JP2000265091A - 着色撚り線及びその製造方法 - Google Patents

着色撚り線及びその製造方法

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JP2000265091A
JP2000265091A JP11066512A JP6651299A JP2000265091A JP 2000265091 A JP2000265091 A JP 2000265091A JP 11066512 A JP11066512 A JP 11066512A JP 6651299 A JP6651299 A JP 6651299A JP 2000265091 A JP2000265091 A JP 2000265091A
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resin
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Etsuko Hirose
悦子 広瀬
Kazuo Kamisaka
和夫 上坂
Teruo Yamada
輝穂 山田
Fujio Hayakawa
富士男 早川
Hideki Kanazawa
秀樹 金澤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を損なうことなく絶縁性、防錆性、難
燃性等が確保できるとともに、色ムラのない着色撚り線
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 染料又は/及び顔料からなる色材と、ア
クリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン
樹脂、ビニル樹脂及びこれらを含む樹脂の少なくとも一
つからなる樹脂と、シリコーン系レベリング剤、ノニオ
ン型界面活性剤の分散剤及び脂肪族ポリアマイド系の沈
降防止剤の少なくとも一つからなる添加剤とで構成され
た着色材料3で撚り線5に着色した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばスピーカ用
銅製フレキシブル導線等に使用される複数のリード線を
撚った撚り線に着色した着色撚り線及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の着色リード線は、塩化ビニル、酢
酸ビニル等の有機材料でリード線を被覆したり、特開昭
61−78014号公報に示されているように、導体表
面に着色層を形成し、この着色層上に無着色性ワニスを
塗工し、焼き付けたものがあった。また、電着法や、特
開昭54−79466号公報に示されているように、金
属線上に錫または錫鉛合金でメッキした後、第3リン酸
ソーダ液中で陽極処理して黄色に着色したものがあっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の着
色リード線は、いずれも単線のリード線であり、複数の
リード線を撚った編み線、錦糸線等の撚り線に着色する
場合は、柔軟性が損なわれ断線しやすく、色の均一性な
どに問題があった。
【0004】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたもので、柔軟性を損なうことなく絶縁性、防
食性、難燃性等が確保できるとともに、色ムラのない着
色撚り線及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る着色撚り
線は、染料又は/及び顔料からなる色材と、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビ
ニル樹脂及びこれらを含む樹脂の少なくとも一つからな
る樹脂と、シリコーン系レベリング剤、ノニオン型界面
活性剤の分散剤及び脂肪族ポリアミド系の沈降防止剤の
少なくとも一つからなる添加剤とで構成された着色材料
で撚り線に着色したものである。
【0006】また、色材は、着色材料100重量部に対
して1〜95重量部含まれるものである。
【0007】また、樹脂は、着色材料100重量部に対
して5〜99重量部含まれるものである。
【0008】また、添加剤は、着色材料100重量部に
対して0.01〜5重量部含まれるものである。
【0009】また、撚り線は銅線であり、その表面をカ
ップリング剤または塩素系表面処理剤で処理したもので
ある。
【0010】また、着色材料に難燃剤を添加したもので
ある。
【0011】また、着色材料に防錆剤を添加したもので
ある。
【0012】また、この発明に係る着色撚り線の製造方
法は、請求項1から7のいずれか一項に記載の着色撚り
線において、撚り線に着色する方法として、着色材料を
0.005kg/cm2以上1kg/cm2以下の微少噴
