JP2000291731A - 免震積層体 - Google Patents

免震積層体

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JP2000291731A
JP2000291731A JP10146299A JP10146299A JP2000291731A JP 2000291731 A JP2000291731 A JP 2000291731A JP 10146299 A JP10146299 A JP 10146299A JP 10146299 A JP10146299 A JP 10146299A JP 2000291731 A JP2000291731 A JP 2000291731A
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rectangular
seismic isolation
acrylate
meth
composites
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JP10146299A
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English (en)
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Taihei Sugita
大平 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、矩形状複合体を用いることによっ
て生産効率に優れているとともに、水平方向に略均一で
且つ優れた免震性能を発揮し得る免震積層体を提供す
る。 【解決手段】 本発明の免震積層体は、矩形状硬質板と
粘弾性的性質を有する矩形状軟質板とからなる矩形状複
合体が積層されて構成された免振積層体であって、上記
矩形状複合体は各矩形状複合体の重心を垂直方向に合致
させた状態で積層されているとともに、矩形状複合体同
士を重心回りに回転させずらせた状態で積層させて構成
されているので、あらゆる水平方向における免震性能が
略均一であるとともに、上記矩形状硬質板及び上記矩形
状軟質板はその製造工程における原板のロスの少ないの
で、その生産性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物等の構築物
とその基礎との間に配設されて使用され、地盤から構築
物に伝わる地震エネルギーを減少させる免震積層体に関
する。
【0001】
【従来の技術】従来から、天然ゴムや合成ゴム等からな
る軟質板と金属等からなる硬質板とを交互に積層して構
成された免震積層体を構築物とその基礎との間に配設す
ることによって、地盤と構築物とを切り離し、地盤から
構築物に伝わる地震エネルギーを阻止或いは減少させ
て、構築物への被害を減少させる工夫が種々提案されて
いる。
【0002】そのような免震積層体として、特公昭63
−34276号公報に、一定厚みを有する平面円形状の
弾性板と一定厚みを有する平面正方形状の金属板とを交
互に積層してなる免震積層体が提案されている。
【0003】しかしながら、上記弾性板は、通常、大き
な面積を有する平面矩形状の弾性原板を用意し、この弾
性原板を前後左右方向に一定間隔毎にその厚み方向に所
望大きさの平面円形状に複数枚打ち抜くことによって製
造されていることから、上記免震積層体に用いられてい
る弾性板のように平面円形状とすると、上記弾性板の弾
性原板からの打ち抜き製造時における上記弾性原板のロ
スが大きく、生産効率に欠けるといった問題点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、矩形状硬質
板と矩形状軟質板とを重ね合わせてなる矩形状複合体を
用いることによって生産効率に優れているとともに、地
盤から受ける地震エネルギーの水平方向の振動方向に関
わらず略均一で且つ優れた免震性能を発揮し得る免震積
層体を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の免震積
層体は、剛性を有する矩形状硬質板と粘弾性的性質を有
する矩形状軟質板とを重ね合わせてなる矩形状複合体が
複数枚垂直方向に積層されて構成された免振積層体であ
って、上記矩形状複合体は各矩形状複合体の重心を垂直
方向に合致させた状態で積層されているとともに、矩形
状複合体同士を重心回りに回転させずらせた状態で積層
させて構成されたことを特徴とする。
【0006】請求項2に記載の免震積層体は、請求項1
に記載の免震積層体において、矩形状軟質板が、炭素数
2〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリ
レートと光重合開始剤とからなる光重合性組成物を光重
合してなるポリマーからなることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の免震積層体の使用要領について説明す
る。本発明の免震積層体は、建築物等の構築物とその基
礎との間に配設されて使用される。そして、地震が発生
した場合には、地盤に発生した地震エネルギーが基礎を
介して上記免震積層体に伝達される。
【0008】すると、上記免震積層体は、その矩形状複
合体の粘弾性的性質を有する矩形状軟質板をその地震エ
ネルギーの振動方向に合致させた方向に粘弾性的に変形
させることによって上記地震エネルギーを吸収し、免震
積層体の上部に載置した構築物へ地震エネルギーが伝達
されるのを最小限に抑え或いは阻止し、地震による構築
物の被害を最小限に抑え又は全く無いものとする。
【0009】この際、上記免震積層体は、矩形状複合体
