JP2000265819A - エンジンのブリーザ構造 - Google Patents

エンジンのブリーザ構造

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JP2000265819A
JP2000265819A JP11064853A JP6485399A JP2000265819A JP 2000265819 A JP2000265819 A JP 2000265819A JP 11064853 A JP11064853 A JP 11064853A JP 6485399 A JP6485399 A JP 6485399A JP 2000265819 A JP2000265819 A JP 2000265819A
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正 佐藤
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靖弘 五井野
Katsuhiko Saito
克彦 齋藤
Tsutomu Kodera
勉 古寺
Tamotsu Yamatani
保 山谷
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリーザ室がオイル中に浸かりやすいエンジ
ンのブリーザ構造において、オイル消費量を低減する。 【解決手段】 シリンダヘッド上に動弁機構を収装する
動弁室17を画成するロッカカバー20と、動弁室17
から流出するブローバイガスを通過させてこれに含まれ
るオイル分を分離するブリーザ室50とを備えるエンジ
ンにおいて、ブリーザ室50にブローバイガスを導くブ
ローバイガス導入通路60を閉断面の通路壁24,6
4,65により画成し、ブローバイガス導入通路60の
ブローバイガス取り込み口62をブリーザ室50から離
してロッカカバー20の天井壁部24の近傍に開口させ
るものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブローバイガスか
らオイル分を分離させるエンジンのブリーザ構造の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストンによって燃焼室を画成する内燃
エンジンにあっては、燃焼室からクランク室またはシリ
ンダヘッド上の動弁室に吹き抜けたブローバイガスを吸
気系またはエンジン外部に流出させる必要がある。
【0003】エンジンのブリーザ構造は、ロッカカバー
の内側にプレートを取り付けてブリーザ室を画成し、ブ
ローバイガスがブリーザ室内に設けられる蛇行通路を通
る過程でオイル分を分離させ、ブローバイガスと共にオ
イル分が持ち去られることを防止するようになってい
る。
【0004】従来、この種のブリーザ構造として、例え
ば実開平5−42622号公報、特開平7−18609
号公報、特開平8−260934号公報、特開平9−1
89212号公報に開示されたものがあり、また、本出
願人により特願平10−270730号として出願され
たものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエンジンのブリーザ構造にあっては、車両の
走行時等にエンジンが傾斜したり揺れるのに伴って動弁
室に溜まったオイルがプレートを超えてブリーザ室に流
入し、ブローバイガスと共に持ち去られるオイル量が増
大する可能性があった。
【0006】特に、オフロード車両等の場合、傾斜角度
が35度に達する坂を上るような走行状態において、エ
ンジンが大きく傾斜するとともに、エンジンが高回転で
運転されてオイルポンプを介して大量のオイルが動弁室
に供給されるため、動弁室に溜まったオイルの中にブリ
ーザ室が浸かり、多量のオイルがブリーザ室に流入する
可能性がある。こうしてブリーザ室に流入したオイルが
吸気系に連通するブリーザ室の出口を塞ぐと、多量のオ
イルが吸気系に吸い出されるという不具合が生じる。
【0007】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、エンジンのブリーザ構造において、オイル消
費量を低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、シリンダ
