JP2000266097A - 複合積層体 - Google Patents

複合積層体

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JP2000266097A
JP2000266097A JP7387799A JP7387799A JP2000266097A JP 2000266097 A JP2000266097 A JP 2000266097A JP 7387799 A JP7387799 A JP 7387799A JP 7387799 A JP7387799 A JP 7387799A JP 2000266097 A JP2000266097 A JP 2000266097A
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horizontal
acrylate
meth
acrylic polymer
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JP7387799A
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English (en)
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Kenichi Azuma
賢一 東
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、荷重を支持する機能と水平方向の
免震機能の両方を有し、戸建住宅の免震装置として好適
に使用しうる複合積層体を提供する。 【解決手段】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
する軟質板とが交互に複数枚積層されてなる積層体であ
って、該軟質板は、アクリル系ポリマーシートであっ
て、特定の、20℃、0.2Hz、水平剪断方向の歪み
率200%時の水平バネ定数と等価減衰定数及び20℃
の鉛直剛性を有する複合積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に戸建住宅の基
礎と梁の間で束として使用され、地震時の揺れを減衰さ
せる機能を有する複合積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、ビルや橋梁等の各種構造物を地震
から守るための免震装置が開発されている。この種の免
震装置としては、積層ゴムアイソレータ、空気バネ、金
属コイルバネ等があり、基礎と免震される構造物との間
に介在され、地震エネルギーの水平成分及び鉛直成分を
弾性歪みエネルギーとして吸収するものである。
【0003】積層ゴムアイソレータとしては、剛性を有
する硬質板と粘弾性的性質を有するゴム等の軟質板を交
互に複数個積層した積層体が一般的であり、ゴムとして
は天然ゴムやシリコーンゴムが使用されている。
【0004】このような用途におけるゴムは、以下のよ
うなバネ特性を有するように設計されるのが一般的であ
る。即ち、ゴムの水平方向のバネ定数KH は、搭載荷重
をMとして、水平方向の固有振動数fH を次式を満たす
ように設計される。 fH =(1/2π)√KH /M
【0005】fH は構造物の水平方向での免震固有周期
の逆数で、目的とする免震性能にもよるが、免震固有周
期が1〜10秒の間で設定される。ゴムの水平方向のバ
ネ定数KH は、搭載荷重を受ける受圧面積Aとゴムの剪
断弾性係数Gとゴムの積層体の総厚さntR により、次
式のように表される。 KH =A・G/ntR つまり、fH =(1/2π)√(A・G/ntR )/M
となる。
【0006】搭載荷重は、低中層ビル、工場等の建築構
造物では数百トンにもなるため、ゴムの剪断弾性係数G
は6〜15Kgf/cm2 が必要になる。しかし、戸建
住宅では搭載荷重が数十トンと軽量であり、剪断弾性係
数Gが0.05〜6Kgf/cm2 のゴムが必要にな
る。
【0007】最近では、阪神大震災クラスの大地震を免
震するには、免震固有周期として4秒が目標とされてい
る。免震固有周期4秒を達成するには、免震体が30〜
40cm水平変位する必要がある(日本免震構造協会編
「免震構造入門」104頁)と言われている。
【0008】一般的に、ゴムの水平剪断方向の歪み率
(水平変形量/ゴムの高さ)は400〜600%が限界
とされており、安全性を考慮すると200%程度が設計
値とされる。従って、ゴムの総厚さntR は15〜20
cmになる。
【0009】40トン程度の戸建住宅の場合、建物の剛
性を確保するために、免震構造体を柱の下に設置し、荷
重支持及び水平方向の免震を行うことになり、必要な柱
の数から計算すると、免震構造体1個あたり3トン程度
の荷重がかかる。この数値を基に戸建住宅で4秒の免震
を確保するための免震構造体の受圧面積Aと剪断弾性係
数Gの試算を行うと、非常に小さい剪断弾性係数Gにす
るか、受圧面積Aにしなければならないが、このような
条件では長期にわたり3トン程度の荷重を支持すること
は出来ない。
【0010】このような理由で、戸建住宅の免震を行う
場合には、荷重支持を行う免震装置と水平方向の免震を
おこなう免震装置とを別個に設置するのが一般的であ
る。例えば、特開平10−311161号公報には、積
層ゴムよりなる免震装置により建物を支持し、ダンパー
により水平方向の免震を行う免震装置を併用することが
記載されている。
【0011】しかしながら、戸建住宅は柱と柱の間に設
置されている梁の部分には、居住者が歩行した際に発生
する床の振動を低減させるために、一般的にコンクリー
ト、木材、金属等の剛体よりなる束が設置されているの
で、柱の部分に荷重を支持する免震装置を設置し、床や
梁の下にダンパー等の水平方向の免震装置を設置した場
合には、束も水平方向に可動可能にする必要があり、構
造が複雑になり費用が高くなるという欠点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点に鑑み、荷重を支持する機能と水平方向の免震機能
の両方を有し、戸建住宅の免震装置として好適に使用し
うる複合積層体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の複合積層体は、
剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とが
交互に複数枚積層されてなる積層体であって、該軟質板
は、アクリル系ポリマーシートであって、(a)20
℃、0.2Hz、水平剪断方向の歪み率200%時の水
平バネ定数が1〜20Kg/cm、(b)20℃、0.
