JP4104239B2 - 倍力液圧発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作部材により操作力を受けるマスタシリンダと、前記操作力に応じたアシスト液圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記マスタシリンダを倍力作動せしめるアシスト液圧発生手段とで構成される倍力液圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる倍力液圧発生装置は、たとえば特許第2734619号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許第2734619号公報で開示された倍力液圧発生装置は、操作部材であるブレーキペダルの操作に応じて、アシスト液圧発生手段が備える制御弁を制御レバーによって機械的に作動せしめ、制御弁で調圧されたアシスト液圧をマスタシリンダに作用せしめるように構成されており、マスタシリンダにおけるシリンダ体の後部にアシスト液圧発生手段のハウジングが結合され、マスタシリンダおよびアシスト液圧発生手段がユニット化されている。このため、マスタシリンダの前端からブレーキペダルまでの長さが比較的大となり、車両搭載時の配置上の自由度が狭められる。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、マスタシリンダの構造を複雑化することなく、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを相互に分離して配置上の自由度を高めた倍力液圧発生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、操作部材により操作力を受けるマスタシリンダと、前記操作力に応じたアシスト液圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記マスタシリンダを倍力作動せしめるアシスト液圧発生手段とで構成されてなり、マスタシリンダ、後端を開放した小径シリンダ孔ならびに小径シリンダ孔よりも大径として小径シリンダ孔の前端に同軸に連なる大径シリンダ孔が設けられるシリンダ体と、操作部材の操作に応じて前進することを可能として小径シリンダ孔に摺動可能に嵌合される操作入力ピストンと、小径シリンダ孔に摺動可能に嵌合される小径ピストン部ならびに大径シリンダ孔に摺動可能に嵌合される大径ピストン部が後方側に臨む肩部を相互間に形成して同軸に連設されて成る出力ピストンとを備え、前記操作入力ピストンの前端および出力ピストンの後端間でシリンダ体内に形成されるパイロット液圧室の液圧に比例倍力したアシスト液圧を出力するアシスト液圧発生手段の出力ポートが、前記出力ピストンの肩部を臨ませて該出力ピストンおよびシリンダ体間に形成される環状のアシスト液圧室に接続され、出力ピストンの前端を臨ませてシリンダ体内に形成される出力液圧室が、液圧作動手段に接続されてなる倍力液圧発生装置であって、
前記操作入力ピストンが、前記小径シリンダ孔に摺動可能に嵌合されるヘッド部の背面中央部に該ヘッド部よりも小径のロッド部が同軸にかつ一体に連設されて成り、前記ロッド部との間に環状のシール部材を介在させて該ロッド部を摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材が前記シリンダ体の後端に装着され、前記アシスト液圧発生手段に接続されるとともにパイロット液圧室に常時通じる環状室が、前記シール部材よりも前方側で操作入力ピストンの外面とシリンダ体および支持部材の内面との間に形成され、前記出力ピストンの大径ピストン部および大径シリンダ孔の内面間には、リザーバに通じるとともに前記出力ピストンの後退限で前記出力液圧室に通じる環状の補給液室が形成され、該補給液室に通じるとともに後端をパイロット液圧室に開口せしめた連通路が前記出力ピストンに設けられ、前記出力ピストンに対する前記操作入力ピストンの所定ストローク以上の前進作動に応じて前記連通路の後端開口部を閉じる開閉弁が、前記操作入力ピストンおよび前記出力ピストン間に設けられることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、操作部材の操作に応じて操作入力ピストンが前進することに伴ってパイロット液圧室に生じた液圧が、出力ピストンを前進せしめるとともにアシスト液圧発生手段に作用し、アシスト液圧発生手段で生じたアシスト液圧がアシスト液圧室に作用して出力ピストンをさらに前進せしめることになる。すなわち出力ピストンは、操作部材の操作に応じた液圧に加えて、アシスト液圧発生手段からのアシスト液圧で押圧されることになり、出力ピストンの前端を臨ませた出力液圧室で生じた倍力液圧を液圧作動手段に作用せしめることが可能であり、操作部材の操作力を増圧してマスタシリンダから出力するようにして、液圧ブレーキ装置や液圧クラッチ装置に好適な倍力液圧発生装置を得ることができる。すなわち、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダは、液圧を伝達する液圧路を介して接続されればよく、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを相互に分離して配置上の自由度を高めることが可能であり、しかもマスタシリンダは、シリンダ体に、操作入力ピストンおよび出力ピストンが摺動可能に嵌合された単純な構成を有するものであればよい。
【0008】
