mlに加え、過剰の塩化チオニルと室温にて6時間反
応させ酸クロリドとした。余分な塩化チオニルを減圧留
去した後、メチルアンドロステンジオール0.67 g、ピリ
ジン1ml、ジクロロメタン20mlを加え、室温にて10時
間反応させ重合性光学活性物質5を得た。収量は2.5 g
であった。1 H-NMR によって重合性光学活性物質5が得
られたことを確認できた。1 H-NMR の結果を下記に示
す。
【0059】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.85 (3
H, s), 1.03 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.29-1.74 (29H,
m), 2.24 (2H, t), 2.27 (2H, t), 2.30-2.33 (2H,
m), 4.01 (4H, t), 4.17 (4H, t), 4.61 (1H, m), 5.37
(1H, d), 5.83 (2H, dd), 6.12(2H, dd), 6.39 (2H, d
d), 6.89 (4H, d), 7.98 (4H, d)
【0060】重合性光学活性物質5の融点は134.1 ℃
(偏光顕微鏡観察)であり、比旋光度20℃、1%クロロ
ホルム溶液中で-24.3 °であった。
【0061】実施例6 本実施例により、下記式:
【化20】 により表される重合性光学活性物質6を作成した。
【0062】4-[(メタクリロイロキシ)ヘキシル)オ
キシ]ベンゾイックアシッドの代わりに4-アクリロイロ
キシ-4'-カルボキシビフェニル2.5 g を使用し、メチル
アンドロステンジオールを0.8 g とした以外は、実施例
5と同様にして重合性光学活性物質6を合成した。収量
は2.9 g であった。1 H-NMR によって重合性光学活性物
質6が得られたことを確認できた。1 H-NMR の結果を下
記に示す。
【0063】 1 H-NMR スペクトル(CHCl3 :0.85 (3
H, s), 1.04 (3H, s), 1.29-1.70 (8H, m), 1.41 (3H,
s), 1.83-1.90 (2H, m), 1.99-2.15 (3H, m), 2.20 (2
H, t),2.28 (2H, t), 2.30-2.32 (2H, m), 4.21 (1H,
m), 5.38 (1H, d), 5.83 (2H,dd), 6.12 (2H, dd), 6.4
0 (2H, dd), 7.00 (4H, d), 7.55 (4H, d), 7.60 (4H,
d), 8.09 (4H, d)
【0064】重合性光学活性物質6の融点は163.0 ℃
(偏光顕微鏡観察)であり、比旋光度は20℃、1%クロ
ロホルム溶液中で-19.8 °だった。
【0065】実施例7 15.8 mg の重合性光学活性物質2と66.2mgのペンチルシ
アノビフェニル(5CB)(メルク社製)を30℃で溶融さ
せ光学活性液晶組成物を得た。この組成物を2枚のカバ
ーガラス間に挟み偏光顕微鏡観察したところ、21.6℃以
下で液晶性を示した。また、この液晶組成物は、冷蔵庫
に保存しても少なくとも1か月の間結晶化しなかった。
【0066】実施例8 7.2 mgの重合性光学活性物質2と 4.2 mg の4[4-[(S)-2
- オクチロキシカルボニル ] フェノキシカルボニル]-
4'- へプチロキシベンゼン(S-811 )(メルク社製)と
82.9 mg の5CB を40℃で溶融させ液晶組成物を得た。こ
の液晶組成物は、実施例4と同様にして偏光顕微鏡観察
したところ、26.4℃以下で液晶性を示した。24.0℃で基
板にずり応力を加え、検光子を回転させたところ旋光分
散に基づく呈色現象が認められた。また、この液晶組成
物は冷蔵庫に保存しても少なくとも1か月の間結晶化し
なかった。
【0067】実施例9 実施例8の液晶組成物に0.8 重量%の重合開始剤(イル
ガキュアー651 、チバガイギー社)を溶解させた。これ
をポリイミドで配向処理した2枚のガラス基板間に挟み
(基板間隔10mm)グランジャンテクスチャーを生じさせ
た。この試料に室温で365 nmの紫外線を5分間照射し、
光学活性液晶高分子ネットワークを作製した。得られた
光学活性液晶高分子ネットワークは、実施例8と同様な
旋光分散に基づく呈色を示した。その熱安定性は実施例
8に比べて著しく向上し、45℃、24時間にも渡って呈色
現象が認められた。
【0068】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、簡
単な合成方法で、比較的大きな比旋光度を有し、液晶と
の相溶性が高い重合性光学活性物質を得ることが出来
る。本発明の重合性光学活性物質を用いた光学活性液晶
高分子ネットワークは、偏光板や偽造防止用材料など、
様々な光機能材料に好適に用いることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−エストラジオールの水酸基またはメ
    チルアンドロステンジオールの水酸基に重合性基を含有
    する置換基を導入したことを特徴とする重合性光学活性
    物質。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の重合性光学活性物質で
    あって、下記一般式(I) 及び(II) 【化1】 【化2】 (ただし、X は無しまたはカルボニル基、Y は無し、ま
    たは炭素数1〜12のアルキレン基、またはエチレンオキ
    サイドを繰り返し単位とする炭素数2〜12の基、Z は重
    合性基である。)により表されることを特徴とする重合
    性光学活性物質。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の重合性光学活性物質で
    あって、下記一般式(III) 及び(IV) 【化3】 【化4】 (ただし、W は少なくとも一つのベンゼン環またはシク
    ロヘキサン環を含有する基、X は無しまたはカルボニル
    基、Y は無し、または炭素数1〜12のアルキレン基、ま
    たはエチレンオキサイドを繰り返し単位とする炭素数2
    〜12の基、Z は重合性基である。)により表されること
    を特徴とする重合性光学活性物質。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の重合性光学活性物質に
    おいて、前記W は1〜4個のベンゼン環またはシクロヘ
    キサン環を含み、2個以上の環状構造を含む場合、それ
    らは炭素−炭素結合、エーテル結合、エステル結合、ア
    ミド結合で結合されている置換基であることを特徴とす
    る重合性光学活性物質。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の重合性
    光学活性物質において、重合性基Z がアクリロイル(オ
    キシ)基、メタクリロイル(オキシ)基、ビニルエーテ
    ル基またはエポキシ基であることを特徴とする重合性光
    学活性物質。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の重合性
    光学活性物質を含む光学活性液晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光学活性液晶組成物を
    重合して製造される光学活性液晶高分子ネットワーク。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光学活性液晶高分子ネ
    ットワークにおいて、前記光学活性液晶組成物を放射線
    照射により重合したことを特徴とする光学活性液晶高分
    子ネットワーク。
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