JP2000265790A - 管路被覆用の樹脂シートユニット及び管路の二次巻き被覆工法 - Google Patents

管路被覆用の樹脂シートユニット及び管路の二次巻き被覆工法

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JP2000265790A
JP2000265790A JP11071425A JP7142599A JP2000265790A JP 2000265790 A JP2000265790 A JP 2000265790A JP 11071425 A JP11071425 A JP 11071425A JP 7142599 A JP7142599 A JP 7142599A JP 2000265790 A JP2000265790 A JP 2000265790A
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Japan
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sheet
covering
concrete
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resin sheet
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JP11071425A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Katsuyama
吉彦 勝山
Kenichi Ishikura
健一 石倉
Norio Kondo
紀夫 近藤
Takayoshi Hamada
孝義 濱田
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AGC Engineering Co Ltd
Daiho Construction Co Ltd
Original Assignee
Daiho Construction Co Ltd
Asahi Glass Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シールド工法において二次巻き施工と同時に表
出面に樹脂被覆層を形成する。 【解決手段】一側面14aに突起15を点在させた被覆
シート本体11をその他側面14bを内側にして円曲化
させ、対向する開放縁11a,11b相互を突起15に
掛止させた連結バンド21を介して連結し、かつ、二次
巻き型枠を内側から押し当ててその型面に沿うように配
置した上で、グメントとの間にコンクリートを打ち込み
管路を二次巻き被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルや下水道
管や上水道管として用いられる管路に対し効率性と耐久
性とに富んだ防食・防水措置を施す際に好適に利用でき
る管路被覆用の樹脂シートユニット及び管路の二次巻き
被覆工法に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネルのような大管路を地中に構築す
るシールド工法においては、シールドマシンで穿った穴
をセグメントで補強しながら進んでいく。このため、ト
ンネルの内側面には、セグメントが剥き出しになるの
で、該セグメントにさらにコンクリートを覆設してこれ
を保護しながら内側表出面を滑らかに仕上げる必要があ
る。なお、このように剥き出し状態となっているセグメ
ントの内側面をコンクリートで保護する施工作業は、一
般に「二次巻き」と称されており、本明細書においても
同様の意味で用いるものとする。
【0003】ところで、該二次巻き施工法には、すでに
種々の手法が提案されてはいるものの、スチールフォー
ムと称される鋼製型枠の天頂部側から吹き出し装置を利
用して型面とセグメントとの間にコンクリートを注入し
ながら打設するのが一般的である。
【0004】一方、上記管路には、トンネルや下水道管
や上水道管などのように各種タイプのものがあり、その
用途によって重要度が異なるものの、長期にわたり安定
して使用できるように所要の防食措置や防水措置を講じ
ておく必要がある。すなわち、管路が下水道管であれ
ば、硫化水素からコンクリートを守らなければならず、
管路が上水道管であれば、塩素対策のほか、汚染物質の
外部からの浸透をも阻止しなければならない。また、管
