JP2000262939A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2000262939A
JP2000262939A JP11076154A JP7615499A JP2000262939A JP 2000262939 A JP2000262939 A JP 2000262939A JP 11076154 A JP11076154 A JP 11076154A JP 7615499 A JP7615499 A JP 7615499A JP 2000262939 A JP2000262939 A JP 2000262939A
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JP
Japan
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rod
film
coating
plasma
gas
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JP11076154A
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English (en)
Inventor
Makoto Kashiwatani
誠 柏谷
Shinsuke Takahashi
伸輔 高橋
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜表面の高度な平滑性を得ることができ、
削れカスの発生を抑制して削れカスによって誘発される
塗布故障が生じることのない塗布装置提供する。 【解決手段】 本発明の塗布装置10は、複数の搬送ロ
ーラ20に沿ってウエブWを矢印X方向に移送させなが
ら、上流側エッジ11とロッドホルダ12との間に形成
されたスリット13から、加圧した塗布液をウエブWに
吐出する。そしてスリット13の下流にてロッドホルダ
12に支持されたフラットロッド15によって塗布液を
計量して塗膜表面21を形成する。フラットロッド15
の表面には硬質カーボン膜が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種写真フィルム
や印画紙、磁気記録媒体等の、イメージあるいはデータ
を記録する記録媒体の製造時に、各種塗布液を塗布する
塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行する可撓性支持体(以下「ウ
エブ」という)に塗布液を塗布する塗布装置として、様
々なものが提案されている。特開昭62−60750号
公報には、上流側エッジと下流側エッジとの間に形成さ
れたスリットから、加圧した塗布液を吐出し、スリット
の吐出口に支持されたフラットロッドによって塗布液を
ウエブに転着して塗膜を形成できる塗布装置が記載され
ている。特開平6−296992号公報には、上流側エ
ッジと下流側エッジとの間に形成されたスリットから余
剰量の塗布液を吐出し、スリットの下流に配置されたフ
ラットロッドによって塗布液を計量して塗膜を形成する
塗布装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、磁気テ
ープ等の磁気記録媒体においては、記録の高密度化が望
まれており、それに伴い、塗膜表面の極めて高度な平滑
性が求められている。特開昭62−60750号公報や
特開平6−296992号公報に記載された塗布装置の
ように、フラットロッドをウエブに押しつけて塗膜を形
成する場合、ロッド下流側における塗膜表面の状態が不
安定になり、塗膜表面に、ウエブ幅方向に間隔を隔てて
形成される複数の薄いスジ、所謂リブスジが発生するこ
とがあった。記録の高密度化に伴い、このようなスジも
確実に除去する必要が生じてきている。また、ロッドを
用いた塗布装置では、ロッドとロッドを支持する部材と
の摺接面において削れカスが生じ、そのカスがウエブに
付着したり、塗膜表面にスジを形成したりして、塗布故
障が生じ易かった。
【0004】本発明は以上のような背景に基づいてなさ
れたものであって、その目的は、塗膜表面の高度な平滑
性を得ることができ、かつ削れカスの発生を抑制して削
れカスによって誘発される塗布故障が生じることのない
塗布装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、複数の案内ローラによって形成される走行路に沿っ
て連続的に移送される長尺の可撓性支持体の一方の表面
に、フラットロッドを押しけて塗膜を形成する塗布装置
において、前記フラットロッドの表面に硬質カーボン膜
を設けたことを特徴とする可撓性支持体の表面付着物除
去装置よって達成される。
【0006】ここで硬質カーボン膜とは、スパッタカー
