JP2000262954A - 可撓性支持体の表面付着物除去装置 - Google Patents

可撓性支持体の表面付着物除去装置

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JP2000262954A
JP2000262954A JP11076179A JP7617999A JP2000262954A JP 2000262954 A JP2000262954 A JP 2000262954A JP 11076179 A JP11076179 A JP 11076179A JP 7617999 A JP7617999 A JP 7617999A JP 2000262954 A JP2000262954 A JP 2000262954A
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JP
Japan
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blade
film
web
plasma
solvent
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Application number
JP11076179A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
Shinsuke Takahashi
伸輔 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ安価な、より小さな付着物を取
り除くことができるウエブの表面付着物除去装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の可撓性支持体の表面付着物除去
装置10は、溶剤Sを塗着されたウエブWに押しつけ
て、ウエブW表面の付着物Pを溶剤もろとも掻き落とす
ブレード11を備えている。ブレード11の先端部表面
には、硬質カーボン膜が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種写真フィルム
や印画紙、磁気記録媒体等の、イメージあるいはデータ
を記録する記録媒体の製造時に、可撓性支持体の表面に
付着した異物の除去を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可撓性支持体(以下「ウエブ」と
いう)の表面付着物を除去する方法として、ウエブに不
織布やブレード等の捕捉手段を押しつけることにより付
着物を捕捉する方法や、清浄度の良好な空気をウエブに
高速であてて付着物を吹き飛ばす方法が知られている。
これらはいずれも乾式の除去方法である。これに対して
湿式の除去方法としては、特開昭62−65872号公
報に開示されているように、走行するウエブに溶剤を塗
布した後、ブレードによって溶剤を付着物もろとも掻き
落とす方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、磁気テ
ープ等の磁気記録媒体においては、記録の高密度化が望
まれており、記録波長が短くなる傾向がある。このとき
磁性層が厚いと、記録時の自己減磁損失、および再生時
の厚み損失が大きくなってしまうため、磁性層は薄層化
されてきている。そして磁性層の薄層化に伴って、従来
の付着物除去技術では取り除くことのできなかった、よ
り小さな付着物も除去する必要が生じてきている。
【0004】特開昭62−65872号公報には、湿式
の付着物除去装置において、ブレードの、ウエブに対向
する面の曲率半径を2〜30mmとすることが記載され
ている。このようにブレード先端の曲率を小さくする
と、付着物除去性能は向上するものの、ブレードにかか
る面圧が増大し、ブレードが損傷し易くなってしまう。
また同公報に記載されているように、ブレードの材質と
して超硬材質を用いればブレードの耐久性を上げること
もできるが、このような硬い材質を、曲率の小さいブレ
ード先端形状に精度良く仕上げることは困難であり、コ
ストアップを招いてしまう。
【0005】本発明は以上のような背景に基づいてなさ
れたものであって、その目的は、耐久性に優れかつ安価
であって、従来の付着物除去装置では除去しきれなかっ
