JP2000257447A - ガスタービン分割環 - Google Patents

ガスタービン分割環

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JP2000257447A JP11055155A JP5515599A JP2000257447A JP 2000257447 A JP2000257447 A JP 2000257447A JP 11055155 A JP11055155 A JP 11055155A JP 5515599 A JP5515599 A JP 5515599A JP 2000257447 A JP2000257447 A JP 2000257447A
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正光 桑原
Yasumoto Tomita
康意 富田
Kiyoshi Suenaga
潔 末永
Masato Kataoka
正人 片岡
Hisayasu Satou
寿恭 佐藤
Yasushi Watanabe
康司 渡辺
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D11/00Preventing or minimising internal leakage of working-fluid, e.g. between stages
    • F01D11/005Sealing means between non relatively rotating elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2260/00Function
    • F05D2260/20Heat transfer, e.g. cooling
    • F05D2260/202Heat transfer, e.g. cooling by film cooling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン分割環に関し、分割環接続端部
の冷却効果を向上させ、端部の焼損を防ぎ、信頼性を向
上させる。 【解決手段】 ガスタービン分割環1a,1bにはフラ
ンジ部4a,4bに端面3a−1,3b−1が屈曲した
面を持って形成され、接続部溝5−1を形成し、連結さ
れ、円筒状の分割環を構成する。フランジ部4a,4b
には溝26a,26bが形成され、シール板25が挿入
され、溝をシールする。分割環1aのフランジ部4aに
は斜めに冷却空気穴2が穿設され、空気100を回転方
向Rに沿って流出させ、接続部溝5−1出口部をフィル
ム冷却し、この部分のガスの滞留をなくし、冷却を高め
るので出口端部の高温ガスによる焼損を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン分割環
に関し、分割環の接続部の冷却を改善することにより高
温ガスによる端部の焼損を防止し、信頼性を向上するよ
うにしたものである。
【0002】
【従来の技術】図7はガスタービンの一般的な断面図で
あり、31は1段静翼、32は静翼のフランジ、33は
そのサポートリングである。34は1段動翼、35は2
段静翼、36は2段動翼、37は3段静翼、38は3段
動翼、39は4段静翼、40は4段動翼である。本例で
は4段の翼で構成され、それぞれ各段において静翼が取
付けられ、その間に動翼がロータ周方向にディスクを介
して取付けられ、複数枚の静翼と動翼は軸方向に交互に
配置されている。
【0003】上記のようなガスタービンにおいては、タ
ービン効率を高めるために作動ガスの温度を高めること
が要求されており、ガス通路を形成する壁面の金属材料
の温度を材料の許容温度以下に保つために、その部材内
に冷却空気を通す穴を設け、その穴に空気を流通させて
冷却することが行なわれている。図7において、20は
1段動翼周囲の壁面で分割環を示しており、円周上で分
割された円弧状の環を複数連結して円筒状の壁面を構成
し、冷却空気穴を設けて冷却空気を流し、冷却するよう
にしている。
【0004】図8は図7におけるB部詳細であり、上記
の分割環を示している。図7において1段静翼31と2
段静翼35との間には1段動翼34が配置され、その周
囲には分割環20が円筒状に配置されている。図8にお
いて、21は分割環20にあけられた冷却空気穴であ
り、内部の上面に21aの開口部と側面に21bの開口
部を有している。22はインピンジ板であり、上部には
冷却空気流入穴23が設けられ、冷却空気50が送り込
