JP2000259982A - 道路交通管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急事態発生に対して迅速に対応措置を講じ
る。 【解決手段】 各車両４に搭載され該当車両の走行状態
を送信する複数の車載装置１０と、道路の各区間毎に設
けられ該当区間を走行する車両の車載装置から受信した
走行状態から自己管轄区間の交通状況を監視しその監視
結果を送信する複数の路線管理装置３と、道路全体の交
通状態を管理する中央管理装置９とを備えた道路交通管
理システムである。そして、各路線管理装置３は、受信
した走行状態に緊急事態を検出すると、緊急事態発生情
報を自己の下流側の路線管理装置へ送信し、自己の上流
側の路線管理装置から緊急事態発生情報を受信すると自
己管轄区間を走行する各車両へ前記緊急事態に対応した
緊急指令を送信する。各車載装置１０は、緊急指令を受
信するとこの緊急指令を警報出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路を走行する各
車両の走行状態を監視して、道路全体の交通状態を管理
する道路交通管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、例えば、高速道路や自動車専用
道路や幹線道路を走行する各車両の走行状態を監視し
て、道路全体の交通状態を管理する道路交通管理システ
ムにおいては、道路を複数の区間に分割して、分割した
各区間に、該当区間を走行する車両の平均速度や単位時
間当たりの通行車両数や車種等を測定する交通流センサ
を配設し、また、各区間における分岐点や、インターチ
ェンジＩＣ等の手前には、電光掲示板を配設している。
さらに、各区間には路線管理装置が配設されている。ま
た、道路全体の交通状態を管理する中央管理装置が道路
の管理事務所等に設置されている。

【０００３】道路の各区間に配設された各路線管理装置
は、自己の管轄区間に設置されている各交通流センサか
ら得られる平均速度や通行車両数から、自己の管轄区間
の渋滞度を進出して平均速度及び通行車両数と共に該当
区間の交通状況として中央管理装置へ送信する。

【０００４】また、道路の各区間の複数位置には、中央
管理装置に接続されている非常電話が配設されており、
車両故障や事故等が発生すると、該当車両の運転者や事
故の当事者や目撃者はこの非常電話を用いて、故障発生
や事故発生を中央管理装置に常駐している監視員に報告
する。

【０００５】中央管理装置に常駐している監視員は、各
区間の路線管理装置から入力されたる渋滞度を含む交通
状況や各非常電話から入力される故障発生や事故発生状
況から、事故発生情報や故障車存在を該当位置より下流
側の区間に設置された電光掲示板に、事故発生情報や故
障車存在を表示する指示を操作入力する。また、監視員
は、必要に応じて、速度規制や、車線規制や、通行止め
等の交通規制を前記電光掲示板へ表示させる。さらに、
渋滞発生状況も、渋滞発生位置の下流側の各電光掲示板
へ表示させる。

【０００６】具体的には、中央管理装置は、監視員にて
操作入力された各電光掲示板に表示すべきデータを該当
電光掲示板が設置された区間を管轄とする路線管理装置
へ送出する。そして、中央管理装置からの指示を受けた
各路線管理装置が該当データを自己が管轄する電光表示
板に電光表示する。なお、事故発生や大規模渋滞発生以
外の通常の表示項目の表示指示は該当区間を管轄する路
線管理装置が実施する場合もある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た道路交通管理システムにおいても、まだ、解消すべき
次のような課題があった。

【０００８】すなわち、例えば、高速道路における非常
電話は、トンネルや橋等の特定区間以外は、例えば、数
キロメートルおきに設置されているので、車両故障や事
故発生からかなり時間が経過した後に、車両故障や事故
発生が中央管理装置へ連絡される。さらに、中央管理装
置の監視員によって、車両故障位置や事故発生位置が確
認され、この確認事項に基づいて、電光掲示板の表示内
容と表示すべき電光掲示板を特定して、表示指示を入力
する。したがって、車両故障や事故発生から実際に電光
掲示板に事故情報や故障車情報が表示されるまでに多大
の時間が経過する。

【０００９】このように、事故発生から事故発生情報が
各車両の運転者に告知されるまでの所要時間が長くなる
と、渋滞の拡大や追突等の二次事故が生じる懸念があ
る。

【００１０】また、中央管理装置に常駐する監視員の作
業負担が増大する懸念がある。さらに、緊急電話のみで
は、その車両故障や事故発生の詳細は中央管理装置に常
駐する監視員にとって、不明であり、適切な対策を講じ
ることができない問題があった。

