JP2000256317A - 固相担持n−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造方法 - Google Patents

固相担持n−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造方法

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JP2000256317A
JP2000256317A JP11054039A JP5403999A JP2000256317A JP 2000256317 A JP2000256317 A JP 2000256317A JP 11054039 A JP11054039 A JP 11054039A JP 5403999 A JP5403999 A JP 5403999A JP 2000256317 A JP2000256317 A JP 2000256317A
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thf
mmol
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JP11054039A
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Mikiko Sodeoka
幹子 袖岡
Yoshio Kato
美穂 加藤
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Sagami Chemical Research Institute
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Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良くアミド結合生成反応を進行させうる固
相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステルの効率のよ
い製造方法を提供する。 【解決手段】下記一般式[I]で表される樹脂と、下記一
般式[II]で表されるN-ヒドロキシマレイミドエステルを
反応させることによる、下記一般式[III]で表される固
相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造方
法。 【化1】 (式中、Pは固体担体を表し、Rは置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
ル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基
を有していてもよいアリール基、または置換基を有して
いてもよいアルコキシもしくはアリールオキシ基を表
す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミン化合物と反
応させることにより収率良く対応するアミド化合物を合
成することができ、過剰の試薬および副生成物を簡便な
濾過操作のみにより除去可能な固相担持N−ヒドロキシ
スクシンイミドエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミド結合の生成は、ペプチド化合物の
合成の他、種々の化合物への様々な置換基の導入に用い
られている。アミド結合生成反応としては、縮合剤を用
いた直接のカルボン酸とアミンの縮合反応、カルボン酸
ハライド、酸無水物や活性エステルとアミンの反応など
が知られており、この中でN-ヒドロキシスクシンイミド
エステルはアルコールなど他の官能基に対する反応性が
低く、アミンと選択的に反応する活性エステルとして種
々の化合物のラベル化試薬として広く用いられている。
たとえば生化学的研究に利用される蛍光ラベル化試薬、
ビオチンラベル化試薬、光反応性基導入試薬などは様々
な種類のものが市販されており(例えばMolecularProbes
社、Pierce Chemical社、Research Organic社など)、
実際に低分子化合物やペプチド、蛋白質などのラベル化
に利用されている。これら有機溶媒や水に可溶な低分子
試薬は、混合するだけで目的とするアミド結合を生成し
目的物を与えるものの、反応後過剰な試薬および反応に
よって副生するN-ヒドロキシスクシンイミドを分離除去
するためにカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグ
ラフィー、高速液体クロマトグラフィー、透析などによ
る精製操作が必須となる。そこでこのような手間のかか
る精製操作の必要のないラベル化試薬が求められてい
た。
【0003】無水マレイン酸とエチレンの共重合樹脂と
ヒドロキシルアミンを反応させさらにカルボン酸と反応
させるか、あるいは直接N-ヒドロキシマレイミドエステ
ルを共重合させることにより直接ポリマー鎖のなかにN-
ヒドロキシマレイミドエステルを組み込んだ樹脂の合成
とそのアミド生成反応への利用は知られていた(Tetrah
edron Letters, 1015頁, 1976年、Biochemistry, 11巻,
466頁, 1972年、SYNTHESIS, 303頁, 1977年)。しかし
樹脂の調整に多段階を要し、また樹脂の物性の改良も求
められていた。
【0004】ごく最近、市販の樹脂にメルカプト基を導
入し、N-ヒドロキシマレイミドに付加反応をおこなうこ
とによりN-ヒドロキシスクシンイミド樹脂を合成し、縮
合剤を用いてカルボン酸と樹脂上で縮合反応を行うこと
により固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを
合成する方法およびこれとアミンとの反応が報告された
(Tetrahedon Letters, 40巻, 463頁, 1999年、Bioorga
nic Medicinal Chemistry Letters, 9巻, 217頁, 1999
年)。しかしながらこの樹脂に担持したN-ヒドロキシス
クシンイミドとカルボン酸を反応させる方法では縮合効
率が悪いため、3当量のカルボン酸と縮合剤を用いて調
整した固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを
さらにアミンに対して大過剰(6当量)用い、かつ長時
間(20時間)かけて反応を行う必要があった。したが
って、より効率のよい固相担持N-ヒドロキシスクシンイ
ミドエステルの製造法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カラムクロマトグラフ
ィーなど煩雑な精製操作の必要がなく、簡便で効率のよ
いアミド結合生成法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、予め合成したN-ヒドロキシマレイミドエステ
ルをメルカプト基を有する固体担体と反応させることに