霧低圧スプレーガンで撚り線の全体あるいは一部分に吹
き付け塗布するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図に基づいて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の着色撚り線の一実
施例を示す断面模式図である。図において、1は錦糸線
(例えば銅線など)、2は錦糸線1の表面を処理するカ
ップリング剤、3は着色材料(着色層)、4は難燃剤・
防錆剤など、5は複数の錦糸線1を撚った撚り線であ
る。
【0014】本発明による着色撚り線は、染料又は顔料
の少なくとも一つからなる色材と、アクリル樹脂、ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニル樹脂
またはこれらを含む樹脂のいずれか一つからなる樹脂
と、シリコーン系レベリング剤、ノニオン型界面活性剤
の分散剤、脂肪族ポリアミド系の沈降防止剤の少なくと
も一つからなる添加剤とで構成された着色材料3で撚り
線5に着色したことを特徴とする。これにより、撚り線
5の内側には浸透せず着色できるため、柔軟性を損なう
ことなく色ムラのない着色撚り線が得られる。
【0015】色材としては、染料および顔料はいずれも
市販されている水溶性、油溶性のものを単独あるいは併
用して使用することができる。特に染料ではアゾ系、フ
タロシアニン系、アントラキノン系等の油溶性染料が樹
脂との相溶性が優れているため、より好ましい。色材の
添加量は、必要とされる色特性に応じて適宜変えられる
が、着色材料100重量部に対して1〜95重量部さら
に、好ましくは50〜70重量部含まれていることが発
色性、密着性の点から好ましい。
【0016】樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニル樹脂または
これらを含む樹脂が、密着性ならびに撚り線内部への浸
透を抑制できる点から好ましい。具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸およびそれらのエステルの重合体およ
び共重合体、アクリル二トリル、スチレンなどとの共重
合体などのアクリル樹脂、ウレタンを主体としたポリウ
レタンアクリレート、ポリエステルポリオールあるいは
アクリルポリオールとメチレンジイソシアネート(MD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)などのウレタン樹脂、ビスフ
ェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合物で、アミン
を硬化剤として常温硬化させる二液型、アミノ樹脂やフ
ェノール樹脂などと併用した加熱硬化型などのエポキシ
樹脂、シリコーンを主体としたシリコーンアクリレー
ト、メチルフェニルシリコーンとシリコーンアクリレー
トの共重合体、メチルエチルシリコーンとアクリル酸エ
ステルとの共重合体などのシリコーン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール
などのビニル樹脂などを使用することができる。樹脂の
添加量は、必要とされる柔軟性、密着性等に応じて適宜
変えられるが、着色材料100重量部に対して5〜99
重量部、さらに好ましくは30〜50重量部添加される
ことが望ましい。この範囲にあれば、柔軟性、密着性等
に良好な着色撚り線が得られる。
【0017】添加剤としては、レベリング剤、分散剤、
沈降防止剤などがあり、レベリング剤としては、メチル
シリコーン系油、エチルシリコーン油、フェニルシリコ
ーン油などのシリコーン系レベリング剤やハロゲンやフ
ッ素化合物を含有するノニオン型界面活性剤などを使用
することができるが、特にシリコーン系レベリング剤が
均一分散性の点から好ましい。レベリング剤の混合割合
としては0.01〜3重量部添加されればレベリング性
は確保でき、平滑な塗膜表面となるが、特に0.3〜1
重量部であることが好ましい。あまり多くなると塗膜強
度や撚り線との密着性が低下し、少なすぎると平滑面が
得られなくなるからである。
【0018】分散剤としては、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系などの界面活性剤、アルキルリン酸エス
テル、ポリエチレングリコール誘導体、非シリコーン系
の長鎖カルボン酸アミン塩、高沸点エーテルを含むカル
ボン酸などのカルボン酸系界面活性剤、炭化フッ素、非
極性ポリメチレンなどのフッ素系高分子化合物やアミノ
官能基を分子中にもったポリエステル系高分子化合物な
どを使用できるが、その中でも分散性や塗料の流展性が
より向上するため、フッ素化合物を含有するノニオン型
界面活性剤が好ましい。分散剤の混合割合としては0.