【００１１】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、道路を走行する各車両に自己の走行状態を
送信する車載装置を搭載することによって、道路の各区
間を走行する各車両の走行状態の詳細情報を自動的に入
手でき、かつ緊急事態発生時に下流側の各車両に、短時
間でかつ自動的に緊急事態発生を報知できる道路交通管
理システムを提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の道路交通管理システムにおいては、道路を
走行する各車両に搭載され該当車両の走行状態を送信す
る複数の車載装置と、道路の各区間毎に設けられ該当区
間を走行する車両の車載装置から受信した走行状態から
自己管轄区間の交通状況を監視しその監視結果を送信す
る複数の路線管理装置と、各路線管理装置から受信した
各区間の監視結果から道路全体の交通状態を管理する中
央管理装置とを備えている。

【００１３】そして、各路線管理装置は、受信した走行
状態に緊急事態を検出すると、緊急事態発生情報を自己
の下流側に隣接する区間の路線管理装置へ送信する緊急
事態発生情報転送手段と、自己の上流側に隣接する区間
の路線管理装置から緊急事態発生情報を受信すると自己
管轄区間を走行する各車両へ緊急事態に対応した緊急指
令を送信する緊急指令送信手段とを備えている。また、
各車載装置は、緊急指令を受信するとこの緊急指令を警
報出力する警報出力手段を備えている。

【００１４】このように構成された道路交通管理システ
ムにおいては、道路上を走行中の各車両に搭載された車
載装置は常時又は一定周期で自己の走行状態を送信して
いる。この走行状態は、該当車両が走行している位置が
含まれる区間を管轄する路線管理装置で受信され監視さ
れている。

【００１５】そして、該当車両が故障や事故に遭遇した
場合は、該当車両から路線管理装置へ送信している走行
状態が異常値を示したり、走行状態が途絶えたりする。
路線管理装置は、その緊急事態を検出すると、自己が管
轄する区間の下流側に隣接する区間を管轄する路線管理
装置へその緊急事態発生情報を送信する。下流側に隣接
する路線管理装置は、緊急事態発生情報に基づいて自己
が管轄する区間を走行している各車両へ緊急指令を送出
する。

【００１６】したがって、故障や事故の発生現場の下流
側から故障や事故の発生現場へ向かう各車両に対して適
切な交通規制を実施できる。

【００１７】また、別の発明の道路交通管理システムに
おいては、各路線管理装置に対して、受信した走行状態
内に緊急事態を検出すると、緊急事態発生情報を自己管
轄区間を管轄する緊急事態対策サービス部門へ送信する
対策手配手段を付加している。

【００１８】このように構成された道路交通管理システ
ムおいては、各路線管理装置は、緊急事態が発生する
と、この情報は例えば事故処理や車両修理を行うサービ
ス部門へも通知されるので、事故処理や車両修理が迅速
に実施され、車両故障や事故に起因する交通の流れ対す
る影響を最小限に抑制できる。

【００１９】また、別の発明の道路交通管理システムに
おいては、各車載装置に対して、自己車両の前方又は後
方を撮影するカメラを備え、路線管理装置へ送信する走
行状態にカメラで撮影した画像を含ませるようにしてい
る。

【００２０】このように構成された道路交通管理システ
ムおいては、中央管理装置の監視員は、各路線管理装置
を経由して受信した走行状態に含まれる各車両のカメラ
が撮影した該当車両の前方又は後方の画像を確認するこ
とができ、例えば事故現場の映像を実時間で確認でき
る。

【００２１】また、別の発明の道路交通管理システムに
おいては、中央管理装置は、操作入力された道路上の地
点を指定した画像表示要求を該当指定地点が含まれる区
間を管轄する路線管理装置へ送信する画像表示要求送信
手段と、路線管理装置から受信した指定地点を含む画像
を表示出力する画像出力手段とを有している。

【００２２】さらに、各路線管理装置は、中央管理装置
から地点を指定した画像表示要求を受信すると、自己管
轄区間を走行中の各車両から受信した画像のうち、指定
地点を含む画像を中央管理装置へ送信する画像送信手段
を有する。