ヘッド上に動弁機構を収装する動弁室を画成するロッカ
カバーと、動弁室から流出するブローバイガスを通過さ
せてこれに含まれるオイル分を分離するブリーザ室とを
備えるエンジンに適用する。
【0009】そして、ブリーザ室にブローバイガスを導
くブローバイガス導入通路を閉断面の通路壁により画成
し、ブローバイガス導入通路のブローバイガス取り込み
口をブリーザ室から離してロッカカバーの天井壁部の近
傍または天井壁部に向けて開口させるものとした。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、ブリ
ーザ室をオイルが溜まりやすい動弁室の端部に配置し、
ブローバイガス導入通路をブリーザ室から動弁室の中央
部または反対側端部に向けて延ばすものとした。
【0011】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、ブリーザ室の底部にオイルの逆流を抑えられるオ
イル落とし小穴を開口させるものとした。
【0012】第4の発明は、第3の発明において、オイ
ル落とし小穴の開口径を3mmより小さくするものとし
た。
【0013】第5の発明は、第1から第4のいずれか一
つの発明において、ブリーザ室のオイルを動弁室に戻す
オイル導出通路を閉断面の通路壁により画成し、オイル
導出通路をブリーザ室からブローバイガス導入通路に沿
って延ばすものとした。
【0014】第6の発明は、第1から第5のいずれか一
つの発明において、ロッカカバーの天井壁部から上方に
突設される膨出部を備え、ブローバイガス取り込み口を
膨出部の内側に開口させるものとした。
【0015】第7の発明は、第1から第6のいずれか一
つの発明において、ブローバイガス取り込み口を覆うオ
イルミスト遮蔽板を備えるものとした。
【0016】第8の発明は、第1から第7のいずれか一
つの発明において、ブローバイガス取り込み口に流入す
るブローバイガスを通過させてこれに含まれるオイル分
を分離するプリブリーザ室を備えるものとした。
【0017】
【発明の作用および効果】第1の発明において、ブリー
ザ室から離れた位置で天井壁部の近傍または天井壁部に
向けて開口しているため、動弁室に溜まったオイルの中
にブリーザ室の下部が浸かるような運転状態において、
ブローバイガス取り込み口がオイルに浸かることがな
く、動弁室からブローバイガス取り込み口にオイルが流
入することが防止できる。これにより、ブリーザ室を経
て吸気系またはエンジン外部に持ち出されるオイル消費
量を低減することができる。
【0018】第2の発明において、ブローバイガス導入
通路をブリーザ室から動弁室の中央部に向けて延ばすこ
とにより、ブローバイガス取り込み口がオイルに浸かる
ことを抑えられる。これにより、ブリーザ室を経て吸気
系またはエンジン外部に持ち出されるオイル消費量を低
減することができる。
【0019】第3の発明において、ブリーザ室の底部に
開口径が所定値より小さいオイル落とし小穴を開口させ
ることにより、動弁室に溜まったオイルの中にオイル落
とし小穴が浸かっても、ブリーザ室の室内圧Paと動弁
室に溜まったオイル圧Poとの圧力差Pa−Poに対し
てオイル落とし穴に働くオイルの表面張力が釣り合って
オイル落とし小穴をオイルが逆流することを抑えられ
る。これにより、ブリーザ室を経て吸気系またはエンジ
ン外部に持ち出されるオイル消費量を低減することがで
きる。
【0020】第4の発明において、オイル落とし小穴の
開口径を3mmより小さくすると、オイル落とし小穴を
オイルが逆流することを抑えられることが実験によりわ
かっている。
【0021】第5の発明において、オイル導出通路をブ
リーザ室からブローバイガス導入通路に沿って延ばすこ
とにより、オイル導出通路の動弁室に対する開口部(オ
イル落とし穴)が動弁室に溜まったオイルに浸かること
が抑えられ、オイル導出通路をオイルが逆流することを
抑えられる。これにより、ブリーザ室を経て吸気系また
はエンジン外部に持ち出されるオイル消費量を低減する
ことができる。
【0022】オイル導出通路をブローバイガス導入通路
と独立して設けることにより、オイル導出通路における
オイルの流れは、ブローバイガス導入通路におけるブロ
ーバイガスの流れの影響を受けることなく、速やかにオ