まれる。冷却空気50は内部空間24に入り、インピン
ジ板22の多数の孔より分割環20に当り、表面を冷却
すると共に開口部21aより冷却空気穴21内に流入
し、開口部21bより外部のガス通路に流出し、その過
程において分割環20の内部を冷却する。
【0005】図9は図8におけるC−C矢視図であり、
分割環の1部を示している。図では円筒状の構造の1部
を形成する分割環20を示し、円筒状の側面には多数の
冷却空気穴21が配列してあけられ、開口部21bが開
口しており、内部全面を空気で冷却する構造となってい
る。分割環20は隣接する分割環20a,20bと接続
され、円筒状に配置されるが、接続部には互に溝26
a,26bを設け、この溝26a,26bにシール板2
5を嵌入してシール用空気のもれを防止している。
【0006】図10は図9におけるD−D矢視図であ
り、前述したように両端の溝にはシール板25が挿入さ
れてシールを保持すると共に、分割環20内部には多数
の冷却空気穴21が穿設されており、冷却空気穴21は
一方では表面に開口部21a、他方には側面の開口部2
1bを有して冷却空気を開口部21aから導入し、開口
部21bからガスパスに流出させて分割環20壁面を冷
却している。
【0007】図11は図9のシール板の拡大詳細図であ
り、(a)は側面図、(b)は(a)におけるE−E矢
視図である。図において互に隣接する分割環20と20
aにはそれぞれ溝26a,26bが設けられ、これら両
溝内にはシール板25が挿入されている。図11(a)
において両端部のX,Yで示す部分はシール板25の溝
が加工されている部分であり、冷却空気穴を設けにくい
領域であり、冷却が充分になされず、又、両端部で形成
する空間Zの領域では高温ガスがよどんで滞留しやすい
場合であり、X,Yで示す端部は高温ガスにより焼損を
受けやすい部分となっている。
【0008】図12は図11におけるX,Y領域の焼損
を受けた状態を示し、(a)は断面図、(b)は(a)
におけるF−F矢視図である。図において、領域X,Y
の端部は高温ガスの影響を受け、50,51で示すよう
に端部が焼損し、欠けた状態となり、この状態が進行す
ると溝26a,26bの下端が欠落し、内部のシール板
25がぬけ出してしまうことが起る。従って、このよう
な分割環接続部の端部の焼損を防止する冷却構造の検討
が必要となってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来のガ
スタービン分割環の接続部には、シール板により接続部
をシールする構造が採用されており、この接続部では、
溝を形成してシール板が挿入される端部が高温燃焼ガス
により焼損を受けたり、高温酸化による減肉が生じ、端
部が溶融したり、欠落して溝内部のシール板が抜け出し
てしまう課題が発生している。
【0010】そこで本発明は、分割環接続部のシール板
を保持する端部の冷却を強化し、端部の高温燃焼ガスに
よる影響を軽減し、分割環端部の燃焼を防止して分割環
の寿命を延ばし、信頼性を向上するようにしたガスター
ビン分割環を提供することを課題としてなされたもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の(1)乃至(6)の手段を提供する。
【0012】(1)複数の分割部分を円筒状に連結し、
各分割部分の対向する端面同志の接合部にシール板の端
部をそれぞれ挿入して構成されるガスタービン分割環に
おいて、前記接合部は一方の分割部分端面形状が外側よ
りも内側が周方向に突出する形状とし、他方の分割部分
端面形状は一方の端面形状とは逆に同一方の端面と対向
して所定の隙間を保って連結され、前記一方の突出形状
の部分には外側より接合部方向へ斜めに穿設され、同突
出形状部分内側壁面で開口する冷却空気穴を設けたこと
を特徴とするガスタービン分割環。
【0013】(2)複数の分割部分を円筒状に連結し、
各分割部分の対向する端面同志の接合部にシール板の端
部をそれぞれ挿入して構成されるガスタービン分割環に
おいて、前記接合部は一方の分割部分端面形状が外側よ
りも内側が周方向に突出する形状とし、他方の分割部分
端面形状は一方の端面形状とは逆に同一方の端面と対向
して所定の隙間を保って連結され、前記一方の突出形状
の部分には外側より接合部方向へ斜めに穿設され、前記
接合部の端面で開口する冷却空気穴を設け、前記シール
板は前記突出形状部より内側に配設したことを特徴とす
るガスタービン分割環。
【0014】(3)前記冷却空気穴の接合部端面開口に
対向する他方の分割部分の端面は同冷却空気穴の傾斜に