より、高い官能基化率を有し、高い反応性を示す固相担
持N-ヒドロキシスクシンイミドエステルが得られること
を見いだし、本発明を完成させた。すなわち本発明は、
下記一般式[I]
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Pは固体担体を表し、メルカプト
基はこの担体に直接、あるいはリンカーを介して、結合
していることを示す)で表されるメルカプト基を有する
担体と、下記一般式[II]
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rは置換基を有していてもよいア
ルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置
換基を有していてもよいアルキニル基、または置換基を
有していてもよいアリール基、または置換基を有してい
てもよいアルコキシもしくはアリールオキシ基を表す)
で表されるN-アシロキシマレイミドを反応させることか
らなる、下記一般式[III]
【0011】
【化7】
【0012】(式中、Pは固体担体を表し、Rは置換基
を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
ル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置
換基を有していてもよいアルコキシもしくはアリールオ
キシ基を表す)で表される固相担持N-ヒドロキシスクシ
ンイミドエステルの製造方法を提供する。
【0013】また、本発明は下記一般式[IV]
【0014】
【化8】
【0015】(式中、P'は固体担体を表し、Xは原子
数3個以上の長さのリンカーを表し、Rは置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
ルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、
置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を
有していてもよいアルコキシもしくはアリールオキシ基
を表す)で表される固相担持N-ヒドロキシスクシンイミ
ドエステルを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の固相担持N-ヒドロキシス
クシンイミドエステルの製造方法は下記のスキームで示
される。
【0017】
【化9】
【0018】(式中、Pは固体担体を表し、Rは置換基
を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
ル基、または置換基を有していてもよいアリール基、置
換基を有していてもよいアルコキシもしくはアリールオ
キシ基を表す)
【0019】上記一般式[I]および[II]中の「固体担
体」とは、あらゆる固体の有機高分子化合物または無機
化合物、もしくはその複合物を表し、好ましくは有機高
分子化合物よりなる樹脂が用いられる。固体担体は疎水
性、親水性のいずれでも良く、例えば基本骨格としては
ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、ポリエチレング
リコール-ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂、ポリ
アクリルアミド樹脂、セルロース、ポリエステル、ポリ
アミドなどの有機高分子樹脂、シリカゲル、アルミナ、
グラファイトなどの無機担体、および無機化合物と有機
化合物を組み合わせた担体になどがあげられる。固体担
体上のメルカプト基の当量数は任意であるが、反応効率
の点で、0.1〜5mmol/gの範囲、とくに0.5〜2mm
ol/gの範囲であることが好ましい。
【0020】メルカプト基としては、メルカプトフェニ
ル基であってもよく、この場合フェニル基をリンカーと
みなすことができる。
【0021】上記一般式[I]で示されるメルカプト基を
有する固体担体は、市販されているか (ARGONAUT TECHN
OLOGIES社等)、または公知の方法もしくは 類似の方法
により合成することができる。具体例としては、公知化
合物であるポリスチレンのベンゼン環上に直接SH基が置
換したチオフェノール型の樹脂(The CombinatorialInd
ex, B. A. Bunin著, Academic Press, 1998年)、ポリ
スチレンのベンゼン環にメチル基を介してメルカプト基
を導入した樹脂(Tetrahedron Letters, 40巻,463頁, 1
999年)、ポリスチレンのベンゼン環からリンカーを介
してメルカプトフェニル基を導入したタイプの市販の樹
脂(PS-thiophenol, ARGONAUT TECHNOLOGIES社)などが
あげることができる。また、最近の固相合成技術の進歩
により様々な性質の樹脂の合成法、その官能基化法、様
々なリンカーの導入法などが開発され(例えばThe Comb
inatorial Index, B. A. Bunin著, Academic Press, 19
98年)、様々な官能基やリンカーを有する樹脂が市販さ
れている(例えばnovabiochem社、ARGONAUT TECHNOLOGI
ES社、和光純薬社など)。そこでこれら公知の様々な樹
脂上に存在するハロゲン基、水酸基等の官能基を、公知
の方法もしくは類似の方法に従ってメルカプト基に変換
するか、もしくはメルカプト基を有する化合物を結合さ
せることによっても合成することができる。
【0022】本発明に係る一般式[II]で示されるN-ヒド
ロキシマレイミドエステルは、エステルの一般的な合成
法(Comprehensive Organic Transformations, R. C. L
arock著, 966, 978, 980頁)に従ってN-ヒドロキシマレ
イミドとカルボン酸、酸ハロゲン化物、または酸無水物
等から合成することができる。
【0023】本明細書中、「置換基を有していてもよい
アルキル基」におけるアルキル基とは、直鎖状、分岐
状、環状いずれでもよく、例えば炭素数1〜30のアル
キル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル
基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、などがあ
げられる。
【0024】本明細書中、「置換基を有していてもよい
アルケニル基」におけるアルケニル基とは、直鎖状、分
岐状、環状いずれでもよく、例えば炭素数2〜30のア
ルケニル基、具体的にはアリル基、ビニル基、クロチル
基、1-ペンテン-1-イル基、2-ペンテン-1-イル基、
3-ペンテン-1-イル基、1-ヘキセン-1-イル基、2-
ヘキセン-1-イル基、3-ヘキセン-1-イル基、 2-シ
クロヘキセニル基、2-シクロペンテニル基、8-ヘプタ
デセン-1-イル基、8,11-ヘプタデカジエン-1-イル
基、などがあげられる。
【0025】本明細書中、「置換基を有していてもよい