た、より小さな付着物を取り除くことができるウエブの
表面付着物除去装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、表面に付着物を有する可撓性支持体に、溶剤が塗布
された後に押しつけて前記溶剤及び付着物を掻き落とす
ブレードを備えた可撓性支持体の表面付着物除去装置に
おいて、前記ブレードの、前記溶剤及び付着物を掻き落
とす箇所に硬質カーボン膜を設けたことを特徴とするウ
エブの表面付着物除去装置よって達成される。
【0007】ここでブレードの形状は限定されないが、
ウエブに対向する面(先端面)が一湾曲面に形成されて
いる場合、その曲率半径が2mm以下であることが好ま
しい。硬質カーボン膜とは、スパッタカーボン膜や、ダ
イヤモンドライクカーボン(DLC)膜等のことをい
う。スパッタカーボン膜及びDLC膜の詳細は後述す
る。
【0008】このような構成のウエブの表面付着物除去
装置によれば、ブレード先端面の曲率半径が小さく且つ
損傷しにくいブレードを安価に得ることができ、従来の
除去装置では除去しきれなかった、より小さな付着物を
取り除くことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に、本発明の実施形態である付
着物除去装置10を示す。同図に示すように、ここでは
付着物除去装置10に、磁性液等の塗布液Lをウエブに
塗着する構成が一体化されている。したがって、付着物
除去装置10は塗布装置であるともいえる。
【0010】ここでウエブWとは、一般に、その幅が
0.3〜1m、長さが45〜10000m、厚さが2〜
200μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプ
ラスチックフィルム;紙;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−
ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙;アルミ
ニウム、銅、錫等の金属箔;等からなる可撓性帯状物あ
るいは該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成し
た帯状物等のことをいう。
【0011】図1に示すように、複数の搬送ローラ20
がウエブWを図中矢印X方向に移送する。そして付着物
除去装置10の上流側に配置された、ここではエクスト
ルージョン型ヘッド部を有するものとして示されている
溶剤プレコート手段21が、ウエブWに溶剤Sを塗着す
る。なお、溶剤プレコート手段21としてはロールコー
タを用いることもできる。溶剤Sとしては、有機溶剤を
主体とする液体、例えばトルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸ブチル、シクロヘキサノン等の有機溶剤、或い
はこれらを組み合せた溶剤、更に、有機溶剤以外の溶質
(下塗層の樹脂等)を少量含んだ液体等を用いることが
できる。溶剤は、粘度20cP以下、好ましくは5cP
以下の低粘度の液体である。溶剤Sが塗布されると、ウ
エブW表面の付着物Pはウエブ表面から離れ、溶剤中に
拡散する。
【0012】そしてウエブWは、溶剤プレコート手段2
1の下流に配置された付着物除去装置10へと搬送され
る。付着物除去装置10は、溶剤Sを掻き落とすための
ブレード11を備えている。ブレード11は、ウエブW
に対向する一湾曲面からなる先端面12と、先端面12
の上流端に接続されている一平面からなる上流側面13
と、先端面12の下流端に接続されている一平面からな
る下流側面14とを備えている。先端面12の曲率半径
Rは例えば2mmとすることができる。
【0013】ブレード11の先端部表面、すなわち先端
面12、並びに上流側面13及び下流側面14の先端面
12近傍には、硬質カーボン膜が形成されている。な
お、硬質カーボン膜を設ける箇所は限定されず、例えば
先端面12のみに形成してもよい。また、先端面12、
上流側面及13び下流側面14は、複数の面(湾曲面・
平面)からなっていてもよく、その場合、それらのうち
少なくともウエブWに押しつけられる箇所に硬質カーボ
ン膜を形成すればよい。
【0014】ブレード11の下流側には、ブレード11
とは別体のドクターエッジ16が隣接して配置されてい
