JP2000265067A - 付加硬化型シリコーンゴム組成物 - Google Patents

付加硬化型シリコーンゴム組成物

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JP2000265067A
JP2000265067A JP11336191A JP33619199A JP2000265067A JP 2000265067 A JP2000265067 A JP 2000265067A JP 11336191 A JP11336191 A JP 11336191A JP 33619199 A JP33619199 A JP 33619199A JP 2000265067 A JP2000265067 A JP 2000265067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な保存性と迅速な硬化性とがバラ
ンス良く兼ね備わった付加硬化型シリコーンゴム組成物
を提供する。 【解決手段】 (A)1分子中にケイ素原子に結合し
たアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリ
シロキサン、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水
素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン、(C)白金系触媒、及び(D)40℃
以上の融点を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物
を含有してなる付加硬化型シリコーンゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、十分な保存性及び
迅速な硬化性を兼ね備えた1液性又は2液性の付加硬化
型シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】白金又は白金化合物を硬化触媒とした付
加硬化型シリコーンゴム組成物は、硬化性に優れ、また
材料としてもミラブルタイプ、液状タイプのいずれにも
適応可能であるため、種々の用途に使用されている。特
に液状タイプは、接着剤、型取り材、LIMS材料等と
して有用である。いずれのタイプも組成物を混合及び/
又は加熱することにより、架橋反応が促進され、ゴム硬
化物を得ることができる。
【0003】1液タイプの場合は、組成物の保存性(使
用するまでの保存時間)を確保するため、通常、硬化制
御剤(即ち、ヒドロシリル化反応制御剤)が配合されて
いるので、その硬化には加熱を必要とする。この場合、
硬化促進のためには高温加熱が望ましいが、何らかの理
由で高温加熱できない場合は、低温で長時間加熱するほ
かない。長時間加熱が不都合であるときは、2液タイプ
を使用せざるを得ない。従って、1液タイプでは十分な
保存性を有すると共に、低温でも短時間で硬化できるこ
とが望まれる。2液タイプの場合も十分な保存性を有す
ると共に、低温で短時間に硬化できることが望ましい。
【0004】そこで両タイプについて従来十分な保存性
と迅速な硬化性とをバランス良く兼ね備えた硬化性組成
物を得るべく種々の検討が行われてきた。特に1液タイ
プについては、硬化制御剤として、ビニル含有シロキサ
ン、燐化合物、窒素化合物、アセチレンアルコール等を
用いて種々検討されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、1液タ
イプ及び2液タイプのいずれの場合も十分な保存性と迅
速な硬化性とをバランス良く兼ね備えた付加硬化型シリ
コーンゴム組成物は未だ得られていない。従って本発明
の目的は、十分な保存性と迅速な硬化性とがバランス良
く兼ね備わった付加硬化型シリコーンゴム組成物を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成する手段として、 (A)平均組成式(1):R1 a2 bSiO
(4-a-b)/2(式中、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置
換又は非置換の一価炭化水素基を表し、R2はアルケニ
ル基を表し、aは0.96〜2.00の数であり、bは0.0001〜
0.5の数であって、且つa及びbはa+b=1.90〜2.04
を満足する。)で示される、1分子中にケイ素原子に結
合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノ
ポリシロキサン、 (B)平均組成式(2):R3 cdSiO(4-c-d)/2(式
中、R3は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換
の一価炭化水素基を表し、cは0.70〜2.0の数であり、
dは0.005〜1.0の数であり、且つc及びdはc+d=0.