アルキニル基」におけるアルキニル基とは、直鎖状、分
岐状、環状いずれでもよく、例えば炭素数2〜30のア
ルキニル基、具体的にはエチニル基、プロパルギル基、
1-ペンチン-1-イル基、2-ペンチン-1-イル基、3-
ペンチン-1-イル基、1-オクチン-1-イル基、8-ヘプ
タデシン-1-イル基などがあげられる。
【0026】本明細書中、「置換基を有していてもよい
アリール基」におけるアリール基とは、ヘテロアリール
基をも包含し、例えばフェニル基、ナフチル基、アンス
ラニル基、ピレニル基、ビフェニル基、4-ピリジル
基、2-ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、
ピリダニジル基、ピペラジニル基、ピラゾリル基、イミ
ダゾリル基、キニリル基、ピロリル基、インドリル基、
フリル基などがあげられる。
【0027】本明細書中、「置換基を有していてもよい
アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基」にお
けるアルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基
は、直鎖状、分岐状、環状、飽和、不飽和の脂肪族、あ
るいは芳香族いずれでも良く、例えばメトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニ
ル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基、s-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボ
ニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘ
キシルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、アリルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボ
ニル基、ピリジルオキシカルボニル基などの基があげら
れる。
【0028】上記アルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、アルコキシもしくはアリールオキシ
基が有していてもよい置換基としては特に限定されるも
のではないが、単純なアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、アシル基、アルコキシもしくは
アリールオキシカルボニル基、アルキルチオもしくはア
リールチオカルボニル基、アミノカルボニル基、アルコ
キシル基もしくはアリールオキシ基、アルキルもしくは
アリールチオ基、置換基を有するアミノ基、ハロゲン
基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基などの他、さらにそれらに多様な置換基が置換した
複雑な構造を有するものでもよい。例えば蛍光基、光反
応基、発色基、ビオチン、抗原やハプテンとなりうる
基、特定の蛋白質、核酸等の高分子または低分子化合物
に対する結合能を有する構造、触媒作用を有する構造な
どあげられ、それらが直接置換していても様々なリンカ
ーを介して置換していてもよい。
【0029】上記のリンカーとは、固体担体とメルカプ
ト基を結ぶ構造をさす。例えばポリスチレン樹脂の場合
はその構造単位に含まれるフェニル基上に導入した置換
基はリンカーに相当し、ポリメチレン鎖、ポリエチレン
グリコール鎖など酸素原子その他のヘテロ原子を含む構
造があげられ、さらにそれらにアミド基、エステル基な
どの他の官能基、あるいは芳香環などが含まれていても
よい。メルカプト基を含むリンカー構造の具体例として
はメルカプトメチル基、メルカプトエチル基、メルカプ
トプロピル基、メルカプトエチルオキシメチル基、メル
カプトエチルオキシエチルオキシメチル基、メルカプト
エチルアミノメチル基、メルカプトアセタミドメチル
基、メルカプトフェニルアセタミドメチル基、メルカプ
トメチルフェニルアセタミドメチル基、メルカプトフェ
ニルプロピオナミドメチル基、メルカプトメチルフェニ
ルオキシメチル基、などがあげられる。特に末端チオー
ル部分が主鎖構造から離れ立体的込み合いが少なくなる
原子数3以上の鎖状構造を含むリンカーが好ましい。
【0030】本発明の固相担持N-ヒドロキシスクシンイ
ミドエステルの製造方法は、一般式[I]で表されるメル
カプト基を含む樹脂と一般式[II]で表されるN-ヒドロキ
シマレイミドエステルを適当な溶媒中で反応させ、一般
式[III]で表される固相担持N-ヒドロキシスクシンイミ
ドエステルを得るものである。反応に用いられる溶媒と
してはアセトンなどのケトン系溶媒、N,N-ジメチルホル
ムアミド (DMF)、ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトア
ミド (DMA) 、1-メチル-2-ピロリジノン (NMP)、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド (HMPA) などのアミド系溶媒、
テトラメチルウレア (TMU)、1,3-ジ メチル-2-イミダゾ
リジノン (DMI) などのウレア系溶媒、アセトニ トリル
など のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの
スルホキシド系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、
トルエンなどの炭化水素系溶媒、またはジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン (TH
F)、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、
エタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸エチルなどの
エステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-
ジクロロエタン、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリド等
のハロゲン化炭化水素系溶媒、水、あるいはそれらの混
合溶媒が用いられ、好ましくは一般式[I]の樹脂の膨潤
性と一般式の[II]基質の溶解性に優れた溶媒を選択す
る。反応時間を短縮するために触媒量の塩基を加えても
良い。反応に用いられる塩基としては、有機塩基、無機
塩基いずれでもよく、ジイソプロピルエチルアミン、ト
リエチルアミン、ピリジン、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム、t-ブトキシカリウム等の有機塩基、水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウムなどの無機塩基があげられ、使用する溶媒に