沿って斜めにカットされていることを特徴とする(2)
記載のガスタービン分割環。
【0015】(4)前記シール板は前記突出形状部の内
側配置に代え、外側に配置したことを特徴とする(2)
記載のガスタービン分割環。
【0016】(5)前記シール板には穴を穿設し、同穴
は外側から内側へ前記接合部分の隙間を通って空気を流
すことを特徴とする(4)記載のガスタービン分割環。
【0017】(6)前記分割部分の軸方向の接続部端面
は途中にほぼ直交する端面を設けて屈曲して構成される
ことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の
ガスタービン分割環。
【0018】本発明の(1)においては、分割環の端面
同志がガスパスの内側と外側とで周方向に変化した形状
であり、直線状で連結されていない。この接合部には熱
伸びを考慮して所定の隙間が設けられているのでシール
板が介在している。従って内側の冷却用空気の接続部か
らのもれ量はシール板で防止される。又、接続部は屈曲
した隙間が存在するので外側から隙間に流入しようとす
る高温燃焼ガスの流路抵抗を増し、ガスが侵入しにくい
構造となっている。更に、傾斜して設けられた冷却空気
穴が接続部の内側近辺の内壁面で開口しているので、こ
の開口部より流出する空気により接合部の内側端部がフ
ィルム冷却され、接合部の内側端部の焼損を防止する。
【0019】本発明の(2)では、上記(1)と同様の
作用、効果を奏するが、冷却空気穴が接合部の内側近く
の端面で開口しており、冷却空気はこの開口より接続部
の内側寄りの隙間より流出するので、内側から隙間に侵
入しようとする高温ガスを防止し、接続部隙間の冷却を
保つようにしている。更に、シール板は接続部の屈曲し
た隙間よりも内側に配置したので、外側隙間からシール
板の溝を通って流出しようとするもれ空気の流路の抵抗
を増し、冷却空気がもれにくくする効果を有する。
【0020】本発明の(3)では、上記(2)の発明の
冷却空気穴の開口と対向する他方の分割部分端面が斜め
にカットされているので、流出する空気がスムーズに流
れ、上記(2)の発明のフィルム冷却効果を良好とし、
又、本発明の(4)では、(2)の発明のシール板を外
側に配置するようにして、上記(2)の発明の変形例と
して設計の応用範囲を広めることができる。
【0021】本発明の(5)では、上記(4)の発明に
おいてシール板に穴を穿設し、この穴からは外側の冷却
空気を接続部の隙間を通してわずかな量流すようにして
おり、この空気流により隙間に滞留する高温燃焼ガスを
内側に流し、隙間の加熱を抑え、冷却効果が増すように
している。
【0022】更に、本発明の(6)では、分割部分の内
側を屈曲した端面同志を連結して円筒状の分割環を構成
するので、上記(1)〜(5)の発明の端面の冷却効果
に加え、シール性が良好となるものである。このような
(1)〜(6)の発明により従来発生していた分割部分
接続部内側端部の高温燃焼ガスによる焼損が防止され、
シール板が抜け落ちるとの不具合も解消し、ガスタービ
ンの信頼性が著しく向上するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基いて具体的に説明する。図1は本発明の実施
の第1形態に係るガスタービン分割環の接続部の断面図
であり、図9に示す従来の分割環の接続部分に相当する
図である。図において、1a,1bは分割環であり、2
は分割環1aの端部内側に向って斜めに穿設された冷却
空気穴である。この冷却空気穴2は分割環1aの面に軸
方向に5mmピッチで10個程度設ける。3a−1,3b
−1は分割環の端面であり、3a−1は分割環1aの端
面であり、フランジ部4aに周方向に向って段部を形成
するように屈曲して形成されている。3b−1は同じく
分割環1bの端面であり、端面3a−1の形状に沿って
対向した端面を形成している。
【0024】4a,4bは上記のフランジ部、5−1は
端面3a,3bで形成される接続部溝である。25はシ
ール板であり、従来と同じく、フランジ部4a,4bに
形成された溝26a,26b内に嵌入されている。
【0025】上記構成の実施の第1形態においては、シ
ール板25の内側には段部を有する端面3a−1,3b
−1を形成して屈曲した接続部溝5−1を形成させる。
この溝の形状により溝26a,26bから流出する冷却
空気の流れに抵抗を与え、シール性を良好にすると共
に、高温燃焼ガスが内側から隙間内に侵入しにくくして
いる。更に、傾斜した冷却空気穴2からは分割環1a外