路が地下鉄のような交通機関のトンネルであれば、防水
対策のほか、管路内への破片の落下を防止する必要があ
る。
【0005】このような防食・防水措置を講じるための
具体的な手段としては、二次巻きされたコンクリートの
内側表出面に樹脂を塗布して被覆するのが一般的であ
る。また、特に防水を目的とする手段としては、ゴム質
の樹脂シートをアンカーピンを用いて二次巻きされたコ
ンクリートの側に止着するルーズライニング処理も行わ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来手法
のうち、樹脂被覆手法による場合には、樹脂を塗布する
関係上、二次巻きされたコンクリートが硬化して必要な
強度を発現し、十分に乾燥した後でなければ施工できな
い。しかも、この種の管路は地中にあるため、効率よく
風乾できる地上とは異なり、乾燥に長時間を要して工期
の長期化が不可避的となる不都合があった。また、施工
に際しては、天井側にも樹脂を塗布しなければならず、
そのための仮設足場も必要になる煩雑さがあった。さら
には、塗布後の樹脂膜は、多孔質材であるコンクリート
に対し直に付着しているので、コンクリートの側に亀裂
が生ずると、これに追随して樹脂膜の側にもひび割れが
生じてしまい、地下水などの背面水圧によって水が漏れ
たり、樹脂膜が簡単に剥落したりする不具合もあった。
【0007】一方、樹脂シートを用いたルーズライニン
グ手法による場合には、アンカーピンを用いて天井側に
も樹脂シートを止着しなければならず、同様に仮設足場
が必要になる煩雑さがあった。また、樹脂シートは、二
次巻きされたコンクリートにルースライニングされてい
るので、該コンクリート下地と樹脂シートとの間に比較
的厚い空気層が形成されて外観的にだぶついた印象が生
ずる不具合や、強度的に弱く耐久性に劣るなどの問題も
あった。
【0008】本発明は従来手法にみられた上記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的は、シールド工法に
おいて二次巻き施工と同時にセグメントを覆うコンクリ
ートの表出面に樹脂被覆層を形成できるようにして、管
路に対し効率性と耐久性とに富んだ防食・防水措置を施
す際に好適に利用できる管路被覆用の樹脂シートユニッ
ト及び管路の二次巻き被覆工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたものであり、そのうち、本発明に係る管
路被覆用の樹脂シートユニットの構成上の特徴は、略方
形を呈する耐食性合成樹脂製のシート基材の一側面上に
支柱部と頭部とで断面略T字形となった多数個の突起を
縦横方向に等間隔で点在させ、他側面を平坦面としてな
る被覆シート本体と、該被覆シート本体を前記一側面が
外側に位置するようにして湾曲させた際に向き合う開放
縁相互を、一方の開放縁の近傍に位置する前記突起と、
他方の開放縁の近傍に位置する前記突起とに各別に掛止
させて一体的に連結すべく形成された連結バンドとで構
成したことにある。
【0010】また、本発明に係る二次巻き被覆工法は、
請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂シートユニッ
トを用いて行われるものであり、管路の表出内周面を形
成しているセグメントと該セグメントとの間に所定間隔
をおいてその全周方向に配設される二次巻き型枠との間
に、被覆シート本体を前記一側面が外側に位置し、か
つ、管路の下底側にて前記開放縁相互が向き合うように
湾曲させて配設するシート配設工程と、一方の前記開放
縁の側の突起と他方の前記開放縁の側の突起とに各別に
掛止させた連結バンドを介して被覆シート本体を一体的
に連結するシート連結工程と、被覆シート本体と連結バ
ンドとに二次巻き型枠を内側から押し当ててその型面に
沿うように配置する型枠セット工程と、被覆シート本体
における頂部側に設けた吹上げ口からセグメントと被覆
シート本体との間にコンクリートを打ち込むコンクリー
ト打設工程と、二次巻き型枠を外して養生後の二次巻き
コンクリートに前記突起を保持させて被覆シート本体の
前記他側面を表出させる脱型工程とを少なくとも経て行
うことに構成上の特徴がある。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る管路被覆用
の樹脂シートユニットの一例につきこれを組み上げた状
