JP2000256625A - 粘着部材 - Google Patents

粘着部材

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JP2000256625A
JP2000256625A JP11059944A JP5994499A JP2000256625A JP 2000256625 A JP2000256625 A JP 2000256625A JP 11059944 A JP11059944 A JP 11059944A JP 5994499 A JP5994499 A JP 5994499A JP 2000256625 A JP2000256625 A JP 2000256625A
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layer
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plasma treatment
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Masayoshi Kawabe
雅義 河辺
Kunihiro Inagaki
訓宏 稲垣
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着剤組成に基づく全体的なバルク特性は維
持しつつ、従って粘着剤組成による全体的な粘着特性の
設計を可能としつつ、粘着特性の一部を改質して多様な
粘着特性を効率よく創出し、接着力と保持力に優れる粘
着層を得ること。 【解決手段】 複数のプラズマ処理を前後して施した表
面層(11)を有する粘着層(1)を基材(2)の片面
又は両面に有する粘着部材。 【効果】 前後した複数のプラズマ処理で粘着層、特に
その表面層に官能基を効率よく導入でき、粘着層の全体
に初期設定した粘着剤組成に基づく全体的なバルク特性
を内部層を介し良好に維持しつつ粘着層の表層を効率よ
く改質して、接着力と保持力を向上させうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、前後した複数のプラズマ
処理により接着特性を改善した表面層を有する粘着部材
に関する。
【0002】
【従来の技術】商業用や産業用、事務用や家庭用等のラ
ベルやステッカー、シールやワッペン、伝票や掲示板等
を粘着層を介し接着処理することなどの、各種分野への
粘着層の普及に伴いその用途に応じた新たな粘着特性の
創出、特に粘着剤組成に基づく全体的なバルク特性は維
持しつつ、接着力や保持力の向上等の一部の特性を用途
に応じて部分的に改質することが課題となっている。
【0003】従来の粘着剤組成の変更による粘着特性の
多様化も重要であるが、粘着剤組成の変更ではバルク全
体の特性が変化しやすくて一部の特性のみを変更しにく
く、目的の粘着特性を創出するまでに多時間多労力を要
する難点がある。プラズマ処理で粘着特性を改質した粘
着層も提案されているが(特公昭57−15627号公
報、特開平7−173441号公報)、従来のプラズマ
処理でもバルク全体の粘着特性が大きく変化する問題点
があった。
【0004】すなわち従来のプラズマ処理では、例えば
粘着層全体で架橋密度が増大し柔軟性の欠落で接着力が
低下したり、粘着層全体の分子鎖切断で接着力が向上し
ても軟質化も進行して保持力が著しく低下したりするな
どの、粘着層の全体が変質してバルク特性も変化し粘着
特性の一部を変化させることが困難な問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、粘着剤組成に基づく全
体的なバルク特性は維持しつつ、従って粘着剤組成によ
る全体的な粘着特性の設計を可能としつつ、粘着特性の
一部を改質して多様な粘着特性を効率よく創出し、接着
力と保持力に優れる粘着層を得ることを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、複数のプラズマ処理を前
後して施した表面層を有する粘着層を基材の片面又は両
面に有することを特徴とする粘着部材を提供するもので
ある。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、前後した複数のプラズ
マ処理により粘着層、特にその表面層に官能基を効率よ
く導入でき、粘着層の全体に初期設定した粘着剤組成に
基づく全体的なバルク特性を内部層を介し良好に維持し
つつ粘着層の表層を効率よく改質して、接着力と保持力
を向上させることができる。従って粘着剤組成による全
体的な粘着特性の設計を可能としつつ、粘着特性の一部
