JP2000262595A - 血液バック用放射線照射装置 - Google Patents

血液バック用放射線照射装置

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JP2000262595A
JP2000262595A JP11072383A JP7238399A JP2000262595A JP 2000262595 A JP2000262595 A JP 2000262595A JP 11072383 A JP11072383 A JP 11072383A JP 7238399 A JP7238399 A JP 7238399A JP 2000262595 A JP2000262595 A JP 2000262595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急時の1個の血液バッグのX線照射機能も
備えた血液バッグ用X線照射装 置を提供する。 【解決手段】 複数の血液バッグを搭載、収容できるタ
ーンテーブル2と、前記血液バッグへX線を照射するX
線源1と、このX線源1から前記血液バッグへ照射するX
線量を制御する制御器とを備えた血液バッグ用放射線照
射装置において、前記ターンテーブル2の所定の位置へ1
個の血液バッグ3を位置決めして保持する血液バッグホ
ルダ13と、この血液バッグホルダ13が前記ターンテーブ
ル2に取り付けられたことを検出する磁気センサ15b
と、この磁気センサ15bの出力信号の有無によって前記
X線源1から照射されるX線仕様を前記制御器9のデータ
部10に備えた血液バッグ1個の照射仕様を選択し、この
X線仕様に基ずいてX線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、1個の血液バッグ
の緊急放射線照射が効率良くできる血液バック用放射線
照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、輸血によるGVHD(Graft Ver
sus Host Disease:移植片対宿主病)の発症が問題と
なっている。この予防には、輸血前の血液〔血液成分
(赤血球,血小板等)毎に分離し、血液保存袋に封入し
た血液製剤を含む。〕に適宜線量のX線,γ線,電子線
などの放射線、例えば15〜50グレイ(1500〜5000ラド)
のX線を照射して血液内のリンパ球等を不活性化させる
のが有効であるとされ、現在普及している。
【0003】ところで、このような血液への放射線照射
は、通常、血液をその保存用袋(これを輸血用保存袋と
いう。血液製剤保存袋を含む。)に入れた状態で血液バ
ック用放射線照射装置を用いて放射線照射が行なわれて
いる。照射される放射線としては、一般的にX線が用い
られている。
【0004】従来この種のX線照射装置は、装置匡体内
の上部にX線管装置を配備すると共に、X線照射野の中
央部に血液バックを置くテーブルを配置し、ここにX線
を照射する構成と成っている。この場合、X線管装置か
ら照射されるX線量の分布は、照射野内で均一でないこ
とは知られている。これを改善するために上記テーブル
として平面上で回転するターンテーブルを用い、この上
に多数の血液バックを載せ、X線を照射するように構成
されていた。
【0005】しかし、ターンテーブルを用いただけで
は、平面方向では均一化されるものの、血液バッグの厚
み方向の線量分布の均一性がとれないという問題があっ
た。この解決策として特開平10−274699号に記載の血液
バッグ用放射線照射装置が提示されている。この発明は
平面上で回転するターンテーブルをターンテーブル毎表
面より裏面に反転させ、血液バックの表面方向と裏面方
向よりX線を照射し、血液バッグの厚み方向の線量分布
を均一にする機能を備えていた。.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平10−274699
号の血液バッグ用放射線照射装置は、急患に対処するた
めの血液バッグ1個のみを短時間で緊急照射する機能は
備えていなかった。血液バッグ1個のみを短時間緊急照
射するには、X線を強く照射する必要がある。X線を強
く照射する方法としては、X線照射条件を上げるか、ま
たはX線源と血液バッグとの間の距離を短縮する2通り
がある。これらのうち、X線照射条件、すなわちX線管
電圧またはX線管電流を上げるとX線管の寿命が短くな
るので好ましいとは言えない、従って、X線源と血液バ
ッグ間の距離を短縮する方法を採用するのが好ましい
が、上記従来装置のようにターンテーブルへ多数の血液
バッグを収納するもので1個の血液バッグを短時間でX
線照射する場合、ターンテーブルを反転するときに血液