態での断面構造を示す概略説明図であり、その全体は、
樹脂シート材13,13相互を面方向に接合して所要の
縦長と横長とを備えて形成される被覆シート本体11
と、該被覆シート本体11を湾曲させた際に向き合う開
放縁11a,11b相互を一体的に連結すべく形成され
た連結バンド21とで構成されている。
【0012】このうち、被覆シート本体11を構成して
いる各樹脂シート材13は、略方形を呈する耐食性合成
樹脂からなるシート基材14の一側面14a上に支柱部
15aと頭部15bとで断面略T字形となった多数個の
突起15を縦横方向に等間隔に点在させ、他側面14b
を平坦面とすることにより形成されている。なお、シー
ト基材14において突起15が設けられている一側面1
4aは、他側面14bと同様に平坦面としてもよいが、
微細な砂目状の溝(図示せず)を設けて水液が円滑に流
れるようにしておくこともできる。また、本明細書にい
う「耐食性合成樹脂」とは、高密度ポリエチレン(HD
PE),ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル(PVC)な
どの耐食性能に優れた合成樹脂、特に熱可塑性合成樹脂
を主に意味するほか、適宜のフッ素樹脂も意味するもの
とする。また、突起15は、一側面14a上にシート基
材14と一体となって点在形成されている。なお、本発
明の実施品における樹脂シート材13は、厚さtが2m
mのシート基材14の一側面14a上に、支柱部15a
の外径が3mmで頭部15bの外径が4mmで、その全
体高さhが5mmである断面略T字形を呈する突起15
が縦横方向に15mmのピッチpで点在させた例が示さ
れている(図3参照)。しかし、これに限定されるもの
ではなく、所望に応じ適宜の規格からなる樹脂シート材
を用いることができる。
【0013】この場合に用いられる樹脂シート材13の
枚数は、二次巻き後のコンクリート53により形成され
る管路51の内径により規定される。例えば図1に示す
管路51の内径Lが2.4mであるとし、樹脂シート材
13として周方向での長さaが900mmの定尺物を用
いる場合には、7枚の樹脂シート材13と、長さがa/
2(450mm)の1枚の樹脂シート材13′とが用い
られる。そして、これら7枚の樹脂シート材13と1枚
の樹脂シート材13′とを周方向に接合して連続面12
とすることにより被覆シート本体11が形成されてい
る。該被覆シート本体11は、通常、工場にて接合処理
が行われ、これを筒状に巻き込むなどして全体形状をコ
ンパクト化した上で現場に搬入して使用されることにな
る。なお、複数枚の樹脂シート材13を接合することな
く、必要な面積を有する1枚ものの樹脂シート材13で
形成された被覆シート本体11を用いることもできる。
【0014】一方、連結バンド21は、被覆シート本体
11をその一側面14aが外側、つまりセグメント52
側に位置するようにして湾曲させた際に向き合う開放縁
11a,11b相互を、一方の開放縁11aの近傍に位
置する突起15と、他方の開放縁11bの近傍に位置す
る突起15とに各別に掛止させて一体的に連結できるよ
うになっている(図3参照)。
【0015】図2(イ)は、この場合に用いられる連結
バンド21の具体例についての平面形状を、図2(ロ)
は、他の具体例についての平面形状をそれぞれ示す。こ
のうち、図2(イ)に示す連結バンド21は、所定長さ
の帯状ゴム材などの帯板状伸縮材からなるバンド本体部
22と、該バンド本体部22の長さ方向での両端部のそ
れぞれの幅方向に横列させ、かつ、対応する位置にある
各突起15への掛止を自在に穿設された各一対の掛止孔
23,23とを備えて形成されている。また、図2
(ロ)に示す連結バンド21は、所定長さの棒状ゴム材
や圧縮力が付勢された金属線材(例えば圧縮用コイルス
プリングが付設された金属線材)などの棒状もしくは線
状の伸縮材からなるバンド本体部25と、該バンド本体
部25の一端部と他端部とに付設された掛止片部26と
を備えており、これら各掛止片部26には、それぞれの
幅方向に横列させ、かつ、対応する位置にある各突起1
5への掛止を自在とした各一対の掛止孔23,23が穿
設されている。
【0016】この場合における掛止孔23は、突起15
を導入する際には頭部17の挿通を許し、連結バンド2
1が引張された際には頭部17の抜脱を許さない形状と
するのが好ましい。具体的には、図2に示すように突起
15の頭部17よりも口径の大きな大径孔部23aと、