同士を重心回りに回転させずらした状態で積層させて構
成されていることから、上記複合体が矩形状に形成され
ているにもかかわらず、免震積層体全体としての水平方
向の免震性能は略均一化されており、よって、あらゆる
水平方向の地震エネルギーに対して優れた免震性能を発
揮する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の免震積層体の一例を図面
を参照しつつ説明する。免震積層体1は、剛性を有する
矩形状硬質板21と粘弾性的性質を有する矩形状軟質板22
とを上下方向に重ね合わせてなる矩形状複合体2が所定
形態で複数枚上下方向に且つ上記矩形状硬質板21と上記
矩形状軟質板22とが交互に積層されて構成されている。
なお、上記矩形状軟質板22は上記矩形状硬質板21と同一
形状、同一大きさに形成されているのが好ましい。
【0011】上記粘弾性的性質を有する矩形状軟質板22
は、地盤からの地震エネルギーに対し、その地震エネル
ギーの振動方向に合致した方向に粘弾性変形をして上記
地震エネルギーを吸収することができるものであれば、
特に限定されるものではないが、炭素数2〜20のアル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと光重合
開始剤とからなる光重合性組成物を光重合して得られる
ポリマーから構成された軟質板が好ましい。
【0012】上記炭素数2〜20のアルキル基を有する
アルキル(メタ)アクリレートは、例えば、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレー
ト、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステア
リル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレー
ト、n−ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
サデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メ
タ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレ
ート、n−ノナデシル(メタ)アクリレート、n−エイ
コシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、炭素数4〜
12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
トが好ましく、特に、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート及びイソオクチルアクリレートが
好ましい。上記アルキル(メタ)アクリレートは単独で
使用されてもよいし、二種以上が併用されてもよい。
【0013】上記光重合開始剤としては、従来から光重
合の際に使用されている一般的な開始剤が使用でき、例
えば、2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノ
ン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒ
ドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−
α、α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフ
ェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、
2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等
のアセトフェノン系光ラジカル開始剤;ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール系光ラジカル開始剤;ハロゲン
化ケトン、アシルフォスフィノキシド、アシルホスフォ
ナートなどが挙げられる。
【0014】又、光重合開始剤の添加量は、少なくなる
と光重合が充分に進行せず、多すぎるとアクリル系ポリ
マーが柔らかくなって剪断弾性係数が低くなるので、ア
ルキル(メタ)アクリレート100重量部に対し、0.
01〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜
3重量部である。
【0015】上記アクリル系ポリマーには、硬質板との
接着性を向上させたり、剪断弾性係数を向上させるため
に、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な
極性基を有するビニルモノマーが共重合されてもよい。
【0016】上記極性基を有するビニルモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のカルボキシ基含有モノマー及びその
無水物、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホ
リン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
等の窒素含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシ
エチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン
(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げ
られる。
【0017】又、矩形状硬質板21が金属板の場合には、
