JP2000252108A - 希土類焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents

希土類焼結磁石およびその製造方法

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JP2000252108A
JP2000252108A JP11053983A JP5398399A JP2000252108A JP 2000252108 A JP2000252108 A JP 2000252108A JP 11053983 A JP11053983 A JP 11053983A JP 5398399 A JP5398399 A JP 5398399A JP 2000252108 A JP2000252108 A JP 2000252108A
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heat treatment
rare earth
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molded body
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Nobuhiko Fujimori
信彦 藤森
Hisato Tokoro
久人 所
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量%でCa含有量が0.02%未満(0を
含まず)、酸素含有量が0.6%未満(より好ましくは
0.2%未満)、炭素含有量が0.2%以下(より好ま
しくは0.1%以下)、密度が7.53g/cm以上
(より好ましくは7.56g/cm以上)であり、2
0℃における角型比(Hk/iHc)が95%以上(よ
り好ましくは96%以上)、(BH)maxが38MGO
e以上であるR−T−B系希土類焼結磁石およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 還元拡散法により製造されたR14
Bを主相とするR−T−B系合金粉末(RはYを含む希
土類元素のうちの1種または2種以上、TはFeまたは
FeとCo)を用いて成形体を形成し、前記成形体を1
×10〜9×10−6Torrの真空中で850〜1
050℃に加熱した後、焼結、熱処理、表面処理を行う
ことを特徴とするR14Bを主相とする希土類焼結
磁石の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元拡散法による
R−T−B系合金粉末(RはYを含む希土類元素のうち
の1種または2種以上、TはFeまたはFeとCo)を
用いて製造された安価でかつ高性能のR−T−B系希土
類焼結磁石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Nd、Dy、Pr等の資源的に比較的豊
富な希土類元素、FeまたはFeとCoおよびBを主成
分とするR−T−B系希土類焼結磁石は、非常に優れた
磁気特性を有することから年々需要が増し、近年では希
土類磁石市場の大半を占めるようになった。この需要増
に伴い、R−T−B系希土類焼結磁石の原価低減が進
み、より低価格で高性能のものが要求されてきている。
【0003】R−T−B系希土類焼結磁石は、R−T−
B系合金粉末を圧縮成形、焼結、熱処理、表面処理する
ことにより製造される。この原料粉末の多くは、R−T
−B系溶製合金(ストリップキャスト合金、高周波溶解
鋳造合金等)を粉砕して得られるが、安価な製造法とし
て希土類酸化物、Fe−B合金またはFe−Co−B合
金、Fe等の各粉末を適量比率で混合後、Ca還元/拡
散法によりR−T−B系合金粉末(Reduction
/Diffusion粉;以下、R/D粉)を得ること
も行われている。
【0004】R/D粉は前記溶製合金粉より安価で原価
低減に有利である。しかし、前記溶製合金粉を用いて製
造されたR−T−B系希土類焼結磁石に対し、R/D粉
