JP2008064253A - 管路の補修又は補強構造 - Google Patents

管路の補修又は補強構造 Download PDF

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健一郎 今福
Noriyuki Hirozawa
規行 広沢
Yoshinori Fujii
義法 藤井
Kazuaki Kiriyama
和晃 桐山
Kazuyuki Tamida
和之 民田
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Abstract

【課題】不断水で容易かつ迅速に施工可能で自立管構造とすることが可能な管路の補修又は補強構造を提供する。
【解決手段】水路用の既設管路2の内側において管軸方向と平行に複数列に亘り鉄筋7を配置し、複数のアンカー部材89を立設させた内面平滑な樹脂シート11と、樹脂シート11の外周面上に形成されてなるとともに少なくともフランジ13を有する円弧状梁部材14と、円弧状梁部材14の管周方向端部に設けられた継手とを有するセグメント6を水路に連結されたマンホール101を介して搬入し、搬入したセグメント6を互いに管周方向へ向けて継手16を介して連結することにより鉄筋7が配置された既設管路2の内側を覆うようにして内面保護管4を形成し、セグメント6の管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、さらに既設管路2と内面保護管4との間に経時硬化性材料5を充填する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水路用の既設管路の内面側に配置されると共に、前記既設管路の軸方向に複数のリングを連結させることにより形成された更新用管路と、当該更新用管路と既設管路との間に充填された経時硬化性材料とを備える管路の補修又は補強構造に関し、特に、人が管路内に入って作業可能な中口径(口径φ800mm)以上の管路を補修するのに適した管路の補修又は補強構造並びにその構築方法、セグメントに関する。
下水道や雨水道等に適用される既設管は、下水や雨水に含まれる硫酸等により、その内壁が腐食により劣化してしまう。この劣化した既設管を非開削で補修又は補強する工法として、既設管路内に樹脂製のライニングを施して該管路を補修する管ライニング工法が提案されている。
この管ライニング工法は、例えば特許文献1に示すように、管状の樹脂吸着剤に未硬化の熱硬化樹脂または光硬化樹脂を含浸させて形成される管状のライニング材を液体や気体の圧力により管路内に反転させながら挿入し、該管状のライニング材を液体や気体の圧力により管路の内壁に押圧したまま、任意の方法により加熱し、または光を照射して硬化させることによって、管路内に樹脂製のパイプを形成して管路を補修又は補強する。
この管ライニング工法では、管路の被補修部分に下水などの供用水が流れないよう一時的に断水或いはバイパスさせる必要がある。しかし、この供用水を断水する方法では、近隣の住民に対して迷惑がかかることになる。また、供用水をバイパスさせる方法では、特に口径が中口径以上(口径φ800mm以上)の管路において、バイパスさせる供用水が多量となり、ひいては供用水をバイパスさせる設備が大掛かりとなって補修・補強作業が困難になる問題があった。
このため、かかる問題点を解決するために、供用水を流しながら不断水で補修又は補強するための工法として、外径が管路よりも小さな延長上の短管体を油圧ジャッキなどで押圧してこれを管路内に挿入する作業を繰り返して管路を修復する方法が提案されている。
しかし、この短管体を挿入する工法では、口径が大きな管路では短管体の口径も大きくなるため、短管体をマンホールに通すことができないという問題点があった。また、この短管体を挿入する工法では、延長が長い場合にジャッキの押圧力が大きくなるため、大きなジャッキが必要となり、施工延長が限定される等などの問題点があった。さらに、ジャッキで短管体を押し出すため曲線部の施工が出来ない問題があった。
これらの問題を解決するため、中口径以上の管路の補修・補強工法として幾つかの工法が提案されている。例えば、特許文献2において、中口径以上の管路の補修・補強工法として、マンホール用の立坑内で樹脂製の帯状部材を順次円周方向に織り込みながら既設管路に送り込み、かつ帯状部材の側端部を重合して螺旋巻きによるライニング管を作製した後、既設の管路とライニング管との間にグラウト材を充填して既設の管路とグラウト材とライニング管とが一体となった管路とする工法が提案されている。
また、特許文献3においては、既設管内面に内面平滑なプラスチック製ブロック体をボルトおよびナットにより連結してプラスチック製の管体を形成した後、該管体と既設管との間にグラウト材を充填して既設の管路とグラウト材とプラスチック製の管体とが一体となった管路とする工法が提案されている。
更に、特許文献4においては、既設管路の内周側に所定間隔で複数の切り欠き部を有する管路形状と略相似形の鋼製などの高剛性部材を管軸方向に離散的に組み立て配置し、上記複数の切り欠き部に係合する突出部と内面を覆う面状部で形成された短冊状の樹脂製などの補修部材を管軸方向に挿入、嵌合させ、管路内面を覆い補修材を補修管路長とした後、既設管路と組み立てた補修材との間にグラウト材を注入する管路の補修方法が提案されている。
特許2815330号公報 特開昭62−20987号公報 特開2003−286742号公報 特開2001−90173号公報
特許文献2、3に開示されている補修方法では、既設管路内で樹脂製またはプラスチック製の管を形成し、樹脂製またはプラスチック製の管と既設管路との間にグラウト材を注入するため、施工延長が長い場合でも通水したまま(不断水で)既設管路を補修することが可能である。
しかしながら、特許文献2、3に開示されている補修方法では以下の(1)、(2)に示す問題点がある。
(1)グラウト注入圧に耐えるため支保材を組む必要があるので、多大な労力と時間を要し、その費用も膨大なものとなってしまう。