より溶解性のよいものを選択する。反応は0℃から溶媒
の沸点までの適当な温度で行うことができるが、室温で
好適に反応が進行する。
【0031】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではないことは
いうまでもない。
【0032】
【実施例】
【0033】参考例1
【0034】
【化10】
【0035】ベンゾイルクロリド (0.046 mL, 0.40mmo
l) をN-ヒドロキシマレイミド (30 mg, 0.27 mmol) と
炭酸カリウム (73 mg, 0.53 mmol) のTHF懸濁液 (1 mL)
に加え、室温で1時間撹拌した。飽和食塩水を加えた
後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせたものを硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:n
-ヘキサン=1:2) によって精製することにより、安息
香酸 N-ヒドロキシマレイミドエステル (45 mg,79%) を
淡黄色固体として得た。 mp 79-81 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 6.84 (s, 2H), 7.53 (t, J=7.5Hz,
2H), 7.70 (t, J=7.5Hz,1H), 8.15 (d, J=7.5Hz, 2H). IR (KBr) 3100, 1770, 1740, 1600, 1450, 1365, 1240,
1155, 1120, 1050, 1000, 825, 705, 670 cm-1 MS m/z 217 (M+)
【0036】実施例1
【0037】
【化11】
【0038】市販のポリスチレン-チオフェノール樹脂
(PS-Thiophenol, ARGONAUT TECHNOLOGIES) (0.18 g,メ
ルカプト基:0.23 mmol) をTHF (1.25 mL) と水 (65 μ
L) に懸濁し、そこへトリ-n- ブチルホスフィン (0.23
mL) を加えアルゴン雰囲気下1時間撹拌した。溶液を除
去後、樹脂をTHFで洗浄した。この還元処理をした樹脂
を再びTHF (4 mL) に懸濁し、安息香酸 N-ヒドロキシマ
レイミドエステル (100 mg, 0.46 mmol) のTHF溶液 (5
mL) とジイソプロピルエチルアミン (13 μL,0.092 mmo
l) を加え、室温で2.5時間撹拌した。溶液除去後、樹脂
をTHFで洗浄することにより、目的とする安息香酸の活
性エステル樹脂(0.21 g, 活性エステル:約1.1 mmol/
g) を得た。溶液ならびに洗浄液をあわせたものからの
安息香酸 N-ヒドロキシマレイミドエステルの回収量は
(49 mg, 0.23 mmol) であったこと、ならびに得られた
樹脂のIRスペクトルにおいて原料の樹脂が示すSH吸収帯
(2570 cm-1)が消失していることから、ほぼ定量的に
樹脂への担持が進行したことが確認された。 IR (KBr) 3420, 3325, 3060, 3040, 2925, 2855, 1780,
1745, 1670, 1500, 1455, 1240, 1210, 1065, 995, 70
0 cm-1
【0039】参考例2
【0040】
【化12】
【0041】実施例1により合成した安息香酸の活性エ
ステル樹脂(0.21 g, 活性エステル:0.23 mmol) をTHF
(3 mL) に懸濁し、そこへテトラデシルアミン (39.3 m
g, 0.18 mmol) のTHF溶液 (2 mL) を加え室温で1時間
撹拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHFによ
り洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去することにより、
安息香酸N-テトラデシルアミド (49.8 mg, 85%) を無色
固体として得た。 mp 69-71 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 0.81 (t, J=6.8Hz, 3H), 1.18 (m,
22H), 1.43-1.62 (m, 2H), 3.44 (dt, J=6.9, 6.9Hz, 2
H), 6.15 (brs, 1H), 7.21-7.45 (m, 3H), 7.69(d, J=
8.2Hz, 2H). IR (KBr) 3345, 2910, 2850, 1630, 1530, 1470, 715 c
m-1 MS m/z 317 (M+)
【0042】比較例1
【0043】
【化13】
【0044】実施例1と同様に還元処理を行った PS-Th
iophenol 樹脂 (540 mg, メルカプト基:0.68 mmol) を
THF (4 mL) に懸濁し、そこへN-ヒドロキシマレイミド
(150 mg, 1.36 mmol) のTHF溶液 (3 mL) を加え、室温
で24時間撹拌した。溶媒を除去後、樹脂をTHFで洗浄す
ることにより、N-ヒドロキシスクシンイミド樹脂 (590m
g, N-ヒドロキシスクシンイミド:約1.15 mmol/g) が得
られた。溶液ならびに洗浄液をあわせたものからの安息
香酸 N-ヒドロキシマレイミドの回収量は (68mg, 0.6 m
mol) であったこと、ならびに得られた樹脂のIRスペク
トルにおいて原料の樹脂が示すSH吸収帯(2570 cm-1
が消失していることから、ほぼ定量的に樹脂への担持が
進行したことが確認された。 IR (KBr) 3310, 3020, 3340, 2990, 2925, 2850, 1720,
1650, 1500, 1455, 1220, 1070, 760, 700 cm-1 以上のように合成した樹脂 (50 mg, N-ヒドロキシスク
シンイミド:0.058 mmol)をTHF (0.5 mL) に懸濁し、そ
こへ安息香酸 (7 mg, 0.058 mmol) を加え、氷冷下ジシ
クロヘキシルカルボジイミド (DCC) (12 mg, 0.058 mmo
l) のTHF溶液 (1mL) を加え、室温に戻しながら16.5時
間撹拌した。溶液を除去後さらにTHF、DMF-水 (1:1) 再
びTHFにより洗浄した。溶液および洗液をあわせ溶媒を
留去して得られる残渣を、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー (酢酸エチル:ヘキサン =1:1) によって精製す
ることにより、望まない副生成物であるN-ベンゾイル-
N,N'-ジシクロヘキシルウレア (9.6 mg, 51%) が得ら
れ、樹脂上での活性エステルの生成率が50%以下である
ことを示した。さらにこのN-ベンゾイルオキシスクシン
イミド樹脂を、THF (0.5 mL) に懸濁し、そこへN-テト
ラデシルアミン (12.4 mg, 0.058 mmol) のTHF溶液 (0.
