JP2000256163A - 皮膚外用剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌荒れを防止改善し、皮膚のたるみを防ぎ、
つやを与えて皮膚の老化現象を防止する効果に優れた皮
膚外用剤を提供すること。 【解決手段】 セリン、アラニン、トリメチルグリシン
からなる群から選ばれた一種または二種以上のアミノ酸
と、トラネキサム酸とを含有することを特徴とする皮膚
外用剤である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は皮膚外用剤に関す
る。さらに詳しくは、肌荒れ防止、肌荒れ改善のほか、
皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで皮膚の老化を防
止する効果が高い皮膚外用剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、各種のアミノ酸は主に保湿効果を
付与する目的で皮膚外用剤に配合されている。

【０００３】一方、トラネキサム酸は抗炎症剤として皮
膚外用剤に配合されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、肌荒れ
防止及び肌荒れ改善効果が高く、皮膚のたるみ、つやの
消失などを防いで皮膚の老化防止効果を高める皮膚外用
剤を開発すべく鋭意研究した結果、特定のアミノ酸とト
ラネキサム酸とを配合すると相乗的に前記効果に優れた
皮膚外用剤が得られることを見出し本発明を完成するに
至った。

【０００５】本発明は肌荒れ防止及び肌荒れ改善効果が
高く、皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで皮膚の老
化を防止する効果に優れた皮膚外用剤を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、セ
リン、アラニン、トリメチルグリシンからなる群から選
ばれた一種または二種以上のアミノ酸と、トラネキサム
酸とを含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供する
ものである。

【０００７】また、本発明は、前記アミノ酸の含有量が
０．０１〜１０重量％であり、前記トラネキサム酸の含
有量が０．０１〜１０重量％であることを特徴とする前
記の皮膚外用剤を提供するものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。

【０００９】本発明に用いるアミノ酸はセリン、アラニ
ン又はトリメチルグリシンであり、これらを単独或いは
任意の二種以上を配合する。

【００１０】本発明においてアミノ酸の配合量は、皮膚
外用剤全量中、０．０１〜１０．０重量％、好ましくは
０．１〜５．０重量％である。０．０１重量％未満では
本発明の効果は発揮されず、１０．０重量％を越えると
使用性面でべたつきを生じるため好ましくない。

【００１１】本発明に用いるトラネキサム酸は、従来か
ら皮膚外用剤に使用されている抗炎症剤である。トラネ
キサム酸の配合量は皮膚外用剤全量中、０．０１〜１０
重量％、好ましくは、０．１〜５重量％である。０．０
１重量％未満では本発明の効果が十分に発揮されず、１
０．０重量％を越えて配合しても効果の上昇は期待でき
ず、不経済である。

【００１２】本発明の皮膚外用剤には上記した必須構成
成分の他に通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いら
れる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油
脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エ
ステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界
面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿
剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金
属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、
糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調
製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助
剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする
剤形に応じて常法により製造することが出来る。

【００１３】

【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明はこれによって限定されるものではな
い。配合量は重量％である。

【００１４】「実施例１、比較例１、比較例２」トリメ
チルグリシンの配合量を０重量％、１重量％、トラネキ
サム酸の配合量を０重量％、１重量％と変化させた「表
１」に示すクリームを、人体パネルを用いて肌荒れ防止
改善及び皮膚のたるみとつやについて評価した。試験法
は、女性健康人（顔面）の皮膚表面形態をシリコーンゴ
ムによるレプリカ法を用いて肌のレプリカを採り顕微鏡
（17倍）にて観察し、皮紋の状態及び／又は角層の剥離
状態から「表２」に示す基準に基づいて肌荒れ評価１、
２と判断された者（肌荒れパネル）３０名を用い、顔面
左右半々に、実施例１のクリームと、アミノ酸を配合し
ない比較例１のクリーム又はトラネキサム酸を配合しな
い比較例２のクリームを１日２回塗布した（各クリーム
について２０名のパネル）。２週間後再びレプリカを採
り肌の状態を観察し、「表２」の判断基準に従って評価
した。皮膚のたるみ及びつやについては、「表３」の基
準により官能評価した。結果を「表４」に示した。