【００２３】このように構成された道路交通管理システ
ムおいては、中央管理装置の監視員は、道路を車両が切
れ目なく走行している限りにおいては、各車両に備えら
れたカメラを介して、道路上の任意の位置の画像を見る
ことができる。

【００２４】また、別の発明の道路交通管理システムに
おいては、各路線管理装置に対して、自己管轄区間内に
おける各地点を指定した路線固有情報を記憶する路線固
有情報メモリと、この路線固有情報メモリに記憶された
各地点を通過する各車両に対して、該当地点の固有情報
に対応した走行指示を送信する走行指示送信手段とを付
加している。

【００２５】このように構成された道路交通管理システ
ムおいては、路線固有情報メモリ内には、例えば、急カ
ーブや急な下り坂や橋やトンネル等や該当位置を通過す
る時の制限速度等の該当路線固有の情報が記憶されてい
る。そして、各車両は該当位置を走行するときに、制限
速度等の走行指示が自動的に送信されて来る。よって、
より交通の安全性と円滑さとが確保される。

【００２６】また、別の発明の道路交通管理システムに
おいては、各車載装置は、自己車両の前方又は後方を撮
影するカメラを有し、各路線管理装置は、各車載装置か
ら送信された走行状態に含まれるカメラで撮影した画像
を路線固有情報メモリ内に、地点を指定した路線固有情
報の一部として書込みかつ一定期間記憶保持する画像書
込手段を有する。

【００２７】このように構成された道路交通管理システ
ムにおいては、例えば、事故が発生すると、路線固有情
報メモリ内に、事故発生状況の映像を路線固有情報の一
部として書込みかつ一定期間記憶保持される。したがっ
て、各車両には該当事故発生位置を走行するときに、交
通規制等の走行指示が自動的に送信される。よって、よ
り交通の安全性と円滑さとが確保される。

【００２８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
を用いて説明する。 （第１実施形態）図１は本発明の第１実施形態に係わる
道路交通管理システムの概略構成を示す模式図である。

【００２９】例えば自動車専用の道路１は複数の区間２
に分割される。各区間２には、無人の路線管装置３が配
設されている。この各路線管装置３には自己が管轄する
区間２に設置された電光掲示板や信号機やスピーカー等
の主に自己管轄区間２を走行する車両４の運転者に対し
て交通状況に対する情報を提供したり、交通量調査を行
うための交通量センサ等の道路施設５が接続されてい
る。

【００３０】また、道路１に沿って互いに隣接する道路
管理装置３どうしは伝送路６で接続されている。さら
に、各道路管理装置３は別の伝送路７を介して、監視員
８が常駐する中央管理装置９に接続されている。

【００３１】各車両４内には、図３に示すように、ナビ
ゲーション装置と兼用する車載装置１０が搭載されてい
る。この車載装置１０は、図示するように、自己車両４
が走行している区間２を管轄する道路管理装置３との間
で電波で情報を送受信するための通信部１０ａと、車両
番号や車種等の車両固有情報を記憶する車両固有情報メ
モリ１０ｂと、エンジン等の駆動部１１の速度や走行方
向等を監視する走行監視部１０ｃ、搭乗者（運転者）に
対して各種交通情報や交通指令を警告表示する情報表示
操作部１０ｄ、及び情報処理部１０ｅが設けられてい
る。

【００３２】そして、情報処理部１０ｅは、例えば、１
分等の一定周期で、車両固有情報メモリ１０ｂから読出
した車両番号、車種、走行監視部１０ｃから読出した速
度、走行方向を走行状態として、通信部１０ａを介して
路線管理装置３へ送信する。また、情報処理部１０ｅ
は、路線管理装置３から受信した故障車や事故発生情報
やこれに対応する緊急指令を情報表示操作部１０ｄへ警
報表示出力する。

【００３３】中央管理装置９は、図２に示すように、各
路線管理装置３との間で伝送路７を介して情報通信を行
う通信部９ａ、各路線管理装置３の管轄する区間２の道
路１全体上における位置等の路線管理情報を記憶する路
線管理情報メモリ９ｂ、交通管理情報を表示すると共に
監視員８が各種指令を操作入力するための表示操作部９
ｃ、及び情報制御部９ｄが設けられている。