ボン膜や、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜等
のことをいう。スパッタカーボン膜及びDLC膜の詳細
は後述する。
【0007】このような構成の塗布装置によれば、硬質
カーボン膜の表面が塗布液をはじく物性を有しているの
でロッドから塗布液が円滑に離れ、ロッド下流側におけ
る塗膜表面の状態を安定に保つことができる。したがっ
て、塗膜表面にリブスジが発生することを顕著に抑制す
ることができる。また、硬質カーボン膜が良好な摺動性
を有しているので、ロッドとロッドを支持する部材との
摺接箇所において削れカスが生じることがない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1に、本発明の実施形態である塗
布装置を示す。塗布装置10は、複数の搬送ローラ20
に沿ってウエブWを矢印X方向に移送させながら、上流
側エッジ11とロッドホルダ12との間に形成されたス
リット13から、加圧した塗布液を吐出し、スリット1
3の下流にてロッドホルダ12に支持されたフラットロ
ッド15によって塗布液を計量して塗膜表面21を形成
する。フラットロッド15はその表面に硬質カーボン膜
を形成されており、図示しない駆動手段によって、ウエ
ブWの走行方向と逆の方向に回転されるようになってい
る。
【0009】ここでウエブWとは、一般に、その幅が
0.3〜1m、長さが45〜10000m、厚さが2〜
200μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプ
ラスチックフィルム;紙;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−
ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙;アルミ
ニウム、銅、錫等の金属箔;等からなる可撓性帯状物あ
るいは該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成し
た帯状物等のことをいう。
【0010】上流側エッジ11は、ウエブWに対向する
一湾曲面からなる先端面11aと、先端面11aの上流
端に接続されている一平面からなる上流側面と、先端面
11aの下流端に接続されている一平面からなる下流側
面とを備えている。ロッドホルダ12は先端に断面V字
状の凹部を有し、その凹部でロッド15を支持してい
る。ロッドホルダ12の上流側面、およびロッド周面の
上流側は、上流側エッジ11の下流側面との間にスリッ
ト13を形成している。スリット13は液溜14に連通
しており、液溜14には図示しない塗布液供給源から塗
布液が圧送される。
【0011】このような構成の除去装置10において、
先ず、スリット13から加圧された塗布液がウエブW表
面に吐出される。このとき、オーバーフローした塗布液
は上流側エッジ11の先端面11a側に溢れる。次い
で、回転するロッド15によって塗布液の計量および平
滑化がなされる。このとき、ロッド15周面から塗布液
が離れる箇所における塗膜表面21aは、曲率半径が小
さい滑らかな円弧面となる。
【0012】以上のような塗布装置10によれば、硬質
カーボン膜の表面が塗布液をはじく物性を有しているの
でロッド15から塗布液が円滑に離れ、ロッド15下流
側における塗膜表面21の状態を安定に保つことができ
る。したがって、塗膜表面21にリブスジが発生するこ
とを顕著に抑制することができる。また、硬質カーボン
膜が良好な摺動性を有しているので、ロッド15とロッ
ドホルダ12の凹部との接触点Cにおいて削れカスが生
じることがない。
【0013】フラットロッド15に硬質カーボン膜を形
成する成膜方法は、一般的には大きく2種に大別でき、
焼結カーボン材、グラッシーカーボン材等をターゲット
材にしたスパッタリングによる方法と、炭化水素ガスを
反応ガスに用いたプラズマCVDによる方法がある。以
下にスパッタリング、プラズマCVDで使用する装置、
成膜方法についてを説明する。最初にスパッタリングに
よる硬質カーボン膜(スパッタカーボン膜)の形成につ
いて説明し、次にプラズマCVDによる硬質カーボン膜
(DLC膜)の形成について説明する。
【0014】〔スパッタカーボン膜形成〕図2に、スパ
ッタカーボン膜形成装置を示す。スパッタカーボン膜形
成装置100は、真空チャンバー101、ガス導入手段
102、スパッタリング手段103、ロッド支持手段1
09、ロッドエッチング手段を備えている。 1)真空チャンバー101 カソード用磁場が外乱を受けないように、SUS304
等の非磁性材質が好ましい。真空チャンバー101の真
空シール性能は、初期排気の到達圧力で2×10-5To
rr以下、好ましくは5×10-6Torr以下、成膜中
は1×10-4Torr〜1×10-2Torrを維持でき