(2)樹脂またはプラスチックは強度が低いため、ライニング管やプラスチック製の管体だけで設計すると極端に補修材が厚くなり、所要の流量を確保できない。また、補修部材の組立や運搬が困難で費用が増大してしまうという問題点がある。
そこで、これらの問題を解消するため、上記特許文献2、3に開示されている補修方法では既設コンクリート管およびグラウト材の強度を期待して、ライニング管とグラウト材と既設のコンクリート管とが、又はプラスチック製の管体とグラウト材と既設のコンクリート管とが一体となった複合管として設計(以下、かかる設計手法に基づいて構成された管構造を複合管構造という。)されている。即ち、この複合管構造では、既設管と更生管とをグラウトで一体化させることにより、一体構造として外力に抵抗することが可能となり、補修材を厚くする必要性もなくなる。
しかし、この複合管構造は、以下の1)〜3)に示すような構造的問題がある。1)既設管の内表面は汚水に直接晒されるため既設管路内面に汚泥や汚水が付着しており、不断水でグラウトを充填すると既設管路とグラウト材との一体性を確保することが困難で十分な強度を期待できない。また、2)樹脂製のライニング管やプラスチック製管体の外表面にも汚水が付着するため、樹脂製のライニング管やプラスチック製管体とグラウトとの十分な一体性が確保できない。さらに、3)既設管を強度部材としているため劣化が激しい場合は適用できない。
また、特許文献4に開示されている補修方法では、既設管路内に管軸方向に離散的に配置された高剛性の補強部材を配置しているので、上記特許文献2、3に開示の方法に比較すると高強度、高剛性を期待できる構造である。しかし、高剛性部材の断面形状が矩形であるため、断面の曲げ剛性や強度が低く、さらには既設管路周方向に略相似形の高剛性の補強部材には内周側に樹脂製表面材を嵌め込むための切り欠きが設けられている。従って、その切り欠きの分において剛性並びに強度が低下するので、補強構造の厚さを厚くしなければならず流路が狭くなり、特に供用水の最大流量が多い管路の場合に、所要の流量を確保することができなくなる。また、特許文献2、3と同様に汚泥や汚水によって既設管路のコンクリート表面および補修材や表面材とグラウトとの付着強度が低下してしまうという問題点もある。
特許文献4に開示の補修方法では、高剛性部材や樹脂製の表面材等の部材数が多い上に作業性が悪く、施工に多大な労力と時間を要し、その費用も膨大なものとなってしまう。
また、上記高剛性の補強部材には通常鋼材が用いられるがグラウト充填性を高めるために、かかる鋼材に開口部を開削する必要があるため、加工コストが高くなるうえ、高剛性な材料を用いても部材としての強度や剛性が低下してしまうという問題点もある。
さらに、隣接する樹脂製表面材の間に設けた凹部にシール材を配置することで止水を行うが、大量の表面材の間を止水する必要があるため、施工に多大な労力と時間を要し、その費用も膨大なものとなる他、施工ミスや部材の品質管理上の問題から施工区間全長に亘って確実に止水することが困難となってしまう。
そこで、本発明は、上述した問題を一挙に解決すべく案出されたものであり、コンクリート製や樹脂製の下水道用の既設管路の補修又は補強構造に関し、特に、人が管路内に入って作業可能な中口径(口径Φ800mm)以上の管路の補修・補強に際し、マンホールから搬入できる補修・補強用セグメントを組み立てることによって、不断水で容易かつ迅速に施工可能で、所要の流水量を確保可能で、既設管路のコンクリートやグラウト材の強度に依存しないライニング管のみで自立した構造で既設管を補修できる構造(自立管構造)とすることができ、曲線部でも施工することができ、止水が確実かつ容易な管路の補修又は補強構造並びにその構築方法、セグメントを提供することを目的とする。
本願請求項1に係る管路の補修又は補強構造は、水路用の既設管路の内側を覆うようにして設けられ、前記既設管路側に向けて複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シート製の内面保護管と、前記内面保護管の外周面上において長手方向が管周方向と平行に設けられ、少なくともフランジを有する鋼製リングと、前記既設管路と前記鋼製リングとの間に、管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを備え、前記既設管路と前記内面保護管との間には、経時硬化性材料が充填されていることを特徴とする。
本願請求項2に係る管路の補修又は補強構造は、請求項1に記載の発明において、前記鋼製リングは、管周方向に複数に連結された円弧状梁部材により構成されていることを特徴とする。
本願請求項3に係る管路の補修又は補強構造は、請求項2に記載の発明において、前記鋼製リングを管周方向に2個又は3個に亘り連結させた円弧状梁部材により構成している場合において、当該円弧状梁部材は、互いに一の支点を中心にして周方向に回動可能なピン構造で連結されていることを特徴とする。
本願請求項4に係る管路の補修又は補強構造は、請求項2に記載の発明において、前記円弧状梁部材は、互いに嵌合可能な周方向に嵌合する継手構造で連結されていることを特徴とする。
本願請求項5に係る管路の補修又は補強方法は、水路用の既設管路の内側において管軸方向と平行に複数列に亘り鉄筋を配置し、複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手とを有するセグメントを前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、搬入した前記セグメントを互いに管周方向へ向けて前記継手を介して連結することにより前記鉄筋が配置された既設管路の内側を覆うようにして内面保護管を形成し、前記セグメントの管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填することを特徴とする。
