JP2000264189A - 倍力液圧発生装置 - Google Patents

倍力液圧発生装置

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JP2000264189A
JP2000264189A JP11076025A JP7602599A JP2000264189A JP 2000264189 A JP2000264189 A JP 2000264189A JP 11076025 A JP11076025 A JP 11076025A JP 7602599 A JP7602599 A JP 7602599A JP 2000264189 A JP2000264189 A JP 2000264189A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作部材により操作力を受けるマスタシリンダ
と、前記操作力に応じたアシスト液圧を発生するととも
にそのアシスト液圧で前記マスタシリンダを倍力作動せ
しめるアシスト液圧発生手段とで構成される倍力液圧発
生装置において、マスタシリンダの構造を複雑化するこ
となく、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを
相互に分離して配置上の自由度を高める。 【解決手段】マスタシリンダ2のシリンダ体65に、操
作入力ピストン68と、操作入力ピストン68の間にパ
イロット液圧室71を形成する出力ピストン70とが摺
動可能に嵌合され、パイロット液圧室71の液圧に比例
倍力したアシスト液圧を出力するアシスト液圧発生手段
が、出力ピストン70の肩部70cを臨ませたアシスト
液圧室72に接続され、出力ピストン70の前端を臨ま
せてシリンダ体65内に形成される出力液圧室75が、
液圧作動手段B1に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操作部材により操
作力を受けるマスタシリンダと、前記操作力に応じたア
シスト液圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記
マスタシリンダを倍力作動せしめるアシスト液圧発生手
段とで構成される倍力液圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる倍力液圧発生装置は、たと
えば特許第2734619号公報等により既に知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特許第27346
19号公報で開示された倍力液圧発生装置は、操作部材
であるブレーキペダルの操作に応じて、アシスト液圧発
生手段が備える制御弁を制御レバーによって機械的に作
動せしめ、制御弁で調圧されたアシスト液圧をマスタシ
リンダに作用せしめるように構成されており、マスタシ
リンダにおけるシリンダ体の後部にアシスト液圧発生手
段のハウジングが結合され、マスタシリンダおよびアシ
スト液圧発生手段がユニット化されている。このため、
マスタシリンダの前端からブレーキペダルまでの長さが
比較的大となり、車両搭載時の配置上の自由度が狭めら
れる。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、マスタシリンダの構造を複雑化することな
く、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを相互
に分離して配置上の自由度を高めた倍力液圧発生装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、操作部材により操作力を受
けるマスタシリンダと、前記操作力に応じたアシスト液
圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記マスタシ
リンダを倍力作動せしめるアシスト液圧発生手段とで構
成される倍力液圧発生装置において、マスタシリンダ
は、後端を開放した小径シリンダ孔ならびに小径シリン
ダ孔よりも大径として小径シリンダ孔の前端に同軸に連
なる大径シリンダ孔が設けられるシリンダ体と、操作部
材の操作に応じて前進することを可能として小径シリン
ダ孔に摺動可能に嵌合される操作入力ピストンと、小径
シリンダ孔に摺動可能に嵌合される小径ピストン部なら
びに大径シリンダ孔に摺動可能に嵌合される大径ピスト
ン部が後方側に臨む肩部を相互間に形成して同軸に連設
されて成る出力ピストンとを備え、前記操作入力ピスト
ンの前端および出力ピストンの後端間でシリンダ体内に
形成されるパイロット液圧室の液圧に比例倍力したアシ
スト液圧を出力するアシスト液圧発生手段の出力ポート
が、前記出力ピストンの肩部を臨ませて該出力ピストン
およびシリンダ体間に形成される環状のアシスト液圧室
に接続され、出力ピストンの前端を臨ませてシリンダ体
内に形成される出力液圧室が、液圧作動手段に接続され
ることを特徴とする。
【0006】かかる構成によれば、操作部材の操作に応
じて操作入力ピストンが前進することに伴ってパイロッ
ト液圧室に生じた液圧が、出力ピストンを前進せしめる
とともにアシスト液圧発生手段に作用し、アシスト液圧
発生手段で生じたアシスト液圧がアシスト液圧室に作用
して出力ピストンをさらに前進せしめることになる。す
なわち出力ピストンは、操作部材の操作に応じた液圧に
加えて、アシスト液圧発生手段からのアシスト液圧で押
圧されることになり、出力ピストンの前端を臨ませた出
力液圧室で生じた倍力液圧を液圧作動手段に作用せしめ
ることが可能であり、操作部材の操作力を増圧してマス
タシリンダから出力するようにして、液圧ブレーキ装置
や液圧クラッチ装置に好適な倍力液圧発生装置を得るこ
とができる。すなわち、アシスト液圧発生手段およびマ
スタシリンダは、液圧を伝達する液圧路を介して接続さ
れればよく、アシスト液圧発生手段およびマスタシリン
ダを相互に分離して配置上の自由度を高めることが可能
であり、しかもマスタシリンダは、シリンダ体に、操作
入力ピストンおよび出力ピストンが摺動可能に嵌合され
た単純な構成を有するものであればよい。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記操作入力ピストンは、