【００３４】情報制御部９ｄは、各路線管理装置３から
受信した緊急事態発生情報を路線管理情報メモリ９ｂか
ら読出した道路１上の位置情報と共に表示操作部９ｃに
表示出力する。さらに、情報制御部９ｄは、監視員８が
表示操作部９ｃを介して操作入力した区間２を指定した
交通規制指示を指定された路線管理装置３へ送信すると
共に、各路線管理装置３から受信した交通状況から渋滞
発生を自動予測して、渋滞発生情報を各路線管理装置３
へ送信する。

【００３５】各路線管理装置３は図４に示すように構成
されている。図示するように、この路線管理装置３内に
は、自己が管轄する区間２を走行している状態の各車両
４に搭載された各車載装置１０との間で各種の情報交換
を実施する通信部３ａ、自己が管轄する区間２に設置さ
れた道路施設５に指示を送信するための通信部３ｂ、自
己区間２の上流側に隣接する路線管理装置３との間で情
報交換を実施するための通信部３ｃ、自己区間２の下流
側に隣接する路線管理装置３との間で情報交換を実施す
るための通信部３ｄ、中央管理装置９との間で情報交換
を実施するための通信部３ｅ、交通制御管理部３ｅ、各
路線施設５に対して各種交通規制や事故発生状況の表示
指示を送出する道路施設管理部３ｆとが設けられてい
る。

【００３６】さらに、この路線管理装置３内には、走行
状態ファイル１３が設けられている。この走行状態ファ
イル１３内には、図５に示すように、この路線管理装置
３が管轄する区間２を走行する各車両４の車両番号、走
行速度、車種等からなる走行状態が記憶されている。な
お、この各車両４の走行状態は、例えば１分毎に更新さ
れる。

【００３７】このように構成された路線管理装置３の交
通情報管理部３ｅ及び道路施設管理部３ｆは、図６、図
７の流れ図に従って、自己の管轄区間２の交通の監視制
御を実施する。また、図８は車両４及び各装置３，５、
９相互間の情報の流れを示す模式図である。

【００３８】自己の管轄区間２を走行する各車両４のう
ちの１台の車両４の車載装置１０から走行状態が受信さ
れると（Ｓ１）、該当走行状態の車両番号が走行状態フ
ァイル１３に既に登録されているか否かを調べる（Ｓ
２）。登録されていない場合、この車両４は上流側の区
間２からこの管轄区間２に進入してきた車両４であると
判断して、この入力した走行状態を走行状態ファイル１
３内に新規に登録（書込む）する（Ｓ３）。そして、自
己の管轄区間２の上流側に隣接する区間２の路線管理装
置３に対して、車両番号を指定した引継完了通知を送出
する（Ｓ４）。

【００３９】また、Ｓ２において、該当走行状態の車両
番号が走行状態ファイル１３に既に登録されている場
合、走行状態ファイル１３内の該当走行状態を更新する
（Ｓ５）。

【００４０】次に、走行状態ファイル１３に新規登録又
は更新した走行状態が故障や事故発生を示す異常（緊急
事態）発生の有無を調べる（Ｓ６）。具体的には、速度
が０の場合は該当車両４が故障であると判断する。ま
た、複数の車両番号の走行状態が同時に一定期間以上更
新されなかった場合は、衝突事故が発生して、車載装置
１０が破壊されて、通信が途絶えたと判断する。

【００４１】異常（緊急事態）発生が検出されると、こ
の異常（緊急事態）発生情報を中央管理装置９へ送信す
る（Ｓ７）。さらに、この異常（緊急事態）発生情報を
下流側に隣接する区間２の路線管理装置３へ通知する
（Ｓ８）。次に、自己の管轄区間２を走行中の各車両４
へ異常（緊急事態）発生に対応する緊急停止又は徐行等
の交通規制指令を送信する（Ｓ９）。さらに、自己の管
轄区間２の道路施設５に対して、緊急停止又は徐行等の
交通規制指令を表示させる（Ｓ１０）。

【００４２】この結果、該当管轄区間２を走行中の各車
両４の運転者は、自己の運転席に設けられた情報表示操
作部１０ｄで緊急停止又は徐行等の交通規制指令を確認
できると共に、道路１に設置された電光掲示板等の道路
施設５で確認できる。

【００４３】また、Ｓ１１にて、自己の管轄区間２の下
流側に隣接する区間２の路線管理装置３から、車両番号
を指定した引継完了通知を受領すると、自己が該当車両
４を監視する必要がないので、自己の走行状態ファイル
１３から該当車両番号の走行状態を消去（クリア）する
（Ｓ１２）。