本願請求項6に係る管路の補修又は補強方法は、水路用の既設管路の内側において、複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に管周方向と平行に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手と、前記円弧状梁部材のフランジにおいて管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを有するセグメントを前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、搬入した前記セグメントを互いに管周方向へ向けて前記継手を介して連結することにより前記既設管路の内側を覆うようにして内面保護管を形成し、前記セグメントの管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填することを特徴とする。
本願請求項7に係る管路の補修又は補強方法は、水路用の既設管路の内側において管軸方向と平行に複数列に亘り鉄筋を配置し、少なくともフランジと管周方向端部に設けられた継手とを有するとともに、管周方向へ複数に分割された円弧状梁部材を前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、搬入した前記円弧状梁部材を互いに管周方向へ向けて前記継手を介してリング状に連結し、管軸方向に間隔をおいて前記リング状の円弧状梁部材を順次設置し、既設管路側に向けて複数のアンカー部材を立設させた樹脂シートを前記リング状の円弧状梁部材の内側を覆うようにして設置することにより内面保護管を形成し、前記樹脂シートの管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填することを特徴とする。
本願請求項8に係るセグメントは、請求項5記載の管路の補修又は補強方法に適用されるセグメントにおいて、複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手とを有することを特徴とする。
本願請求項9に係るセグメントは、請求項6記載の管路の補修又は補強方法に適用されるセグメントにおいて、複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に管周方向と平行に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手と、前記円弧状梁部材のフランジにおいて管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを有することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明では、曲線部においても施工可能で、不断水で容易かつ迅速に施工可能で、所要の流水量を確保可能で、既設管路のコンクリートやグラウト材の強度に依存しないライニング管のみで自立した構造で既設管を補修できる構造(自立管構造)とすることができ、止水を確実かつ容易に実行することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、管路の補修又は補強構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は、本発明を適用した管路の補修又は補強構造1を水路用の既設管路2の内面側に配置した場合について示している。図1(b)は、その拡大図を、さらに図1(c)は、図1(a)におけるA−A断面を示している。
この補修又は補強構造1は、既設管路2の内側を覆うようにして設けられ、既設管路2側に向けて複数のアンカー部材89を立設させた樹脂シート11からなる内面保護管4と、内面保護管4の外周面上において長手方向が管周方向と平行に設けられ、少なくともフランジ13を有する鋼製リング114と、既設管路2と鋼製リング114との間に、長手方向が管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋7とを備えている。また、これら既設管路2と内面保護管4との間には、グラウト等の経時硬化性材料5が充填されている。
既設管路2は、下水道や雨水道等に適用される既設の管体である。この既設管路2は、例えば、人が管路内に入って作業可能な中口径(口径φ800mm)以上の管路として構成されていることが好ましい。
樹脂シート11は、樹脂シート端部を接続する際に止水機構を溶接による場合は例えばポリエチレン・塩化ビニル樹脂・硬質塩化ビニル・ポリスチレン・ABS樹脂・フッ素樹脂等の耐酸性(特に耐硫酸性に優れた)熱可塑性樹脂からなる。或いは樹脂シート端部を接続する際の止水機構としてボルトおよび止水ゴム、さらには図示省略するが接着により樹脂シート端部を接続する場合にはフェノール樹脂・不飽和ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂等の耐酸性(特に耐硫酸性に優れた)熱硬化性樹脂を用いることも出来る。下水には硫酸が多く含まれていることから、耐硫酸性を向上させることにより、下水に対する耐久性を向上させることが可能となるからである。この樹脂シート11は、土水圧を受けるものであり、特に内面平滑にすることにより、水流の摩擦抵抗を小さくすることができ、管径が縮小しても所要の流量を確保することが可能となる。
鋼製リング114は、例えば接着材等を介して樹脂シート11上に取り付けられている。以下の説明において、この鋼製リング114を断面中空の矩形状で構成する場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではなく、例えば、H形鋼、I形鋼、T形鋼、コ字形鋼、或いはこれらの組み合わせ等、フランジが形成されている断面形状のものであればいかなるものを適用してもよい。また、この鋼製リング114と樹脂シート11との間につき間隔を空けた上で経時硬化性材料5を充填することも構造的には可能であるが、却って壁厚が大きくなってしまうこともある。