2Hz、水平剪断方向の歪み率200%時の等価減衰定
数が0.1〜0.4及び(c)20℃の鉛直剛性が8〜
50トン/cmであることを特徴とするものである。
【0014】上記軟質板はアクリル系ポリマーシートよ
りなるが、アクリル系ポリマーとしては、従来公知の任
意のポリマーが使用可能であり、炭素数2〜20のアル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレート100重
量部と光ラジカル開始剤0.01〜5重量部よりなる重
合性組成物を光重合してなるポリマーが好適に使用され
る。
【0015】上記アルキル(メタ)アクリレートは、炭
素数2〜20のアルキル基を有するものであって、例え
ばエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イ
ソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メ
タ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレー
ト、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メ
タ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレ
ート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−ペ
ンタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル
(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アクリ
レート、n−エイコシル(メタ)アクリレート等があげ
られ、炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレートが好ましく、特に、ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソオク
チルアクリレートが好ましい。上記アルキル(メタ)ア
クリレートは単独で使用されてもよいし、2種以上が併
用されてもよい。
【0016】上記光重合開始剤としては、従来から光重
合の際に使用されている一般的な開始剤が使用でき、例
えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−
α、α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフ
ェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、
2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等
のアセトフェノン系光ラジカル開始剤;ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール系光ラジカル開始剤;ハロゲン
化ケトン、アシルフォスフィノキシド、アシルホスフォ
ナートなどがあげられる。
【0017】又、光重合開始剤の添加量は、少なくなる
と光重合が充分に進行せず、多すぎるとアクリル系ポリ
マーが柔らかくなって剪断弾性係数が低くなるので、ア
ルキル(メタ)アクリレート100重量部に対し、0.
01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜
3重量部である。
【0018】上記アクリル系ポリマーには、硬質板との
接着性を向上させたり、剪断弾性係数を向上させるため
に、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な
極性基を有するビニルモノマーが共重合されてもよい。
【0019】上記極性基を有するビニルモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のカルボキシ基含有モノマー及びその
無水物、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホ
リン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
等の窒素含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等があげ
られる。
【0020】又、硬質板が金属板の場合には、接着性を
向上させるために、アシッドホスホキシエチル(メタ)
アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシジ
プロピル(メタ)アクリレート等のリン酸基含有アクリ
レートが好ましい。
【0021】上記極性基を有するビニルモノマーの添加
量は、要求される接着力や剪断弾性係数により適宜決定
されればよく、前記アルキル(メタ)アクリレート10
0重量部に対し5〜20重量部が好ましい。
【0022】更に、剪断弾性係数を調整するために、前