ればよい。真空排気ポンプ111はロータリーポンプ、
メカニカルブースターポンプ、ターボポンプの組み合わ
せ、ターボポンプの代わりにディフュージョンポンプ、
クライオポンプ、等が選択できる。排気能力、台数は真
空チャンバー101の容積、使用するガスの流量に合わ
せて選択すればよい。また、排気速度を調整するために
バイパス配管を設け配管の抵抗により排気速度を変化さ
せる方法や、オリフィスバルブを設けその開口度により
排気速度を変化させる方法等も採用できる。また真空チ
ャンバー101には、ロッド支持手段109に支持され
るロッドとターゲット材105の間を開閉するシャッタ
ー部材112が設けられている。
【0015】2)ガス導入手段102 ガスの流量制御にはマスフローコントローラー(MF
C)を使用する。真空チャンバー101内へのガスの導
入は、酸化防止のためSUS製のパイプを使用し導入部
をOリング等で真空シールする。真空チャンバー101
内ではプラズマ発生領域の近傍にガスが吹き出すように
する。吹き出し位置はプラズマの分布に影響しないよう
に最適化すればよい。プラズマ発生用のガスには例え
ば、He、Ne、Ar、Kr、Xe、等の不活性ガスを
用いる。特に、Arは入手し易く、安価で、その他のガ
スは高価である。
【0016】3)スパッタリング手段103 スパッタリングではカソード104に、スパッタリング
するターゲット材105を配設し、カソード104を負
電位にすると共に、その表面にプラズマを発生させ、対
向して配設したロッドの表面にスパッタリングにより弾
き出されたターゲット材料を付着させることで成膜す
る。ターゲット材105表面にプラズマを発生するに
は、負電位の直流電源106を直接カソード104に接
続し、負の300〜1000V程度の直流電圧を印加す
ることでプラズマ発生させる。直流電源106は1〜1
0kW程度のものから所望の投入パワーに応じて選択す
ればよい。また、2〜20kHzにパルス変調した負の
直流電源もアーク防止に有効である。高周波電源を用い
る場合にはマッチングボックスを介してカソード104
に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ
る。その際、マッチングボックスによりインピーダンス
整合を行い、高周波電圧の反射波が入射波に対して25
%以下なるように調整する。高周波電源は工業用の1
3.56MHzで1〜10kW程度ものもから所望の投
入パワーに応じて選択すればよい。またパルス変調した
高周波電源も使用できる。ターゲット材105は直接カ
ソード104にIn系ハンダ等を用いて張り付けてもよ
く、また機械的にボルト等で固定してもよい。一般的に
は無酸素銅、SUSからなるバッキングプレート107
の上にターゲット材105を張り付ける。カソード10
4、バッキングプレート107は水冷し、間接的にター
ゲット材105も水冷できる構造にする。また、カソー
ド104の内部に永久磁石107、電磁石を配設しター
ゲット材105表面に磁場を形成することでプラズマを
閉じこめるマグネトロンスパッタリング方法もある。マ
グネトロンスパッタリング方法は成膜速度を向上でき有
用である。カソード104の形状は成膜するロッドの形
状に合わせて最適化すればよい。また、マグネトロンス
パッタリングの場合の永久磁石108の配置、電磁石の
形状も膜厚分布に対して最適化すればよい。永久磁石1
08にはSmCo、NdFeB、等の高磁場を発生する
ものを使用するとプラズマを十分に閉じこめることがで
きる。磁場の強さも膜厚分布に応じて最適化すればよ
い。
【0017】4)ロッド支持手段109 ロッドはカソード104に対し静止対向させる。また、
図示しない駆動手段により回転させたり、カソード10
4上を移動できるようにしてもよい。これはロッドのサ
イズ、膜厚分布から適宜選択すればよい。また、ロッド
とターゲット材105表面との距離は20〜200mm
程度の範囲で選択し膜厚分布が良好になるように最適化
すればよい。
【0018】5)ロッドエッチング手段 膜の密着性を向上するために、ロッド表面をプラズマで
エッチングするのがよい。エッチングの方法はロッドに
マッチングボックスを介して高周波電圧を印加する。高
周波電源は工業用の13.56MHzで1〜5kW程度
のものから選択すればよい。エッチングの強さはロッド
に印加される自己バイアス電圧を目安にするのがよい。
自己バイアス電圧は負の100〜500V程度であるが
最適化すればよい。
【0019】〔DLC膜形成〕図3に、DLC膜形成装
置を示す。DLC膜形成装置200は、真空チャンバー
201、ガス導入手段202、プラズマ発生手段20
3、ロッド支持手段209、ロッドバイアス手段、ロッ
ドエッチング手段を備えている。 1)真空チャンバー201 プラズマ発生用磁場が外乱を受けないように、SUS3
04等の非磁性材質が好ましい。真空チャンバー201