5 mL) を加え、室温で1時間撹拌した。樹脂を濾過し、
濾液とさらにTHFにより洗浄した液をあわせ、溶媒を留
去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー (酢酸エチル:ヘキサン = 1:1) によって精製する
ことにより得られたN-テトラデシルアミドの収率は42%
であり、やはり前述の樹脂上でのエステルの生成率が低
いことを示した。さらに、安息香酸、DCCをそれぞれ3
当量づつ用いて同様の活性エステル生成反応、ならびに
アミド生成反応を行ったが、N-テトラデシルアミドの収
率は40%と向上しなかった。以上の結果より、N-ヒドロ
キシスクシンイミド樹脂に縮合剤を用いてカルボン酸を
担持させる方法によって得られた樹脂は上記実施例1に
示す方法で得られた樹脂よりも活性エステルの担持率が
低い事が示された。参考例3
【0045】
【化14】
【0046】1-ピレン酪酸 (0.5 g, 1.74 mmol) および
DMF (0.01 mL, 0.174 mmol) のジクロロメタン溶液 (15
mL) にシュウ酸クロリド (0.15 mL, 1.74 mmol) を加
え、室温で50分間撹拌した。得られた酸クロリド溶液
をN-ヒドロキシマレイミド (98 mg, 0.87 mmol) と炭酸
カリウム (290 mg, 2.09 mmol) のTHF懸濁液 (10 mL)に
加え、室温で100分間撹拌した。飽和食塩水を加えた
後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせたものを硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル:n
-ヘキサン=2:1)によって精製することにより、1-ピレ
ン酪酸 N-ヒドロキシマレイミドエステル(197 mg, 59%)
を淡橙色固体として得た。 mp 105-109 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 2.23 (tt, J=7.5, 7.5Hz, 2H), 2.6
5 (t, J=7.5Hz, 2H), 3.37 (t, J=7.5Hz, 2H), 6.63
(s, 2H), 7.80 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.94 (t, J=7.8Hz,
1H), 7.97 (s, 2H), 8.05 (d, J=9.3Hz, 2H), 8.10 (t,
J=7.8Hz, 2H), 8.21 (d, J=9.3Hz, 1H). IR (KBr) 3090, 2940, 1810, 1740, 1160, 1080, 840,
820, 670 cm-1 MS m/z 383 (M+)
【0047】実施例2
【0048】
【化15】
【0049】PS-Thiophenol 樹脂 (0.29 g, 0.365 mmo
l) をTHF (2 mL) と水 (0.1 mL) に懸濁し、そこへトリ
-n- ブチルホスフィン (0.4 mL) を加えアルゴン雰囲気
下1時間撹拌した。溶液を除去後、樹脂をTHFで洗浄し
た。この還元処理をした樹脂を再びTHF (2 mL) に懸濁
し、1-ピレン酪酸 N-ヒドロキシマレイミドエステル (1
47 mg, 0.383 mmol) のTHF溶液 (2.2 mL) とジイソプロ
ピルエチルアミン (20μL, 0.146 mmol) を加え、室温
で30分間撹拌した。溶液除去後、樹脂をTHFで洗浄す
ることにより、目的とする1-ピレン酪酸の活性エステル
樹脂(0.47 g, 活性エステル:約0.78 mmol/g) を得
た。 IR (KBr) 3410, 3310, 3025, 2925, 2850, 1790, 1740,
1680, 1495, 1450, 1210, 1060, 700 cm-1
【0050】参考例4
【0051】
【化16】
【0052】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂(0.1 g, 活性エステル:0.078 mmol)
をTHF (2 mL) に懸濁し、そこへテトラデシルアミン (1
1.2mg, 0.052 mmol) のTHF溶液 (1.4 mL) を加え室温で
1時間撹拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTH
Fにより洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去することに
より、1-ピレン酪酸N-テトラデシルアミド (21.7 mg, 8
5%) を無色固体として得た。 mp 109-111 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 0.87 (t, J=6.7Hz, 3H), 1.23 (m,
22H), 1.44 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.14-2.26 (m, 4H),
3.21 (dt, J=6.7, 6.7Hz, 2H), 3.37 (t, J=6.7Hz, 2
H), 5.25-5.45 (m, 1H), 7.85 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.97
(t, J=7.8Hz, 1H),8.02 (s, 2H), 8.09 (d, J=7.8Hz,
2H), 8.16 (d, J=7.8Hz, 2H), 8.29 (d, J=7.8Hz, 1H). IR (KBr) 3310, 2920, 2850, 1640, 1540, 1470, 840 c
m-1 MS m/z 483 (M+)
【0053】参考例5
【0054】
【化17】
【0055】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂(45 mg, 活性エステル:0.035 mmol)
をTHF (1 mL) に懸濁し、そこへトリプタミン (3.9 mg,
0.025 mmol) のTHF溶液 (1 mL) を加え室温で1時間撹
拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHFにより
洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去することにより、1-
ピレン酪酸N-(3-インドリル)エチルアミド (9.5 mg, 91
%) を無色固体として得た。 mp 55-57 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 2.11-2.23 (m, 4H), 2.94 (t, J=6.
5Hz, 2H), 3.35 (t, J=7.0Hz, 2H), 3.59 (dt, J=6.5,
6.5Hz, 2H), 5.32-5.45 (m, 1H), 6.92 (d, J=1.9Hz, 1
H), 7.07 (t, J=7.8Hz,1H), 7.16 (t, J=7.8Hz, 1H),
7.30 (d, J=7.8Hz,1H), 7.56 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.78
(d, J=7.8Hz, 1H), 7.94 (brs, 1H), 7.97(t, J=7.6Hz,
1H), 8.01 (s, 2H), 8.05 (d, J=9.2Hz, 1H), 8.07
(d, J=7.6Hz, 1H), 8.15 (d, J=7.6Hz, 2H), 8.25 (d,
J=9.2Hz, 1H). IR (KBr) 3405, 3275, 2920, 2850, 1650, 1530, 1460,
850, 750 cm-1 MS m/z 430 (M+)
【0056】参考例6
【0057】
【化18】
【0058】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂 (0.1 g, 活性エステル:0.078 mmol)
をTHF (2 mL) に懸濁し、そこ1-アダマンタナミン (8.2
mg,0.054 mmol) のTHF溶液 (1.5 mL) を加え室温で1
時間撹拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHF
により洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去することによ
り、1-ピレン酪酸N-(1-アダマンチル)アミド (21 mg, 9
2%) を無色固体として得た。 mp 71-74 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 1.65 (brs, 6H), 1.97 (brs, 6H),
2.01-2.07 (m, 3H), 2.13-2.22 (m, 4H), 3.38 (t, J=
7.3Hz, 2H), 5.02 (brs, 1H), 7.85 (d, J=8.8Hz,1H),
7.98 (t, J=7.6Hz, 1H), 8.01 (s, 2H), 8.10 (d, J=8.