る。ドクターエッジ16もブレード11と同様に、先端
面(エッジ面)17、上流側面18及び下流側面19を
備えている。ブレード11の下流側面14と、ドクター
エッジ16の上流側面18とにより、塗布液Lが通過す
るスリットが形成されている。塗布液Lは図示しない液
溜から、このスリットを通ってウエブWへと押し出され
る。
【0015】このような構成の除去装置10において、
先ず、溶剤Sが塗着されたウエブWに、ブレード先端面
12が押しつけられる。すると、乾燥前の溶剤Sの大部
分が、溶剤中に拡散した付着物Pとともに、ブレード先
端面12の上流端にて掻き落とされる。掻き落とされた
溶剤S及び付着物Pは、ブレードの上流側面13に沿っ
て流れ落ちる。次いで、僅かにウエブW表面に残留した
溶剤Sからなる層の上に、スリットから押し出された塗
布液Lが塗着される。
【0016】以上のような付着物除去装置10によれ
ば、ブレード11の先端面12の曲率半径Rが小さいた
め、ウエブW表面の付着物Pを確実に除去することがで
きる。また、ブレード11の先端部表面に硬質カーボン
膜が形成されているので、ブレード11が損傷する心配
もない。また、付着物除去装置10には、塗布液Lをウ
エブWに塗着する構成が一体化され小型化されているの
で、装置の設置スペースが狭くて済む。
【0017】ブレード11に硬質カーボン膜を形成する
成膜方法は、一般的には大きく2種に大別でき、焼結カ
ーボン材、グラッシーカーボン材等をターゲット材にし
たスパッタリングによる方法と、炭化水素ガスを反応ガ
スに用いたプラズマCVDによる方法がある。以下にス
パッタリング、プラズマCVDで使用する装置、成膜方
法についてを説明する。最初にスパッタリングによる硬
質カーボン膜(スパッタカーボン膜)の形成について説
明し、次にプラズマCVDによる硬質カーボン膜(DL
C膜)の形成について説明する。
【0018】〔スパッタカーボン膜形成〕図2に、スパ
ッタカーボン膜形成装置を示す。スパッタカーボン膜形
成装置100は、真空チャンバー101、ガス導入手段
102、スパッタリング手段103、ブレード支持手段
109、ブレードエッチング手段を備えている。 1)真空チャンバー101 カソード用磁場が外乱を受けないように、SUS304
等の非磁性材質が好ましい。真空チャンバーの真空シー
ル性能は、初期排気の到達圧力で2×10-5Torr以
下、好ましくは5×10-6Torr以下、成膜中は1×
10-4Torr〜1×10-2Torrを維持できればよ
い。真空排気ポンプ111はロータリーポンプ、メカニ
カルブースターポンプ、ターボポンプの組み合わせ、タ
ーボポンプの代わりにディフュージョンポンプ、クライ
オポンプ、等が選択できる。排気能力、台数は真空チャ
ンバーの容積、使用するガスの流量に合わせて選択すれ
ばよい。また、排気速度を調整するためにバイパス配管
を設け配管の抵抗により排気速度を変化させる方法や、
オリフィスバルブを設けその開口度により排気速度を変
化させる方法等も採用できる。また真空チャンバー10
1には、ブレード支持手段109に支持されるブレード
とターゲット材105の間を開閉するシャッター部材1
12が設けられている。
【0019】2)ガス導入手段102 ガスの流量制御にはマスフローコントローラー(MF
C)を使用する。真空チャンバー内への導入はSUS製
のパイプを使用し導入部をOリング等で真空シールす
る。チャンバー内ではプラズマ発生領域の近傍にガスが
吹き出すようにする。吹き出し位置はプラズマの分布に
影響しないように最適化すればよい。プラズマ発生用の
ガスには例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xe、等の
不活性ガスを用いる。特に、Arは入手し易く、安価
で、その他のガスは高価である。
【0020】3)スパッタリング手段103 スパッタリングではカソード104に、スパッタリング
するターゲット材105を配設し、カソード104を負
電位にすると共に、その表面にプラズマを発生させ、対
向して配設したブレードの表面にスパッタリングにより
弾き出されたターゲット材料を付着させることで成膜す
る。ターゲット材105表面にプラズマを発生するに
は、負電位の直流電源106を直接カソード104に接
続し、負の300〜1000V程度の直流電圧を印加す
ることでプラズマ発生させる。直流電源は1〜10kW