を改質して多様な粘着特性、特に接着力・保持力特性を
効率よく創出することができる。
【0008】
【発明の実施形態】本発明による粘着部材は、複数のプ
ラズマ処理を前後して施した表面層を有する粘着層を基
材の片面又は両面に有するものからなる。その例を図
1、図2に示した。1、3が粘着層で、11,31がそ
の表面層、2が基材である。
【0009】粘着部材は、基材の片面又は両面に粘着層
を有するものとすることができ、基材と粘着層を容易に
剥離できるタイプや、基材と粘着層が強接着した固着タ
イプなどの適宜なタイプのものとすることができる。な
お基材の両面に粘着層を有するものの場合、例えば片面
にプラズマ処理による表面改質の粘着層を有し、他面に
普通の接着層を有する粘着部材などの如く、基材の両面
における粘着層ないし接着層は異なるものであってもよ
いし、同じものであってもよい。
【0010】粘着層の支持を目的とする基材としては、
各種のプラスチックからなるフィルムやシート、紙や
布、不織布や金属箔、ネットや発泡体、それらのラミネ
ート体などの適宜な薄葉体を用いることができ、従来の
粘着部材おける基材のいずれも用いうる。また基材は、
導電体層や磁性体層を有して、又は/及び導電粉や磁性
粉を含有して高周波を介し誘導加熱できるものなどであ
ってもよい。基材の厚さは、適宜に決定しうるが、一般
には500μm以下、就中1〜300μm、特に5〜25
0μmとされる。
【0011】なお上記した剥離タイプの粘着部材は、例
えば低接着性の基材を用いて形成することができる。低
接着性の基材は例えば、シリコーン系やフッ素系や長鎖
アルキル系等で代表される剥離剤をコーティングする方
式、ポリエチレンやポリプロピレンの如き無極性ポリマ
ーからなる接着力の弱い基材を用いる方式などの公知の
方式により得ることができる。
【0012】一方、固着タイプの粘着部材は、例えば強
接着性の基材を用いて形成することができる。強接着性
の基材は例えば、クロム酸処理やオゾン暴露、火炎暴露
や高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等により表面を酸
化させる化学的又は物理的処理による方式、ポリエステ
ルの如き極性の高いポリマー等からなる接着力の強い基
材を用いる方式などの公知の方式により得ることができ
る。
【0013】粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリ
ル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリ
エステル系やポリアミド系、ウレタン系などの公知の粘
着剤の1種又は2種以上を用いることができる。従って
紫外線硬化型やホットメルト型や熱時感圧型等の粘着剤
なども用いることができ、粘着層を形成する粘着剤につ
いては特に限定はない。
【0014】汎用性などの点よりは、例えばポリイソブ
チレンやポリイソプレン、天然ゴムや再生ゴム、SBR
やNBRの如きゴム系ポリマー、あるいはスチレン・イ
ソプレン系やスチレン・ブタジエン系等のスチレン・ジ
エンA・B型又はA・B・A型ブロック共重合体の如き
ゴム系ポリマーなどを成分とするゴム系粘着剤、炭素数
が20以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリ
ル酸等のエステルからなる(メタ)アクリル酸系アルキ
ルエステルの1種又は2種以上を用いて、必要に応じ凝
集力や耐熱性や架橋性等のバルク特性の調節などを目的
に適宜なモノマーの1種又は2種以上を共重合したアク
リル系ポリマーを成分とするアクリル系粘着剤などが好
ましく用いうる。
【0015】用いる粘着剤は、1種又は2種以上のベー
スポリマーに、必要に応じ架橋剤や粘着性付与剤、可塑
剤や充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を配合した
ものなどであってもよい。
【0016】粘着層の形成は、例えばドクターブレード
法やグラビア印刷法などの適宜な方式にて基材上に粘着
剤を塗布する方式や、それに準じてセパレータ上に形成
した粘着層を基材上に移着する方式などの適宜な方式に
て行うことができる。粘着層の厚さは、使用目的などに
応じて適宜に決定しうるが、一般には500μm以下、
就中1〜300μm、特に5〜100μmとされる。なお
粘着層は、バルク特性の調節などを目的に電子線照射に
よる架橋処理などの適宜な処理が施されたものであって
もよい。
【0017】本発明による粘着部材は、粘着層に複数の
プラズマ処理を前後して施してその表面層に官能基を導
入することにより、図例の如く粘着層1,3の表面に内