頭部17よりも口径の小さな小径孔部23bと、これら
大径孔部23aと小径孔部23bとを連通させて突起1
5の支柱部16の通過を許す括れ孔部23cとで掛止孔
23を形成するのが好ましい。しかし、必要により円孔
や長孔や楕円孔であってもよい。なお、掛止孔23の個
数は、連結バンド21の両端部に各1個ずつ設けたり、
各3個以上ずつ設けるものであってもよい。
【0017】次に、本発明に係る管路の二次巻き被覆工
法の一例につき、上述した本発明に係る管路被覆用の樹
脂シートユニットの作用とともに説明する。
【0018】すなわち、本発明方法は、上記管路被覆用
の樹脂シートユニットを利用して行われるものであり、
少なくともシート配設工程→シート連結工程→型枠セッ
ト工程→底部当て板シート片付設工程→コンクリート打
設工程→脱型工程を経ることにより行われる。
【0019】このうち、シート配設工程は、管路51の
表出内周面52aを形成しているセグメント52と該セ
グメント52との間に所定間隔をおいてその全周方向に
配設される二次巻き型枠64の型面65との間に、被覆
シート本体11をその一側面14aが外側(セグメント
52側)に位置し、かつ、管路51の下底部51a側に
て開放縁11a,11b相互が離間して向き合うように
湾曲させて配設することにより行われる。具体的には、
例えば図4に示すように管路51内にて天井側に位置す
る妻側浮力防止装置61と、左右方向に配置される捩れ
止めジャッキ62とを可能な限り引っ込めた状態のもと
で、図5に示すように二次巻き型枠64における跳ね上
げ型枠片64aを内方に折り返した状態にして妻側から
湾曲させた被覆シート本体11を挿入することにより行
われる。なお、図4中の符号61aは、被覆シート本体
11の送り込みを円滑に行うために妻側浮力防止装置6
1のパッドに付設されたガイドバーを、62aは、同様
の効果を得るためにシュー63に付設されたガイドバー
をそれぞれ示す。また、被覆シート本体11は、事前に
セグメント52の天井側に配設されたガイド線にフック
を介して被覆シート本体11を吊持させて送り込むよう
にしてもよい。
【0020】また、シート連結工程は、一方の開放縁1
1aの側の突起15と他方の開放縁11bの側の突起1
5とに各別に掛止させた連結バンド21を介して被覆シ
ート本体11を一体的に連結することにより行われる。
具体的には、シート配設工程において被覆シート本体1
1を挿入する際、送込み方向での先端側から順次、所要
間隔をおいて開放縁11a,11b相互をそれぞれの突
起15に対応する掛止孔23を掛止させて図3に示すよ
うに被覆シート本体11を一体的に連結することにより
行われる。掛止孔23が大径孔部23aと小径孔部23
bと、これら大径孔部23aと小径孔部23bとを連通
する括れ孔部23cとで形成されている場合には、連結
バンド21が引張された状態のもとでは掛止孔23の小
径孔部23bに突起15が掛止されるので、抜脱をなく
して連結状態を確実なものとすることができる。なお、
図2(ロ)に示す連結バンド21を用いても同様に抜脱
をなくした確実な連結状態を得ることができる。
【0021】このようにして被覆シート本体11を一体
的に連結しながら管路51内の所定位置にまで送り込ん
だ後は、型枠セット工程を経ることにより、図6に示す
ように二次巻き型枠64における跳ね上げ型枠片64a
のみを内方に折り返した状態もとで、他の部位に位置す
る型面65を被覆シート本体11と連結バンド21とに
押し当てて該型面54に沿うように配置する。
【0022】底部当て板シート片付設工程は、被覆シー
ト本体11の開放縁11a,11b相互間に形成された
間隙部16を樹脂シート材13から切り出された底部当
て板シート片17を用いて図6に示すように内側から覆
った上で、被覆シート本体11の側に溶着することによ
り行われる。そして、図6における跳ね上げ型枠片64
aをも底部当て板シート片17の側に押し当ててること
により、図7に示すように二次巻き型枠64が最終的に
セットされる。なお、この場合には、図示しない特殊妻
側型枠もセットされるほか、図4に示されている妻側浮
力防止装置61と捩れ止めジャッキ62とのそれぞれも
所定位置にまで伸長させて配置した上で固定される。な
お、本発明方法においては、必要により該底部当て板シ
ート片付設工程を省略して次のコンクリート打設工程へ
と移行することもできる。この場合は、被覆シート本体