8Hz, 2H), 8.14 (d, J=7.6Hz, 1H), 8.16 (d, J=7.6Hz,
1H), 8.29 (d, J=8.8Hz, 1H). IR (KBr) 3320, 2915, 2855, 1650, 1550, 1515, 1460,
850 cm-1 MS m/z 421 (M+)
【0059】参考例7
【0060】
【化19】
【0061】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂(0.1 g, 活性エステル:0.078 mmol)
をTHF (1 mL) に懸濁し、そこへデヒドロアビエチルア
ミン(15 mg, 0.055 mmol) のTHF溶液 (1.5 mL) を加え
室温で1時間撹拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさ
らにTHFにより洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去する
ことにより、1-ピレン酪酸 N-デヒドロアビエチルアミ
ド (28 mg, 93%) を無色固体として得た。 mp 74-78 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 0.91 (s, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.21
(d, J=6.7Hz, 6H), 1.29-1.50 (m, 3H), 1.52-1.95
(m, 5H), 2.11-2.40 (m, 5H), 2.62-2.90 (m, 3H),3.15
(t, J=6.5Hz, 2H), 3.36 (t, J=6.5Hz, 2H), 5.31 (t,
J=6.2Hz, 1H), 6.86 (d, J=1.6Hz, 1H), 6.95 (dd, J=
8.1, 1.6Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.1Hz, 1H),7.81 (t, J=
7.8Hz, 1H), 7.94-8.04 (m, 4H), 8.07 (d, J=9.2Hz, 1
H), 8.16 (d, J=7.8Hz, 2H), 8.27 (d, J=9.2Hz, 1H). IR (KBr) 3320, 2960, 2935, 2860, 1650, 1550, 1460,
850 cm-1 MS m/z 555 (M+)
【0062】参考例8
【0063】
【化20】
【0064】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂(45 mg, 活性エステル:0.035 mmol)
をTHF (0.5 mL) に懸濁し、そこへL-ロイシル-L-トリプ
トファンメチルエステル (8.1 mg, 0.025mmol) のTHF溶
液 (0.8 mL) を加え室温で1時間撹拌した。樹脂を濾過
し、濾液と樹脂をさらにTHFにより洗浄した液とを合わ
せ、溶媒を留去することにより、1-ピレンブチロイル-L
-ロイシル-L-トリプトファンメチルエステル (14 mg, 9
5%) を無色固体として得た。 mp 83-86 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 0.87 (d, J=6.0Hz, 6H), 1.40-1.50
(m, 1H), 1.54-1.67 (m, 2H), 2.04-2.24 (m, 4H), 3.
21-3.33 (m, 4H), 3.64 (s, 3H), 4.51 (dt, J=5.3, 8.
7Hz, 1H), 4.86 (dt, J=5.5, 7.6Hz, 1H), 5.82 (d, J=
8.7Hz, 1H), 6.64(d, J=7.6Hz, 1H), 6.96 (d, J=1.9H
z, 1H), 7.05 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.08 (t, J=7.7Hz, 1
H), 7.14 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.47 (d, J=7.7Hz, 1H),
7.80 (d, J=7.7Hz, 1H), 7.98 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.99
(brs, 1H), 8.02 (s, 2H), 8.07 (d, J=9.2Hz, 1H),
8.08 (d, J=7.7Hz, 1H), 8.15 (d, J=7.5Hz, 1H), 8.16
(d,J=7.5Hz, 1H), 8.24 (d, J=9.2Hz, 1H). IR (KBr) 3280, 2950, 2940, 2860, 1740, 1645, 1540,
1460, 1440, 1210, 850, 745 cm-1 MS m/z 601 (M+)
【0065】参考例9
【0066】
【化21】
【0067】実施例2により合成した1-ピレン酪酸の活
性エステル樹脂(26 mg, 活性エステル:0.020 mmol)
をTHF (0.3 mL) に懸濁し、そこへ(5-クロロ-1-ナフチ
ル)スルホニルアミノエチルアミン (4 mg, 0.014 mmol)
のTHF溶液 (0.6 mL) を加え室温で1時間撹拌した。樹
脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHFにより洗浄した液
とを合わせ、溶媒を留去することにより、1-ピレン酪酸
N-(5-クロロ-1-ナフチル)スルホニルアミノエチルアミ
ド (7.2 mg, 92%) を無色固体として得た。 mp 150-152 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 2.05 (m, 4H), 2.99 (dt, J=5.6,
5.6Hz, 2H), 3.26 (dt, J=5.6, 5.6Hz, 2H), 3.31 (t,
J=5.6Hz, 2H), 5.62-5.71 (m, 2H), 7.44 (t, J=8.0Hz,
1H), 7.53 (d, J=8.0Hz, 1H), 7.58 (t, J=8.0Hz, 1
H), 7.81 (d, J=7.6Hz, 1H), 7.89 (t,, J=7.6Hz, 1H),
8.04 (s, 2H), 8.09 (d, J=9.3Hz, 1H), 8.10 (d, J=
7.6Hz, 1H), 8.16 (d, J= 7.6Hz, 2H), 8.23 (d, J=9.3
Hz, 1H), 8.26(d, J=8.0Hz, 1H), 8.52 (d, J=8.0Hz, 1
H), 8.55 (d, J=8.0Hz, 1H). IR (KBr) 3300, 3260, 2960, 2850, 1640, 1560, 1460,
1420, 1300, 1260, 1160, 1140, 1100, 1010, 840, 79
5 cm-1 MS m/z 554 (M+)
【0068】参考例10
【0069】
【化22】
【0070】6-カルボキシルフルオレッセインジアセテ
ート (0.6 g, 0.13 mmol) および触媒量のDMFのジクロ
ロメタン溶液 (2 mL) にシュウ酸クロリド (0.011 mL,
0.13mmol) を加え、室温で1.5時間撹拌した。得られた
酸クロリド溶液をN-ヒドロキシマレイミド (25 mg, 0.2
2 mmol) と炭酸カリウム (61 mg, 0.44 mmol) のTHF懸
濁液 (1 mL) に加え、室温で2時間撹拌し、飽和食塩水
を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせた
ものを硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られ
る残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸
エチル:n-ヘキサン=1:1) によって精製することによ
り、6-カルボキシルフルオレッセインジアセテート N-
ヒドロキシマレイミドエステル (27 mg, 36%) を無色固
体として得た。 mp 131-135 ℃1 H NMR (CDCl3) δ 2.33 (s, 6H), 6.80 (d, J=8.7Hz,
2H), 6.84 (s, 2H), 6.87 (dd, J=8.7, 2.1Hz, 2H), 7.
