JP2000253203A - イメージセンサー - Google Patents

イメージセンサー

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JP2000253203A
JP2000253203A JP11056671A JP5667199A JP2000253203A JP 2000253203 A JP2000253203 A JP 2000253203A JP 11056671 A JP11056671 A JP 11056671A JP 5667199 A JP5667199 A JP 5667199A JP 2000253203 A JP2000253203 A JP 2000253203A
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light
image sensor
organic
film
substrate
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JP11056671A
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English (en)
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Yoichi Osato
陽一 大里
Kazunori Ueno
和則 上野
Akihiro Senoo
章弘 妹尾
Shinichi Urakawa
伸一 浦川
Seiji Mashita
精二 真下
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型、小型、安価な有機EL素子光源付きイ
メージセンサーを提供する。 【解決手段】 基板1上に原稿28の反射光が入力され
る固体撮像素子10と、固体撮像素子10の読み取り駆
動回路20を形成し、上記基板1とほぼ同じ程度の厚さ
の透明基板21上にライン発光により原稿28を照射す
る薄膜有機EL素子30を形成し、固体撮像素子10側
の基板1の側に薄膜有機EL素子30の透明基板21を
両者がほぼ同一平面上となるように固着し、これらの固
体撮像素子10と透明基板21上に透明薄板32を透明
の接着剤27で一体化したイメージセンサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、ペ
ージスキャナー等に用いられる有機EL(エレクトロル
ミネッセンス)素子の光源付きイメージセンサーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ページスキャナー等に用いられているイ
メージセンサーは大別して非密着型、密着型、完全密着
型の3種に分けられる。電荷結合素子(CCD)を用い
た非密着型センサーは、CCD素子が小型ですむことも
あって価格面で有利であるが、原稿を縮小レンズを通し
てCCDに投影しているため、小型化、計量化に関して
は他の2方式に比べ劣っている。
【0003】また、密着型イメージセンサーは、縮小光
学系が不要のため小型化が比較的容易であり、徐々に普
及しているが、価格が高いのが問題になっている。また
セルフォックレンズアレイを用いて原稿像を固体撮像素
子上に投影していることと、光源として発光ダイオード
(LED)アレイを用いるため、ある程度の幅と厚さが
必要である。
【0004】一方、完全密着型イメージセンサーは、レ
ンズ光学系がないためにさらに小型化が可能である。ま
たレンズ光学系とセンサー素子の光学的な位置調整が不
必要なため組み立ての工程が簡単になる。しかし、完全
密着型イメージセンサーもLED分の厚みはやはり必要
である。
【0005】以下、従来例を図面に基づいて説明する。
図10は、従来例の密着型及び完全密着型イメージセン
サーを示す説明図である。図10(a)は、密着型イメ
ージセンサーの説明図である。同図に示す様に、密着型
イメージセンサーでは、筐体41内にはLEDハウス4
2とセルフォックレンズアレイ43と固体撮像素子10
を設けてある。LEDハウス42内に設けられるLED
上には、すりガラスのような光拡散板やレンズ等を用い
て照度を均質化している。このため、原稿44との距離
を離す必要があった。
【0006】この密着型イメージセンサーは、LEDハ
ウス42から発射された光が原稿44により反射し、こ
の反射光がセルフォックレンズアレイ43を通り基板1
上の固体撮像素子10に入力されるものである。
【0007】図10(b)は、従来の完全密着型イメー
ジセンサーの説明図である。同図に示す様に、完全密着
型イメージセンサーでは、筐体41の上面には、固体撮
像素子10が設けられた基板1がある。この基板1には
LEDハウス42からの光を透過するためのスリット4
