JP2000252044A - 面状発熱体及びその製造方法 - Google Patents

面状発熱体及びその製造方法

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JP2000252044A
JP2000252044A JP11053890A JP5389099A JP2000252044A JP 2000252044 A JP2000252044 A JP 2000252044A JP 11053890 A JP11053890 A JP 11053890A JP 5389099 A JP5389099 A JP 5389099A JP 2000252044 A JP2000252044 A JP 2000252044A
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JP
Japan
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vinylidene fluoride
resin powder
heating element
polymer
resistance
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JP11053890A
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English (en)
Inventor
Ikuo Seki
育雄 関
Hidetoshi Nemoto
英俊 根本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温域から使用温度近くまでの抵抗の温度変
化を少なくし、課電時の抵抗安定性を向上させることの
できる面状発熱体を提供する。 【解決手段】 テトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体とフッ化ビニリデン系樹脂粉末からなるポリマ
ー、前記ポリマーの100重量部に対して少なくとも
0.5重量部を含む架橋助剤、及び導電性付与材を混和
した組成物を溶媒に分散させて塗料とする。この塗料を
耐熱性のPPS基板1に塗布し、発熱体3a,3bとす
る。ついで、発熱体3a,3bを塗布したPPS基板1
を放射線で架橋し、さらに前記フッ化ビニリデン系樹脂
粉末の融点以上に加熱して硬化させる。これにより、低
温域から使用温度近くまでの抵抗値の温度変化を小さく
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面状発熱体及びそ
の製造方法に関し、特に、ヒータ等の電気暖房器具に用
いられる面状発熱体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気を用いた暖房器具に用いられるヒー
タ(electric heater) は、火災等に対する高度の安全性
が要求される。そこで、ニクロム線を用いたヒータとは
異なり、周囲温度の上昇に伴って電気抵抗が上昇し、発
熱量を低下させる機能、すなわち、PTC(Positive T
emperature Coefficient)特性を持った発熱体が広く用
いられている。耐熱性を有する発熱体組成物として、従
来より、シリコーンゴムに導電性付与材を添加し、架橋
したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の面状発
熱体によると、シリコーンゴムを用いた場合、高温部で
も十分な出力を与えようとすると、低温での抵抗の温度
依存性が大き過ぎるため、低温域の抵抗が異常に低くな
る。その結果、電源スイッチオン時の突入電流が大きく
なり、これに伴って課電時の抵抗の長期安定性が劣ると
いう問題がある。
【0004】したがって、本発明の目的は、低温域から
使用温度近くまでの抵抗の温度変化を少なくし、課電時
の抵抗安定性を向上させることのできる面状発熱体及び
その製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、第1の特徴として、耐熱性の基板と、テ
トラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とフッ化ビ
ニリデン系樹脂粉末からなるポリマー、前記ポリマーの
100重量部に対して少なくとも0.5重量部を含む架
橋助剤、及び導電性付与材を混和した組成物を溶媒に分
散させたものを前記基板に所定の形状に塗布した後、放
射線で架橋し、前記フッ化ビニリデン系樹脂粉末の融点
以上に加熱して形成した発熱部を備えたことを特徴とす
る面状発熱体を提供する。
【0006】この構成によれば、テトラフルオロエチレ
ン−プロピレン共重合体に粉末にしたフッ化ビニリデン
系樹脂をブレンドすることにより、フッ化ビニリデン系
樹脂の粉末はテトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体に内に均一に分散され、フッ化ビニリデン系樹脂の
融点近くまでの発熱部の抵抗変化を小さくすることがで
きる。この結果、電源スイッチを入れた際の発熱部への
突入電流が低減され、長期間の課電による使用でも、出
