JP2000256395A - ポリオール類、その製造法および用途 - Google Patents

ポリオール類、その製造法および用途

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JP2000256395A
JP2000256395A JP2000005735A JP2000005735A JP2000256395A JP 2000256395 A JP2000256395 A JP 2000256395A JP 2000005735 A JP2000005735 A JP 2000005735A JP 2000005735 A JP2000005735 A JP 2000005735A JP 2000256395 A JP2000256395 A JP 2000256395A
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JP2000005735A
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Keiji Kamiyama
圭司 神山
Yuji Nishikimi
裕司 錦見
Atsushi Hasuoka
淳 蓮岡
Masafumi Nakao
雅文 中尾
Kenichiro Miyagawa
権一郎 宮川
Yoko Akiyama
洋子 秋山
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘリコバクター属菌に対して極めて特異的な強
い抗菌活性を示す化合物を提供する。 【解決手段】式: 【化1】 [式中、XはL−セリン残基、L−アスパラギン残基ま
たは(S)−2−アミノ酪酸残基を、Yはα−L−アミ
ノ酸残基を示す]で表される化合物またはその塩あるい
はそのプロドラッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオール類、その
製造法および用途に関する。より詳しくは本発明は医薬
例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の予防治療剤として有用
な生理活性作用を有する化合物およびそれを含んでなる
抗ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacterpylori)剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】消化管内で有害な作用を及ぼす菌、例え
ばヘリコバクター・ピロリは、ヘリコバクター(Helico
bacter)属に属するグラム陰性の微好気性細菌であり、
胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍等の再発の大きな原因とな
る可能性が示唆されている。このヘリコバクター・ピロ
リの感染に起因する各種疾患の治療には、現在、ビスマ
ス製剤と抗生物質の二剤併用や、ビスマス製剤、メトロ
ニダゾール(米国特許第2,944,061号)およびテトラサ
イクリン(例えば米国特許第2,712,517号)もしくはア
モキシシリン(米国特許第3,192,198号)の三剤併用等
による化学療法が行われている。プロトンポンプ阻害
薬、アモキシシリンおよびクラリスロマイシンの三剤を
併用することが有効であることが見出されている(Gut
1995, 37巻(supplment 1):A365)(Gastroentero
logy 1996, 110巻:A171)。これらビスマス製剤、
抗生物質およびメトロニダゾール等は、内服の形で投与
されている。一方、ポリオール類として、PCT国際出
願公開 WO93/06838には
【化6】 、Acta Chemica Scandinavica B 36, 515-518 (1982)
には
【化7】 が合成中間体として開示されており、Carbohyd. Res.,
28(2), 263 (1973)には
【化8】 がグラム陰性菌に有効であると記載されている。薬効成
分の効果をより有効に発揮させ、また副作用を軽減する
ために、例えばアモキシシリンを胃粘膜付着性製剤とす
ることにより、胃内でのアモキシシリンの滞留時間を延
長し、アモキシシリンを適当な速さで放出し、薬効成分
を生体により有効に利用させる試みが行われている(W
O94/00112号公報)。 また、胃の中に薬効成分
を滞留させ長時間接触させることでヘリコバクター・ピ
ロリの除菌率が高くなることが報告されている(Scand.
J. Gastroenterol. 29. 16-42(1994))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ビスマス製剤、抗生物質およびメトロニダゾール等は、
ヘリコバクター・ピロリの増殖を阻止する十分な濃度を
その増殖箇所に維持するために、一日に大量投与する必
要があり、それによって嘔吐、下痢等の副作用が発現す
るなど、多くの問題がある。そこで本発明は、優れた抗
菌活性、特にヘリコバクター・ピロリなどのヘリコバク
ター属菌に対する強い抗菌活性を有し、副作用が少なく
臨床上優れた予防治療効果を発揮する新しい医薬を提供
するものである。また、本発明は、従来の胃粘膜付着性
製剤に比べて粘膜付着性に優れ、薬効成分の効果を飛躍
的に向上させた医薬組成物を提供するものであり、特
に、抗ヘリコバクター・ピロリ活性、副作用、効果持続
時間等の点で優れた効果を示し、かつ、より安全性の高
い抗ヘリコバクター・ピロリ製剤あるいは消化性潰瘍の
予防、治療、再発防止剤、例えば、胃・十二指腸潰瘍治
療剤等を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、窒素原子にジペプチドY−Xが直接結合
していることに化学構造上の特異性を有する式:
【化9】 [式中、XはL−セリン残基、L−アスパラギン残基ま
たは(S)−2−アミノ酪酸残基を、Yはα−L−アミ
ノ酸残基を示す]で表される新規なポリオール類を初め
て合成し、この化合物がその特異な化学構造上に基づい
て予想外にも消化管内で有害な作用を及ぼす菌に対して
優れた医薬効果特に強い抗ヘリコバクター属菌作用を有
していること、さらに副作用が少ない等の臨床上の医薬
として優れた性質を有していることを見い出した。ま
た、本発明化合物を胃粘膜付着性医薬組成物にすること
により、予想外にその抗ヘリコバクター・ピロリ作用等
の薬効成分の効果を増強し、かつ安全性が高く胃粘膜付
着性に優れ、薬効成分の効果を飛躍的に向上させた胃・
十二指腸潰瘍治療剤等の医薬組成物が得られることを初
めて見出した。そしてこれらの知見に基づき本発明を完
成した。
【0005】即ち本発明は、(1)式(I)で表される
化合物またはその塩、(2)Xが(S)−2−アミノ酪
酸残基である上記(1)記載の化合物、(3)Yがノル
バリン残基、イソロイシン残基またはメチオニン残基で
ある上記(1)記載の化合物、(4)(S)−3−
[(2S,3R,4R,5S)−5−(L−ノルバリル
−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸またはその塩である上記(1)記載の
化合物、(5)(S)−3−[(2S,3R,4R,5
S)−5−(L−イソロイシル−(S)−2−アミノブ
チリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘ
キサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸または
その塩である上記(1)記載の化合物、(6)上記
(1)記載の化合物のプロドラッグ、(7)上記(1)
記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医
薬組成物、(8)抗ヘリコバクター・ピロリ剤である上
記(7)記載の組成物、(9)抗ヘリコバクター・ピロ
リ剤がヘリコバクター・ピロリ感染疾患予防治療剤であ
る上記(8)記載の組成物、(10)ヘリコバクター・
ピロリ感染疾患が胃もしくは十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌
または胃MALTリンパ腫である上記(9)記載の組成
物、(11)胃粘膜付着性組成物である上記(7)記載
の組成物、(12)胃粘膜付着性組成物が(a)上記
(1)記載の化合物、(b)脂質および/またはポリグ
リセリン脂肪酸エステルおよび(c)水で粘性を生じる
物質を含有することを特徴とする上記(11)記載の組
成物、(13)(c)水で粘性を生じる物質が、アクリ
ル酸系重合体である上記(12)記載の組成物、(1
4)(d)水で粘性を生じる物質の膨潤剤をさらに含有
する上記(12)記載の組成物、(15)(d)水で粘
性を生じる物質の膨潤剤が、カードランおよび/または
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである上記(1
4)記載の組成物、(16)上記(1)記載の化合物ま
たはそのプロドラッグとそれ以外の抗菌剤および/また
は潰瘍治療剤とを組み合わせてなる抗ヘリコバクター・
ピロリ剤、(17)式:
【化10】 [式中、R1、 R2、R3およびR4はそれぞれ水酸基の
保護基あるいは水素原子を、R5はカルボキシル基の保
護基あるいは水素原子を示す]で表わされる化合物、そ
の塩あるいはそのアミノ基の反応性誘導体と、式:
【化11】 [式中、X’は保護されていてもよいL−セリン残基、
保護されていてもよいL−アスパラギン残基または
(S)−2−アミノ酪酸残基を、Y’は保護されていて
もよいα−L−アミノ酸残基を示す]で表される化合
物、その塩あるいはそのカルボキシル基の反応性誘導体
とを反応させ、必要により脱保護することを特徴とする
上記(1)記載の化合物の製造法、および(18)式:
【化12】 [式中、X”は保護されていてもよいL−セリン残基、
保護されていてもよいL−アスパラギン残基または
(S)−2−アミノ酪酸残基を示し、その他の記号は前
記と同意義である]で表わされる化合物その塩あるいは
そのアミノ基の反応性誘導体と、式:
【化13】 [式中、Y’は前記と同意義である]で表される化合物、
その塩あるいはそのカルボキシル基の反応性誘導体とを
反応させ、必要により脱保護することを特徴とする上記
(1)記載の化合物の製造法、に関する。
【0006】上記式(I)中、Xで示されるL−セリン
残基、L−アスパラギン残基および(S)−2−アミノ
酪酸残基はそれぞれL−セリン、L−アスパラギンおよ
び(S)−2−アミノ酪酸のカルボキシル基からOHを
除き、さらにアミノ基から水素1個を除いた基である。
上記式(I)中、Xで示されるこれらのアミノ酸残基は
カルボキシル基からOHを除いたカルボニル基で5−ア
ミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル
基のアミノ基に結合し、アミノ基から水素1個を除いた
NH基でYに結合している。Xとしては(S)−2−ア
ミノ酪酸残基が好ましい。上記式(I)中、Yで示され
るα−L−アミノ酸残基はα−L−アミノ酸のカルボキ
シル基からOHを除いた基であり、このカルボキシル基
からOHを除いたカルボニル基でXに結合している。上
記α−L−アミノ酸としては、たとえばアラニン、アル
ギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、
グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロ
イシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニル
アラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトフ
ァン、チロシン、バリン等のアミノ酸やその他、ノルバ
リン、ノルロイシン、2−アミノアジピン酸、2−アミ
ノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、2−アミノ−4−ペンテ
ン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミ
ノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサ
ンカルボン酸、チロニン、オルニチン、ヒドロキシプロ
リン、ヒドロキシリジン、(2−ナフチル)アラニン、
アザグリシン等が挙げられる。これらの中でも、ノルバ
リン、イソロイシンおよびメチオニン等が好ましい。
【0007】上記式(II)および(IV)中、R1
2、R3およびR4で示される水酸基の保護基は、ペプ
チド化学の分野において、通常水酸基の保護基として知
られているものをいう。このような水酸基の保護基とし
ては、例えばtert−ブチル基、メトキシメチル、ベ
ンジルオキシメチル、tert−ブトキシメチル、2−
メトキシエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エ
トキシメチル、メチルチオメチル、2−テトラヒドロピ
ラニル、4−メトキシ−4−テトラヒドロピラニル、2
−テトラヒドロピラニル、ベンジル、p−メトキシベン
ジル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、2,
6−ジクロルベンジル、トリチル、イソプロピリデン、
シクロヘキシリデン、ベンジリデン、p−メトキシベン
ジリデン等のエーテルを形成するタイプの保護基;例え
ばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロ
ピルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ジエチルイ
ソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、
tert−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリ
ル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、ジ
−tert−ブチルシリレン等のシリルエーテルを形成
するタイプの保護基;例えばホルミル、アセチル、クロ
ロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、
ピバロイル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、
2−ブロモベンジルオキシカルボニル、環状カルボナー
ト等のエステルを形成するタイプの保護基等が挙げられ
る。これらの中でも、アセチル基等が好ましい。上記式
(II)および(IV)中、R5で示されるカルボキシ
ル基の保護基はペプチド化学の分野において、通常カル
ボキシル基の保護基として知られているものをいう。こ
のようなカルボキシル基の保護基としては、たとえばメ
チル、エチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチ
ル、ベンジルオキシメチル、tert−ブチル、ベンジ
ル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、o−
ニトロベンジル、ベンズヒドリル、トリチル、2,2,2
−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、ア
リル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェナシル等
のエステルを形成するタイプの保護基;例えばトリメチ
ルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチ
ルシリル、イソプロピルジメチルシリル、ジメチルフェ
ニルシリル等のシリルエステルを形成するタイプの保護
基等が挙げられる。これらの中でも、ベンズヒドリル等
が好ましい。
【0008】上記式(III)中、X’で示される保護
されていてもよいL−セリン残基、保護されていてもよ
いL−アスパラギン残基または(S)−2−アミノ酪酸
残基はそれぞれ保護されていてもよいL−セリン、保護
されていてもよいL−アスパラギンまたは(S)−2−
アミノ酪酸からOHを除き、さらにアミノ基から水素1
個を除いた基である。上記式(III)中、X’で示さ
れる保護されていてもよいL−セリン残基、保護されて
いてもよいL−アスパラギン残基または(S)−2−ア
ミノ酪酸残基は、保護されていないL−セリン残基、保
護されていないL−アスパラギン残基または(S)−2
−アミノ酪酸残基の他、水酸基が保護されたL−セリン
残基、カルバモイル基が保護されたL−アスパラギン残
基であってもよい。保護されたL−セリン残基は水酸基
が保護されたものであり、保護されたL−アスパラギン
残基はカルバモイル基が保護されたものである。L−セ
リン残基の水酸基の保護基としては、前記R1,R2,R
3およびR4で示される水酸基の保護基として述べたもの
が挙げられる。これらの中でも、tert−ブチル基等
が好ましい。L−アスパラギン残基のカルバモイル基の
保護基としては、たとえばキサンチル基、4−メトキシ
ベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、ベンズヒ
ドリル基、4,4’−ジメトキシベンズヒドリル基等が
挙げられる。これらの中でも、トリフェニルメチル基等
が好ましい。一方、上記式(IV)中、X”で示される
保護されていてもよいL−セリン残基、保護されていて
もよいL−アスパラギン残基または(S)−2−アミノ
酪酸残基は、それぞれ保護されていてもよいL−セリ
ン、保護されていてもよいL−アスパラギンまたは
(S)−2−アミノ酪酸のカルボキシル基からOHを除
いた基である。上記式(IV)中、X”はカルボキシル
基からOHを除いたカルボニル基で5−アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル基のアミノ
基に結合している。上記式(IV)中、X”で示される
保護されていてもよいL−セリン残基、保護されていて
もよいL−アスパラギン残基または(S)−2−アミノ
酪酸残基は、保護されていないL−セリン残基、保護さ
れていないL−アスパラギン残基または(S)−2−ア
ミノ酪酸残基の他、水酸基が保護されたL−セリン残
基、カルバモイル基が保護されたL−アスパラギン残基
であってもよい。L−セリン残基の水酸基の保護基、L
−アスパラギン残基のカルバモイル基の保護基はX’で
述べたものが挙げられる。
【0009】上記式(III)および(V)中、Y’で
示される保護されていてもよいα−L−アミノ酸残基
は、上記Yで示されるα−L−アミノ酸残基の他、これ
らのα−L−アミノ酸残基が有するアミノ基、またα−
L−アミノ酸残基がカルボキシル基、水酸基、カルボニ
ル基を有する場合にはその一部または全部が保護された
ものでもよい。これらのアミノ基、カルボキシル基、水
酸基、カルボニル基の保護は、通常ペプチド化学の分野
においてそれぞれアミノ基の保護基、カルボキシル基の
保護基、水酸基の保護基およびカルボニル基の保護基と
して知られている保護基によって保護されているものを
いう。このようなアミノ基の保護基としては例えばホル
ミル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、
トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、アセトア
セチル、o−ニトロフェニルアセチル等のアミドを形成
するタイプの保護基;例えばtert−ブトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジ
ルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−
ジクロロベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオ
キシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボ
ニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル、1−
メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニ
ル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、9−アント
リルメトキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボ
ニル、1−アダマンチルオキシカルボニル等のカルバメ
ートを形成するタイプの保護基;ならびにトリチル、フ
タロイル等が挙げられる。これらの中でも、tert−
ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−
フルオレニルメトキシカルボニル等が好ましい。
【0010】カルボニル基の保護基としては、例えばジ
メチル、ジエチル、ジベンジル、ジアセチル等のアセタ
ールやケタール、もしくはジチオアセタールやジチオケ
タールを形成するタイプの保護基;置換されていてもよ
い1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン類を形成す
るタイプや1,3−ジチアンや1,3−ジチオランを形成
するタイプ、さらには、N,N−ジメチル、2,4−ジニ
トロフェニル等の置換ヒドラゾンを形成するタイプの保
護基等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ジオキ
サン等が好ましい。カルボキシル基の保護基としては、
前記R5で示されるカルボキシル基の保護基として述べ
たものが挙げられる。これらの中でも、tert−ブチ
ル基やベンジル基等が好ましい。また水酸基の保護基と
しては、前記R1、R2、R3およびR4で示される水酸基
の保護基として述べたものが挙げられる。上記式(I)
で表される化合物の塩としては、薬理学的に許容しうる
塩基との塩または酸との塩があげられる。塩基との塩と
しては、例えばアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウ
ム等)との塩あるいはアルカリ土類金属(例、カルシウ
ム、マグネシウム等)との塩等が挙げられる。酸との塩
としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素、ヨウ化
水素、硫酸、リン酸等)との塩あるいは有機酸(例、酢
酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石
酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ケイ
皮酸、フマル酸、リンゴ酸、シュウ酸等)との塩等が挙