記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボロニル
(メタ)アクリレート等のビニルモノマーが共重合され
てもよい。
【0023】又、長期の鉛直荷重による沈み込みを少な
くするために架橋されてもよい。架橋するには、一般
に、架橋性モノマーを共重合し、架橋剤で架橋する方法
があげられる。
【0024】上記架橋性モノマーとしては、例えば、ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メ
タ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、エポキシア
クリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアク
リート等があげられる。
【0025】又、上記架橋剤としては、例えば、イソシ
アネート架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋
剤、メラミン系架橋剤等があげられる。上記架橋性モノ
マー及び架橋剤の添加量は、少なくなると凝集力が向上
せず、多すぎるとポリマーが脆くなるので、アルキル
(メタ)アクリレート100重量部に対し0.01〜5
重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは0,0
2〜3重量部である。
【0026】アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、
小さくなると柔らかくなり鉛直方向の荷重が長期間かか
ると沈み込みやすくなり、大きくなると硬くなって免震
性能が低下するので、40万〜800万が好ましい。
【0027】又、アクリル系ポリマーのゲル分率は、小
さくなると柔らかくなり鉛直方向の荷重が長期間かかる
と沈み込みやすくなるので、60〜100重量%が好ま
しい。尚、ゲル分率とは、アクリル系ポリマー1gをテ
トラヒドロフラン100gに浸漬し、23℃で1週間振
とう機で振とうした後の不溶解分の重量百分率である。
【0028】上記重合性組成物を光重合する方法は、従
来公知の任意の方法が採用されて良く、例えば重合性組
成物を離型紙上に塗布し、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックラ
イトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハラ
イドランプ等の450nm以下の波長の光を発光しうる
ランプで光を照射することにより重合する方法があげら
れる。光強度は0.1〜100mW/cm2 が好まし
い。
【0029】重合の際に酸素が存在すると重合が阻害さ
れるので、酸素を除去して重合するのが好ましい。酸素
を除去を除去する方法としては、重合を不活性ガス雰囲
気(酸素濃度は5000ppm以下が好ましく、より好
ましくは300ppm以下である。)で行う方法、重合
性組成物層上に離型処理されたポリエチレンテレフタレ
ート、ポリテトラフルオロエチレン等の透明離型紙を積
層する方法等があげられる。
【0030】上記アクリル系ポリマーには、更に、粘着
付与樹脂、増粘剤、増量剤、充填剤、チキソトロープ剤
等が添加されてもよい。これらはアクリル系ポリマーに
添加されてもよいが、光重合する場合は、光重合性組成
物に添加されて重合されるのが好ましい。
【0031】粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系
樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフ
ェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、石油樹
脂、水添石油樹脂等があげられ、水添石油樹脂が好適に
用いられる。
【0032】増粘剤としては、例えば、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム
等があげられ、増量剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、クレー等があげられる。
【0033】充填剤としては、例えば、ガラスバルー
ン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、シラスバ
ルーン等の無機中空微粒子、ポリメタクリル酸メチル、
アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチ
レン、フェノール樹脂等の樹脂からなる有機中空微粒
子、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナ、マイカ等
の無機微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、
ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子などがあ