01〜5重量部とくに0.1〜2重量部であることが好
ましい。あまり多くなると造膜性が低下し、膜強度が弱
くなり、少なすぎると色材の凝集が起こり分散効果が得
られない。
【0019】沈降防止剤としては、脂肪族ポリアミド
系、酸化ポリエチレン系、ポリアクリル酸系、合成ワッ
クス、有機ベントナイト系、超微量シリカなとを使用す
ることができる。この中で脂肪族ポリアミド系が、顔料
の沈降と浮きを防止し、塗料の貯蔵安定性が確保できる
ため、より好ましい。沈降防止剤の混合割合としては
0.01〜5重量部、とくに0.1〜1重量部であるこ
とが好ましい。あまり多すぎると膜強度が弱くなり、少
なすぎると貯蔵安定性が劣る。
【0020】なお、撚り線5の表面をカップリング剤2
あるいは塩素系表面処理剤で前処理すると、一層、着色
材料3と撚り線5との密着性に優れる。
【0021】また、着色材料3中に難燃剤4を添加する
ことにより、自己消火性、難燃性を有することが可能に
なる。難燃剤4としては、ハロゲン系、リン系、無機系
があり、ハロゲン系は臭素系と塩素系に大別でき、いず
れも三酸化アンチモンとの併用効果が大きい。添加量は
0.1〜10重量部であることが好ましく、あまり多す
ぎると塗膜にクラックが発生し膜特性が劣り、少なすぎ
ると十分な自己消火性、難燃性の効果が得られない。
【0022】また、着色材料3中に防錆剤4を添加する
ことにより、防錆性を有することが可能になる。防錆剤
4としては、塩基性鉛系、クロム酸塩系、リン酸塩系、
モリブデン酸塩系、Znなどの金属粉系顔料があり、防
錆性能としては、鉛、クロム酸塩系が優れるが、耐環境
性を考慮すると、リン酸塩系を適用する方が良い。この
場合の添加量としては、0.1〜100重量部添加する
ことができるが、少ないと十分な防錆性が得られず、多
いと密着性を阻害する。好ましくは、5〜50重量部で
ある。さらに、柔軟性を確保するには、30重量部以下
が良い。
【0023】本発明の着色撚り線を製造する方法として
は、着色材料3を0.005kg/cm2以上1kg/
cm2以下の微少噴霧低圧スプレーガンで撚り線5の全
体あるいは一部分に吹き付け塗布することにより、撚り
線5の内側には着色材料3が浸透しないため、柔軟性を
損なうことなく色ムラのない撚り線5が得られる。ま
た、1kg/cm2以下の低圧でスプレーするため、撚
り線5のふれが抑えられ使用材料の削減が図れる。ま
た、部分的に塗布することが可能なため、ハンダの不要
な部分のみに着色でき、着色によるハンダ不良が発生し
ない。さらに、本着色材料3によれば、防錆のためのワ
ックス処理が必要なくなり工程の簡略化、生産性の向上
が図れる。
【0024】以下実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0025】
【実施例】実施例1.樹脂としてアクリル系クリア塗料
(例えば日本ペイント社製 スーパーラック)を使用
し、油溶性染料(例えばオリエント化学社製 VALI
OSOL T-type)30部にさらにルチル型酸化
チタン系白顔料10部を加え調色した。添加剤はシリコ
ーン系レベリング剤(例えばDEFRA社製 S 02
2)、ノニオン型界面活性剤の分散剤(例えばBM−C
hemie社製 BM−1000)、脂肪族ポリアミド
系の沈降防止剤(例えばDEFRA社製 W001)を
合わせて3部添加した。このとき、樹脂の添加量を着色
材料100重量部に対してそれぞれ2、5、10、3
0、50、80、90重量部になるよう調整し混合し
た。
【0026】上記のようにして作製した着色材料を銅の
錦糸線に、微少噴霧低圧スプレーガンを使用し、ハンダ
部以外に部分的に吹き付け常温乾燥した。
【0027】上記のようにして得られた着色錦糸線の密
着性、耐沸騰水性、促進耐候性、色ムラ発生の有無を次
の方法で測定し評価した。以上の評価結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】密着性は、JIS Z 1522に規定す
るセロハン粘着テープによる剥離テストを行い、剥離度
合の状態で評価した。剥離なしの状態が○、わずかに剥
離ありの状態を△、全面剥離の状態を×とした。
【0030】耐沸騰水性は、JIS K 5400の塗
料一般試験方法に基づき、イオン交換水を1Lビーカに
サンプルが浸漬できるレベルまで入れ、底から熱し、沸
騰したらサンプルを吊して浸す。1時間浸漬直後及び標