イルを動弁室へと戻すことができる。
【0023】第6の発明において、ブローバイガス取り
込み口を膨出部の内側に開口させることにより、ブロー
バイガス取り込み口の開口位置を高め、オイルがブロー
バイガス取り込み口に流入することが防止できる。これ
により、ブリーザ室を経て吸気系またはエンジン外部に
持ち出されるオイル消費量を低減することができる。
【0024】第7の発明において、ブローバイガス取り
込み口を覆うオイルミスト遮蔽板を備えることにより、
オイルミスト遮蔽板によってカムシャフト等の動弁機構
から動弁室に飛散するオイルがブローバイガス取り込み
口に流入することが抑えられる。これにより、ブリーザ
室を経て吸気系またはエンジン外部に持ち出されるオイ
ル消費量を低減することができる。
【0025】第8の発明において、ブローバイガスはブ
リーザ室とプリブリーザ室を経てオイル分が分離される
ことにより、ブリーザ室を経て吸気系またはエンジン外
部に持ち出されるオイル消費量を低減することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0027】図1は本発明が適用可能なエンジンの全体
図を示す。これについて説明すると、エンジン1はオフ
ロード車両に縦置きに搭載されるもので、エンジン1の
前端が車両の前方を向くように配置される。図1におい
て矢印で示す左方向が車両前方かつエンジン1の前方と
なっている。
【0028】エンジン1はシリンダブロック2に4つの
シリンダ4が直列に設けられ、各ピストン5とシリンダ
ヘッド30の間に燃焼室6が画成される。シリンダヘッ
ド30には各気筒当たり2本の吸・排気弁7,8が設け
られ、各吸・排気弁7,8の間に1本の燃料噴射弁9が
設けられる。
【0029】動弁機構としてシリンダヘッド30上には
2本のカムシャフト11が並んで設けられる。各カムシ
ャフト11はクラクシャフト10の回転がチェーン12
およびスプロケット13等を介して伝達され、吸・排気
弁7,8を所定のタイミングで開閉駆動する。なお、動
力伝達機構としてチェーン12およびスプロケット13
等に代えて複数のギアで構成されるギアトレインを設け
てもよい。
【0030】オイルパン15に貯留されたオイルは、ス
トレーナ16を介して図示しないオイルポンプに吸い上
げられ、オイルポンプから図示しないオイル供給通路を
通って各カムシャフト11等の動弁機構、チェーン1
2、クラクシャフト10、ピストン5等に供給される。
【0031】シリンダヘッド30上にはロッカカバー2
0が取り付けられ、両者の間に各カムシャフト11等の
動弁機構を収装する動弁室17が画成される。シリンダ
ヘッド3は、シリンダ4と略直交する水平方向に延びる
アッパデッキ部31と、アッパデッキ部31の後端から
立ち上がる後壁部32と、アッパデッキ部31の左右端
から立ち上がる図示しない左右の側壁部と、後壁部32
および左右の側壁部の上端に連続して延びるフランジ部
33とを有し、これらによって動弁室17を画成してい
る。
【0032】シリンダヘッド30は各カムシャフト11
を支持する複数のカム軸受壁部35がアッパデッキ部3
1から突出し、各カム軸受壁部35に各カムシャフト1
1がカムブラケット36を介して回転可能に支持され
る。
【0033】シリンダヘッド30の前部にはギアケース
39を介してチェーンカバー18が取り付けられ、これ
らの間にチェーン12およびスプロケット13等の動力
伝達機構を収装する動力伝達室19が画成される。シリ
ンダヘッド30の前壁部34はアッパデッキ部31の前
端から下方に延びており、動弁室17のオイルがこの前
壁部34を流下してオイルパン15に戻るようにになっ
ている。したがって、動力伝達室19は動弁室17のオ
イルをオイルパン15に戻すオイル戻し通路として機能
する。
【0034】シリンダヘッド30にはオイル戻し通路と
して図示しない複数のオイル落とし穴がアッパデッキ部
31に開口し、カムシャフト11等を潤滑したオイルが
アッパデッキ部31に流下した後、各オイル落とし穴を
通ってオイルパン15へと流下するようになっている。
各オイル落とし穴は各シリンダ4の間およびアッパデッ
キ部31の後端部に位置して形成される。
【0035】箱状をしたロッカカバー20は、前後壁部
21,22と左右の側壁部23と天井壁部24およびシ
