JP2000256128A

JP2000256128A - 含浸型シート状パック

Info

Publication number: JP2000256128A
Application number: JP11061006A
Authority: JP
Inventors: Norio Sato; 範雄佐藤
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Orbis Holdings Inc
Priority date: 1999-03-09
Filing date: 1999-03-09
Publication date: 2000-09-19

Abstract

(57)【要約】【課題】使用後のべたつき感のないシート状パックを
提供する。【解決手段】シリコーンを含有することを特徴とす
る、シート状パック用のマトリックスを支持体に含浸さ
せ貼付剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は含浸型シート状パッ
クに好適なシート状パックに関する。

【０００２】

【従来の技術】パック化粧料は、泥状、粘性半流動体、
泡状の化粧料組成物を皮膚に塗布し、この閉塞性を利用
して有効成分の吸収を促進したり、過剰な皮脂などを除
去したりする目的で、この様な処置の必要性が極めて高
くなったときに用いられる。これは、パックの機能は確
かに優れるものの、そのパック動作は決して、気軽にた
易くできるものではないからである。この取り扱い動作
を改善したものにシート状パックがあり、シート状パッ
ク料は、化粧水などを含浸させた不織布などの支持体を
顔に貼り付け、有用な成分を経皮吸収さる含浸タイプ
や、不織布などの支持体上に粘着性高分子ポリマーを塗
工し、過剰な皮脂や角栓等を高分子ポリマーで固着・除
去したりする角栓除去タイプのものが既に知られてい
る。この中で、化粧水含浸型のシート状パックは手軽に
どこでもパックができることから、会社などの出先で
の、非常に有効な手入れ手段として近年広く使用される
ようになってきている。この様な、含浸型のシート状パ
ックは、通常は、多価アルコールなどの保湿剤、コラー
ゲンやヒアルロン酸ナトリウムのような有効成分、水溶
性のアクリル酸系ポリマー等の固定剤を含有する流動性
マトリックス（化粧水）を不織布などの支持体に含浸さ
せたものである。この様な剤形においては、貼付を剥が
した後に、水洗無しでは肌がべたつく欠点があり、この
欠点が改善されることが望まれていた。この様な点が改
善されることにより、シート状パックの簡便さが更に著
しく改善するからである。

【０００３】一方、この様なシート状パックに、シリコ
ーン類を含有させることは行われておらず、この様にシ
リコーンを含有させることにより、密着性と閉塞性が向
上し、アクリル酸系ポリマー無しでもパック剤として使
用できることは全く知られていなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、シート状パ
ックの使用後のべたつき感を改善することを課題とす
る。

【０００５】

【課題の解決手段】この様な実状に鑑みて、本発明者ら
は、シート状パックの使用後のべたつき感を改善すべ
く、鋭意研究努力を重ねた結果、ジメチルポリシロキサ
ン等のシリコーンを含有させることにより、シート状パ
ックの密着性と閉塞性を向上させ、しかも使用後のさっ
ぱり感にも優れることを見出し、このものを含有させる
ことにより、前記課題を解決させるに至った。以下、本
発明について、実施の形態を中心に詳細に説明を加え
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】（１）本発明のシート状パックの
必須成分であるシリコーン本発明のシート状パックは、シリコーンを必須成分とし
て含有する。本発明のシート状パックで使用できるシリ
コーンとしては、化粧料で使用されているものであれば
特段の限定なく使用することができ、例えば、粘度１〜
１０００００００ｃ．ｓ．のジメチコン、環状ジメチコ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、架橋型のジメチル
ポリシロキサン、メチルシロキサン網状重合体、ポリエ
ーテル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アメ
ジコン等が例示できる。これらの内、特に好ましいもの
は（ジ）メチルポリシロキサンの内、高重合度のもので
ある。この様なものとしては、ジメチルポリシロキサ
ン、この様な骨格の１部にＯ−Ｓｉ−Ｏの架橋構造の存
在するもの（架橋型ジメチルポリシロキサン）、３次元
構造で重合したメチルシロキサン網状重合体等の粘性流
体（粘度１００００ｃ．ｓ．以上）〜エラストマーまで
の性状を有するものが好ましく例示できる。これら高重
合度シリコーンに加えて、通常のシリコーンを含有する
ことが本発明ではより好ましい。又、含有の形態として
は、予め、非イオン界面活性剤や水と共にエマルション
の形態に調整されたものを含有させるのが好ましい。こ
の様なエマルション形態のものとしては、高重合度メチ
ルポリシロキサンを５重量％、メチルポリシロキサンを
４５重量％、ＰＯＥ（２）ラウリルエーテルを２．５重
量％、ＰＯＥ（２１）ラウリルエーテルを２．５重量
％、残量が水である、トーレ株式会社製のシリコーンＢ
Ｙ２２−０３４が好ましい市販品として例示できる。本
発明のシート状パックに於けるシリコーンの好適な含有
量は、支持体を除いた総量に対して、０．０１〜１０重
量％であり、０．０５〜５重量％である。