鉄筋7は、例えば図1(b)に示すように、U字形の係合部材99を介して既設管路2と鋼製リング114との間に取り付けられるようにしてもよい。この係合部材99は、例えば薄鋼板をU字状に折り曲げて製作されてなり、端部を既設管路2に対して取り付け固定することが可能となされている。この係合部材99を既設管路2に対して予め取り付けておくことにより、鉄筋7をこの係合部材99に事後的に挿入するのみでこれを固定配置することが可能となる。
アンカー部材89は、例えば先端において太径部が形成された突起からなる。太径部を設ける理由としては、充填された経時硬化性材料5とアンカリングさせることにより、水圧に対して樹脂シート11を経時硬化性材料5から剥離しないように力を伝達させるためである。ちなみに、この太径部は、突起先端に形成されている場合に限定されるものではなく、先端にいたる何れかの箇所に形成されていればよい。アンカー部材89は、軸方向、周方向に規則的或いは離散的に配列されている。
図2は、このアンカー部材89の他の例を示している。図2(a)では、突起の先端を折り曲げた例を示している。また、図2(b)(c)では、突起の代替としてリブからなるアンカー部材89を配設した例を示している。このアンカー部材89をリブにより構成する場合には、図2(b)に示すように長手方向が周方向となるようにしてもよいし、図2(c)に示すように長手方向が軸方向となるようにしてもよい。何れで構成する場合においても、経時硬化性材料5とアンカリングするために、先端にいたる何れかの箇所に太径部を設けることにより、経時硬化性材料5の引き抜き力に対する抵抗性を高めることができ、強固にアンカリングさせることができる。
また、このアンカー部材89は、後述する経時硬化性材料5の打設時における打設圧に対する樹脂シート11の断面剛性を向上させるために、フランジ13を有する連続した突起として構成するようにしてもよい。
このようなアンカー部材89が樹脂シート11と一体に設けられていることにより、樹脂シート11に発生する断面力を小さくすることができ、大きな土水圧にも耐えることが可能となる。また、既設管路2と内面保護管4との間に充填される経時硬化性材料5の充填圧にも耐えることができるため、支保工を軽減させることができ、或いは無くすことができる。
なお、本発明を適用した補修又は補強構造1では、それぞれ複数のセグメントを周方向に連結させることにより、内面保護管4を形成するようにしてもよい。
図3は、内面保護管4を構成するセグメント6の正面図並びに平面図を示している。このセグメント6は、曲率を有する樹脂シート11と、フランジ13を有するとともに長手方向を内面保護管4の周方向に配向させた複数本の金属製の円弧状梁部材14と、アンカー部材89と、周方向端部に形成された継手16を備えている。即ち、このセグメント6は、図1に示す補修又は補強構造1における樹脂シート11、円弧状梁部材14、アンカー部材89を一体化させ、別途継手16を設けたものである。なお、この樹脂シート11と、円弧状梁部材14との一体化は完成時には不要であり、施工時において分離しない程度に互いに取り付けられていればよい。かかる場合には、経時硬化性材料5の充填時における圧力により、樹脂シート11と円弧状梁部材14とが互いに分離しないようにしておくことにより、支保工を低減させることが可能となる。
このセグメント6を周方向に連結させることにより、互いに隣接するセグメント6における円弧状梁部材14が周方向に連結される結果、かかる円弧状梁部材14からなる鋼製リング114が完成することになる。
なお、この円弧状梁部材14の周方向端部に設けられている継手16は、メス継手19とオス継手20とを有している。オス継手20は、円弧状梁部材14から突出させた突起部分として具体化される。また、メス継手19は、円弧状梁部材14から突出された継手板に穿設され、上記オス継手としての突起部分を挿入可能な径からなる孔部として具体化される。これらオス継手20とメス継手19とを互いに嵌合させることにより、互いに一の支点を中心にして周方向に回動可能なピン構造で連結することが可能となる。
図4は、かかるピン構造による継手16をボルト接合により具体化する例を示している。ちなみに図4(a)は、ボルト接合した継手16の正面図を、図4(b)は、継手16の連結前における側面図を、また図4(c)は、継手16における連結後の側面図を示している。この継手16においては、樹脂シート11b側の円弧状梁部材14に継手板67が取り付けられている。継手板67は、円弧状梁部材14に対して溶接箇所68において溶着され、さらにボルト挿通孔69が穿設されている。樹脂シート11a側の円弧状梁部材14の端部には、ボルト挿通孔70が穿設されている。継手板67の外側においては、ボルト挿通孔69、70に挿通されるボルト66を螺着可能なナット65が溶接により固定されている。
セグメント6の周方向連結時において、樹脂シート11a側の円弧状梁部材14と、樹脂シート11b側の円弧状梁部材14とを互いに突き合わせ、ボルト挿通孔69、70にボルト66を挿通されてナット65に螺着させることにより、互いに一の支点を中心にして周方向に回動可能なピン構造とすることが可能となる。
また、この継手16の代替として、周方向に嵌合する継手構造を適用するようにしてもよい。図5(a),(b)は、周方向に嵌合する継手構造24の断面構成図を示している。周方向に嵌合する継手構造(オス継手)24aには、円弧状梁部材14から突出部材151を突出させている。この突出部材151は、円弧状梁部材14における内壁面における溶接部152において溶着されている。オス継手24aは、円弧状梁部材14に対してボルト接合されていてもよい。周方向に嵌合する継手構造(メス継手)24bには、突出部材151を嵌合可能な孔部154が形成されている。この孔部154の周囲は、溶接ビードを避けるために予め面取りが施されていることが望ましい。このようなオス継手24bとメス継手24aを嵌合させることにより、円弧状梁部材14を周方向へ連結させることが可能となる。
なお、この継手16の代替として、例えば2本以上のピンを互いに嵌合させることにより周方向に回動不能に剛結合可能な継手として構成するようにしてもよい。