準状態に2時間放置した後、目視によって観察し、し
わ、膨れ、割れ、はがれを認めず、更に標準状態に2時
間放置した後、初期サンプルと比べて、くもり、白化、
変色の程度が大きく無いときは、沸騰水に浸しても異常
がないものとして○、それ以外を×とした。
【0031】促進耐候性は、サンシャインカーボンアー
ク灯式耐候性試験機を使用し、200時間放置した。放
置後、初期サンプルに比べ色変化がなければ○、やや色
劣化している場合は△、著しい色劣化をしている場合は
×とした。また、色ムラ発生の有無は、目視で行い色ム
ラを認めないときは○、わずかな色ムラは△、著しい色
ムラは×とした。
【0032】すべての評価項目において、△以上であれ
ば、本発明の着色材料として好ましく用いることができ
る。表1に示すように、5〜99重量部であれば各特性
を満足するが、特に30〜50重量部が最も良好であっ
た。
【0033】実施例2.実施例1において、樹脂を
(1)アクリル樹脂(例えば日本ペイント(株)製のス
ーパーラック)、(2)ウレタン樹脂(例えば関西ペイ
ント(株)製のレタンPG)、(3)エポキシ樹脂(例
えば大日本塗料(株)製のエポニックス#110)、
(4)シリコーン樹脂(関西ペイント(株)製のアレス
コシリコーンクリヤー)、(5)ビニル樹脂(日本ペイ
ント(株)製のビニレックス2000、(6)メラミン
樹脂(大日本塗料(株)製のデリコン#300)とし
た。
【0034】色材は、実施例1と同様に油溶性染料(例
えばオリエント化学社製 VALIOSOL T-ty
pe)を上記樹脂40部に対して47部の割合で混合
し、さらにルチル型酸化チタン系白顔料を10部加え調
色した。添加剤も実施例1と同様にシリコーン系レベリ
ング剤(例えばDEFRA社製 S 022)、ノニオ
ン型界面活性剤の分散剤(例えばBM−Chemie社
製 BM−1000)、脂肪族ポリアミド系の沈降防止
剤(例えばDEFRA社製 W001)を合わせて3部
添加し、着色材料とした。
【0035】上記のようにして作製した着色材料を銅の
錦糸線に、微少噴霧低圧スプレーガンを使用しハンダ部
以外に部分的に吹き付け常温乾燥し、各性能を上記実施
例1と同様の方法で測定し評価した。その評価結果を表
2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に示すように、この実施例2の中で
は、メラミン樹脂は密着性に問題があるため、使用する
ことはできない。それ以外は本発明の着色材料として使
用することができ、その中でもアクリルが最も高い効果
が得られた。
【0038】実施例3.実施例1において、レベリング
剤としては(1)特殊変性ポリシロキサンを主体とした
シリコーン系(例えばDEFRA社製 S 022)、
(2)特殊シリコーン系混合アクリル系重合物(例えば
楠本化成社製 ディスパロン)、(3)非シリコーン型
特殊界面活性物質(例えばSCHWEGMANN社製
Blister Free53)、(4)アクリル系高
分子化合物(例えばBM―Chemie社製 BM−1
000)とした。このとき、樹脂はアクリル系クリア
(例えば日本ペイント社製 スーパーラック)を、色材
は油溶性染料(例えばオリエント化学社製 VALIO
SOL T-type)を用い樹脂40部に対して47
部の割合で混合し、さらにルチル型酸化チタン系白顔料
を10部加え調色した。分散剤はカルボン酸系界面活性
剤(例えばSCEWEGMANN社製 Antige
l)を、沈降防止剤は、脂肪族ポリアミド系(例えばD
EFRA社製 W001)を用い、添加剤合わせて3部
を混合し着色材料とした。
【0039】上記のようにして作製した着色材料を錦糸
線と同一成分の銅の平板(50×100mm)に、微少
噴霧低圧スプレーガンを使用し吹き付け常温乾燥し、各
性能を上記実施例1と同様の方法で測定し評価するとと
もに、平坦性については、表面の波打ちを目視により観
察し、表面の波打ちが目立たない場合を○、やや波打ち
はあるものの使用上問題のないレベルの場合を△、それ
以外を×とした。その評価結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示すように、この実施例3の中で
は、非シリコーン系は耐候性に問題があるため使用する
ことはできない。それ以外のレベリング剤は本発明の着