11における各開放縁11a,11bが位置する部位と
セグメント52との間を適宜の手段により塞いだ上で次
のコンクリート打設工程に移行することになる。
【0023】このようにして二次巻き型枠64のセット
をすべて終えた後は、コンクリート打設工程へと移行す
る。図8(イ)〜(ヘ)は、コンクリート打設工程にお
ける処理手順を示すものであり、まず、(イ)に示すよ
うに二次巻き型枠64において吹上げ装置66が取り付
けられる頂部側に位置する被覆シート本体11の対応部
位を位置決めする。次いで、(ロ)に示すように該対応
部位を切除して吹上げ口18を形成する。吹上げ装置6
6は、(ハ)に示すように吹上げ口18を介して装着さ
れる。この場合、吹上げ装置66には、その開口部67
の周縁部に面方向へと配設された遮蔽部69と、該遮蔽
部69との間に段差を設けて面方向に延設された座面部
70とからなるフランジ部68を設けておくのが好まし
い。これにより、座面部70を図9に詳しく示すように
二次巻き型枠64の側に係止させて吹上げ口18を封止
した状態のもとでセグメント52と被覆シート本体11
との間にコンクリートを打ち込むことができる。しか
も、コンクリートの打設を終えて吹上げ装置66を撤去
した後には、(ニ)に示すように二次巻きされたコンク
リート53との間に凹陥部54が残置されるので、該凹
陥部に(ホ)に示すようにモルタル31を充填して硬化
させることによりコンクリート打設工程を終了する。な
お、モルタル31の硬化後には、(ヘ)に示すように樹
脂シート材13から切り出されたシート片19で塞ぎ、
これを被覆シート本体11の側に一体に溶着される。
【0024】脱型工程は、コンクリートを打設してその
養生を終えた後、二次巻き型枠64を外して二次巻きさ
れたコンクリート53に突起15を保持させて被覆シー
ト本体11の他側面14bを表出させることにより行わ
れる。これにより被覆シート本体11は、図8(ヘ)に
示されるようにコンクリート53に対し突起15におけ
る頭部15bの側との間で物理的結合力を生成させなが
らも、残余のシート基材14の一側面14aとの間では
面として非拘束状態になってその表出面を被覆した状態
で取り付けることができる。しかも、二次巻き型枠64
の型面65と二次巻きされたコンクリート53との間に
は、常に被覆シート本体11が介在しているので、脱型
後の型面65にコンクリート片が付着することもなく、
それだけ作業性の向上を図ることができる。このため、
従来行われていた脱型後に二次巻き型枠64の型面65
を清掃して剥離剤を塗布するという狭い作業空間内での
難作業を割愛して作業の簡素化を実現できる。
【0025】なお、以上の工程は、1日当たりの施工距
離である例えば9mに至るまで繰り返し行われることに
なる。また、1日分の施工を終了したときは、その後処
理として被覆シート本体11,11相互の継ぎ目(目
地)の溶着など、所要の仕上げ作業が行われる。
【0026】かくして、コンクリート53を二次巻きす
ると同時に被覆シート本体11でその表面側を被覆した
後は、該被覆シート本体11の平坦な他側面14bが管
路51側に表出されることになるので、例えば強酸やア
ルカリや塩素化合物などの腐食性液体や腐食性雰囲気に
管路51内が曝されることがあっても、他側面14を介
することにより強い耐食性能を発揮させることができる
ことになる。さらに、コンクリート53を二次巻きする
と同時に被覆シート本体11の側も取り付けることがで
きるので、施工期間の短縮を実現できる。
【0027】しかも、被覆シート本体11は、コンクリ
ート53に対し突起15を介することにより物理的結合
力を生成させながらも、面としては非拘束状態となって
被覆できるので、仮にコンクリート53の側に亀裂が生
ずることがあっても、被覆シート本体11の側に亀裂を
生じさせることはない。したがって、地下水などの背面
水圧によってコンクリート53の亀裂から水が浸透する
ことがあっても、被覆シート本体11の一側面14aに
沿わせて流下させることができる。このため、管路51
内への漏水防止のみならず、施工部材の剥落をも防止し
て、長期の使用に耐える耐久性を付与することができ
る。
【0028】つまり、管路51が下水道管であっても硫
化水素からコンクリート53を守ることができ、管路5
1が上水道管であっても塩素対策のほか、汚染物質の外
部からの浸透をも阻止できる。また、管路51が地下鉄
のような交通機関のトンネルであっても防水対策に有効