【００４４】また、図７において、自己の管轄区間２の
上流側に隣接する区間２の路線管理装置３から、異常
（緊急事態）発生情報が入力されると（Ｓ１３）、自己
の管轄区間２を走行中の各車両４へ異常（緊急事態）発
生に対応する緊急停止又は徐行等の交通規制指令を送信
する（Ｓ１４）。さらに、自己の管轄区間２の道路施設
５に対して、緊急停止又は徐行等の交通規制指令を表示
させる（Ｓ１５）。

【００４５】さらに、中央管理装置９から、監視員８の
指示に基づく、緊急事態発生以外の渋滞発生情報や一般
的な注意事項の指示が入力されると（Ｓ１６）、この一
般的な注意事項の指示情報を、自己の管轄区間２を走行
中の各車両４へ送信する（Ｓ１７）。さらに、自己の管
轄区間２の電光掲示板等の道路施設５に対して表示させ
る（Ｓ１８）。

【００４６】このように構成された第１実施形態の道路
交通管理システムにおいては、図１、図３に示すよう
に、道路２上を走行中の各車両４に搭載された車載装置
１０は例えば１分等の一定周期で自己車両４の車両番
号、車種、走行方向、走行速度からなる走行状態を電波
放射している。

【００４７】そして、各区間２毎に設けられた路線管理
装置３は、自己が管轄する区間２を走行する各車両４か
ら送信される走行状態を受信して、走行状態ファイル１
３に記憶保持する。したがって、走行状態ファイル１３
内には、自己が管轄する区間２を走行する各車両４の常
時最新の走行状態が記憶保持されている。よって、路線
管理装置３は、自己が管轄する区間２を走行する各車両
４の走行状態を監視している。

【００４８】そして、道路１を走行している車両４が故
障や事故に遭遇した場合は、該当車両４から自己を監視
している路線管理装置３へ送信している走行状態が異常
値を示したり、走行状態が途絶えたりする。路線管理装
置３はその緊急事態を検出すると、自己が管轄する区間
２の下流側に隣接する区間２を管轄する路線管理装置３
へその緊急事態発生情報を送信する。下流側に隣接する
路線管理装置３は、緊急事態発生情報及び緊急指令を自
己が管轄する区間２を走行している各車両４へ送出す
る。

【００４９】したがって、故障や事故の発生現場の下流
側から故障や事故の発生現場へ向かう各車両に対して適
切な交通規制を実施できる。

【００５０】このように、故障や事故の等の緊急事態が
発生すると、該当緊急事態の発生位置を管轄する路線管
理装置３が自動的に検出して、該当緊急事態の発生位置
の区間２と下流側の区間２を走行する各車両４に対し
て、自動的に緊急事態発生情報及び対応する緊急指令が
送出される。

【００５１】したがって、中央管理装置９を経由して、
監視員８がその都度指示を与えていた従来の道理交通管
理システムに比較して、緊急事態の発生から、各車両４
の運転者に緊急指示が出されるまでの時間が大幅に短縮
されるとともに、監視員の作業負担を軽減できる。

【００５２】（第２実施形態）図９は本発明の第２実施
形態の道路交通管理システムの概略構成を示す模式図で
ある。図１に示す第１実施形態の道路交通管理システム
と同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説
明を省略する。

【００５３】この第２実施形態システムにおいては、道
路１を走行する各車両４に搭載された各車載装置１０
は、前述した自己車両４の車両番号、車種、走行方向、
走行速度の他に急ブレーキ操作の有無をも走行状態に含
めて電波送出する。また、必要に応じてナビゲータ装置
から得られた現在位置も同時に送信する。

【００５４】したがって、路線管理装置３内に形成され
た走行状態ファイル１３ａには、図１０に示すように、
車両番号、車種、走行方向、走行速度の他に急ブレーキ
操作の有無、現在位置が記憶される。

【００５５】そして、各路線管理装置３は自己が管轄す
る区間２を走行する車両４から急ブレーキ操作有りを含
む走行状態が受信されると、該当車両４が何らかの事故
に遭遇した、又は自己の直前を走行する車両４の異常を
目撃したと判断する。そして、図９に示すように、自己
が管轄する区間２内の、急ブレーキ操作した車両４の上
流側を走行する各車両４に対して、緊急停止指令を送信
する。