その上、前記構成によれば、マスタシリンダの軸方向長さを短縮することができるとともに、シリンダ体に施すべき加工工数を低減することができる。すなわち、パイロット液圧室で発生したパイロット液圧をアシスト液圧発生手段に導くパイロットポートが、操作入力ピストンが後退限にある状態でパイロット液圧室の前端に通じるようにしてシリンダ体に設けられていると、操作入力ピストンが後退限にある状態でのパイロット液圧室の軸方向長さは、操作入力ピストンのストロークに出力ピストンのストロークを加算した値以上であることが必要となるのに対し、ヘッド部の背面中央部に該ヘッド部よりも小径のロッド部が同軸にかつ一体に連設されて成る操作入力ピストンの外面と、シリンダ体および支持部材の内面との間に、アシスト液圧発生手段に接続されるとともにパイロット液圧室に常時通じる環状室が形成されることにより、操作入力ピストンが後退限にある状態でのパイロット液圧室の軸方向長さは、操作入力ピストンのストロークに対応した値であればよく、シリンダ体すなわちマスタシリンダの軸方向長さを短縮することができる。また出力ピストンの大径ピストン部および大径シリンダ孔の内面間に形成される環状の補給液室は、出力液圧室への作動液の補給のために必要なものであり、出力ピストンに対して操作入力ピストンが前進していないときには開閉弁を開弁してパイロット液圧室に前記補給液室を連通し、出力ピストンに対して操作入力ピストンが所定ストローク以上前進したときには開閉弁を閉弁してパイロット液圧室および前記補給液室を遮断している。したがって、パイロット液圧室に作動液を補給するための補給ポートならびにパイロット液圧室の作動液を逃がすためのリリーフポートを、パイロット液圧室専用としてシリンダ体に設けることが不要であり、シリンダ体に施すべき加工工数を低減することができるだけでなく、前記補給ポートおよびリリーフポートを配置するためのスペースをシリンダ体で確保することが不要となり、シリンダ体の軸方向長さをより一層短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明の一実施例を示すものであり、図1は倍力液圧発生装置の構成を示す縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3はマスタシリンダの縦断面図、図4は図3の要部拡大図である。
【0011】
先ず図1において、この倍力液圧発生装置は、たとえば車両の液圧ブレーキ装置に用いられるものであり、アシスト液圧発生手段としてのプランジャポンプ1と、該プランジャポンプ1の出力液圧に応じて倍力作動するマスタシリンダ2とで構成されるものであり、マスタシリンダ2からの出力液圧が、液圧に応じて作動する液圧作動手段としての車輪ブレーキB1,B2に与えられる。
【0012】
プランジャポンプ1は、ポンプハウジング3に内蔵されるプランジャ4の一端に、該プランジャ4を一定の往復ストロークで駆動する電動モータ5が連結されて成るものであり、ポンプハウジング3は、ハウジング主体6と、該ハウジング主体6に結合されるカバー7とで構成される。
【0013】
電動モータ5のモータハウジング8は、ポンプハウジング3におけるハウジング主体6の一側面に結合されるものであり、ハウジング主体6には、前記モータハウジング8の一部を液密に嵌合せしめるようにして前記一側面に一端を開口する取付け孔9が設けられる。
【0014】
該取付け孔9は、前記ハウジング主体6の一側面に一端を開口する第1孔部9aと、第1孔部9aよりも小径にして第1孔部9aの他端に一端を同軸に連ならせる第2孔部9bと、第2孔部9bよりも小径にして第2孔部9bの他端に一端を同軸に連ならせる第3孔部9cと、第3孔部9cよりも小径にして第3孔部9cの他端に一端を同軸に連ならせるとともに他端を閉塞した有底の第4孔部9dとで構成されており、モータハウジング8は、第1孔部9aの一端開口部を塞ぐようにしてハウジング主体6に結合される。
【0015】
電動モータ5の回転軸10はモータハウジング8から突出してハウジング主体6内に挿入されるものであり、該回転軸10の先端部はボールベアリング11を介して第4孔部9dの内面で回転自在に支承され、回転軸10の中間部はボールベアリング12を介して第2孔部9bの内面で回転自在に支承される。
【0016】
前記両ボールベアリング11,12間で回転軸10には、偏心軸部10aが設けられており、該偏心軸部10aに装着されたボールベアリング13の外輪外面がプランジャ4の一端に当接される。これにより、電動モータ5の作動時には該電動モータ5によりプランジャ4が軸方向に一定の往復ストロークで駆動されることになる。
【0017】
またハウジング主体6には、前記取付け孔9における第3孔部9cの内面に一端を開口せしめて前記回転軸10の軸線と直交する方向に延びる連絡孔14と、該連絡孔14よりも大径に形成されて連絡孔14の他端に一端を同軸に連ならせる第1シリンダ孔15と、第1シリンダ孔15よりも大径に形成されて第1シリンダ孔15の他端に一端を同軸に連ならせるとともにハウジング主体6の前記カバー7への結合面に他端を開口した第2シリンダ孔16とが設けられ、連絡孔14および第1シリンダ孔15間には前記取付け孔9とは反対側すなわち第1シリンダ孔15側に臨む環状の規制段部17が形成され、第1および第2シリンダ孔15,16間には、第2シリンダ孔16側に臨む環状の第1段部18が形成される。
【0018】
一方、カバー7には、該カバー7のハウジング主体6への結合面に一端を開口したシール孔19と、シール孔19よりも小径に形成されて一端をシール孔19の他端に同軸に連ならせる嵌合孔20と、嵌合孔20よりも小径に形成されて一端を嵌合孔20の他端に同軸に連ならせるとともに他端が閉塞される有底円筒状の第3シリンダ孔21とが、該カバー7のハウジング主体6への結合時に前記ハウジング主体6の第2シリンダ孔16と同軸になるようにして設けられる。
【0019】