側より冷却空気100がロータの回転方向Rに沿って流
出し、接続部溝5−1の内側端部をフィルム冷却し、接
続部溝5−1内側のガス滞留領域を効果的に冷却し、こ
の部分の高温燃焼ガスによる焼損を防ぐ。従ってシール
板25の抜け落ちる不具合が防止され、分割環の信頼性
が向上する。
【0026】図2は本発明の実施の第2形態に係るガス
タービン分割環の断面図である。図において図1の実施
の第1形態と異る部分はシール板25を接続部溝5−2
の屈曲した流路の内側に配置すると共に、冷却空気穴1
2の出口を接続部溝5−2の内側開口部よりも内部へ移
動して配置している。即ち、分割環1a,1bのフラン
ジ部4a,4bには屈曲した端面3a−2,3b−2を
形成し、両端面により接続部溝5−2を形成させてい
る。
【0027】接続部溝5−2の屈曲した流路は図1の例
よりも上部(外側)へ移動させ、溝26a,26bは屈
曲した流路の内側へ設け、シール板25は図1の例より
も内側に設置されている。又、冷却空気穴12はフラン
ジ4aに外側から内側へ向って斜めに穿設されるが、そ
の出口は接続部溝5−2の開口より溝内に入り込んだ位
置としている。
【0028】上記構成の実施の第2形態によれば、屈曲
した接続部溝5−2の外側開口部では外側から流入しよ
うとする冷却空気の入口流路抵抗を大きくし、シール板
25周囲の溝26a,26bからの空気のもれ量を少く
できると共に、分割環1a外側から冷却空気穴12へ流
入した空気101は接続部溝5−2の溝内に流出し、溝
出口からガスパスに流出し、接続部溝の端部周囲を冷却
する。この冷却空気の流出は、溝5−2の内側開口部の
溝内で流出するので接続部開口部からシール板25まで
の溝5−2内の流路への高温燃焼ガスの逆流が防止さ
れ、端面の冷却効果が向上するものである。
【0029】図3は本発明の実施の第3形態に係るガス
タービン分割環の断面図である。図において、本実施の
第3形態の特徴部分は、図1に示す実施の第1形態にお
いて空気冷却穴12出口を図2の例と同じく接続部溝5
−3の開口近辺の溝内部とし、更に、接続部溝5−3の
冷却空気穴12の開口と対向する分割環1b端部を斜め
に回転方向Rに沿って切り落した切欠き部6を設けた部
分である。
【0030】即ち、溝26a,26b、シール板25は
図1と同じであり、端面3a−3,3b−3の形状も同
じであるが、端面3b−3の内側端面には前述のように
切欠き部6が設けられている。冷却空気穴12は図2の
例と同じくフランジ部4aにおいて外側から斜めに穿設
され、接続部溝5−3内側の溝内で開口し、この開口部
に対向する端面3b−3は斜めにカットされた切欠き部
6となっている。
【0031】上記構成の実施の第3形態において、接続
部溝5−3の屈曲した流路により図1に示す実施の第1
形態と同様に流出する空気のシール性を向上させると共
に、冷却空気穴12より流出する空気102は切欠き部
6の傾斜面に沿ってスムーズに流出し、両端部を効果的
にフィルム冷却することができる。更に、本実施の第3
形態では図1に示す第1形態と比べると冷却空気102
の出口は接続部溝5−3の溝内に入り込んでいるので接
続部溝5−3出口から溝内に逆流する高温ガスの流入を
防ぐことができる。
【0032】図4は本発明の実施の第4形態に係るガス
タービン分割環の断面図である。図において、本実施の
第4形態は図2に示す実施の第2形態に、更に切欠き部
6を設けた部分にあり、その他は図2と同じ構成であ
る。即ち、溝26a,26b、シール板25は図2と同
じ配置であり、端面3a−4,3b−4も同じ形状をし
ているが、端面3a−4の内側端に斜めに切り欠かれた
切欠き部6が形成されている。冷却空気穴12はフラン
ジ4aにおいて外側から斜めに穿設され、接続部溝5−
4内側において溝内で開口し、この開口部に対向する端
面3b−4は斜めにカットされた切欠き部6となってい
る。
【0033】上記構成の実施の第4形態においては、実
施の第2形態と同様の作用、効果を奏すると共に、更に
冷却空気穴12より流出する空気103は切欠き部6の
傾斜面に沿ってスムーズに流出し、両端部を効果的に冷
却するが、特に分割環1bの端部は切欠き部6の斜面に
よりフィルム冷却がなされ、この部分の冷却効果が増す
ものである。
【0034】図5は本発明の実施の第5形態に係るガス
タービン分割環の断面図であり、図において、本実施の
第5形態においては、全体の構成は図3に示す実施の第
3形態と同じであり、本発明の特徴部分はシール板5に
設けた細い空気穴7にある。即ち、溝26a,26b、
シール板25は図3と同じ配置であり、冷却空気穴1