部とは異なる粘着特性を示す表面層11,31を形成し
たものである。プラズマ処理は、キャリアガスにて形成
されるプラズマ雰囲気に粘着層をおくものであり、それ
により粘着層の表層に粘着層の形成成分やキャリアガス
の種類に基づいて各種官能基を形成導入することができ
る。
【0018】前記においてプラズマ処理による表面層の
厚さについては、適宜に決定しうるが、一般には粘着層
に初期設定したバルク特性の維持などの点より100nm
以下、就中5〜70nm、特に10〜50nmが好ましい。
表面層の厚さは、処理時間やプラズマ発生源からの距離
等のプラズマ処理の程度にて制御しうるが、厚すぎると
表面層の物性が粘着層全体の物性に大きく影響して、粘
着層全体のバルク特性が変化しやすくなる。
【0019】また厚い表面層の形成には強いプラズマ処
理ないし長時間のプラズマ処理を要して粘着層内部にま
で改質処理の影響が大きく及ぶこととなり粘着層全体の
バルク特性が変質しやすくなる。
【0020】前記した極薄の表面層厚の容易な達成性や
粘着特性の高度な制御性などの点より好ましい粘着部材
の製造方法は、粘着層をリモートプラズマ領域に配置し
て改質処理する方法である。かかるリモートプラズマ処
理方法によれば、表面層のみにおける官能基導入等の改
質処理を制御性よく行うことができる。
【0021】すなわち図3に例示のプラズマ発生装置4
等において、ガスタンク47より流量制御系46を介し
て減圧管41内に供給されたキャリアガスは、電極42
の近傍でラジカルや電子、イオンや紫外線等の活性種か
らなるプラズマ状態となり、減圧系44を介して減圧管
内を順次移動しつつ排気される。
【0022】前記の移動過程において、活性種は再結合
等で失活するがその場合、電子やイオンはラジカルより
も速く失活し、その失活速度は電子やイオンで10−7
cm/秒程度、ラジカルで10−33cm/秒程度とさ
れている。従ってラジカルがより長時間活性を維持し
て、電極42近くのプラズマ発生領域5から離れた領域
6,7,8にラジカルがリッチに存在する領域が形成さ
れやすく、この領域がリモートプラズマ領域である。
【0023】前記の如くリモートプラズマ領域では、電
極近傍よりもラジカルをリッチに含み、電子やイオン等
の存在量が少ないためにラジカルによる官能基が導入さ
れやすい。また電子やイオン等による分子鎖の切断(エ
ッチング現象)や架橋が生じにくく、移動等による活性
種のエネルギー減衰なども生じてプラズマを介した改質
処理が電極近傍のプラズマ発生領域よりも緩やかに進行
する。
【0024】前記の結果、リモートプラズマ領域にて処
理することにより、粘着層表層の極く薄い部分を制御性
よく改質処理できるものと思われる。なお図3におい
て、43は処理対象の支持板、45は減圧計、48は電
源、49は整合系である。
【0025】前記のリモートプラズマ処理において、プ
ラズマの発生源等となるキャリアガスについては、適宜
なガスを用いうる。ちなみにその例としては、ヘリウム
やアルゴン等の不活性ガス、酸素や窒素等の2原子分子
ガス、炭酸ガスやアンモニアガス、水蒸気や各種モノマ
ー等の多原子分子ガスなどがあげられる。
【0026】キャリアガスは、1種又は2種以上の混合
物を用いることができ、改質目的などに応じて適宜に選
択使用することができる。ちなみに架橋や分子鎖の切断
(エッチング)等には不活性ガスが、極性官能基の導入
等には酸素ガスが一般に有利である。
【0027】なお前記したキャリアガスとしてのモノマ
ーの使用は、モノマーをラジカル化するなどして粘着層
の表面層にグラフト化することなどを目的とする。その
モノマーとしては適宜なものを用いることができ、特に
限定はない。かかるモノマーによるグラフト化処理は、
粘着層に官能基等を導入した後、それに後続の後グラフ
ト処理として行うこともできる。その後グラフト処理
は、通例のプラズマ処理にても行いうるが、粘着層のバ
ルク特性を維持した表面層のみの改質などの点よりは、
リモートプラズマ処理による方式が好ましい。
【0028】本発明においては、例えば窒素をキャリア
ガスに用いた窒素プラズマ処理と酸素をキャリアガスに
用いた酸素プラズマ処理の組合せの如く、複数のプラズ
マ処理を前後して施して官能基が導入される。ちなみに
前記に例示のキャリアガスを用いて、例えば水酸基やカ
ルボニル基、カルボキシル基やアミド基、アミノ基やパ
ーオキシドなどの官能基を導入することができる。
【0029】従って表面層への官能基の導入で、内部よ
りも官能基を多く含有する表面層の形成も可能である。
なお窒素ガスや酸素ガス等を用いてアミド基やカルボニ
ル基、水酸基やカルボキシル基等を導入した場合には、
接着力の向上等と共に表面を親水性に改質することも可