接着性を向上させるために、アシッドホスホキシエチル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−アシッドホス
ホキシジプロピル(メタ)アクリレート等のリン酸基含
有アクリレートが好ましい。
【0018】上記極性基を有するビニルモノマーの添加
量は、要求される接着力や剪断弾性係数により適宜決定
されればよく、上記アルキル(メタ)アクリレート10
0重量部に対し5〜20重量部が好ましい。
【0019】更に、剪断弾性係数を調整するために、前
記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボロニル
(メタ)アクリレート等のビニルモノマーが共重合され
てもよい。
【0020】又、長期の鉛直荷重による沈み込みを少な
くするために架橋されてもよく、架橋するには、一般
に、架橋性モノマーを共重合し、架橋剤で架橋する方法
が挙げられる。
【0021】上記架橋性モノマーとしては、例えば、ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メ
タ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、エポキシア
クリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアク
リート等が挙げられる。
【0022】又、上記架橋剤としては、例えば、イソシ
アネート架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋
剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。上記架橋性モノ
マー及び架橋剤の添加量は、少なくなると凝集力が向上
せず、多すぎるとポリマーが脆くなるので、アルキル
(メタ)アクリレート100重量部に対し0.01〜5
重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは0.0
2〜3重量部である。
【0023】アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、
小さくなると柔らかくなり鉛直方向の荷重が長期間かか
ると沈み込みやすくなり、大きくなると硬くなって免震
性能が低下するので、40万〜800万が好ましい。
【0024】又、アクリル系ポリマーのゲル分率は、小
さくなると柔らかくなり鉛直方向の荷重が長期間かかる
と沈み込みやすくなるので、60〜100重量%が好ま
しい。尚、ゲル分率とは、アクリル系ポリマー1gをテ
トラヒドロフラン100gに浸漬し、23℃で1週間振
とう機で振とうした後の不溶解分の重量百分率である。
【0025】上記光重合性組成物を光重合する方法は、
従来公知の任意の方法が採用されて良く、例えば、光重
合性組成物を離型紙上に塗布し、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラ
ックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタ
ルハライドランプ等の450nm以下の波長の光を発光
し得るランプで光を照射することにより重合する方法が
挙げられる。この時の光強度は0.1〜100mW/c
2 が好ましい。
【0026】光重合の際に酸素が存在すると重合が阻害
されるので、酸素を除去して重合するのが好ましい。酸
素を除去を除去する方法としては、光重合を不活性ガス
雰囲気(酸素濃度は5000ppm以下が好ましく、よ
り好ましくは300ppm以下である。)で行う方法、
光重合性組成物層上に離型処理されたポリエチレンテレ
フタレート、ポリテトラフルオロエチレン等の透明離型
紙を積層する方法等が挙げられる。
【0027】上記アクリル系ポリマーには、更に、粘着
付与樹脂、増粘剤、増量剤、充填剤、チキソトロープ剤
等が添加されてもよい。これらはアクリル系ポリマーに
添加されてもよいが、予め添加剤が添加された光重合性
組成物を光重合するのが好ましい。
【0028】上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジ
ン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペ
ンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、石油
樹脂、水添石油樹脂等が挙げられ、水添石油樹脂が好適
に用いられる。
【0029】上記増粘剤としては、例えば、アクリルゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム、ブチル
ゴム等が挙げられ、増量剤としては、例えば、炭酸カル
シウム、酸化チタン、クレー等が挙げられる。
【0030】上記充填剤としては、例えば、ガラスバル
ーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン、シラス
バルーン等の無機中空微粒子、ポリメタクリル酸メチ
ル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ
スチレン、フェノール樹脂等の樹脂からなる有機中空微
粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナ、マイカ
等の無機微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子など
が挙げられる。
【0031】上記充填剤の添加量は、アクリル系ポリマ
ー100重量部に対し、180重量部以下が好ましい。
