JP2000260397A - 赤外線反射膜付き白熱電球 - Google Patents

赤外線反射膜付き白熱電球

Info

Publication number
JP2000260397A
JP2000260397A JP6257299A JP6257299A JP2000260397A JP 2000260397 A JP2000260397 A JP 2000260397A JP 6257299 A JP6257299 A JP 6257299A JP 6257299 A JP6257299 A JP 6257299A JP 2000260397 A JP2000260397 A JP 2000260397A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
refractive index
infrared
index film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6257299A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironobu Sakamoto
博信 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP6257299A priority Critical patent/JP2000260397A/ja
Publication of JP2000260397A publication Critical patent/JP2000260397A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 赤外線反射膜の可視光透過率と赤外線反射率
とを共に高める。 【解決手段】 赤外線反射膜2はガラスバルブ1の表面
に設けられ、光学膜厚が200nm〜300nmの第一
の高屈折率膜2aHと第一の低屈折率膜2aLとが交互
に積層された第一層2aと、第一層の光学膜厚とは異な
る200nm〜300nmの光学膜厚の第二の高屈折率
膜2bHと第二の低屈折率膜2bLとが交互に積層され
た第二層2bとを含む各々異なる光学膜厚を有する複数
の層によって構成され、各層の中に一層以上の(2.1
〜3.0)×(200〜300)nm、又は、4×(2
00〜300)nmの光学膜厚の高屈折率膜2aH’、
2bH’を挿入することで、可視光波長の範囲で高い透
過率特性を示すと共に、高反射率を示す赤外線波長の範
囲を従来よりも拡げることができるため、可視光を有効
に外部へ放射し、赤外線は有効にフィラメントへと帰還
させて、発光効率の向上を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィラメントを発光
源とする白熱電球に関するものであり、詳細には、バル
ブの表面に前記フィラメントから発せられる光束中の赤
外線を反射し、このフィラメントに帰還させる赤外線反
射膜が設けられ、これによりフィラメントの温度を上昇
させて消費電力を低減してランプ効率の向上を図った赤
外線反射膜付き白熱電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の赤外線反射膜付き白熱電
球90は、例えば図6に示すように構成されており、ガ
ラスバルブ91の底部には口金92が設けられ、ガラス
バルブ91内部には口金92に取り付けられたフィラメ
ント93が配設されている。また、ガラスバルブ91の
表面には赤外線反射膜94が形成され、フィラメント9
3から発せられる光束中の赤外線を反射し、再びフィラ
メント93に帰還させ、これによりフィラメント93の
温度を上昇させて消費電力を低減してランプ効率の向上
が図られている。
【0003】図7は前記赤外線反射膜94の構成をさら
に詳細に示すのもであり、ガラスバルブ91の外側表面
に、例えばTa、TiO、ZrO、ZnS等
の高屈折率膜94aと、SiO、MgF、AlF
等の低屈折率膜94bとがそれぞれ目的とする赤外線反
射波長の1/4波長を光学膜厚として交互に複数層例え
ば8〜20層程度積層した構成となっている。なお、上
記の成膜に当たっては真空蒸着法、スパッタ法など適宜
な成膜法によって形成されるものである。
【0004】表1は従来の赤外線反射膜94の具体的構
成の第一例を示すもので、例えば反射する赤外線の設計
波長λを1000nmとし、高屈折率膜94aとして屈
折率n=2.1のTaを光学膜厚λ/4=25
0nm、低屈折率膜94bとして屈折率n=1.46
のSiOを光学膜厚λ/4=250nmとして、ガラ