0が設けてある。この完全密着型イメージセンサーは、
LEDハウスから発射された光が基板1に設けた光を透
過させるためのスリット40を通り原稿44より反射
し、この反射光が固体撮像素子10に入力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例から、イメ
ージセンサー部の大きさを制限しているものはレンズや
光源などの光学系であることが分かる。すなわち、イメ
ージセンサー部を小型化するには、光学系を小型化する
ことが必要であると同時に光学系の製造コストを下げる
ことが重要である。
【0009】そこで光源に薄膜発光素子である有機EL
素子を用いることが小型化には有用な方法であるが、こ
れについて、例えば特開平8−55974号公報、特開
平8−116403号公報などに詳しく説明されてい
る。
【0010】本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑
みて更なる改良を行ったものであり、薄型、小型でかつ
発光特性に優れる有機EL素子の光源付きイメージセン
サーを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光源か
らの光を原稿に照射してその反射光を直接光センサーに
入射する完全密着型イメージセンサーにおいて、光源が
少なくとも発光層を含む構成層とその両側に設けた反射
層を有する有機EL素子で構成され、且つ反射層に挟ま
れた構成層の光路長の合計が発光波長の1/2のほぼ整
数倍であることを特徴とするイメージセンサーである。
【0012】前記有機EL素子の発光面の位置が反射層
との境界から発光波長の1/8から3/8倍にあるのが
好ましい。前記光源は分光可能な多色発光が可能であ
り、有機EL素子の移動、遮光板の移動などの少なくと
も1つの手段によって1つの有機EL素子を多色光源と
し利用するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のイメージセンサーは、光
源からの光を原稿に照射してその反射光を直接光センサ
ーに入射する完全密着型イメージセンサーにおいて、光
源が少なくとも発光層を含む構成層とその両側に設けた
反射層を有する有機EL素子で構成され、且つ反射層に
挟まれた構成層の光路長の合計が発光波長の1/2のほ
ぼ整数倍であることを特徴とする。
【0014】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。図1は本発明のイメージセンサーの一実施態様を
示す構成図である。同図1において、本発明のイメージ
センサーは、まず基板1上に原稿28の反射光が入力さ
れる固体撮像素子10と、固体撮像素子10の読み取り
駆動回路20を形成する。また、上記基板1とほぼ同じ
程度の厚さの透明基板21上にライン発光により原稿2
8を照射する薄膜有機EL素子30を形成する。
【0015】次に、固体撮像素子10側の基板1の側に
薄膜有機EL素子30の透明基板21を両者がほぼ同一
平面上となるように固着する。さらに、これらの固体撮
像素子10と透明基板21上に透明薄板32を透明の接
着剤27等で一体化(接着またはモールド)する。
【0016】上記構成に基づく本発明のイメージセンサ
ーにおいて、図1の薄膜有機EL素子30から発射され
た光は、透明基板21と透明薄板32を通して原稿28
に投射され、この原稿28からの反射光が透明薄板32
を通して固体撮像素子10に入力され、固体撮像素子1
0で光電変換される。この光電変換された出力が読み取
り駆動回路20に入力され、読み取り駆動回路20から
原稿の濃淡に応じた信号が得られる。
【0017】薄膜有機EL素子30は、薄膜面状体の有
機EL素子(電界発光素子)を用いるので、固体撮像素
子とをほぼ同一平面となるように固着することができ
る。薄膜有機EL素子30は、有機エレクトロルミネッ
センス(EL)素子で構成される。
【0018】有機EL素子30は、蛍光性有機化合物を
含む薄膜を、電極ではさんだ構成で、有機化合物層に電
子および正孔を注入して再結合させることにより励起子
を発生させることができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0020】実施例1 本発明の第一実施例を図1〜図5に基づき説明する。図
1は本発明の第一実施例を示す構成図、図2はフォトト
ランジスタの説明図、図3および図4は固体撮像素子の
形成工程を示す工程図、図5は薄膜有機EL素子の形成
工程を示す工程図である。
【0021】図1は、有機EL素子からなる光源付きイ
メージセンサーの構成を示す。同図において、まず基板
1上に固体撮像素子10と読み取り駆動回路20を形成
する。また、前記基板1とほぼ同じ厚さの透明基板21
上に薄膜有機EL素子30を形成する。
【0022】次に、固体撮像素子10と透明基板21の