ちなみに、鋼製リング114を2〜3分割した円弧状梁部材14により構成する場合には、2ヒンジ又は3ヒンジからなるいわゆるアーチ構造となるため、これのみで安定構造となる。従って、一の支点を中心とした回動自在の継手16を適用すればよい。またこの継手16の代替として、周方向に嵌合する継手構造を採用するようにしてもよい。
これに対して、鋼製リング114を円弧状梁部材14により4分割以上で構成する場合には、周方向梁部材端部に設けられた継手をピン構造としてもこれのみで安定構造とはならないため、あえて剛結合可能な継手構造を適用するようにしてもよい。また、かかる剛結合の継手を適用する際には、更に溶接を施すことにより応力伝達性能を向上させるようにしてもよい。
上述したセグメント6においては、さらに鉄筋7を一体化させるようにしてもよい。図6は、円弧状梁部材14のフランジ13において鉄筋7を管軸方向と平行に複数列に亘り配置させている。この鉄筋7は、フランジ13に対して溶接により固定されるようにしてもよい。鉄筋7の軸方向の幅は、樹脂シート11の軸方向の幅よりも長く設定されていることが望ましい。
このような鉄筋7を一体化させたセグメント6を軸方向に連結させた状態を図7(a)に示す。2種類のセグメント6aとセグメント6bが交互に軸方向へ連結されていくことになる。図7(b)は、セグメント6aにおけるB−B断面図を、図7(c)は、セグメント6bにおけるC−C断面図を、更に図7(d)は、セグメント6aとセグメント6bの連結位置におけるD−D断面図を示している。
セグメント6a、6bともに周方向に向けて所定の間隔で鉄筋7a、7bが配列されている。しかし、セグメント6aにおいて配置されている鉄筋7aと、セグメント7bに配置されている鉄筋7bの配設位置は、周方向において互いに位置を異ならせている。その結果、図7(d)に示すセグメント6間の連結位置では、各セグメント6a、6bから延長されてきた各鉄筋7a、7bが互いに障壁となることがなくなる。特に鉄筋7の軸方向の幅が、樹脂シート11の軸方向の幅よりも長く設定されている場合には、軸方向に向けてこの鉄筋7aと鉄筋7bがラップしている領域が存在することになる。これにより、所要の強度を確保することができる。
次に本発明の効果について、鉄筋7を一体化させたセグメント6を例にとり説明をする。
上述の如き構成からなる補修又は補強構造1では、図8に示すように既設管路2、経時硬化性材料5を介して土水圧が樹脂シート11へ力の成分f1として負荷されることになる。この力の成分f1に基づいて、アンカー部材89に対して、図中力f2が負荷されることになる。そして、この力f2は、アンカー部材89を介して経時硬化性材料5へと伝達されることになる。
ちなみに、この補修又は補強構造1では、経時硬化性材料5と鉄筋7とにより、一つの梁部材として機能する。その結果この梁部材が下方へ撓むことにより、力f2が円弧状梁部材14へと伝達されることになる。その結果、円弧状梁部材14におけるフランジに対して下向きの力f3がそれぞれ負荷されることになる。このため、既設管路2の強度に支配されることなく、セグメント6のみで土水圧等の外力に抵抗できる。
特に、この円弧状梁部材14は、樹脂シート11から伝達された土水圧の力f1を受けて、リングとして力f3に抵抗することができる。特に、この円弧状梁部材14には、曲げモーメントやせん断力、軸力が作用することとなるが、特に曲げモーメントが相対的に大きく作用することになるため、円弧状梁部材14自体の断面二次モーメントを大きくする必要がある。本発明における円弧状梁部材14にはフランジ13が設けられているため、断面二次モーメントの大きい断面形状とすることができる。即ち、円弧状梁部材14を介して曲げモーメントに大きく抵抗することができることから、セグメント6全体の薄壁化を図ることが可能となる。また、既設管路2のコンクリートや経時硬化性材料5の強度に依存することなく、内面保護管4のみで自立した構造で既設管を補修できる、いわゆる自立管構造とすることができる。
なお、この円弧状梁部材14の軸方向における配設間隔を均等とすることにより、樹脂シート11並びに周方向に延長する円弧状梁部材14それぞれに作用する断面力を均等化させることができ、より合理的な構造となる。
また、フランジ13を有する円弧状梁部材14の剛性が高く、かつ樹脂シート11が鉄筋7と経時硬化性材料5とにより構成される梁部材にアンカリングされていることから、外力に対する変形を小さくすることができる。また、内面平滑で構成していることから、薄肉構造とすることができ、所望の流量を確保することも可能となる。
特に本発明では、セグメント6を構成する部材数を少なくすることが可能となり、作業性を向上させることもでき、施工労力や施工時間を低減させることができ、ひいてはその費用を抑えることも可能となる。
なお、本発明においては、図9(a)に示すように、軸方向又は周方向に隣接するセグメント6間に、止水機構45を設けるようにしてもよい。この止水機構45では、隣接するセグメント6a、6bにおける樹脂シート11a、11bの何れか一方において本体と同材質の熱可塑性樹脂製の裏当て部材46を溶接47により固着させる。次に、図9(b)に示すように、この隣接するセグメント6a、6bにおける樹脂シート11a、11bを互いに近接させ、領域48を樹脂溶接する。特に、これら樹脂シート11a、11bを熱可塑性樹脂で構成することにより、溶接を施すことでこれらを互いに溶着させることが可能となり、高い止水性能を確保することが可能となる。さらに熱可塑性樹脂を用いることでセグメント組み立て時に樹脂シート端部同士を溶接で仮止めすることが容易にでき、隣接するセグメント同士の径方向のずれや周方向および軸方向の目開きを防止することが可能となり、流水条件下でも容易にセグメントの位置合わせが行えるという利点がある。さらに図示省略するが、止水機構として接着材を樹脂シート端面に塗布することで樹脂シート同士を固着することも可能である。このような止水機構45を一のセグメント6の全周に亘って設けることにより、軸方向並びに周方向に隣接するセグメント6間における止水を簡易かつ確実に実行することが可能となり、さらには樹脂シート11に対して十分な強度を付与することもできる。