色材料として、使用することができその中でもシリコー
ン系が最も高い効果が得られた。
【0042】実施例4.実施例1において、分散剤とし
ては(1)カルボン酸系界面活性剤(例えばSCEWE
GMANN社製 Antigel)、(2)非極性ポリ
メチレン系(例えばW.ULRICH社製 Contr
a Sol)、(3)アニオン系界面活性剤(例えばS
CHWEGMANN社製 Schwego Wett
8075)、(4)フッ素を含むノニオン系界面活性剤
(例えばSCHWEGMANN社製 Schwego
Fluor 8038)、(5)炭化水素系(例えばS
CHWEGMANN社製 Wett Agent)とし
た。このとき、樹脂はアクリル系クリア(例えば日本ペ
イント社製 スーパーラック)を、色材は油溶性染料
(例えばオリエント化学社製 VALIOSOL T-
type)を用い樹脂40部に対して47部の割合で混
合し、さらにルチル型酸化チタン系白顔料を10部加え
調色した。レベリング剤はシリコーン系レベリング剤
(例えばDEFRA社製 S 022)を、沈降防止剤
は、脂肪族ポリアミド系(例えばDEFRA社製 W0
01)を用い、添加剤合わせて3部を混合し、着色材料
とした。
【0043】上記のようにして作製した着色材料を銅の
錦糸線に、微少噴霧低圧スプレーガンを使用しハンダ部
以外に部分的に吹き付け常温乾燥し、各性能を上記実施
例1と同様の方法で測定し評価するとともに、分散性に
ついては5μmのボア径をもつフィルターでの残分によ
り評価し、全重量の0.3%以下の残分であれば○、
0.3〜1%で△、1%以上で×とした。その評価結果
を表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】表4に示すように、この実施例4の中でも
特に、ノニオン系界面活性剤が分散性に優れ色ムラも発
生することなく良好な結果が得られた。なお、沈降防止
剤は、顔料の沈降と浮きを防止し、貯蔵安定性を確保す
るためには添加した方が良い。その中でも脂肪族ポリア
ミド系が最も効果が得られる。
【0046】実施例5.樹脂としてアクリル系クリア塗
料40部(例えば日本ペイント社製 スーパーラック)
を使用し、油溶性染料(例えばオリエント化学社製 V
ALIOSOLT-type)47部にさらに白顔料1
0部を加え調色した。添加剤はシリコーン系レベリング
剤(例えばDEFRA社製 S 022)、ノニオン型
界面活性剤の分散剤(例えばBM−Chemie社製
BM−1000)、脂肪族ポリアミド系の沈降防止剤
(例えばDEFRA社製 W001)とし、このとき、
添加剤の量を着色材料100重量部に対しそれぞれ0〜
10重量部になるように調整し混合した。
【0047】上記のようにして作製した着色材料を銅の
錦糸線に、微少噴霧低圧スプレーガンを使用しハンダ部
以外に部分的に吹き付け常温乾燥し、各性能を上記実施
例1と同様の方法で測定し評価した。その評価結果を表
5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】表5に示すように、この実施例5の中で、
添加剤を添加しないと密着性が確保できず、また10重
量部と多くなると耐沸騰水性に問題があり膜強度が確保
できない。これより、添加量は0.01〜5重量部であ
れば、良好な結果が得られた。
【0050】実施例6.樹脂としてアクリル系クリア塗
料(例えば日本ペイント社製 スーパーラック)を使用
し、油溶性染料(例えばオリエント化学社製 VALI
OSOL T-type)を0.5〜99重量部になる
ように調整し混合した。必要に応じてさらに白顔料を加
え調色した。添加剤はシリコーン系レベリング剤(例え
ばDEFRA社製 S 022)、ノニオン型界面活性
剤の分散剤(例えばBM−Chemie社製 BM−1
000)、脂肪族ポリアミド系の沈降防止剤(例えばD
EFRA社製 W001)とした。
【0051】上記のようにして作製した着色材料を銅の
錦糸線に、微少噴霧低圧スプレーガンを使用しハンダ部
以外に部分的に吹き付け常温乾燥し、各性能を上記実施
例1と同様の方法で測定し評価した。その評価結果を表
6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】表6に示すように、この実施例6の中で、
色材の添加量が0.5重量部では十分な色が得られず色
ムラも発生する。一方、99重量部にすると密着性が確