2、端面3a−5,3b−5、切欠き部6も同じであ
り、これらにより形成される接続部溝5−5も同様に形
成されている。
【0035】空気穴7はシール板25に穿設され、シー
ル板で区分された接続部溝5−5の外側と内側を連通し
ている。図に示す構造では接続部溝5−5の途中の仕切
板25と切欠き部6までの間が冷却空気穴12出口から
流出する空気104で閉じられ、この内部に高温のガス
が封入され、流動しないで滞留する状態が起るが、空気
穴7から内側に向って流出する空気105によって内部
のガスが対流し、ガスの溝内の滞留を抑え、端面3a−
5,3b−5の冷却効果が一層向上する。なお、この空
気穴7はシール板25のシール性能に影響するので、細
穴とし、もれ空気量程度とし、溝内の対流を起こす目的
のものであり、シール性を損わないような穴径を設定す
る。その他の作用効果は図3に示す実施の第3形態と同
じである。
【0036】図6は本発明の実施の第6形態に係るガス
タービン分割環を示し、(a)は断面図、(b)は
(a)におけるA−A矢視図である。図において、本実
施の第6形態の特徴部分は接続部溝の形状にあり、図で
は(a)は実施の第1形態の分割環で示しているが、実
施の第2〜第5形態の分割環の接続構造にも同様に適用
されるものである。
【0037】図において(a)は図1に示す構造と同じ
であり、説明を省略するが、(b)において、分割環1
a,1bの端面3a−1,3a−2はL1 ,L2 ,L3
の部分から構成され、L1 ,L2 は軸方向の直線、L2
は両直線L1 ,L2 と直交し、直角に屈曲した面を形成
する直線である。従って両端面3a−1,3b−2で形
成される接続部溝5−6は中央部で直角に折れて迂回す
る経路から形成される。
【0038】このような接続部溝5−6を形成すること
により、実施の第1〜第5形態の分割環の接続部の溝経
路が複雑となり、流路抵抗が増して冷却空気のもれ量も
少くなり、かつ内側からの高温燃焼ガスの接続部溝内へ
の廻り込みを制限され、冷却効果が増すものである。
【0039】
【発明の効果】本発明のガスタービン分割環は(1)複
数の分割部分を円筒状に連結し、各分割部分の対向する
端面同志の接合部にシール板の端部をそれぞれ挿入して
構成されるガスタービン分割環において、前記接合部は
一方の分割部分端面形状が外側よりも内側が周方向に突
出する形状とし、他方の分割部分端面形状は一方の端面
形状とは逆に同一方の端面と対向して所定の隙間を保っ
て連結され、前記一方の突出形状の部分には外側より接
合部方向へ斜めに穿設され、同突出形状部分内側壁面で
開口する冷却空気穴を設けたことを特徴としている。こ
のような分割環により、分割環を構成する分割部分の接
続部内側端部の高温燃焼ガスによる焼損が防止され、接
続部に介在しているシール板が抜け落るような不具合が
防止される。
【0040】本発明の(2)では、上記(1)と同様の
分割環の構造において、前記接合部の端面で開口する冷
却空気穴を設け、前記シール板は前記突出形状部より内
側に配設したことを特徴としている。このような分割環
においても上記(1)と同様の効果が得られると共に、
冷却空気は接続部の内側寄りの隙間より流出するので、
内側から隙間に侵入しようとする高温ガスを防止し、接
続部隙間の冷却が効果的になされる。
【0041】本発明の(3)では、上記(2)の発明の
冷却空気穴の開口と対向する他方の分割部分端面が斜め
にカットされているので、流出する空気がスムーズに流
れ、上記(2)の発明のフィルム冷却効果を良好とし、
又、本発明の(4)では、(2)の発明のシール板を外
側に配置するようにして、上記(2)の変形例として設
計の応用範囲を広めることができる。
【0042】本発明の(5)では、上記(4)の発明に
おいてシール板に穴を穿設し、この穴からは外側の冷却
空気を接続部の隙間を通してわずかな量流すようにして
おり、この空気流により隙間に滞留する高温燃焼ガスを
内側に流し、隙間の加熱を抑え、冷却効果が増すように
している。
【0043】更に、本発明の(6)では、分割部分の内
側を屈曲した端面同志を連結して円筒状の分割環を構成
するので、上記(1)〜(5)の発明の端面の冷却効果
に加え、シール性が良好となるものである。このような
(1)〜(6)の発明により従来発生していた分割部分
接続部内側端部の高温燃焼ガスによる焼損が防止され、
シール板が抜け落ちるとの不具合も解消し、ガスタービ
ンの信頼性が著しく向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るガスタービン分