げられる。
【0034】充填剤の添加量は、アクリル系ポリマー1
00重量部に対し、180重量部以下が好ましい。比重
の小さい中空微粒子の添加量は20重量部以下が好まし
く、比重が1前後の微粒子は10〜60重量部が好まし
く、比重が2以上の重い無機微粒子は70〜150重量
部が好ましい。又、充填剤の体積分率は、大きくなると
剪断弾性率が大きくなり免震性能が低下するので50体
積%以下が好ましい。
【0035】軟質板の、水平バネ定数は小さくなると、
水平方向の免震性能が低下し、大きくなると免震性能が
低下するので、20℃、0.2Hzの条件で、水平剪断
方向の歪み率200%時の水平バネ定数は1〜20Kg
/cmであることが必要であり、好ましくは2〜15K
g/cmである。
【0036】軟質板の、等価減衰定数は小さくなると、
地震の揺れを抑制する減衰性能が低下し、大きくなると
地震の揺れの周期に逆行して地震の揺れを抑制する作用
が低下するので、20℃、0.2Hzの条件で、水平剪
断方向の歪み率200%時の等価減衰定数が0.1〜
0.4であることが必要であり、好ましくは0.15〜
0,3である。
【0037】複合積層体は、束として建物を支持する必
要があり、軟質板の20℃における鉛直剛性は8〜50
トン/cmが必要であり、好ましくは10〜30トン/
cmである。
【0038】上記各物性の測定は圧縮剪断動的試験機を
用いて行われる。水平バネ定数と等価減衰定数は、20
0%歪み率における水平変位と水平荷重の履歴曲線を描
き、その結果から計算される(例えば、日本免震構造協
会編「免震積層ゴム入門」38ページ)。鉛直剛性は、
圧縮方向に25Hzで振動させた場合の、鉛直方向の変
位と圧縮応力の履歴曲線を描き、その結果から計算され
る(例えば、日本免震構造協会編「免震積層ゴム入門」
59ページ)。
【0039】上記軟質板の厚みは、薄くなると積層枚数
を増加する必要があり、厚くなると製造が困難になると
共に、鉛直荷重により変形しやすくなるので、0.1〜
6mmが好ましく、より好ましくは0.5〜4mmであ
る。
【0040】上記硬質板は剛性を有するものであればよ
いが、硬質板のヤング率は、小さくなると剛性が低下す
るので、1.0×107 パスカル以上が好ましい。硬質
板としては、例えば、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛メ
ッキ鋼板、亜鉛塗装鋼板、鉄板、ステンレス板、銅板、
亜鉛板、鉛板等の金属板、セラミックス板、FRP板、
プラスチック板、木材、化粧板板紙、スレート板、コン
クリート板などがあげられる。
【0041】上記硬質板の厚みは、薄くなると積層枚数
を増加する必要があり、厚くなると地震の揺れを抑制す
る減衰性能が低下するので、0.1〜6mmが好まし
く、より好ましくは0.5〜4mmである。
【0042】本発明の複合積層体は、上記硬質板と軟質
板とが交互に複数枚積層されてなる積層体である。積層
枚数は使用条件により異なるが、一般に、合計20〜5
00枚が好ましい。
【0043】本発明の複合積層体は、鉛直方向に貫通孔
を一カ所以上あけ、同面積で外径を大きくすることによ
り、倒れにくくしてもよいし、その孔の中に、鉛、錫等
の材料を封入して強度を向上させてもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明する。
【0045】実施例1 2−エチルヘキシルアクリレート98重量部、アクリル
酸2重量部、2、2−ジメチル−2−フェニルアセトン
0.12重量部及びフライアッシュバルーン微粒子(P
Qコーポレーション社製、商品名XOL−200、比重
0.25)5重量部をフラスコに供給し、均一に分散す
るまで攪拌した後、窒素置換して重合性組成物を得た。
次に、ブラックライトランプで紫外線を照射し、反応系
の温度が5℃上昇するまで部分重合した。
【0046】部分重合された組成物の転化率は3.7重
量%、粘度は2200cpsであった。この組成物に、
ヘキサンジオールジアクリレート0.05重量部を添加
した後、離型処理された、厚さ38μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布し、更に、その上に同
じポリエチレンテレフタレートフィルムを積層し、ケミ
カルランプを用い、照射強度1mw/cm2 で8分間光
照射して、厚み1.2mmのアクリル系ポリマーシート
を得た。
【0047】得られたアクリル系ポリマーシートのゲル
パーメーションクロマトグラフィーによるスチレン換算
の重量平均分子量は200万、ゲル分率は90重量%で
あった。得られたアクリル系ポリマーシートを直径20
0mmの円形に打ち抜き軟質板を得た。
【0048】厚さ1,0mmの亜鉛メッキ鋼板(日新製
鋼社製、商品名ガルタイト、ヤング率2.1×1011
スカル)を直径200mmの円形に打ち抜き硬質板を得
た。又、厚さ10.0mmの亜鉛メッキ鋼板(日新製鋼
社製、商品名ガルタイト)を直径400mmの円形に打
ち抜きフランジを得た。得られた軟質板100枚と硬質