15 (d, J=2.1Hz, 2H), 7.95 (s, 1H), 8.19 (d,J=8.0H
z, 1H), 8.41 (d, J=8.0Hz, 1H). MS m/z 555 (M+)
【0071】実施例3
【0072】
【化23】
【0073】実施例1と同様に還元処理を行ったPS-Thi
ophenol 樹脂 (21 mg, 0.026 mmol)をTHF (0.2 mL) に
懸濁し、そこへ6-カルボキシルフルオレッセインジアセ
テート N-ヒドロキシマレイミドエステル (22 mg, 0.39
mmol) のTHF溶液 (0.3 mL)とジイソプロピルエチルア
ミン (1.4 μL, 0.01 mmol) を加え、室温で1時間撹拌
した。溶液除去後、樹脂をTHFで洗浄することにより、
目的とする6-カルボキシルフルオレッセインジアセテー
トの活性エステル樹脂(37 mg, 活性エステル:約0.70
mmol/g) を得た。 IR (KBr) 3400, 3325, 3030, 2925, 2850, 1775, 1750,
1730, 1670, 1605, 1500, 1450, 1420, 1200, 1150, 1
060, 700 cm-1
【0074】参考例11
【0075】
【化24】
【0076】実施例3により合成した6-カルボキシルフ
ルオレッセインジアセテートの活性エステル樹脂(6 m
g, 活性エステル:4.5 μmol) をTHF (0.2 mL) に懸濁
し、そこへ市販のビスインドリルマレイミドVIII (1.2
mg, 3.1 μmol) のTHF溶液 (0.4 mL) を加え室温で1時
間撹拌した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHFに
より洗浄した液とを合わせ、溶媒を留去することによ
り、6-{3-[2,5-ジヒドロ-2,5-ジオキソ-3-(1-メチル-3-
インドリル)ピロール-3-イル]インドール-1-イル}プロ
ピルアミノカルボニルフルオレッセインジアセテート
(2.1 mg, 83%) を赤色固体として得た。1 H NMR (CDCl3) δ 2.15 (tt, J=6.2, 6.2Hz, 2H), 2.3
1 (s, 6H), 3.26 (dt, J=6.2, 5.5Hz, 2H), 3.82 (s, 3
H), 4.25 (t, J=6.2Hz, 2H), 6.34 (t, J=5.5Hz,1H),
6.67 (t, J=7.5Hz, 1H), 6.70 (t, J=7.5Hz, 1H), 6.74
(d, J=7.5Hz, 1H), 6.76 (d, J=8.7Hz, 2H), 6.81 (d
d, J=8.7, 2.2Hz, 2H), 6.95 (d, J=7.5Hz,1H), 7.02
(t, J=7.5Hz, 1H), 7.03 (t, J=7.5Hz, 1H), 7.10 (d,
J=2.2Hz, 2H), 7.22 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.24 (d, J=7.
5Hz, 1H), 7.29 (brs, 1H), 7.54 (s, 2H), 7.68 (s, 1
H), 7.90 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.01 (d, J=8.0Hz, 1H). IR (KBr) 3400, 2940, 1770, 1710, 1660, 1610, 1540,
1425, 1340, 1205, 1160, 1115, 750 cm-1
【0077】参考例12
【0078】
【化25】
【0079】実施例3により合成した6-カルボキシルフ
ルオレッセインジアセテートの活性エステル樹脂(8 m
g, 活性エステル:5.6μmol) をTHF (0.2 mL) に懸濁
し、そこへ市販の(5-クロロ-1-ナフチル)スルホニルア
ミノエチルアミン (1.1 mg, 0.004 mmol) のTHF溶液
(0.4 mL) を加え室温で1時間撹拌した。樹脂を濾過
し、濾液と樹脂をさらにTHFにより洗浄した液とを合わ
せ、溶媒を留去することにより、6-(5-クロロ-1-ナフチ
ル)スルホニルアミノエチルアミノカルボニルフルオレ
ッセインジアセテート (2.5 mg, 89%) を無色固体とし
て得た。 mp 113-115 ℃1 H NMR (CDCl3) δ2.32. (s, 6H), 3.12 (dt, J=5.7,
5.7Hz, 2H), 3.46 (dt, J=5.7, 5.7Hz, 2H), 5.37 (t,
J=5.7Hz, 1H), 6.58 (t, J=5.7Hz, 1H), 6.81-6.87 (m,
4H), 7.10 (s, 2H), 7.47 (s, 1H), 7.50 (d, J=8.0H
z, 1H), 7.64 (t, J=8.0Hz, 2H), 7.91 (d, J=8.0Hz, 1
H), 8.07 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.26 (d, J=8.0Hz, 1H),
8.52 (d, J=8.0Hz, 1H), 8.55 (d, J=8.0Hz, 1H). IR (KBr) 3425, 2925, 2850, 1770, 1660, 1550, 1500,
1425, 1370, 1330, 1260, 1205, 1160, 1115, 1020, 9
00, 800 cm-1
【0080】参考例13
【0081】
【化26】
【0082】ビオチン (0.2 g, 0.82 mmol) とN-ヒドロ
キシマレイミド (0.12 g, 1.03 mmol) をDMF (2.5 mL)
に溶解し、DCC (0.17 g, 0.82 mmol) のDMF溶液(0.5 m
L)を加え、室温で一晩撹拌した。不溶物を濾過により除
去後、溶媒を留去して得られる残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール=4:
1) によって精製することにより、ビオチン N-ヒドロキ
シマレイミドエステル(0.1 g, 36%) を無色固体として
得た。1 H NMR (CDCl3) δ 1.30-1.95 (m, 6H), 2.59 (t, J=7.