程度のものから所望の投入パワーに応じて選択すればよ
い。また、2〜20kHzにパルス変調した負の直流電
源もアーク防止に有効である。高周波電源を用いる場合
にはマッチングボックスを介してカソード104に高周
波電圧を印加することによりプラズマを発生させる。そ
の際、マッチングボックスによりインピーダンス整合を
行い、高周波電圧の反射波が入射波に対して25%以下
なるように調整する。高周波電源は工業用の13.56
MHzで1〜10kW程度ものもから所望の投入パワー
に応じて選択すればよい。またパルス変調した高周波電
源も使用できる。ターゲット材105は直接カソード1
04にIn系ハンダ等を用いて張り付けてもよく、また
機械的にボルト等で固定してもよい。一般的には無酸素
銅、SUSからなるバッキングプレート107の上にタ
ーゲット材105を張り付ける。カソード104、バッ
キングプレート107は水冷し、間接的にターゲット材
105も水冷できる構造にする。また、カソード104
の内部に永久磁石107、電磁石を配設しターゲット材
105表面に磁場を形成することでプラズマを閉じこめ
るマグネトロンスパッタリング方法もある。マグネトロ
ンスパッタリング方法は成膜速度を向上でき有用であ
る。カソード104の形状は成膜するブレードの形状に
合わせて最適化すればよい。また、マグネトロンスパッ
タリングの場合の永久磁石108の配置、電磁石の形状
も膜厚分布に対して最適化すればよい。永久磁石108
にはSmCo、NdFeB、等の高磁場を発生するもの
を使用するとプラズマを十分に閉じこめることができ
る。磁場の強さも膜厚分布に応じて最適化すればよい。
【0021】4)ブレード支持手段109 ブレードはカソード104に対し静止対向させる。ま
た、図示しない駆動手段により回転させたり、カソード
104上を移動できるようにしてもよい。これはブレー
ドのサイズ、膜厚分布から適宜選択すればよい。また、
ブレードとターゲット材105表面との距離は20〜2
00mm程度の範囲で選択し膜厚分布が良好になるよう
に最適化すればよい。
【0022】5)ブレードエッチング手段 膜の密着性を向上するために、ブレード表面をプラズマ
でエッチングするのがよい。エッチングの方法はブレー
ドにマッチングボックスを介して高周波電圧を印加す
る。高周波電源は工業用の13.56MHzで1〜5k
W程度のものから選択すればよい。エッチングの強さは
ブレードに印加される自己バイアス電圧を目安にするの
がよい。自己バイアス電圧は負の100〜500V程度
であるが最適化すればよい。
【0023】〔DLC膜形成〕図3に、DLC膜形成装
置を示す。DLC膜形成装置200は、真空チャンバー
201、ガス導入手段202、プラズマ発生手段20
3、ブレード支持手段209、ブレードバイアス手段、
ブレードエッチング手段を備えている。 1)真空チャンバー201 プラズマ発生用磁場が外乱を受けないように、SUS3
04等の非磁性材質が好ましい。真空チャンバー201
の真空シール性能は、初期排気の到達圧力で2×10-5
Torr以下、好ましくは5×10-6Torr以下、成
膜中は1×10-4Torr〜1×10-2Torrを維持
できればよい。真空排気ポンプ211はロータリーポン
プ、メカニカルブースターポンプ、ターボポンプの組み
合わせ、ターボポンプの代わりにディフュージョンポン
プ、クライオポンプ、等が選択できる。排気能力、台数
は真空チャンバーの容積、使用するガスの流量に合わせ
て選択すればよい。また、排気速度を調整するためにバ
イパス配管を設け配管の抵抗により排気速度を変化させ
る方法やオリフィスバルブを設けその開口度により排気
速度を変化させる方法等も採用できる。プラズマやプラ
ズマ発生用の電磁波によりアークが発生する箇所には絶
縁性部材で覆い隠す手段も使用できる。絶緑性部材には
MCナイロン、テフロン、PPS樹脂、等のプラスチッ
ク部材やPEN、PET、等のフィルムを使用できる。
フィルムを使用する際にはフィルムからの脱ガスにより
真空度を低下する場合があるので注意する必要がある。
【0024】2)ガス導入手段202 ガスの流量制御にはマスフローコントローラーを使用す
る。真空チャンバー201内への導入はSUS製のパイ
プを使用し導入部をOリング等で真空シールする。チャ
ンバー201内ではプラズマ発生領域の近傍にガスが吹