げられる。
【0011】上記式(I)で表される化合物またはその
塩[以下単に化合物(I)という]のプロドラッグは、
生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応に
より化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に
酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化
する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合
物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロ
ドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル
化、アルキル化、りん酸化された化合物等が挙げられ、
例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、
アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチ
ル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メ
トキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリ
ジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−
ブチル化された化合物、化合物(I)の水酸基がアシル
化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物、例
えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイ
ル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、
フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボ
ニル化された化合物、あるいは、化合物(I)のカルボ
キシル基がエステル化、アミド化された化合物、例え
ば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル
化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル
化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキ
シメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチル
エステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2
−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエ
ステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエス
テル化、メチルアミド化された化合物等が挙げられる。
これらの化合物は自体公知の方法によって化合物
(I)、(II)および(III)から製造することが
できる。
【0012】また化合物(I)のプロドラッグは、広川
書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計16
3頁から198頁に記載されているような、生理的条件
で化合物(I)に変化するものであってもよい。また、
化合物(I)は水和物および非水和物のいずれであって
もよい。本発明の化合物(I)の製造法を以下に述べ
る。本発明化合物(I)は、例えば式(II)で表わさ
れる化合物、その塩あるいはそのアミノ基における反応
性誘導体[以下単に化合物(II)という]と、式(I
II)で表される化合物、その塩あるいはそのカルボキ
シル基における反応性誘導体[以下単に化合物(II
I)という]とを反応させることにより、あるいは、式
(IV)で表わされる化合物、その塩あるいはそのアミ
ノ基における反応性誘導体[以下単に化合物(IV)と
いう]と、式(V)で表される化合物、その塩あるいは
そのカルボキシル基における反応性誘導体[以下単に化
合物(V)という]とを反応させ、必要により脱保護す
ることにより製造することができる。
【0013】上記化合物(II)および化合物(IV)
において、アミノ基における反応性誘導体は、それぞれ
化合物(III)および(V)と反応し、ペプチド結合
を形成するものをいい、例えば、化合物(II)および
化合物(IV)のアミノ基がトリメチルシリル化、トリ
メチルスタニル化された化合物等が挙げられる。上記化
合物(III)および化合物(V)においてカルボキシ
ル基における反応性誘導体は、それぞれ化合物(II)
および化合物(IV)と反応し、ペプチド結合を形成す
るものをいい、例えば、酸ハロゲン化物法、アジド法、
混合酸無水物法(“他の酸”として塩化イソブチルオキ
シカルボニルや塩化ピバル酸等が用いられる)、対称酸
無水物法、さらには縮合剤としてN,N'−カルボジイミ
ダゾール、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、
N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、
N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒ
ドロキノリン、ジエチル ホスホロシアニダート、ジフ
ェニル ホスホリルアジド、2−(1H−ベンゾトリア
ゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロ
ニウム・テトラフルオロボレイト、2−(1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾト
リアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ベン
ゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジ
ノ−ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ブロ
モ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム・ヘキサフルオ
ロホスフェート、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド)−テトラメチルウロニウム テトラ
フルオロボレイト等を用いる方法、また4−ジメチルア
ミノピリジン、3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4
−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−ヒドロ
キシこはく酸イミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール等の存在下に上記縮合剤を作用させる方
法、もしくはこれらを用いた活性エステル法等を用いる
ことにより、それぞれ式(III)で表される化合物お
よび式(V)で表される化合物から製造することができ
る。
【0014】化合物(II)と化合物(III)の反応
および化合物(IV)と化合物(V)の反応は、通常溶
媒中で行われる。溶媒としては、例えばベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えばジクロロ
メタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、例え
ばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水
素類、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジエトキシメタン等のエーテル類、例えば
アセトニトリル等のニトリル類、例えばアセトン等のケ
トン類、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド
類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド
類、例えば酢酸エチル等のエステル類等、メタノール、
エタノール、イソプロパノール等のアルコール類または
水が用いられる。これらの溶媒は単独で用いることもで
きるし、また必要に応じて二種以上を適当な割合、例え
ば1:1ないし1:10の割合で混合して用いてもよ
い。化合物(III)あるいは化合物(V)の使用量
は、それぞれ化合物(II)あるいは化合物(IV)1
当量に対し通常、0.5ないし10当量である。反応温
度は、通常−80ないし100℃、好ましくは−50な
いし50℃程度である。反応時間は、1ないし96時
間、好ましくは1ないし72時間程度である。
【0015】上記の反応において、アミノ基、カルボキ
シル基、水酸基、カルボニル基等反応に関与しない基が
保護されている場合には、ついで脱保護反応に付すこと
により、化合物(I)を製造することができる。これら
のアミノ基の保護基、水酸基の保護基、カルボニル基の
保護基およびカルボキシル基の保護基を除去する方法と
しては、例えば酸による方法、塩基による方法、還元に
よる方法、紫外線による方法、ヒドラジンによる方法、
フェニルヒドラジンによる方法、N−メチルジチオカル
バミン酸ナトリウムにる方法、テトラブチルアンモニウ
ムフルオリドによる方法、酢酸パラジウムによる方法、
塩化水銀による方法、ルイス酸による方法等が挙げら
れ、これら一般的な方法あるいはその他の公知の手段を
適宜選択して用いることができる。ここで、酸による方
法は、アミド、エステル、シリルエステル、シリルエー
テル等を加水分解する一般的な方法の一つであり、対応
する保護基の脱離に適用される。例えばtert−ブト
キシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、9−アントリル
メトキシカルボニル、1−メチル−1−(4−ビフェニ
ル)エトキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカル
ボニル、トリチル等で保護されたアミノ基;例えばメト
キシメチル、tert−ブトキシメチル、2−テトラヒ
ドロピラニル、4−メトキシ−4−テトラヒドロピラニ
ル、2−テトラヒドロフラニル、トリチル等で保護され
たヒドロキシ基等の脱保護にも繁用される。使用される
酸の好適な例としては、例えばギ酸、トリフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸;例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸等が
挙げられる。
【0016】塩基による方法は、酸による方法と同様に
アミド、エステル等を加水分解する一般的な方法の一つ
であり、対応する保護基の脱離に適用される。例えば、
9−フルオレニルメトキシカルボニルで保護されたアミ
ノ基の脱保護には有機塩基類が有効に用いられる。使用
される塩基の好適な例としては、例えば水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アル
カリ金属、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
水酸化アルカリ土類金属、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等の炭酸アルカリ金属、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム等の炭酸アルカリ土類金属、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属、酢酸
ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アルカリ金属、リン
酸カルシウム、リン酸マグネシウム等のリン酸アルカリ
土類金属、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム等のリン酸水素アルカリ金属ならびにアンモニア水
等の無機塩基;例えばトリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピ
ペリジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基等が挙げら
れる。
【0017】還元による方法は、例えばトリクロロアセ
チル、トリフルオロアセチル、o−ニトロフェニルアセ
チル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、ベン
ジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカル
ボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、
イソニコチニルオキシカルボニル、トリチル等で保護さ
れたアミノ基;例えばベンジル、p−ニトロベンジル等
で保護されたヒドロキシ基;例えばベンジルオキシメチ
ル、ベンジル、p−ニトロベンジル、フェナシル、2,
2,2−トリクロルエチル、ベンズヒドリル等で保護さ
れたカルボキシル基等の脱保護に適用される。使用され
る還元法の好適な例としては、例えば水素化ホウ素ナト
リウムによる還元、亜鉛/酢酸による還元、接触還元等
が挙げられる。紫外線による方法は、例えばo−ニトロ
ベンジルで保護されたヒドロキシ基ならびにカルボキシ
ル基の脱保護に用いられる。ヒドラジンによる方法は、
例えばフタロイルで保護されたアミノ基(例えばフタル
イミド基等)の脱保護に用いられる。フェニルヒドラジ
ンによる方法は、例えばアセトアセチルで保護されたア
ミノ基の脱保護に用いられる。
【0018】N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム
による方法は、例えばクロロアセチルで保護されたアミ
ノ基ならびにヒドロキシ基の脱保護に用いられる。テト
ラブチルアンモニウムフルオリドによる方法は、例えば
2−トリメチルシリルエチルカルバメート、シリルエー
テル類ならびにシリルエステル類から保護基を除去し、
それぞれアミノ基、ヒドロキシ基ならびにカルボキシル
基を得る方法として用いられる。酢酸パラジウムによる
方法は、例えばアリルエステルから保護基を除去してカ
ルボキシル基を得る方法として用いられる。塩化水銀に
よる方法は、例えばメチルチオメチルで保護されたヒド
ロキシ基の脱保護に用いられる。ルイス酸による方法
は、例えば2−メトキシエトキシメチルで保護されたヒ
ドロキシ基の脱保護に用いられる。使用されるルイス酸
の好適な例としては、例えば臭化亜鉛、四塩化チタン等
が挙げられる。また上記した一連の反応で得られる、中
間体、生成物、最終生成物は、必要に応じて、公知のあ
るいはそれに準ずる分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ー等により単離精製することができる。
【0019】上記化合物(II)中、(S)−3−
[(2S,3R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸[式(II)においてR1=R2
3=R4=R5=Hの化合物]はたとえば醗酵法によっ
て得られる天然物(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−2,3,4,6−テトラヒドロキシ−5−(L
−ロイシル)アミノヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸(HC−70III)にアクチナーゼE
を反応させることによって製造することができる。ま
た、化合物(II)中、R1〜R4が水酸基の保護基であ
る化合物やR5がカルボキシル基の保護基である化合物
は(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−ア
ミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸[式(II)に
おいてR1=R2=R3=R4=R5=Hの化合物]にペプ
チド化学の分野において知られている方法により保護基
を導入することによって製造することができる。たとえ
ば(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−ア
ミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸にジフェニルジ
アゾメタンを反応させてカルボキシル基をベンズヒドリ
ル化することにより式(II)中、R5=CHPh2、R
1=R2=R3=R4=Hの化合物を製造することができ
る。また、式(II)中、R5=CHPh2、R1=R2
3=R4=Hの化合物のアミノ基を例えば9−フルオレ
ニルメトキシカルボニル基で保護し、4個の水酸基を無
水酢酸でアセチル化し、アミノ基の保護基を除去するこ
とにより、式(II)中、R5=CHPh2、R1=R2
3=R4=COCH3の化合物を製造することができ
る。上記化合物(III)はたとえばアミノ基、水酸
基、カルボニル基等の反応に関与するカルボキシル基以
外の官能基が保護されていてもよいα−L−アミノ酸と
カルボキシル基と水酸基が保護されていてもよいL−セ
リン、カルボキシル基とカルバモイル基が保護されてい
てもよいL−アスパラギンあるいはカルボキシル基が保
護されていてもよい(S)−2−アミノ酪酸を反応さ
せ、カルボキシル基の保護基を除去し、また必要により
その他の官能基の保護基を除去することにより製造する
ことができる。
【0020】上記化合物(IV)はたとえば、上記の方
法で得られる化合物(II)に、アミノ基が保護され水
酸基が保護されていてもよいL−セリン、アミノ基が保
護されカルバモイル基が保護されていてもよいL−アス
パラギンあるいはアミノ基が保護された(S)−2−ア
ミノ酪酸を反応させ、ついでアミノ基の保護基を除去す
ることにより製造することができる。上記化合物(V)
中、Y’が保護されたα−L−アミノ酸残基であるもの
はたとえばα−L−アミノ酸のカルボキシル基以外の官
能基を常法により保護することにより製造することがで
きる。本発明化合物(I)は、毒性が低く、優れた医薬
用生理活性作用を有し、例えば抗菌作用、特にヘリコバ
クター・ピロリに代表されるヘリコバクター属菌に対す
る強い抗菌活性を有するために、ヘリコバクター・ピロ
リの感染または/および感染したヘリコバクター・ピロ
リが産生するアンモニアに起因する疾患[例えば、十二
指腸潰瘍、胃潰瘍、胃炎(慢性胃炎を含む)、胃癌、胃
MALTリンパ腫、肝性脳症、糖尿病、じんま疹等]、
特に十二指腸潰瘍、胃炎、胃MALTリンパ腫の予防又
は治療に有効である。また、本発明製剤において化合物
(I)は、他の抗菌剤および抗潰瘍剤と併用して投与す
ることもできる。
【0021】上記、化合物(I)と併用することができ
る他の抗菌剤としては、例えば、ニトロイミダゾール抗
生物質(例えば、チニダゾールおよびメトロニダゾー
ル)、テトラサイクリン類(例えば、テトラサイクリ
ン、ドキシサイクリンおよびミノサイクリン)、ペニシ
リン類(例えば、アモキシシリン、アンピシリンおよび
メズロシリン)、セファロスポリン類(例えば、セファ
クロル、セファドロキシル、セファドリン、セフロキシ
ム、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、セフポ
ドキシムプロキセチル、セフタジジムおよびセフトリア
クソン)、カルバペネム類(例えば、イミペネムおよび
メロペネム)、アミノグリコシド類(例えば、パロモマ
イシン)、マクロリド抗生物質(例えば、エリスロマイ
シン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシン)、
リンコサミド抗生物質(例えば、クリンダマイシン)、
リファマイシン類(例えば、リファンピシン)並びにニ
トロフラントインを挙げることができる。また、化合物
(I)と併用することができる抗潰瘍剤としては、例え
ばプロトンポンプ阻害剤(例えば、ランソプラゾール,
オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、
レミノプラゾール等)またはH2 アンタゴニスト(例え
ば、ラニチジン、シメチジンおよびファモチジン等)等
が挙げられる。
【0022】上記他の抗菌剤および抗潰瘍剤は二種以上
組合せて用いることができる。この場合上記他の抗菌剤
の投与量は経口投与の場合成人1日当り1〜500m
g、好ましくは5〜200mgであり、上記抗潰瘍剤の
投与量は経口投与の場合成人1日当り0.5〜1000
mg、好ましくは1〜500mgである。従って、本発
明化合物(I)を含有する本発明組成物(製剤)は、例
えば安全な抗菌剤および抗潰瘍剤等として、ヒト等の哺
乳動物(例えば、人、犬、猫、サル、ラット、マウス、
馬、牛等)に、単独または薬理学的に許容されうる単体
と共に、経口的又は非経口的に投与することができる
が、通常は経口的な投与が好ましい。経口投与する場合
の剤形の例としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコ
ーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、
カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、
乳剤、懸濁剤等があげられる。また、非経口投与する場
合の剤形としては、例えば注射剤、注入剤、点滴剤、坐
剤等があげられる。
【0023】経口剤は胃粘膜付着性組成物(胃粘膜付着
性製剤)として投与するのが好ましい。本発明の胃粘膜
付着性組成物は、例えば、(a)抗ヘリコバクター・ピ
ロリ作用を示す化合物(I)、(b)脂質および/また
はポリグリセリン脂肪酸エステル、および(c)水で粘
性を生じる物質(水の存在により胃粘膜に吸着するに十
分な粘性を生じる物質、以下、粘性物質ということもあ
る)を含有する組成物であり、例えば、胃粘膜に付着お
よび/または胃粘膜内に滞留(少なくとも胃等の粘膜に
付着および/または胃内に滞留)して、薬効成分(例え
ば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質)を適当な速度
で放出し、増強された薬効活性(抗ヘリコバクター・ピ
ロリ活性等)を発揮するものである。胃粘膜付着性組成
物は、上記(a)、(b)および(c)成分の他に、
(d)水で粘性を生じる物質の膨潤剤(例えば、カード
ランおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース等)を含有する組成物が好ましい。該組成物は、そ
の形状も、本発明の目的が達成される限り特に限定され
ないが、固形のものが好ましく、とりわけマトリックス
状またはマトリックスを含有するもの等が好ましい。
該マトリックスとしては例えば、上記(a)、(b)ポリグ
リセリン脂肪酸エステルおよび(c)を配合してなる胃粘
膜付着性マトリックス、または(a)、(b)脂質および
(c)を配合してなる胃粘膜付着性マトリックス等が挙げ
られる。 該胃粘膜付着性マトリックスの好ましい例と
しては、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合し
てなる胃粘膜付着性マトリックス等が挙げられる。 本
発明の胃粘膜付着性組成物として好ましくは、さらに
(d)水で粘性を生じる物質の膨潤剤を含有する組成物
である。前記(a)、(b)、(c)および/または(d)
の成分を含有する胃粘膜付着性マトリックスとしては、
ポリグリセリン脂肪酸エステルまたは脂質を含むマトリ
ックスの中に粘性物質が分散しているもの、またはその
マトリックスが粘性物質で被覆されているもの等が好ま
しい。胃粘膜付着性マトリックスの融点は例えば約30
ないし約120℃、好ましくは約40ないし約120℃
である。
【0024】本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステルとしては、ポリグリセリンと脂肪酸のエステル
であるかぎりモノエステルまたはポリエステル(ジエス
テル、トリエステル等)のいずれでもよい。ポリグリセ
リン脂肪酸エステルは、結晶多形を示さず、しかも薬効
成分との相互作用が殆どないという特性を有するため、
共存する薬効成分が殆ど失活せず、長期にわたり安定に
保持される。ポリグリセリンは、「1分子中にn個(環
状)〜(n+2)個(直鎖・分枝状)の水酸基と、(n
―1)個(直鎖・分枝状)〜n個(環状)のエーテル結
合を有する多価アルコール」{“ポリグリセリンエステ
ル”阪本薬品工業株式会社編集、発行(1994年10月4
日)}であり、直鎖もしくは分枝状のいずれでもよい。
例えば下記式
【化14】 (式中、nは重合度を示し、2以上の整数である。)で
表される化合物等が使用できる。nは通常、約2ないし
約50、好ましくは約2ないし約20、さらに好ましく
は約2ないし約10である。該ポリグリセリンの具体例
としては、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テト
ラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、
ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリ
ン、デカグリセリン、ペンタデカグリセリン、エイコサ
グリセリン、トリアコンタグリセリン等が挙げられる。
これらポリグリセリンの中でも例えば、テトラグリセリ
ン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が汎用され
る。脂肪酸としては、例えば、炭素数約8ないし約4
0、好ましくは約12ないし約25、さらに好ましくは
約15ないし約22の飽和または不飽和脂肪酸等が挙げ
られる。該脂肪酸としては、例えばステアリン酸、オレ
イン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノ
ール酸、カプリル酸、カプリン酸、ベヘン酸等が好まし
い。
【0025】ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例と
しては、例えばベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド、
カプリル酸モノ(デカ)グリセリド、カプリル酸ジ(ト
リ)グリセリド、カプリン酸ジ(トリ)グリセリド、ラ
ウリン酸モノ(テトラ)グリセリド、ラウリン酸モノ
(ヘキサ)グリセリド、ラウリン酸モノ(デカ)グリセ
リド、オレイン酸モノ(テトラ)グリセリド、オレイン
酸モノ(ヘキサ)グリセリド、オレイン酸モノ(デカ)
グリセリド、オレイン酸ジ(トリ)グリセリド、オレイ
ン酸ジ(テトラ)グリセリド、オレイン酸セスキ(デ
カ)グリセリド、オレイン酸ペンタ(テトラ)グリセリ
ド、オレイン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリド、オレイン
酸デカ(デカ)グリセリド、リノール酸モノ(ヘプタ)
グリセリド、リノール酸ジ(トリ)グリセリド、リノー
ル酸ジ(トリ)グリセリド、リノール酸ジ(テトラ)グ
リセリド、リノール酸ジ(ヘキサ)グリセリド、ステア
リン酸モノ(ジ)グリセリド、ステアリン酸モノ(テト
ラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(テトラ)グリセ
リド、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリド、ステアリ
ン酸トリ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ
(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸トリ(ヘキサ)グ
リセリド、ステアリン酸デカ(デカ)グリセリド、パル
ミチン酸モノ(テトラ)グリセリド、パルミチン酸モノ
(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸モノ(デカ)グリ
セリド、パルミチンテ酸トリ(テトラ)グリセリド、パ
ルミチン酸トリ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸セ
スキ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸ペンタ(テト
ラ)グリセリド、パルミチン酸ペンタ(ヘキサ)グリセ
リド、パルミチン酸デカ(デカ)グリセリド、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリンポ
リリシノレート)等が挙げられる。
【0026】好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルと
しては例えばベヘン酸ヘキサ(テトラ)グリセリド(例
えば阪本薬品工業(株)製、商品名HB−310、理研
ビタミン(株)製、ポエムJ−46B等)、ステアリン酸
ペンタ(テトラ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)
製、商品名PS−310等)、ステアリン酸モノ(テト
ラ)グリセリド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名M
S−310等)、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセ
リド(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名PS−500
等)、ステアリン酸モノ(デカ)グリセリド、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステル(ポリグリセリンポ
リリシノレート(例えば、テトラグリセリンポリリシノ
レート(例えば阪本薬品工業(株)製、商品名CRS−7
5等)等))またはそれらの混合物等が挙げられる。上
記のポリグリセリン脂肪酸エステルは単独で、または2
種以上、好ましくは2ないし3種の混合物として用いら
れる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの分子量は、通常
約200ないし約5000、好ましくは約300ないし
約3000、より好ましくは約2000ないし約300
0である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB(親
水性親油性バランス(Hydrophile-lipophile balanc
e))は通常約1ないし約22、好ましくは約1ないし
約15、さらに好ましくは約1ないし約9、とりわけ好
ましくは約1ないし約4程度である。HLBの異なる2
種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを適宜混合して
目的とするHLBを調整してもよい。ポリグリセリン脂
肪酸エステルのHLBを調整すると、薬効成分の放出
性、および溶出性をコントロールできる。
【0027】ポリグリセリン脂肪酸エステルは、薬効成
分(例えば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質等)、
粘性物質、粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよ
び/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)
の選択、組み合わせおよび組成物の形態等に応じて適宜
選択することができるが、好ましくは常温(約15℃)
で固型のものが使用される。ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの融点は、例えば、約15℃ないし約80℃、好ま
しくは約30℃ないし約75℃、さらに好ましくは約4
5℃ないし約75℃程度である。ポリグリセリン脂肪酸
エステルは、薬効成分、医薬組成物の形態に応じて適宜
選択することができるが、グリセリンの重合度が約2な
いし約16である種々のグリセリン重合体のものが好ま
しく、特に約2ないし約10のものが好ましい。また、
その(重合度+2)個の水酸基の少なくとも1つ、好ま
しくは約60%以上、好ましくは約80%以上に脂肪酸
がエステル結合したものである。該脂肪酸は飽和型が好
ましい。炭素数約6ないし約22個、さらに好ましくは
約15ないし約25個、とりわけ好ましくは約18個な
いし約22個の飽和脂肪酸である。エステル化結合する
脂肪酸は同じ種類のものでも、異なる種類のものでもよ
い。2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを混合物
として使用してする固形の本発明組成物を製造する場
合、最終目的物である組成物が常温で固型である限り、
液状のポリグリセリン脂肪酸エステルと併用してもよ
い。胃粘膜付着性マトリックスとして、ポリグリセリン
脂肪酸エステルが用いられる場合、ポリグリセリン脂肪
酸エステルの使用量は、例えば、組成物中約5ないし約
98重量%、好ましくは約20ないし約95重量%、よ
り好ましくは約40ないし約95重量%である。また、
例えば重量換算で、組成物中の薬効成分に対して約0.
01ないし約15000倍、好ましくは約0.1ないし
約1000倍であり、より好ましくは約0.1ないし約
100倍である。
【0028】本発明に用いられる脂質としては、融点約
40ないし約120℃、好ましくは約40ないし約90
℃のものが挙げられる。脂質としては、例えば、炭素数
約14ないし約22の飽和脂肪酸(例えばミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸またはその
塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩));炭素数約1
6ないし約22の高級アルコール(例えば、セチルアル
コール、ステアリルアルコール等);上記脂肪酸とのモ
ノグリセリド,ジグリセリド、トリグリセリド(例え
ば、1−モノステアリン、1−モノパルミチン)等であ
る脂肪酸グリセリンエステル;油脂類(例えば、ヒマシ
油、綿実油、牛脂等油脂およびこれらの硬化油);ロウ
(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ等);炭
化水素類(例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン
等);ホスホリピッド(例えば、水添レシチン等)等が
挙げられる。これらの脂質の中でも、例えば油脂類、ロ
ウ類、炭素数、約14ないし約22の飽和脂肪酸、炭素
数約16ないし約22の高級アルコール、炭化水素類等
が好ましく、さらに硬化綿実油、硬化ヒマシ油、硬化大
豆油、カルナウバロウ、ステアリン酸、ステアリルアル
コール、マイクロクリスタリンワックス等が好ましい。
特に好ましくは硬化ヒマシ油、カルナウバロウである。
【0029】胃粘膜付着性マトリックスとして脂質が用
いられる場合、脂質の使用量は、例えば、組成物中約5
ないし約98重量%、好ましくは約20ないし約95重
量%、より好ましくは約40ないし約95重量%であ
る。また、例えば重量換算で、組成物中の薬物に対して
約0.01ないし約15000倍、好ましくは約0.1な
いし約1000倍であり、より好ましくは約0.1ない
し約100倍である。前記ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルおよび脂質は混合して用いてもよく、例えばポリグリ
セリン脂肪酸エステルとロウ類、ポリグリセリン脂肪酸
エステルと硬化油等が用いられる。具体的にはベヘン酸
ヘキサ(テトラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(テ
トラ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリ
セリト、カルナウバロウ、硬化ヒマシ油、マイクロクリ
スタリンワックス、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステル(ポリグリセリンポリリシノレート(例えば、
テトラグリセリンポリリシノレート等))等から選ばれ
た2種またはおよび3種以上の混合物である。
【0030】本発明組成物として、ポリグリセリン脂肪
酸エステルおよび/または脂質に粘性物質を配合してな
る胃粘膜付着性マトリックス等に用いられる場合、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルおよび脂質の総使用量は、例
えば、組成物中約5ないし約98重量%、好ましくは約
20ないし約95重量%、より好ましくは約40ないし
約95重量%である。また、例えば重量換算で、組成物
中の薬物に対して約0.01ないし約15000倍、好
ましくは約0.1ないし約1000倍であり、より好ま
しくは約0.1ないし約100倍である。さらに前記ポ
リグリセリン脂肪酸エステルを含むマトリックスに、脂
質を含有させてもよい。脂質としては、製剤上許容しう
る水不性溶物質であり、かつ薬物の溶出速度を調整する
作用を有するものが用いられる。例えば前記した脂質が
挙げられる。脂質とポリグリセリン脂肪酸エステルとを
併用する場合、脂質およびポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの使用量は、胃粘膜への付着性が損なわれない範囲で
あればよく、例えば、重量換算で、上記した総使用量の
範囲内で、脂質はポリグリセリン脂肪酸エステルの約
0.01ないし約1000倍、好ましくは約0.1ない
し約200倍、さらに好ましくは約0.1ないし約10
0倍、とりわけ好ましくは約1ないし約10倍である。
【0031】本発明に用いられる、粘性物質の膨潤剤は
後述する粘性物質を膨潤させるか、あるいは水分による
粘性物質の膨潤を促進するものであって、製剤的に許容
される物質であれば特に制限されないが、例えばカード
ラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が好ま
しく用いられる。本発明組成物における、粘性物質の膨
潤剤の使用量は胃粘膜付着性組成物総重量の約0.5な
いし約50重量%、好ましくは約1ないし約40重量
%、さらに好ましくは約1ないし約30重量%である。
本発明に用いられるカードランは微生物(Alcaligenes
faecalis var myxogenes 等)が産生する直鎖の水不溶性
多糖類(β−1,3−グルカン)であり、カードラン10
C3K,13140,12607,12665,131
27,13256,13259,13660(New Food
Industry, 20巻,No.10,49頁(1978年))
等が知られているが、製剤基剤あるいは賦形剤等として
製剤学上用い得るものであればいずれでもよく、例え
ば、カードランN(食品添加物)等が好ましく用いられ
る。本発明組成物におけるカードランの使用量は胃粘膜
付着性組成物総重量の約0.5ないし約50重量%、好
ましくは約1ないし約40重量%、さらに好ましくは約
1ないし約30重量%である。
【0032】本発明に用いられる低置換度ヒドロキシプ
ロピルセルロースは、セルロースの水酸基がヒドロキシ
プロポキシル基で置換されており、ヒドロキシプロポキ
シル基の含量が5.0ないし16.0%と規定されている
(第12改正日本薬局方)。ヒドロキシプロポキシル基
の含量が前記の範囲内であれば本発明に用いることがで
きるが、例えばL−HPC(信越化学工業(株))等が用
いられ、特に、ヒドロキシプロポキシル基の含量が7.
0ないし13.0%のものが好ましく用いられる。具体
的には、その範囲で置換基の含量および粒度を変化させ
た品種、例えば、LH−11(ヒドロキシプロポキシル
基10.0ないし12.9%、粒度150μm パス98
%以上、180μm オン0.5%以下)、LH−20
(ヒドロキシプロポキシル基13.0ないし16.0%、
粒度75μm パス90%以上、106μm オン1.0%
以下)、LH−21(ヒドロキシプロポキシル基10.0
ないし12.9%、粒度75μm パス90%以上、10
6μm オン1.0%以下)、LH−22(ヒドロキシプ
ロポキシル基7.0ないし9.9%、粒度75μm パス
90%以上、106μm オン1.0%以下)、LH−3
1(ヒドロキシプロポキシル基10.0ないし12.9
%、平均粒子径30μm 以下、粒度45μm パス50%
以上、75μm オン5.0%以下)等を用いることがで
き、より好ましくはLH−22またはLH−31が用い
られる。本発明組成物における低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースの使用量は、胃粘膜付着性組成物総重量
の約0.5ないし約50重量%、好ましくは約1ないし
約40重量%、さらに好ましくは約1ないし約30重量
%である。
【0033】本発明に用いられる粘性物質は、水により
粘性が発現し、胃粘膜に対して付着性を示すとともに、
製剤的に許容される物質であれば特に制限されないが、
水により膨潤し、著しく増粘する物質が好ましい。粘性
物質としては、例えば合成ポリマー、天然粘性物質等が
挙げられる。該合成ポリマーとしては20℃における該
ポリマーの2%水溶液の粘度が、約3ないし約5000
0cps、好ましくは約10ないし約30000cps、さら
に好ましくは約15ないし約30000cpsを示すもの
が好適である。但し、中和により増粘する塩基性あるい
は酸性のポリマーの場合には、20℃のおける0.2%
中和液の粘度が、約100ないし約500000cps、
好ましくは約100ないし約200000cps、さらに
好ましくは約1500ないし約100000cpsを示
すポリマーが好ましい。粘性物質の粘度は、ブルックフ
ィールド型回転粘度計(Brookfield vis
cometer)をもちいて20℃で測定するものとす
る。上記ポリマーとしては、好ましくは酸性ポリマーが
挙げられ、その例としては、カルボキシル基、スルホ基
またはこれらの塩を有する、ポリマー等が挙げられる。
特に好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有する
ポリマーである。
【0034】カルボキシル基またはその塩を有するポリ
マーとしては、例えばアクリル酸を構成モノマーとする
アクリル酸系重合体(共重合体も含む)とその塩(以
後、単にアクリル酸系重合体と記載することもある)が
好ましく挙げられる。該塩としては、ナトリウム塩、カ
リウム塩、等の1価の金属塩、マグネシウム、カルシウ
ム塩等の2価の金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ
る。アクリル酸系重合体またはその塩としては、カルボ
キシル基を約58ないし約63重量%を含み、分子量約
20万ないし約600万、好ましくは約100万ないし
約600万、さらに好ましくは約100万ないし約50
0万のポリマーが挙げられる。好ましいアクリル酸系重
合体またはその塩には、アクリル酸単独重合体とその塩
も含まれる。このようなポリマーは、日本薬局方外医薬
品成分規格(1986年10月)にカルボキシビニルポ
リマーとして記載されている。前記アクリル酸系重合体
の具体例としては、例えばカーボマー(商品名:カーボ
ポール(以下、カーボポールと称する)ザ・ビーエフグ
ッドリッチ社(The B.F. Goodrich Company)940、
934、934P.941、1342、974P、97
1P(NF XVIII)、EX214等、ハイビスワコー10
3、104、105、204(和光純薬株式会社)、N
OVEON AA1(The B. F. Goodrich Company)、
カルシウムポリカーボフィル(USP XXIII)等が挙げ
られる。
【0035】天然粘性物質としては例えばムチン、カン
テン、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸
ナトリウム、ローストビンガム、キサンタンガム、トラ
ガントガム、キトサン、プルラン、ワキシースターチ、
スクラルフェート、カードラン、セルロースおよびその
誘導体(例、セルローススルフェート等)等が挙げられ
る。好ましくはヒドロキシプロピルセルロースおよびヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。本
発明で用いられる粘性物質としては、アクリル酸系重合
体またはその塩が好ましい。これらの粘性物質は、単独
であるいはこれらの2種以上を併用してもよい。本発明
組成物における粘性物質の使用量は、胃粘膜付着性医薬
組成物中、例えば、約0.005ないし約99重量%、
好ましくは約0.5ないし約45重量%、さらに好まし
くは約1ないし約30重量%、特に好ましくは約1ない
し約25重量%、とりわけ好ましくは約1ないし20重
量%である。例えばポリグリセリン脂肪酸エステルおよ
び/または脂質を含むマトリックス中に粘性物質が分散
している場合、粘性物質は全重量の約0.005ないし
約95重量%、好ましくは約0.5ないし約30重量
%、さらに好ましくは約1ないし約25重量%、とりわ
け好ましくは約1ないし約20重量%であり、マトリッ
クスが粘性物質で被覆されている場合、全重量の約0.