リンダヘッド30に対するフランジ部25等を有し、天
井壁部24によって動弁室17の上方が覆われている。
【0036】ロッカカバー20は、その上方に吸気ダク
ト29が設けられるとともに、図示しない車両のボンネ
ットフードが設けられ、これらによって天井壁部24の
高さが制限される。天井壁部24には吸気ダクト29の
前方にオイルフィラキャップ28が取り付けられる。
【0037】ロッカカバー20の内側にはブリーザ室5
0が設けられる。動弁室17のブローバイガスはブリー
ザ室50を通過する過程でこれに含まれるオイル分が分
離される。ブリーザ室50の図示しない出口は配管を介
して吸気通路に連通され、ブリーザ室50を通過したブ
ローバイガスが吸気通路へと吸い出される。なお、ブリ
ーザ室50の出口をエンジン1の外部に開口させて、ブ
ローバイガスをエンジン1の外部に排出するようにして
もよい。
【0038】ブリーザ室50はエンジン1の後部に配置
され、ロッカカバー20上に延びる吸気ダクト29と干
渉しないようになっている。
【0039】ところで、オフロード車両の場合、傾斜角
度が35度に達する坂を上るような走行状態において、
エンジン1が大きく傾斜するとともに、エンジン1が高
回転で運転されるのに伴ってオイルポンプを介して大量
のオイルが動弁室17に供給される。このため、動弁室
17からオイルパン15へと戻りきらないオイルが、傾
斜下方に位置する動弁室17の後部に集まり、ブリーザ
室50の下部が溜まったオイルの中に浸かり、多量のオ
イルがブリーザ室50に流入する可能性がある。ブリー
ザ室50に流入したオイルがブリーザ室50の出口い達
すると、多量のオイルが吸気通路に吸い出されるという
不具合が生じる。
【0040】本発明はこれに対処して、図2に示すよう
に、ロッカカバー20の天井壁部24に沿ってブリーザ
室50から動弁室17の中央部(エンジン1の前方)に
向けて延びるブローバイガス導入通路60を設け、ブロ
ーバイガス導入通路60の前端をブローバイガス取り込
み口62としてロッカカバー20の天井壁部24の近傍
に開口させ、オイルに浸かりにくい部位からブリーザ室
50にブローバイガスを導く構成とする。
【0041】樹脂製ロッカカバー20の天井壁部24に
箱状をした樹脂製ケーシング68が結合され、これらに
よってブローバイガス導入通路60を画成する閉断面の
通路壁部が構成される。勿論、ロッカカバー20は、ア
ルミダイキャスト製、アルミ鋳物製、板金製としてもよ
い。コの字形断面を持つケーシング68は左右の通路側
壁部63とその下端を結ぶ通路底壁部64を有してい
る。こうしてブローバイガス導入通路60は、矩形の断
面を持つことにより、ロッカカバー20とカムシャフト
11間の限られたスペースにおいて通路断面積を十分に
確保できる。
【0042】なお、ケーシング68は板金により形成し
てもよい。また、左右の通路側壁部63はロッカカバー
20からがリブ状に突出して一体形成してもよい。さら
に、ブローバイガス導入通路60をロッカカバー20と
別体で設けられる管状の樹脂製または金属製のパイプに
よって形成してもよい。
【0043】図3はロッカカバー20を下から見た平面
図であり、図において26はオイルフィラキャップ28
の取り付け穴、27は図示しないグロープラグを挿入さ
せるシール装着穴、43はシリンダヘッド30に締結さ
れるボルトを挿通させるボルト穴である。天井壁部24
から縦横に延びる補強リブ44が突出して形成される。
【0044】ロッカカバー20にはオイルフィラキャッ
プ28と吸気ダクト29の間に位置して上方に突設する
膨出部71が一体形成される。ブローバイガス導入通路
60は、カムシャフト11と略平行に延びる水平通路部
65と、膨出部71の天井壁部24に沿ってカムシャフ
ト11に傾斜して延びる傾斜通路部66とを有し、ブロ
ーバイガス取り込み口62の高さを十分に確保し、オイ
ルがブローバイガス取り込み口62に直接流入しないよ
うになっている。なお、膨出部71はロッカカバー20
と別体で形成してもよい。
【0045】ロッカカバー20の内側にはブローバイガ
ス取り込み口62を覆うオイルミスト遮蔽板74が設け
られる。オイルミスト遮蔽板74は各カムシャフト11
の直上方に位置してカムシャフト11と略平行に取り付
けられ、オイルミスト遮蔽板74によってカムシャフト