【００５６】さらに、路線管理装置３は自己が管轄する
区間２の上流側の路線管理装置３に対して徐行指令を含
む緊急事態発生情報を送出する。その結果、急ブレーキ
操作した車両４の上流側に隣接する区間２の各車両４に
対して、徐行指定が送出される。

【００５７】したがって、このように構成された第２の
実施形態の道路交通管理システムにおいては、前述した
第１の実施形態の道路交通管理システムとほぼ同様の作
用効果を奏することができると共に、何らかの要因に
て、急ブレーキをかけた場合は、後続車両４が追突しな
いように停止又は徐行の指令が出力される。また、電光
掲示板よって同一内容が表示される。したがって、道路
交通のより一層の安全性を向上できる。

【００５８】（第３実施形態）図１１は本発明の第３実
施形態の道路交通管理システムの概略構成を示す模式図
である。図１に示す第１実施形態の道路交通管理システ
ムと同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細
説明を省略する。

【００５９】この第３実施形態システムにおいては、各
路線管理装置３は、伝送路１５を介して、サービス部門
１４に接続されている。したがって、各路線管理装置３
内には、図１２に示すように、図４に示した第１実施形
態システムの路線管理装置３に対して、サービス部門１
４との間で情報交換を実施するための通信部３ｇが付加
されている。

【００６０】前記サービス部門１４は、高速道路や一般
道路において、故障や事故が発生した場合に、いち早く
現場に急行して、故障を修理したり、事故処理を実施す
る専用のサービス部門である。

【００６１】そして、各路線管理装置３は、自己の管轄
区間２を走行する車両４から受信した走行状態に故障や
事故等の緊急事態発生を検出すると、この緊急事態発生
情報に対して、第１実施形態システムと同様の処理を実
施するとともに、緊急事態発生区間又は緊急事態発生位
置を指定した緊急事態発生情報をサービス部門１４へ送
信する。

【００６２】緊急事態発生情報を受信したサービス部門
１４は、緊急事態発生区間又は緊急事態発生位置へ急行
して故障修理や事故処理を実施する。

【００６３】このように構成された道路交通管理システ
ムおいては、各路線管理装置３は、自己が管轄する区間
２に故障や事故等の緊急事態が発生すると、例えば事故
処理や車両修理を行うサービス部門へもその情報を通知
するので、事故処理や車両修理が迅速に実施され、車両
故障や事故に起因する道路交通に対する渋滞発生等の悪
影響を最小限に抑制できる。

【００６４】（第４実施形態）図１３は本発明の第４実
施形態に係わる道路交通管理システムの概略構成を示す
模式図である。図１に示す第１実施形態の道路交通管理
システムと同一部分には同一符号を付して重複する部分
の詳細説明を省略する。

【００６５】この第４実施形態システムにおいては、道
路１を走行する各車両４に搭載された各車載装置１０に
は、図１４に示すように、車載カメラ１６が設けられて
いる。また、各路線管理装置３には、サービス部門１４
が接続されている。

【００６６】前記車載カメラ１６は、自己車両４の前方
の画像を撮影する。その撮影範囲１６ｓは、図１３に示
すように、自己車両４の前方の車両４を含む極く近い範
囲である。その他に構成は、図３に示した第１実施形態
システムの車載装置１０とほぼ同じである。

【００６７】このような構成の車載装置１０において
は、情報処理部１０ｅは、前述した自己車両４の車両番
号、車種、走行方向、走行速度の他に車載カメラ１６で
撮影された画像をも走行状態に含めて電波送出する。ま
た、必要に応じてナビゲータ装置から得られた現在位置
も同時に送信する。

【００６８】したがって、路線管理装置３内に形成され
た走行状態ファイル１３内には、車両番号、車種、走行
方向、走行速度の他に画像、現在位置が記憶される。

【００６９】そして、各路線管理装置３は自己が管轄す
る区間２を走行する車両４から画像を含む走行状態を受
信し、さらにこの走行状態から緊急事態が発生すると、
画像を付加した状態の緊急事態発生情報を、サービス部
門１４、下流側の路線管理装置３、中央管理装置９へ送
信する。また、緊急事態発生情報を自己の管轄区間２の
各車両４へ送信する。