前記小径シリンダ孔に摺動可能に嵌合されるヘッド部の
背面中央部に該ヘッド部よりも小径のロッド部が同軸に
かつ一体に連設されて成り、前記ロッド部との間に環状
のシール部材を介在させて該ロッド部を摺動自在に嵌合
せしめるリング状の支持部材が前記シリンダ体の後端に
装着され、前記アシスト液圧発生手段に接続されるとと
もにパイロット液圧室に常時通じる環状室が、前記シー
ル部材よりも前方側で操作入力ピストンの外面とシリン
ダ体および支持部材の内面との間に形成され、前記出力
ピストンの大径ピストン部および大径シリンダ孔の内面
間には、リザーバに通じるとともに前記出力ピストンの
後退限で前記出力液圧室に通じる環状の補給液室が形成
され、該補給液室に通じるとともに後端をパイロット液
圧室に開口せしめた連通路が前記出力ピストンに設けら
れ、前記出力ピストンに対する前記操作入力ピストンの
所定ストローク以上の前進作動に応じて前記連通路の後
端開口部を閉じる開閉弁が、前記操作入力ピストンおよ
び前記出力ピストン間に設けられることを特徴とする。
【0008】このような請求項2記載の発明の構成によ
れば、マスタシリンダの軸方向長さを短縮することがで
きるとともに、シリンダ体に施すべき加工工数を低減す
ることができる。すなわち、パイロット液圧室で発生し
たパイロット液圧をアシスト液圧発生手段に導くパイロ
ットポートが、操作入力ピストンが後退限にある状態で
パイロット液圧室の前端に通じるようにしてシリンダ体
に設けられていると、操作入力ピストンが後退限にある
状態でのパイロット液圧室の軸方向長さは、操作入力ピ
ストンのストロークに出力ピストンのストロークを加算
した値以上であることが必要となるのに対し、ヘッド部
の背面中央部に該ヘッド部よりも小径のロッド部が同軸
にかつ一体に連設されて成る操作入力ピストンの外面
と、シリンダ体および支持部材の内面との間に、アシス
ト液圧発生手段に接続されるとともにパイロット液圧室
に常時通じる環状室が形成されることにより、操作入力
ピストンが後退限にある状態でのパイロット液圧室の軸
方向長さは、操作入力ピストンのストロークに対応した
値であればよく、シリンダ体すなわちマスタシリンダの
軸方向長さを短縮することができる。また出力ピストン
の大径ピストン部および大径シリンダ孔の内面間に形成
される環状の補給液室は、出力液圧室への作動液の補給
のために必要なものであり、出力ピストンに対して操作
入力ピストンが前進していないときには開閉弁を開弁し
てパイロット液圧室に前記補給液室を連通し、出力ピス
トンに対して操作入力ピストンが所定ストローク以上前
進したときには開閉弁を閉弁してパイロット液圧室およ
び前記補給液室を遮断している。したがって、パイロッ
ト液圧室に作動液を補給するための補給ポートならびに
パイロット液圧室の作動液を逃がすためのリリーフポー
トを、パイロット液圧室専用としてシリンダ体に設ける
ことが不要であり、シリンダ体に施すべき加工工数を低
減することができるだけでなく、前記補給ポートおよび
リリーフポートを配置するためのスペースをシリンダ体
で確保することが不要となり、シリンダ体の軸方向長さ
をより一層短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図4は本発明の一実施例を示すもの
であり、図1は倍力液圧発生装置の構成を示す縦断面
図、図2は図1の要部拡大図、図3はマスタシリンダの
縦断面図、図4は図3の要部拡大図である。
【0011】先ず図1において、この倍力液圧発生装置
は、たとえば車両の液圧ブレーキ装置に用いられるもの
であり、アシスト液圧発生手段としてのプランジャポン
プ1と、該プランジャポンプ1の出力液圧に応じて倍力
作動するマスタシリンダ2とで構成されるものであり、
マスタシリンダ2からの出力液圧が、液圧に応じて作動
する液圧作動手段としての車輪ブレーキB1,B2に与
えられる。
【0012】プランジャポンプ1は、ポンプハウジング
3に内蔵されるプランジャ4の一端に、該プランジャ4
を一定の往復ストロークで駆動する電動モータ5が連結
されて成るものであり、ポンプハウジング3は、ハウジ
ング主体6と、該ハウジング主体6に結合されるカバー
7とで構成される。
【0013】電動モータ5のモータハウジング8は、ポ
ンプハウジング3におけるハウジング主体6の一側面に
結合されるものであり、ハウジング主体6には、前記モ
ータハウジング8の一部を液密に嵌合せしめるようにし
て前記一側面に一端を開口する取付け孔9が設けられ
る。
【0014】該取付け孔9は、前記ハウジング主体6の
一側面に一端を開口する第1孔部9aと、第1孔部9a
よりも小径にして第1孔部9aの他端に一端を同軸に連
ならせる第2孔部9bと、第2孔部9bよりも小径にし
て第2孔部9bの他端に一端を同軸に連ならせる第3孔
部9cと、第3孔部9cよりも小径にして第3孔部9c
の他端に一端を同軸に連ならせるとともに他端を閉塞し
た有底の第4孔部9dとで構成されており、モータハウ
ジング8は、第1孔部9aの一端開口部を塞ぐようにし
てハウジング主体6に結合される。
【0015】電動モータ5の回転軸10はモータハウジ
ング8から突出してハウジング主体6内に挿入されるも
のであり、該回転軸10の先端部はボールベアリング1
1を介して第4孔部9dの内面で回転自在に支承され、
回転軸10の中間部はボールベアリング12を介して第
2孔部9bの内面で回転自在に支承される。
【0016】前記両ボールベアリング11,12間で回
転軸10には、偏心軸部10aが設けられており、該偏
心軸部10aに装着されたボールベアリング13の外輪
外面がプランジャ4の一端に当接される。これにより、
電動モータ5の作動時には該電動モータ5によりプラン
ジャ4が軸方向に一定の往復ストロークで駆動されるこ
とになる。
【0017】またハウジング主体6には、前記取付け孔
9における第3孔部9cの内面に一端を開口せしめて前
記回転軸10の軸線と直交する方向に延びる連絡孔14
と、該連絡孔14よりも大径に形成されて連絡孔14の
他端に一端を同軸に連ならせる第1シリンダ孔15と、
第1シリンダ孔15よりも大径に形成されて第1シリン
ダ孔15の他端に一端を同軸に連ならせるとともにハウ