の真空シール性能は、初期排気の到達圧力で2×10-5
Torr以下、好ましくは5×10-6Torr以下、成
膜中は1×10 -4Torr〜1×10-2Torrを維持
できればよい。真空排気ポンプ211はロータリーポン
プ、メカニカルブースターポンプ、ターボポンプの組み
合わせ、ターボポンプの代わりにディフュージョンポン
プ、クライオポンプ、等が選択できる。排気能力、台数
は真空チャンバー201の容積、使用するガスの流量に
合わせて選択すればよい。また、排気速度を調整するた
めにバイパス配管を設け配管の抵抗により排気速度を変
化させる方法やオリフィスバルブを設けその開口度によ
り排気速度を変化させる方法等も採用できる。プラズマ
やプラズマ発生用の電磁波によりアークが発生する箇所
には絶縁性部材で覆い隠す手段も使用できる。絶緑性部
材にはMCナイロン、テフロン、PPS樹脂、等のプラ
スチック部材やPEN、PET、等のフィルムを使用で
きる。フィルムを使用する際にはフィルムからの脱ガス
により真空度を低下する場合があるので注意する必要が
ある。
【0020】2)ガス導入手段202 ガスの流量制御にはマスフローコントローラーを使用す
る。真空チャンバー201内へのガス導入はSUS製の
パイプを使用し導入部をOリング等で真空シールする。
真空チャンバー201内ではプラズマ発生領域の近傍に
ガスが吹き出すようにする。吹き出し位置はプラズマの
分布に影響しないように最適化すればよい。特にガスの
吹き出し位置は膜厚分布にも影響するのでロッドの形状
に合わせて最適化すればよい。プラズマ発生用のガスに
は例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xe、等の不活性
ガスを用いる。図3では、不活性ガス用のガス導入手段
が符号202aで示されている。特に、Arは入手し易
く、安価で、その他のガスは高価である。反応ガスには
例えば、CH4 、C2 6 、C3 3 、C2 4 、C2
2 、C6 6 、等の炭化水素ガスを用いる。図3で
は、反応ガス用のガス導入手段が符号202bで示され
ている。それぞれ使用するガスに応じて、マスフローコ
ントローラーのセンサーを校正する。
【0021】3)プラズマ発生手段203 プラズマCVDに使用するプラズマ発生手段203は、
直流放電、高周波放電、直流アーク放電、マイクロEC
R波放電が使用できる。特に直流アーク放電、マイクロ
波ECR放電はプラズマ密度が高く高速成膜に有利であ
る。直流放電はロッド−電極間に負の直流電圧を印加す
ることによりプラズマを発生させる。直流電源は1〜1
0kW程度のもので所望の投入パワーに応じて選択すれ
ばよい。また、2〜20kHzにパルス変調した負の直
流電源もアーク防止に有効である。高周波放電はマッチ
ングボックスを介して電極に高周波電圧を印加すること
によりプラズマを発生させる。その際、マッチングボッ
クスによりインピーダンス整合を行い、高周波電圧の反
射波が入射波に対して25%以下なるようにする。高周
波電源は工業用の13.56MHzで1〜10kW程度
のものから所望の投入パワーに応じて選択すればよい。
まだパルス変調した高周波電源も使用できる。直流アー
ク放電は熱陰極を使用するプラズマを発生させる。熱陰
極にはW、LaB6 、等を使用できる。また、ホローカ
ソードを用いた直流アーク放電も使用できる。直流アー
ク放電の直流電源には1〜10kW程度で10〜150
A程度流せるものがよい。マイクロ波ECR放電はマイ
クロ波とECR磁場によりプラズマを発生させる。マイ
クロ波電源には工業用の2.45GHzで1〜3kW程
度のものから所望の投入パワーに応じて選択すればよ
い。またECR用磁場には永久磁石、電磁石を用いて発
生させればよい。2.45GHzの場合のECR磁場は
875Gaussになるのでプラズマ発生領域が500
〜2000Gaussになるようにする。マイクロ波の
導入には導波管を使用し誘電体窓、同軸変換器を使用し
て導入すればよい。磁場の配置やマイクロ波の導入路は
膜厚分布に影響するので最適化すればよい。
【0022】4)ロッド支持手段209 ロッドはカソード204に対し静止対向させる。また、
図示しない駆動手段により、例えば、回転させたり、カ
ソード204上を移動できるようにしてもよい。これは
ロッドのサイズ、膜厚分布から適宜選択すればよい。ま
た、ロッドとプラズマ発生部204との距離は20〜2
00mm程度の範囲で選択し膜厚分布が良好になるよう
に最適化すればよい。
【0023】5)ロッドバイアス手段 プラズマCVDにて硬質膜を得るためにはロッドに負の
バイアス電圧を印加しながら成膜する。DLC膜は絶縁
性のため、バイアス電圧には高周波電圧の自己バイアス
電圧を使用するのがよい。自己バイアス電圧は負の10
0〜500V程度である。高周波電源は工業用の13.