バッグの位置ずれを生ずる可能性がある、血液バッグを
X線源に近付けるとX線照射野が小さくなるので、血液
バッグの位置ずれは、X線照射の不均一を招き、血液バ
ッグ内の一部の血液にはX線が照射されないことも場合
によっては生じてしまうこととなる。
【0007】本発明の目的は、緊急時に1個の血液バッ
グを短時間でX線照射できる血液バッグ用X線照射装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、複数の血液バッグを収容し得る容
器を有したターンテーブルと、前記血液バッグへ放射線
を照射する放射線源と、この放射線源から前記血液バッ
グへ照射する放射線量を制御する制御器とを備えた血液
バッグ用放射線照射装置において、前記容器内の所定の
位置へ1個の血液バッグを位置決めして保持する血液バ
ッグホルダと、この血液バッグホルダが前記容器に取り
付けられたことを検出する血液バッグホルダ検出器と、
この血液バッグホルダ検出器の出力信号の有無によって
前記放射線源から照射される放射線量を可変設定する手
段を備えた構成とされる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明による血液バック
用放射線照射装置のブロック図を示す。図1において、1
はX線管装置で、下方向に広がる破線はX線の照射範囲
を示す。2はターンテーブルで、通常は二点鎖線の位置
まで下降している。3は緊急照射用の1個の血液バッグ、
4はX線管装置1に高電圧を与える高電圧発生装置、5は
血液バッグ3を透過したX線量を検知するプローブ、6は
このプローブ5から信号を受けてX線量の計測を行なう
線量計、7は血液バッグ用放射線照射装置全体を覆う防
護ボックス、8は前記X線管装置1を冷却する冷却器、9
は血液バッグ用放射線照射装置の制御器で、ターンテー
ブル2の回転停止、上昇下降、上下面の反転の各動作及
びX線照射条件を制御する機能を備えている、10は制御
器9の血液バッグ3への放射線の照射仕様を格納してある
データ部、13は血液バッグ1個を専用に収納する容積を
備えたバッグホルダを示す。
【0010】上記構成でなる血液バッグ用放射線照射装
置の全体の動作について説明する。図1において、複数
個の血液バッグ3のX線照射にはバッグホルダ13は用い
ずターンテーブル2に複数個の血液バッグ3を搭載し後記
する上蓋により、血液バッグ3の上面を押し付け、X線
源1より血液バッグ3に向かいX線を照射する。その透過
線量をプローブ5にて検知し、線量計6により計測表示す
る。このとき照射するX線量はターンテーブル2に収納
された血液バッグの数によって選択可能とされ、また、
ターンテーブル2の回転時間と開始から反転までの時間
また反転から終了までの時間も照射量に応じて制御され
る。
【0011】図2は本発明による血液バック用放射線照
射装置のターンテーブル部の外観の平面図を示し、図2
において、11はターンテーブル2の上面に蓋をしてター
ンテーブル2を上下反転したときに血液バッグ3の落下を
防止する上蓋、12はターンテーブル2の下面に蓋をして
血液バッグ3の下面を支える下蓋、14はバッグホルダ13
にターンテーブル2に固定するガイドピン、15aはバッ
グホルダ13に固定された磁石片、15bは磁石片15aを検
出することにより、血液バッグ1個の緊急照射を行うこ
とを制御器9に指示する機能を持つ検出器である磁気セ
ンサである。
【0012】上記構成でなる血液バッグ用放射線照射装
置の緊急照射の動作について説明する。予め、バッグホ
ルダ13をターンテーブル2上面に磁石片15aと磁気セン
サ15bの位置を合わせてガイドピン14で固定し、血液バ
ッグ3をその中に入れ別途設けられたスイッチ(図示せ
ず)を作動させると、X制御器9は予め用意されている
プログラムで磁気センサー15bが磁石片15aを検出する
ことにより、血液バッグは1個で緊急照射であることを
検知し、自動的にターンテーブル2を上昇させ回転させ
所定の時間X線を照射させる。そして所定時間経過する
とターンテーブル2を反転させ裏面より所定の量X線を
照射させてX線照射を終了させる。ターンテーブ2を上
昇させるのは血液バッグに照射されるX線強度を強くし
短時間で照射を終了させるためである。
【0013】次に、図3によりは本発明による血液バッ
グ用放射線照射装置の平面図を示しターンテーブルの
駆動機構について説明する。図3において、16は回転力
を伝達させるベルト、17はターンテーブル2を回転可能
に支持しているターンテーイブル取り付け基板、19はタ
ーンテーブル2の外周を回転可能に外周方向を係止しい
るコロ、20はターンテーブル回転駆動用のモートル、21
はモートル20の回転軸に直結したプーリー、23はターン