を用いて製造されたR−T−B系希土類焼結磁石の磁気
特性はかなり低い。これは前記溶製合金粉に比べてR/
D粉が不可避にCaO、酸素、炭素等を多く含むためと
判断される。前記不可避不純物を低減するために、Ca
還元/拡散反応後の反応生成塊を洗浄液(水等)中に投
入し、 CaO等の反応副生成物を洗浄液中に抽出し除
去する方法が採られている。しかしながら、反応副生成
物の一部はR/D反応主組成物(Rリッチ相等)中に介
在するため、洗浄液中に完全に抽出して除去することが
困難である。また、前記R/D反応主組成物中に介在す
る反応副生成物を洗浄液中に極力抽出するために機械的
な粉砕を加えつつ洗浄時間を延長すると、洗浄中に酸化
が進行したり、あるいは洗浄、乾燥後のものを大気中に
曝露した状態で容易に酸化するという問題がある。
【0005】上記問題の対策として、特開昭63−31
0905号公報では、低酸素、低CaのR−T−B系希
土類焼結磁石用のR−T−B系R/D合金粉末を得るた
めに、Ca還元/拡散反応後の反応生成物の水洗に際
し、インヒビター(腐食抑制剤)を10−3〜10−2
g/l添加した水を用いて水洗、脱水、真空乾燥するこ
とを開示している。しかし前記製法によってもR−T−
B系R/D合金粉末のCa含有量をせいぜい0.05〜
0.1重量%まで低減するのが限界であることが本発明
者らの検討により確認された。さらに本発明者らの検討
によって、前記R−T−B系R/D合金粉末のみを用い
てR−T−B系希土類焼結磁石を形成した場合、焼結過
程でCa含有量は0.02〜0.05重量%まで低下す
るが、溶製されたR−T−B系合金粉末(Ca含有量は
ほぼ0ppm)を用いた場合と比較すると依然として高
い。このため、角型比(Hk/iHc;Hkは4πI−
H減磁曲線において、4πI(磁化の強さ)が0.9B
rになる位置のH(磁界の強さ)軸の読値であり、iH
cは保磁力である)を95%以上にすることは困難であ
り、耐熱性の用途に適用できないという問題がある。こ
の問題は前記従来のR−T−B系R/D合金粉末を30
〜100重量%配合してなるR−T−B系希土類焼結磁
石に共通する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、R−T−B系R/D合金粉末を用いたR−T−
B系希土類焼結磁石であって、重量%でCa含有量が
0.02%未満(0を含まず)、酸素含有量が0.6%
未満(より好ましくは0.2%未満)、炭素含有量が
0.2%以下(より好ましくは0.1%以下)、密度が
7.53g/cm以上(より好ましくは7.56g/
cm以上)であり、20℃における角型比(Hk/i
Hc)が95%以上(より好ましくは96%以上)、
(BH)maxが38MGOe以上、iHcが17.5kO
e以上(より好ましくは20kOe以上)であるR−T
−B系希土類焼結磁石およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、R−T−
B系R/D合金粉を用いたR−T−B系希土類焼結磁石
の磁気特性のうち、特に角型比(Hk/iHc)を改善
するためには、Ca含有量を従来よりも大きく低減する
ことが必須であるとともに、酸素含有量の増加を抑えて
Ca含有量を低減する手段として成形体に前記真空加熱
処理を施すことが有効であることを知見し本発明に想到
した。
【0008】上記課題を解決した本発明は、還元拡散法
により製造されたR14Bを主相とするR−T−B
系合金粉末(RはYを含む希土類元素のうちの1種また
は2種以上、TはFeまたはFeとCo)を用いて成形
体を形成し、前記成形体を1×10〜9×10−6
orrの真空中で850〜1050℃に加熱した後、焼
結、熱処理、表面処理を行うR14Bを主相とする
希土類焼結磁石の製造方法である。前記成形体に対し、
1×10〜9×10−6Torrの真空中で550〜
650℃に加熱する1段目の真空加熱処理と、1×10
〜9×10 Torrの真空中で850〜1050
℃に加熱する2段目の真空加熱処理とを行うことによ