ジング主体6の前記カバー7への結合面に他端を開口し
た第2シリンダ孔16とが設けられ、連絡孔14および
第1シリンダ孔15間には前記取付け孔9とは反対側す
なわち第1シリンダ孔15側に臨む環状の規制段部17
が形成され、第1および第2シリンダ孔15,16間に
は、第2シリンダ孔16側に臨む環状の第1段部18が
形成される。
【0018】一方、カバー7には、該カバー7のハウジ
ング主体6への結合面に一端を開口したシール孔19
と、シール孔19よりも小径に形成されて一端をシール
孔19の他端に同軸に連ならせる嵌合孔20と、嵌合孔
20よりも小径に形成されて一端を嵌合孔20の他端に
同軸に連ならせるとともに他端が閉塞される有底円筒状
の第3シリンダ孔21とが、該カバー7のハウジング主
体6への結合時に前記ハウジング主体6の第2シリンダ
孔16と同軸になるようにして設けられる。
【0019】嵌合孔20は、ハウジング主体6の第2シ
リンダ孔16よりも大径に形成されており、カバー7お
よびハウジング主体6間に挟持されるリング状の規制板
22が嵌合孔20に嵌合され、規制板22の外面および
シール孔19の内面間に、ハウジング主体6に弾発的に
接触するリング状のシール部材23が装着される。
【0020】而してハウジング主体6にカバー7が結合
されて成るポンプハウジング3には、一端が連絡孔14
に同軸に連なる第1シリンダ孔15と、第1シリンダ孔
15の他端に一端が同軸に連なる第2シリンダ孔16
と、第1および第2シリンダ孔15,16間に形成され
る環状の第1段部18と、前記規制板22の第2シリン
ダ孔16側の側面により形成されて第2シリンダ孔16
の他端を規定する環状の第2段部22aと、第2シリン
ダ孔16の他端に同軸に連なる第3シリンダ孔21とが
設けられることになる。
【0021】第1および第2シリンダ孔15,16に
は、一端を連絡孔14内に配置したスリーブピストン2
4が摺動可能に嵌合されており、このスリーブピストン
24の中間部外面と第1段部18および第2シリンダ孔
16の内面との間には環状のアシスト液圧発生室25が
形成され、ポンプハウジング3には、スリーブピストン
24の軸方向位置にかかわらずアシスト液圧発生室25
に連通する出力ポート26が設けられる。
【0022】またスリーブピストン24の一端側外面
と、ハウジング主体6ならびに該ハウジング主体6に結
合されるモータハウジング8との間には第1解放液室2
8が形成されており、第1シリンダ孔15の一端が第1
解放液室28に連なることになるとともに、スリーブピ
ストン24の一端が第1解放液室28に臨むことにな
る。しかもハウジング主体6には、第1解放液室28を
リザーバ27に通じさせる第1解放路29が設けられ
る。
【0023】さらに第3シリンダ孔21には、調圧ピス
トン30が摺動自在に嵌合されており、この調圧ピスト
ン30の一端側には、前記規制板22を軸方向移動自在
に貫通してスリーブピストン24の他端に同軸に当接す
る押圧ロッド30aが一体に設けられ、調圧ピストン3
0の一端およびスリーブピストン24の他端間には第2
解放液室31が形成される。而してカバー7には、第2
解放液室31をリザーバ27に常時連通させる第2解放
路32が設けられる。
【0024】第3シリンダ孔21の他端閉塞部と、調圧
ピストン30の他端との間には外部入力液圧室34が形
成されており、カバー7には、調圧ピストン30の軸方
向位置にかかわらず、外部入力液圧室34に常時連通す
る入力ポート35が設けられる。
【0025】外部入力液圧室34には、操作部材として
のブレーキペダル36の操作によってマスタシリンダ2
から出力される液圧が外部入力液圧として入力されるも
のであり、調圧ピストン30は、スリーブピストン24
を前記第1解放液室28側に推進する推力を外部入力液
圧に作用する液圧すなわち外部入力に応じて発揮するこ
とになる。
【0026】しかも調圧ピストン30の前記外部入力液
圧室34に臨む受圧面積は、前記スリーブピストン24
のアシスト液圧発生室25に臨む受圧面積よりも大きく
設定されている。
【0027】図2を併せて参照して、スリーブピストン
24には、該スリーブピストン24の一端面に一端を開
口した第4シリンダ孔37と、第4シリンダ孔37より
も大径に形成されて第4シリンダ孔37の他端に一端が
同軸に連なるとともに他端をスリーブピストン24の他
端面に開口した第1圧入孔38とが同軸に設けられる。
【0028】第1圧入孔38には、第4シリンダ孔37
側を閉塞端とした有底円筒状に形成される弁ハウジング
39が第4シリンダ孔37および第1圧入孔38間の段
差部に当接するようにして嵌合されるとともに、該弁ハ
ウジング39を前記段差部との間に挟持するようにして
閉塞棒40が圧入されており、第4シリンダ孔37は、
その他端を前記弁ハウジング39で閉塞されて有底とな
り、弁ハウジング39およびプランジャ4間には、プラ
ンジャ4の他端を臨ませるポンプ室41が形成される。
【0029】またスリーブピストン24の一端およびプ
ランジャ4の一端間には、コイル状の戻しばね42が設
けられており、この戻しばね42のばね力により、プラ
ンジャ4の一端は電動モータ5の回転軸10に装着され
たボールベアリング13の外輪外面に常時接触すること
になる。
【0030】ポンプ室41の液圧増大に応じて開弁する
吐出弁43が、前記ポンプ室41および前記アシスト液
圧発生室25間に介在するようにしてスリーブピストン
24に設けられており、該吐出弁43は、前記弁ハウジ
ング39と、該弁ハウジング39および閉塞棒40間に
形成される弁室44に収納される球状の弁体45と、該
弁体45および閉塞棒40間に設けられて弁室44に収
納される弁ばね46とを備える。
【0031】弁ハウジング39の閉塞端中央部にはポン
プ室41に通じる弁孔39aが設けられ、該弁孔39a
を中央部に臨ませた弁座47が弁ハウジング39の閉塞
端中央部内面に設けられる。一方、閉塞棒40の一端に
は弁室44内に突入する規制軸部40aが一体に設けら
れており、該規制軸部40aの先端で弁座47から離反
する方向の弁体45の移動端が規制される。
【0032】弁ばね46は、規制軸部40aを囲繞して
閉塞棒40および弁体45間に縮設されており、この弁
ばね46が発揮するばね力により、弁体45が弁座47