上面に厚さが50〜200μmの透明薄板32を、たと
えばエポキシ系接着剤、紫外線硬化型の接着剤など透明
接着剤27で接着する。ここで読み取られる原稿28は
透明薄板32に接触する。
【0023】図2は、固体撮像素子10に用いるフォト
トランジスターの説明図である。1は基板であり、例え
ばガラス、石英、Al23などのセラミックス、シリコ
ンなどの材料を用いる。
【0024】2は絶縁膜、3は活性層、4はゲート絶縁
膜、5はゲート電極、6は層間絶縁膜、7は金属配線電
極、8はソース・ドレイン領域である不純物導入部であ
る。このフォトトランジスターは、イメージセンサーの
光電変換素子(固体撮像素子)となるものである。
【0025】図3は固体撮像素子の形成工程の前半を、
図4は形成工程の後半を示す工程図である。基板1とし
てシリコン基板を用い、熱酸化により300nmの厚さ
の酸化シリコン膜を形成する。さらに200nmの厚さ
に減圧気相成長法によって、酸化シリコン絶縁膜2を形
成する。(図3(A))
【0026】この後に活性層3として200nmの膜厚
に非晶質シリコンをプラズマCVD法により設ける。こ
のときの成膜条件は、反応ガスとしてシランを用い、反
応温度200℃、ガス圧力5.3Pa、投入高周波電力
35Wで40分間の成膜を行った。この後600℃で2
0時間加熱することで、結晶性のシリコン膜に変換す
る。(図3(B))
【0027】こうして得られた多結晶シリコン活性層3
を島状にパターニングする。(図3(C)) つづいてゲート酸化シリコン膜4が150nmの厚さに
なるよう多結晶シリコン活性層3の熱酸化を行う。(図
3(D))
【0028】次に同様にプラズマCVD法によりゲート
電極5としてリンをドープしたn型シリコンを200n
mの厚さに成膜する。(図3(E)) 次に、ドライエッチング法によりゲート電極5をパター
ニングする。次に、コンタクト層の形成のため活性層3
上の酸化シリコン膜4を部分的に取り除く。(図3
(F))
【0029】次に、イオン注入、イオンドーピング法に
より不純物導入部8を形成する。N型にするには、リン
をドープし(図4(A))、P型にするにはボロンをド
ープする。(図4(B))導入した不純物を活性化する
には窒素雰囲気中で12時間の熱処理を行う。
【0030】次に、常圧CVD法で層間絶縁膜6と酸化
シリコン、リン珪素ガラスなどを約800nmの厚さに
設け(図4(C))、この後コンタクトホールを開け
(図4(D))、約lμmの厚さのアルミニュウム膜を
スパッタ法で成膜し(図4(E))、さらにレジストを
用いたパターニングで、配線を形成する。(図4
(F))最後に約350℃の水素雰囲気中で1時間の熱
処理を行い、所定のイメージセンサーを得る。
【0031】図5は、薄膜有機EL素子の形成工程を示
す工程図である。図5において、まず透明基板21(こ
れは固体撮像素子10の基板1とほぼ同じ厚さのガラス
などの材料からなる)の洗浄を行う。(図5(A))
【0032】透明基板21上にSiO2とTiO2ターゲ
ットを用いて、Arガス圧0.5Pa雰囲気で、スパッ
タ法でSiO2膜を95nm、TiO2膜を60nmの厚
さで3回繰り返し成膜した交互多層膜22を設ける。
(図5(B))
【0033】この交互多層膜22は、素子の発光のほと
んどを反射して、素子内に発光を閉じ込める効果を与え
る。この多層膜は素子の発光波長の中心540nmに対
してSiO2膜の屈折率がl.4、TiO2膜の屈折率が
2.3であり発光波長の1/4の厚さになっている。こ
の交互多層膜は540nm波長に対して反射増加膜とな
り、反射スペクトルを調べると470nmから630n
mの波長域において約90%の反射率を有するミラー面
になっていることが確認できた(TiO2膜側から測定
して)。
【0034】交互多層膜は、屈折率の大きな材料、例え
ばZnS、ZrO2、CeO2などからなる発光波長の1
/4の厚さの層と、屈折率の小さな材料、例えばMgF
2 、MgOなどからなる発光波長の1/4の厚さの層と
を交互に積層する。この場合、屈折率の大きな層が外側
になるようにする。
【0035】3層構成で約50%程度、5層構成で80
%程度、7層構成では90%以上の反射率が得られる。
本発明では50%以上の反射率になることが好ましい。
この交互多層膜は、Pt、Au、Cu、Al、Pdなど
の金属あるいは合金を10nm前後の厚さで成膜した半
透明膜で代用することも可能である。
【0036】次に、SiO2膜23を40nmの厚さに
設けた。(SiO2の屈折率の値1.4と膜厚40nm
の値の積(56nm)をSiO2膜の光路長と定義する
が、この値は540nm波長の約12%)(図5
(C))この膜は後に示すように上記交互多層膜の反射
面と金属電極の反射面の間に挟まれた構成層の光路長を
発光波長の半分の整数倍の大きさにするための調整層に
なる。
【0037】次に、透明電極24となるITO(インジ