8〜3.0を満足する。)で示される、1分子中にケイ素原
子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン、 (C)白金系触媒、及び (D)40℃以上の融点を有する(メタ)アクリル酸エス
テル化合物 を含有してなる付加硬化型シリコーンゴム組成物を提供
する。
【0007】本発明の組成物は、更に必要に応じて
(E)アセチレンアルコール化合物又は該化合物のアル
コール性水酸基(C−OH)がシランもしくはシロキサ
ンにより変性された化合物を含有することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。 <(A)オルガノポリシロキサン> 成分(A)のオルガノポリシロキサンは、平均組成式
(1):R1 a2 bSiO(4-a-b)/2で示される、1分子
中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2
個含有するもので、ベースポリマーとして使用される。
このオルガノポリシロキサンの分子構造については特に
制限はなく、直鎖状、分岐状、環状或いは三次元網状構
造のいずれであってもよく、また、単一のシロキサン単
位からなる重合体又は2種以上のシロキサン単位からな
る共重合体であってもよいが、通常は分子鎖両末端がト
リオルガノシロキシ基で封鎖され、主鎖が実質的にジオ
ルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、直鎖状のジ
オルガノポリシロキサンであることが一般的である。ま
た、分子中のアルケニル基は分子主鎖末端のケイ素原子
及び分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したもので
あっても、また、この両方に結合したものであってもよ
いが、硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖両末
端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するもの
であることが好ましい。
【0009】平均組成式(1)において、R1は同一で
も異なっていてもよく、炭素数1〜12、好ましくは炭
素数1〜8の、脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非
置換の一価炭化水素基を表す。R1の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等のアル
キル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル
基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラル
キル基;及びこれらの炭化水素基の水素原子の少なくと
も一部がフッ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン
原子;ニトリル基等で置換された置換炭化水素基、例え
ばトリフルオロプロピル基、クロロメチル基、シアノエ
チル基等が挙げられる。これらの中では合成の容易さや
化学的安定性の点から全てメチル基であることが好まし
い。特性上必要な場合は、メチル基の一部がフェニル基
又はトリフルオロプロピル基で置換されていてもよい。
2はアルケニル基を表す。R2の具体例としては、ビニ
ル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブ
テニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセ
ニル基等の、通常、炭素数が2〜6程度のものが挙げら
れるが、好ましくはビニル基及びアリル基であり、合成
の容易さや化学的安定性の点からビニル基が更に好まし
い。aは0.96〜2.00、好ましくは1.8〜2.00の数であ
り、bは0.0001〜0.5、好ましくは0.001〜0.1の数であ
って、且つa及びbはa+b=1.90〜2.04、好ましくは
1.95〜2.02を満足する。
【0010】このオルガノポリシロキサンの25℃にお
ける粘度は、得られる硬化物の可撓性及び組成物の作業
性の点で、通常10cSt(センチストークス)以上、好ま
しくは50〜5,000,000cSt、より好ましくは100〜1,000,0
00cStの範囲である。
【0011】成分(A)のオルガノポリシロキサンの代
表的な例としては、メチルビニルシロキサン環状重合
体、メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン環状
共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメ
チルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分
子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリ
シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジ
メチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフ
ェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニ
ルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末
端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロ
キサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジ
メチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、
分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・モノメチルシロキサン共重合体、分子鎖両末
端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・
メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共
重合体、分子鎖両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジ
メチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリビニルシロキ
シ基封鎖ジメチルポリシロキサン、式:R1 3SiO1/2