【００７０】したがって、サービス部門１４の係員及び
中央管理装置９の監視員８は、故障や事故の緊急事態発
生状態を映像で確認できる。

【００７１】さらに、中央管理装置９の監視員８は、道
路１上の地点を指定した画像表示要求を中央管理装置９
へ操作入力すると、中央管理装置９は、該当指定地点が
含まれる区間２を管轄する路線管理装置３へ画像表示要
求を送信する。

【００７２】各路線管理装置３は、中央管理装置９から
地点を指定した画像表示要求を受信すると、自己の管轄
区間２を走行中の各車両４から受信した各走行状態に含
まれる画像のうち、指定地点を含む画像を中央管理装置
９へ送信する。中央管理装置９は、受信した画像を表示
出力する。

【００７３】したがって、中央管理装置９の監視員８
は、道路１を車両４が切れ目なく走行している限りにお
いては、各車両４に備えられた搭載カメラ１６を介し
て、道路上１の任意の位置の画像を見ることができる。

【００７４】（第５実施形態）図１５は本発明の第５実
施形態の道路交通管理システムに組込まれた路線管理装
置３の概略構成を示すブロック図である。図４に示す第
１実施形態の道路交通管理システムの路線管理装置３と
同一部分には同一符号を付して重複する部分の詳細説明
を省略する。

【００７５】この第４実施形態システムの路線管理装置
３内には、路線固有情報メモリ１７が設けられている。
この路線固有情報メモリ１７内には、例えば、図１６
（ａ）に示すように、自己の管轄区間２内に存在する急
カーブ１７ａや急な下り坂１７ｂや橋やトンネル等や、
該当する各位置を通過する時の制限速度等の該当区画２
固有の情報が記憶されている。

【００７６】また、道路１を走行する各車両４は、図１
４に示すように、自己の前方を撮影する車載カメラ１６
を搭載している。そして、この車載カメラ１６で撮影し
た画像を走行状態に組込んで路線管理装置３へ送信す
る。路線管理装置３は、受信した走行状態に含まれる車
載カメラ１６で撮影した画像を路線固有情報メモリ１７
内に、地点を指定した路線固有情報の一部として書込み
かつ一定期間記憶保持する。例えば、事故が発生する
と、路線固有情報メモリ１７内に、事故発生状況の画像
を路線固有情報の一部として書込まれかつ一定期間記憶
保持される。

【００７７】そして、路線管理装置３は、自己の管轄区
間２を走行する車両４が路線固有情報メモリ１７内に記
憶された急カーブ１７ａや急な下り坂１７ｂや事故発生
現場等の各位置を走行するときに、図１６（ａ）、図１
６（ｂ）に示すように制限速度等の走行指示を該当車両
４へ送信する。

【００７８】よって、より道路交通の安全性と円滑さと
が確保される。

【００７９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の道路交通
管理システムにおいては、道路を走行する各車両に自己
の走行状態を送信する車載装置を搭載し、道路の各区間
を走行する各車両の走行状態の詳細情報を路線管理装置
で入手して緊急事態発生を自動的に検出している。

【００８０】したがって、緊急事態発生時に、監視員の
判断操作が必要な中央管理室を経由せずに、下流側の各
車両に、短時間でかつ自動的に緊急事態発生を報知で
き、道路交通におけるより安全性と円滑さとが確保され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係わる道路交通管理シ
ステムの概略構成を示す模式図