板99枚を交互に積層し、両外層の軟質板に、2枚のフ
ランジを積層して、本発明の複合積層体を得た。
【0049】実施例2 重合性組成物を、イソオクチルアクリレート100重量
部と2、2−ジメチル−2−フェニルアセトン0.12
重量部にした以外は実施例1で行ったと同様にして複合
積層体を得た。尚、アクリル系ポリマーの重量平均分子
量は200万、ゲル分率は90重量%であった。
【0050】実施例3 ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を0.005
重量部にした以外は実施例1で行ったと同様にして複合
積層体を得た。尚、アクリル系ポリマーの重量平均分子
量は200万、ゲル分率は30重量%であった。
【0051】実施例4 重合性組成物を、ブチルアクリレート95重量部と2、
2−ジメチル−2−フェニルアセトン1.0重量部に
し、ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を0.1
5重量部にし、更に、ケミカルランプの照射強度を20
mW/cm2 にした以外は実施例1で行ったと同様にし
て複合積層体を得た。尚、アクリル系ポリマーの重量平
均分子量は20万、ゲル分率は85重量%であった。
【0052】比較例1 重合性組成物を、2−エチルヘキシルアクリレート10
0重量部と2、2−ジメチル−2−フェニルアセトン
1.0重量部にし、ヘキサンジオールジアクリレートの
添加量を0.005重量部にした以外は実施例1で行っ
たと同様にして複合積層体を得た。尚、アクリル系ポリ
マーの重量平均分子量は20万、ゲル分率は30重量%
であった。
【0053】比較例2 天然ゴム100重量部、カーボンブラック50重量部、
ポリブテン(出光石油化学社製、商品名ポリブテン10
0R)95重量部及び硫黄1.5重量部を押出機に供給
し、200℃で押し出して、厚さ1.0mmのシートを
得た。得られたシートを実施例1で行ったと同様にして
打ち抜いて軟質板を得、実施例1で行ったと同様にして
複合積層体を得た。尚、硬質板及びフランジと軟質板と
の接着の際にクロロプレン系接着剤を使用した。
【0054】得られた複合積層体の、(a)20℃、
0.2Hz、水平剪断方向の歪み率200%時の水平バ
ネ定数、(b)20℃、0.2Hz、水平剪断方向の歪
み率200%時の等価減衰定数、(c)20℃の鉛直剛
性及び床振動性能を測定し、結果を表1に示した。
【0055】尚、床振動性能は以下の方法で20〜30
Hzでの振動レベルを評価した。コンクリート基礎の上
に、3.6m長さの梁2本と2.7m長さの梁2本を用
いて長方形のフレームを組み、フレームの4隅の下側と
コンクリート基礎の間にコンクリート支柱を入れボルト
で固定した。フレームの2.7m長さの梁と平行に45
cm間隔に7本の小梁を並べ、その端部を3.6m長さ
の梁に溶接して床フレームを作製した。尚、梁及び小梁
は亜鉛メッキ鋼板(日新製鋼社製、商品名ガルタイト)
で作製した。
【0056】床フレームの上に、厚さ12mm、長さ
3.6m、幅2.7mのパーチクルボードを載置し、ビ
スで固定して床試験体を得た。得られた床試験体の中央
部において、落錘試験機を用いて5Kgfの円形の重り
を30cmの高さから落とし、床の中央部の振動を加速
度ピックアップで検出し、0.2秒後の振動レベルを測
定した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の複合積層体の構成は上述の通り
であるから、荷重を支持する機能と水平方向の免震性能
の両方を有し、戸建住宅を支持する束としてと同時に免
震装置として好適に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とが交互に複数枚積層されてなる積層体であ
    って、該軟質板は、アクリル系ポリマーシートであっ
    て、(a)20℃、0.2Hz、水平剪断方向の歪み率
    200%時の水平バネ定数が1〜20Kg/cm、
    (b)20℃、0.2Hz、水平剪断方向の歪み率20
    0%時の等価減衰定数が0.1〜0.4及び(c)20
    ℃の鉛直剛性が8〜50トン/cmであることを特徴と
    する複合積層体。
  2. 【請求項2】 アクリル系ポリマーシートが炭素数2〜
    20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
    ト100重量部と光重合開始剤0.01〜5重量部より
    なる重合性組成物を光重合してなるポリマーからなる請
    求項1記載の複合積層体。
  3. 【請求項3】 アクリル系ポリマーの重量平均分子量が
    40万〜800万である請求項1又は請求項2記載の複
    合積層体。
  4. 【請求項4】 アクリル系ポリマーのゲル分率が60〜
    100重量%である請求項1、請求項2又は請求項3記
    載の複合積層体。
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