(但し、 R1は平均組成式(1)におけるR1と同じ意
味を有する。以下同様。)で示されるシロキサン単位と
式:R1 22SiO1/2(但し、 R2は平均組成式(1)
におけるR2と同じ意味を有する。以下同様。)で示さ
れるシロキサン単位と式:R1 2SiO2/ 2で示されるシ
ロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキ
サン単位とからなるオルガノポリシロキサン共重合体、
1 3SiO1/2単位とR1 22SiO 1/2単位とSiO4/2
単位とからなるオルガノポリシロキサン共重合体、R1 2
2SiO1/2単位とR1 2SiO2/2と少量のSiO4/2
位とからなるオルガノポリシロキサン共重合体、R12
SiO2/2単位と少量のR1SiO3/2単位及び/又はR2
SiO3/2単位とからなるオルガノポリシロキサン共重
合体、及び下記構造式:
【0012】
【化1】 で示されるオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
これらのアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、
1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができ
る。
【0013】<(B)オルガノハイドロジェンポリシロ
キサン>成分(B)のオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンは、分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少
なくとも2個、好ましくは3個以上有するものであり、 平均組成式(2):R3 cdSiO(4-c-d)/2で示される
もので、成分(B)中のケイ素原子に結合した水素原子
(即ち、SiH基)が、後述する成分(D)の白金系触
媒の存在下に成分(A)中のケイ素原子に結合したアル
ケニル基と付加反応して、三次元網状構造を与える架橋
剤として機能する。このオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンの分子構造については特に制限はなく、直鎖
状、分岐状、環状及び三次元網状構造のいずれであって
もよい。例えば、SiH基を有するシロキサン単位のみ
からなる重合体であっても、或いはSiH基を有するシ
ロキサン単位と、トリオルガノシロキシ単位、ジオルガ
ノシロキサン単位、モノオルガノシロキサン単位及び
式:SiO4/2で示されるシロキサン単位よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種との共重合体であってもよ
い。また、重合度についても特に制限はないが、成分
(A)との相溶性や合成の容易さ等の点からケイ素原子
の数が3〜300個、特に4〜150個のものが好適である。
【0014】平均組成式(2)において、R3は同一で
も異なってもよく、炭素数1〜12、好ましくは炭素数
1〜8程度の、脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非
置換の一価炭化水素基を表す。R3の具体例としては、
平均組成式(1)のR1において例示したものと同じも
のが例示され、合成の容易さや化学的安定性の点から全
てメチル基であることが好ましい。特性上必要な場合
は、メチル基の一部がフェニル基又はトリフルオロプロ
ピル基で置換されていてもよい。cは0.70〜2.0、好ま
しくは0.9〜2.0の数であり、dは0.005〜1.0、好ましく
は0.01〜1.0の数であり、且つc及びdはc+d=0.8〜
3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する。
【0015】このような成分(B)のオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンの代表的な例としては、メチルハ
イドロジェンシロキサン環状重合体、メチルハイドロジ
ェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分
子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ
基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロ
キサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェン
シロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端
ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子
鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチ
ルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフ
ェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイ
ドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェ
ニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイド
ロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサ
ン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン
・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメ
チルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・
ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、
(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる
共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HS
iO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(C
32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)S
iO3/ 2単位とからなる共重合体、(CH3)HSiO