ウム90重量%、スズ10重量%の酸化物)をArガス
圧0.5Paの雰囲気でスパッタ法で約150nmの厚
さに成膜した。ITO膜の540nm波長での屈折率は
2.3であった。(屈折率×膜厚の光路長は540nm
波長の約55%)
【0038】ITOは駆動用配線部、発光部を形成する
ためパターン化する必要があるが、これはレジストをコ
ートしてパターンをエッチングしても良いし、成膜マス
クを使用しても良い。(図5(D))
【0039】次に、上記基板を真空蒸着装置にセット、
到達真空度2×10-4Pa以下の背圧下で、正孔注入層
25としてテトラアリールジアミン誘導体(TPD)を
50nmの厚さに成膜した。(屈折率は1.7であっ
た。屈折率×膜厚の光路長は540nm波長の約16
%)
【0040】さらに、発光層26としてキノールアルミ
錯体(Alq3 )とキナクリドンを体積比で96:4に
なるように蒸発速度を調整しながら、15nmの厚さに
成膜した。(屈折率は1.7であった。屈折率×膜厚の
光路長は540nm波長の約5%)
【0041】さらに、電子注入層27としてキノールア
ルミ錯体(Alq3 )を39nmの厚さに成膜した。
(屈折率は1.7であった。屈折率×膜厚の光路長は5
40nm波長の約12%)
【0042】さらに、金属電極層28としてAgとMg
を、体積比で90:10になるよう蒸発速度を調整しな
がら20nmの厚さに成膜した。上記有機発光材料層
(25〜27)と金属電極層28は発光部を形成するの
で成膜マスクをつかってパターン化しておく。(図5
(E)) その後、配線電極29としてAlを蒸着またはスパッタ
リング等で成膜する。このAl膜をパターニングし、有
機EL素子30を形成する。(図5(F))
【0043】上記の様にして作製した固体撮像素子10
と透明基板21上に透明薄板32を透明の接着剤27で
固着する。(図1参照)透明薄板32は50〜200μ
mの厚さが好ましい。200μm以上になると隣接部か
らの反射光信号が固体素子10に混じり込み分解能が低
下し、50μm以下では板の強度が下がり破損の心配が
ある。このようにして、光源付きイメージセンサーを薄
型、小型、安価のものとして得ることができる。
【0044】次に、有機EL素子について説明する。発
光層26は正孔と電子の注入機能、輸送機能、正孔と電
子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。正
孔注入層25は、陽極からの正孔の注入を容易にする機
能、正孔を輸送する機能、電子の輸送をさまたげる機能
を有する。電子注入層27は、陰極からの電子の注入を
容易にする機能、電子を輸送する機能、正孔の輸送をさ
またげる機能を有する。
【0045】発光層26に用いる材料の電子および正孔
の輸送機能が高い場合は注入層なしで素子にすることも
できる。発光層26、正孔注入層25、電子注入層27
のそれぞれの厚さは、形成方法によっても異なるが10
〜200nm程度が好ましい。また、組み合わせる発光
層や電子、正孔注入層のキャリア移動度やキャリア密度
を考慮しながら、膜厚を設定し、再結合領域、発光領域
を制御可能である。
【0046】また、ITO膜(陽極)と正孔注入層の間
に、注入を補助する機能あるいは正孔注入層の温湿度安
定性を向上させる機能を有する補助層を設けても良い。
またAg−Mg(陰極)と電子注入層の間に、注入を補
助する機能のあるアルカリ金属を含む化合物を補助層と
して設けても良い。
【0047】図5の薄膜有機EL素子を形成する各層の
膜厚についてまとめると次のようになる。交互多層膜
(約90%反射のミラー面)−SiO2調整層(540
nmλ(光路長)の12%)−ITO透明電極膜(54
0nmλの55%)−正孔注入層(540nmλの16
%)−発光層(540nmλの5%)−電子注入層(5
40nmλの12%)−Ag・Mg金属膜(約85%反
射面)
【0048】交互多層膜と金属膜に挟まれた構成層の光
路長は合計で540nmとなるよう設定されている。一
般的には発光スペクトルから共振条件で、光路長の長さ
の1/2の整数倍の波長の光が取り出される。本実施例
では1/2倍数の270nmおよび倍数の1080nm
発光はないので540nm付近の光だけが取り出され
る。
【0049】また、発光層の位置は金属膜(陰極)から
0.25λから0.12λ(光路長)にあるが、両側の
反射膜によって光の共振が起これば、電界強度が最も強
くなるのは反射膜面から0.25λ(光路長)と0.7
5λ(光路長)付近である。
【0050】一般的には、取り出したい波長λとする
と、光路長は1/2λの整数倍に設定すればよい。この
時電界強度が大きくなるのは定在波の腹の位置(1/2
λの整数倍から1/4λずれた位置)になる。この位置
に発光面が来るように設定すると、発光強度が大きくな
り、指向性が向上する。すなわち、基板から垂直方向へ