嵌合孔20は、ハウジング主体6の第2シリンダ孔16よりも大径に形成されており、カバー7およびハウジング主体6間に挟持されるリング状の規制板22が嵌合孔20に嵌合され、規制板22の外面およびシール孔19の内面間に、ハウジング主体6に弾発的に接触するリング状のシール部材23が装着される。
【0020】
而してハウジング主体6にカバー7が結合されて成るポンプハウジング3には、一端が連絡孔14に同軸に連なる第1シリンダ孔15と、第1シリンダ孔15の他端に一端が同軸に連なる第2シリンダ孔16と、第1および第2シリンダ孔15,16間に形成される環状の第1段部18と、前記規制板22の第2シリンダ孔16側の側面により形成されて第2シリンダ孔16の他端を規定する環状の第2段部22aと、第2シリンダ孔16の他端に同軸に連なる第3シリンダ孔21とが設けられることになる。
【0021】
第1および第2シリンダ孔15,16には、一端を連絡孔14内に配置したスリーブピストン24が摺動可能に嵌合されており、このスリーブピストン24の中間部外面と第1段部18および第2シリンダ孔16の内面との間には環状のアシスト液圧発生室25が形成され、ポンプハウジング3には、スリーブピストン24の軸方向位置にかかわらずアシスト液圧発生室25に連通する出力ポート26が設けられる。
【0022】
またスリーブピストン24の一端側外面と、ハウジング主体6ならびに該ハウジング主体6に結合されるモータハウジング8との間には第1解放液室28が形成されており、第1シリンダ孔15の一端が第1解放液室28に連なることになるとともに、スリーブピストン24の一端が第1解放液室28に臨むことになる。しかもハウジング主体6には、第1解放液室28をリザーバ27に通じさせる第1解放路29が設けられる。
【0023】
さらに第3シリンダ孔21には、調圧ピストン30が摺動自在に嵌合されており、この調圧ピストン30の一端側には、前記規制板22を軸方向移動自在に貫通してスリーブピストン24の他端に同軸に当接する押圧ロッド30aが一体に設けられ、調圧ピストン30の一端およびスリーブピストン24の他端間には第2解放液室31が形成される。而してカバー7には、第2解放液室31をリザーバ27に常時連通させる第2解放路32が設けられる。
【0024】
第3シリンダ孔21の他端閉塞部と、調圧ピストン30の他端との間には外部入力液圧室34が形成されており、カバー7には、調圧ピストン30の軸方向位置にかかわらず、外部入力液圧室34に常時連通する入力ポート35が設けられる。
【0025】
外部入力液圧室34には、操作部材としてのブレーキペダル36の操作によってマスタシリンダ2から出力される液圧が外部入力液圧として入力されるものであり、調圧ピストン30は、スリーブピストン24を前記第1解放液室28側に推進する推力を外部入力液圧に作用する液圧すなわち外部入力に応じて発揮することになる。
【0026】
しかも調圧ピストン30の前記外部入力液圧室34に臨む受圧面積は、前記スリーブピストン24のアシスト液圧発生室25に臨む受圧面積よりも大きく設定されている。
【0027】
図2を併せて参照して、スリーブピストン24には、該スリーブピストン24の一端面に一端を開口した第4シリンダ孔37と、第4シリンダ孔37よりも大径に形成されて第4シリンダ孔37の他端に一端が同軸に連なるとともに他端をスリーブピストン24の他端面に開口した第1圧入孔38とが同軸に設けられる。
【0028】
第1圧入孔38には、第4シリンダ孔37側を閉塞端とした有底円筒状に形成される弁ハウジング39が第4シリンダ孔37および第1圧入孔38間の段差部に当接するようにして嵌合されるとともに、該弁ハウジング39を前記段差部との間に挟持するようにして閉塞棒40が圧入されており、第4シリンダ孔37は、その他端を前記弁ハウジング39で閉塞されて有底となり、弁ハウジング39およびプランジャ4間には、プランジャ4の他端を臨ませるポンプ室41が形成される。
【0029】
またスリーブピストン24の一端およびプランジャ4の一端間には、コイル状の戻しばね42が設けられており、この戻しばね42のばね力により、プランジャ4の一端は電動モータ5の回転軸10に装着されたボールベアリング13の外輪外面に常時接触することになる。
【0030】
ポンプ室41の液圧増大に応じて開弁する吐出弁43が、前記ポンプ室41および前記アシスト液圧発生室25間に介在するようにしてスリーブピストン24に設けられており、該吐出弁43は、前記弁ハウジング39と、該弁ハウジング39および閉塞棒40間に形成される弁室44に収納される球状の弁体45と、該弁体45および閉塞棒40間に設けられて弁室44に収納される弁ばね46とを備える。
【0031】
弁ハウジング39の閉塞端中央部にはポンプ室41に通じる弁孔39aが設けられ、該弁孔39aを中央部に臨ませた弁座47が弁ハウジング39の閉塞端中央部内面に設けられる。一方、閉塞棒40の一端には弁室44内に突入する規制軸部40aが一体に設けられており、該規制軸部40aの先端で弁座47から離反する方向の弁体45の移動端が規制される。
【0032】
弁ばね46は、規制軸部40aを囲繞して閉塞棒40および弁体45間に縮設されており、この弁ばね46が発揮するばね力により、弁体45が弁座47に着座する方向に付勢される。
【0033】
弁ハウジング39の開口端側外面および第1圧入孔38の内面間には環状室48が形成されており、弁室44を前記環状室48に通じさせる複数の連通孔49…が弁ハウジング39に設けられる。またスリーブピストン24には、各連通孔49…を介して弁室44に通じる環状室48をアシスト液圧発生室25に連通せしめる複数の連通路50…が設けられており、弁室44はアシスト液圧発生室25に常時連通することになる。
【0034】
このような吐出弁43は、プランジャ4のスリーブピストン24に対する相対ストロークにより、ポンプ室41の容積が縮少して該ポンプ室41の液圧が増大したときに弁体45が弁ばね46のばね力に抗して弁座47から離反することにより開弁し、ポンプ室41の容積が増大して該ポンプ室41の液圧が減少したときに弁体45が弁ばね46のばね力により弁座47に着座して閉弁することになる。