テーブル取り付け基板17を上下させる上下駆動用モート
ル、24は上下駆動用モートル23の回転力を第一のスプロ
ケットに伝達する第一のチェーン、25は第一のチェーン
24の回転力をスクリュー26に伝達する第一のスプロケッ
ト、26は第一のスプロケット25の回転力を上下方向の駆
動力に変換するスクリュー、27はスクリュー26の上下を
回転可能に支える支柱、28は上下駆動部を上下方向にガ
イドするレール、29はターンテーブル取付け基板17に固
定されスクリュー26の回転により上下に移動する上下駆
動部を示す。
【0014】30はターンテーブル2を反転させる動力源
となる反転駆動用モートル、31は反転駆動用モートル30
の軸に直結した第二のスプロケット、33は第二のスプロ
ケット31の回転力を第三のスプロケット32に伝えるため
の第二のチェーンを示す。
【0015】上記構成でなるターンテーブル2の回転動
作、上昇下降動作、反転動作について説明する。図3に
おいて、ターンテーブル2は、モートル20を回転させる
と、モートル20の回転力がその回転軸に直結したプリー
21に伝えられるとともに、プリー21からベルト16を介し
てターンテーブル2に伝えられターンテーブル2は回転さ
せられる。ターンテーブル2の上昇、下降動作は、上下
駆動用モートル23を回転させると、モートル23の回転軸
に取付けられたスプロケット(図示省略)を介して回転
力が第一のチェーン24、第一のスプロケット25へ伝達さ
れ、スクリュー26を回転させることによりネジ係合して
いる上下駆動部29をターンテーブル取付け基板17と一緒
に上昇させる。所定の高さまで上昇すると上下駆動用モ
ートルのスイッチ(図示せず)はOFFとなり回転を停
止し定位置で停止する。(逆方向に上下駆動用モートル
23を回転させることにより下降させる。)
【0016】次に、ターンテーブル2の反転動作につい
て説明する。ターンテーブル取り付け基板17を上昇させ
て停止した状態で、反転駆動用モートル30を図中矢印ハ
方向に回転させると、第二のスプロケット31も図中矢印
ハ方向に回転する。すると第二のチェーンを介して第三
のスプロケット32へ回転力が伝達され、第三のスプロケ
ット32に直結した回転軸35を中心とするX−X軸廻りに
ターンテーブル取り付け基板17が回転させられる。そし
て、ターンテーブル2がX−X軸廻りに1/2回転、すな
わち反転したところでモートルを停止させる。元の位置
に戻すにはこの逆の手順を行なえばよい。なお、以上の
動作説明で、モートル20,23,30の起動停止の制御につ
いては説明を省略したが、これらの制御は適宜な位置へ
リミットスイッチ等を配置し、その検出信号でのモート
ルの駆動回路を制御することで達成できる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、複数の血液バッグにX
線を照射する仕様の装置に、血液バッグ1個を収納とす
る容積を備えたバッグホルダと磁気センサーを設け、1
個の緊急照射の照遮仕様を制御する手段を制御器に追加
することにより、1個の血液バッグ専用の緊急放射線照
射装置に機能を拡張できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による血液バック用放射線照射装置のブ
ロック図。
【図2】本発明による血液バック用放射線照射装置のタ
ーンテーブル部の外観の平面図。
【図3】本発明による血液バック用放射線照射装置のタ
ーンテーブル駆動機構の平面図。
【符号の説明】
1 X線源 2 ターンテーブル 3 血液バッグ 9 制御器 10 データ部 13 バッグホルダ 15a 磁石片 15b 磁気センサ 17 ターンテーブル取り付け基板 20 モートル 23 上下駆動用モートル 30 反転駆動用モートル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の血液バッグを収容し得る容器を有
    したターンテーブルと、前記血液バッグへ放射線を照射
    する放射線源と、この放射線源から前記血液バッグへ照
    射する放射線量を制御する制御器とを備えた血液バッグ
    用放射線照射装置において、前記容器内の所定の位置へ
    1個の血液バッグを位置決めして保持する血液バッグホ
    ルダと、この血液バッグホルダが前記容器に取り付けら
    れたことを検出する血液バッグホルダ検出器と、この血
    液バッグホルダ検出器の出力信号の有無によって前記放
    射線源から照射される放射線量を可変設定する手段を備
    えたことを特徴とする血液バッグ用放射線照射装置。
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