り、より脱Ca化が促進されるとともに酸素量が低減さ
れる。以下に真空加熱処理条件の限定理由を述べる。1
段の真空加熱処理の場合、1×10〜9×10−6
orrの真空度でかつ850℃〜1050℃の加熱温度
を選択することが脱Caのために好ましい。この真空加
熱処理で除去されるCa分は金属Caの状態で存在する
ものの脱Ca分と考えられる。すなわち、1段の真空加
熱処理の場合の加熱温度は金属Caの融点(851℃)
以上であることがよく、かつ焼結温度よりやや低い10
50℃以下が好ましい。1050℃超では焼結による緻
密化が急激に進んで脱Ca化が困難となるためである。
さらに好ましい1段の真空加熱処理温度の範囲は900
℃〜1000℃である。1段の真空加熱処理の加熱保持
時間は0.5〜5時間が好ましい。0.5時間未満では
脱Caが十分でなく、5時間を超えると脱Ca反応が飽
和しかつ熱処理コストが増大する。真空度は1×10
〜9×10−6Torrであれば脱Caを実現可能であ
る。1×10Torr未満では脱Caが困難であり、
9×10−6Torr超の高真空を実現することは経済
的でない。2段の真空加熱処理の場合、前記1段の真空
加熱処理に1×10〜9×10 −6Torrの真空中
でかつ550℃〜650℃の1段目の真空加熱処理を付
加するので脱Caが促進されるとともに酸素量を低減す
ることができる。これは、反応副生成物であるCa(O
H)がCaOとHOに分離する温度が580℃近傍
であることと相関があるものと判断される。すなわち、
本発明者らの検討によって、580℃近傍で脱水化させ
る(1段目の真空加熱処理を行う)ことが酸化を抑えて
酸素量を低減するために有効であることが確認された。
550℃未満では脱水化が不十分であり、650℃超で
は反応副生成物の熱分解に起因する酸化が顕著になる傾
向が認められた。1段目の真空加熱処理の加熱保持時間
も、前記と同様に0.5〜5時間以上にするのがよい。
【0009】また本発明は、重量%で、主成分がR:2
7〜33%(RはYを含む希土類元素のうちの1種また
は2種以上)、B:0.8〜1.5%、M:0.01〜
1%(MはAl、Ga、Nbのうちの1種または2種以
上)、残部T(TはFeまたはFeとCo)からなり、
不可避に含有されるCa量が0.02%未満(0を含ま
ず)、酸素量が0.2%未満、炭素量が0.2%以下、
密度が7.53g/cm以上の希土類焼結磁石であっ
て、20℃における角型比(Hk/iHc)が95%以
上、(BH)maxが38MGOe以上である希土類焼結磁
石である。前記希土類焼結磁石において、重量%で、R
量は27〜33%が好ましい。Rが27%未満では十分
なiHcが得られない。また、Rが33%を越えるとB
rが低下する。B量は0.8〜1.5%が好ましい。B
量が0.8%未満では十分なiHcが得られず、1.5
%超ではBrが低下する。Nb量は 0.01〜1%が
好ましい。Nb量が0.01%未満では焼結時の結晶粒
粗大化に対する抑制効果が得られず、1%を越えるとB
rが低下する。Al量は0.01〜1%が好ましい。A
l量が0.01%未満ではiHcの向上効果が得られ
ず、1%を越えるとBrが低下する。Ga量は0.01
〜1%が好ましい。Ga量が0.01%未満ではiHc
の向上効果が得られず、1%を越えるとBrが低下す
る。Co量は 0.3〜5%が好ましい。Co量が0.
3%未満では耐蝕性が低下し、5%を越えるとBr、i
Hcが低下する。ボイスコイルモータ(VCM)用途に
耐える磁気特性と耐食性とを具備するために、0.2%
未満の酸素含有量に見合ったR含有量:29〜32%と
することが特に好ましい。また、酸素量が0.2%以上
では希土類酸化物を中心とした非磁性酸化物が増えるの
で相対的に磁気特性に寄与する相;基本的に金属間化合
物のR14B(主相)、RT(Bリッチ
相)、R8515(Rリッチ相)等の割合が減少し、
磁気特性が次第に低下する。よって、少なくとも0.6
%未満の酸素量とする必要がある。炭素量は希土類炭化
物等の形成による磁気特性の劣化を抑えるために、0.