に着座する方向に付勢される。
【0033】弁ハウジング39の開口端側外面および第
1圧入孔38の内面間には環状室48が形成されてお
り、弁室44を前記環状室48に通じさせる複数の連通
孔49…が弁ハウジング39に設けられる。またスリー
ブピストン24には、各連通孔49…を介して弁室44
に通じる環状室48をアシスト液圧発生室25に連通せ
しめる複数の連通路50…が設けられており、弁室44
はアシスト液圧発生室25に常時連通することになる。
【0034】このような吐出弁43は、プランジャ4の
スリーブピストン24に対する相対ストロークにより、
ポンプ室41の容積が縮少して該ポンプ室41の液圧が
増大したときに弁体45が弁ばね46のばね力に抗して
弁座47から離反することにより開弁し、ポンプ室41
の容積が増大して該ポンプ室41の液圧が減少したとき
に弁体45が弁ばね46のばね力により弁座47に着座
して閉弁することになる。
【0035】スリーブピストン24の他端側には、前記
各連通路50…の一つの中間部に一端を連ならせる通路
51と、該通路51よりも大径にして通路51の他端に
一端を同軸に連ならせるとともに他端をスリーブピスト
ン24の他端面に開口した第2圧入孔52とが、第4シ
リンダ孔37および第1圧入孔38と平行な軸線を有す
るようにして同軸に設けられており、アシスト液圧発生
室25に通じる前記通路51と、リザーバ27に通じる
第2解放液室31との間に介在するリリーフ弁53が、
前記第2圧入孔52内に設けられる。
【0036】このリリーフ弁53は、円筒状の弁ハウジ
ング54を備えるものであり、該弁ハウジング54との
間に弁室56を形成するようにして弁ハウジング54の
一端に閉塞部材55が結合され、閉塞部材55を通路5
1および第2圧入孔52間の段部に当接せしめるように
して弁ハウジング54が第2圧入孔52に圧入される。
【0037】弁ハウジング54には、第2解放液室31
に通じる弁孔57が設けられるとともに、該弁孔57を
中央部に臨ませて弁室56に臨む弁座58とが設けられ
ており、弁座58に着座可能な球状の弁体59と、閉塞
部材55および弁体59間に設けられて弁体59を弁座
58に着座せしめる方向のばね力を発揮する弁ばね60
とが弁室56に収納される。一方、閉塞部材55には、
通路51に同軸に通じる入口通路61aを有して弁室5
6内に突入する規制筒部61が一体に設けられており、
規制筒部61の先端に弁体59が当接することにより弁
体59の弁座58から離反する方向への移動端が規制さ
れる。
【0038】弁体59には、弁孔57を緩やかにかつ移
動自在に貫通するロッド62の一端が当接もしくは一体
に連設されており、該ロッド62の他端は、弁ばね60
で付勢された弁体59が弁座58に着座した状態ではス
リーブピストン24の他端面から第2解放液室31側に
突出する。
【0039】而して図1および図2で示すように、調圧
ピストン30がその他端を第3シリンダ孔21の閉塞端
に当接せしめて外部入力液圧室34の容積を最小とする
位置にあるとき、すなわちスリーブピストン24が第2
段部22aに最も近接した位置にあるときには、第2段
部22aに当接したロッド62により弁体59が弁座5
8から距離L1だけ離反した位置にあるようにロッド6
2の長さが設定されており、この状態での第2段部22
aおよびスリーブピストン24間の距離L2に前記距離
L1を加算して第1の所定量S1(=L1+L2)が設
定され、スリーブピストン24が前記第2段部22aか
ら第1の所定量S1以上離反すると、リリーフ弁53が
閉弁することになる。
【0040】スリーブピストン24の一端側には、リザ
ーバ27に通じた第1解放液室28に外端を開口せしめ
た複数の吸入通路63…が、第4シリンダ孔37の内面
に内端を開口するようにして設けられる。これらの吸入
通路63…の内端は、ポンプ室41側に向けて最大限ス
トロークしたプランジャ4の他端で各吸入通路63…の
内端を閉塞するには、上述のようにスリーブピストン2
4が第2段部22aに最も近接した位置にある状態から
前記距離L1よりも大きな距離L3だけスリーブピスト
ン24が第2段部22aから離反する方向に移動する必
要がある位置に配置される。すなわち、前記第2段部2
2aから前記距離L2に前記距離L3を加算して設定さ
れる第2の所定量S2(=L2+L3)以上に、スリー
ブピストン24が第2段部22aから離反したときに、
スリーブピストン24に対するプランジャ4の相対スト
ロークに応じて各吸入通路63…のポンプ室41への連
通・遮断が切換可能であるが、スリーブピストン24が
第2段部22aに対して第2の所定量S2未満に近接し
たときには前記スリーブピストン24に対するプランジ
ャ4の相対ストロークにかかわらず各吸入通路63…が
ポンプ室41に常時通じるようになるものであり、L3
>L1であるので、第2の所定量S2は第1の所定量S
1よりも大きく設定される。
【0041】但し、第2の所定量S2は、第2段部22
aに最も近接した位置にあるスリーブピストン24が、
第2段部22aから離反して規制段部17に当接するま
でのスリーブピストン24の移動量よりも小さく設定さ
れている。
【0042】図3において、マスタシリンダ2は、前端
を閉じるとともに後端を開放したシリンダ体65を備え
るものであり、該シリンダ体65には、後端を開放した
小径シリンダ孔66と、小径シリンダ孔66よりも大径
として小径シリンダ孔66の前端に同軸に連なるととも
に前端を閉じた大径シリンダ孔67とが設けられる。
【0043】小径シリンダ孔66には操作入力ピストン
68が摺動可能に嵌合されており、該操作入力ピストン
68の後端には、ブレーキペダル36に連結される入力
杆69の前端が連接され、ブレーキペダル36の踏込み
操作に応じて操作入力ピストン68が小径シリンダ孔6
6内を前進することになる。
【0044】小径シリンダ孔66および大径シリンダ孔
67には、第1出力ピストン70が摺動可能に嵌合され
る。この第1出力ピストン70は、小径シリンダ孔66
に摺動可能に嵌合される小径ピストン部70aと、大径
シリンダ孔67に摺動可能に嵌合される大径ピストン部
70bとが、後方側に臨む肩部70cを相互間に形成し
て同軸に連設されて成るものであり、操作入力ピストン