き出すようにする。吹き出し位置はプラズマの分布に影
響しないように最適化すればよい。特にガスの吹き出し
位置は膜厚分布にも影響するのでブレードの形状に合わ
せて最適化すればよい。プラズマ発生用のガスには例え
ば、He、Ne、Ar、Kr、Xe、等の不活性ガスを
用いる。特に、Arは入手し易く、安価で、その他のガ
スは高価である。反応ガスには例えば、CH4、C
26、C38、C24、C2 2、C66、等の炭化水素
ガスを用いる。それぞれ使用するガスに応じて、マスフ
ローコントローラーのセンサーを校正する。
【0025】3)プラズマ発生手段203 プラズマCVDに使用するプラズマ発生手段は、直流放
電、高周波放電、直流アーク放電、マイクロECR波放
電が使用できる。特に直流アーク放電、マイクロ波EC
R放電はプラズマ密度が高く高速成膜に有利である。直
流放電はブレード−電極間に負の直流電圧を印加するこ
とによりプラズマを発生させる。直流電源は1〜10k
W程度のもので所望の投入パワーに応じて選択すればよ
い。また、2〜20kHzにパルス変調した負の直流電
源もアーク防止に有効である。高周波放電はマッチング
ボックスを介して電極に高周波電圧を印加することによ
りプラズマを発生させる。その際、マッチングボックス
によりインピーダンス整合を行い、高周波電圧の反射波
が入射波に対して25%以下なるようにする。高周波電
源は工業用の13.56MHzで1〜10kW程度のも
のから所望の投入パワーに応じて選択すればよい。まだ
パルス変調した高周波電源も使用できる。直流アーク放
電は熱陰極を使用するプラズマを発生させる。熱陰極に
はW、LaB6、等を使用できる。また、ホローカソー
ドを用いた直流アーク放電も使用できる。直流アーク放
電の直流電源には1〜10kW程度で10〜150A程
度流せるものがよい。マイクロ波ECR放電はマイクロ
波とECR磁場によりプラズマを発生させる。マイクロ
波電源には工業用の2.45GHzで1〜3kW程度の
ものから所望の投入パワーに応じて選択すればよい。ま
たECR用磁場には永久磁石、電磁石を用いて発生させ
ればよい。2.45GHzの場合のECR磁場は875
Gaussになるのでプラズマ発生領域が500〜20
00Gaussになるようにする。マイクロ波の導入に
は導波管を使用し誘電体窓、同軸変換器を使用して導入
すればよい。磁場の配置やマイクロ波の導入路は膜厚分
布に影響するので最適化すればよい。
【0026】4)ブレード支持手段209 ブレードはカソードに対し静止対向させる。また、図示
しない駆動手段により、例えば、回転させたり、カソー
ド上を移動できるようにしてもよい。これはブレードの
サイズ、膜厚分布から適宜選択すればよい。また、ブレ
ードとプラズマ発生部204との距離は20〜200m
m程度の範囲で選択し膜厚分布が良好になるように最適
化すればよい。
【0027】5)ブレードバイアス手段 プラズマCVDにて硬質膜を得るためにはブレードに負
のバイアス電圧を印加しながら成膜する。DLC膜は絶
縁性のため、バイアス電圧には高周波電圧の自己バイア
ス電圧を使用するのがよい。自己バイアス電圧は負の1
00〜500V程度である。高周波電源は工業用の1
3.56MHzで1〜5kW程度のものから所望の投入
パワーに応じて選択すればよく、膜質に応じて最適化す
ればよい。また、2〜20kHzにパルス変調した負の
直流電源を使用することもできる。
【0028】6)ブレードエッチング手段 膜の密着性を向上するために、ブレード表面をプラズマ
でエッチングするのがよい。エッチングの方法はブレー
ドにマッチングボックスを介して高周波電圧を印加す
る。高周波電源は工業用の13.56MHzで1〜5k
W程度のものから所望の投入パワーに応じて選択すれば
よい。エッチングの強さはブレードに印加される自己バ
イアス電圧を目安にするのがよい。自己バイアス電圧は
負の100〜500V程度であるが最適化すればよい。
【0029】
〔スパッタカーボン膜形成装置及び成膜条件の実施例〕
1)真空チャンバー101 排気速度が1500リツトル/分のロータリーポンプを
1台、12000リットル/分のメカニカルブースター
ポンプを1台、3000リットル/秒のターボポンプを
1台備え、材質がSUS304製で容積が約0.5m3
の真空チャンバーを使用した。また、ターボホンプの直