2%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の希土類焼結磁石は例えば
以下のようにして製造することができる。重量%で、主
成分がR(Nd、Dy):28〜33%、B:0.8〜
1.5%、Ga:0.01〜0.2%、残部Feとなる
ように、純度99.9%以上の(Nd、Dy)酸化物粉
末32〜39重量部、Fe−B粉末5〜6.5重量部、
Ga−Fe合金粉末0.01〜0.2重量部、篩分粒径
106μmアンダーのFe粉末54〜60重量部を各々
秤量して混合機に投入し混合後、この混合物に対して前
記混合物の還元に必要な化学量論的必要量の1〜1.5
倍に相当する量の金属Caを加えてさらに混合したもの
を作製する。この混合したものをR/D反応用容器に充
填する。充填後のR/D反応用容器をR/D炉にセット
した後、アルゴン雰囲気中で900〜1300℃×2〜
8時間加熱保持するR/D反応を行い、その後室温まで
冷却する。冷却後のR/D反応生成物を0.5〜2cm
程度に粗粉砕後、洗浄する。洗浄においてR/D反応副
生成物である未反応の金属CaやCaO、Ca(OH)
、CaCO等を洗浄液中に抽出して洗浄液とともに
除去する。洗浄に際し、洗浄液として水をベースにして
特開昭63−310905号公報に記載のインヒビター
等(水溶性防錆剤等)を10−3〜10−2g/l添加
したものを用いると洗浄中/後の酸化抑制に効果が認め
られる。洗浄後遠心分離機等で脱水した後に、イソプロ
ピルアルコール等に浸漬する。その後脱溶媒して10T
orr以下9×10−6Torrの真空中で乾燥するこ
とにより、R−T−B系R/D合金粉末が得られる。こ
のR/D粉を不活性ガス雰囲気中で平均粒径3〜5μm
に微粉砕する。続いて、酸化の進行を抑えた条件下で磁
場中成形して成形体にする。この成形体に対し、前記の
真空加熱処理を施した後、焼結、熱処理、表面処理を行
うことにより本発明の希土類焼結磁石が得られる。表面
処理は電解Niめっきあるいは無電解Niめっき等の公
知の表面処理を適用できる。図1は本発明に係るR−T
−B系R/D合金粗粉粒子1の断面を模式的に示してい
る。R/D合金粗粉粒子1は芯部のR14B主相
と、主相を取り囲む希土類リッチ相からなっている。な
お、微小なBリッチ相は図示されていない。R/D合金
粗粉粒子1の希土類リッチ相中には洗浄により除去でき
なかった金属Ca、CaO、Ca(OH)等が集中し
て介在しており、焼結性を劣化させる等磁気特性を低下
する要因になっている。
【0011】以下、実施例により本発明を説明するが、
これら実施例により本発明が限定されるものではない。 (実施例1)母原料としていずれも純度99.9%以上
のNd,Pr11,Dy ,FeB,G
Fe,Fe粉末(篩分粒径106μmアンダー)
を、下記の主成分組成となるようにそれぞれ適量秤量す
るとともに、金属Ca粒(平均粒径1〜10mm)を前
記母原料の還元に必要な化学量論的必要量の1.2倍に
秤量し、秤量したものを全量混合機中に投入し、混合し
た。混合後のものをR/D反応用容器内に充填した後、
アルゴン雰囲気に保持したR/D炉にセットした。続い
て、同雰囲気中で1100℃×4時間加熱するR/D反
応を行い、その後室温まで冷却した。次に、所定量の水
に適量の水酸化ナトリウムを添加してpH11、液温2
3℃とした水酸化ナトリウム水溶液を満たした洗浄槽中
に前記R/D反応生成物を投入して30分間撹拌し、次
いで5分間攪拌を停止してR/D粗粉を沈降させた後所
定の排出口から上澄み液を排出する工程を1工程とし
て、合計8工程の洗浄処理を行った。この洗浄の間、洗
浄液をpH>10に保持してR/D合金租粉の酸化を抑
えた。洗浄完了後、脱水し、続いて室温で1〜0.05
Torrの真空度に所定時間保持する真空乾燥処理を施
しR−Fe−B系R/D合金粗粉を得た。このR/D粉
を窒素ガスを粉砕媒体とするジェットミルにより平均粒
径4.3μmまで微粉砕した。得られた微粉の組成は、
重量%で、主成分がNd:23.77%、Pr:6.0
3%、Dy:2.28%、B:1.10%、Ga:0.