005ないし約95重量%、好ましくは約0.5ないし
約30重量%、さらに好ましくは約1ないし約25重量
%、なかでも好ましくは約1ないし約20重量%であ
る。
【0036】本発明組成物が、粘性物質の膨潤剤として
カードランを含有する場合、カードランは粘性物質とし
ても用いうるので、該組成物は他の粘性物質を含有する
ことなく胃粘膜付着性を有することができる。この場
合、カードランは付着性の付与の目的で、上記の範囲を
超えて配合してもよい。前記ポリグリセリン脂肪酸エス
テルおよび/または脂質を含むマトリックスの中に粘性
物質が分散している胃粘膜付着性組成物としては、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質、粘性物
質、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースおよび薬物が組成物中に分散していれば
よい。分散方法は自体公知の方法が採用される。本発明
製剤中の化合物(I)の含有量は、通常2〜85重量
%、好ましくは5〜70重量%である。
【0037】本発明化合物(I)を含む医薬製剤(特に
胃粘膜付着性製剤)を製造する方法としては、当該分野
で一般的に用いられている公知の製造方法を適用するこ
とができる。また、必要に応じて、その剤形に製する際
に製剤分野において通常用いられる添加剤(例、希釈
剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活
性剤、懸濁化剤、乳化剤等)を適宜、適量含有させて製
造することができる。例えば、化合物(I)を錠剤に製
する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含
有させて製造することができ、丸剤、顆粒剤および細粒
剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有
させて製造することができる。また、散剤およびカプセ
ル剤に製する場合には、賦形剤等を、シロップ剤に製す
る場合には、甘味剤等を、乳剤および懸濁剤に製する場
合には、懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて
製造することができる。賦形剤の例としては、乳糖、白
糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カ
ンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム等があげられる。結合剤の
例としては、5〜10重量%デンプンのり液、10〜2
0重量%アラビアゴム液又はゼラチン液、1〜5重量%
トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギ
ン酸ナトリウム液、グリセリン等があげられる。崩壊剤
の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム等があげられ
る。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク等
があげられる。甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、
転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単
シロップ等があげられる。界面活性剤の例としては、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタ
ンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40
等があげられる。懸濁化剤の例としては、アラビアゴ
ム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、メチルセルロース、ベントナイト等があ
げられる。乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガ
ント、ゼラチン、ポリソルベート80等があげられる。
更に、本化合物(I)を上記の剤形に製造する場合に
は、所望により、製剤分野において通常用いられる着色
剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適
宜、適量添加することができる。
【0038】以下に、本発明における胃粘膜付着組成物
の製造方法の例を示す。 1)胃粘膜付着性組成物が常温で固型である場合、胃粘
膜付着性固型組成物の製造方法としては自体公知の手段
が採用される。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル
および/または脂質を融点以上に加熱して溶融し、粘性
物質および抗ヘリコバクター・ピロリ剤、カードランお
よび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを
同時にまたは別々に添加して分散した後、冷却する方法
等が挙げられる。加熱温度は例えば、約40℃ないし約
150℃、好ましくは約50℃ないし約110℃、さら
に好ましくは約50℃ないし約100℃である。前記の
方法は慣用の造粒機等を用いればよく、例えば、噴霧冷
却、例えば、スプレーチリング等により球形の固型剤
(例、顆粒剤、細粒剤)とするのが望ましい。
【0039】スプレーチリングは、例えば、10ないし
6000回転/分、好ましくは900ないし6000回
転/分、より好ましくは1000ないし5000回転/
分の高速回転ディスク上に一定流速で、溶融したポリグ
リセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質中に粘性物
質、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースおよび薬物が分散した混合物を滴下する
ことにより、行うことができる。例えば、回転ディスク
としては、例えば、直径5ないし100cm好ましく
は、直径10ないし20cmの平滑円盤、例えば、アル
ミニウム製円盤等が使用できる。また、溶融した前記混
合物の滴下速度は、所望する粒径に応じて選択できる
が、通常、約1gないし約1000g/分、好ましくは
約2gないし約200g/分、とりわけ好ましくは約5
gないし約100g/分である。このようにして得られ
た粒状物は、より真球に近いため、後工程でのコーティ
ング時に、均一なコーティング被膜を効率よく形成でき
る。前記方法以外に、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルおよび/または脂質中に粘性物質およびカードラ
ンおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
スおよび薬物を練合等により分散して造粒することによ
り調製する方法等を採用してもよい。この際使用する溶
媒としては、慣用の溶媒(例えば、メタノール、アセト
ニトリル、クロロホルム等)等が挙げられる。
【0040】さらに例えば溶融造粒法を用いて該固型組
成物を製造してもよい。溶融造粒法としては、ポリグリ
セリン脂肪酸エステルおよび/または脂質を、それらの
融点近傍、例えば融点から約5℃下回る温度範囲で加熱
溶融し、上記スプレーチリング等の造粒工程に付し、細
粒とし、これと粘性物質および抗ヘリコバクター・ピロ
リ剤およびカードランおよび/または低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロースを所望の温度で加熱しながら浮遊
または混合させて胃粘膜付着性マトリックスとする方法
等が挙げられる。この場合には、薬物に対する熱の作用
を抑制できる。ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/
または脂質を含むマトリックスが粘性物質で被覆されて
いる固型組成物は、該固型組成物が粘性物質単独、また
は粘性物質および粘性物質の膨潤剤(例えば、カードラ
ンおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス等)、好ましくは粘性物質単独、または粘性物質およ
び粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/また
は低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を含有す
るコーティング剤で被覆されていればよい。コーティン
グ剤は前記ポリグリセリン脂肪酸エステル、前記脂質お
よび水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分を含んで
いてもよい。この場合、前記固型組成物中の成分に対し
て相溶性に乏しいか、相溶しない粘性物質を用いると、
粘性物質が分散した被膜で固型組成物を被覆できる。さ
らにコーティング剤は、前記添加物を含有していてもよ
い。
【0041】水不溶性ポリマーとしては、例えば、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート(日本薬局
方第12改正)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
アセテートサクシネート(信越化学工業(株)製)、カル
ボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業社製,
CMEC、日本薬局方外医薬品成分規格1986)、セ
ルロースアセテートトリメリテート(イーストマン(Ea
stman)社製)、セルロースアセテートフタレート(日本
薬局方第12改正)、エチルセルロース(旭化成(株)社
製)、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(レー
ムファルマ社製、商品名、オイドラギットRS−10
0、RL−100、RL−PO、RS−PO、RS−3
0D、RL−30D)、メタアクリル酸アクリル酸エチ
ルコポリマー(レームファルマ社製、商品名、オイドラ
ギットL100−55)、メタアクリル酸メタアクリル
酸メチルコポリマー(レームファルマ社製、商品名、オ
イドラギットL100、S−100)、オイドラギット
L30D−55、オイドラギット NE−30D(レー
ムファルマ社製)、ポリビニルアセテート(カラルコン
(COLORCON)社製)等が挙げられる。これらの
水不溶性ポリマーは1種またはこれらの2種以上の混合
物が用いられる。
【0042】コーティング剤中の粘性物質の使用量は、
コーティング剤中の固型分全体の約0.005ないし約
100重量%、好ましくは約0.05ないし約95重量
%、さらに好ましくは約0.05ないし約30重量%、
より好ましくは約1ないし約10重量%である。またコ
ーティング剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
脂質および水不溶性ポリマーの少なくとも1つの成分と
粘性物質を併用する場合、粘性物質の使用量は、コーテ
ィング剤中の固型成分全体に対して、約0.05ないし
約95重量%、好ましくは約0.5ないし約95重量
%、より好ましくは約0.5ないし約30重量%、さら
に好ましくは約5ないし約30重量%、とりわけ好まし
くは約5ないし約25%である。さらにコーティング剤
において、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂質および
水不溶性ポリマーから選択された2種以上の成分を併用
してもよく、この場合、ポリグリセリン脂肪酸エステル
および/または脂質の総量1重量部に対して、他の成分
の使用量は約0.0001ないし約1000重量部、好
ましくは約0.01ないし約100重量部、さらに好ま
しくは約0.01ないし約10重量部である。コーティ
ング剤の被覆量は、固型組成物の種類、所望する粘膜に
対する付着性等に応じて選択できる。固型組成物に対す
るコーティング量は、例えば錠剤では、約0.1ないし
約30重量%、好ましくは約0.5ないし約20重量%
であり、細粒剤では約0.1ないし約100重量%、好
ましくは約1ないし約50重量%である。
【0043】被覆に際しては、必要に応じて、一般的に
用いられる前記添加剤をコーティング剤に添加して被覆
してもよく、コーティング剤と、前記添加剤をそれぞれ
別々に用いて被覆してもよい。添加剤の使用量は例えば
コーティング剤の固型分に対して約0.1ないし約70
重量%、好ましくは約1ないし約50重量%、より好ま
しくは約20ないし約50重量%である。被覆方法とし
ては、自体公知の方法、例えば、パンコーティング法、
流動コーティング法、転動コーティング法等が採用でき
る。コーティング剤が水または有機溶媒を含む溶液また
は分散液である場合には、スプレーコーティング法も採
用できる。前記水または有機溶媒の種類は特に制限され
ず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;クロ
ロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素類等が使用できる。コーティング剤にお
いて、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂
質を用いる場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび
/または脂質と必要に応じてその他の添加剤とを加熱溶
融して混合し、水と混和して乳化した後、固型組成物の
表面に噴霧し、乾燥することにより、被覆組成物として
もよい。またコーティングパンのような装置で、予熱し
た固型組成物にコーティング剤を投入して溶融、展延さ
せることにより被覆組成物としてもよい。固型組成物
は、通常約25ないし約60℃、好ましくは約25ない
し約40℃で被覆することができる。
【0044】被覆に要する時間は、コーティング方法、
コーティング剤の特性や使用量、固型組成物の特性等を
考慮して適宜選択できる。胃粘膜付着性固型組成物にお
いて、胃内で前記粘性物質による粘膜付着性が確保され
る限り、必要に応じて、さらに、該固型組成物は慣用の
胃溶解性または水溶性被覆等で被覆されていてもよい。
本発明の胃粘膜付着性組成物を含むマトリックスは通
常、そのまま、または適当な剤形の製剤にして経口的に
投与することができる。かかる経口投与用の固形製剤の
剤形としては、例えば細粒剤、顆粒剤、丸剤、前記細粒
剤または顆粒剤を打錠した錠剤、カプセル内に前記細粒
剤や顆粒剤を充填したカプセル剤の形態等が挙げられ
る。このうち、細粒剤、顆粒剤が好ましい。細粒剤の粒
径分布は、例えば、10ないし500μmの粒子75重
量%以上、500μm以上の粒子5重量%以下、10μm
以下の粒子、10重量%以下である。好ましい細粒剤の
粒径分布は105ないし500μmの粒子75重量%以
上、500μm以上の粒子5重量%以下、74μm以下
の粒子、10重量%以下である。顆粒剤の粒径分布は、
例えば500ないし1410μmの粒子90重量%以
上、177μm以下の粒子5重量%以下である。
【0045】2)胃粘膜付着性組成物が液体である場
合、胃粘膜付着性液状組成物の製造方法としては自体公
知の手段が採用される。例えば常温で液状のポリグリセ
リン脂肪酸エステルおよび/または脂質、粘性物質、薬
物、粘性物質の膨潤剤(例えば、カードランおよび/ま
たは低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)を同時
にまたは別々に添加して分散または溶解する方法等があ
げられる。胃粘膜付着性液状組成物を含有する製剤の形
態としては、例えばシロップ剤、乳剤、懸濁剤、カプセ
ル内にシロップ剤、乳剤、懸濁剤を充填したカプセル剤
の形態が考えられる。
【0046】本発明の組成物中における薬効成分(例え
ば、抗ヘリコバクター・ピロリ作用物質)の含有割合は
約0.005ないし約95重量%、好ましくは約1ない
し約95重量%、さらに好ましくは約10ないし約95
重量%、特に好ましくは約10ないし約50重量%であ
る。化合物(I)またはそのプロドラッグを含有する本
発明製剤(とりわけ胃粘膜付着性製剤)は、安定かつ低
毒性で安全に使用することができる。その1日の投与量
は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によっ
て異なるが、例えばヘリコバクター・ピロリ感染に起因
する胃潰瘍の患者に対して経口投与する場合には、成人
(体重約60kg)1日当たりの投与量は有効成分(化
合物(I)またはそのプロドラッグ)として1〜500
mgであり、約10〜200mgが好ましい。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に参考例、実施例、実験例、
製剤例をあげて本発明を更に詳しく説明するが、これに
よって本発明が限定されるものではない。なお、NMR
スペクトルは、ブルカーAC−300スペクトルメータ
ーまたはバリアン gemini 200型スペクトルメーターを
用いて測定した。全δ値をppmで表示し、sはシングレッ
ト、dはダブレット、tはトリプレット、ddはダブルダブ
レット、mはマルチプレットを意味する。また、室温と
は、約15〜25℃の範囲を示すが、特に厳密に限定さ
れるものではない。
【0048】
【実施例】参考例1 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−2,3,
4,6−テトラヒドロキシ−5−(L−バリル−L−ロ
イシル)アミノヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプ
ロピオン酸 (HC-70II)および(S)−3−[(2S,
3R,4R,5S)−2,3,4,6−テトラヒドロキ
シ−5−(L−ロイシル)アミノヘキサノイル]アミノ
−3−フェニルプロピオン酸 (HC-70III) グルコース0.1%,トリプトン0.5%,酵母エキス
0.25%,寒天1.5%からなる斜面培地上に予め十分
に生育したバチルス・エスピーHC−70株[寄託番
号:IFO−16098(財団法人醗酵研究所)、FE
RM BP−6001(日本国通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所)]の一白金耳を、グルコース
2.0%,可溶性澱粉3.0%,コーン・スチープ・リカ
ー0.3%,生大豆粉1.0%,ポリペプトン0.5%,
酵母エキス0.1%,オート・ミール・アガー0.2%,
塩化ナトリウム0.3%および沈降性炭酸カルシウム0.
5%からなるpH7.0の種培養培地500mlを分注
滅菌した2L容 坂口フラスコに接種して、往復振盪機上
で24℃で2日間培養した。この培養液500mlをグ
ルコース0.5%,デキストリン5.0%,脱脂大豆粉
3.5%,酵母エキス0.5%,沈降性炭酸カルシウム
0.7%,アクトコールTM 31-56(武田薬品工業社製)
0.05%およびシリコーン0.05%からなるpH6.