6Hz, 2H), 2.70 (d, J=12.8Hz, 1H), 2.85 (dd, J=4.5,
12.8Hz, 1H), 3.00-3.20 (m, 1H), 4.15-4.32 (m, 1
H), 4.35-4.52 (m, 1H), 6.73 (s, 2H).
【0083】実施例4
【0084】
【化27】
【0085】実施例1と同様に還元処理を行ったPS-Thi
ophenol 樹脂 (156 mg, 0.197 mmol) をTHF (1.5 mL)
に懸濁し、そこへビオチン N-ヒドロキシマレイミドエ
ステル(0.1 g, 0.29 mmol) のTHF溶液 (6 mL) とジイソ
プロピルエチルアミン (11 μL, 0.079 mmol) を加え、
室温で2時間撹拌した。溶液を除去後、樹脂をTHFで洗
浄することにより、目的とするビオチンの活性エステル
樹脂(0.186 g, 活性エステル約1.06 mmol/g) を得た。 IR (KBr) 3420, 3300, 3060, 3040, 2925, 2855, 1820,
1790, 1740, 1700, 1670, 1600, 1540, 1520, 1500, 1
450, 1215, 1065, 760, 700 cm-1
【0086】参考例14
【0087】
【化28】
【0088】実施例4により合成したビオチンの活性エ
ステル樹脂(60 mg, 活性エステル:0.064 mmol) をTHF
(1 mL) に懸濁し、そこへトリプタミン (7.1 mg, 0.04
45mmol) のTHF溶液 (1.5 mL) を加え室温で1時間撹拌
した。樹脂を濾過し、濾液と樹脂をさらにTHFにより洗
浄した液とを合わせ、溶媒を留去することにより、ビオ
チンN-(3-インドリル)エチルアミド (13.8 mg, 81%) を
無色固体として得た。 mp 79-81 ℃1 H NMR (CD3OD) δ 1.35 (tt, J=7.2, 7.2Hz, 2H), 1.4
9-1.72 (m, 4H), 2.17 (t, J=7.2Hz, 2H), 2.68 (d, J=
12.7Hz, 1H), 2.90 (dd, J=5.0, 12.7Hz, 1H), 2.95
(t, J=7.2Hz, 2H), 3.08 (dt, J=5.0Hz, 7.8Hz, 1H),
3.49 (dt, J=3.5, 7.2Hz, 2H), 4.21 (dd, J=5.0, 7.8H
z, 1H), 4.45 (dd, J=5.0, 7.8Hz, 1H), 7.00(t, J=7.8
Hz, 1H), 7.07 (t, J=7.8Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.33
(d, J=7.8Hz, 1H), 7.56 (d, J=7.8Hz, 1H). IR (KBr) 3400, 3255, 2925, 2855, 1700, 1640, 1460,
745 cm-1
【0089】以上の結果から、本発明に係る製造方法に
より種々の固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルが効率良く製造でき、本製造方法で製造した固相担持
N-ヒドロキシスクシンイミドエステルは1.2-1.5当量程
度の少過剰を用いても種々のアミンとの反応が短時間で
進行しアミド生成物を収率良く与えることが判明した。
【0090】
【発明の効果】本発明の製造方法により、アミンに対し
て少過剰の使用で短時間で効率良くアミド結合生成反応
を行いうる固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルを合成しうる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 (式中、Pは固体担体を表し、メルカプト基はこの担体
    に直接、あるいはリンカーを介して、結合していること
    を示す)で表されるメルカプト基を有する担体と、下記
    一般式[II] 【化2】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、置
    換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有して
    いてもよいアルキニル基、または置換基を有していても
    よいアリール基、または置換基を有していてもよいアル
    コキシもしくはアリールオキシ基を表す)で表されるN-
    アシロキシマレイミドを反応させることからなる、下記
    一般式[III] 【化3】 (式中、Pは固体担体を表し、Rは置換基を有していて
    もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
    ル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基
    を有していてもよいアリール基、または置換基を有して
    いてもよいアルコキシもしくはアリールオキシ基を表
    す)で表される固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエ
    ステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 下記一般式[IV] 【化4】 (式中、P'は固体担体を表し、Xは原子数3個以上の
    長さのリンカーを表し、Rは置換基を有していてもよい
    アルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、
    置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有し
    ていてもよいアリール基、または置換基を有していても
    よいアルコキシもしくはアリールオキシ基を表す)で表
    される固相担持N-ヒドロキシスクシンイミドエステル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105153191A (zh) * 2015-08-31 2015-12-16 苏州昊帆生物科技有限公司 一种生物素活泼酯及其合成方法、用途

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