【００１５】

【表１】 ------------------------------------------------------------------------ 実施例１ 比較例１ 比較例２ ------------------------------------------------------------------------ Ａ． セタノール 0.5 0.5 0.5 ワセリン 2.0 2.0 2.0 スクワラン 7.0 7.0 7.0 自己乳化型モノステアリン酸ク゛リセリン 2.5 2.5 2.5ホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タンモノステアリン 酸エステル(20EO) 1.5 1.5 1.5 パントテニルエチルエーテル 0.5 0.5 0.5 ホホバ油 5.0 5.0 5.0 Ｂ． プロピレングリコール 5.0 5.0 5.0 グリセリン 5.0 5.0 5.0 ビーガム（モンモリロナイト） 5.0 5.0 5.0 トリメチルグリシン 1.0 0 1.0 トラネキサム酸 1.0 1.0 0 水酸化カリウム 0.3 0.3 0.3 水 残余 残余 残余 ------------------------------------------------------------------------ ［製法］Ａ（油相）とＢ（水相）をそれぞれ70℃に加熱
し、完全溶解する。ＡをＢに加えて、乳化機で乳化す
る。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得
た。

【００１６】「実施例２、実施例３、比較例３、比較例
４」実施例１において、トリメチルグリシンの代りにセ
リンを配合したクリーム（実施例２）及びアラニンを配
合したクリーム（実施例３）、比較例２において、トリ
メチルグリシンの代りにセリンを配合したクリーム（比
較例３）及びアラニンを配合したクリーム（比較例４）
を同様に調製し、実施例１と同様に評価した。

【００１７】＜レプリカ評価＞

【表２】 ------------------------------------------------------ 評点 評 価 ------------------------------------------------------ １ 皮溝、皮丘が消失し広範囲に角層がめくれている。 ２ 皮溝、皮丘が不鮮明で角層のめくれが認められる。 ３ 皮溝、皮丘が認められるが平坦。 ４ 皮溝、皮丘が鮮明。 ５ 皮溝、皮丘が鮮明で整っている。 ------------------------------------------------------ ［評点が１に近いほど肌荒れ状態がひどく、また、５に近いほど肌荒れがなく美 しい肌を意味する。］

【００１８】＜官能評価＞

【表３】 ------------------------------------------------------------------------ 評価 判定基準 ------------------------------------------------------------------------ ◎ ２０人中１６人（８０％）以上が皮膚のたるみ及びつやについて優れて いると評価した。 ------------------------------------------------------------------------ ○ ２０人中１０人（５０％）以上１６人未満が皮膚のたるみ及びつやにつ いて優れていると評価した。 ------------------------------------------------------------------------ △ ２０人中６人（３０％）以上１０人未満が皮膚のたるみ及びつやについ て優れていると評価した。 ------------------------------------------------------------------------ × ２０人中６人（３０％）未満が皮膚のたるみ及びつやについて優れてい ると評価した。 ------------------------------------------------------------------------

【００１９】

【表４】 ---------------------------------------------------------------------レフ゜リカ 評価 実施例 比較例 １ ２ ３ １ ２ ３ ４ --------------------------------------------------------------------- １ ０名 ０名 ０名 ８名 ７名 ７名 ９名 ２ ０名 ０名 ０名 ７名 ８名 ９名 ９名 ３ ２名 １名 ２名 ４名 ４名 ４名 １名 ４ ６名 ９名 ７名 １名 １名 ０名 １名 ５ １２名 １０名 １１名 ０名 ０名 ０名 ０名 --------------------------------------------------------------------- 官能評価 ◎ ◎ ◎ △ × × × ---------------------------------------------------------------------