図10(a)は、他の止水機構50の例を示している。この止水機構50においては、隣接するセグメント6a、6bにおける樹脂シート11a、11bの軸方向又は周方向の端部を互いに嵌合可能な形状に切断されている。樹脂シート11aは、ボルト挿通孔55が形成されている。このボルト挿通孔55は、挿通すべきボルト53より太径のキリ孔とされている。樹脂シート11bには、ボルト挿通孔54が穿設されている。このボルト挿通孔54は、ボルト53を螺着可能なタップが切られている。そして、互いの樹脂シート11a、11bにおける切断面58上には溝57が開削されている。この溝57の開削位置は、ボルト挿通孔54、55の両端において2箇所に亘り割り当てられていることが望ましい。さらに溝57には、止水ゴム52が挿入されている。
このような構成からなる止水機構50においてボルト挿通孔54、55にボルト53を挿入、螺着させると、切断面58を介して流入してくる水を止水ゴム52により封止することが可能となる。これにより、高い止水性能を確保することが可能となる。
図10(b)は、更なる他の止水機構51の例を示している。この止水機構51においては、隣接するセグメント6a、6bにおける樹脂シート11a、11bの結合面上に溝57が開削されている。樹脂シート11bには、裏当て部材60が溶接箇所61において溶着されている。樹脂シート11aにおける溝57の近傍には、ボルト挿通孔55が形成されている。また、裏当て部材60におけるボルト挿通孔55の形成位置に応じた箇所には、ボルト53を螺着可能なタップが切られたボルト挿通孔54が穿設されている。さらに溝57には、止水ゴム52が挿入されている。
このような構成からなる止水機構51においてボルト挿通孔54、55にボルト53を挿入、螺着させると、樹脂シート11a、11bの結合面を介して流入してくる水を止水ゴム52により封止することが可能となる。これにより、高い止水性能を確保することが可能となる。
また、鋼製リング114(円弧状梁部材14)は、例えば図11(a)に示すように、接着材161を介して樹脂シート11に直接的に取り付けられる場合に限定されるものではなく、例えば図11(b)に示すように樹脂ガイド15を介して樹脂シート11上に取り付けられるようにしてもよい。このとき、樹脂ガイド15は樹脂シート11に対して図示しないボルトとナットを介して接続されていてもよいし、図11(c)に示すように、樹脂ガイド15を接着材161を介して樹脂シート11に取り付けるようにしてもよい。さらに、この鋼製リング114(円弧状梁部材14)は、樹脂シート11に対して図示しないボルトとナットで仮止めされた状態で固定されていてもよい。
なお、上記ボルト53は内面側に露出するため耐食性が高い、特に耐酸性が高いボルト例えばチタン製、ステンレス製、セラミック製のボルトを用いるか、内面側を樹脂溶接等により封をすることが好ましい。
次に、本発明を適用した補修又は補強構造1の構築方法について説明をする。例えば図12(a)に示すような、マンホール101を介して地上へ通じており、下水102が流れている既設管路2の内側において、長手方向が軸方向と平行となるように鉄筋7を周方向へ複数列に亘り配置する。この鉄筋7の取り付け方法は、例えば上述の如き係合部材99を用いるようにしてもよい。なお、この鉄筋7の配置前後において、既設管路2の壁面に形成された内面劣化部や汚れを高圧洗浄等により除去するようにしてもよい。
次に、図12(b)に示すように、鋼製リング114をマンホール101を介して既設管路2内へ搬送する。鋼製リング114の径が大きいために、マンホール101内に搬送することができない場合には、円弧状梁部材14の状態でマンホール101内に搬送し、内部においてこれを周方向に連結させて鋼製リング114を形成するようにしてもよい。次に、この鋼製リング114を軸方向に間隔をおいて順次設置していく。
次に、図12(c)に示すように、樹脂シート11をマンホール101を介して内部へと搬送する。この樹脂シート11は、搬送時においてロール状に巻かれた状態にあるが、これを実際に管路内に設置する際には、これを引き出して利用していくことになる。ロールから引き出した樹脂シート11をリング状の円弧状梁部材14(鋼製リング114)の内側を覆うようにして設置することにより内面保護管4を形成していくことになる。その結果、図12(d)に示すように樹脂シート11製の内面保護管4が既設管路2内側全面を覆うようにして設けられることになる。因みに、この段階において樹脂シート端部に止水機構45、50等を設けるようにしてもよい。
次に図12(e)に示すように、既設管路2と内面保護管4との間に形成された空間に対して、グラウト注入機122によりホース121を介して経時硬化性材料5を充填する。その結果、この既設管路2と内面保護管4の間に形成された空間に経時硬化性材料5が徐々に埋められ、最後には、当該空間全体に経時硬化性材料5が充填されることになる。このとき、当該空間にある空気は、図示しない空気抜き孔を介して排出されていくことになる。充填した経時硬化性材料5を固化させることにより、本発明を適用した補修又は補強構造1が完成することになる。
なお、この経時硬化性材料5の充填時においては、予め内面保護管4の軸方向端部につき、それぞれ図13に示すように端止め141し、内面保護管4の形成位置に貯留している下水102を水抜きした上で、経時硬化性材料5を充填するようにしてもよい。この端止め141は、例えばセメント系材料や独立気泡のスポンジなどを使用して行うことになる。これにより、経時硬化性材料5をこの内面保護管4の形成位置に対してのみ充填することが可能となる。