【図２】同第１実施形態に係わる道路交通管理システム
に組込まれた中央管理装置の概略構成を示すブロック図

【図３】同第１実施形態に係わる道路交通管理システム
に組込まれた車載装置の概略構成を示すブロック図

【図４】同第１実施形態に係わる道路交通管理システム
に組込まれた路線管理装置の概略構成を示すブロック図

【図５】同路線管理装置内に形成された走行状態ファイ
ルの記憶内容を示す図

【図６】同第１実施形態に係わる道路交通管理システム
に組込まれた路線管理装置の動作示す流れ図

【図７】同じく同第１実施形態に係わる道路交通管理シ
ステムに組込まれた路線管理装置の動作示す流れ図

【図８】同第１実施形態に係わる道路交通管理システム
における信号の流を示す図

【図９】本発明の第２実施形態に係わる道路交通管理シ
ステムの概略構成を示す模式図

【図１０】同第２実施形態に係わる道路交通管理システ
ムに組込まれた路線管理装置内に形成された走行状態フ
ァイルの記憶内容を示す図

【図１１】本発明の第３実施形態に係わる道路交通管理
システムの概略構成を示す模式図

【図１２】同第３実施形態に係わる道路交通管理システ
ムに組込まれた路線管理装置の概略構成を示すブロック
図

【図１３】本発明の第４実施形態に係わる道路交通管理
システムの概略構成を示す模式図

【図１４】同第４実施形態に係わる道路交通管理システ
ムに組込まれた車載装置の概略構成を示すブロック図

【図１５】本発明の第５実施形態に係わる道路交通管理
システムに組込まれた路線管理装置の概略構成を示すブ
ロック図

【図１６】本発明の第５実施形態に係わる道路交通管理
システムの動作を示す説明図

【符号の説明】

１…道路 ２…区間 ３…路線管理装置 ４…車両 ５…道路施設 ６，７…伝送路 ８…監視員 ９…中央管理装置 １０…車載装置 １３，１３ａ…走行状態ファイル １４…サービス部門 １６…車載カメラ １７…路線固有情報メモリ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 道路を走行する各車両に搭載され該当車
   両の走行状態を送信する複数の車載装置と、道路の各区
   間毎に設けられ該当区間を走行する車両の車載装置から
   受信した走行状態から自己管轄区間の交通状況を監視し
   その監視結果を送信する複数の路線管理装置と、この各
   路線管理装置から受信した各区間の監視結果から道路全
   体の交通状態を管理する中央管理装置とを備えた道路交
   通管理システムであって、 前記各路線管理装置は、受信した走行状態に緊急事態を
   検出すると、緊急事態発生情報を自己の下流側に隣接す
   る区間の路線管理装置へ送信する緊急事態発生情報転送
   手段と、自己の上流側に隣接する区間の路線管理装置か
   ら緊急事態発生情報を受信すると自己管轄区間を走行す
   る各車両へ前記緊急事態に対応した緊急指令を送信する
   緊急指令送信手段とを備え、 前記各車載装置は、緊急指令を受信するとこの緊急指令
   を警報出力する警報出力手段を備えたことを特徴とする
   道路交通管理システム。
2. 【請求項２】 前記各路線管理装置は、受信した走行状
   態内に緊急事態を検出すると、緊急事態発生情報を自己
   管轄区間を管轄する緊急事態対策サービス部門へ送信す
   る対策手配手段を有することを特徴とする請求項１記載
   の道路交通管理システム。
3. 【請求項３】 前記各車載装置は、自己車両の前方又は
   後方を撮影するカメラを備え、前記路線管理装置へ送信
   する走行状態に前記カメラで撮影した画像を含ませるこ
   とを特徴とする請求項１記載の道路交通管理システム。
4. 【請求項４】 前記中央管理装置は、操作入力された道
   路上の地点を指定した画像表示要求を該当指定地点が含
   まれる区間を管轄する路線管理装置へ送信する画像表示
   要求送信手段と、路線管理装置から受信した指定地点を
   含む画像を表示出力する画像出力手段とを有し、 前記各路線管理装置は、前記中央管理装置から地点を指
   定した画像表示要求を受信すると、自己管轄区間を走行
   中の各車両から受信した画像のうち、指定地点を含む画
   像を前記中央管理装置へ送信する画像送信手段を有する
   ことを特徴とする請求項３記載の道路交通管理システ
   ム。
5. 【請求項５】 前記各路線管理装置は、自己管轄区間内
   における各地点を指定した路線固有情報を記憶する路線
   固有情報メモリと、この路線固有情報メモリに記憶され
   た各地点を通過する各車両に対して、該当地点の固有情
   報に対応した走行指示を送信する走行指示送信手段とを
   有することを特徴とする請求項１記載の道路交通管理シ
   ステム。
6. 【請求項６】 前記各車載装置は、自己車両の前方又は
   後方を撮影するカメラを有し、 前記各路線管理装置は、各車載装置から送信された走行
   状態に含まれる前記カメラで撮影した画像を前記路線固
   有情報メモリ内に地点を指定した路線固有情報の一部と
   して書込みかつ一定期間記憶保持する画像書込手段を有
   することを特徴とする請求項５記載の道路交通管理シス
   テム。