強い発光が起こる。
【0051】図5で発光層26付近から広がった発光は
交互多層膜22のミラー面と金属膜28の間に閉じ込め
られた後、基板21を通って外へ照射されるが、基板2
1がガラス(屈折率1.5)とすると、基板21に垂直
から約40度までの斜め出射光は基板外へ照射される
が、それ以外は全反射により基板21内に閉じ込められ
る。このため指向性の向上は取り出し効率向上のため重
要である。
【0052】図8に、本発明に係る有機EL素子の発光
スペクトルを示す。540nm付近にシャープな発光が
得られた(◇印)。また参考データとして、交互多層膜
22を設けない以外は同じ構成の発光素子の発光スペク
トルはブロードであった(○印)。
【0053】図9に、本発明に係る有機EL素子の発光
強度の指向性を示す。基板に対向して光パワーメータを
設置、発光素子を回転ステージに固定して、ステージを
回転させて発光強度の方向依存性を測定した。基板に垂
直方向が強度が大きく、強度が1/2に減少する角度は
約40度であった。また、参考データとして、交互多層
膜22を設けない以外は同じ構成の発光素子では、強度
が1/2に減少する角度は約65度であった。また垂直
方向での光強度も本発明の素子の方が70%ほど大きか
った。
【0054】また電子注入層27を設けない以外は同じ
構成の発光素子を作製し、発光スペクトルを測定すると
490nm付近に比較的シャープな発光が見られた。ま
た同様に発光強度の方向依存性を測定したところ、強度
が1/2に減少する角度は約60度であった。また垂直
方向の強度も本発明の1/3程度であった。これは光共
振条件で取り出せる波長での、もともとの発光強度が小
さいこと、電子注入層27を設けないため発光層26の
発光面の位置が発光波長λ(490nm)の0.05λ
付近になって電界強度の強い場所からずれたことなどに
よると考えられる。
【0055】次に発光面の位置を変化させるため、電子
注入層27の厚さを20nm(発光面位置は発光波長λ
の12%)、60nm(発光面位置は発光波長λの24
%)、70nm(発光面位置は発光波長λの31%)、
80nm(発光面位置は発光波長λの38%)の4種の
厚さに設定した以外は同じ構成の有機EL素子を作製
し、同様に発光強度を調べたところ電子注入層27の厚
さが20〜70nm(発光面位置が発光波長λの12%
〜31%)のものは同様に垂直方向に強い発光が観察さ
れた。80nm(発光面位置は発光波長λの38%)の
ものは垂直方向の強度が2/3ほど低下していた。
【0056】これから発光面位置は反射面から1/4λ
前後はなれた電界強度の強い位置に設定することが好ま
しいことが認められた。また電界強度はさらに1/2λ
ごとに強くなるのでこの位置に発光面位置が入るように
設計をしてもよい。
【0057】実施例2 正孔注入層25の厚さを100nmとした以外は上記の
実施例1の有機EL素子と同じ構成の素子を作製した。
交互多層膜と金属膜に挟まれた構成層の光路長は合計で
627nmとなるよう設定されている。
【0058】発光スペクトルを観察すると、垂直方向へ
は中心波長630nmの赤色発光であった。また30度
ほど素子を傾けて発光スペクトルを観察すると緑色発光
であった。さらに50度ほど傾けて観察すると青色発光
であった。これは交互於多層膜22(ミラー面)の反射
率(透過率)の角度依存性によるものと考えられる。閉
じ込められた発光から透過率の高い波長の光が取り出さ
れる。
【0059】図6は、この素子を使った、光源付きイメ
ージセンサーの構成を示す。図6において、透明のガラ
スなどの基板1に遮光層31を設け、この遮光層31に
スリット状の窓33を形成する。この窓33の真下に回
転制御可能な回転軸34に有機EL素子30を固定す
る。ここで回転軸34は窓33を通して所望の発光色が
得られるように回転位置を構成しておく。複数個の固体
撮像素子10および読み取り駆動回路(図示せず)等を
基板1上に形成する。この実施例2では、ライン状の薄
膜有機EL素子30から、回転軸34の動作で所望の
赤、緑、青の3色の光は、透明基板21、基板1、窓3
3を通して原稿28を照射する、この原稿28からの反
射光が固体撮像素子10に入力される。
【0060】従来はカラー原稿の読み取りは白色ランプ
または3色の光源(LED)を用いて、ライン状に光を
照射、レンズ光学系を用いて固体撮像素子まで反射光を
集光する必要があった。これに対して本実施例では、完
全密着型のイメージセンサーが実現できる。
【0061】実施例3 実施例2と同じ薄膜有機EL素子30を用いて、素子を
回転させず、遮光窓33に相当するスリットを変えて所
望の発光色を取り出す素子の構成例を示す。図7で素子
30の透明基板21上に発光を垂直方向に集光できる反
射板41を設ける。
【0062】次に発光ラインの中心に合わせて42、4
3、44、3種のスリットを用意して透明基板21上に