12%、残部Feであり、不可避不純物としてCa:
0.122%、O:0.550%、C:0.083%を
含んでいた。次に、前記微粉を印加磁場強度8kOe、
成形圧1.6トン/cmで横磁場成形して成形体を得
た。次いで、前記成形体に2〜5×10−6Torrの
真空度で1000℃×1時間の真空加熱処理を施した後
に1080℃×2時間の本焼結を行った。続いて、アル
ゴン雰囲気中で900℃×1時間と550℃×1時間の
熱処理を行った。この熱処理後の焼結体の分析値を表1
に、また室温(20℃)においてB−Hトレーサーで測
定した磁気特性を表2に示す。次に、前記焼結体を所定
寸法に加工後、めっき前処理を施した後、平均膜厚10
μmの電解Niめっきを施したところ、良好な耐食性を
示した。 (比較例1)実施例1の成形体に対し、実施例1の真空
加熱処理を行わずに焼結した以外は実施例1と同様にし
て熱処理後の焼結体の分析、磁気特性評価を行った結果
をそれぞれ表1、2に示す。表1、2において、実施例
1と比較例1との比較から、前記2〜5×10−6To
rrの真空中で1000℃×1時間の真空加熱処理を行
った実施例1の場合ではCa含有量が顕著に減少してい
ることがわかる。また、実施例1のものは密度、Br、
iHc、(BH)max、角型比(HK/iHc)がいずれ
も改善されていることから、実施例1の場合では主に希
土類リッチ相に介在するCa分が前記真空加熱処理によ
り低減されて、その清浄化された希土類リッチ相により
焼結性が改善されて最終的に磁気特性が向上したものと
判断される。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】(実施例2)実施例1の成形体に対し、2
〜5×10−6Torrの真空度で600℃×1時間加
熱後、さらに2〜5×10−6Torrの真空度で10
00℃×1時間加熱する2段の真空加熱処理を行った。
その後、1080℃×2時間の本焼結を行い焼結体を得
た。次に、前記焼結体にアルゴン雰囲気中で900℃×
1時間と550℃×1時間の熱処理を各1回行った。表
1に熱処理後の焼結体の分析値を、表2に実施例1と同
様にして評価した磁気特性を示す。表1、2において、
実施例1と比較しても、前記2段の真空加熱処理を施し
た実施例2のものでは焼結体の含有酸素量が減少し、か
つ密度、Br、iHc、(BH)max、(Hk/iH
c)が微増していることがわかる。不純物として含まれ
得るCa(OH)が脱水されてCaOとなる温度が5
80℃近傍であることから、実施例1に比べて酸素量が
低減されているのは前記600℃×1時間の1段目の真
空加熱処理によって脱離したHOによる磁粉の酸化を
最小限に抑え込んだ効果と思われる。
【0015】(実施例3)重量%で主成分がNd:1
9.57%、Pr:5.33%、Dy:4.96%、
B:0.88%、Ga:0.08%、残部FeのR/D
合金粉末となるように母原料を適量比率で秤量した以外
は実施例1と同様にしてR/D反応、洗浄、乾燥を行っ
た。得られたR/D粗粉を用いて窒素ガスを粉砕媒体と
してジェットミル微粉砕し、平均粒径3.8μmの微粉
を得た。次に、得られた微粉を大気に触れさせずにジェ
ットミルの微粉排出口に設置した鉱物油(商品名:出光
興産製出光スーパーゾルPA−30)中に直接回収して
スラリー化した。次に、このスラリー状の原料を用い
て、印加磁場強度10kOe、成形圧力0.8トン/c
の条件で横磁場湿式成形し、成形体を得た。前記成
形体を真空加熱炉に投入後5〜8×10−2Torrの
真空中に200℃×2時間保持する脱油処理を施した
後、引き続き5〜8×10−6Torrの真空中で60
0℃×1時間の1段目の真空加熱処理を行い、続いて5
〜8×10−6Torrの真空中で1000℃×1時間
の2段目の真空加熱処理を施した後、さらに1070℃
×3時間焼結して焼結体を得た。次に、得られた焼結体
にアルゴン雰囲気中で900℃×1時間と550℃×1
時間の熱処理を各1回施した。表1に前記熱処理後の焼
結体の分析値を、表2に実施例1と同様にして評価した
磁気特性を示す。 (比較例2)実施例2において、湿式成形体の脱油処理
後、前記2段の真空加熱処理を行わずに焼結した以外は
実施例2と同様にして熱処理した焼結体を得た。前記焼
結体の分析値および実施例1と同様にして評価した磁気
特性を表1、2に示す。表1、2において、実施例2と