68の前端および第1出力ピストン70の後端間でシリ
ンダ体65内にはパイロット液圧室71が形成され、パ
イロット液圧室71には、操作入力ピストン68を後方
側に付勢する第1ばね73が収納される。また第1出力
ピストン70の肩部70cを臨ませる環状のアシスト液
圧室72が第1出力ピストン70およびシリンダ体65
間に形成される。さらにシリンダ体65には、第1出力
ピストン70の軸方向位置にかかわらずアシスト液圧室
72に通じる入力ポート79が設けられ、この入力ポー
ト79は、プランジャポンプ1における出力ポート26
に連通される。
【0045】第1出力ピストン70の前方側に間隔をあ
けた位置で大径シリンダ孔67には、第1出力ピストン
70との間の最大間隔を規制されるようにして第2出力
ピストン74が摺動可能に嵌合され、第1および第2出
力ピストン70,74間には第1出力液圧室75が、ま
た第2出力ピストン74および大径シリンダ孔67の前
端閉塞部間には第2出力液圧室76がそれぞれ形成され
る。しかも第1出力液圧室75には、第1出力ピストン
70を後方側に付勢する第2ばね77が収納され、第2
出力液圧室76には第2出力ピストン74を後方側に付
勢する第3ばね78が収納される。
【0046】第1出力ピストン70の大径ピストン部7
0bおよび大径シリンダ孔67の内面間には、環状の第
1補給液室80が形成され、大径ピストン部70bの後
端外周にはアシスト液圧室72および第1補給液室80
間をシールして大径シリンダ孔67の内面に摺接する一
対のカップシール81,81が装着され、小径ピストン
部70aの後端外周にはアシスト液圧室72およびパイ
ロット液圧室71間をシールして小径シリンダ孔66の
内面に摺接する一対のカップシール82,82が装着さ
れ、大径ピストン部70bの後端外周には第1補給液室
80から第1出力液圧室75への作動液の流通を許容す
るようにして大径シリンダ孔67の内面に摺接するカッ
プシール83が装着される。
【0047】またシリンダ体65には、リザーバ27に
通じる補給ポート84が第1補給液室80に常時通じる
ようにして設けられるとともに、リザーバ27に通じる
リリーフポート85が、第1出力ピストン70が後退限
位置にあるときに第1出力液圧室75に通じるようにし
て設けられる。
【0048】第2出力ピストン74の外面および大径シ
リン孔67の内面間には、環状の第2補給液室86が形
成されており、第2出力ピストン74の後部外周には第
1出力液圧室75から第2補給液室86への作動液の流
通を阻止するようにして大径シリンダ孔67の内面に摺
接するカップシール87が装着され、第2出力ピストン
74の前部外周には第2補給液室86から第2出力液圧
室76への作動液の流通を許容するようにして大径シリ
ンダ孔67の内面に摺接するカップシール88が装着さ
れる。
【0049】シリンダ体65には、リザーバ27に通じ
る補給ポート89が第2補給液室86に常時通じるよう
にして設けられる。また第2出力ピストン74の前部に
は、第2出力ピストン74が後退限位置に戻ったとき第
2補給液室86および第2出力液圧室76間を連通させ
るセンターバルブ型のリリーフ弁90が設けられる。
【0050】このリリーフ弁90は、第2出力ピストン
74の前部に装着される弁函91と、第2補給液室86
に通じるとともに弁函91内で第2出力ピストン74の
前端に開口する弁孔92と、弁孔92の前端開口部を閉
鎖可能として弁函91内に収納される弁体93と、弁孔
92を閉鎖する方向に弁体93を付勢するばね力を発揮
して弁函91内に収納される弁ばね94と、第2出力ピ
ストン74が後退限にあるときには弁体93を弁ばね9
4のばね付勢力に抗して開弁位置に保持するが第2出力
ピストン74の前進時には弁ばね94による弁体93の
閉弁動作を許容する開弁棒95とを備える。
【0051】第2出力ピストン74には、その軸方向に
長い長孔96が第2補給液室86に通じるようにして設
けられており、両端をシリンダ体65で支持された開弁
棒95が長孔96に挿通され、弁体94に連設されて弁
孔92に挿通されるロッド97の後端が開弁棒95に当
接される。
【0052】シリンダ体65には、第1出力液圧室75
に常時連通する第1出力ポート98と、第2出力液圧室
76に常時連通する第2出力ポート99とが設けられ、
両出力ポート98,99は、第1および第2車輪ブレー
キB1,B2にそれぞれ接続される。すなわち両車輪ブ
レーキB1,B2は、マスタシリンダ2の出力液圧でブ
レーキ作動する。
【0053】図4を併せて参照して、操作入力ピストン
68は、シリンダ体65の前記小径シリンダ孔66に摺
動可能に嵌合されるヘッド部68aの背面中央部に、該
ヘッド部68aよりも小径のロッド部68bが同軸にか
つ一体に連設されて成るものであり、後端を開放してロ
ッド部68bに同軸に設けられる凹部100の前端閉塞
部に、入力杆69の前端が首振り可能に当接される。
【0054】シリンダ体65の後端には、前記ロッド部
68bとの間に環状のシール部材101を介在させて該
ロッド部68bを摺動自在に嵌合せしめるリング状の支
持部材102が装着される。
【0055】前記シール部材101よりも前方側(図4
の右方側)で操作入力ピストン68の外面とシリンダ体
65および支持部材102の内面との間には、環状室1
03が形成される。
【0056】操作入力ピストン68におけるヘッド部6
8aおよびロッド部68bの連設部外面には、操作入力
ピストン68が少なくとも後退限位置にあるときには前
記環状室103に通じる環状凹部104が設けられ、前
記連設部には、その一直径線に沿う貫通孔105が両端
を前記環状凹部104に開口するようにして設けられ
る。さらに前記ヘッド部68aの中央部には、後端を閉
じた有底孔106が後部を前記貫通孔105と交差せし
めるようにして設けられ、該有底孔106の前端は、ヘ
ッド部68aの前端すなわち操作入力ピストン68の前
端に開口される。これにより、パイロット液圧室71
は、有底孔106および貫通孔105を介して環状凹部
104に連通することになり、しかも環状凹部104は
操作入力ピストン68が少なくとも後退限位置にあると
きには前記環状室103に通じるものであり、操作入力
ピストン68におけるヘッド部68aがロッド部68b