11等から動弁室17に飛散するオイルがブローバイガ
ス取り込み口62に流入することが抑えられる。樹脂製
のオイルミスト遮蔽板74は4本のビス72を介してロ
ッカカバー20に取り付けられる。なお、オイルミスト
遮蔽板74は板金製、鋳物等により形成してもよい。ま
た、オイルミスト遮蔽板74はロッカカバー20または
ケーシング68と一体形成してもよい。
【0046】ロッカカバー20の吸気ダクト29の後方
に位置して上方に膨らむ膨出部52が一体形成され、こ
の膨出部52の内側にブリーザ室50が画成される。ブ
ローバイガス導入通路60を通って導かれるブローバイ
ガスは、図2、図3に矢印で示すように、ブリーザ室5
0にその底部から流入した後、ブリーザ室50内に設け
られる複数のじゃま板53を迂回することにより蛇行し
て流れ、ブリーザ室50を通過する過程でこれに含まれ
るオイル分が分離される。なお、膨出部52はロッカカ
バー20と別体で形成してもよい。なお、ブローバイガ
ス導入通路60をブリーザ室50の側部に接続してもよ
い。
【0047】ブリーザ室50にてブローバイガスから分
離されたオイルは、ブリーザ室50の底板54に開口し
た2つのオイル落とし小穴55から動弁室17へと流下
するとともに、ブリーザ室50の底部から前方に延びる
2本のオイル導出通路81,82を通り、それぞれの底
板に接続した各オイル落としパイプ85,86,87か
ら動弁室17へと流下するようになっている。
【0048】上記ブリーザ室50の底板54に開口した
各オイル落とし小穴55は、動弁室17の後部に位置し
て開口しているため、前述したように車両の登坂時に動
弁室17に溜まったオイルに浸かる可能性がある。
【0049】これに対処して、オイル落とし小穴55を
オイルが逆流しないようにオイル落とし小穴55の開口
径dを2.5mmに設定する。オイル落とし小穴55の
開口径dを3mmより小さくすると、オイル落とし小穴
55をオイルが逆流することを抑えられることが実験に
よりわかっている。
【0050】各オイル導出通路81,82はブリーザ室
50の底部から前方へと天井壁部24に沿って延び、各
オイル落としパイプ85,86,87は動弁室17のオ
イルが溜まりにくい部位に開口する。
【0051】オイル導出通路81はブローバイガス導入
通路60と平行に並んで延び、動弁室17の中央部より
右側に設けられる。オイル導出通路81とブローバイガ
ス導入通路60はケーシング68の底壁部64からリブ
状に突出する仕切壁88によって仕切られ、オイル導出
通路81におけるオイルの流れがブローバイガス導入通
路60におけるブローバイガスの流れの影響を受けない
ようになっている。オイル導出通路81の先端部は仕切
壁88によって密閉されている。なお、仕切壁88等は
天井壁部24からリブ状に突出させて、ロッカカバー2
0に一体形成してもよい。
【0052】ブリーザ室50のオイルはオイル落とし穴
83を介してオイル導出通路81に流下する。オイル落
とし穴83はオイル導出通路81の後端部に位置し、オ
イル落としパイプ85はオイル導出通路81の前部に位
置して形成される。
【0053】天井壁部24には箱状をした樹脂製ケーシ
ング75が結合され、これらによってオイル導出通路8
2を画成する閉断面の通路壁部が構成される。コの字形
断面を持つケーシング75は左右の通路側壁部89とそ
の下端を結ぶ通路底壁部76を有している。
【0054】ブリーザ室50のオイルはオイル落とし穴
84を介してオイル導出通路82に流下する。オイル落
とし穴84はオイル導出通路82の後端部に位置し、オ
イル落としパイプ87はオイル導出通路82の前部に位
置し、オイル落としパイプ86はオイル落とし穴84と
オイル落としパイプ87の間に位置して形成される。
【0055】なお、ケーシング75は板金により形成し
てもよい。また、左右の通路側壁部89はロッカカバー
20からがリブ状に突出して一体形成してもよい。さら
に、オイル導出通路81,82をロッカカバー20と別
体で設けられる管状の樹脂製または金属製のパイプによ
って形成してもよい。
【0056】以上のように構成されて、次に作用につい
て説明する。
【0057】動弁室17のブローバイガスは、図2、図
3に矢印で示すように、ブローバイガス取り込み口62