56MHzで1〜5kW程度のものから所望の投入パワ
ーに応じて選択すればよく、膜質に応じて最適化すれば
よい。また、2〜20kHzにパルス変調した負の直流
電源を使用することもできる。
【0024】6)ロッドエッチング手段 膜の密着性を向上するために、ロッド表面をプラズマで
エッチングするのがよい。エッチングの方法はロッドに
マッチングボックスを介して高周波電圧を印加する。高
周波電源は工業用の13.56MHzで1〜5kW程度
のものから所望の投入パワーに応じて選択すればよい。
エッチングの強さはロッドに印加される自己バイアス電
圧を目安にするのがよい。自己バイアス電圧は負の10
0〜500V程度であるが最適化すればよい。
【0025】
〔スパッタカーボン膜形成装置及び成膜条件の実施例〕
1)真空チャンバー101 排気速度が1500リツトル/分のロータリーポンプを
1台、12000リットル/分のメカニカルブースター
ポンプを1台、3000リットル/秒のターボポンプを
1台備え、材質がSUS304製で容積が約0.5m3
の真空チャンバーを使用した。また、ターボポンプの直
上にオリフィスバルブを配設し開口度を10〜100%
可変できるようにした。
【0026】2)ガス導入手段102 最大流量100〜500sccmのマスフローコントロ
ーラーとΦ6mmのSUSパイプを使用しArガスを真
空チャンバー内に導入した。SUSパイプの真空導入部
はOリングで真空シールした。
【0027】3)スパッタリング手段103 SmCo磁石を内部に配設した矩形型で幅500mm、
高さ200mmのカソード104を使用し磁石108と
カソード104内部とバッキングプレート107の裏面
を水冷した。バッキングプレート105には矩形状に加
工した焼結カーボン材をIn系ハンダを用いて張り付け
た。電源には最大出力8kWの負電位の直流電源を用い
3〜6kW印加した。2〜20kHzの範囲でパルス状
に変調できるようにした。
【0028】4)ロッド支持手段109 ロッドはカソード104に対向して配設できるようにし
た。ロッドとターゲット材表面との距離が50〜150
mmになるようにした。また、エッチング用の高周波電
圧が印加できるようにロッドホルダー部分を浮遊電位に
した。
【0029】5)ロッドエッチング手段 ロッド支持手段にマッチングボックスを介して高周波電
源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHzで
最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の100〜500Vになるように高周波出力を調
整した。
【0030】〔成膜条件1〕最初に、真空チャンバー内
にロッドをセットし、真空チャンバー内の圧力が5×1
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排
気を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィ
スバルブの調整をし、真空チャンバー内の圧力が5.0
×10-3、8.0×10-3Torrの水準になるように
した。次に、ロッドに高周波電圧を印加し、自己バイア
ス電圧200、300、400Vの水準で10分間ロッ
ドエッチングをした。エッチングを省略し、エッチング
なしの水準も含めた。次に、焼結グラファイト材をター
ゲットにし、真空チャンバー内の圧力を1.0×1
-3、3.0×10-3、5.0×10-3、8.0×10
-3Torrの水準になるようArガス流量、オリフィス
バルブを再調整して、シャッター部材112を閉じた状
態で、ターゲットに直流電力0.5kWを印加し、5分
間スパッタリングをした。次に、同じ圧力のまま、スパ
ッタリングパワーを5kWに設定した後シャッター部材
112を開き、ロッドに付着する膜厚が1、2、3μm
の水準になる時間だけスパッタリングをした。なお、成
膜時間は予め成膜速度を求めておき、膜厚/成膜速度で
計算した。
【0031】〔成膜条件2〕最初に、真空チャンバー内
にロッドをセットし、チャンバー内の圧力が5×10-6
Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気を
継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィスバ
ルブの調整をし、チャンバー内の圧力が5.0×1
-3、8.0×10-3Torrの水準になるようにし
た。次に、ロッドに高周波電圧を印加し、自己バイアス
電圧200、300、400Vの水準で10分間ロッド
エッチングをした。エッチングを省略し、エッチングな
しの水準も含めた。次に、グラッシーカーボン材をター
ゲットにし、チャンバー内の圧力を1.0×10-3
3.0×10-3、5.0×10-3、8.0×10-3To