能である。
【0030】前後した複数のプラズマ処理の組合せにつ
いては特に限定はなく、適宜な組合せとすることができ
る。またプラズマ処理は、2種又は3種以上の組合せと
することができる。前後した複数のプラズマ処理を施す
ことにより、官能基を効率よく導入できて接着力と保持
力の向上を図ることができる。特に窒素プラズマ処理後
に酸素プラズマ処理を施す方式は、官能基の導入効率に
優れている。
【0031】ちなみにポリイソブチレン系粘着層をリモ
ートプラズマ方式で窒素プラズマ処理した後、さらにリ
モートプラズマ方式で酸素プラズマ処理を施すことによ
り、官能基をCO/CH吸光度面積比に基づいて内部の
2倍以上含有する表面層を形成でき、これによりプラズ
マ処理していないポリイソブチレン系粘着層と比べて接
着力を1.3倍以上、保持力をズレ量に基づいて70%
以下とすることができる。なお前記の吸光度面積比は、
ポリイソブチレン系粘着層の場合、それに導入された官
能基に基づいて幅広い吸収バンド特性を示すことによ
り、吸光度面積比が大きいほど官能基の導入割合が多い
ことを意味する。
【0032】なおリモートプラズマ処理は、前記に加え
て例えば親水性付与等の性質の付加などの適宜な特性の
付与を目的として行うことができる。すなわちリモート
プラズマ処理にても表面層における、官能基の導入のほ
か、例えば分子鎖の切断や架橋反応を生じさせることが
でき、それによる改質を加えることができる。またそれ
らが複合した改質処理も加えることができる。
【0033】従って官能基の導入や分子鎖の切断、架橋
反応等を調節することにより表面層における改質による
粘着特性を制御することができる。なお前記した分子鎖
の切断や架橋等は、分子鎖の結合エネルギーなどが関係
することより、リモートプラズマ処理による改質特性
は、同じ条件による処理にても粘着層を形成するポリマ
ー成分などにより相違する場合がある。
【0034】リモートプラズマ処理の条件は、改質の目
的や程度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には形
成される改質表面層の厚さ制御などの点より、キャリア
ガスの流量100ml/分以下、就中50ml/分以下、特
に1〜20ml/分、処理出力(電極電圧)10〜300
W、就中20〜200W、特に30〜100W、処理時
間1秒間〜30分間、就中10秒間〜15分間、特に3
0秒間〜5分間とされる。粘着層の配置位置は、処理効
率等により適宜に決定することができる。
【0035】処理出力は高いほど、処理時間は長いほど
官能基の導入量は多くなる。また粘着層を配置する位置
を電極から遠くするほど、上記したようにラジカルがリ
ッチな雰囲気で処理しうる。効率的な処理に必要なラジ
カル濃度の点よりは、300cm以下、就中10〜200
cm以下、特に30〜150cmの電極からの距離内で処理
することが好ましい。
【0036】本発明にては基材の両面に粘着層を有する
粘着部材の表裏に異なるプラズマ処理を施して、粘着部
材の表裏で粘着特性等が異なるものとすることもでき
る。また本発明による表面層の改質には、上記した如く
官能基や凝集力、架橋度や分子量等に基づく接着力や保
持力や耐熱性などの物理的特性に加えて、官能基の導入
による親水性の付与なども含み、従って官能基等に基づ
く親水性や被着体に対する化学的密着性などの化学的特
性、導電性や屈折率などの電気的特性や光学的特性など
も含まれる。
【0037】よって本発明による粘着部材は、その特性
に応じて例えばラベルやステッカー、シールやワッペ
ン、伝票や掲示板、包装テープや表面保護材、接着シー
トなどの各種の目的で、商業用途や工業用途、農業用途
や医療用途、光学用途や事務用途、家庭用途などの種々
の分野で用いることができ、従来に準じたいずれの目的
にも用いうる。なお粘着部材は、巻回体等として実用に
供しうるほか、その粘着層を実用に供するまでの間、セ
パレータにて仮着保護する形態などの適宜な形態で実用
に供することができる。
【0038】
【実施例】実施例1 厚さ50μmのポリプロピレンフィルム(東レ社製、ト
レファンBO#40−T2745)の片面に、重量平均
分子量65万のポリイソブチレン(PIB:エクソンケ
ミカル社製、ビスタネックスMML−80)のへプタン
溶液を塗布し、80℃で3分間乾燥させて厚さ30μm
の粘着層を形成し、それをセパレータにて仮着カバーし
て放置した。
【0039】次に、前記粘着層よりセパレータを剥離し
てそれを図3のプラズマ発生装置4における減圧管41
内のガラス製支持板43上の電極42より30cm離れた
位置6(リモートプラズマ領域)に配置し、キャリアガ