からブローバイガス導入通路60に流入し、ブローバイ
ガス導入通路60を通ってブリーザ室50に流入する。
ブローバイガス導入通路60のブローバイガスは、ブリ
ーザ室50にその底部から流入し、ブリーザ室50内に
設けられる複数のじゃま板53を迂回することにより蛇
行して流れ、ブリーザ室50を通過する過程でこれに含
まれるオイル分が分離される。ブリーザ室50を通過し
たブローバイガスは出口51から配管を介して吸気通路
へと吸い出される。ブリーザ室50にてブローバイガス
から分離されたオイルは、ブリーザ室50の底板54に
開口した2つのオイル落とし小穴55から動弁室17へ
と流下するとともに、ブリーザ室50の底部から前方に
延びる2本のオイル導出通路81,82を通り、各オイ
ル導出通路81,82に接続した各オイル落としパイプ
85,86,87から動弁室17へと流下する。
【0058】車両が急坂を上るような走行状態におい
て、動弁室17の後部に溜まったオイルの中にブリーザ
室50の下部が浸かる。このような運転状態において、
ブローバイガス導入通路60のブローバイガス取り込み
口62はブリーザ室50より前方に位置して天井壁部2
4の近傍に開口しているため、オイルに浸かることがな
く、動弁室17からブローバイガス取り込み口62にオ
イルが流入することが防止できる。
【0059】オイル落とし小穴55が動弁室17の後部
に溜まったオイルに浸かった状態でも、オイル落とし小
穴55の開口径dを2.5mmに設定することにより、
ブリーザ室50の室内圧Paと動弁室17に溜まったオ
イル圧Poとの圧力差Pa−Poに対してオイル落とし
穴55に働くオイルの表面張力が釣り合ってオイル落と
し小穴55をオイルが逆流することを抑えられる。オイ
ル落とし小穴55の開口径dを3mmより小さくする
と、オイル落とし小穴55をオイルが逆流することを抑
えられることが実験によりわかっている。
【0060】各オイル落としパイプ85,86,87は
各オイル導出通路81,82を介してブリーザ室50よ
り前方に位置して開口しているため、動弁室17の後部
に溜まったオイルに浸かることがなく、動弁室17から
各オイル落としパイプ85,86,87にオイルが逆流
することが防止できる。
【0061】こうして車両の登坂時に動弁室17のオイ
ルに浸かったブリーザ室50にオイルが流入することが
抑えられ、ブリーザ室50から吸気通路に吸い出される
オイル消費量を低減できる。
【0062】また、オイルミスト遮蔽板74によってカ
ムシャフト11等から動弁室17に飛散するオイルがブ
ローバイガス取り込み口62に流入することが抑えら
れ、ブリーザ室50を経て吸気通路に吸い出されるオイ
ル消費量を低減できる。
【0063】各オイル導出通路81,82はブローバイ
ガス導入通路60と独立して配設されているため、各オ
イル導出通路81,82におけるオイルの流れがブロー
バイガス導入通路60におけるブローバイガスの流れの
影響を受けることなく、速やかにオイルを戻すことがで
きる。
【0064】次に図4、図5に示す他の実施の形態を説
明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符
号を付す。
【0065】ブローバイガス取り込み口62に流入する
ブローバイガスを通過させてこれに含まれるオイル分を
分離するプリブリーザ室90を備える。
【0066】ロッカカバー20に複数のビス72を介し
て取り付けられるハウジング91と天井壁部24の間に
画成される。プリブリーザ室90は入口92を介して動
弁室17と連通し、入口92はハウジング91の下部に
突出して設けられる。プリブリーザ室90の内部には複
数のじゃま板93が設けられる。
【0067】この場合、動弁室17のブローバイガス
は、図中矢印で示すように、入口92からプリブリーザ
室90に流入した後、じゃま板93を迂回することによ
り蛇行して流れ、プリブリーザ室90を通過する過程で
これに含まれるオイル分が分離される。こうしてブロー
バイガスはブリーザ室50とプリブリーザ室90を経て
オイル分が分離されることにより、吸気通路に吸い出さ
れるオイル消費量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用例を示すエンジンの断面図。
【図2】本発明の実施の形態を示すロッカカバー等の断