であるほか、管路51内への破片の落下も防止できる。
【0029】さらに、管路51の下底部51a側に底部
当て板シート片17を配設することにより、その全周を
被覆シート本体11で覆った場合には、コンクリートに
比べて粗度係数の小さい被覆シート本体11の他側面1
4bを管路51の下底部51a側にも表出させることが
できるので、管路の下底部側にコンクリートを表出させ
る場合に比べて流体抵抗を小さくすることができる。し
たがって、例えば下水用の管路として使用する場合に
は、同一流量に対し管径を小さくできるほか、高低差も
小さくできるので、全体的な施工コストを低減すること
ができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る管路被覆
用の樹脂シートユニットによれば、所要規格の被覆シー
ト本体を自由に形成でき、しかも、これを筒状に巻き込
むなどして全体形状をコンパクト化して現場に搬入でき
るので、輸送コストの軽減と作業効率の向上に寄与させ
ることができる。また、連結バンドを用いることによ
り、被覆シート本体を簡単に一体化して直ちに組立てる
ことができ、施工作業の簡易化と迅速化とに寄与させる
ことができる。
【0031】また、本発明に係る管路の二次巻き被覆工
法によれば、被覆シート本体は、二次巻きされたコンク
リートに対しその一側面に設けた突起の頭部との間で物
理的結合力を生成させながら同時に取り付けることがで
きるので、管路での二次巻き被覆施工を効率よく行える
のみならず、被覆シート本体の他側面を管路内に表出さ
せることで、腐食性液体や腐食性雰囲気中に直面する配
置関係のもとで使用しても高い耐食性能を発揮させるこ
とができる。
【0032】しかも、被覆シート本体は、突起を除く一
側面を二次巻きされたコンクリートに対し非拘束状態に
おくことができるので、仮に該コンクリートの側に亀裂
が生ずることがあっても、剥離や亀裂の発生を抑制して
長期にわたり安定的に使用できる耐久性を付与すること
ができる。
【0033】特に、管路の下底部側を含む全周を被覆シ
ート本体で覆った場合には、管路の下底部側の流体抵抗
を小さくすることができるので、同一流量に対し管径を
小さくできるほか、高低差も小さくできるので、全体的
な施工コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る管路被覆用の樹脂シートユニット
の一例につきこれを組み上げた状態での断面構造を模式
的に示す概略説明図。
【図2】図1に示す連結バンドを一部を省略して示す平
面図であり、(イ)はその一例を、(ロ)は他例をそれ
ぞれ示す。
【図3】図1における被覆シート本体の開放縁相互間へ
の連結バンドの掛止状態を下方からみた場合を拡大して
示す要部斜視部。
【図4】管路内に設置されている妻側浮力防止装置と捩
れ止めジャッキとに対し被覆シート本体を挿入する際の
配置関係を示す説明図。
【図5】管路内に設置されている二次巻き型枠に対する
被覆シート本体を連結バンドで一体的に連結した際の配
置関係を示す説明図。
【図6】管路内に設置されている二次巻き型枠における
跳ね上げ型枠片を最終セットする際の被覆シート本体と
連結バンドと底部当て板シートとの配置関係を示す説明
図。
【図7】図6において跳ね上げ型枠片を最終セットした
状態のもとでの被覆シート本体と連結バンドと底部当て
板シートとの配置関係を模式的に示す要部説明図。
【図8】被覆シート本体の天井側からコンクリートを打
設する際の作業工程の一例を(イ)〜(ヘ)として示す
説明図。
【図9】図8(ハ)において一点鎖線で囲繞した部分を
拡大して示す要部説明図。
【符号の説明】
11 被覆シート本体 12 連続面 13 樹脂シート 14 シート基材 14a 一側面 14b 他側面 15 突起 15a 支柱部 15b 頭部 17 底部当て板シート片 18 吹上げ口 19 シート片 21 連結バンド 22,25 バンド本体 23 掛止孔 23a 大径孔部 23b 小径孔部 23c 括れ孔部 26 掛止片部 31 モルタル 51 管路 51a 下底部 52 セグメント 52a 内側面 53 コンクリート 54 凹陥部 61 妻側浮力防止装置 61a ガイドバー 62 捩れ止めジャッキ 62a ガイドバー 63 シュー 64 二次巻き型枠 64a 跳ね上げ型枠片 65 型面 66 吹上げ装置 67 開口部 68 フランジ部 69 遮蔽部 70 