図14は、樹脂シート11を予め短冊状に切断した状態でマンホール101を介して内部へと搬入する例を示している。先ず14(a)に示すように、既設管路2の内側において、長手方向が軸方向と平行となるように鉄筋7を周方向へ複数列に亘り配置する。次に図14(b)に示すように、鋼製リング114を軸方向に間隔をおいて順次設置していく。次に図14(c)に示すように鋼製リング114の軸方向への設置を終了させた後、短冊状の樹脂シート11をリング状の円弧状梁部材14(鋼製リング114)の内側を覆うようにして順次設置することにより、最終的に図14(d)に示すような内面保護管4を形成していく。次に図14(e)に示すように、既設管路2と内面保護管4との間に形成された空間に対して、グラウト注入機122によりホース121を介して経時硬化性材料5を充填する。
次に、本発明を適用した補修又は補強構造1の構築方法について、セグメント6を周方向に連結して鋼製リング114を製作する例につき説明をする。
例えば図15(a)に示すような、マンホール101を介して地上へ通じており、下水102が流れている既設管路2の内側において、長手方向が軸方向と平行となるように鉄筋7を周方向へ複数列に亘り配置する。
次に、図15(b)に示すように、セグメント6を、マンホール101を介して既設管路2内へ搬入する。そして、この搬入した各セグメント6を継手16を介して周方向に連結することにより、内面保護管4を形成していくことになる。その結果、図15(c)に示すように樹脂シート11製の内面保護管4が既設管路2内側全面を覆うようにして設けられることになる。この段階において樹脂シート11の端部に止水機構45、50等を設けるようにしてもよい。円弧状梁部材14や樹脂シート11、アンカー部材89等が予め一体化されたセグメント6を管路内において組み立てれば足りるため、施工工程を大幅に少なくすることが可能となる。
次に図15(d)に示すように、既設管路2と内面保護管4との間に形成された空間に対して、グラウト注入機122によりホース121を介して経時硬化性材料5を充填する。その結果、この既設管路2と内面保護管4の間に形成された空間に経時硬化性材料5が徐々に埋められ、最後には、当該空間全体に経時硬化性材料5が充填されることになる。
また、この場合においても図13に示した例のように、この経時硬化性材料5の充填時においては、予め内面保護管4の軸方向端部につき、それぞれ図13に示すように端止め141し、内面保護管4の形成位置に貯留している下水102を水抜きした上で、経時硬化性材料5を充填するようにしてもよい。
本発明では、あくまでセグメント6を設置した後に、既設管路2と内面保護管4との間に経時硬化性材料5を充填するため、不断水で施工を行うことが可能となる。
即ち、本発明を適用した補修又は補強構造1では、いずれも不断水施工が可能であり、かつ自立管構造とすることができるため、経時硬化性材料5と樹脂シート11との打設強度に依存しない、信頼性の高い構造とすることができる。さらに既設管路2の強度にも依存することがないため、仮に既設管路2の劣化が激しい場合においても、これを補修することが可能となる。さらにフランジ13を有する円弧状梁部材14を用いているため、壁厚を薄くすることができ、さらに内面が平滑なので断面を縮小しても流量を確保することができる。
本発明特有の効果を得るための設計条件
以下、自立管構造とするための条件の検討結果について示す。
図16に示すような寸法条件からなる補修又は補強構造1を作製した。
管内面側の直径Doが1580mmである既設管路2に対して、シート内面側の直径Diが1432mmである樹脂シート11を配設した。さらに、鉄筋7の本数は、8本/周とし、経時硬化性材料5としてのグラウトの強度は、σ=30MPaとした。さらに、樹脂シート11の板厚を4mm、円弧状梁部材14の高さを40mm、幅を60mm、板厚を4.5mm、鉄筋7と円弧状梁部材14との間隔は5mm、鉄筋7と既設管路2との間隔は25mmとした。ちなみに、この鉄筋7の直径は6mmとした。
上記条件で設計した結果、本発明特有の効果を奏することが判明した。
また、鉄筋7を16本/周に亘り配設することも可能であり、かかる場合にはさらなる薄肉化も可能となり、Diを1480mm程度とすることも可能となる。
本発明を適用した補修又は補強構造を水路用の既設管路の内面側に配置した場合について示す図である。 アンカー部材の他の例を示す図である。 内面保護管を構成するセグメントの正面図並びに平面図を示す図である。 ピン構造による継手をボルト接合により具体化する例を示す図である。 周方向に嵌合する継手構造について説明するための図である。 円弧状梁部材のフランジにおいて鉄筋を管軸方向と平行に配置させた例を示す図である。 鉄筋を一体化させたセグメントを軸方向に連結させた状態を示す図である。 本発明を適用した補修又は補強構造の作用効果について説明するための図である。 軸方向又は周方向に隣接するセグメント間に止水機構を設ける例を示す図である。 止水機構の他の例を示す図である。 円弧状梁部材の樹脂シートに対する取り付け方法について示す図である。 本発明を適用した補修又は補強構造の構築方法について示す図である。 経時硬化性材料を充填する際に端止めする方法について説明するための図である。 本発明を適用した補修又は補強構造の構築方法の他の例について示す図である。 補修又は補強構造の構築方法について、セグメントを周方向に連結して鋼製リングを製作する例につき示す図である。 本発明特有の効果を得るための設計条件について説明するための図である。
符号の説明
1 補修又は補強構造
2 既設管路
4 内面保護管
5 経時硬化性材料
6 セグメント
7 鉄筋
11 樹脂シート
13 フランジ
14 円弧状梁部材
15 樹脂ガイド
16 継手
19 メス継手
20 オス継手
24 継手構造
45、50、51 止水機構
46 裏当て部材
47 溶接
48 領域
52 止水ゴム
54、55 ボルト挿通孔
57 溝
58 切断面
60 裏当て部材
65 ナット
66 ボルト
69、70 ボルト挿通孔
89 アンカー部材
99 係合部材
101 マンホール
102 下水
114 鋼製リング
121 ホース
122 グラウト注入機
141 端止め
151 突出部材