上にオリフィスバルブを配設し開口度を10〜100%
可変できるようにした。
【0030】2)ガス導入手段102 最大流量100〜500sccmのマスフローコントロ
ーラーとΦ6mmのSUSパイプを使用しArガスを真
空チャンバー内に導入した。SUSパイプの真空導入部
はOリングで真空シールした。
【0031】3)スパッタリング手段103 SmCo磁石を内部に配設した矩形型で幅500mm、
高さ200mmのカソードを使用し磁石とカソード内部
とバッキングプレートの裏面を水冷した。バッキングプ
レートには矩形状に加工した焼結カーボン材をIn系ハ
ンダを用いて張り付けた。電源には最大出力8kWの負
電位の直流電源を用い3〜6kW印加した。2〜20k
Hzの範囲でパルス状に変調できるようにした。
【0032】4)ブレード支持手段109 ブレードはカソードに対向して配設できるようにした。
ブレードとターゲット材表面との距離が50〜150m
mになるようにした。また、エッチング用の高周波電圧
が印加できるようにブレードホルダー部分を浮遊電位に
した。
【0033】5)ブレードエッチング手段 ブレード支持手段にマッチングボックスを介して高周波
電源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHz
で最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の100〜500Vになるように高周波出力を調
整した。
【0034】〔成膜条件1〕最初に、真空チャンバー内
にブレードをセットし、チャンバー内の圧力が5×10
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気
を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィス
バルブの調整をし、チャンバー内の圧力が5.0×10
-3、8.0×10-3Torrの水準になるようにした。
次に、ブレードに高周波電圧を印加し、自己バイアス電
圧200、300、400Vの水準で10分間ブレード
エッチングをした。エッチングを省略し、エッチングな
しの水準も含めた。次に、焼結グラファイト材をターゲ
ットにし、チャンバー内の圧力を1.0×10-3、3.
0×10-3、5.0×10-3、8.0×10-3Torr
の水準になるようArガス流量、オリフィスバルブを再
調整して、シャッターを閉じた状態で、ターゲットに直
流電力0.5kWを印加し、5分間スパッタリングをし
た。次に、同じ圧力のまま、スパッタリングパワーを5
kWに設定した後シャッターを開き、ブレードに付着す
る膜厚が1、2、3μmの水準になる時間だけスパッタ
リングをした。なお、成膜時間は予め成膜速度を求めて
おき、膜厚/成膜速度で計算した。
【0035】〔成膜条件2〕最初に、真空チャンバー内
にブレードをセットし、チャンバー内の圧力が5×10
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気
を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィス
バルブの調整をし、チャンバー内の圧力が5.0×10
-3、8.0×10-3Torrの水準になるようにした。
次に、ブレードに高周波電圧を印加し、自己バイアス電
圧200、300、400Vの水準で10分間ブレード
エッチングをした。エッチングを省略し、エッチングな
しの水準も含めた。次に、グラッシーカーボン材をター
ゲットにし、チャンバー内の圧力を1.0×10-3
3.0×10-3、5.0×10-3、8.0×10-3To
rrの水準になるようArガス流量、オリフィスバルブ
を再調整して、シャッターを閉じた状態で、ターゲット
に直流電力0.5kWを印加し、5分間スパッタリング
をした。次に、同じ圧力のまま、スパッタリングパワー
を5kWに設定した後シャッターを開き、ブレードに付
着する膜厚が1、2、3μmの水準になる時間だけスパ
ッタリングをした。なお、成膜時間は予め成膜速度を求
めておき、膜厚/成膜速度で計算した。
【0036】〔DLC膜形成装置及び成膜条件の実施
例〕 1)真空チャンバー201 排気速度が1500リットル/分のロータリーポンプを
1台、12000リットル/分のメカニカルブースター