スバルブ91表面上に上記高屈折率膜94a、低屈折率
膜94bとが交互に積層され合計11層積層されてい
る。なお、光学膜厚とはその層の物理的膜厚×屈折率の
値である。また、層番号はバルブ91の表面に近い側か
ら順番になっており、バルブ91表面に最も近い層番号
1の低屈折率膜94bと最上層である層番号11の低屈
折率膜94bの光学膜厚のみλ/8=125nmとして
形成されている。この構成は一般的にSW型と呼ばれ、
これにより透過率特性の可視光の部分をフラットにする
ことができる。なお、表中の図の符号は図7の符号に対
応している。こうして形成された赤外線反射膜94の透
過率特性を示すものが図8である。
【表1】
【0005】表2は特公平6−12,663号公報に示
された従来の赤外線反射膜92の具体的構成の第二例を
示すもので、反射する赤外線の設計波長λを1000n
mとし、高屈折率膜94aとして屈折率n=2.1の
Taを光学膜厚λ/4=250nm、低屈折率膜
94bとして屈折率n=1.46のSiOを光学膜
厚λ/4=250nmとして、ガラスバルブ91表面上
に上記高屈折率膜94a、低屈折率膜94bとが交互に
積層され合計12層積層されている。ここで、最上層で
ある層番号12の低屈折率膜94bの光学膜厚はλ/8
=125nmとして形成されていると共に、低屈折率膜
94bのうち2つの層(この例では、層番号2と層番号
4)の光学膜厚をλ/2=500nmとして形成されて
いる。こうして形成された赤外線反射膜94の透過率特
性を示すものが図9である。
【表2】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の赤外線反射膜94の場合、まず第一従来例では
図8に示すように可視光の波長範囲である380nm〜
780nmの全ての波長光に対して高い透過率の特性は
示しているものの、赤外線(波長800nm以上)を反
射する波長範囲は900nm〜1200nmと狭い範囲
でしかなく、フィラメント93に帰還できる赤外線の波
長範囲が狭いことから期待したほどの高効率化はできな
いといった問題点を生じている。一方、第二従来例で
は、図9に示すように赤外線を反射する波長範囲は80
0nm〜1600nmに広がり高効率化は期待できるも
のの、可視光を透過する波長範囲が狭くなってしまい、
この特性では、例えばハロゲンランプ等で放射エネルギ
ーの高い650nm以上の可視光が透過せず外部へ放射
されないため、光量が低下するといった問題点があっ
た。以上のように、こうした白熱電球に使用する赤外線
反射膜としては、可視光透過率ができるだけ高く、しか
も赤外線反射率もできるだけ高いことが電球の効率上望
ましいが、従来の赤外線反射膜は可視光透過率と赤外線
反射率とはどちらか一方を高くすれば他方が低下してし
まう問題があり、こうした問題の解決が課題とされるも
のとなっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来の
課題を解決するための具体的手段として、バルブ表面に
フィラメントから発せられる光束中の赤外線を前記フィ
ラメントに帰還させる赤外線反射膜が設けられて成る赤
外線反射膜付き白熱電球において、前記赤外線反射膜は
光学膜厚が200nm〜300nmの第一の高屈折率膜
と第一の低屈折率膜とが交互に積層された第一層と、該
第一層の光学膜厚とは異なる200nm〜300nmの
光学膜厚の第二の高屈折率膜と第二の低屈折率膜とが交
互に積層された第二層とを少なくとも含む各々異なる光
学膜厚を有する複数の層によって構成され、前記各層の
中にそれぞれ少なくとも1つ以上の光学膜厚が(2.1
〜3.0)×(200〜300)nm、もしくは、4×
(200〜300)nmの高屈折率膜が挿入されて成る
ことを特徴とする赤外線反射膜付き白熱電球を提供する
ことで課題を解決するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明を図に示す実施形態に
基づいて詳細に説明する。
【0009】図1は本発明に係る赤外線反射膜付き白熱
電球の第一実施形態の要部を示す断面図であり、従来例
と同様にガラスバルブ1の表面上に赤外線反射膜2が形
成され、ガラスバルブ1の内面には図示しないフィラメ
ントが配設されている。
【0010】ここで本発明においては、赤外線反射膜2
はガラスバルブ1の表面側から第一層2a、第二層2b
の順に積層された二つの層から成り、第一層2aは高屈
折率膜2aHと低屈折率膜2aLとが交互に複数層積層
され、第二層2bは高屈折率膜2bHと低屈折率膜2b