面図。
【図3】同じくロッカカバー等の平面図。
【図4】他の実施の形態を示すロッカカバー等の断面
図。
【図5】同じくロッカカバー等の平面図。
【符号の説明】
17 動弁室 20 ロッカカバー 50 ブリーザ室 52 膨出部 55 オイル落とし小穴 60 ブローバイガス導入通路 62 ブローバイガス取り込み口 71 膨出部 74 オイルミスト遮蔽板 81 オイル導出通路 82 オイル導出通路 90 プリブリーザ室
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月22日(1999.4.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 克彦 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 (72)発明者 古寺 勉 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 (72)発明者 山谷 保 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 Fターム(参考) 3G015 AA06 BD09 BD10 BD25 BE03 BE05 BE13 BF05 BF07 CA04 DA02 DA10 EA26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッド上に動弁機構を収装する動
    弁室を画成するロッカカバーと、 前記動弁室から流出するブローバイガスを通過させてこ
    れに含まれるオイル分を分離するブリーザ室と、 を備えるエンジンにおいて、 前記ブリーザ室にブローバイガスを導くブローバイガス
    導入通路を閉断面の通路壁により画成し、 前記ブローバイガス導入通路にブローバイガスを流入さ
    せるブローバイガス取り込み口を前記ブリーザ室から離
    して前記ロッカカバーの前記天井壁部の近傍または天井
    壁部に向けて開口させたことを特徴とするエンジンのブ
    リーザ構造。
  2. 【請求項2】前記ブリーザ室をオイルが溜まりやすい動
    弁室の端部に配置し、 前記ブローバイガス導入通路を前記ブリーザ室から前記
    動弁室の中央部にまたは前記端部と反対側端部に向けて
    延ばしたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    ブリーザ構造。
  3. 【請求項3】前記ブリーザ室の底部にオイルの逆流を抑
    えられるオイル落とし小穴を開口させたことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のエンジンのブリーザ構造。
  4. 【請求項4】前記オイル落とし小穴の開口径を3mmよ
    り小さくしたことを特徴とする請求項3に記載のエンジ
    ンのブリーザ構造。
  5. 【請求項5】前記ブリーザ室のオイルを前記動弁室に戻
    すオイル導出通路を閉断面の通路壁により画成し、 前記オイル導出通路を前記ブリーザ室から前記ブローバ
    イガス導入通路に沿って延ばしたことを特徴とする請求
    項1から4のいずれか一つに記載のエンジンのブリーザ
    構造。
  6. 【請求項6】前記ロッカカバーの天井壁部から上方に突
    設される膨出部を備え、 前記ブローバイガス取り込み口を前記膨出部の内側に開
    口させたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一
    つに記載のエンジンのブリーザ構造。
  7. 【請求項7】前記ブローバイガス取り込み口を覆うオイ
    ルミスト遮蔽板を備えたことを特徴とする請求項1から
    6のいずれか一つに記載のエンジンのブリーザ構造。
  8. 【請求項8】前記ブローバイガス取り込み口に流入する
    ブローバイガスを通過させてこれに含まれるオイル分を
    分離するプリブリーザ室を備えたことを特徴とする請求
    項1から7のいずれか一つに記載のエンジンのブリーザ
    構造。
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