割環の断面図である。
【図2】本発明の実施の第2形態に係るガスタービン分
割環の断面図である。
【図3】本発明の実施の第3形態に係るガスタービン分
割環の断面図である。
【図4】本発明の実施の第4形態に係るガスタービン分
割環の断面図である。
【図5】本発明の実施の第5形態に係るガスタービン分
割環の断面図である。
【図6】本発明の実施の第6形態に係るガスタービン分
割環を示し、(a)は断面図、(b)は(a)における
A−A矢視図である。
【図7】ガスタービンの一般的な構成図である。
【図8】図7におけるB部詳細断面図である。
【図9】図8におけるC−C矢視図である。
【図10】図9におけるD−D矢視図である。
【図11】従来のガスタービン分割環の接続部を示し、
(a)は接続部側面図、(b)は(a)におけるE−E
矢視図である。
【図12】従来のガスタービン分割環の接続部焼損状態
を示し、(a)は断面図、(b)は(a)におけるF−
F矢視図である。
【符号の説明】
1a,1b 分割環 2,12 冷却空気穴 3a−1,3b−1 端面 3a−2,3b−2 端面 3a−3,3a−3 端面 3a−4,3b−4 端面 3a−5,3b−5 端面 4a,4b フランジ部 5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6
接続部溝 6 切欠き部 7 空気穴 25 シール板 26a,26b 溝
フロントページの続き (72)発明者 末永 潔 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 片岡 正人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 佐藤 寿恭 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 渡辺 康司 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 3G002 GA02 GB01 HA01 HA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分割部分を円筒状に連結し、各分
    割部分の対向する端面同志の接合部にシール板の端部を
    それぞれ挿入して構成されるガスタービン分割環におい
    て、前記接合部は一方の分割部分端面形状が外側よりも
    内側が周方向に突出する形状とし、他方の分割部分端面
    形状は一方の端面形状とは逆に同一方の端面と対向して
    所定の隙間を保って連結され、前記一方の突出形状の部
    分には外側より接合部方向へ斜めに穿設され、同突出形
    状部分内側壁面で開口する冷却空気穴を設けたことを特
    徴とするガスタービン分割環。
  2. 【請求項2】 複数の分割部分を円筒状に連結し、各分
    割部分の対向する端面同志の接合部にシール板の端部を
    それぞれ挿入して構成されるガスタービン分割環におい
    て、前記接合部は一方の分割部分端面形状が外側よりも
    内側が周方向に突出する形状とし、他方の分割部分端面
    形状は一方の端面形状とは逆に同一方の端面と対向して
    所定の隙間を保って連結され、前記一方の突出形状の部
    分には外側より接合部方向へ斜めに穿設され、前記接合
    部の端面で開口する冷却空気穴を設け、前記シール板は
    前記突出形状部より内側に配設したことを特徴とするガ
    スタービン分割環。
  3. 【請求項3】 前記冷却空気穴の接合部端面開口に対向
    する他方の分割部分の端面は同冷却空気穴の傾斜に沿っ
    て斜めにカットされていることを特徴とする請求項2記
    載のガスタービン分割環。
  4. 【請求項4】 前記シール板は前記突出形状部の内側配
    置に代え、外側に配置したことを特徴とする請求項2記
    載のガスタービン分割環。
  5. 【請求項5】 前記シール板には穴を穿設し、同穴は外
    側から内側へ前記接合部分の隙間を通って空気を流すこ
    とを特徴とする請求項4記載のガスタービン分割環。
  6. 【請求項6】 前記分割部分の軸方向の接続部端面は途
    中にほぼ直交する端面を設けて屈曲して構成されること
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガスタ
    ービン分割環。
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