2/2単位と(CH3)SiO3/2単位及び/又はHSiO
3/2単位とからなる共重合体、及び下記構造式:
【0016】
【化2】 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンなど
が挙げられる。成分(B)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは1種単独で又は2種以上を組合せて使用
することができる。
【0017】成分(B)の配合量は高密度オルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン(主鎖がメチルハイドロジェ
ンシロキサン単位の繰り返しだけからなるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサン)を含めて成分(A)に含有
されるアルケニル基1個当たり、成分(B)のケイ素原
子に結合した水素原子(SiH基)の数、成分(B)以
外のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが存在する
場合はオルガノハイドロジェンポリシロキサン全体に存
在するケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)の数
は、組成物の硬化性、硬化時の非発泡性、硬化物の強
度、硬化物の物性の経時安定性などの観点から0.4〜10
個となるような量が好ましく、1.2〜5.0個となるような
量がより好ましい。
【0018】<(C)白金系触媒>成分(C)の白金系
触媒は、成分(A)のアルケニル基、即ち不飽和脂肪族
基含有オルガノポリシロキサンと成分(B)のオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応を促進する
ための触媒で、公知のものが使用できる。具体的には白
金ブラック;塩化白金酸;塩化白金酸のアルコール変性
物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロ
キサン又はアセチレンアルコール類等との錯体等が例示
される。なお、触媒の配合量は有効量であり、希望する
硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、具体的には、
組成物に対して白金金属換算で通常0.1〜2,OO0ppm、好
ましくは1〜200ppmの範囲である。
【0019】なお、組成物の用途を考慮した場合、腐食
性成分の混入は避けなければならないこともある。その
場合は白金系触媒も塩素イオンフリーとする必要があ
り、白金系触媒は塩素イオンが5ppm以下の0価の白金
錯体が好ましい。このような白金錯体の具体例として
は、米国特許3,715,334、米国特許3,775,452、米国特許
3,814,730等に記載されるビニルシロキサンと白金との
錯体が挙げられる。
【0020】<(D)(メタ)アクリル酸エステル化合物
>本明細書では、(メタ)アクリル酸エステル化合物と
は、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステ
ル化合物を包含する意味で使用される。成分(D)の
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、本発明の組成物に
十分な保存性と迅速な硬化性を付与するために必要な成
分で、好ましくは分子中にオルガノシロキサン構造を有
さないものであり、また40℃以上、通常は40〜180℃、
好ましくは60〜150℃の融点を有するものが使用され
る。
【0021】本発明者は、前記(A)〜(C)成分とこ
の(メタ)アクリル酸エステル化合物(即ち、アクリル
酸エステル化合物及び/又はメタクリル酸エステル化合
物。以下同様。)を組み合わせると、該化合物は加熱に
よりシロキサン成分に溶解し、意外にも白金系触媒の活
性が高められて組成物の硬化速度が高まることを見出し
た。しかも、該(メタ)アクリル酸エステル化合物は融
点が40℃以上であるので常温ではシロキサン成分に溶解
していないため、白金系触媒の活性は高められることな
く、組成物の安定性、即ち保存性が得られる。こうし
て、本発明の組成物は十分な保存性と迅速な硬化性とが
バランス良く兼ね備えたものとなった。以上のような効
果を発揮する(メタ)アクリル酸エステル化合物は、融
点が40℃以上のものであれば、特に限定されないが、分
子中に
【0022】
【化3】 等の、1〜4個の芳香族環(例えば、フェニレン環な
ど)、特に1〜2個の芳香族環を含有し、かつ構造中に
エーテル性酸素原子、ケイ素原子又はフッ素原子を含有
してもよい炭素原子数12〜30個程度で、1〜4価
の、好ましくは2価の炭化水素構造のものが好ましい。
特に下記一般式(3):
【0023】
【化4】 (式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Xは1〜
4個の芳香族環を含有し、構造中に酸素原子、ケイ素原
子及びフッ素原子よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の原子を含有してもよい炭素数6〜30、好ましくは12
〜20の2価の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数、好
ましくは2〜4の整数を表す。)で示されるものが挙げ
られる。なお、一般式(3)におけるXの具体例として
は、上記例示した芳香族環が挙げられる。(メタ)アクリ
ル酸エステル化合物の具体例としては下記のものが挙げ
られる。
【0024】
【化5】
【0025】これらの(メタ)アクリル酸エステル化合
物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。その配合量は、成分(A)のオルガノポ
リシロキサン100重量部に対し、通常0.0001〜
5重量部、好ましくは0.001〜3重量部、より好ま
しくは0.01〜1重量部である。
【0026】<(E)アセチレンアルコール化合物又は
その誘導体>本発明の組成物には、任意成分として必要
に応じて成分(E)のアセチレンアルコール化合物又は
そのシランもしくはシロキサンによる変性化合物を配合
することができる。この成分(E)は、硬化制御剤(白
金系触媒に対する反応抑制剤)として機能するもので、
特に長期間の保存性を必要とする場合に添加することが
望ましい。
【0027】アセチレンアルコール化合物は、エチニル
基と水酸基が同一分子内に存在するものであればよい
が、エチニル基と水酸基は同一炭素原子に結合している
ことが好ましい。その具体例としては下記のような化合
物が挙げられる。
【0028】