よりも大径であることによって操作入力ピストン68の
軸方向位置にかかわらず環状凹部104は前記環状室1
03に通じるものであり、パイロット液圧室71は環状
室103に常時連通することになる。
【0057】シリンダ体65には、環状室103に通じ
るパイロットポート107が設けられ、該パイロットポ
ート107は、プランジャポンプ1における入力ポート
35に連通される。
【0058】第1出力ピストン70には、第1補給液室
80に通じるとともに後端をパイロット液圧室71に開
口せしめた連通路108が設けられ、操作入力ピストン
68および第1出力ピストン70間には、第1出力ピス
トン70に対する操作入力ピストン68の所定ストロー
ク以上の前進作動に応じて連通路108の後端開口部を
閉じる開閉弁110が設けられる。
【0059】この開閉弁110は、連通路108の後端
開口部を閉鎖し得る弁体111と、前端が該弁体111
に同軸に連設されるとともに後端部が操作入力ピストン
68の有底孔106に挿通される弁軸112と、連通路
108の後端開口部を弁体111で閉鎖する方向に弁軸
112を付勢するばね力を発揮する弁ばね113と、操
作入力ピストン68に対する弁軸112の前進移動を規
制すべく操作入力ピストン68の前端に当接されるリテ
ーナ114とで構成される。
【0060】リテーナ114は、操作入力ピストン68
および第1出力ピストン70間に設けられた第1ばね7
3で操作入力ピストン68の前端に押付けられており、
操作入力ピストン68の前端に実質的に固定される。こ
のリテーナ114の中央部には挿通孔114aが設けら
れ、弁軸112の後部は該挿通孔114aを移動可能に
かつ緩やかに貫通して有底孔106に挿入される。
【0061】有底孔106内で弁軸112には、前記挿
通孔114aの周囲でリテーナ114の背面に係合し得
る鍔部112aが設けられており、弁ばね113は、有
底孔106の閉塞端および前記鍔部112a間に縮設さ
れる。しかも鍔部112aのリテーナ114への係合部
は、パイロット液圧室71から有底孔106への作動液
の流通を阻害することがないように構成される。
【0062】このような開閉弁110にあっては、操作
入力ピストン68が後退限位置にあるときには弁軸11
2の鍔部112aがリテーナ114に係合して、弁体1
11が連通路108の後端開口部を開放しており、操作
入力ピストン68がその後退限位置から第1出力ピスト
ン70側に所定ストローク以上前進すると、弁体111
も第1出力ピストン70側に前進して連通路108の後
端開口部を閉鎖することになり、操作入力ピストン68
が第1出力ピストン70側にさらに前進しても弁体11
1による連通路108の閉鎖状態が維持される。
【0063】ブレーキペダル36には、該ブレーキペダ
ル36の踏込み操作を検出するブレーキスイッチ115
が付設されており、該ブレーキスイッチ115で得られ
る信号は制御ユニット116に入力される。而して制御
ユニット116は、ブレーキスイッチ115がブレーキ
ペダル36の踏込み操作を検出するのに応じて電動モー
タ5を作動せしめるように該電動モータ5の作動を制御
する。
【0064】次にこの実施例の作用について説明する
と、ブレーキペダル36の操作を行なわない状態、すな
わち外部入力がない状態では、プランジャポンプ1にお
けるスリーブピストン24は、図1および図2で示すよ
うに、第2段部22aに最も近接した位置にあり、リリ
ーフ弁53は開弁している。
【0065】車輪ブレーキB1,B2をブレーキ作動せ
しめるべくブレーキペダル36を踏込み操作すると、そ
の踏込み操作に応じてマスタシリンダ2のパイロット液
圧室71で発生した液圧、すなわち外部入力に応じた液
圧がプランジャポンプ1の外部入力液圧室34に作用す
ることになり、外部入力に応じて調圧ピストン30がス
リーブピストン24を第2段部22aから離反せしめる
方向に押圧する推力を発揮する。この際、アシスト液圧
発生室25の液圧によりスリーブピストン24を第2段
部22a側に押圧する液圧力が調圧ピストン30の推力
よりも小さい状態ではスリーブピストン24が第2段部
22aから第2の所定量S2以上離反して規制段部17
に当接するまで移動し、この状態では、アシスト液圧発
生室25をリザーバ27に連通させ得るリリーフ弁53
が閉弁するとともに、電動モータ5により往復駆動され
るプランジャ4のスリーブピストン24に対する相対ス
トロークによってリザーバ27に通じた吸入通路63の
ポンプ室41への連通・遮断が切換えられる。したがっ
て、容積が増大したポンプ室41への作動液のリザーバ
27からの吸入、ならびに容積が縮少したポンプ室41
から吐出弁43を介してのアシスト液圧発生室25への
作動液の吐出が、プランジャ4の往復作動によって切換
えられることになり、アシスト液圧発生室25の液圧が
増大することになる。
【0066】このようにアシスト液圧発生室25の液圧
増大に応じてスリーブピストン24を第2段部22a側
に押圧する液圧力が調圧ピストン30の推力よりも大き
くなると、スリーブピストン24が調圧ピストン30の
推力に抗して第2段部22a側に移動することになり、
スリーブピストン24が第2段部22aに対して第2の
所定量S2未満の距離まで近接すると、スリーブピスト
ン24に対するプランジャ4の相対ストロークにかかわ
らず吸入通路63がポンプ室41に常時通じるようにな
ってプランジャ4のストロークが無効となり、ポンプ室
41で液圧が生じることはなく、さらにスリーブピスト
ン24が第2段部22aに対して第1の所定量S1未満
の距離まで近接するとリリーフ弁53が開弁することに
より、アシスト液圧発生室25がリザーバ27に連通し
て該アシスト液圧発生室25の液圧が減少することにな
る。したがって、スリーブピストン24は、調圧ピスト
ン30が発揮する推力に均衡した液圧力がアシスト液圧
発生室25の液圧によって得られるように、外部入力に
応じて第2段部22aから第2の所定量S2以上離反す
る位置と、第2段部22aまで第1の所定量S1未満に
近接する位置との間で移動し、それによりアシスト液圧
発生室25の液圧が外部入力に応じた値に調圧されるこ
とになる。この結果、圧力センサや圧力制御弁等を用い
ない単純な構造で、外部入力に応じてプランジャポンプ