Lとが交互に複数層積層されて構成されている。
【0011】このとき、各層の高屈折率膜2aHと2b
Hとしては、Ta、TiO、ZrO、ZnS
等の材料が用いられ、低屈折率膜2aLと2bLとして
は、SiO、MgF、AlF等の材料が用いられ
る。
【0012】また、高屈折率膜2aHと2bHとは、目
的としている反射する赤外線の設計波長λが異なってお
り、即ち光学膜厚(λ/4)が異なるものを用いてい
る。同様に低屈折率膜2aLと2bLについても光学膜
厚(λ/4)が異なるものを用いている。これにより、
例えば第一層2aにはある波長以上の赤外線を反射させ
る役割を持たせ、第二層2bにはある波長以下の赤外線
を反射させる役割を持たせることが可能になる。
【0013】さらに、本発明は、前記各層の中にそれぞ
れ少なくとも一層以上の(2.1〜3.0)×(λ/
4)nm、もしくは、4×(λ/4)nmの光学膜厚を
有する高屈折率膜2aH’、2bH’が挿入されている
ことを特徴としている。
【0014】以上のような多層膜から成る赤外線反射膜
2を形成するには、洗浄したガラスバルブ1を真空装置
内に載置し、蒸着源として所望の屈折率の上記したよう
な金属酸化物等の材料を真空蒸着法、スパッタ法、CV
D法等により膜厚を制御しながら順次成膜する方法で得
ることができる。
【0015】以下、具体的な実施例に沿って説明する。 (実施例1)表3は本発明赤外線反射膜2の具体的な膜
の構成の第一例を示すものであり、高屈折率膜として屈
折率n=2.1のTaを用い、低屈折率膜とし
て屈折率n=1.46のSiOを用いている。な
お、層番号とは、ガラスバルブ1の表面に近い側から順
番にふられており、図の符号は図1および上記説明に対
応しており、ガラスバルブ1の表面に近い側から第一層
2a、第二層2bの順に積層され、さらに、第一層2a
は高屈折率膜2aHと低屈折率膜2aLとが交互に10
層積層され、第二層2bは高屈折率膜2bHと低屈折率
膜2bLとが交互に10層積層されていて合計20層積
層されている。ここで、第一層2aと第二層2bとは反
射する赤外線の設計波長λが異なっており、第一層2a
は1100nm以上の赤外線を反射させるためのもの
で、第一層2aの第一の高屈折率膜2aHとの第一の低
屈折率膜2aLの光学膜厚(λ/4)は280nmに
設定され、第二層2bは1100nm以下の赤外線を反
射させるためのもので、第二層2bの第二の高屈折率膜
2bHとの第二の低屈折率膜2bLの光学膜厚(λ
4)は235nmに設定されている。
【表3】
【0016】さらに、本実施例では第一層2a中の層番
号5の高屈折率膜2aH’を640nm(≒2.29×
280)としており、これは、赤外線反射波長領域を拡
げるためのものである。また、第二層2b中の先頭の層
番号11の高屈折率膜2bH’は520nm(≒2.2
×235)としており、これは、可視光透過波長領域を
拡げ赤外線反射波長領域を確保するためのものである。
なお、第一層2a中の最上層である層番号10の低屈折
率膜2aL’は、光学膜厚の異なる第一層2aと第二層
2bとを連続させる中間層として、(λ/4+λ
4)/2=(280+235)/2=257.5nmに
設定され、第二層2b中の層番号20の低屈折率膜2b
L’は(λ/4)/2=235/2=117.5nm
として設定されている。
【0017】こうして形成された赤外線反射膜2の透過
率特性を示すものが図2であり、可視光では400nm
〜760nmの範囲で透過率80%以上を示し、赤外線
では800nm〜1500nmの広い範囲で透過率40
%以下(反射率60%以上)の良好な特性が得られた。
【0018】(実施例2)表4は本発明赤外線反射膜2
の具体的な膜の構成の第二例を示すものであり、膜材料
としては実施例1と同じく高屈折率膜として屈折率n
=2.1のTaを用い、低屈折率膜として屈折率
=1.46のSiOを用いている。また、層番号
は実施例1と同様に設定され、図の符号についても実施
例1と同様に図1に対応しており、ガラスバルブ1の表
面に近い側から第一層2a、第二層2bの順に積層さ
れ、さらに同様に、第一層2aは高屈折率膜2aHと低
屈折率膜2aLとが交互に10層積層され、第二層2b
は高屈折率膜2bHと低屈折率膜2bLとが交互に10
層積層されていて合計20層積層されている。また、第
一層2aの第一の高屈折率膜2aHと第一の低屈折率膜
2aLの光学膜厚(λ/4)も同様に280nmに設
定され、第二層2bの第二の高屈折率膜2bHと第二の
低屈折率膜2bLの光学膜厚(λ/4)も同様に23
5nmに設定されている。