ポンプを1台、3000リットル/秒のターボポンプを
1台備え、材質がSUS304製で容積が0.5m3
真空チャンバーを使用した。また、ターボポンプの直上
にオリフィスバルブを配設し開口度を10〜100%可
変できるようにした。
【0037】2)ガス導入手段202 最大流量100〜500sccmのマスフローコントロ
ーラーとΦ6mmのSUSパイプを使用しArガス、炭
化水素ガスをそれぞれ真空チャンバー内に導入した。S
USパイプの真空導入部はOリングで真空シールした。
【0038】3)プラズマ発生手段203 マイクロ波ECRプラスマ発生装置206を使用した。
発振周波数2.45GHz、最大出力1.5kWのマイ
クロ波電源を使用し0.8〜1.2kWを印加した。マ
イクロ波は導波管にて真空チャンバー近傍まで導き、同
軸変換後チャンバー内の放射状アンテナ205に導入し
た。プラズマ発生部204の大きさは矩形型で幅500
mm、高さ200mmとした。ECR用磁場はSmCo
製の磁石208を複数個使用しプラズマ発生部204の
形状に合わせて配設した。また、真空チャンバー内に誘
電体板212を配設した。
【0039】4)ブレード支持手段209 ブレードはプラズマ発生部に対向して配設できるように
した。ブレードとプラズマ発生部との距離が50〜15
0mmになるようにした。また、エッチング用の高周波
電圧が印加できるようにブレードホルダー部分を浮遊電
位にした。
【0040】5)ブレードバイアス手段 ブレード支持手段にマッチングボックスを介して高周波
電源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHz
で最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の200〜500Vになるように高周波出力を調
整した。
【0041】6)ブレードエッチング手段 ブレード支持手段にマッチングボックスを介して高周波
電源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHz
で最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の100〜500Vになるように高周波出力を調
整した。本実施例ではブレードバイアス手段でブレード
エッチング手段を兼用した。
【0042】〔成膜条件1〕最初に、真空チャンバー内
にブレードをセットし、チャンバー内の圧力が5×10
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気
を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィス
バルブの調整をし、チャンバー内の圧力が0.8×10
-3、1.0×10-3、5.0×10-3Torrの水準に
なるようにした。次に、マイクロ波を導入しマイクロ波
ECRプラズマを発生させた。次に、ブレードに高周波
電圧を印加し、自己バイアス電圧200、300、40
0Vの水準で5分間ブレードエッチングをした。エッチ
ングを省略し、エッチングなしの水準も含めた。次に、
自己バイアス電圧が200V、300V、400Vの水
準で高周波電圧の印加を継続しながら、CH4ガスを
2.0×10-3、3.0×10-3、5.0×10-3To
rrの水準になるよう導入し、プラズマCVDにてブレ
ードに1、2、3μmの水準になる時間だけ成膜した。
なお、成膜時間は予め成膜速度を求めておき、膜厚/成
膜速度で計算した。
【0043】〔成膜条件2〕最初に、真空チャンバー内
にブレードをセットし、チャンバー内の圧力が5×10
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気
を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィス
バルブの調整をし、チャンバー内の圧力が0.8×10
-3、1.0×10-3、5.0×10-3Torrの水準に
なるようにした。次に、マイクロ波を導入しマイクロ波
ECRプラズマを発生させた。次に、ブレードに高周波
電圧を印加し、自己バイアス電圧200、300、40
0Vの水準で5分間、ブレードエッチングをした。エッ
チングを省略し、エッチングなしの水準も含めた。次
に、自己バイアス電圧が200V、300V、400V