【００２０】「表４」に示す結果より、特定のアミノ酸
とトラネキサム酸を配合した実施例のクリームを使用し
た顔面部位は、比較例１〜４のクリームを使用した顔面
部位と比較し、顕著な肌荒れ防止・肌荒れ改善効果が認
められた。また、実施例のクリームは皮膚のたるみを防
ぎつやを与える効果に優れていることが分かる。

【００２１】以下に本発明のその他の実施例を挙げる。

【００２２】 実施例４ クリーム Ａ．ステアリン酸 10.0％ ステアリルアルコール 4.0 ステアリン酸ブチル 8.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0 ビタミンＥアセテート 0.5 ビタミンＡパルミテート 0.1 マカデミアナッツ油 1.0 香料 0.4 防腐剤 適量 Ｂ．グリセリン 4.0 １，２ペンタンジオール 3.0 ヒアルロン酸ナトリウム 1.0 水酸化カリウム 2.0 セリン 0.01 トラネキサム酸 3.0 アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1 Ｌ−アリギニン塩酸塩 0.01 エデト酸三ナトリウム 0.05 精製水 残余 ［製法］Ａの油相部とＢの水相部をそれぞれ70℃に加熱
し完全溶解する。Ａ相をＢ相に加えて、乳化機で乳化す
る。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得
た。

【００２３】 実施例５ クリーム Ａ．セタノール 4.0％ ワセリン 7.0 イソプロピルミリステート 8.0 スクワラン 15.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.2 ＰＯＥ(20)ソルビタンモノステアレート 2.8 ビタミンＥニコチネート 2.0 香料 0.3 酸化防止剤 適量 防腐剤 適量 Ｂ．グリセリン 10.0 アセチル化ヒアルロン酸 0.02 ジプロピレングリコール 4.0 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0 アラニン 3.0 トラネキサム酸 0.5 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 残余 ［製法］実施例４に準じてクリームを得た。

【００２４】 実施例６ 乳液 Ａ．スクワラン 5.0％ オレイルオレート 3.0 ワセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 月見草油 0.5 香料 0.3 防腐剤 適量 Ｂ．1,3ブチレングリコール 4.5 アセチル化ヒアルロン酸 0.001 エタノール 3.0 カルボキシビニルポルリマー 0.2 水酸化カリウム 0.1 トラネキサム酸 0.01 Ｌ−アルギニンＬ−アスパラギン酸塩 0.01 セリン 0.05 精製水 残余 ［製法］実施例４に準じて乳液を得た。

【００２５】 実施例７ ファンデーション Ａ．セタノール 3.5％ 脱臭ラノリン 4.0 ホホバ油 5.0 ワセリン 2.0 スクワラン 6.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.5 ＰＯＥ(60)硬化ヒマシ油 1.5 ＰＯＥ(20)セチルエーテル 1.0 ピリドキシントリパルミテート 0.1 防腐剤 適量 香料 0.3 Ｂ．プロピレングリコール 10.0 調合粉末 12.0 トラネキサム酸 5.0 ヒスチジン 5.0 dl−アラニン 1.0 精製水 残余 ［製法］実施例４に準じてファンデーションを得た。

【００２６】 実施例８ 化粧水 Ａ．エタノール 5.0％ ＰＯＥオレイルアルコールエーテル 2.0 ２−エチルヘキシル−Ｐ−ジメチルアミノベンゾエート 0.18 香料 0.05 Ｂ．1,3ブチレングリコール 9.5 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5 乳清抽出液 5.0 ニコチン酸アミド 0.3 グリセリン 5.0 トリメチルグリシン 5.0 ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン 1.0 エチレンジアミンヒドロキシエチル３酢酸３ナトリウム 1.0 リジン 0.05 トラネキサム酸 1.0 精製水 残余 ［製法］Ａのアルコール相をＢの水相に添加し、可溶化
して化粧水を得た。