比重の小さい中空微粒子の添加量は20重量部以下が好
ましく、比重が1前後の微粒子は10〜60重量部が好
ましく、比重が2以上の重い無機微粒子は70〜150
重量部が好ましい。又、充填剤の体積分率は、大きくな
ると剪断弾性率が大きくなり免震性能が低下するので5
0体積%以下が好ましい。
【0032】上記軟質板22の厚みは、薄くなると積層枚
数を増加する必要があり、厚くなると製造が困難になる
と共に、鉛直荷重により変形しやすくなるので、0.1
〜6mmが好ましく、更に好ましくは0.5〜4mmで
ある。
【0033】そして、上記矩形状軟質板21の形状として
は、正方形、長方形、平行四辺形等のいずれの形状であ
ってもよいが、その水平方向から見た時の対称性の観点
から正方形が好ましい。
【0034】上記剛性を有する矩形状硬質板21は、従来
から免震積層体に用いられ所要の剛性を有するものであ
れば、特に限定されず、例えば、アルミニウムメッキ鋼
板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛塗装鋼板、鉄板、ステンレス
板、銅板、亜鉛板、鉛板等の金属板、セラミックス板、
FRP板、プラスチック板、木材、化粧板板紙、スレー
ト板、コンクリート板等が挙げられ、その中でも、ヤン
グ率が1×107 Pa以上のものが好ましい。
【0035】そして、上記矩形状硬質板21は、正方形、
長方形、平行四辺形等のいずれの形状であってもよい
が、その水平方向から見た時の対称性の観点から正方形
が好ましい。
【0036】又、上記矩形状硬質板21の厚みは、厚い
と、地震の揺れを抑制する減衰性能が低下することがあ
り、又、薄いと、矩形状複合体の積層枚数を増加する必
要が生じることがあるので、0.1〜6mmが好まし
い。
【0037】上記免震積層体1では、上記矩形状硬質板
21と上記矩形状軟質板22とを重ね合わせてなる複数枚の
矩形状複合体2をこれら重心を垂直方向に合致させた状
態で積層させているとともに、上記矩形状複合体2、2
同士を重心回りに回転させてずらした状態で積層させて
いる。
【0038】即ち、上記免震積層体1では、複数枚の矩
形状複合体2をこれら重心を垂直方向に合致させた状態
で積層しているが、これは、上下方向に積層される矩形
状複合体2、2同士の垂直方向の重なり度合いを大きく
して、免震積層体1の上部に構築される構築物の荷重を
支持し得るだけの充分な上下方向の機械的強度を付与す
るためであるとともに、地震発生時における上記矩形状
複合体2の矩形状軟質板22の水平方向の粘弾性変形の自
由度を大きくして、地震エネルギーの吸収性能を向上さ
せるためである。
【0039】更に、上記免震積層体1では、上記複数枚
の矩形状複合体2、2同士を重心回りに回転させてずら
せた状態で積層させている。これは、複合体2が矩形状
に形成されていることから、その縦方向、横方向、対角
線方向にその長さが異なっており、この長さの差が原因
となって、上記複合体2の水平方向における縦方向、横
方向、対角線方向の免震性能に不均一性が生じているた
めである。
【0040】即ち、上記免震積層体1では、複数枚の矩
形状複合体2を重心回りに回転させて、該矩形状複合体
2、2同士をずらした状態で上下方向に積層させること
によって、各複合板2の有する水平方向の免震性能の不
均一さを是正して、免震積層体1全体として水平方向の
免震性能を均一化させている。
【0041】上記矩形状複合体2の積層形態としては、
各矩形状複合体2の有する水平方向の免震性能の不均一
さを是正する積層形態であれば、特に限定されないが、
図2に示したように、矩形状複合体2を下方から上方に
向かって順次一定方向に且つ一定角度だけ重心回りに回
転させて、上記矩形状複合体2、2同士をずらした状態
で積層させる積層形態が好ましく、かかる積層形態にお
いて矩形状複合体2をn枚積層する場合には、上下方向
に隣接する矩形状複合体2、2同士のずれ角度を(36
0/n)°とするのが更に好ましい。
【0042】そして、上記矩形状複合体2の積層枚数
は、少ないと、各矩形状複合体2の有する水平方向の免
震性能の不均一さを是正することができないことがある
ので、30枚以上が好ましい。
【0043】上記免震積層体1の、水平バネ定数は小さ
くなると、水平方向の免震性能が低下し、大きくなると
免震性能が低下するので、20℃、0.2Hzの条件
で、水平剪断方向の歪み率200%時の水平バネ定数は
1〜20Kg/cmであることが好ましく、更に好まし
くは2〜15Kg/cmである。
【0044】上記免震積層体1の、等価減衰定数は小さ
くなると、地震の揺れを抑制する減衰性能が低下し、大
きくなると地震の揺れの周期に逆行して地震の揺れを抑
制する作用が低下するので、20℃、0.2Hzの条件
で、水平剪断方向の歪み率200%時の等価減衰定数が
0.1〜0.4であることが好ましく、更に好ましくは
0.15〜0.3である。
【0045】上記免震積層体1は、束として構築物を支
持する必要があり、軟質板の20℃における鉛直剛性は
8〜50トン/cmであることが好ましく、更に好まし
くは10〜30トン/cmである。
【0046】上記各物性の測定は圧縮剪断動的試験機を
用いて行われる。水平バネ定数と等価減衰定数は、20
0%歪み率における水平変位と水平荷重の履歴曲線を描
き、その結果から計算される(例えば、日本免震構造協
会編「免震積層ゴム入門」38ページ)。鉛直剛性は、
圧縮方向に25Hzで振動させた場合の、鉛直方向の変
位と圧縮応力の履歴曲線を描き、その結果から計算され
る(例えば、日本免震構造協会編「免震積層ゴム入門」
59ページ)。
【0047】
【実施例】(矩形状軟質板の作製)イソオクチルアクリ
レート100重量部と2,2−ジメチル−2−フェニル
アセトフェノン0.1重量部とからなる光重合性組成物