【0019】ここで、本実施例2では第一層2a中の層
番号5の高屈折率膜2aH’の光学膜厚を700nm
(≒2.5×280)としており、また、第二層2b中
の層番号15の高屈折率膜2bH’の光学膜厚を630
nm(≒2.68×235)としている。なお、第一層
2a中の最上層である層番号10の低屈折率膜2aL’
は(λ/4+λ/4)/2=(280+235)/
2=257.5nmとして設定され、第二層2b中の層
番号20の低屈折率膜2bL’は(λ/4)/2=2
35/2=117.5nmとして設定されている。
【表4】
【0020】こうして形成された赤外線反射膜2の透過
率特性を示すものが図3であり、可視光では実施例1と
ほぼ同様に400nm〜760nmの範囲で透過率80
%以上を示し、赤外線では800nm〜1500nmの
広い範囲で透過率40%以下(反射率60%以上)の良
好な特性が得られた。
【0021】(実施例3)表5は本発明赤外線反射膜2
の具体的な膜の構成の第三例を示すものであり、膜材料
としては実施例1と同じく高屈折率膜として屈折率n
=2.1のTaを用い、低屈折率膜として屈折率
=1.46のSiOを用いている。また、層番号
は実施例1、2と同様に設定され、図の符号についても
実施例1、2と同様に図1に対応しており、ガラスバル
ブ1の表面に近い側から第一層2a、第二層2bの順に
積層されている。さらに同様に、第一層2aは高屈折率
膜2aHと低屈折率膜2aLとが交互に積層され、第二
層2bは高屈折率膜2bHと低屈折率膜2bLとが交互
に積層されている。また、第一層2aの第一の高屈折率
膜2aHと第一の低屈折率膜2aLの光学膜厚(λ
4)も同様に280nmに設定され、第二層2bの第二
の高屈折率膜2bHと第二の低屈折率膜2bLの光学膜
厚(λ/4)も同様に235nmに設定されている。
【0022】ここで、本実施例3では第一層2a中の層
番号3の高屈折率膜2aH’の光学膜厚を1120nm
(=4×280)としており、また、第二層2b中の先
頭の層番号7の高屈折率膜2bH’の光学膜厚を520
nm(≒2.2×235)としている。なお、第一層2
a中の最上層である層番号6の低屈折率膜2aL’は
(λ/4+λ/4)/2=(280+235)/2
=257.5nmとして設定され、第二層2b中の最上
層である層番号16の低屈折率膜2bL’は(λ
4)/2=235/2=117.5nmとして設定され
ている。
【0023】こうして形成された赤外線反射膜2の透過
率特性を示すものが図4であり、実施例1、実施例2と
同様に、可視光では400nm〜760nmの範囲で透
過率80%以上を示し、赤外線では800nm〜150
0nmの広い範囲で透過率40%以下(反射率60%以
上)の良好な特性が得られ、層全体の数は実施例1、実
施例2に比べて16層に減っているにもかかわらず、第
一層2a中に1120nm(=4×280)の光学膜厚
の高屈折率膜2aH’が挿入されたことで、実施例1、
実施例2と同等の透過率特性のものを得ることができ
た。
【表5】
【0024】(実施例4)表6は本発明赤外線反射膜2
の具体的な膜の構成の第四例を示すものであり、膜材料
としては前記実施例1〜3と同じく高屈折率膜として屈
折率n=2.1のTaを用い、低屈折率膜とし
て屈折率n=1.46のSiOを用いている。ま
た、層番号は実施例1〜3と同様に設定され、図の符号
についても実施例1〜3と同様に図1に対応しており、
ガラスバルブ1の表面に近い側から第一層2a、第二層
2bの順に積層されている点も同様である。さらに同様
に、第一層2aは高屈折率膜2aHと低屈折率膜2aL
とが交互に積層され、第二層2bは高屈折率膜2bHと
低屈折率膜2bLとが交互に積層されている。また、第
一層2aの第一の高屈折率膜2aHと第一の低屈折率膜
2aLの光学膜厚(λ/4)も同様に280nmに設
定され、第二層2bの第二の高屈折率膜2bHと第二の
低屈折率膜2bLの光学膜厚(λ/4)も同様に23
5nmに設定されている。
【0025】ここで、本実施例4では第一層2a中の層
番号5と層番号7の高屈折率膜2aH’の光学膜厚を6
00nm(=2.15×280)としており、また、第
二層中の層番号15と層番号17の高屈折率膜2bH’
の光学膜厚を520nm(≒2.2×235)としてい
る。なお、第一層2a中の最上層である層番号12の低
屈折率膜2aL’は(λ/4+λ/4)/2=(2
80+235)/2=257.5nmとして設定され、
第二層2b中の最上層である層番号22の低屈折率膜2
bL’は(λ/4)/2=235/2=117.5n
mとして設定されている。
【表6】