の水準で高周波電圧の印加を継続しながら、C22ガス
を2.0×10-3、3.0×10-3、5.0×10-3
orrの水準になるよう導入し、プラズマCVDにてブ
レードに1、2、3μmの水準になる時間だけ成膜し
た。なお、成膜時間は予め成膜速度を求めておき、膜厚
/成膜速度で計算した。
【0044】上述の形成装置及び成膜条件を用いて、以
下のようなウエブを用意した。 (実施例1)曲率半径R=2mm、ウエブ走行方向厚み
0.5mmの、ハイス鋼であるSKH鋼からなるブレー
ドに、スパッタカーボン膜を上述の成膜条件1のもとに
形成し、そのブレードを図1に示した付着物除去装置に
適用して付着物除去・塗布を行った。 (実施例2)曲率半径R=1.2mm、ウエブ走行方向
厚み0.5mmの、SKH鋼からなるブレードに、DL
C膜を上述の成膜条件1のもとに形成し、そのブレード
を図1に示した付着物除去装置に適用して付着物除去・
塗布を行った。 (比較例1)曲率半径R=3mm、ウエブ走行方向厚み
0.7mmの、SKHに硬質クロムメッキを施したブレ
ードを図1に示した付着物除去装置に適用して付着物除
去・塗布を行った。 (比較例2)曲率半径R=1.2mm、ウエブ走行方向
厚み0.3mmの、SKHからなるブレードを図1に示
した付着物除去装置に適用して付着物除去・塗布を行っ
た。
【0045】これらのウエブの塗膜表面を観察した結果
を表1に示す。
【表1】
【0046】表1から本発明の効果は明らかである。本
発明を適用した実施例1、2ではウエブの塗膜表面にス
ジ等の塗布欠陥が全く発生しなかった。また、使用後の
ブレードを顕微鏡で観察したところ、摩耗が全くなかっ
た。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の付着物除
去装置によれば、先端面の曲率半径を小さくしたブレー
ドにより、ウエブ表面の付着物を確実に除去することが
できる。また、ブレードの先端部表面に硬質カーボン膜
が形成されているので、ブレードが損傷する心配もな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】ブレードに硬質カーボン膜を形成するための装
置を示す図である。
【図3】ブレードに硬質カーボン膜を形成するための装
置を示す図である。
【符号の説明】
10 付着物除去装置(可撓性支持体の表面付着物除去
装置) 11 ブレード 16 ドクターエッジ 20 搬送ローラ 21 溶剤プレコート手段 P 溶剤 W ウエブ(可撓性支持体) L 塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC02 AC53 AC86 CA48 DA04 DB48 DC27 EA02 EA05 EC30 4F041 AA12 AB01 BA05 BA17 BA56 CA02 CA12 CA22 4F042 AA22 DD07 4K030 AA09 AA16 BA27 BA28 DA04 FA02 LA23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に付着物を有する可撓性支持体に、
    溶剤が塗布された後に押しつけて前記溶剤及び付着物を
    掻き落とすブレードを備えた可撓性支持体の表面付着物
    除去装置において、 前記ブレードの、前記溶剤及び付着物を掻き落とす箇所
    に硬質カーボン膜を設けたことを特徴とする可撓性支持
    体の表面付着物除去装置。
JP11076179A 1999-03-19 1999-03-19 可撓性支持体の表面付着物除去装置 Pending JP2000262954A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7754285B2 (en) 2001-08-17 2010-07-13 Fujifilm Corporation Method for forming a plurality of coating layers on a continuous substrate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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