【0035】
スリーブピストン24の他端側には、前記各連通路50…の一つの中間部に一端を連ならせる通路51と、該通路51よりも大径にして通路51の他端に一端を同軸に連ならせるとともに他端をスリーブピストン24の他端面に開口した第2圧入孔52とが、第4シリンダ孔37および第1圧入孔38と平行な軸線を有するようにして同軸に設けられており、アシスト液圧発生室25に通じる前記通路51と、リザーバ27に通じる第2解放液室31との間に介在するリリーフ弁53が、前記第2圧入孔52内に設けられる。
【0036】
このリリーフ弁53は、円筒状の弁ハウジング54を備えるものであり、該弁ハウジング54との間に弁室56を形成するようにして弁ハウジング54の一端に閉塞部材55が結合され、閉塞部材55を通路51および第2圧入孔52間の段部に当接せしめるようにして弁ハウジング54が第2圧入孔52に圧入される。
【0037】
弁ハウジング54には、第2解放液室31に通じる弁孔57が設けられるとともに、該弁孔57を中央部に臨ませて弁室56に臨む弁座58とが設けられており、弁座58に着座可能な球状の弁体59と、閉塞部材55および弁体59間に設けられて弁体59を弁座58に着座せしめる方向のばね力を発揮する弁ばね60とが弁室56に収納される。一方、閉塞部材55には、通路51に同軸に通じる入口通路61aを有して弁室56内に突入する規制筒部61が一体に設けられており、規制筒部61の先端に弁体59が当接することにより弁体59の弁座58から離反する方向への移動端が規制される。
【0038】
弁体59には、弁孔57を緩やかにかつ移動自在に貫通するロッド62の一端が当接もしくは一体に連設されており、該ロッド62の他端は、弁ばね60で付勢された弁体59が弁座58に着座した状態ではスリーブピストン24の他端面から第2解放液室31側に突出する。
【0039】
而して図1および図2で示すように、調圧ピストン30がその他端を第3シリンダ孔21の閉塞端に当接せしめて外部入力液圧室34の容積を最小とする位置にあるとき、すなわちスリーブピストン24が第2段部22aに最も近接した位置にあるときには、第2段部22aに当接したロッド62により弁体59が弁座58から距離L1だけ離反した位置にあるようにロッド62の長さが設定されており、この状態での第2段部22aおよびスリーブピストン24間の距離L2に前記距離L1を加算して第1の所定量S1(=L1+L2)が設定され、スリーブピストン24が前記第2段部22aから第1の所定量S1以上離反すると、リリーフ弁53が閉弁することになる。
【0040】
スリーブピストン24の一端側には、リザーバ27に通じた第1解放液室28に外端を開口せしめた複数の吸入通路63…が、第4シリンダ孔37の内面に内端を開口するようにして設けられる。これらの吸入通路63…の内端は、ポンプ室41側に向けて最大限ストロークしたプランジャ4の他端で各吸入通路63…の内端を閉塞するには、上述のようにスリーブピストン24が第2段部22aに最も近接した位置にある状態から前記距離L1よりも大きな距離L3だけスリーブピストン24が第2段部22aから離反する方向に移動する必要がある位置に配置される。すなわち、前記第2段部22aから前記距離L2に前記距離L3を加算して設定される第2の所定量S2(=L2+L3)以上に、スリーブピストン24が第2段部22aから離反したときに、スリーブピストン24に対するプランジャ4の相対ストロークに応じて各吸入通路63…のポンプ室41への連通・遮断が切換可能であるが、スリーブピストン24が第2段部22aに対して第2の所定量S2未満に近接したときには前記スリーブピストン24に対するプランジャ4の相対ストロークにかかわらず各吸入通路63…がポンプ室41に常時通じるようになるものであり、L3>L1であるので、第2の所定量S2は第1の所定量S1よりも大きく設定される。
【0041】
但し、第2の所定量S2は、第2段部22aに最も近接した位置にあるスリーブピストン24が、第2段部22aから離反して規制段部17に当接するまでのスリーブピストン24の移動量よりも小さく設定されている。
【0042】
図3において、マスタシリンダ2は、前端を閉じるとともに後端を開放したシリンダ体65を備えるものであり、該シリンダ体65には、後端を開放した小径シリンダ孔66と、小径シリンダ孔66よりも大径として小径シリンダ孔66の前端に同軸に連なるとともに前端を閉じた大径シリンダ孔67とが設けられる。
【0043】
小径シリンダ孔66には操作入力ピストン68が摺動可能に嵌合されており、該操作入力ピストン68の後端には、ブレーキペダル36に連結される入力杆69の前端が連接され、ブレーキペダル36の踏込み操作に応じて操作入力ピストン68が小径シリンダ孔66内を前進することになる。
【0044】
小径シリンダ孔66および大径シリンダ孔67には、第1出力ピストン70が摺動可能に嵌合される。この第1出力ピストン70は、小径シリンダ孔66に摺動可能に嵌合される小径ピストン部70aと、大径シリンダ孔67に摺動可能に嵌合される大径ピストン部70bとが、後方側に臨む肩部70cを相互間に形成して同軸に連設されて成るものであり、操作入力ピストン68の前端および第1出力ピストン70の後端間でシリンダ体65内にはパイロット液圧室71が形成され、パイロット液圧室71には、操作入力ピストン68を後方側に付勢する第1ばね73が収納される。また第1出力ピストン70の肩部70cを臨ませる環状のアシスト液圧室72が第1出力ピストン70およびシリンダ体65間に形成される。さらにシリンダ体65には、第1出力ピストン70の軸方向位置にかかわらずアシスト液圧室72に通じる入力ポート79が設けられ、この入力ポート79は、プランジャポンプ1における出力ポート26に連通される。
