JP2002117962A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP2002117962A
JP2002117962A JP2000306088A JP2000306088A JP2002117962A JP 2002117962 A JP2002117962 A JP 2002117962A JP 2000306088 A JP2000306088 A JP 2000306088A JP 2000306088 A JP2000306088 A JP 2000306088A JP 2002117962 A JP2002117962 A JP 2002117962A
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JP
Japan
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heating element
melting point
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ethylene
temperature
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JP2000306088A
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English (en)
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Ikuo Seki
育雄 関
Shinya Morishita
信哉 森下
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融点以上での出力増加や課電時の出力低下を
抑制し、長期間課電しても出力上昇がなく温度上昇性の
良好な面状発熱体を提供する。 【解決手段】 結晶融点が90℃以上のエチレン−エチ
ルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体及び球状
カーボンを含む組成物をキシレンに溶解分散した塗料を
PETフィルムに塗布し放射線を照射して架橋するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面状発熱体に関
し、特に、建材用、主として融雪用に用いられる高出力
の自己温度制御性の面状発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、結晶性ポリマー、導電性物質、お
よび架橋剤その他の添加剤からなる材料組成物を基材に
塗布して形成され、正温度係数(Positive Temperature
Coefficient:PTC)を有する面状発熱体が知られて
おり、発熱性および火災に対する安全性に優れる建材用
のヒータとして用いられている。
【0003】PTC特性を有する面状発熱体は、一定温
度を越えると抵抗変化が大になることによって発熱体の
通電量が制限される自己温度制御性を有する。低温雰囲
気下ではスイッチを入れたときに流れる電流(突入電
流)が大きいため、温度上昇性が向上する。また、一定
温度以上では異常加熱を生じにくいことから、発熱体の
耐久性が向上する。
【0004】このような面状発熱体を建材用として用い
る場合には、面状発熱体としての良好な形成性を有する
ことが重要であり、そのためには材料組成物が溶剤に溶
解分散する塗料であることが要求される。
【0005】このような要求を満たすものとして、例え
ば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)などの結晶
性のポリマに導電性付与材を添加した面状発熱体組成物
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の面状発
熱体によると、外部温度が上昇して融点以上に達すると
結晶構造が不均一化し、そのことによって比抵抗が低下
して課電に伴う出力増加が生じることがあるため、面状
発熱体が異常加熱し、場合によっては発火する恐れがあ
るという問題がある。また、通電開始時の突入電流が大
きいため、面状発熱体の負荷が大になって劣化が促進さ
れてしまうという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は、融点以上での出
力増加や課電時の出力低下を抑制し、長期間課電しても
出力上昇がなく温度上昇性の良好な面状発熱体を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を実
現するため、結晶融点が90℃以上のエチレン−エチル
アクリレート−無水マレイン酸三元共重合体及び導電性
付与材を含む組成物を溶媒に溶解分散した塗料をフィル
ム上に塗付した後、放射線を照射して架橋することによ
って形成した面状発熱体を提供する。
【0009】本発明によると、エチレン系共重合体をマ
トリックスとする面状発熱体組成物に放射線照射による
架橋処理を施すことによって、融点以上の出力増加およ
び課電時の出力低下を抑制することができる。また、面
状発熱体組成物の融点を90℃以上に設定することで溶
媒への溶解性を確保しながら充分な出力を有し、長期に
わたって出力特性の安定した面状発熱体を得ることがで
きる。
【0010】エチレンエチルアクリレート−無水マレイ
ン酸三元共重合体の融点は、90℃から110℃の範囲
であることが好ましい。その理由として、90℃以下で
は、十分な出力を持ち、かつ長期にわたって安定した出
力特性を有する発熱体が得られないことによる。また、
110℃以上では溶剤への溶解性が劣り、塗布が困難と
なる。
【0011】結晶融点は、示差走査熱量計(DSC)に
より測定される。融点が90℃以上のエチレンエチルア
クリレート−無水マレイン酸三元共重合体は単独でも良
いが、他のエチレン系共重合体が混合されていても良
い。混合するエチレン系共重合体は融点が90℃以下の
ものでも良い。無水マレイン酸が入ることにより、電極
やPETフィルムヘの密着性が向上し、長期の課電時の
出力安定性が向上する。
【0012】発熱体組成物塗料に架橋処理を施すことに
よって、融点以上での出力増加や課電時の出力低下が抑
えられる。化学架橋では加圧しないと発泡するため、連
続製造がしにくく、放射線架橋とする必要がある。ま
た、架橋効率を向上するためトリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート(TMPTA)、ポリブタジエンなど
の架橋助剤を添加しても良い。
【0013】融点が90℃以上のエチレンエチルアクリ
レート−無水マレイン酸三元共重合体を溶解する溶媒と
しては、沸点が120℃以上の芳香族環を含む炭化水素
系の化合物がポリマの溶解性に優れ、かつ、塗付作業性
に優れることから好ましい。これに合致するものとして
キシレンの他に、トルエン等が挙げられる。
【0014】導電性付与材としては、一般に、平均粒径
が3μmから10μmの球状カーボン、繊維状カーボ
ン、または板状のグラファイト等が使用される。添加量