置く。42は垂直放射光(実施例では赤色)だけを取り
出すためのスリット、43は放射角約30度(実施例で
は緑色)付近の放射光だけを取り出すスリット、44は
放射角約50度(実施例出は青色)付近の放射光だけを
取り出すスリットである。
【0063】照射光を選ぶには、42〜44のスリット
を並べて、透明基板21面に平行に移動させて使用する
スリットを選ぶことができる。または回転出来る機材に
固定して、回転移動によって所望のスリットだけを発光
ラインの中心に置くようにしても良い。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1)薄膜有機EL素子の構成で、誘導体の交互膜から
なる反射ミラーを付加すること、反射膜ではさまれた構
成膜の光路長を取り出したい波長λの1/2の整数倍に
設定することで、所望のシャープな発光が得られる。 (2)上記構成の有機EL素子で、発光層の位置を反射
膜との境界から発光波長の光路長の1/8から3/8の
間に設定することで発光の取り出し効率の向上があり、
大きな輝度が得られる。 (3)本発明に係る有機EL素子は分光された発光が得
られ、素子の位置の移動あるいは、発光部の遮光スリッ
トの位置を移動することで多色光源として使える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイメージセンサーの一実施態様を示す
構成図である。
【図2】図2はフォトトランジスタの説明図である。
【図3】固体撮像素子の形成工程の前半を示す工程図で
ある。
【図4】固体撮像素子の形成工程の後半を示す工程図で
ある。
【図5】薄膜有機EL素子の形成工程を示す工程図であ
る。
【図6】本発明の実施例2のイメージセンサーを示す構
成図である。
【図7】本発明の実施例3のイメージセンサーを示す部
分構成図である。
【図8】実施例1の有機EL素子の発光スペクトルを示
す図である。
【図9】実施例1の有機EL素子の発光強度の指向性を
示す図である。
【図10】従来例の密着型及び完全密着型イメージセン
サーを示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 絶縁膜 3 活性層 4 ゲート絶縁膜 5 ゲート電極 6 層間絶縁膜 7 金属配線電極 8 不純物導入部 10 固体撮像素子 20 読み取り駆動回路 21 透明基板 27 接着剤 28 原稿 30 有機EL素子 31 遮光層 32 透明薄板 33 窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/24 H04N 1/04 D (72)発明者 妹尾 章弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浦川 伸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 真下 精二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB04 CA01 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03 5B047 AB04 BB02 BC11 BC12 CA19 5C051 AA01 BA04 DA03 DB01 DB04 DB21 DB28 DC05 DC07 DD02 DE31 5C072 AA01 BA01 CA07 CA09 DA04 DA15 EA07 QA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を原稿に照射してその反射
    光を直接光センサーに入射する完全密着型イメージセン
    サーにおいて、光源が少なくとも発光層を含む構成層と
    その両側に設けた反射層を有する有機EL素子で構成さ
    れ、且つ反射層に挟まれた構成層の光路長の合計が発光
    波長の1/2のほぼ整数倍であることを特徴とするイメ
    ージセンサー。
  2. 【請求項2】 前記有機EL素子の発光面の位置が反射
    層との境界から発光波長の1/8から3/8倍にある請
    求項1記載のイメージセンサー。
  3. 【請求項3】 前記光源は分光可能な多色発光が可能で
    ある請求項1記載のイメージセンサー。
  4. 【請求項4】 前記有機EL素子の移動、遮光板の移動
    などの少なくとも1つの手段によって1つの有機EL素
    子を多色光源とし利用する請求項1または3記載のイメ
    ージセンサー。
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Cited By (5)

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