rrの水準になるようArガス流量、オリフィスバルブ
を再調整して、シャッター部材112を閉じた状態で、
ターゲットに直流電力0.5kWを印加し、5分間スパ
ッタリングをした。次に、同じ圧力のまま、スパッタリ
ングパワーを5kWに設定した後シャッターを開き、ロ
ッドに付着する膜厚が1、2、3μmの水準になる時間
だけスパッタリングをした。なお、成膜時間は予め成膜
速度を求めておき、膜厚/成膜速度で計算した。
【0032】〔DLC膜形成装置及び成膜条件の実施
例〕 1)真空チャンバー201 排気速度が1500リットル/分のロータリーポンプを
1台、12000リットル/分のメカニカルブースター
ポンプを1台、3000リットル/秒のターボポンプを
1台備え、材質がSUS304製で容積が0.5m3
真空チャンバーを使用した。また、ターボポンプの直上
にオリフィスバルブを配設し開口度を10〜100%可
変できるようにした。
【0033】2)ガス導入手段202 最大流量100〜500sccmのマスフローコントロ
ーラーとΦ6mmのSUSパイプを使用しArガス、炭
化水素ガスをそれぞれ真空チャンバー内に導入した。S
USパイプの真空導入部はOリングで真空シールした。
【0034】3)プラズマ発生手段203 マイクロ波ECRプラスマ発生装置206を使用した。
発振周波数2.45GHz、最大出力1.5kWのマイ
クロ波電源を使用し0.8〜1.2kWを印加した。マ
イクロ波は導波管にて真空チャンバー近傍まで導き、同
軸変換後チャンバー内の放射状アンテナ205に導入し
た。プラズマ発生部204の大きさは矩形型で幅500
mm、高さ200mmとした。ECR用磁場はSmCo
製の磁石208を複数個使用しプラズマ発生部204の
形状に合わせて配設した。また、真空チャンバー内に誘
電体板212を配設した。
【0035】4)ロッド支持手段209 ロッドはプラズマ発生部に対向して配設できるようにし
た。ロッドとプラズマ発生部との距離が50〜150m
mになるようにした。また、エッチング用の高周波電圧
が印加できるようにロッドホルダー部分を浮遊電位にし
た。
【0036】5)ロッドバイアス手段 ロッド支持手段にマッチングボックスを介して高周波電
源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHzで
最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の200〜500Vになるように高周波出力を調
整した。
【0037】6)ロッドエッチング手段 ロッド支持手段にマッチングボックスを介して高周波電
源を接続した。高周波電源は周波数13.56MHzで
最大出力3kWにした。自己バイアス電圧をモニター
し、負の100〜500Vになるように高周波出力を調
整した。本実施例ではロッドバイアス手段でロッドエッ
チング手段を兼用した。
【0038】〔成膜条件1〕最初に、真空チャンバー内
にロッドをセットし、真空チャンバー内の圧力が5×1
-6Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排
気を継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィ
スバルブの調整をし、真空チャンバー内の圧力が0.8
×10-3、1.0×10-3、5.0×10-3Torrの
水準になるようにした。次に、マイクロ波を導入しマイ
クロ波ECRプラズマを発生させた。次に、ロッドに高
周波電圧を印加し、自己バイアス電圧200、300、
400Vの水準で5分間ロッドエッチングをした。エッ
チングを省略し、エッチングなしの水準も含めた。次
に、自己バイアス電圧が200V、300V、400V
の水準で高周波電圧の印加を継続しながら、CH4 ガス
を2.0×10-3、3.0×10-3、5.0×10-3
orrの水準になるよう導入し、プラズマCVDにてロ
ッドに1、2、3μmの水準になる時間だけ成膜した。
なお、成膜時間は予め成膜速度を求めておき、膜厚/成
膜速度で計算した。
【0039】〔成膜条件2〕最初に、真空チャンバー内
にロッドをセットし、チャンバー内の圧力が5×10-6
Torrになるまで真空排気をした。次に、真空排気を
継続しながら、Arガスを導入し、さらにオリフィスバ
ルブの調整をし、チャンバー内の圧力が0.8×1
-3、1.0×10-3、5.0×10-3Torrの水準
になるようにした。次に、マイクロ波を導入しマイクロ
波ECRプラズマを発生させた。次に、ロッドに高周波
電圧を印加し、自己バイアス電圧200、300、40
0Vの水準で5分間、ロッドエッチングをした。エッチ
ングを省略し、エッチングなしの水準も含めた。次に、
自己バイアス電圧が200V、300V、400Vの水
準で高周波電圧の印加を継続しながら、C2 2 ガスを
2.0×10-3、3.0×10-3、5.0×10-3To