【０００７】（２）本発明のシート状パック本発明のシート状パックは、上記必須成分であるシリコ
ーンを含有することを特徴とする。本発明に言う、シー
ト状パックとは、皮膚に作用を及ぼす流動性を有するマ
ットリックス部とそれを塗工或いは含浸させる支持体部
からなるものであり、マトリックスは通常の皮膚外用剤
に準じた形態をとるものであり、支持体は不溶性の、例
えば、リント布、不織布、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロンなどからなるものであり、マトリックスを
保持する作用を有するものである。支持体としては、シ
ート状パックの剤形にもより、その好ましい素材が異な
るが、不織布を用いるのが特に好ましい。これは、本発
明のシート状パックの使用性として、塗工型より含浸型
の方が、剥離後の手入れの少なさで好ましいため、含浸
しうる素材で、且つ、閉塞作用に優れるものが好ましい
からである。又、マトリックスとしては、必須成分であ
るシリコーン以外に、本発明の効果を損ねない範囲にお
いて、通常化粧料で使用される任意成分を含有すること
ができる。この様な、任意成分としては、ワセリンやマ
イクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホ
ホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等
のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコー
ル等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等
の脂肪酸、グリセリンや１，３−ブタンジオール等の多
価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活
性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノー
ル、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、
抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示できる。勿
論、コラーゲンやヒアルロン酸ナトリウム等の有効成分
を含有することも好ましい。但し、本発明のシート状パ
ック或いはそれ用のマトリックスにおいては、ポリアク
リル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、アク
リル酸ナトリウム・メタクリル酸ナトリウム共重合体、
ポリビニルアルコール、アクリル酸・メタクリル酸アル
キル共重合体等のアクリル系ポリマーは含有しないこと
が好ましい。これは、この様な成分が剥離後の皮膚上で
好ましくないべたつきを発現するからである。又、特に
好ましい成分としては、多価アルコールが挙げられ、中
でもグリセリンとイソプレングリコールを共に含有する
ことが好ましい。これらの多価アルコールの好ましい含
有量は、グリセリンが８〜１５重量％であり、イソプレ
ングリコールが７〜１６重量％であり、且つ、グリセリ
ンとイソプレングリコールとを４：６〜６：４の割合で
含有することが、べたつきなく適度の保湿作用を発現で
きるの好ましい。本発明のシート状パックの形態は上記
の如く、支持体にマトリックスを含浸させたものが好ま
しい。これは、べたつかないと言う使用感のメリットが
具現しやすいからである。含浸タイプにおいては、その
構成は、３５０〜４５０ｃｍ２程度の顔型の支持体に５
〜１５ｇのマトリックスを含浸させた形態が好ましい。
又、Ｔゾーン、或いは、Ｖゾーンの形状に加工した部分
使用のものも十分に使用できる。更に、効果は含浸タイ
プほどではないが、塗工タイプのものにも適用できる。

【０００８】

【実施例】以下に、実施例を示して本発明について更に
詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ、
限定を受けないことは言うまでもない。

【０００９】＜実施例１＞下記に示す処方に従って、本
発明のマトリックスを作成した。即ち、イ、ロをそれぞ
れ８０℃に加温し、撹拌しながらイにロを徐々に加え、
乳液状のマトリックスを得た。イグリセリン１０重量部イソプレングリコール１１重量部ポリエチレングリコール１５００３重量部メチルパラベン０．１重量部乳酸０．０１重量部コラーゲン０．０３重量部グリチルリチン酸ジカリウム０．０５重量部ヒアルロン酸ナトリウム０．０１重量部ロイヤルゼリー０．１重量部ユキノシタエキス０．１重量部クエン酸ナトリウム０．１重量部水７４．５重量部ロトーレシリコーンＢＹ２２−０３４１重量部

【００１０】＜実施例２〜４＞実施例１のマトリックス
１０ｇを顔型の面積４００ｃｍ２の支持体上に含浸させ
て、ラミネート包装材料にて、４方シームで密閉し、本
発明のシート状パックを得た。支持体の材料は下記の表
１に示す。これを使用して、その使用感を、専門家を用
いて、使った後の気持ちよさ、肌の張りの向上、べたつ
きのなさの３軸で評価してもらった。評価基準は、◎：
非常によい、○：良い、△：やや悪い、×：悪いの基準
を用いた。結果を表１にあわせて示す。これより、支持
体としては不織布が好ましいことがわかる。

【００１１】

【表１】

【００１２】＜実施例５＞実施例２の本発明のシート状
パックについて、シリコーンＢＹ２２−０３４をポリア
クリル酸ナトリウムに置換した、比較例１、水に置換し
た対照例１と共に、実施例２〜４と同様に専門家評価を
行った。結果を表２に示す。これより、本発明のシート
状パックが著しく使用感に優れることがわかる。