【0045】
第1出力ピストン70の前方側に間隔をあけた位置で大径シリンダ孔67には、第1出力ピストン70との間の最大間隔を規制されるようにして第2出力ピストン74が摺動可能に嵌合され、第1および第2出力ピストン70,74間には第1出力液圧室75が、また第2出力ピストン74および大径シリンダ孔67の前端閉塞部間には第2出力液圧室76がそれぞれ形成される。しかも第1出力液圧室75には、第1出力ピストン70を後方側に付勢する第2ばね77が収納され、第2出力液圧室76には第2出力ピストン74を後方側に付勢する第3ばね78が収納される。
【0046】
第1出力ピストン70の大径ピストン部70bおよび大径シリンダ孔67の内面間には、環状の第1補給液室80が形成され、大径ピストン部70bの後端外周にはアシスト液圧室72および第1補給液室80間をシールして大径シリンダ孔67の内面に摺接する一対のカップシール81,81が装着され、小径ピストン部70aの後端外周にはアシスト液圧室72およびパイロット液圧室71間をシールして小径シリンダ孔66の内面に摺接する一対のカップシール82,82が装着され、大径ピストン部70bの後端外周には第1補給液室80から第1出力液圧室75への作動液の流通を許容するようにして大径シリンダ孔67の内面に摺接するカップシール83が装着される。
【0047】
またシリンダ体65には、リザーバ27に通じる補給ポート84が第1補給液室80に常時通じるようにして設けられるとともに、リザーバ27に通じるリリーフポート85が、第1出力ピストン70が後退限位置にあるときに第1出力液圧室75に通じるようにして設けられる。
【0048】
第2出力ピストン74の外面および大径シリン孔67の内面間には、環状の第2補給液室86が形成されており、第2出力ピストン74の後部外周には第1出力液圧室75から第2補給液室86への作動液の流通を阻止するようにして大径シリンダ孔67の内面に摺接するカップシール87が装着され、第2出力ピストン74の前部外周には第2補給液室86から第2出力液圧室76への作動液の流通を許容するようにして大径シリンダ孔67の内面に摺接するカップシール88が装着される。
【0049】
シリンダ体65には、リザーバ27に通じる補給ポート89が第2補給液室86に常時通じるようにして設けられる。また第2出力ピストン74の前部には、第2出力ピストン74が後退限位置に戻ったとき第2補給液室86および第2出力液圧室76間を連通させるセンターバルブ型のリリーフ弁90が設けられる。
【0050】
このリリーフ弁90は、第2出力ピストン74の前部に装着される弁函91と、第2補給液室86に通じるとともに弁函91内で第2出力ピストン74の前端に開口する弁孔92と、弁孔92の前端開口部を閉鎖可能として弁函91内に収納される弁体93と、弁孔92を閉鎖する方向に弁体93を付勢するばね力を発揮して弁函91内に収納される弁ばね94と、第2出力ピストン74が後退限にあるときには弁体93を弁ばね94のばね付勢力に抗して開弁位置に保持するが第2出力ピストン74の前進時には弁ばね94による弁体93の閉弁動作を許容する開弁棒95とを備える。
【0051】
第2出力ピストン74には、その軸方向に長い長孔96が第2補給液室86に通じるようにして設けられており、両端をシリンダ体65で支持された開弁棒95が長孔96に挿通され、弁体94に連設されて弁孔92に挿通されるロッド97の後端が開弁棒95に当接される。
【0052】
シリンダ体65には、第1出力液圧室75に常時連通する第1出力ポート98と、第2出力液圧室76に常時連通する第2出力ポート99とが設けられ、両出力ポート98,99は、第1および第2車輪ブレーキB1,B2にそれぞれ接続される。すなわち両車輪ブレーキB1,B2は、マスタシリンダ2の出力液圧でブレーキ作動する。
【0053】
図4を併せて参照して、操作入力ピストン68は、シリンダ体65の前記小径シリンダ孔66に摺動可能に嵌合されるヘッド部68aの背面中央部に、該ヘッド部68aよりも小径のロッド部68bが同軸にかつ一体に連設されて成るものであり、後端を開放してロッド部68bに同軸に設けられる凹部100の前端閉塞部に、入力杆69の前端が首振り可能に当接される。
【0054】
シリンダ体65の後端には、前記ロッド部68bとの間に環状のシール部材101を介在させて該ロッド部68bを摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材102が装着される。
【0055】
前記シール部材101よりも前方側(図4の右方側)で操作入力ピストン68の外面とシリンダ体65および支持部材102の内面との間には、環状室103が形成される。
【0056】
操作入力ピストン68におけるヘッド部68aおよびロッド部68bの連設部外面には、操作入力ピストン68が少なくとも後退限位置にあるときには前記環状室103に通じる環状凹部104が設けられ、前記連設部には、その一直径線に沿う貫通孔105が両端を前記環状凹部104に開口するようにして設けられる。さらに前記ヘッド部68aの中央部には、後端を閉じた有底孔106が後部を前記貫通孔105と交差せしめるようにして設けられ、該有底孔106の前端は、ヘッド部68aの前端すなわち操作入力ピストン68の前端に開口される。これにより、パイロット液圧室71は、有底孔106および貫通孔105を介して環状凹部104に連通することになり、しかも環状凹部104は操作入力ピストン68が少なくとも後退限位置にあるときには前記環状室103に通じるものであり、操作入力ピストン68におけるヘッド部68aがロッド部68bよりも大径であることによって操作入力ピストン68の軸方向位置にかかわらず環状凹部104は前記環状室103に通じるものであり、パイロット液圧室71は環状室103に常時連通することになる。