5の主培養培地120Lを含む200L容発酵槽に移植
し、温度22℃、内圧1.0kg/cm2, 通気120L/m
in, 撹拌120rpm の条件下で42時間培養を行なっ
た。
【0049】このように得られた培養液(120リット
ル)をpH7に調整し、ろ過補助剤(ラジオライト 6
00、昭和化学工業社製)を用いてろ過した。ろ液(1
30リットル)をpH7に補正後、 HP−20(7リ
ットル)のカラムクロマトグラフィーに付し、水(21
リットル)で洗浄後、30%(v/v)イソプロピルアルコ
ール水(28リットル)で溶出した。溶出液を濃縮後、
水で30リットルまで希釈し、CNP−80(H型、1
5リットル)のカラムクロマトグラフィーに付した。水
(45リットル)で洗浄後、2Nアンモニア水(53リ
ットル)で溶出した。溶出液を濃縮後、PA−412
(OH型、2リットル)のカラムクロマトグラフィーに
付した。水(6リットル)、1M食塩水(2リットル)
で順次洗浄後、1M食塩水(10リットル)、1N塩酸
(4リットル)で順次溶出した。溶出液をpH7に補正
後、 HP−20(1リットル)のカラムクロマトグラ
フィーに付し、水(3リットル)で洗浄後、30%(v/
v)イソプロピルアルコール水(3.4リットル)で溶出
した。溶出液を濃縮しpH7に補正後、 HP−20S
(400ml)のカラムクロマトグラフィーに付した。
水(1.2リットル)で洗浄後、5%(v/v)イソプロピル
アルコール水(1.2リットル)、10%(v/v)イソプロ
ピルアルコール水(1.2リットル)で順次溶出分画し
た。5%(v/v)イソプロピルアルコール水溶出画分を濃
縮後、 HP−20SS(100ml)のカラムクロマ
トグラフィーに付した。水(200ml)で洗浄後、水
(100ml)、2%(v/v)イソプロピルアルコール水
(300ml)、5%(v/v)イソプロピルアルコール水
(300ml)で順次溶出した。溶出液を濃縮後、7℃
に放置し、析出した結晶をろ取してHC−70III(1.
3g)を得た。HP−20S(400ml)カラムクロ
マトグラフィーの10%(v/v)イソプロピルアルコール
水溶出画分を濃縮後、メタノールを加え7℃に放置し、
析出した結晶(1.7g)をろ取した。得られた結晶を
水で2回再結晶し、HC−70IIを主成分とする結晶
(1.3g)を得た。得られた結晶のうち、719mg
をHP−20S(70ml)のカラムクロマトグラフィ
ーに付した。水(210ml)、2%(v/v)イソプ
ロピルアルコール水(210ml)、5%(v/v)イ
ソプロピルアルコール水(210ml)で順次洗浄後、
10%(v/v)イソプロピルアルコール水(420ml)
で溶出分画した。 HC−70IIを含有する画分を濃縮
後、7℃に放置し、析出した結晶をろ取してHC−70
II(479mg)を得た。
【0050】参考例2 バチルス・インソリタスHC−72株[寄託番号:IF
O−16179(財団法人醗酵研究所)、FERM B
P−6385(日本国通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所)]を用いての HC−70III の取得 グルコース0.1%,トリプトン0.5%,酵母エキス
0.25%,寒天1.5%からなる斜面培地上に予め十分
に生育したバチルス・インソリタスHC−72株の一白
金耳を、グルコース2.0%,可溶性澱粉3.0%,コー
ン・スチープ・リカー0.3%,生大豆粉1.0%,ポリ
ペプトン0.5%,酵母エキス0.1%,塩化ナトリウム
0.3%および沈降性炭酸カルシウム0.5%からなるp
H7.0の種培養培地500mlを分注滅菌した2L容
坂口フラスコに接種して、往復振盪機上で28℃で1日
間培養した。この培養液500mlをグルコース2.0
%,可溶性澱粉3.0%,コーン・スチープ・リカー0.
3%,生大豆粉1.0%,ポリペプトン0.5%,酵母エ
キス0.1%,塩化ナトリウム0.3%, 沈降性炭酸カル
シウム0.5%, アクトコールTM 31-56(武田薬品工業
社製)0.05%及びシリコーン0.05%からなるpH
7.0の種培養培地120L を含む200L容発酵槽に
移植し、温度24℃、内圧1.0kg/cm2, 通気120
L/min, 撹拌120rpm の条件下で48時間培養を行な
った。この培養液10 L をグルコース0.5%,ミオ・
イノシトール1.0%,脱脂大豆粉5.0%,コーン・ス
チープ・リカー1.0%,アクトコールTM 31-56(武田
薬品工業社製)0.05%及びシリコーン0.05%から
なるpH7.0の主培養培地1200L を含む2000
L容発酵槽に移植し、温度28℃、内圧1.0kg/cm2,
通気840L/min, 撹拌30rpm の条件下で114時間
培養を行なった。このように得られた培養液(1200
リットル)をpH5に調整し、凝集剤[0.5%(w/v)サン
フロックC-109P,三洋化成社製]添加後フロックを形成
させ、ろ過補助剤(ラジオライト600)を用いてろ過
した。ろ液(1200リットル)をpH5に補正後、活
性炭(粒状白鷺、25リットル)とSP−850(10
0リットル)のカラムクロマトグラフィーに付し、水
(300リットル)で洗浄した。SP−850のカラム
のみ、0.1N水酸化ナトリウム(300リットル),
水(300リットル),0.1N硫酸(300リット
ル),水(300リットル)で順次洗浄後、25%(v/
v)イソプロピルアルコール水(400リットル)で溶出
分画した。HC−70IIIを含有する画分をpH4.5
に補正後、UBK−510L(Na型、150リット
ル)のカラムクロマトグラフィーに付した。水(150
リットル)で洗浄後、0.01Nアンモニア水(600
リットル)で溶出分画した。HC−70IIIを含有する
画分をpH8に補正後、PK−216(Na型,25リ
ットル)とIRA−67(CH3COO型、25リット
ル)のカラムを順次通過させ、水(100リットル)で
洗浄した。通過液と水洗液を合わせpH5に補正後、濃
縮し、7℃に放置した。析出した結晶をろ取して、HC
−70III(380g)を得た。
【0051】参考例3 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 HC−70III(190mg)をリン酸緩衝液(40m
M,pH8,47.5ml)に溶解し、塩化コバルト水
溶液(1M,0.19ml)およびアクチナーゼE(1
9mg,科研製薬社製)を添加し、37℃で2時間反応
させた。反応液を濾紙(No.2,東洋濾紙社製)を用い
て濾過し、得られた濾液をHP−20(50ml)のカ
ラムクロマトグラフィーに付した。水(50ml)で洗
浄後、水(100ml)および20%(v/v)イソプロピ
ルアルコール水(200ml)で順次溶出し、溶出液を
濃縮後凍結乾燥して粗粉末(149mg)を得た。得ら
れた粗粉末を分取HPLC[カラム;YMC-Pack SH-363-
15,ODS(ワイエムシイ社製)、移動相;5%(v/v)アセト
ニトリル/0.02Mリン酸緩衝液(pH4.5、流速;
12ml/分]に付し、溶出容量400−600mlの
画分を集めpH7に調整後、減圧下120mlまで濃縮
した。濃縮液をHP−20(60ml)のカラムクロマ
トグラフィーに付し、水洗(180ml)後、20%(v
/v)イソプロピルアルコール水(240ml)で溶出し
た。溶出液を濃縮後、凍結乾燥して(S)−3−[(2
S,3R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸の白色粉末(103mg)を得た。13 C-NMR (DMSO-d6) δ: 174.9, 172.3, 143.4, 127.9,
126.3, 126.2, 71.4, 70.8, 66.6, 60.9, 53.3, 49.7,
43.1. 元素分析値 C152227・1.5H2Oとして 実測値;C, 49.11; H, 6.78; N, 7.89. 計算値;C, 48.78; H, 6.82; N, 7.58
【0052】参考例4 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチル
エステル一塩酸塩 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸(3.40g)を1
N塩酸(11ml)に溶解させ、メタノール(10m
l)を加えて、濃縮した。残留物のメタノール溶液(1
00ml)にジフェニルジアゾメタン(3.88g)を
室温で加え、室温で1.5時間撹拌した。反応液を濃縮
し、残留物をジエチルエーテルで洗い、表題化合物
(5.36g)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.07 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.5
0-5.80 (7H, m), 6.68 (1H, s), 7.10-7.20 (15H, m).
【0053】参考例5 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−[O
−tert−ブチル−N−(9−フルオレニルメトキシ
カルボニル)−L−セリル]アミノ−2,3,4,6−
テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニル
プロピオン酸 ジフェニルメチルエステル O−tert−ブチル−N−(9−フルオレニルメトキ
シカルボニル)セリン(575mg)のアセトニトリル (7.5
ml)溶液にN-ヒドロキシこはく酸イミド(173mg)とジ
シクロヘキシルカルボジイミド(309mg)を加え、室温
で3時間撹拌した後、反応液をろ過し、濃縮した。残留
物のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に(S)−3−
[(2S,3R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル塩酸
塩(818mg)とトリエチルアミン(0.209ml)を加え、室
温で24時間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮した。残留物を再結晶 (エーテル-ヘキサ
ン) し、表題化合物(1.156g)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.19 (9H, s), 2.80-6.00 (15H,
m), 6.80 (1H, s), 7.05-8.20 (23H, m).
【0054】参考例6 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−[
O−tert−ブチル−N−(9−フルオレニルメトキ
シカルボニル)−L−セリル]アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(874mg)に
ピペリジン(5ml)を加え、室温で5時間撹拌した後、反
応液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(メタノール : 酢酸エチル = 1 : 2の混合溶
媒で溶出)で精製し、再結晶(エーテル-ヘキサン)
し、表題化合物 (593mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (9H, s), 3.05 (2H, d, J
= 7.0 Hz), 3.20-5.40 (10H, m), 6.67 (1H, s), 7.10-
7.40 (15H, m).
【0055】参考例7 ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−L−アス
パラギン ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリン(3g)のア
セトニトリル溶液(20ml)にN−ヒドロキシこはく酸イ
ミド(1.51g)とジシクロヘキシルカルボジイミド(2.5
8g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をろ過し、
濃縮した。残留物のエタノール(20ml)溶液をL−アス
パラギン(2.69g)と炭酸水素ナトリウム(1.5g)の水
(10ml)溶液に加え、室温で2時間撹拌した。反応液に1
N塩酸(50ml)を加え、反応液を濃縮した。残留物を水
で洗い、表題化合物(3.70g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.93 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.30-
1.47 (2H, m), 1.56-1.75 (2H, m), 2.77 (2H, d, J =
5.6 Hz), 4.05-4.20 (1H, m), 4.70 (1H, t, J =5.6 H
z), 5.08 (2H, s), 7.27-7.36 (5H, m).
【0056】参考例8 tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−L
−アスパラギン tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシン(2
g)のアセトニトリル(30ml)溶液にN−ヒドロキシこは
く酸イミド(1.10g)とジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(1.87g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をろ
過し、濃縮した。残留物のエタノール(20ml)溶液をL
−アスパラギン(1.95g)と炭酸水素ナトリウム(1.1
g)の水(30ml)溶液に加え、室温で18時間撹拌した。
反応液を濃縮し、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して表
題化合物(1.1g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80 - 0.96 (6H, m), 1.06-1.30
(1H, m), 1.44 (9H, s),1.45-1.60 (1H, m), 1.70-1.90
(1H, m), 2.78 (2H, d, J = 5.8 Hz), 3.90-4.00 (1H,
m), 4.65-4.80 (1H, m).
【0057】参考例9 tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−L−
アスパラギン tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニン(2g)
のアセトニトリル(20ml)溶液にN−ヒドロキシこはく
酸イミド(1.02g)と ジシクロヘキシルカルボジイミド
(1.73g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をろ過
し、濃縮した。残留物のエタノール(20ml)溶液をL−
アスパラギン(1.80g)と炭酸水素ナトリウム(1.0g)
の水(20ml)溶液に加え、室温で18時間撹拌した。反応
液を濃縮し、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して表題化合
物(2.40g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.44 (9H, s), 1.75-2.04 (2H,
m), 2.08 (3H, s), 2.47-2.63 (2H, m), 2.77-2.81 (2
H, m), 4.10-4.25 (1H, m), 4.65-4.75 (1H, m).
【0058】参考例10 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−
((S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸一塩酸塩 (S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)
酪酸(200mg)と(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキ
シヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル一塩酸塩(540mg)のジメチ
ルホルムアミド(10ml)溶液にシアノりん酸ジエチル
(240mg)とトリエチルアミン(0.14ml)を加え、室温
で17時間撹拌し、濃縮した。残留物に1N塩酸を加
え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗い、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物に4N
塩化水素酢酸エチル(10ml)溶液を加え、0℃で30分
間撹拌し、濃縮した。残留物をダイアイオンCHP−2
0Pカラムクロマトグラフィー(水と10%アセトニト
リル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノール−酢
酸エチル)して表題化合物(100mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.05 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.85-
1.96 (2H, m), 2.74 (2H, d, J = 6.4 Hz), 3.68-4.33
(7H, m), 5.32 (1H, t, J = 6.4 Hz), 7.24-7.42(5H,
m).
【0059】参考例11 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−
((S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル一塩酸塩 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−
((S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸一塩酸塩(2.00g)のメタノール溶液
(30ml)にジフェニルジアゾメタン(1.67g)を加え、
室温で1.5時間撹拌し、反応液を濃縮した。残留物を酢
酸エチルで洗い、表題化合物(2.18g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.05 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.80-
2.00 (2H, m), 3.02-3.15 (2H, m), 3.65-3.73 (3H,
m), 3.84-3.90 (2H, m), 4.25-4.33 (2H, m), 5.37-5.4
8 (1H, m), 6.72 (1H, s), 7.14-7.30 (15H, m).
【0060】参考例12 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−[N
α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nβ
トリフェニルメチル−L−アスパラギニル]アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル Nα−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nβ
−トリフェニルメチル−L−アスパラギン(1.5g)と
(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチル
エステル一塩酸塩(1.37g)のジメチルホルムアミド(2
0ml)溶液にシアノりん酸ジエチル(614mg)とジイソプ
ロピルエチルアミン(0.66ml)を加え、室温で18時間撹
拌した。反応液を濃縮し、残留物に5%クエン酸水溶液を
加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮した。残留物を再結晶 (ジイソプロピ
ルエーテル) し、表題化合物(2.37g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 2.65-2.80 (2H, m), 2.90-3.10 (2
H, m), 3.60-3.75 (3H,m), 3.85-3.95 (1H, m), 4.15-
4.60 (6H, m), 5.42 (1H, t, J = 6.2 Hz), 6.71(1H,
s), 7.05-7.80 (38H, m).
【0061】参考例13 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
β−トリフェニルメチル−L−アスパラギニル)アミノ
−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]ア
ミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエ
ステル (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−[N
α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−Nβ
トリフェニルメチル−L−アスパラギニル]アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル(2.03g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に
ピペリジン(3ml)を0℃で加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(メタノール : 酢酸エチル = 1 : 4の混
合溶媒で溶出)で精製し、結晶化(ジイソプロピルエー
テル)して表題化合物 (1.30g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 2.50-2.90 (2H, m), 2.95-3.20 (2
H, m), 3.60-3.80 (3H,m), 3.85-3.95 (1H, m), 4.04-
4.35 (3H, m), 5.35-5.50 (1H, m), 6.72 (1H, s), 7.1
0-7.40 (30H, m).
【0062】参考例14 tert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−
L−アスパラギン tert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシン
(800mg)のアセトニトリル(20ml)溶液にN−ヒドロ
キシこはく酸イミド(470mg)とジシクロヘキシルカル
ボジイミド(806mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反
応液をろ過し、濃縮した。残留物のエタノール (10ml)
溶液をL−アスパラギン(888mg)と炭酸水素ナトリウ
ム(468mg)の水(10ml)溶液に加え、室温で5時間撹拌
した。反応液に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで
抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽
和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物を再結晶 (酢酸エチル−ジイソプロピルエー
テル) し、表題化合物(717mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.43 (9H, s),
2.25−2.60 (2H, m), 2.77
(2H, d, J = 5.4Hz), 4.00−
4.20 (1H, m), 4.62−4.74
(1H, m), 5.00−5.20 (2H,
m), 5.66−5.90(1H, m).
【0063】参考例15 ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−
2−アミノ酪酸 (ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリン(30
g)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液に、N−ヒド
ロキシこはく酸イミド(15.1g)とジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(25.2g)を0℃で加え、0℃で1時間、室
温で3時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮し
た。残留物のエタノール(200ml)溶液を(S)−2−
アミノ酪酸(15.4g)と炭酸水素ナトリウム(12.5g)の
水(200ml)溶液に0℃で加え、室温で8時間撹拌した。
反応液に1N塩酸(150ml)を加え、析出物をろ取した。
析出物を水で洗い、表題化合物(33.5g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.89-0.97 (6H, m), 1.32-1.93 (6
H, m), 4.13 (1H, m), 4.23-4.25 (1H, m), 5.08 (2H,
s), 7.20 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.25-7.33 (5H,m), 8.