【化6】 またアセチレンアルコール化合物のシラン又はシロキサ
ンによる変性化合物は、アセチレンアルコールの水酸基
がSi−O−C結合に転換された形でシランもしくはシ
ロキサン部分と結合したものである。例えば下記のよう
な化合物が挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】成分(E)の配合量は所望の保存性を得る
有効量である。具体的には、成分(A)のオルガノポリ
シロキサン100重量部に対し、0〜3重量部でよく、
通常0.001〜3重量部、好ましくは0.01〜1重
量部である。
【0031】硬化制御剤としては、従来、アセチレンア
ルコール化合物以外にも、ビニル基含有ポリシロキサ
ン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート
類、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジ
アミン、ベンゾトリアゾール又はそれらの混合物等が知
られているが、これら硬化制御剤の中でも特に本発明で
特定した(E)成分は前記(D)成分との組み合わせ
で、十分な保存性と迅速な硬化性とをバランス良く発揮
させる。
【0032】<その他の任意成分>本発明の組成物に
は、以上の成分(A)〜(E)の他に、更にヒュームド
シリカ、沈降シリカなどの補強性シリカ充填剤;石英粉
末、珪藻土、炭酸カルシウム等の非補強性充填剤;コバ
ルトブルーのような無機顔料、有機染料等の着色剤;酸
化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、ベンガラ、酸化
チタン、カーボンブラック等の耐熱性・難燃性向上剤等
の添加剤を本発明の効果を妨げない量で配合することが
できる。また導電安定性を付与する目的で粉状、ウイス
カー状、又はストラクチャーの発達した、カーボンブラ
ック、グラファイト等を配合することも可能である。
【0033】<用途>本発明の組成物は、電気電子部品
周辺や車載用部品周辺に使用される接着剤、型取り剤、
シリコーンゴム成型品等の材料(LIMS等)として有
用である。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げるが、本発明
はこれらの実施例によって限定されるものではない。な
お、Me,Viはそれぞれメチル基、ビニル基を意味す
る。 〔実施例1〜10、比較例1〜6〕下記成分を表1及び
表2に示す処方に従って混合して、1液性の付加硬化型
シリコーンゴム組成物を調製し、各組成物の保存性及び
硬化性を下記試験方法で評価した。その結果も表1及び
表2に示す。 ・アルケニル基含有オルガノポリシロキサン V-Sx 1 式: ViMe2Si-O-(-SiMe2-O-)400-SiMe2Viで示されるビ
ニル基含有オルガノポリシロキサン(25℃での粘度:5,
050cSt) V-Sx 2 式: ViMe2Si-O-(-SiMe2-O-)800-(-SiMeVi-O-)12-SiMe2
Viで示されるビニル基含有オルガノポリシロキサン(25
℃での粘度:510,000cSt) ・オルガノハイドロジェンポリシロキサン H-Sx 式:Me3Si-O-(-SiMe2-O-)15-(-SiMeH-O-)20-SiMe3で示
されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(25℃で
の粘度:46cSt) ・白金系触媒 白金の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサ
ン錯体のトルエン溶液(白金金属として0.5重量%含
有) ・硬化制御剤
【0035】
【化8】 ・(メタ)アクリル酸エステル化合物
【0036】
【化9】
【0037】<試験方法> ・保存試験 組成物を100mlの密閉ガラス瓶中に5℃又は25℃
で置き、粘度の数値が調製直後の値の2倍に達するまで
の日数を求め、これにより保存性評価の指標とする。 ・硬化試験 レオメータを用いて、組成物を80℃又は100℃で加熱
し、加熱開始から硬化開始に至るまでの時間(T10)
を測定する。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の付加硬化型シリコーンゴム組成
物は、良好な保存性と迅速な硬化性とをバランス良く兼
ね備えている。そのため、作業性が高く生産性の向上に
大きく寄与するものと期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/5425 C08K 5/5425 C08L 83/05 C08L 83/05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均組成式(1):R1 a2 bSiO
    (4-a-b)/2(式中、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置
    換又は非置換の一価炭化水素基を表し、R2はアルケニ
    ル基を表し、aは0.96〜2.00の数であり、bは0.0001〜
    0.5の数であって、且つa及びbはa+b=1.90〜2.04
    を満足する。)で示される、1分子中にケイ素原子に結
    合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノ
    ポリシロキサン、 (B)平均組成式(2):R3 cdSiO(4-c-d)/2(式
    中、R3は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換
    の一価炭化水素基を表し、cは0.70〜2.0の数であり、
    dは0.005〜1.0の数であり、且つc及びdはc+d=0.
    8〜3.0を満足する。)で示される、1分子中にケイ素原
    子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガ
    ノハイドロジェンポリシロキサン、 (C)白金系触媒、及び (D)40℃以上の融点を有する(メタ)アクリル酸エス
    テル化合物を含有してなる付加硬化型シリコーンゴム組
    成物。
  2. 【請求項2】 更に(E)アセチレンアルコール化合物
    又は該化合物のアルコール性水酸基がシランもしくはシ
    ロキサンにより変性された化合物を含有する請求項1記
    載の付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組成物を硬化さ
    せることにより得られる硬化物。
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