1の吐出圧を変化させることが可能となる。
【0067】しかもブレーキペダル36の操作力すなわ
ち外部入力が一定であるときには、スリーブピストン2
4は、第2段部22aからの距離が第2の所定量S2未
満であって第1の所定量S1以上の位置にあり、この状
態ではプランジャ4のストロークは無効となるので、電
動モータ5の負荷を軽減して該電動モータ5の耐久性を
向上することができ、電動モータ5を作動せしめる電力
の消費量を低減することができる。
【0068】またスリーブピストン24のアシスト液圧
発生室25に臨む受圧面積が、前記調圧ピストン30の
外部入力液圧室34に臨む受圧面積よりも小さく設定さ
れているので、外部入力に応じた液圧よりも、プランジ
ャポンプ1の吐出液圧を増圧することができる。
【0069】さらにブレーキペダル36の操作に応じ
て、マスタシリンダ2では操作入力ピストン68が前進
し、それによりパイロット液圧室71に生じた液圧が、
第1出力ピストン70を前進せしめるとともにプランジ
ャポンプ1の外部入力液圧室34に入力され、外部入力
液圧室34の液圧に応じてプランジャポンプ1のアシス
ト液圧発生室25に生じる液圧がアシスト液圧室72に
作用して第1出力ピストン70をさらに前進せしめるこ
とになる。すなわち第1出力ピストン70は、ブレーキ
ペダル36の操作に応じた液圧に加えて、プランジャポ
ンプ1からの倍力液圧で押圧されることになり、第1出
力ピストン70の前端を臨ませた第1出力液圧室75で
生じた倍力液圧を車輪ブレーキB1に作用せしめること
が可能となる。しかも第1出力液圧室75に作用する倍
力液圧に応じて前進する第2出力ピストン74の前端を
臨ませた第2出力液圧室76でも倍力液圧を発生させる
ことができ、第2出力液圧室76で生じた倍力液圧を車
輪ブレーキB2に作用せしめることが可能である。
【0070】したがってブレーキペダル36の操作力を
増圧してマスタシリンダ2から出力するようにして、液
圧ブレーキ装置に好適な倍力液圧発生装置を得ることが
できる。
【0071】しかもプランジャポンプ1およびマスタシ
リンダ2は、液圧を伝達する液圧路を介して接続されれ
ばよく、プランジャポンプ1およびマスタシリンダ2を
相互に分離して配置上の自由度を高めることが可能であ
り、またマスタシリンダ2は、シリンダ体65に、操作
入力ピストン68および出力ピストン70,74が摺動
可能に嵌合された単純な構成を有するものであればよ
い。
【0072】またマスタシリンダ2においては、操作入
力ピストン68が、シリンダ体65の小径シリンダ孔6
6に摺動可能に嵌合されるヘッド部68aの背面中央部
に該ヘッド部68aよりも小径のロッド部68bが同軸
にかつ一体に連設されて成るものであり、ロッド部68
bとの間に環状のシール部材101を介在させてロッド
部68bを摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材
102がシリンダ体65の後端に装着され、プランジャ
ポンプ1に接続されるとともにパイロット液圧室71に
常時通じる環状室103が、シール部材101よりも前
方側で操作入力ピストン68の外面とシリンダ体65お
よび支持部材102の内面との間に形成されている。し
たがってマスタシリンダ2の軸方向長さを短縮すること
が可能となる。
【0073】すなわちパイロット液圧室71で発生した
パイロット液圧をプランジャポンプ1に導くパイロット
ポート107が、操作入力ピストン68が後退限にある
状態でパイロット液圧室71の前端に通じるようにして
シリンダ体65に設けられている場合を想定すると、操
作入力ピストン68が後退限にある状態でのパイロット
液圧室71の軸方向長さは、操作入力ピストン68のス
トロークに第1および第2出力ピストン70,74のス
トロークを加算した値以上であることが必要であり、マ
スタシリンダ2の軸方向長さを比較的大に設定せざるを
得ない。それに対し、ヘッド部68aの背面中央部に小
径のロッド部68bが同軸にかつ一体に連設されて成る
操作入力ピストン68の外面と、シリンダ体65および
支持部材102の内面との間に、プランジャポンプ1に
接続されるとともにパイロット液圧室71に常時通じる
環状室103が形成されることにより、操作入力ピスト
ン68が後退限にある状態でのパイロット液圧室71の
軸方向長さは、操作入力ピストン68のストロークに対
応した値であればよく、シリンダ体65すなわちマスタ
シリンダ2の軸方向長さを短縮することができる。
【0074】また第1出力ピストン70には、リザーバ
27に通じる環状の第1補給液室80に通じるとともに
後端をパイロット液圧室71に開口せしめた連通路10
8が設けられ、第1出力ピストン70に対する操作入力
ピストン68の所定ストローク以上の前進作動に応じて
前記連通路108の後端開口部を閉じる開閉弁110
が、操作入力ピストン68および第1出力ピストン70
間に設けられることにより、マスタシリンダ2の軸方向
長さを短縮することができるとともに、シリンダ体65
に施すべき加工工数を低減することができる。すなわち
環状の第1補給液室80は、第1出力液圧室75への作
動液の補給のために必要なものであり、第1出力ピスト
ン70に対して操作入力ピストン68が前進していない
ときには開閉弁110を開弁してパイロット液圧室71
に第1補給液室80を連通し、第1出力ピストン70に
対して操作入力ピストン68が所定ストローク以上前進
したときには開閉弁110を閉弁してパイロット液圧室
71および第1補給液室80を遮断している。したがっ
て、パイロット液圧室71に作動液を補給するための補
給ポートならびにパイロット液圧室71の作動液を逃が
すためのリリーフポートを、パイロット液圧室71専用
としてシリンダ体65に設けることが不要であり、シリ
ンダ体65に施すべき加工工数を低減することができる
だけでなく、前記補給ポートおよびリリーフポートを配
置するためのスペースをシリンダ体65で確保すること
が不要となり、シリンダ体65の軸方向長さをより一層
短縮することができる。
【0075】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0076】たとえば上記実施例では、ブレーキペダル
36の操作に応じてマスタシリンダ2のパイロット液圧