保できない。これより、添加量は1〜95重量部であれ
ば、良好な結果が得られた。
【0054】実施例7.前処理として、銅のリード線の
表面にカップリング剤(例えば信越化学のKBM−60
3)をスプレーガンで全体および部分的に吹き付け塗装
した後、アクリル系クリア塗料40部に対して油溶性染
料47部の割合で混合し、さらに白顔料10部を加え調
色した以外は、実施例1と同様の評価を行った。その結
果、耐沸騰水性、促進耐候性、色ムラいずれも問題な
く、特に密着性についてはさらに向上が図れた。
【0055】実施例8.アクリル系クリア塗料40部に
対して油溶性染料45部の割合で混合し、白顔料10部
を加え調色した。さらに三酸化アンチモンを2部添加し
た以外は、実施例1と同様の評価を行った。その結果、
密着性、耐沸騰水性、促進耐候性、色ムラ等すべての項
目で優れた特性を示すとともに、自己消火性、難燃性を
有することが可能になった。
【0056】実施例9.アクリル系クリア塗料40部に
対して油溶性染料45部で混合し、白顔料10部を加え
調色した。さらに、リン酸亜鉛を20重量部添加した以
外は、実施例1と同様の評価を行った。その結果、密着
性、耐沸騰水性、促進耐候性、色ムラなど全ての項目で
優れた特性を示すとともに、塩水噴霧ならびに耐湿試験
において、無添加品に比べ著しい防錆性を有することが
確認できた。
【0057】以上のように、前述の各実施例の構成材料
を最適に混合した着色材料を撚り線に塗布することによ
り、従来にない良好な着色撚り線が得られる。
【0058】色材については、上記各実施例以外に水性
・油性染料ならびに有機・無機顔料のこれらいずれも使
用可能であるが、この中で油性染料が着色性、貯蔵安定
性に優れ最も良い。
【0059】実施例10.上記各実施例に示す着色撚り
線を製造する方法として、0.005kg/cm 2以上
1kg/cm2以下の低圧微少噴霧低圧スプレーガンで
着色材料を撚り線の全体あるいは一部分に吹き付け塗布
した。この結果、従来にない優れた性能を有した着色撚
り線が得られた。特に、0.01〜0.03kg/cm
2であれば、さらに良好な結果が得られる。このとき、
スプレーガンの圧力を1kg/cm2以上にすると、錦
糸線がふれ、色ムラが発生するとともに使用量も多くな
るため、本発明には不適である。
【0060】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、染料又
は/及び顔料からなる色材と、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ビニル樹脂及び
これらを含む樹脂の少なくとも一つからなる樹脂と、シ
リコーン系レベリング剤、ノニオン型界面活性剤の分散
剤及び脂肪族ポリアミド系の沈降防止剤の少なくとも一
つからなる添加剤とで構成された着色材料で撚り線に着
色したものであるので、柔軟性を損なうことなく絶縁
性、防錆性、難燃性が確保できるとともに、色ムラのな
い着色撚り線が得られる効果がある。
【0061】また、色材は、着色材料100重量部に対
して1〜95重量部含まれるので、色ムラがなく密着
性、耐久性、視認性、意匠性が一層優れた着色撚り線が
得られる効果がある。
【0062】また、樹脂は、着色材料100重量部に対
して5〜99重量部含まれるので、密着性、耐沸騰水
性、耐候性が一層優れた着色撚り線が得られる効果があ
る。
【0063】また、添加剤は、着色材料100重量部に
対して0.01〜5重量部含まれるので、色ムラがなく
密着性、耐久性に一層優れた着色撚り線が得られる効果
がある。
【0064】また、撚り線は銅線であり、その表面をカ
ップリング剤または塩素系表面処理剤で処理したので、
着色材料と撚り線との密着性に一層優れる効果がある。
【0065】また、着色材料に難燃剤を添加したので、
自己消火性、難燃性に優れる効果がある。
【0066】また、着色材料に防錆剤を添加したので、
防錆性に優れる効果がある。
【0067】また、この発明に係る着色撚り線の製造方
法は、上記請求項1から6のいずれか一項に記載の着色
撚り線において、撚り線に着色する方法として、着色材
料を0.005kg/cm2以上1kg/cm2以下の微
少噴霧低圧スプレーガンで撚り線の全体あるいは一部分
に吹き付け塗布するので、リード線のふれが抑えられ、