rrの水準になるよう導入し、プラズマCVDにてロッ
ドに1、2、3μmの水準になる時間だけ成膜した。な
お、成膜時間は予め成膜速度を求めておき、膜厚/成膜
速度で計算した。
【0040】上述の塗布装置、形成装置及び成膜条件を
用いて、各種ウエブを用意した。塗布条件を以下に示
す。 走行条件 速度200m/分、テンション15kg/m 可撓性支持体 550mm幅、PETベース、厚み9.5μm 塗布速度 下記塗布液をスリットから8リットル/分吐出 フラットロッド 各実施例、比較例による
【0041】
【表1】
【0042】(実施例1)直径3mm、SUS製のロッ
ドの表面に、DLC膜を2μmの厚みで形成したものを
用いて塗布を行った。 (実施例2)直径6mm、超硬製のロッドの表面に、ス
パッタカーボン膜を2μmの厚みで形成したものを用い
て塗布を行った。 (比較例1)直径3mm、SUS製のロッドを用いて塗
布を行った。 (比較例2)直径6mm、超硬製のロッドを用いて塗布
を行った。
【0043】これらのウエブの塗膜表面、および塗布装
置を観察した。実施例1および実施例2によるウエブで
は良好な塗膜表面が得られ、20000mの連続塗布に
おいてもスジは発生しなかった。また、10時間の塗布
の後にロッドとロッドホルダを観察したが、それらの表
面に変化はなかった。
【0044】比較例1によるウエブでは、塗膜表面に1
〜2mmピッチのリビング(波うち)が観察され、20
00mの連続塗布においては不定期に1、2本のスジが
観察された。そして、更に10000mを過ぎた頃から
は、連続するスジが数本観察された。また、10時間の
塗布の後にロッドとロッドホルダを観察したところ、ロ
ッド表面に無数の傷が見られた。比較例2によるウエブ
では、塗膜表面に2〜3mmピッチの強いリビングが観
察され、2000mの連続塗布においては不定期に1、
2本のスジが観察された。そして、更に10000mを
過ぎた頃からは、連続するスジが数本観察された。ま
た、10時間の塗布の後にロッドとロッドホルダを観察
したところ、ロッドホルダ表面に無数の傷が見られた。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の塗
布装置によれば、塗膜表面の高度な平滑性を得ることが
できる。また、ロッドとロッドホルダの摺接による削れ
カスが生じることがない。したがって、各種記録媒体を
長期間に渡り安定して製造することができる。尚、前述
した実施形態においては、ロッドをウエブの走行方向と
逆方向に強制駆動される方式としたが、例えばロッドは
ウエブの走行方向と同方向に回転してもよいし、停止し
ていてもよいし、強制駆動ではない方式を採用してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図である。
【図2】ロッドに硬質カーボン膜を形成するための装置
を示す図である。
【図3】ロッドに硬質カーボン膜を形成するための装置
を示す図である。
【符号の説明】
10 塗布装置 11 上流側エッジ 12 ロッドホルダ 13 スリット 15 ロッド 20 搬送ローラ 21 塗膜表面 W ウエブ(可撓性支持体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F040 AA22 AB20 AC01 BA29 CB01 CB12 CB21 CB36 4F041 AA12 AB01 CA02 CA12 CA21 4K030 BA28 CA11 LA11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の案内ローラによって形成される走
    行路に沿って連続的に移送される長尺の可撓性支持体の
    一方の表面に、フラットロッドを押しつけて塗膜を形成
    する塗布装置において、 前記フラットロッドの表面に硬質カーボン膜を設けたこ
    とを特徴とする可撓性支持体の表面付着物除去装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013146659A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Miyako Roller Industry Co 基材への機能性コーティング剤コーティング方法とコーティング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013146659A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Miyako Roller Industry Co 基材への機能性コーティング剤コーティング方法とコーティング装置

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