は通常ポリマ100重量部に対し、40〜50重量部添
加される。また、上記した組成以外に酸化防止剤等を適
量添加しても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の面状発熱体を図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】表1に示す配合剤(HX−8210:住友
化学工業(株)製,融点100℃,MFR200、HX
−8290:住友化学工業(株)製,融点82℃,MF
R150、MB−11(EVA):住友化学工業(株)
製,VA量32%,融点60℃,MFR60、MC10
20(球状カーボン):日本カーボン(株)製)をキシ
レンを溶媒として攪拌し、ビーズミル混練機にて分散
し、発熱体組成物塗料を得た。なお、エチレン−エチル
アクリレート−無水マレイン酸三元共重合体(本実施の
形態においてHX−8210およびHX−8290)は
常温では溶解しないことから、予め60℃の溶媒中に一
晩浸漬して溶解させた。次に、厚さ100μmのPET
フィルムにエポキシ樹脂をバインダーとした銀電極塗料
をスクリーン印刷し、125℃で15分加熱して硬化さ
せることにより電極が印刷されたPETフィルムを得
た。なお、本実施例および比較例ではMB−11を用い
ていないが、含まれないという意味で記載している。
【表1】
【0017】次に、前述の発熱体組成物塗料を50℃に
加熱し、ダイコート法でPETフィルム上に印刷後、8
0℃で10分乾燥することで、厚さが約30μmの面状
発熱体を形成し、10Mradの電子線を照射して発熱
体組成物塗料を架橋させた。架橋後、常温で接着可能な
接着層を有するPETフィルムで覆い絶縁層とすること
によって面状発熱体を形成した。
【0018】図1は、上記した面状発熱体を恒温槽に入
れ、0℃、40℃、60℃、80℃、100℃、および
120℃の各温度における抵抗を0℃の抵抗と比較した
結果を示す。
【0019】図2は、上記した面状発熱体について、交
流100Vでの30分課電−15分切断の断続課電を1
0000サイクル実施して出力変化を調べた結果を示
す。
【0020】その結果、実施例1および2の組成による
と、図1に示すように、0℃から60℃にかけての温度
で抵抗変化の増加が抑えられており、60℃以上では比
抵抗が増加する特性を示している。このことにより低温
条件下での通電時における突入電流を小にして面状発熱
体にかかる負荷を低減させるとともに、良好な温度上昇
性が付与される。また、融点を越えても結晶構造が安定
しているので、比抵抗が低下することがなく、高温条件
下でも良好な通電制御性が得られている。また、図2に
示すように、課電時の出力安定性は長期間安定してお
り、出力の低下もごく僅かである。このことから良好な
PTC特性を示すことがわかる。
【0021】これに対し、比較例1では、結晶融点が8
2℃と低いタイプのエチレン−エチルアクリレート−無
水マレイン酸三元共重合体を用いたものであるが、課電
により、比較的短時間で出力が低下している。また、比
較例2では、結晶融点が100℃と高いタイプのエチレ
ン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体
を用いているが架橋していないことにより、融点以上で
比抵抗が低下しており、課電とともに出力が徐々に上昇
している。
【0022】上記した実施の形態によると、結晶融点が
90℃以上のエチレン−エチルアクリレート−無水マレ
イン酸三元共重合体に、球状カーボン等の導電性付与材
を混合してキシレン等の溶媒に溶解分散した発熱体組成
物塗料をPETフィルム上に塗付し、このPETフィル
ムに放射線を照射して発熱体組成物塗料を架橋するよう
にしたので、自己温度制御性に優れ、外部温度の上昇等
によって融点以上の温度に曝されたとしても結晶構造が
不均一になることがなく、長期にわたって出力特性の安
定した面状発熱体を提供することが可能になる。
【0023】また、低温では抵抗変化が小になることに
よって低温時からの良好な温度上昇性を有するので、特
に、融雪用としての望ましい特性が付与される。
【0024】また、発熱体組成物塗料を放射線によって
架橋するようにしたので、化学架橋時に生じる発泡を抑
制するための加圧等の措置を不用にできることから面状
発熱体の生産性を向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の面状発熱体
によると、結晶融点が90℃以上のエチレン‐エチルア
クリレート‐無水マレイン酸三元共重合体に導電性付与
材を混合して溶媒に溶解分散した塗料を放射線で架橋す
るようにしたため、融点以上での出力増加や課電時の出
力低下を抑制し、長期間課電しても出力上昇がなく温度
上昇性を向上させることができる。また、正温度係数
を、例えば、60℃以下では小さく抑えることができた
ので、電流突入時における抵抗の低下を抑えることがで
きる。その結果、突入電流を小さくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る面状発熱体の温度−
比抵抗の関係を示すグラフ
【図2】本発明の実施の形態に係る面状発熱体の課電時
間−相対出力の関係を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA05 AA07 BA08 BA13 BB08 BB13 BC03 BC12 BC16 CA03 CA22 HA01 HA09 3K092 PP20 QA05 QB15 QB18 QB21 QB31 QB76 QB79 QC07 RF02 RF14 RF17 RF26 VV33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶融点が90℃以上のエチレン−エチ
    ルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体及び導電
    性付与材を含む組成物を溶媒に溶解分散した塗料をフィ
    ルム上に塗付した後、放射線を照射して架橋することに
    よって形成したことを特徴とする面状発熱体。
  2. 【請求項2】 前記エチレン−エチルアクリレート−無
    水マレイン酸三元共重合体は、結晶融点が90℃〜11
    0℃であることを特徴とする請求項第1項記載の面状発
    熱体。
  3. 【請求項3】 前記フィルムはポリエチレンテレフタレ
    ート(PET)フィルムであることを特徴とする請求項
    第1項記載の面状発熱体。
JP2000306088A 2000-10-05 2000-10-05 面状発熱体 Pending JP2002117962A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101190104B1 (ko) 2007-10-23 2012-10-11 가부시키가이샤 호시노산쇼 도료 및 상기 도료를 사용한 면상 발열체
JPWO2022054720A1 (ja) * 2020-09-14 2022-03-17

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