をセパラブルフラスコに供給して均一に拡散するまで攪
拌した後、セパラブルフラスコ内を窒素置換することに
よって溶存酸素を除去した。次に、ブラックライトラン
プで紫外線を照射し、反応系の温度が5℃上昇するまで
部分重合した。得られた部分光重合増粘組成物の転化率
は3.7重量%、粘度は2200cpsであった。
【0048】この部分光重合増粘組成物にヘキサンジオ
ールジアクリレート0.1重量部を添加した後、離型処
理がされた厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム上に塗布し、更に、その上に上記と同様のポリ
エチレンテレフタレートフィルムをその離型処理面が内
側となるように積層し、ケミカルランプを用いて照射強
度2mw/cm2 で8分間光照射して厚み1.0mmの
アクリル系ポリマーシートを得た。得られたアクリル系
ポリマーシート中の残存モノマーは0.1重量%未満で
あった。又、アクリル系ポリマーのゲル分率は95重量
%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで2.0kgf/cm
2 であった。得られたアクリル系ポリマーシートを20
0mm×200mmの平面正方形状に裁断して矩形状軟
質板とした。
【0049】(矩形状硬質板)矩形状硬質板として、一
辺が200mmで且つ厚みが2mmの平面正方形状の亜
鉛メッキ剛板を用いた。
【0050】(矩形状複合体の作製)上記矩形状硬質板
の上面に上記矩形状軟質板を完全に重ね合わせた状態に
積層一体化して矩形状複合板を作製した。
【0051】上記で得られた矩形状複合体を用いて以下
の要領で免震積層体を得た。 (実施例1)矩形状複合体を50枚用意し、これら50
枚の矩形状複合体を重心が垂直方向に合致した状態とな
るとともに、矩形状複合体を下方から上方に向かって時
計回りに3.6°だけ順次重心回りに回転させて隣接す
る矩形状複合体同士がずれた状態となるように上下方向
に積層させて免震積層体を得た。
【0052】(実施例2)矩形状複合体を150枚用意
し、これら150枚の矩形状複合体を重心が垂直方向に
合致した状態となるとともに、矩形状複合体を下方から
上方に向かって時計回りに1.2°だけ順次重心回りに
回転させて隣接する矩形状複合体同士がずれた状態とな
るように上下方向に積層させて免震積層体を得た。
【0053】(比較例1)矩形状複合体を50枚用意
し、これら50枚の矩形状複合体をこれら矩形状複合体
が完全に重なり合った状態に上下方向に積層させて、直
方体形状の免震積層体を得た。
【0054】(比較例2)矩形状複合体を50枚用意
し、その中の25枚の矩形状複合体をこれら矩形状複合
体が完全に重なり合った状態に上下方向に積層させて下
部積層体を得た。この下部積層体上に更に残余の25枚
の矩形状複合体の全てを下部積層体に対して時計回りに
45°だけ時計回りに回転させて、ずれた状態で上下方
向に積層させて免震積層体を得た。
【0055】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
免震積層体の水平バネ定数を該免震積層体の最下層の矩
形状複合体における辺方向及び対角線方向において測定
し、その結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の免震積層体は、上記の
構成を有するので、水平方向の免震性能において不均一
さを有する矩形状複合体から構成されているにもかかわ
らず、免震積層体全体としては、各矩形状複合体の有す
る水平方向の免震性能の不均一さは是正され、あらゆる
水平方向における免震性能が均一であり、よって、あら
ゆる水平方向の地震エネルギーを円滑に且つ確実に吸収
することができ、あらゆる方向の横揺れ地震から免震積
層体上に構築した構築物を守ることができる。
【0058】又、上記の如く、免震積層体は、矩形状硬
質板と矩形状軟質板とを重ね合わせてなる矩形状複合体
を上下方向に積層させて得られたものであり、上記矩形
状硬質板及び上記矩形状軟質板はその製造工程における
原板のロスの少ないので、その生産性にも優れている。
【0059】請求項2に記載の免震積層体は、上記の構
成をするので、矩形状軟質板は地震エネルギーを効率良
く吸収、緩和して、免震積層体上に構築した構築物を地
震から確実に守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】矩形状複合体を示した斜視図である。
【図2】免震積層体の一例を示した平面図である。
【符号の説明】
1 免震積層体 2 矩形状複合体 21 矩形状硬質板 22 矩形状軟質板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する矩形状硬質板と粘弾性的性
    質を有する矩形状軟質板とを重ね合わせてなる矩形状複
    合体が複数枚垂直方向に積層されて構成された免振積層
    体であって、上記矩形状複合体は各矩形状複合体の重心
    を垂直方向に合致させた状態で積層されているととも
    に、矩形状複合体同士を重心回りに回転させずらせた状
    態で積層させて構成されたことを特徴とする免震積層
    体。
  2. 【請求項2】 矩形状軟質板が、炭素数2〜20のアル
    キル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと光重合
    開始剤とからなる光重合性組成物を光重合してなるポリ
    マーからなることを特徴とする請求項1に記載の免震積
    層体。
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