【００２７】 実施例９ 乳液 Ａ．スクワラン 5.0％ オレイルオレート 3.0 ワセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 月見草油 0.5 香料 0.3 防腐剤 適量 Ｂ．1,3ブチレングリコール 4.5 アセチル化ヒアルロン酸 0.001 エタノール 3.0 カルボキシビニルポルリマー 0.2 水酸化カリウム 0.1 トラネキサム酸 0.01 Ｌ−アルギニンＬ−アスパラギン酸塩 0.01 セリン 0.05 アラニン 0.05 精製水 残余 ［製法］実施例４に準じて乳液を得た。

【００２８】 実施例１０ 化粧水 Ａ．エタノール 5.0％ ＰＯＥオレイルアルコールエーテル 2.0 ２−エチルヘキシル−Ｐ−ジメチルアミノベンゾエート 0.18 香料 0.05 Ｂ．1,3ブチレングリコール 9.5 ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5 乳清抽出液 5.0 ニコチン酸アミド 0.3 グリセリン 5.0 トリメチルグリシン 3.0 セリン 2.0 ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン 1.0 エチレンジアミンヒドロキシエチル３酢酸３ナトリウム 1.0 リジン 0.05 トラネキサム酸 1.0 精製水
残余［製法］Ａのアルコール相をＢの水相に添
加し、可溶化して化粧水を得た。

【００２９】 実施例１１ 乳液 Ａ．スクワラン 5.0％ オレイルオレート 3.0 ワセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 月見草油 0.5 香料 0.3 防腐剤 適量 Ｂ．1,3 ブチレングリコール 4.5 アセチル化ヒアルロン酸 0.001 エタノール 3.0 カルボキシビニルポルリマー 0.2 水酸化カリウム 0.1 トラネキサム酸 0.01 Ｌ−アルギニンＬ−アスパラギン酸塩 0.01 トリメチルグリシン 0.05 アラニン 0.05 精製水 残余 ［製法］実施例４に準じて乳液を得た。

【００３０】 実施例１２ クリーム Ａ．ステアリン酸 10.0％ ステアリルアルコール 4.0 ステアリン酸ブチル 8.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0 ビタミンＥアセテート 0.5 ビタミンＡパルミテート 0.1 マカデミアナッツ油 1.0 香料 0.4 防腐剤 適量 Ｂ．グリセリン 4.0 １，２ペンタンジオール 3.0 ヒアルロン酸ナトリウム 1.0 水酸化カリウム 2.0 セリン 0.1 アラニン 0.1 トリメチルグリシン 0.1 トラネキサム酸 3.0 アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1 Ｌ−アリギニン塩酸塩 0.01 エデト酸三ナトリウム 0.05 精製水
残余［製法］実施例４に準じてクリームを得
た。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、皮膚の消失した皮溝、
皮丘を鮮明に整え、肌荒れを防止改善し、皮膚のたるみ
を防ぎ、つやを与えて皮膚の老化現象を防止する効果に
優れた皮膚外用剤を提供できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｋ 7/035 Ａ６１Ｋ 7/035 Ｆターム(参考） 4C083 AA072 AA122 AB032 AB442 AC012 AC022 AC072 AC102 AC112 AC122 AC182 AC212 AC242 AC352 AC422 AC432 AC442 AC532 AC581 AC612 AC621 AC642 AD042 AD092 AD252 AD332 AD512 AD622 AD632 AD642 AD662 CC02 CC04 CC05 CC12 DD23 DD31 EE12 FF05

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セリン、アラニン、トリメチルグリシン
   からなる群から選ばれた一種または二種以上のアミノ酸
   と、トラネキサム酸とを含有することを特徴とする皮膚
   外用剤。
2. 【請求項２】 前記アミノ酸の含有量が０．０１〜１０
   重量％であり、前記トラネキサム酸の含有量が０．０１
   〜１０重量％であることを特徴とする請求項１記載の皮
   膚外用剤。