16 (1H, d, J = 8.4 Hz). 上述の参考例で得られた化合物の構造式を以下に示す。
【化15】
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】実施例1 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−ノルバリル−O−t
ert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−ノルバリン(217m
g)のアセトニトリル(10ml)溶液にN-ヒドロキシこは
く酸イミド(115mg)とジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(206mg)を加え、室温で3時間撹拌した後、反応液を
ろ過し、濃縮した。残留物のジメチルホルムアミド (5m
l) 溶液に(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)
−5−( O−tert−ブチル−L−セリル)アミノ
−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]ア
ミノ−3−フェニルプロピオン酸ジフェニルメチルエス
テル(652mg)を加え、室温で18時間撹拌した。反応液
に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽
出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗
い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物を
再結晶 (エーテル-ヘキサン) し、表題化合物(784mg)
を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.75-1.70 (7H, m), 1.11 (9H,
s), 1.38 (9H, s), 3.05(2H, d, J = 7.0 Hz), 3.20-5.
40 (11H, m), 6.67 (1H, s), 7.10-7.60 (15H,m).
【0067】実施例2 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−ノルバリル−L−セリル)アミノ−2,3,4,6−
テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニル
プロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−ノルバリル−O−t
ert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(700mg)に
4N塩化水素酢酸エチル(10ml)溶液を加え、室温で1
時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をエーテルで洗
い、ダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフ
ィー(水と20%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製
し、再結晶(メタノール−エーテル)して表題化合物
(184mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.86 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.2
0-1.65 (4H, m), 2.50-2.80 (2H, m), 3.00-5.30 (11H,
m), 7.10-7.45 (5H, m).
【0068】実施例3 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−
O−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル N−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシン
(231mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロキ
シこはく酸イミド(115mg)とジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(206mg)を加え、室温で3時間撹拌した後、反
応液をろ過し、濃縮した。残留物のジメチルホルムアミ
ド (10ml) 溶液に(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−( O−tert−ブチル−L−セリル)
アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメ
チルエステル(652mg)を加え、室温で18時間撹拌し
た。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで
抽出し、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物を再結晶 (エーテル-ヘキサン) し、表題化
合物 (647mg) を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.70-0.90 (6H, m), 1.00-1.80
(3H, m), 1.10 (9H, s),1.38 (9H, s), 3.04 (2H, d, J
= 7.4 Hz), 3.20-5.40 (11H, m), 6.67 (1H, s), 7.10
-7.40 (15H, m).
【0069】実施例4 ((S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−
(L−イソロイシル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−
O−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル(55
0mg)に4N塩化水素酢酸エチル(10ml)溶液を加え、
室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をエー
テルで洗い、ダイアイオンCHP−20Pカラムクロマ
トグラフィー(水と20%アセトニトリル水溶液で溶
出)で精製し、再結晶(メタノール−エーテル)して表
題化合物(208mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.75-0.95 (6H, m), 0.95-1.85
(3H, m), 2.55-2.90 (2H, m), 3.10-5.40 (11H, m), 7.
10-7.50 (5H, m).
【0070】実施例5 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
−tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル N−tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニン
(249mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロキ
シこはく酸イミド(115mg)とジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(206mg)を加え、室温で3時間撹拌した後、反
応液をろ過し、濃縮した。残留物のジメチルホルムアミ
ド(5ml)溶液に(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−( O−tert−ブチル−L−セリル)
アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメ
チルエステル(652mg)を加え、室温で18時間撹拌し
た。反応液に10%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで
抽出し、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物を再結晶 (エーテル-ヘキサン) し、表題化
合物(859mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6)δ: 1.11 (9H, s),
1.38 (9H, s), 1.60−2.00
(2H, m), 2.01(3H, s), 2.4
0−2.60 (2H, m), 3.05 (2H,
d, J = 7.2 Hz), 3.20−5.4
0 (11H, m), 6.67 (1H, s),
7.10−7.40 (15H, m).
【0071】実施例6 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−メチオニル−L−セリル)アミノ−2,3,4,6−
テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニル
プロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
−tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル(7
50mg)に4N塩化水素酢酸エチル(10ml)溶液を加
え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物を
エーテルで洗い、ダイアイオンCHP−20Pカラムク
ロマトグラフィー(水と20%アセトニトリル水溶液で
溶出)で精製し、再結晶(メタノール−エーテル)して
表題化合物(225mg)を得た。1 H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.60-2.10 (4H, m), 2.03 (3H,
s), 2.60-2.90 (2H, m),3.00-5.30 (11H, m), 7.10-7.5
0 (5H, m).
【0072】実施例7 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−L−アスパ
ラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシ
ヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−L−アス
パラギン(1.0g)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−
ヒドロキシこはく酸イミド(346mg)とジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(591mg)を加え、室温で5時間撹拌
し、反応液ををろ過し、濃縮した。残留物のエタノール
(50ml)溶液を(S)−3−[(2S,3R,4R,5
S)−5−アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシ
ヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸(1.
40g)と炭酸水素ナトリウム(344mg)の水(10ml)溶液
に加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留
物に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後減圧濃縮した。残留物を結晶化(ジイソプロピルエー
テル)し、表題化合物(1.08g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.92 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.37-
1.44 (2H, m), 1.64-1.71 (2H, m), 2.65-2.76 (2H,
m), 2.84-2.91 (2H, m), 3.64-3.77 (3H, m), 3.90(1H,
dd, J = 1.0, 10.2 Hz), 4.00-4.25 (2H, m), 4.25-4.
28 (1H, m), 4.65-4.80 (1H, m), 5.10 (2H, s), 5.30-
5.45 (1H, m), 7.23-7.40 (10H, m).
【0073】実施例8 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−ノルバリル−L−アスパラギニル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−L−アスパ
ラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシ
ヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸(30
0mg)のメタノール(20ml)溶液に10% パラジウム炭素
(50mg)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌し
た。反応液をろ過し、濃縮した。残留物をエーテルで洗
い、ダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフ
ィー(水と10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製
し、再結晶(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物
(45mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.89 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.28-1.
40 (2H, m), 1.50-1.84(2H, m), 2.69-2.78 (4H, m),
3.61-3.74 (4H, m), 3.85-3.98 (2H, m), 4.24 (1H, t,
J = 6.0 Hz), 4.33 (1H, s), 5.18 (1H, t, J = 6.8 H
z), 7.30-7.38 (5H, m).
【0074】実施例9 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−L−
アスパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒド
ロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン
酸 ジフニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−L
−アスパラギン(500mg)のアセトニトリル(20ml)溶
液に、N−ヒドロキシこはく酸イミド(183mg)とジシク
ロヘキシルカルボジイミド(314mg)を加え、室温で2時
間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を(S)−3−
[(2S,3R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフニルメチルエステル一塩酸
塩(790mg)とジイソプロエチルアミン(0.51ml)のジ
メチルホルムアミド(10ml)溶液に加え、室温で18時間
撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に5%クエン酸溶液を
加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液と飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮した。残留物を結晶化(ジイソプロピ
ルエーテル)し、表題化合物(1.00g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.88-0.93 (6H, m), 1.10-1.30 (1
H, m), 1.44 (9H, s), 1.45-1.55 (1H, m), 1.75-1.85
(1H, m), 2.68-2.78 (2H, m), 3.00-3.19 (2H, m), 3.6
0-3.77 (3H, m), 3.88-4.00 (2H, m), 4.15-4.20 (1H,
m), 4.22-4.25 (1H, m), 4.70-4.90 (1H, m), 5.44 (1
H, t, J = 7.0 Hz), 6.74 (1H, s), 7.16-7.32 (15H,
m).
【0075】実施例10 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−イソロイシル−L−アスパラギニル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブチルオキシカルボニル−L−ノルバリル−L
−アスパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ジフニルメチルエステル(400mg)にトリフルオ
ロ酢酸(20ml)を加え、室温で30分間撹拌し、濃縮し
た。残留物をエーテルで洗い、ダイアイオンCHP−2
0Pカラムクロマトグラフィー(水と10%アセトニト
リル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノール−酢
酸エチル)して表題化合物(140mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.85-0.98 (6H, m), 1.09-1.22 (2H,
m), 1.35-1.60 (1H, m), 2.65-2.88 (4H, m), 3.50-3.
71 (4H, m), 3.84-3.89 (2H, m), 4.23 (1H, t,J = 8.0
Hz), 4.30-4.36 (1H, m), 5.20 (1H, t, J = 7.0Hz),
7.25-7.35 (5H, m).
【0076】実施例11 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−L−ア
スパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロ
キシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−L−
アスパラギン(500mg)と(S)−3−((2S,3
R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,4,6−テト
ラヒドロキシヘキサノイル)アミノ−3−フェニルプロ
ピオン酸 ジフニルメチルエステル一塩酸塩(425mg)
のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にシアノりん酸ジ
エチル(191mg)とジイソプロピルエチルアミン(0.2m
l)を加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、
残留物に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩
水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残
留物を結晶化(ジイソプロピルエーテル)して表題化合
物(340mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.43 (9H, s), 1.85-2.00 (2H,
m), 2.05 (3H, s), 2.47-2.57 (2H, m), 3.00-3.13 (4
H, m), 3.64-4.20 (6H, m), 4.30-4.34 (1H, d, J =1.4
Hz), 4.60-4.80 (1H, m), 5.44 (1H, t, J = 7.6 Hz),
6.73 (1H, s), 7.14-7.31 (15H, m).
【0077】実施例12 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−メチオニル−L−アスパラギニル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−L−ア
スパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロ
キシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル(200mg)にトリフルオロ
酢酸(5ml)を加え、室温で15分間撹拌し、濃縮した。
残留物をエーテルで洗い、ダイアイオンCHP−20P
カラムクロマトグラフィー(水と10%アセトニトリル
水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノール−酢酸エ
チル)して表題化合物(30mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.06 (3H, s), 2.15 (2H, t, J = 7.
2 Hz), 2.57 (2H, t, J= 7.2 Hz), 2.68-2.80 (4H, m),
3.56-3.74 (4H, m), 3.83-3.88 (1H, m), 4.02-4.14
(1H, m), 4.23 (1H, t, J = 6.2Hz), 4.30-4.35 (1H,
m), 5.16 (1H, t,J = 7.0 Hz), 7.25-7.35 (5H, m).
【0078】実施例13 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)
−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テト
ラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロ
ピオン酸 ジフェニルメチルエステル L−ノルバリン(115mg)のテトラヒドロフラン(10m
l)と水(10ml)の混合溶液に二炭酸ジ−tert−ブ
チル(0.248ml)と炭酸水素ナトリウム(247mg)を加
え、室温で2時間撹拌した。反応液に5%クエン酸水溶液
を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で
洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物
をアセトニトリル(10ml)に溶解し、N-ヒドロキシこは
く酸イミド(134mg)とジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(220mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をろ
過し、ろ液に(S)−3−[(2S,3R,4R,5
S)−5−((S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル一塩酸塩(600mg)とジイソプロピルエチルアミン
(0.34ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加
え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に
5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ヘキサン)
し、表題化合物(755mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-0.96 (6H, m), 1.20-1.30 (2
H, m), 1.43 (9H, s), 1.58-1.88 (4H, m), 3.05 (1H,
dd, J = 15.6, 7.0 Hz), 3.10 (1H, dd, J = 7.0, 15.6
Hz), 3.63-3.71 (3H, m), 3.88-4.04 (2H, m), 4.16-
4.31 (3H, m), 5.43 (1H, t, J = 7.0 Hz), 6.73 (1H,
s), 7.15-7.30 (15H, m).
【0079】実施例14 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−ノルバリル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)
−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テト
ラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロ
ピオン酸 ジフェニルメチルエステル(500mg)の酢酸
エチル溶液(10ml)に4N 塩化水素酢酸エチル(30ml)
溶液を加え、室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物を
ダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフィー
(水と10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、
再結晶(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物(70
mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.80-1.00 (6H, m), 1.20-1.45 (2H,
m), 1.55-1.90 (4H, m), 2.68 (2H, d, J = 7.0 Hz),
3.52-3.74 (3H, m), 3.81-4.00 (2H, m), 4.16-4.33 (3
H, m), 5.14 (1H, t, J = 7.0 Hz), 7.20-7.40 (5H,
m).
【0080】実施例15 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシン(22
4mg)のアセトニトリル(10ml)溶液に、N-ヒドロキシ
こはく酸イミド(134mg)とジシクロヘキシルカルボジ
イミド(220mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液
をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−((S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル一塩酸塩(600mg)とジイソプロピルエチルアミン
(0.34ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加
え、室温で19時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に
5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ヘキサ
ン)し、表題化合物(658mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-0.96 (9H, m), 1.10-1.16 (1
H, m), 1.43 (9H, s), 1.45-1.55 (1H, m), 1.60-1.90
(3H, m), 3.02 (1H, dd, J = 7.8, 15.6 Hz), 3.12 (1
H, dd, J = 5.6, 15.6 Hz), 3.59-3.73 (3H, m), 3.89-
3.93 (2H, m), 4.16-4.24 (1H, m), 4.28-4.34 (2H,
m), 5.43 (1H, dd, J = 5.6, 7.8 Hz), 6.72(1H, s),
7.15-7.30 (15H, m).
【0081】実施例16 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−イソロイシル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ
−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]ア
ミノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル(300mg)
の酢酸エチル(10ml)溶液に4N 塩化水素酢酸エチル(2
0ml)溶液を加え室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物
をダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフィ
ー(水と10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製
し、再結晶(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物
(80mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.89−0.95 (9H,
m), 1.15−1.30 (1H, m), 1.
40−1.60 (1H, m), 1.71−2.0
4 (3H, m), 2.75 (2H, d, J
= 7.2 Hz), 3.63−3.73 (3
H, m), 3.86−3.91 (2H, m),
4.21−4.34 (3H, m), 5.19
(1H, t, J = 7.2 Hz), 7.25
−7.35 (5H,m).
【0082】実施例17 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−(S)
−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テト
ラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロ
ピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−メチオニン(24
2mg)のアセトニトリル (10ml)溶液に、 N-ヒドロ
キシこはく酸イミド(134mg)とジシクロヘキシルカル
ボジイミド(220mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反
応液をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4
R,5S)−5−((S)−2−アミノブチリル)アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチル
エステル一塩酸塩(600mg)とジイソプロピルエチルア
ミン(0.34ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に
加え、室温で19時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物
に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ヘキサ
ン)して表題化合物(663mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD)δ: 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.43
(9H, s), 1.60-1.77 (2H,m), 1.81-1.92 (2H, m), 2.06
(3H, s), 2.48-2.60 (2H, m), 3.02 (1H, dd, J= 7.6,
15.6 Hz), 3.13 (1H, dd, J = 6.2, 15.6 Hz), 3.59-
3.71 (3H, m), 3.87-3.93 (1H, m), 4.15-4.32 (4H,
m), 5.43 (1H, dd, J = 6.2, 7.6 Hz), 6.73(1H, s),
7.14-7.32 (15H, m).
【0083】実施例18 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−メチオニル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−メチオニル−(S)
−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テト
ラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロ
ピオン酸 ジフェニルメチルエステル(300mg)の酢酸
エチル(10ml)溶液に4N 塩化水素酢酸エチル(20ml)
溶液を加え室温で2時間撹拌し、濃縮した。残留物をダ
イアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフィー
(水と10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、
再結晶(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物(70
mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.92 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.72-1.
87 (2H, m), 2.07 (3H,s), 2.10-2.21 (2H, m), 2.58
(2H, t, J = 7.4 Hz), 2.70 (2H, d, J = 6.8 Hz), 3.6
3-3.72 (3H, m), 3.84-3.90 (1H, m), 4.12 (1H, t, J
= 7.0 Hz), 4.20-4.35 (3H, m), 5.16 (1H, t, J = 6.8
Hz), 7.25-7.36 (5H, m).