【００１３】

【表２】

【００１４】＜実施例６＞下記に示す処方に従って、本
発明のマトリックスを作成した。即ち、イ、ロをそれぞ
れ８０℃に加温し、撹拌しながらイにロを徐々に加え、
乳液状のマトリックスを得た。これの１０ｇを顔型の面
積４００ｃｍ２の支持体上に含浸させて、ラミネート包
装材料にて、４方シームで密閉し、本発明のシート状パ
ックを得た。このものの使用感を上記と同様に評価した
ところ、使った後の気持ちよさが○、肌の張りの向上が
○、べたつきのなさが○であり、本発明のシート状パッ
クにおいてはアクリル酸系ポリマーを含有しない方が、
使用感や使用性の本発明の効果を高める上で好ましいこ
ともわかる。イグリセリン１０重量部イソプレングリコール１１重量部ポリエチレングリコール１５００３重量部メチルパラベン０．１重量部乳酸０．０１重量部コラーゲン０．０３重量部グリチルリチン酸ジカリウム０．０５重量部ヒアルロン酸ナトリウム０．０１重量部ロイヤルゼリー０．１重量部ユキノシタエキス０．１重量部クエン酸ナトリウム０．１重量部ポリアクリル酸ナトリウム０．５重量部水７４重量部ロトーレシリコーンＢＹ２２−０３４１重量部

【００１５】＜実施例７＞下記に示す処方に従って、本
発明のマトリックスを作成した。即ち、イ、ロをそれぞ
れ８０℃に加温し、撹拌しながらイにロを徐々に加え、
乳液状のマトリックスを得た。これの１０ｇを顔型の面
積４００ｃｍ２の支持体上に含浸させて、ラミネート包
装材料にて、４方シームで密閉し、本発明のシート状パ
ックを得た。このものの使用感を上記と同様に評価した
ところ、使った後の気持ちよさが○〜◎、肌の張りの向
上が○〜◎、べたつきのなさが○〜◎であり、予め作成
したエマルジョン形態で含有させるのが好ましいことが
わかる。イグリセリン１０重量部イソプレングリコール１１重量部ポリエチレングリコール１５００３重量部メチルパラベン０．１重量部乳酸０．０１重量部コラーゲン０．０３重量部グリチルリチン酸ジカリウム０．０５重量部ヒアルロン酸ナトリウム０．０１重量部ロイヤルゼリー０．１重量部ユキノシタエキス０．１重量部クエン酸ナトリウム０．１重量部水７４．９６重量部ロ高重合度メチルポリシロキサン０．０５重量部ジメチコン０．４５重量部ＰＯＥ（２）ラウリルエーテル０．０２重量部ＰＯＥ（２１）ラウリルエーテル０．０２重量部

【００１６】＜実施例８＞下記に示す処方に従って、化
粧料を作成した。即ち、イ、ロをそれぞれ８０℃に加熱
し、イにハをディスパーで分散し、これらに徐々にロを
加え、撹拌冷却し、泥状の本発明のマトリックスを得
た。これを顔型の不織布上に１０ミルの厚さにドクター
ブレードで塗工し、剥離紙を裏打ちし、アルミラミネー
トの包装に密封し、本発明の顔全面用のシート状パック
を得た。このものは通常のパックに比べればさっぱり感
のある優れた感触であったが、上記の含浸タイプほどの
手軽さはなく、本発明のシート状パックとしては、含浸
タイプの方が好ましいことがわかった。イ１，３−ブタンジオール１５重量部キサンテンガム０．３重量部エタノール０．８重量部パラベン０．１重量部ハマメリスエキス１重量部海草エキス０．１重量部ホップエキス０．１重量部オトギリソウエキス０．１重量部水５７．５重量部ロセタノール４．５重量部シリコーンＢＹ２２−０３４１重量部ポリオキシエチレン（２０）セスキオレート０．９重量部ポリオキシエチレン（７）ヤシ油脂肪酸グリセリン０．９重量部ハベントナイト５重量部シリカ４重量部含硫珪酸アルミニウム５重量部カオリン４重量部

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、シート状パックの使用
後のべたつき感を改善することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シリコーンを含有することを特徴とす
る、シート状パック。
【請求項２】シリコーンとして高重合度メチルポリシ
ロキサンを含有することを特徴とする、請求項１に記載
のシート状パック。
【請求項３】シリコーンとして高重合度メチルシロキ
サンを含むメチルポリシロキサンエマルジョンを含有す
ることを特徴とする、請求項１又は２に記載のシート状
パック。
【請求項４】アクリル系ポリマーを含有しないことを
特徴とする、請求項１〜３の何れか一項に記載のシート
状パック。
【請求項５】支持体に流動性を有する組成物を含浸し
た形状であることを特徴とする、請求項１〜４の何れか
一項に記載のシート状パック。
【請求項６】シリコーンを含有することを特徴とす
る、含浸型シート状パック用の流動性を有する含浸マト
リックス。
【請求項７】シリコーンとして高重合度メチルシロキ
サンを含むメチルポリシロキサンエマルジョンを含有す
ることを特徴とする、請求項６に記載の含浸マトリック
ス。