室71で生じた液圧を調圧ピストン30に作用せしめる
ようにしたが、調圧ピストン30にリニアソレノイド等
の機械的な力を作用せしめることも可能である。また上
記実施例では、調圧ピストン30が備える押圧ロッド3
0aがスリーブピストン24に当接されるようにした
が、調圧ピストン30およびスリーブピストン24が一
体に連設されていてもよい。
【0077】またアシスト液圧発生手段は、上述の実施
例のプランジャポンプ1に限定されものではなく、マス
タシリンダ2におけるパイロット液圧室71の液圧に比
例倍力したアシスト液圧を出力するものであればよい。
【0078】さらにマスタシリンダ2を液圧クラッチ装
置に用いることも可能である。
【0079】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを相互
に分離して配置上の自由度を高めることが可能であり、
マスタシリンダも単純な構成を有するものであればよ
い。
【0080】また請求項2記載の発明によれば、マスタ
シリンダの軸方向長さを短縮することができるととも
に、シリンダ体に施すべき加工工数を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】倍力液圧発生装置の構成を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】マスタシリンダの縦断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【符号の説明】 1・・・アシスト液圧発生手段としてのプランジャポン
プ 2・・・マスタシリンダ 26・・・出力ポート 27・・・リザーバ 36・・・ 操作部材としてのブレーキペダル 65・・・シリンダ体 66・・・小径シリンダ孔 67・・・大径シリンダ孔 68・・・操作入力ピストン 68a・・・ヘッド部 68b・・・ロッド部 70・・・出力ピストン 70a・・・小径ピストン部 70b・・・大径ピストン部 70c・・・肩部 71・・・パイロット液圧室 72・・・アシスト液圧室 75・・・出力液圧室 80・・・補給液室 101・・・シール部材 102・・・支持部材 103・・・環状室 108・・・連通路 110・・・開閉弁 B1・・・液圧作動手段としての車輪ブレーキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作部材(36)により操作力を受ける
    マスタシリンダ(2)と、前記操作力に応じたアシスト
    液圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記マスタ
    シリンダ(2)を倍力作動せしめるアシスト液圧発生手
    段(1)とで構成される倍力液圧発生装置において、マ
    スタシリンダ(2)は、後端を開放した小径シリンダ孔
    (66)ならびに小径シリンダ孔(66)よりも大径と
    して小径シリンダ孔(66)の前端に同軸に連なる大径
    シリンダ孔(67)が設けられるシリンダ体(65)
    と、操作部材(36)の操作に応じて前進することを可
    能として小径シリンダ孔(66)に摺動可能に嵌合され
    る操作入力ピストン(68)と、小径シリンダ孔(6
    6)に摺動可能に嵌合される小径ピストン部(70a)
    ならびに大径シリンダ孔(67)に摺動可能に嵌合され
    る大径ピストン部(70b)が後方側に臨む肩部(70
    c)を相互間に形成して同軸に連設されて成る出力ピス
    トン(70)とを備え、前記操作入力ピストン(68)
    の前端および出力ピストン(70)の後端間でシリンダ
    体(65)内に形成されるパイロット液圧室(71)の
    液圧に比例倍力したアシスト液圧を出力するアシスト液
    圧発生手段(1)の出力ポート(26)が、前記出力ピ
    ストン(70)の肩部(70c)を臨ませて該出力ピス
    トン(70)およびシリンダ体(65)間に形成される
    環状のアシスト液圧室(72)に接続され、出力ピスト
    ン(70)の前端を臨ませてシリンダ体(65)内に形
    成される出力液圧室(75)が、液圧作動手段(B1)
    に接続されることを特徴とする倍力液圧発生装置。
  2. 【請求項2】 前記操作入力ピストン(68)は、前記
    小径シリンダ孔(66)に摺動可能に嵌合されるヘッド
    部(68a)の背面中央部に該ヘッド部(68a)より
    も小径のロッド部(68b)が同軸にかつ一体に連設さ
    れて成り、前記ロッド部(68b)との間に環状のシー
    ル部材(101)を介在させて該ロッド部(68b)を
    摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材(102)
    が前記シリンダ体(65)の後端に装着され、前記アシ
    スト液圧発生手段(1)に接続されるとともにパイロッ
    ト液圧室(71)に常時通じる環状室(103)が、前
    記シール部材(101)よりも前方側で操作入力ピスト
    ン(68)の外面とシリンダ体(65)および支持部材
    (102)の内面との間に形成され、前記出力ピストン
    (70)の大径ピストン部(70b)および大径シリン
    ダ孔(67)の内面間には、リザーバ(27)に通じる
    とともに前記出力ピストン(70)の後退限で前記出力
    液圧室(75)に通じる環状の補給液室(80)が形成
    され、該補給液室(80)に通じるとともに後端をパイ
    ロット液圧室(71)に開口せしめた連通路(108)
    が前記出力ピストン(70)に設けられ、前記出力ピス
    トン(70)に対する前記操作入力ピストン(68)の
    所定ストローク以上の前進作動に応じて前記連通路(1
    08)の後端開口部を閉じる開閉弁(110)が、前記
    操作入力ピストン(68)および前記出力ピストン(7
    0)間に設けられることを特徴とする請求項1記載の倍
    力液圧発生装置。
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