【0026】こうして形成された赤外線反射膜2の透過
率特性を示すものが図5であり、層全体の数は22層と
増えてしまってはいるが、可視光では400nm〜76
0nmの範囲で若干低下しているものの透過率70%以
上は確保できており、赤外線では透過率40%以下(反
射率60%以上)の波長領域がさらに拡がっていること
が良く分かる。これにより、他の実施例と比較してより
効率化が図られる。
【0027】なお、本発明の上記各実施例ではいずれも
高屈折率膜としてTaを用い、低屈折率膜として
SiOを用いているが、その他の金属酸化物等の材料
を用いても良い。具体的に例を挙げると、高屈折率膜と
しては、TiO、ZrO、ZnS、Zi等が
あり、低屈折率膜としては、MgF、AlF等があ
る。
【0028】また、上記各実施例ではいずれも第一層2
aと第二層2bとの2つの層が積層された構成とした
が、少なくともこれら2つの層を含んでいれば良く、2
層以上の複数の層が積層された構成であっても良い。
【0029】さらに、上記各実施例では、各層の中に光
学膜厚が(2.15、2.2、2.29、2.5、2.
68、4.0)×(λ/4)nmの高屈折率膜2a
H’、2bH’を挿入しているが、この高屈折率膜2a
H’、2bH’は各層の中のいずれの層番号であっても
良く、少なくとも一層挿入されていれば十分な効果は得
られる。また、高屈折率膜2aH’、2bH’の光学膜
厚の係数は上記に限らず、2.1〜3.0もしくは4.
0の範囲内であれば、いずれの値においてもほぼ同様の
特性が得られることが確認された。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
学膜厚が200nm〜300nmの第一の高屈折率膜と
第一の低屈折率膜とが交互に積層された第一層と、該第
一層の光学膜厚とは異なる200nm〜300nmの光
学膜厚の第二の高屈折率膜と第二の低屈折率膜とが交互
に積層された第二層とを少なくとも含む各々異なる光学
膜厚を有する複数の層によって構成され、前記各層の中
にそれぞれ少なくとも一層以上の(2.1〜3.0)×
(200〜300)nm、もしくは、4×(200〜3
00)nmの光学膜厚の高屈折率膜が挿入された赤外線
反射膜付きの白熱電球としたことで、可視光波長(40
0〜760nm)の範囲で高い透過率特性(70%以
上)を示すと共に、高反射率(60%以上)を示す赤外
線波長の範囲を従来よりも拡げることができるため、フ
ィラメントから発せられた光束の可視光を有効に外部へ
放射し、なお且つフィラメントから発せられた光束の赤
外線は有効にフィラメントへと帰還させることができ、
この種の白熱電球の発光効率の一層の向上を可能とし、
性能の向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る赤外線反射膜付き白熱電球の要部
を拡大して示す説明図である。
【図2】実施例1の赤外線反射膜の透過率特性を示すグ
ラフである。
【図3】実施例2の赤外線反射膜の透過率特性を示すグ
ラフである。
【図4】実施例3の赤外線反射膜の透過率特性を示すグ
ラフである。
【図5】実施例4の赤外線反射膜の透過率特性を示すグ
ラフである。
【図6】従来の赤外線反射膜付き白熱電球を示す説明図
である。
【図7】従来例の要部を拡大して示す説明図である。
【図8】第一従来例の赤外線反射膜の透過率特性を示す
グラフである。
【図9】第二従来例の赤外線反射膜の透過率特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
1……ガラスバルブ 2……赤外線反射膜 2a……第一層 2aH……第一の高屈折率膜 2aL……第一の低屈折率膜 2b……第二層 2bH……第二の高屈折率膜 2bL……第二の低屈折率膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブ表面にフィラメントから発せられる
    光束中の赤外線を前記フィラメントに帰還させる赤外線
    反射膜が設けられて成る赤外線反射膜付き白熱電球にお
    いて、前記赤外線反射膜は光学膜厚が200nm〜30
    0nmの第一の高屈折率膜と第一の低屈折率膜とが交互
    に積層された第一層と、該第一層の光学膜厚とは異なる
    200nm〜300nmの光学膜厚の第二の高屈折率膜
    と第二の低屈折率膜とが交互に積層された第二層とを少
    なくとも含む各々異なる光学膜厚を有する複数の層によ
    って構成され、前記各層の中にそれぞれ少なくとも一層
    以上の(2.1〜3.0)×(200〜300)nm、