【0057】
シリンダ体65には、環状室103に通じるパイロットポート107が設けられ、該パイロットポート107は、プランジャポンプ1における入力ポート35に連通される。
【0058】
第1出力ピストン70には、第1補給液室80に通じるとともに後端をパイロット液圧室71に開口せしめた連通路108が設けられ、操作入力ピストン68および第1出力ピストン70間には、第1出力ピストン70に対する操作入力ピストン68の所定ストローク以上の前進作動に応じて連通路108の後端開口部を閉じる開閉弁110が設けられる。
【0059】
この開閉弁110は、連通路108の後端開口部を閉鎖し得る弁体111と、前端が該弁体111に同軸に連設されるとともに後端部が操作入力ピストン68の有底孔106に挿通される弁軸112と、連通路108の後端開口部を弁体111で閉鎖する方向に弁軸112を付勢するばね力を発揮する弁ばね113と、操作入力ピストン68に対する弁軸112の前進移動を規制すべく操作入力ピストン68の前端に当接されるリテーナ114とで構成される。
【0060】
リテーナ114は、操作入力ピストン68および第1出力ピストン70間に設けられた第1ばね73で操作入力ピストン68の前端に押付けられており、操作入力ピストン68の前端に実質的に固定される。このリテーナ114の中央部には挿通孔114aが設けられ、弁軸112の後部は該挿通孔114aを移動可能にかつ緩やかに貫通して有底孔106に挿入される。
【0061】
有底孔106内で弁軸112には、前記挿通孔114aの周囲でリテーナ114の背面に係合し得る鍔部112aが設けられており、弁ばね113は、有底孔106の閉塞端および前記鍔部112a間に縮設される。しかも鍔部112aのリテーナ114への係合部は、パイロット液圧室71から有底孔106への作動液の流通を阻害することがないように構成される。
【0062】
このような開閉弁110にあっては、操作入力ピストン68が後退限位置にあるときには弁軸112の鍔部112aがリテーナ114に係合して、弁体111が連通路108の後端開口部を開放しており、操作入力ピストン68がその後退限位置から第1出力ピストン70側に所定ストローク以上前進すると、弁体111も第1出力ピストン70側に前進して連通路108の後端開口部を閉鎖することになり、操作入力ピストン68が第1出力ピストン70側にさらに前進しても弁体111による連通路108の閉鎖状態が維持される。
【0063】
ブレーキペダル36には、該ブレーキペダル36の踏込み操作を検出するブレーキスイッチ115が付設されており、該ブレーキスイッチ115で得られる信号は制御ユニット116に入力される。而して制御ユニット116は、ブレーキスイッチ115がブレーキペダル36の踏込み操作を検出するのに応じて電動モータ5を作動せしめるように該電動モータ5の作動を制御する。
【0064】
次にこの実施例の作用について説明すると、ブレーキペダル36の操作を行なわない状態、すなわち外部入力がない状態では、プランジャポンプ1におけるスリーブピストン24は、図1および図2で示すように、第2段部22aに最も近接した位置にあり、リリーフ弁53は開弁している。
【0065】
車輪ブレーキB1,B2をブレーキ作動せしめるべくブレーキペダル36を踏込み操作すると、その踏込み操作に応じてマスタシリンダ2のパイロット液圧室71で発生した液圧、すなわち外部入力に応じた液圧がプランジャポンプ1の外部入力液圧室34に作用することになり、外部入力に応じて調圧ピストン30がスリーブピストン24を第2段部22aから離反せしめる方向に押圧する推力を発揮する。この際、アシスト液圧発生室25の液圧によりスリーブピストン24を第2段部22a側に押圧する液圧力が調圧ピストン30の推力よりも小さい状態ではスリーブピストン24が第2段部22aから第2の所定量S2以上離反して規制段部17に当接するまで移動し、この状態では、アシスト液圧発生室25をリザーバ27に連通させ得るリリーフ弁53が閉弁するとともに、電動モータ5により往復駆動されるプランジャ4のスリーブピストン24に対する相対ストロークによってリザーバ27に通じた吸入通路63のポンプ室41への連通・遮断が切換えられる。したがって、容積が増大したポンプ室41への作動液のリザーバ27からの吸入、ならびに容積が縮少したポンプ室41から吐出弁43を介してのアシスト液圧発生室25への作動液の吐出が、プランジャ4の往復作動によって切換えられることになり、アシスト液圧発生室25の液圧が増大することになる。
【0066】
このようにアシスト液圧発生室25の液圧増大に応じてスリーブピストン24を第2段部22a側に押圧する液圧力が調圧ピストン30の推力よりも大きくなると、スリーブピストン24が調圧ピストン30の推力に抗して第2段部22a側に移動することになり、スリーブピストン24が第2段部22aに対して第2の所定量S2未満の距離まで近接すると、スリーブピストン24に対するプランジャ4の相対ストロークにかかわらず吸入通路63がポンプ室41に常時通じるようになってプランジャ4のストロークが無効となり、ポンプ室41で液圧が生じることはなく、さらにスリーブピストン24が第2段部22aに対して第1の所定量S1未満の距離まで近接するとリリーフ弁53が開弁することにより、アシスト液圧発生室25がリザーバ27に連通して該アシスト液圧発生室25の液圧が減少することになる。したがって、スリーブピストン24は、調圧ピストン30が発揮する推力に均衡した液圧力がアシスト液圧発生室25の液圧によって得られるように、外部入力に応じて第2段部22aから第2の所定量S2以上離反する位置と、第2段部22aまで第1の所定量S1未満に近接する位置との間で移動し、それによりアシスト液圧発生室25の液圧が外部入力に応じた値に調圧されることになる。この結果、圧力センサや圧力制御弁等を用いない単純な構造で、外部入力に応じてプランジャポンプ1の吐出圧を変化させることが可能となる。