スに窒素ガスを用いて100Wの処理出力にて電極近傍
にプラズマを発生させて2分間窒素プラズマ処理した
後、連続的にキャリアガスを酸素ガスに置換して100
W、1分間の条件で酸素プラズマ処理して、粘着部材を
得た。
【0040】実施例2 配置位置を電極より60cm離れた位置7としたほかは実
施例1に準じて粘着部材を得た。
【0041】実施例3 配置位置を電極より80cm離れた位置8としたほかは実
施例1に準じて粘着部材を得た。
【0042】比較例1 窒素プラズマ処理及び酸素プラズマ処理を施さないほか
は実施例1に準じて粘着部材を得た。
【0043】比較例2 酸素プラズマ処理を施さないほかは実施例1に準じて粘
着部材を得た。
【0044】比較例3 酸素プラズマ処理を施さないほかは実施例3に準じて粘
着部材を得た。
【0045】比較例4 窒素プラズマ処理を施さないほかは実施例1に準じて粘
着部材を得た。
【0046】比較例5 窒素プラズマ処理を施さないほかは実施例3に準じて粘
着部材を得た。
【0047】評価試験 実施例、比較例で得たPIB系の粘着部材又はその粘着
層について下記の特性を調べた。
【0048】吸光度面積比 IR(パーキンエルマー社製、2000FT−IR)と
角度可変型MIR(パーキンエルマー社製)に内部反射
エレメントとして角度45度の台形Geプリズムを用
い、TGS検出器にて分解能4cm−1、積算16回に
てFTIR−ATRスペクトルを得、そのスペクトルと
ATR法にて得たスペクトルを対比して、導入官能基に
相当する吸収バンドの強度から吸光度面積比を求めた。
なおこの場合、幅広い吸収バンド特性を示したので、そ
の領域の面積比として下記の範囲でピーク面積比を求め
た。 CO/CH面積比:A(1789〜1515cm−1)/A(15
13〜1409cm−1
【0049】接着力 粘着部材をその粘着層を介してステンレス板(430BA)
に対し2kgローラを一往復させて圧着し、48時間放
置後、引張圧縮試験機(ミネベア社製、TCM−1kN
B型)にて300mm/分の剥離速度による180度ピー
ルを測定した。
【0050】保持力 前記の接着力試験に準じて粘着層をステンレス板に幅1
0mm、長さ20mmの面積で接着して40℃の雰囲気に6
0分間放置後、その粘着部材の自由端に500gの荷重
を垂直に付加し、2時間後のズレ量を調べた。
【0051】前記の結果を次表に示した。 処 理 条 件 吸 光 度 接 着 力 ズレ量 面 積 比 N/20mm (mm) 実施例1 30cm N:2分 O:1分 0.63 7.1 0.9 実施例2 60cm N:2分 O:1分 0.53 7.8 0.8 実施例3 80cm N:2分 O:1分 0.13 8.7 0.5 比較例1 未 処 理 0.04 3.9 1.6 比較例2 30cm N:2分 0.53 6.5 0.2 比較例3 80cm N:2分 0.20 5.3 0.1 比較例4 30cm O:1分 0.95 6.1 1.6 比較例5 80cm O:1分 0.20 6.2 0.5
【0052】なお粘着層をRuO等の重金属系酸化剤
にて染色後、ミクロトームにて超薄切片を作製し、透過
電子顕微鏡(日立製作所社製、H−800型)にて加速
電圧100kVで観察し、そのTEMによる断面写真よ
り表面改質層の厚さを調べたところ、実施例1で約50
nm、実施例3で約30nmであり、比較例1では0nmであ
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図
【図2】他の実施例の断面図
【図3】リモートプラズマ処理の説明図
【符号の説明】
1、3:粘着層(11,31:表面層) 2:基材 4:プラズマ発生装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプラズマ処理を前後して施した表
    面層を有する粘着層を基材の片面又は両面に有すること
    を特徴とする粘着部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、窒素プラズマ処理後
    に酸素プラズマ処理を施したものである粘着部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、粘着層がポリ
    イソブチレン系のものであり、表面層におけるCO/C
    H吸光度面積比が内部の2倍以上であると共に、プラズ
    マ処理していないポリイソブチレン系粘着層と対比して
    接着力が1.3倍以上で、かつ保持力がズレ量に基づい
    て70%以下である粘着部材。
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