    もしくは、4×(200〜300)nmの光学膜厚の高
    屈折率膜が挿入されて成ることを特徴とする赤外線反射
    膜付き白熱電球。
JP6257299A 1999-03-10 1999-03-10 赤外線反射膜付き白熱電球 Pending JP2000260397A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6257299A JP2000260397A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 赤外線反射膜付き白熱電球

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6257299A JP2000260397A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 赤外線反射膜付き白熱電球

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000260397A true JP2000260397A (ja) 2000-09-22

Family

ID=13204158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6257299A Pending JP2000260397A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 赤外線反射膜付き白熱電球

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000260397A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3229259A1 (en) * 2016-03-31 2017-10-11 Toshiba Lighting & Technology Corporation Halogen lamp
JP2017188415A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 東芝ライテック株式会社 ハロゲンランプ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3229259A1 (en) * 2016-03-31 2017-10-11 Toshiba Lighting & Technology Corporation Halogen lamp
JP2017188415A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 東芝ライテック株式会社 ハロゲンランプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6534903B1 (en) Broad spectrum reflective coating for an electric lamp
JPH05127004A (ja) 反射鏡
JP2006259124A (ja) コールドミラー
JP3864677B2 (ja) 照明装置及び演色性改善フィルタ
JP2000260397A (ja) 赤外線反射膜付き白熱電球
JP4185195B2 (ja) 赤外線反射被膜付き光学物品及び電球
JP3031625B2 (ja) 熱線吸収反射鏡
JP2005266211A (ja) 多層膜反射鏡
JP2687243B2 (ja) 多層光干渉膜
JP2842721B2 (ja) ネオジウム色投光多層膜反射鏡
JP3153050B2 (ja) 白熱電球
JP3496498B2 (ja) 白熱電球
JP2000260398A (ja) 赤外線反射膜付き白熱電球
JP3054663B2 (ja) 多層膜反射鏡
JP2948949B2 (ja) 白熱電球
JPH0784105A (ja) 反射膜
JP2000123795A (ja) 赤外線反射膜付白熱電球
JP2002006123A (ja) 光反射体及び反射型照明装置
JP2928784B2 (ja) 多層膜反射鏡
JP3276182B2 (ja) 表面反射鏡
JP2000215859A (ja) 赤外線反射膜付白熱電球
JP2778784B2 (ja) 光源用多層膜反射鏡
JP3295026B2 (ja) 赤外線反射被膜およびそれを用いたランプ
JPH06111792A (ja) 管 球
JP2602033B2 (ja) 赤外線反射フィルタ付き白熱電球