152 溶接部
154 孔部
161 接着材

Claims (9)

  1. 水路用の既設管路の内側を覆うようにして設けられ、前記既設管路側に向けて複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シート製の内面保護管と、
    前記内面保護管の外周面上において長手方向が管周方向と平行に設けられ、少なくともフランジを有する鋼製リングと、
    前記既設管路と前記鋼製リングとの間に、管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを備え、
    前記既設管路と前記内面保護管との間には、経時硬化性材料が充填されていること
    を特徴とする管路の補修又は補強構造。
  2. 前記鋼製リングは、管周方向に複数に連結された円弧状梁部材により構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の管路の補修又は補強構造。
  3. 前記鋼製リングを管周方向に2個又は3個に亘り連結させた円弧状梁部材により構成している場合において、
    当該円弧状梁部材は、互いに一の支点を中心にして周方向に回動可能なピン構造で連結されていること
    を特徴とする請求項2記載の管路の補修又は補強構造。
  4. 前記円弧状梁部材は、互いに嵌合可能な周方向に嵌合する継手構造で連結されていること
    を特徴とする請求項2記載の管路の補修又は補強構造。
  5. 水路用の既設管路の内側において管軸方向と平行に複数列に亘り鉄筋を配置し、
    複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手とを有するセグメントを前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、
    搬入した前記セグメントを互いに管周方向へ向けて前記継手を介して連結することにより前記鉄筋が配置された既設管路の内側を覆うようにして内面保護管を形成し、
    前記セグメントの前記内面平滑な樹脂シート端部の管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、
    さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填すること
    を特徴とする管路の補修又は補強方法。
  6. 水路用の既設管路の内側において、複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、前記樹脂シートの外周面上に管周方向と平行に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手と、前記円弧状梁部材のフランジにおいて管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを有するセグメントを前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、
    搬入した前記セグメントを互いに管周方向へ向けて前記継手を介して連結することにより前記既設管路の内側を覆うようにして内面保護管を形成し、
    前記セグメントの前記内面平滑な樹脂シート端部の管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、
    さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填すること
    を特徴とする管路の補修又は補強方法。
  7. 水路用の既設管路の内側において管軸方向と平行に複数列に亘り鉄筋を配置し、
    少なくともフランジと管周方向端部に設けられた継手とを有するとともに、管周方向へ複数に分割された円弧状梁部材を前記水路に連結されたマンホールを介して搬入し、
    搬入した前記円弧状梁部材を互いに管周方向へ向けて前記継手を介してリング状に連結し、
    管軸方向に間隔をおいて前記リング状の円弧状梁部材を順次設置し、
    既設管路側に向けて複数のアンカー部材を立設させた樹脂シートを前記リング状の円弧状梁部材の内側を覆うようにして設置することにより内面保護管を形成し、
    前記樹脂シートの管軸方向及び/又は管周方向に止水処理を施し、
    さらに前記既設管路と前記内面保護管との間に経時硬化性材料を充填すること
    を特徴とする管路の補修又は補強方法。
  8. 請求項5記載の管路の補修又は補強方法に適用されるセグメントにおいて、
    複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、
    前記樹脂シートの外周面上に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、
    前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手とを有すること
    を特徴とするセグメント。
  9. 請求項6記載の管路の補修又は補強方法に適用されるセグメントにおいて、
    複数のアンカー部材を立設させた内面平滑な樹脂シートと、
    前記樹脂シートの外周面上に管周方向と平行に形成されてなるとともに少なくともフランジを有する円弧状梁部材と、
    前記円弧状梁部材の管周方向端部に設けられた継手と、
    前記円弧状梁部材のフランジにおいて管軸方向と平行に複数列に亘り配置された鉄筋とを有すること
    を特徴とするセグメント。
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CN116005987A (zh) * 2023-01-09 2023-04-25 清华大学 加固结构以及套杆

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