【0067】
しかもブレーキペダル36の操作力すなわち外部入力が一定であるときには、スリーブピストン24は、第2段部22aからの距離が第2の所定量S2未満であって第1の所定量S1以上の位置にあり、この状態ではプランジャ4のストロークは無効となるので、電動モータ5の負荷を軽減して該電動モータ5の耐久性を向上することができ、電動モータ5を作動せしめる電力の消費量を低減することができる。
【0068】
またスリーブピストン24のアシスト液圧発生室25に臨む受圧面積が、前記調圧ピストン30の外部入力液圧室34に臨む受圧面積よりも小さく設定されているので、外部入力に応じた液圧よりも、プランジャポンプ1の吐出液圧を増圧することができる。
【0069】
さらにブレーキペダル36の操作に応じて、マスタシリンダ2では操作入力ピストン68が前進し、それによりパイロット液圧室71に生じた液圧が、第1出力ピストン70を前進せしめるとともにプランジャポンプ1の外部入力液圧室34に入力され、外部入力液圧室34の液圧に応じてプランジャポンプ1のアシスト液圧発生室25に生じる液圧がアシスト液圧室72に作用して第1出力ピストン70をさらに前進せしめることになる。すなわち第1出力ピストン70は、ブレーキペダル36の操作に応じた液圧に加えて、プランジャポンプ1からの倍力液圧で押圧されることになり、第1出力ピストン70の前端を臨ませた第1出力液圧室75で生じた倍力液圧を車輪ブレーキB1に作用せしめることが可能となる。しかも第1出力液圧室75に作用する倍力液圧に応じて前進する第2出力ピストン74の前端を臨ませた第2出力液圧室76でも倍力液圧を発生させることができ、第2出力液圧室76で生じた倍力液圧を車輪ブレーキB2に作用せしめることが可能である。
【0070】
したがってブレーキペダル36の操作力を増圧してマスタシリンダ2から出力するようにして、液圧ブレーキ装置に好適な倍力液圧発生装置を得ることができる。
【0071】
しかもプランジャポンプ1およびマスタシリンダ2は、液圧を伝達する液圧路を介して接続されればよく、プランジャポンプ1およびマスタシリンダ2を相互に分離して配置上の自由度を高めることが可能であり、またマスタシリンダ2は、シリンダ体65に、操作入力ピストン68および出力ピストン70,74が摺動可能に嵌合された単純な構成を有するものであればよい。
【0072】
またマスタシリンダ2においては、操作入力ピストン68が、シリンダ体65の小径シリンダ孔66に摺動可能に嵌合されるヘッド部68aの背面中央部に該ヘッド部68aよりも小径のロッド部68bが同軸にかつ一体に連設されて成るものであり、ロッド部68bとの間に環状のシール部材101を介在させてロッド部68bを摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材102がシリンダ体65の後端に装着され、プランジャポンプ1に接続されるとともにパイロット液圧室71に常時通じる環状室103が、シール部材101よりも前方側で操作入力ピストン68の外面とシリンダ体65および支持部材102の内面との間に形成されている。したがってマスタシリンダ2の軸方向長さを短縮することが可能となる。
【0073】
すなわちパイロット液圧室71で発生したパイロット液圧をプランジャポンプ1に導くパイロットポート107が、操作入力ピストン68が後退限にある状態でパイロット液圧室71の前端に通じるようにしてシリンダ体65に設けられている場合を想定すると、操作入力ピストン68が後退限にある状態でのパイロット液圧室71の軸方向長さは、操作入力ピストン68のストロークに第1および第2出力ピストン70,74のストロークを加算した値以上であることが必要であり、マスタシリンダ2の軸方向長さを比較的大に設定せざるを得ない。それに対し、ヘッド部68aの背面中央部に小径のロッド部68bが同軸にかつ一体に連設されて成る操作入力ピストン68の外面と、シリンダ体65および支持部材102の内面との間に、プランジャポンプ1に接続されるとともにパイロット液圧室71に常時通じる環状室103が形成されることにより、操作入力ピストン68が後退限にある状態でのパイロット液圧室71の軸方向長さは、操作入力ピストン68のストロークに対応した値であればよく、シリンダ体65すなわちマスタシリンダ2の軸方向長さを短縮することができる。
【0074】
また第1出力ピストン70には、リザーバ27に通じる環状の第1補給液室80に通じるとともに後端をパイロット液圧室71に開口せしめた連通路108が設けられ、第1出力ピストン70に対する操作入力ピストン68の所定ストローク以上の前進作動に応じて前記連通路108の後端開口部を閉じる開閉弁110が、操作入力ピストン68および第1出力ピストン70間に設けられることにより、マスタシリンダ2の軸方向長さを短縮することができるとともに、シリンダ体65に施すべき加工工数を低減することができる。すなわち環状の第1補給液室80は、第1出力液圧室75への作動液の補給のために必要なものであり、第1出力ピストン70に対して操作入力ピストン68が前進していないときには開閉弁110を開弁してパイロット液圧室71に第1補給液室80を連通し、第1出力ピストン70に対して操作入力ピストン68が所定ストローク以上前進したときには開閉弁110を閉弁してパイロット液圧室71および第1補給液室80を遮断している。したがって、パイロット液圧室71に作動液を補給するための補給ポートならびにパイロット液圧室71の作動液を逃がすためのリリーフポートを、パイロット液圧室71専用としてシリンダ体65に設けることが不要であり、シリンダ体65に施すべき加工工数を低減することができるだけでなく、前記補給ポートおよびリリーフポートを配置するためのスペースをシリンダ体65で確保することが不要となり、シリンダ体65の軸方向長さをより一層短縮することができる。