【0084】実施例19 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギン(19
6mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロキシ
こはく酸イミド(116mg)とジシクロヘキシルカルボジ
イミド(183mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液
をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−( O−tert−ブチル−L−セリル)
アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメ
チルエステル(500mg)とジイソプロピルエチルアミン
(0.13ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加
え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に
5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ジイソプロピ
ルエーテル)し、表題化合物(570mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD)δ: 1.20 (9H, s), 1.43 (9H, s), 2.60
(1H, dd, J = 6.8, 15.2 Hz), 2.78 (1H, dd, J = 6.
8, 15.2 Hz), 3.01 (1H, dd, J = 8.0, 15.8 Hz),3.13
(1H, dd, J = 6.0, 15.8 Hz), 3.55-3.84 (5H, m), 3.8
8-3.98 (1H, m),4.20-4.55 (4H, m), 5.43 (1H, dd, J
= 6.0, 8.0 Hz), 6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (15H, m).
【0085】実施例20 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アスパラギニル−L−セリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル(40
0mg)にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、室温で30分
間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をダイアイオンC
HP−20Pカラムクロマトグラフィー(水と10%ア
セトニトリル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノ
ール−エーテル)して表題化合物(150mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.80-3.00 (4H, m), 3.55-3.75 (3H,
m), 3.80-3.95 (3H, m), 4.20-4.45 (3H, m), 4.50-4.
60 (1H, m), 5.20-5.40 (1H, m), 7.30-7.50 (5H, m).
【0086】実施例21 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシン
(198mg)、(S)−3−[(2S,3R,4R,5
S)−5−( O−tert−ブチル−L−セリル)ア
ミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメ
チルエステル(600mg)、N−ヒドロキシこはく酸イミ
ド(212mg)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にジ
シクロヘキシルカルボジイミド(237mg)を加え、室温
で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に5%クエン
酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチルで溶出)で精製し、結晶化(メタノール−ジイ
ソプロピルエーテル)して表題化合物(475mg)を得
た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.21 (9H, s), 1.44 (9H, s), 2.3
0-2.60 (2H, m), 2.95-3.20 (2H, m), 3.55-3.80 (5H,
m), 3.88-4.00 (1H, m), 4.05-4.50 (4H, m), 5.00-5.2
0 (2H, m), 5.40-5.50 (1H, m), 5.70-5.90 (1H, m),
6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (15H, m).
【0087】実施例22 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アリルグリシル−L−セリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−O
−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル(35
0mg)にトリフルオロ酢酸(5ml)を加え、室温で30分間
撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をダイアイオンCH
P−20Pカラムクロマトグラフィー(水と20%アセ
トニトリル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノー
ル)して表題化合物(163mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.55-2.75 (4H, m), 3.60-3.72 (3H,
m), 3.78-3.92 (3H, m), 4.04-4.16 (1H, m), 4.18-4.
36 (2H, m), 4.44-4.60 (1H, m), 5.10-5.30 (3H, m),
5.60-5.85 (1H, m), 7.20-7.45 (5H, m).
【0088】実施例23 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−O−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル tert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−シス
テイン(199mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−
ヒドロキシこはく酸イミド(116mg)とジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(183mg)を加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3
R,4R,5S)−5−( O−tert−ブチル−L
−セリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシ
ヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジ
フェニルメチルエステル(500mg)とジイソプロピルエ
チルアミン(0.13ml)のジメチルホルムアミド(10ml)
溶液に加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、
残留物に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(酢酸エチル)で精製し、結晶化(酢酸エチ
ル−ジイソプロピルエーテル)して表題化合物(560m
g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.20 (9H, s), 1.44 (9H, s), 2.1
1 (3H, s), 2.60-3.20 (4H, m), 3.55-3.80 (5H, m),
3.88-3.98 (1H, m), 4.16-4.46 (4H, m), 5.43 (1H, t,
J = 6.0 Hz), 6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (15H, m).
【0089】実施例24 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(S
−メチル−L−システイニル−L−セリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−O−tert−ブチル−L−セリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル(400mg)にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、室
温で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をダイア
イオンCHP−20Pカラムクロマトグラフィー(水と
10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、再結晶
(メタノール−エーテル)して表題化合物(114mg)を
得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.10 (3H, s), 2.85-3.20 (4H, m),
3.36-3.75 (3H, m), 3.80-3.90 (3H, m), 4.15-4.35 (3
H, m), 4.48-4.60 (1H, m), 5.20-5.40 (1H, m),7.20-
7.45 (5H, m).
【0090】実施例25 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−N
β−トリフェニルメチル−L−アスパラギニル)アミノ
−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]ア
ミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエ
ステル tert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギン(16
8mg)と(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−
5−(Nβ−トリフェニルメチル−L−アスパラギニ
ル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサ
ノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニ
ルメチルエステル(500mg)のジメチルホルムアミド(1
0ml)溶液にN−ヒドロキシこはく酸イミド(133mg)と
ジシクロヘキシルカルボジイミド(164mg)を0℃で加
え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に
5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水と飽和重曹水で洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=10:1で溶
出)で精製した後、結晶化(メタノール−ジイソプロピ
ルエーテル)し、表題化合物(521mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.41 (9H, s), 2.60-2.75 (2H,
m), 2.90 (2H, d, J = 7.4Hz), 3.00-3.10 (2H, m), 3.
60-3.75 (4H, m), 4.10-4.80 (4H, m), 5.42 (1H,t, J
= 7.4 Hz), 6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (30H, m).
【0091】実施例26 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アスパラギニル−L−アスパラギニル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−N
β−トリフェニルメチル−L−アスパラギニル)アミノ
−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]ア
ミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエ
ステル(350mg)にトリフルオロ酢酸(5ml)を加え、室
温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をダイア
イオンCHP−20Pカラムクロマトグラフィー(水と
10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、再結晶
(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物(90mg)を
得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.70-3.00 (6H, m), 3.55-3.75 (4H,
m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.14-4.34 (3H, m), 5.21 (1
H, t, J = 7.0 Hz), 7.20-7.45 (5H, m).
【0092】実施例27 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−L
−アスパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−
L−アスパラギン(300mg)と(S)−3−((2S,
3R,4R,5S)−5−アミノ−2,3,4,6−テ
トラヒドロキシヘキサノイル)アミノ−3−フェニルプ
ロピオン酸 ジフェニルメチルエステル一塩酸塩(496m
g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にシアノりん
酸ジエチル(223mg)とジイソプロピルエチルアミン
(0.24ml)を加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃
縮し、残留物に5%クエン酸溶液を加え、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物を結晶化(ジイソプロピルエーテル)し、表
題化合物(553mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD)δ: 1.43 (9H, s),
2.20−2.60 (2H, m), 2.72
(2H, d, J = 6.2Hz), 2.95−
3.20 (2H, m), 3.60−3.78
(3H, m), 3.85−3.95 (1H,
m), 4.00−4.35(4H, m), 5.0
0−5.20 (2H, m), 5.43 (1H,
t, J = 6.2 Hz), 5.65−5.9
0 (1H, m),6.73 (1H, s),
7.10−7.40 (15H, m).
【0093】実施例28 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アリルグリシル−L−アスパラギニル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−L
−アスパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ジフェニルメチルエステル(130mg)にトリ
フルオロ酢酸(5ml)を加え、室温で30分間撹拌した。
反応液を濃縮し、残留物をダイアイオンCHP−20P
カラムクロマトグラフィー(水と10%アセトニトリル
水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノール−酢酸エ
チル)して表題化合物(47mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.55-2.85 (6H, m), 3.59-3.74 (4H,
m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.00-4.10 (1H, m), 4.16-4.
27 (1H, m), 4.28-4.32 (1H, m), 5.17-5.27 (3H, m),
5.60-5.80 (1H, m), 7.20-7.45 (5H, m).
【0094】実施例29 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−Nβ−トリフェニルメチル−L−アスパラギニ
ル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサ
ノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニ
ルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−シス
テイン(170mg)と(S)−3−[(2S,3R,4
R,5S)−5−(Nβ−トリフェニルメチル−L−ア
スパラギニル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロ
キシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル(500mg)のジメチルホル
ムアミド(10ml)溶液にN−ヒドロキシこはく酸イミド
(133mg)とジシクロヘキシルカルボジイミド(164mg)
を0℃で加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮
し、残留物に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を飽和食塩水と飽和重曹水で洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール
=10:1で溶出)で精製し、結晶化(メタノール−ジイ
ソプロピルエーテル)して表題化合物(507mg)を得
た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 1.42 (9H, s), 2.10 (3H, s), 2.6
0-3.20 (6H, m), 3.60-3.80 (3H, m), 3.85-3.95 (1H,
m), 4.10-4.70 (4H, m), 5.43 (1H, t, J = 7.8Hz), 6.
73 (1H, s), 7.05-7.40 (30H, m).
【0095】実施例30 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(S
−メチル−L−システイニル−L−アスパラギニル)ア
ミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイ
ル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−Nβ−トリフェニルメチル−L−アスパラギニ
ル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサ
ノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニ
ルメチルエステル(300mg)にトリフルオロ酢酸(5ml)
を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留
物をダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフ
ィー(水と10%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製
し、再結晶(メタノール−エーテル)して表題化合物
(120mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 2.10 (3H, s), 2.65-3.15 (6H, m),
3.55-3.78 (4H, m), 3.79-3.90 (1H, m), 4.12-4.40 (3
H, m), 5.20 (1H, t, J = 6.8 Hz), 7.20-7.50 (5H,
m).
【0096】実施例31 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギン(75
0mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロキシ
こはく酸イミド(409mg)とジシクロヘキシルカルボジ
イミド(700mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液
をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−((S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエス
テル一塩酸塩(2.0g)とジイソプロピルエチルアミン
(1.1ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加
え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に
5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ヘキサン)
し、表題化合物(2.3g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.98 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.42
(9H, s), 1.61-1.76 (1H, m), 1.86-1.96 (1H, m), 2.6
0 (1H, dd, J = 7.4, 14.8 Hz), 2.76 (1H, dd,J = 7.
0, 14.8 Hz), 3.02 (1H, dd, J = 7.4, 15.8Hz), 3.12
(1H, dd, J = 7.4, 15.8Hz), 3.65-3.72 (3H, m), 3.88
(1H, dd, J = 1.6, 9.8 Hz), 4.18-4.27(2H, m), 4.30
-4.35 (1H, m), 4.43 (1H, t, J = 7.4 Hz), 5.43 (1H,
t, J = 7.4 Hz), 6.73 (1H, s), 7.14-7.33 (15H, m).
【0097】実施例32 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アスパラギニル−(S)−2−アミノブチリル)アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アスパラギニル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(1.2g)の酢
酸エチル溶液(10ml)に4N 塩化水素酢酸エチル(10m
l)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮
し、残留物をダイアイオンCHP−20Pカラムクロマ
トグラフィー(水と5%アセトニトリル水溶液で溶出)
で精製し、再結晶(メタノール−エーテル)して表題化
合物(250mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.72-1.
87 (2H, m), 2.87-3.00(4H, m), 3.54-3.79 (3H, m),
3.90 (1H, d, J = 9.8 Hz), 4.15-4.41 (4H, m),5.32
(1H, t, J = 6.6 Hz), 7.30-7.42 (5H, m).
【0098】実施例33 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシン
(480mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロ
キシこはく酸イミド(282mg)とジシクロヘキシルカル
ボジイミド(483mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反
応液をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4
R,5S)−5−((S)−2−アミノブチリル)アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチル
エステル一塩酸塩(1.38g)とジイソプロピルエチルア
ミン(0.78ml)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に
加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物
に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−ジイソプ
ロピルエーテル)し、表題化合物(1.53g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.42
(9H, s), 1.60-1.90 (2H, m), 2.25-2.60 (2H, m), 3.0
2 (1H, dd, J = 6.9, 15.6 Hz), 3.13 (1H, dd,J = 6.
9, 15.6 Hz), 3.59-3.74 (3H, m), 3.87-3.93 (1H, m),
4.06-4.43 (4H,m), 5.00-5.20 (2H, m), 5.43 (1H, t,
J = 6.9 Hz), 5.64-5.90 (1H, m), 6.73(1H, s), 7.13
-7.30 (15H, m).
【0099】実施例34 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−アリルグリシル−(S)−2−アミノブチリル)アミ
ノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]
アミノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−L−アリルグリシル−
(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6
−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニ
ルプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(400mg)に
トリフルオロ酢酸(5ml)を加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液を濃縮し、残留物をダイアイオンCHP−2
0Pカラムクロマトグラフィー(水と10%アセトニト
リル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メタノール−酢
酸エチル)して表題化合物(210mg)を得た。1 H-NMR (D2O) 0.89 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.60-1.90
(2H, m), 2.50-2.70 (2H,m), 2.80 (2H, d, J = 7.0H
z), 3.55-3.74 (3H, m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.00-4.1
2 (1H, m), 4.14-4.35 (3H, m), 5.10-5.30 (3H, m),
5.55-5.80 (1H, m),7.20-7.50 (5H, m).
【0100】実施例35 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル tert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−シス
テイン(400mg)のアセトニトリル(10ml)溶液にN−
ヒドロキシこはく酸イミド(215mg)とジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(368mg)を加え、室温で2時間撹拌し
た。反応液をろ過し、ろ液を(S)−3−[(2S,3
R,4R,5S)−5−((S)−2−アミノブチリ
ル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサ
ノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェニ
ルメチルエステル一塩酸塩(1.05g)とジイソプロピル
エチルアミン(0.59ml)のジメチルホルムアミド(10m
l)溶液に加え、室温で18時間撹拌した。反応液を濃縮
し、残留物に5%クエン酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、濃縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル−
ジイソプロピルエーテル)し、表題化合物(1.21g)を
得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.97 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.44
(9H, s), 1.60-2.00 (2H, m), 2.11 (3H, s), 2.70 (1
H, dd, J = 8.6, 13.8 Hz), 2.90 (1H, dd, J = 5.6, 1
3.8 Hz), 3.02 (1H, dd, J = 6.0, 15.8 Hz), 3.12 (1
H, dd, J = 6.0, 15.8 Hz), 3.59-3.76 (3H, m), 3.84-
3.92 (1H, m), 4.14-4.34 (4H, m), 5.43 (1H, t, J =
6.0 Hz), 6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (15H, m).
【0101】実施例36 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(S
−メチル−L−システイニル−(S)−2−アミノブチ
リル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキ
サノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(t
ert−ブトキシカルボニル−S−メチル−L−システ
イニル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル
(700mg)にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、室温で3
0分間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物をダイアイオ
ンCHP−20Pカラムクロマトグラフィー(水と10
%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製し、再結晶(メ
タノール−酢酸エチル)して表題化合物(100mg)を得
た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.90 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.64-1.
89 (2H, m), 2.09 (3H,s), 2.69 (2H, d, J = 7.0 Hz),
2.90 (1H, dd, J = 8.2, 14.6 Hz), 3.09 (1H,dd, J =
5.6, 14.6 Hz), 3.55-3.90 (4H, m), 4.14-4.31 (4H,
m), 5.15 (1H,t, J = 7.0 Hz), 7.20-7.45 (5H, m).
【0102】実施例37 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
α−ベンジルオキシカルボニル−Nε−tert−ブト
キシカルボニル−L−リシル−(S)−2−アミノブチ
リル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキ
サノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェ
ニルメチルエステル Nα−ベンジルオキシカルボニル−Nε−tert−ブ
トキシカルボニル−L−リシン(308mg)のアセトニト
リル(10ml)溶液にN−ヒドロキシこはく酸イミド(10
2mg)とジシクロヘキシルカルボジイミド(175mg)を加
え、室温で2時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を
(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−
((S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,
6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル一塩酸塩
(500mg)とジイソプロピルエチルアミン(0.28ml)の
ジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加え、室温で18時
間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に5%クエン酸水溶
液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水
で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留
物を結晶化(ジイソプロピルエーテル)し、表題化合物
(700mg)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.96 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.20-
2.00 (8H, m), 1.40 (9H, s), 2.90-3.20 (4H, m), 3.5
5-3.75 (3H, m), 3.85-3.95 (1H, m), 4.00-4.40(4H,
m), 5.07 (2H, s), 5.43 (1H, t, J = 6.4 Hz), 6.72
(1H, s), 7.10-7.40 (20H, m).