座面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石倉 健一 千葉県市原市八幡海岸通り38番地 旭硝子 エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 近藤 紀夫 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 (72)発明者 濱田 孝義 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D055 CA02 CA04 DA07 GB01 KB11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略方形を呈する耐食性合成樹脂製のシート
    基材の一側面上に支柱部と頭部とで断面略T字形となっ
    た多数個の突起を縦横方向に等間隔で点在させ、他側面
    を平坦面としてなる被覆シート本体と、該被覆シート本
    体を前記一側面が外側に位置するようにして湾曲させた
    際に向き合う開放縁相互を、一方の開放縁の近傍に位置
    する前記突起と、他方の開放縁の近傍に位置する前記突
    起とに各別に掛止させて一体的に連結すべく形成された
    連結バンドとで構成したことを特徴とする管路被覆用の
    樹脂シートユニット。
  2. 【請求項2】前記連結バンドは、所定長さの帯板状伸縮
    材からなるバンド本体部と、該バンド本体部の長さ方向
    での両端部に前記突起への掛止を自在に穿設された掛止
    孔とで形成したことを特徴とする請求項1記載の管路被
    覆用の樹脂シートユニット。
  3. 【請求項3】前記連結バンドは、所定長さの線状もしく
    は棒状の伸縮材からなるバンド本体部と、該バンド本体
    部の一端部と他端部とに前記突起への掛止を自在に穿設
    された掛止孔を備えて付設された板片部とで形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の管路被覆用の樹脂シート
    ユニット。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂
    シートユニットが用いられ、管路の表出内周面を形成し
    ているセグメントと該セグメントとの間に所定間隔をお
    いてその全周方向に配設される二次巻き型枠との間に、
    被覆シート本体を前記一側面が外側に位置し、かつ、管
    路の下底側にて前記開放縁相互が向き合うように湾曲さ
    せて配設するシート配設工程と、一方の前記開放縁の側
    の突起と他方の前記開放縁の側の突起とに各別に掛止さ
    せた連結バンドを介して被覆シート本体を一体的に連結
    するシート連結工程と、被覆シート本体と連結バンドと
    に二次巻き型枠を内側から押し当ててその型面に沿うよ
    うに配置する型枠セット工程と、被覆シート本体におけ
    る頂部側に設けた吹上げ口からセグメントと被覆シート
    本体との間にコンクリートを打ち込むコンクリート打設
    工程と、二次巻き型枠を外して養生後の二次巻きコンク
    リートに前記突起を保持させて被覆シート本体の前記他
    側面を表出させる脱型工程とを少なくとも経て行うこと
    を特徴とする管路の二次巻き被覆工法。
  5. 【請求項5】型枠セット工程とコンクリート打設工程と
    の間には、被覆シート本体の前記開放縁相互間に形成さ
    れた間隙部を前記被覆シート本体と同一の構造を備える
    底部当て板シート片を用いて内側から覆う底部当て板シ
    ート片付設工程を介在させることを特徴とする請求項4
    記載の管路の二次巻き被覆工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009096171A (ja) * 2007-09-26 2009-05-07 Geostr Corp 粗度係数を改善したプレキャストコンクリート製品の製法
JP2009096170A (ja) * 2007-09-26 2009-05-07 Geostr Corp 粗度係数を改善したプレキャストコンクリート製品とその製法

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