比較例2の比較から、酸化の進行を阻止できる低酸素プ
ロセス(湿式成形プロセス)を採用した場合でも、前記
2段の真空加熱処理を施すことにより、Ca量および酸
素量が低減されて、密度、Br、iHc、(BH)ma
x、(Hk/iHc)が改善されることがわかる。
【0016】実施例3では鉱物油を用いた場合を記載し
たが、合成油または植物油を用いてもよい。あるいは鉱
物油と合成油、合成油と植物油、鉱物油と合成油と植物
油との混合物を用いてもよい。実施例3に記載の通り、
前記油を用いた湿式成形プロセスと前記真空加熱処理と
を併用することによって、重量%で、R−T−B系R/
D合金粉末を100%配合してなるR−T−B系希土類
焼結磁石の酸素量を0.2%未満、Ca含有量を0.0
2%未満(0を含まず)、炭素含有量を0.1%以下に
できるとともに、20℃において(BH)maxを38〜
45MGOe、iHcを18.5〜25kOe、(Hk
/iHc)を96.6〜98%、密度を7.57〜7.
65g/cmにすることも可能である。
【0017】
【発明の効果】上記のように、R−T−B系R/D合金
粉末を用いて形成した成形体に真空加熱処理を施すこと
により、従来に比べて密度および磁気特性が改善された
R−T−B系希土類焼結磁石およびその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】R−T−B系R/D合金粗粉粒子の断面組織を
示す模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元拡散法により製造されたR14
    Bを主相とするR−T−B系合金粉末(RはYを含む希
    土類元素のうちの1種または2種以上、TはFeまたは
    FeとCo)を用いて成形体を形成し、前記成形体を1
    ×10〜9×10−6Torrの真空中で850〜1
    050℃に加熱した後、焼結、熱処理、表面処理を行う
    ことを特徴とするR14Bを主相とする希土類焼結
    磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形体に、1×10〜9×10
    −6Torrの真空中で550〜650℃に加熱する1
    段目の真空加熱処理と、1×10〜9×10 −6To
    rrの真空中で850〜1050℃に加熱する2段目の
    真空加熱処理とを行う請求項1に記載の希土類焼結磁石
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、主成分がR:27〜33%
    (RはYを含む希土類元素のうちの1種または2種以
    上)、B:0.8〜1.5%、M:0.01〜1%(M
    はAl、Ga、Nbのうちの1種または2種以上)、残
    部T(TはFeまたはFeとCo)からなり、不可避に
    含有されるCa量が0.02%未満(0を含まず)、酸
    素量が0.2%未満、炭素量が0.2%以下、密度が
    7.53g/cm以上の希土類焼結磁石であって、 20℃における角型比(Hk/iHc)が95%以上、
    (BH)maxが38MGOe以上であることを特徴とする
    希土類焼結磁石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006219723A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Tdk Corp R−Fe−B系希土類永久磁石
US7199690B2 (en) 2003-03-27 2007-04-03 Tdk Corporation R-T-B system rare earth permanent magnet
KR100829986B1 (ko) * 2000-09-19 2008-05-16 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 희토류 자석 및 그 제조방법
WO2023116234A1 (zh) * 2021-12-21 2023-06-29 北京工业大学 一种固液相分离扩散工艺制备高性能钕铁硼磁体的方法

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