使用材料の削減、工程の簡略化等の生産性向上ができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による着色撚り線を示す断
面模式図である。
【符号の説明】
1 錦糸線(銅)、2 カップリング剤、3 コーティ
ング層(着色層)、4難燃剤・防錆剤等、5 撚り線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/16 C09D 17/00 5G313 // C09D 17/00 133/00 5G325 133/00 147/00 147/00 163/00 163/00 175/04 175/04 183/04 183/04 201/00 201/00 D07B 1/16 D07B 1/16 H01B 7/28 F (72)発明者 山田 輝穂 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 早川 富士男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 金澤 秀樹 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号 菱 彩テクニカ株式会社内 Fターム(参考) 3B153 AA01 AA45 CC12 CC19 CC26 CC27 CC55 CC80 DD30 FF11 FF39 GG05 GG07 GG13 GG40 4J037 AA22 FF03 FF04 FF22 FF25 4J038 CG141 CR001 DB001 DG001 DL031 DL032 KA01 KA05 KA08 KA09 KA12 NA01 NA03 NA15 NA21 PA06 PA14 PB08 PB09 PC02 5G305 AA02 AB01 AB25 AB27 AB40 BA12 BA13 CA03 CA04 CA05 CA07 CA15 CA18 CA26 CA37 CA51 CD06 CD13 CD18 CD20 DA22 5G309 LA12 MA01 MA08 MA10 MA13 MA14 MA15 5G313 FA05 FA09 FB02 FC06 FC07 FD01 FD05 FD06 FD08 FD16 5G325 KA11 KC01 KC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料又は/及び顔料からなる色材と、ア
    クリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン
    樹脂、ビニル樹脂及びこれらを含む樹脂の少なくとも一
    つからなる樹脂と、シリコーン系レベリング剤、ノニオ
    ン型界面活性剤の分散剤及び脂肪族ポリアミド系の沈降
    防止剤の少なくとも一つからなる添加剤とで構成された
    着色材料で撚り線に着色したことを特徴とする着色撚り
    線。
  2. 【請求項2】 色材は、着色材料100重量部に対して
    1〜95重量部含まれることを特徴とする請求項1記載
    の着色撚り線。
  3. 【請求項3】 樹脂は、着色材料100重量部に対して
    5〜99重量部含まれることを特徴とする請求項1記載
    の着色撚り線。
  4. 【請求項4】 添加剤は、着色材料100重量部に対し
    て0.01〜5重量部含まれることを特徴とする請求項
    1記載の着色撚り線。
  5. 【請求項5】 撚り線は銅線であり、その表面をカップ
    リング剤または塩素系表面処理剤で処理したことを特徴
    とする請求項1記載の着色撚り線。
  6. 【請求項6】 着色材料に難燃剤を添加したことを特徴
    とする請求項1記載の着色撚り線。
  7. 【請求項7】 着色材料に防錆剤を添加したことを特徴
    とする請求項1記載の着色撚り線。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    着色撚り線を製造する方法において、着色材料を0.0
    05kg/cm2以上1kg/cm2以下の微少噴霧低圧
    スプレーガンで撚り線の全体あるいは一部分に吹き付け
    塗布することを特徴とする着色撚り線の製造方法。
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