【0103】実施例38 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−リシル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(N
α−ベンジルオキシカルボニル−Nε−tert−ブト
キシカルボニル−L−リシル−(S)−2−アミノブチ
リル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキ
サノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸 ジフェ
ニルメチルエステル(400mg)のメタノール(20ml)溶
液に10%パラジウム炭素(40mg)を加え、水素雰囲気
下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃
縮した。残留物に4N塩化水素酢酸エチル(10ml)溶液
を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留
物をダイアイオンCHP−20Pカラムクロマトグラフ
ィー(水と5%アセトニトリル水溶液で溶出)で精製
し、再結晶(メタノール−酢酸エチル)して表題化合物
(100mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.80-1.00 (3H, m), 1.30-2.00 (8H,
m), 2.80-3.10 (4H, m), 3.60-4.50 (8H, m), 5.20-5.
40 (1H, m), 7.30-7.50 (5H, m).
【0104】実施例39 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−バリル−(S)−2−ア
ミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロ
キシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル ベンジルオキシカルボニル−L−バリン(400mg)のア
セトニトリル(10ml)溶液にN−ヒドロキシこはく酸イ
ミド(202mg)とジシクロヘキシルカルボジイミド(344
mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液をろ過し、
ろ液を(S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5
−((S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,3,
4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−3−
フェニルプロピオン酸 ジフェニルメチルエステル一塩
酸塩(983mg)とジイソプロピルエチルアミン(0.55m
l)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に加え、室温
で18時間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に5%クエン
酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物を結晶化(ジイソプロピルエーテル)し、表
題化合物(1.12g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-1.00 (9H, m), 1.50-2.00 (3
H, m), 2.90-3.20 (2H,m), 3.60-3.80 (3H, m), 3.85-
4.00 (2H, m), 4.15-4.40 (3H, m), 5.09 (2H, s), 5.4
4 (1H, t, J = 7.0 Hz), 6.73 (1H, s), 7.10-7.40 (20
H, m).
【0105】実施例40 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−バリル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−2,
3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミノ−
3−フェニルプロピオン酸 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−バリル−(S)−2−ア
ミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロ
キシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
ジフェニルメチルエステル(500mg)のメタノール(3
0ml)溶液に10%パラジウム炭素(50mg)を加え、水素
雰囲気下、3時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃
縮した。残留物をダイアイオンCHP−20Pカラムク
ロマトグラフィー(水と5%アセトニトリル水溶液で溶
出)で精製し、再結晶(エタノール−酢酸エチル)して
表題化合物(209mg)を得た。1 H-NMR (D2O) δ: 0.91-1.00 (9H, m), 1.67-1.85 (2H,
m), 2.16 (1H, m), 2.69 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.62-
3.78 (4H, m), 3.87 (1H, d, J = 9.8 Hz), 4.21-4.33
(3H, m), 5.15 (1H, t, J = 6.6 Hz), 7.20-7.35 (5H,
m).
【0106】実施例41 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−2
−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ベンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−
2−アミノ酪酸(30g)とN−ヒドロキシこはく酸イミ
ド(11.3g)のテトラヒドロフラン(300ml)溶液に氷冷
下、ジシクロヘキシルカルボジイミド(19.3g)を0℃で
加え、0℃で1時間、室温で1時間撹拌した。反応液をろ
過し、ろ液を濃縮した。残留物のジメチルホルムアミド
(150ml)溶液を(S)−3−[(2S,3R,4R,
5S)−5−アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキ
シヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸
(39.7g)とトリエチルアミン(16.2ml)のジメチルホ
ルムアミド(200ml)溶液に加え、室温で18時間撹拌し
た。反応液を濃縮し、残留物に1N塩酸を加え、酢酸エチ
ルとテトラヒドロフランの混合溶液で抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮した。残留物を結晶化(酢酸エチル)し、表題化合物
(45.5g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-1.05 (6H, m), 1.10-1.90 (6
H, m), 2.70-3.00 (2H,m), 3.60-3.80 (3H, m), 3.85-
3.95 (1H, m), 4.00-4.40 (4H, m), 5.09 (2H, s), 5.3
0-5.50 (1H, m), 7.20-7.45 (10H, m).
【0107】実施例42 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−ノルバリル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸(実施例14の化合物の
別途合成法) (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−2
−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸(19.5g)のメタノール(300ml)と水(30ml)の混
合溶液に10%パラジウム炭素(1.9g)を加え、水素雰囲
気下、室温で5時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を
濃縮した。残留物を再結晶(エタノール−水)し、表題
化合物(11.5g)を得た。
【0108】実施例43 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−2
−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ピバロイルオキシメチルエステル (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−2
−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸(3.0g)のメタノール(30ml)溶液に炭酸セシウム
(740mg)の水(0.5ml)溶液を加え、室温で30分間撹拌
した。反応液を濃縮し、残留物にジメチルホルムアミド
(30ml)とピバリル酸ヨードメチル(1.10g)を加え、
室温で2日間撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に水を
加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水、飽
和重曹水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:メタノール=10:1の混合溶液で溶出)で精
製し、再結晶(メタノール−ジイソプロピルエーテル)
して表題化合物(2.53g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-1.05 (6H, m), 1.26 (9H,
s), 1.30-1.90 (6H, m), 2.85-3.10 (2H, m), 3.60-3.8
0 (4H, m), 3.85-3.95 (1H, m), 4.10-4.35 (3H, m),
5.09 (2H, s), 5.41 (1H, t, J = 6.6 Hz), 5.66 (2H,
s), 7.20-7.45 (10H,m).
【0109】実施例44 (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(L
−ノルバリル−(S)−2−アミノブチリル)アミノ−
2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキサノイル]アミ
ノ−3−フェニルプロピオン酸 ピバロイルオキシメチ
ルエステル (S)−3−[(2S,3R,4R,5S)−5−(ベ
ンジルオキシカルボニル−L−ノルバリル−(S)−2
−アミノブチリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒ
ドロキシヘキサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオ
ン酸 ピバロイルオキシメチルエステル(2.00g)のメ
タノール(30ml)溶液に10%パラジウム炭素(150mg)
を加え、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。反応液
をろ過し、ろ液を濃縮した。残留物を再結晶(エタノー
ル−ジイソプロピルエーテル)し、表題化合物(810m
g)を得た。1 H-NMR (CD3OD) δ: 0.80-1.05 (6H, m), 1.11 (9H,
s), 1.30-1.95 (6H, m), 2.90-3.15 (2H, m), 3.55-3.7
5 (4H, m), 3.85-4.00 (1H, m), 4.10-4.40 (3H, m),
5.42 (1H, t, J = 7.0 Hz), 5.66 (2H, s), 7.20-7.45
(5H, m). 上述の実施例で得られた化合物の構造式を以下に示す。
【化18】
【0110】
【化19】
【0111】
【化20】
【0112】
【化21】
【0113】
【化22】
【0114】
【化23】
【0115】
【化24】
【0116】
【化25】
【0117】実験例1 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対
する in vitro 抗菌活性試験 被験菌として、ヘリコバクター・ピロリ(NCTC 1
1637)菌を使用し、被験化合物の抗菌活性は以下の
方法[寒天希釈(Agar Dilution)法]によって測定し
た。被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、滅菌
蒸留水で2倍ずつ段階的に希釈することによって被験サ
ンプルを調製した。培地として7%馬血液加 Brucella
agar を使用し、調製した被験サンプル2ミリリットル
を、各々7%馬血液加 Brucella agar 18ミリリット
ルと混和することによって、測定用平板を作製した。ヘ
リコバクター・ピロリ菌は、2.5%牛胎児血清添加 Br
ucella broth 培地を使用して、CampyPakTM(BBLR B
eckton Dickinson Microbiology Systems)を挿入した
ガスパックジャー中で、37℃、20時間振盪培養し
て、種菌液とした。2.5%牛胎児血清添加 Brucella b
roth 培地を用いて約106 CFU/mlに調製した菌
液5マイクロリットルを、各々の測定用平板に接種し、
CampyPakTMと水を含ませた脱脂綿を挿入したガスパック
ジャー中で、37℃、4日間培養した。培養後、菌株の
発育を肉眼で観察し、菌株の発育が観察されない最低濃
度を該被験化合物のMIC値(最小発育阻止濃度)とし
た。実施例14および16の化合物は各々、0.006
以下および0.025(μg/ml)のMIC値を示し
た。
【0118】実験例2 in vivo 抗菌活性試験 スナネズミ(MON/Jms/Gbs、雄、5週齢)を20時間絶食
させた後、ヘリコバクター・ピロリTN2GF4を10
7.58 CFU胃内に接種した。 感染2週間後から、0.
5%メチルセルロース水溶液に懸濁した被験化合物の3
0mg/kgを1日1回、2日間経口投与した。 最終
投与翌日に該感染スナネズミの胃を摘出し、これを3ml
のブルセラ液(brucella broth)中で破砕し、その破砕
物の段階希釈系列を活性炭添加変法 Skirrow 培地に接
種して微好気条件下37℃で4日間培養を行い、菌の発
育の有無をもとに除菌効果を求めた。結果を[表1]に
示す。なお、細菌数は平均±標準誤差で表し、対照群に
対して Dunnett 検定を行った。
【表1】 [表1]に示す通り、実施例14および16の化合物3
0mg/kgを1日1回、2日間の投与により、胃内感
染菌数を減少させることができた。実施例14および1
6の化合物においては、感染スナネズミ4匹のうち1匹
において除菌が達成された。従って、ヘリコバクター・
ピロリ感染に起因する胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃
癌の予防および治療に本発明製剤が有効であることが分
かる。
【0119】実験例3 ヘリコバクター・ピロリ感染2週後のスナネズミ(MON/J
ms/Gbs)に後述の製剤例2で得られた実施例14の化合
物を含有する胃粘膜付着性製剤(表中、実施例14の化
合物AdMMSと表記)、化合物14含有0.5%メチルセルロー
ス懸濁液(表中、実施例14の化合物懸濁液と表記)を、
実施例14の化合物としてAdMMSは3mg/kg、実施例14
の化合物懸濁液は10mg/kgとなるようにそれぞれ一日2回
7日間経口投与した。 最終投与16時間後に胃を摘出
し、胃破砕物を活性炭添加変法Skirrow培地に接種して
微好気下に4日間培養後、生菌数を測定した。結果を
[表2]に示した。
【表2】 [表2]から明らかな通り、実施例14の化合物を含有
する胃粘膜付着性製剤は懸濁液の1/3以下の投与量で
同等以上のヘリコバクター・ピロリ除菌効果を示した。
【0120】製剤例1 本発明化合物またはその塩を有効成分として含有してな
る、ヘリコバクター・ピロリ感染症治療剤として使用す
る場合、次のような処方によって製造することができ
る。 (1)、(2)と(3)の全量および(4)の1/2を混和した後、
顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチン
カプセルに封入する。 (1)、(2)と(3)の全量および(4)の2/3および(5)の1
/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)およ
び(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0121】製剤例2 硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)、商品名 ラブリ
ワックス101)84gを秤量し、80℃に加温溶解した。こ
れに実施例14の化合物を1gついでアクリル酸系重合
体(和光純薬(株)、商品名 ハイビスワコー104)
10g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越
化学工業(株)、商品名 LH-31)5gを順次添加し、80
℃に保って2時間撹拌し分散させた。溶融混合物を2400r
pmで回転している直径15cmのアルミ製ディスクに50g/
分の速度で滴下することにより42メッシュの篩を通過す
る球状の細粒剤が得られた。
【0122】
【発明の効果】本発明の化合物(I)は、ヘリコバクタ
ー・ピロリに代表されるヘリコバクター属菌に対して極
めて特異的な強い抗菌活性を有する。従って、化合物
(I)を使用すれば、ヘリコバクター属菌(特にヘリコ
バクター・ピロリ)に対する従来の抗菌剤の有効量より
非常に少ない投与量で望ましい抗ヘリコバクター・ピロ
リ剤としての効果を得ることができる。化合物(I)
は、ヘリコバクター属菌に起因する十二指腸潰瘍、胃潰
瘍、慢性胃炎、胃癌等の各種の疾患の予防又は治療に有
効であり、ヘリコバクター・ピロリは潰瘍を再発させる
大きな原因でもあるため、化合物(I)は潰瘍の再発防
止にも有効である。また、化合物(I)は、スタフィロ
コッカス属菌またはバチルス属菌等のグラム陽性菌、お
よびエッシェリヒア属、シウドモナス属、プロテウス
属、クレビシエラ属、ゼラチア属、サルモネラ属、シテ
ロバクター属およびアルカリゲネス属等のようなグラム
陰性菌に対する抗菌作用を示さない。従って、化合物
(I)はヘリコバクター属細菌の疾患の予防または治療
に選択的に有効であり、その他の細菌および真菌類への
影響が極めて少なく、副作用のない安全な薬剤として使
用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 1/06 A61K 37/02 (72)発明者 中尾 雅文 奈良県生駒市小瀬町720番地の74 (72)発明者 宮川 権一郎 大阪府豊能郡豊能町東ときわ台6丁目6番 地の11 (72)発明者 秋山 洋子 滋賀県近江八幡市鷹飼町498番地11−803号

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 【化1】 [式中、XはL−セリン残基、L−アスパラギン残基ま
    たは(S)−2−アミノ酪酸残基を、Yはα−L−アミ
    ノ酸残基を示す]で表される化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】Xが(S)−2−アミノ酪酸残基である請
    求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Yがノルバリン残基、イソロイシン残基ま
    たはメチオニン残基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】(S)−3−[(2S,3R,4R,5
    S)−5−(L−ノルバリル−(S)−2−アミノブチ
    リル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘキ
    サノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸またはそ
    の塩である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】(S)−3−[(2S,3R,4R,5
    S)−5−(L−イソロイシル−(S)−2−アミノブ
    チリル)アミノ−2,3,4,6−テトラヒドロキシヘ
    キサノイル]アミノ−3−フェニルプロピオン酸または
    その塩である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  7. 【請求項7】請求項1記載の化合物またはそのプロドラ
    ッグを含有してなる医薬組成物。
  8. 【請求項8】抗ヘリコバクター・ピロリ剤である請求項
    7記載の組成物。
  9. 【請求項9】抗ヘリコバクター・ピロリ剤がヘリコバク
    ター・ピロリ感染疾患予防治療剤である請求項8記載の
    組成物。
  10. 【請求項10】ヘリコバクター・ピロリ感染疾患が胃も
    しくは十二指腸潰瘍、胃炎、胃癌または胃MALTリン
    パ腫である請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】胃粘膜付着性組成物である請求項7記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】胃粘膜付着性組成物が(a)請求項1記
    載の化合物、(b)脂質および/またはポリグリセリン
    脂肪酸エステルおよび(c)水で粘性を生じる物質を含
    有することを特徴とする請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】(c)水で粘性を生じる物質が、アクリ
    ル酸系重合体である請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】(d)水で粘性を生じる物質の膨潤剤を
    さらに含有する請求項12記載の組成物。
  15. 【請求項15】(d)水で粘性を生じる物質の膨潤剤
    が、カードランおよび/または低置換度ヒドロキシプロ
    ピルセルロースである請求項14記載の組成物。
  16. 【請求項16】請求項1記載の化合物またはそのプロド
    ラッグとそれ以外の抗菌剤および/または潰瘍治療剤と
    を組み合わせてなる抗ヘリコバクター・ピロリ剤。
  17. 【請求項17】式: 【化2】 [式中、R1、 R2、R3およびR4はそれぞれ水酸基の
    保護基あるいは水素原子を、R5はカルボキシル基の保
    護基あるいは水素原子を示す]で表わされる化合物、そ
    の塩あるいはそのアミノ基の反応性誘導体と、式: 【化3】 [式中、X’は保護されていてもよいL−セリン残基、
    保護されていてもよいL−アスパラギン残基または
    (S)−2−アミノ酪酸残基を、Y’は保護されていて
    もよいα−L−アミノ酸残基を示す]で表される化合
    物、その塩あるいはそのカルボキシル基の反応性誘導体
    とを反応させ、必要により脱保護することを特徴とする
    請求項1記載の化合物の製造法。
  18. 【請求項18】式: 【化4】 [式中、X”は保護されていてもよいL−セリン残基、
    保護されていてもよいL−アスパラギン残基または
    (S)−2−アミノ酪酸残基を、R1、 R2、R3および
    4はそれぞれ水酸基の保護基あるいは水素原子を、R5
    はカルボキシル基の保護基あるいは水素原子を示す]で
    表わされる化合物、その塩あるいはそのアミノ基の反応
    性誘導体と、式: 【化5】 [式中、Y’は保護されていてもよいα−L−アミノ酸
    残基を示す]で表される化合物、その塩あるいはそのカ
    ルボキシル基の反応性誘導体とを反応させ、必要により
    脱保護することを特徴とする請求項1記載の化合物の製
    造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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