【0075】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0076】
たとえば上記実施例では、ブレーキペダル36の操作に応じてマスタシリンダ2のパイロット液圧室71で生じた液圧を調圧ピストン30に作用せしめるようにしたが、調圧ピストン30にリニアソレノイド等の機械的な力を作用せしめることも可能である。また上記実施例では、調圧ピストン30が備える押圧ロッド30aがスリーブピストン24に当接されるようにしたが、調圧ピストン30およびスリーブピストン24が一体に連設されていてもよい。
【0077】
またアシスト液圧発生手段は、上述の実施例のプランジャポンプ1に限定されものではなく、マスタシリンダ2におけるパイロット液圧室71の液圧に比例倍力したアシスト液圧を出力するものであればよい。
【0078】
さらにマスタシリンダ2を液圧クラッチ装置に用いることも可能である。
【0079】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、アシスト液圧発生手段およびマスタシリンダを相互に分離して配置上の自由度を高めることが可能であり、マスタシリンダも単純な構成を有するものであればよい。
【0080】
その上、マスタシリンダの軸方向長さを短縮することができるとともに、シリンダ体に施すべき加工工数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】倍力液圧発生装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】マスタシリンダの縦断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【符号の説明】
1・・・アシスト液圧発生手段としてのプランジャポンプ
2・・・マスタシリンダ
26・・・出力ポート
27・・・リザーバ
36・・・ 操作部材としてのブレーキペダル
65・・・シリンダ体
66・・・小径シリンダ孔
67・・・大径シリンダ孔
68・・・操作入力ピストン
68a・・・ヘッド部
68b・・・ロッド部
70・・・出力ピストン
70a・・・小径ピストン部
70b・・・大径ピストン部
70c・・・肩部
71・・・パイロット液圧室
72・・・アシスト液圧室
75・・・出力液圧室
80・・・補給液室
101・・・シール部材
102・・・支持部材
103・・・環状室
108・・・連通路
110・・・開閉弁
B1・・・液圧作動手段としての車輪ブレーキ

Claims (1)

  1. 操作部材(36)により操作力を受けるマスタシリンダ(2)と、前記操作力に応じたアシスト液圧を発生するとともにそのアシスト液圧で前記マスタシリンダ(2)を倍力作動せしめるアシスト液圧発生手段(1)とで構成されてなり、
    前記マスタシリンダ(2)、後端を開放した小径シリンダ孔(66)ならびに小径シリンダ孔(66)よりも大径として小径シリンダ孔(66)の前端に同軸に連なる大径シリンダ孔(67)が設けられるシリンダ体(65)と、操作部材(36)の操作に応じて前進することを可能として小径シリンダ孔(66)に摺動可能に嵌合される操作入力ピストン(68)と、小径シリンダ孔(66)に摺動可能に嵌合される小径ピストン部(70a)ならびに大径シリンダ孔(67)に摺動可能に嵌合される大径ピストン部(70b)が後方側に臨む肩部(70c)を相互間に形成して同軸に連設されて成る出力ピストン(70)とを備え、前記操作入力ピストン(68)の前端および出力ピストン(70)の後端間でシリンダ体(65)内に形成されるパイロット液圧室(71)の液圧に比例倍力したアシスト液圧を出力するアシスト液圧発生手段(1)の出力ポート(26)が、前記出力ピストン(70)の肩部(70c)を臨ませて該出力ピストン(70)およびシリンダ体(65)間に形成される環状のアシスト液圧室(72)に接続され、出力ピストン(70)の前端を臨ませてシリンダ体(65)内に形成される出力液圧室(75)が、液圧作動手段(B1)に接続されてなる倍力液圧発生装置であって、
    前記操作入力ピストン(68)は、前記小径シリンダ孔(66)に摺動可能に嵌合されるヘッド部(68a)の背面中央部に該ヘッド部(68a)よりも小径のロッド部(68b)が同軸にかつ一体に連設されて成り、前記ロッド部(68b)との間に環状のシール部材(101)を介在させて該ロッド部(68b)を摺動自在に嵌合せしめるリング状の支持部材(102)が前記シリンダ体(65)の後端に装着され、前記アシスト液圧発生手段(1)に接続されるとともにパイロット液圧室(71)に常時通じる環状室(103)が、前記シール部材(101)よりも前方側で操作入力ピストン(68)の外面とシリンダ体(65)および支持部材(102)の内面との間に形成され、前記出力ピストン(70)の大径ピストン部(70b)および大径シリンダ孔(67)の内面間には、リザーバ(27)に通じるとともに前記出力ピストン(70)の後退限で前記出力液圧室(75)に通じる環状の補給液室(80)が形成され、該補給液室(80)に通じるとともに後端をパイロット液圧室(71)に開口せしめた連通路(108)が前記出力ピストン(70)に設けられ、前記出力ピストン(70)に対する前記操作入力ピストン(68)の所定ストローク以上の前進作動に応じて前記連通路(108)の後端開口部を閉じる開閉弁(110)が、前記操作入力ピストン(68)および前記出力ピストン(70)間に設けられることを特徴とする倍力液圧発生装置
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