力の安定性が高められる。
【0007】本発明は、上記の目的を達成するため、第
2の特徴として、テトラフルオロエチレン−プロピレン
共重合体とフッ化ビニリデン系樹脂粉末からなるポリマ
ーと、前記ポリマーの100重量部に対して少なくとも
0.5重量部を含む架橋助剤と、導電性付与材とを混和
した組成物を溶媒に分散して塗料にし、前記塗料を耐熱
性の基板上に塗布し、前記塗料を塗布した基板を放射線
で架橋し、前記架橋後の基板を前記フッ化ビニリデン系
樹脂粉末の融点以上に加熱することを特徴とする面状発
熱体の製造方法を提供する。
【0008】この方法によれば、粉末にしたフッ化ビニ
リデン系樹脂とテトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体をブレンドすることにより、フッ化ビニリデン系
樹脂の粉末はテトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体に均一に分散され、フッ化ビニリデン系樹脂の融点
近くまでの発熱部の抵抗変化が小さくなる。この結果、
電源スイッチを入れた際の発熱部への突入電流が低減さ
れ、長期間の課電による使用でも、出力の安定性が高め
られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の面状発熱体及びその製造方法は、
テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体と、フッ
化ビニリデン系樹脂粉末からなるポリマー100重量部
に対し、架橋助剤を少なくとも0.5重量部を含み、か
つ、導電性付与材を混和した組成物を溶媒に分散させて
塗料とし、この塗料を所定の形状を有する基板に塗付
し、さらに、放射線により架橋を行った後、前記フッ化
ビニリデン系樹脂粉末の融点以上で加熱を施して面状発
熱体を形成している。
【0010】フッ化ビニリデン系樹脂は、常温で完全に
溶解させる溶媒は存在しない。しかし、粉末状にするこ
とによって、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体中に均一に分散させることができる。これは結晶を
持つことから、テトラフルオロエチレン−プロピレン共
重合体に適量をブレンドすることにより、フッ化ビニリ
デン系樹脂の融点近くまでの抵抗値の変化を少なくする
ことができる。その結果、電源スイッチを入れた際の突
入電流が低減され、長期間の課電による使用でも、出力
の安定性を向上させることができる。
【0011】フッ化ビニリデン系樹脂粉末としては、フ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレ
ン共重合樹脂などの粉末を用いることができる。これら
は、いずれも結晶融点を持ち、その結晶融点は90〜1
80℃の範囲にある。また、フッ化ビニリデン系樹脂粉
末は、入れ過ぎると使用温度を越えてからの電気抵抗の
立上りが少なくなり、安全性が問題となる。最適なブレ
ンド量は、10〜30%の範囲である。樹脂粉末の粒径
は小さいほど好ましいが、最大でも20μmを越えない
ことが望ましい。
【0012】テトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体を溶解する溶媒としては、酢酸ブチル、テトラヒド
ロフラン、ジメチルアセトアミドなどがあげられる。導
電性付与材としては、粒径が1〜10μmのグラファイ
トまたは、グラファイト化カーボンファイバを用いるこ
とができる。これらは、一種または粒径の異なる数種を
併用してもよい。また、カーボンブラックなどと組合せ
ることも可能である。導電性付与材の添加量は、ポリマ
ー100重量部に対し、50〜200重量部の範囲内が
適している。
【0013】架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリ
テートテトラアリルピロメリテート、液状ポリブタジエ
ンなどを用いることができる。これらの内、特に、トリ
アリルイソシアヌレートは有効である。なお、架橋を放
射線架橋に規定したのは、化学架橋では十分な架橋度が
得られないためである。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。表
1は本発明による一実施例の成分表を示す。
【表1】
【0015】また、表2は本発明による面状発熱体の効
果(抵抗変化率、課電時の抵抗安定性)を示す。
【表2】
【0016】図1は本発明の面状発熱体の実施例を示
す。この面状発熱体の構成を製造方法と共に説明する。
まず、酢酸ブチルを溶媒として、表1に示した配合剤を
塗料用の三本ロール混練機を用いて撹絆し、発熱体組成
物を作製した。次に、厚さ50μmのPPS(Polyphen
ylenesulfide:ポリフェニレンスルファイド) フィルム
1の端部に、フェノール樹脂をバインダーとした銀電極
塗料(Ag塗料)を長方形にスクリーン印刷した。この
後、150℃の温度雰囲気で30分の加熱を行い、上記
銀電極塗料を硬化させ、電極2a,2bを形成した。次
に、上記撹絆によって得た発熱体組成物をPPSフィル
ム1上にメタルマスク法により、発熱部3a,3bとな
る2本の帯状の印刷を10mm間隔で行った。ついで、
80℃の温度雰囲気で3分間の乾燥処理を行い、約40
μmm厚の発熱部3を形成した。更に、20Mrad の電
子線を照射して架橋をおこなった。ついで、片面に接着
層を持った第2のPPSフィルムを180℃で熱融着し
て絶縁被膜層4を形成した。このようにして、本発明に
よる面状発熱体10を完成させた。
【0017】以上の様にして作製した面状発熱体10を
恒温槽に入れ、0℃、80℃、120℃、160℃、お
よび200℃の各温度における抵抗値を測定した。各々
の抵抗を0℃のときの抵抗と比較した結果は、表1に示
す通りである。ついで、100Vの断続課電(30分間
課電した後15分間の切断の繰り返し)を10000サ
イクル実施し、面状発熱体10の抵抗値の変化(R80/
R0 、R120 /R0 、R160 /R0 、R200 /R0 )を
調べた。
【0018】表1から明らかなように、本発明の範囲内
にある実施例1,2の組成にした場合、いずれも120
℃までの比抵抗が小さく、したがって突入電流が少なく
なり、しかも課電時の抵抗安定性が非常に優れている。
これに対し、シリコーンゴムをマトリックスにした比較
例1は、120℃までの比抵抗が非常に大きく、低温域
での突入電流が大きくなり、課電時の抵抗安定性に劣っ
ている。更に、比較例2は、フッ化ビニリデン系樹脂粉
末を含まないテトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体単独系を用いた例であるが、比較例1と同様に12
0℃までの比抵抗が非常に大きく、課電時の抵抗安定性
に劣ることがわかる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の面状発熱体
及びその製造方法によれば、粉末にしたフッ化ビニリデ
ン系樹脂とテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合
体をブレンドすることにより、フッ化ビニリデン系樹脂
の粉末はテトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体
に内に均一に分散され、フッ化ビニリデン系樹脂の融点
近くまでの発熱部の抵抗変化が小さくなるので、電源ス
イッチを入れた際の発熱部への突入電流が低減され、長
期間の課電による使用でも、出力の安定性が高められ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面状発熱体の実施例を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 PPSフィルム 2a,2b 電極 3a,3b 発熱部 4 絶縁被膜層 10 面状発熱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の基板と、 テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体とフッ化
    ビニリデン系樹脂粉末からなるポリマー、前記ポリマー
    の100重量部に対して少なくとも0.5重量部を含む
    架橋助剤、及び導電性付与材を混和した組成物を溶媒に
    分散させたものを前記基板に所定の形状に塗布した後、
    放射線で架橋し、前記フッ化ビニリデン系樹脂粉末の融
    点以上に加熱して形成した発熱部を備えたことを特徴と
    する面状発熱体。
  2. 【請求項2】 前記架橋助剤は、トリアリルイソシアヌ
    レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリ
    テートテトラアリルピロメリテート、又は液状ポリブタ
    ジエンであることを特徴とする請求項1記載の面状発熱
    体。
  3. 【請求項3】 前記フッ化ビニリデン系樹脂粉末は、そ
    の混和量が10〜30%であることを特徴とする請求項
    1記載の面状発熱体。
  4. 【請求項4】 テトラフルオロエチレン−プロピレン共
    重合体とフッ化ビニリデン系樹脂粉末からなるポリマー
    と、前記ポリマーの100重量部に対して少なくとも
    0.5重量部を含む架橋助剤と、導電性付与材とを混和
    した組成物を溶媒に分散して塗料にし、 前記塗料を耐熱性の基板上に塗布し、 前記塗料を塗布した基板を放射線で架橋し、 前記架橋後の基板を前記樹脂粉末の融点以上に加熱する
    ことを特徴とする面状発熱体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020521272A (ja) * 2017-05-24 2020-07-16 ベバスト エスエーWebasto SE 加熱装置、それを製造する方法及び動作させる方法、並びにその使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020521272A (ja) * 2017-05-24 2020-07-16 ベバスト エスエーWebasto SE 加熱装置、それを製造する方法及び動作させる方法、並びにその使用

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