JP2000249757A - 通信システムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法、この推定方法を利用した受信機および送信機 - Google Patents

通信システムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法、この推定方法を利用した受信機および送信機

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JP2000249757A
JP2000249757A JP2000021976A JP2000021976A JP2000249757A JP 2000249757 A JP2000249757 A JP 2000249757A JP 2000021976 A JP2000021976 A JP 2000021976A JP 2000021976 A JP2000021976 A JP 2000021976A JP 2000249757 A JP2000249757 A JP 2000249757A
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David Motier
デビィッド・モティエ
Nicolas Voyer
ニコラ・ボワィエ
Damien Castelain
ダミアン・キャステラン
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MITSUBISHI ELECTRIC INF TECHNOL CENTER EUROP BV
Mitsubishi Electric Information Technology Corp
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    • G01S11/10Systems for determining distance or velocity not using reflection or reradiation using radio waves using Doppler effect

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 送信機と受信機間で送信される信号を処理す
ることによって、通信システムの移動局の移動速度を推
定することを可能にする受信機の相対移動速度の推定方
法、および、この推定方法を利用した受信機と送信機を
提案する。 【解決手段】 この発明は、通信システムのチャネル3
0を介して、また搬送波によって、相互通信を行う送信
機10と受信機20の相対移動速度を推定する方法に関
するものである。この方法は、送信機10と受信機20
との間のチャネル30内で、送信機10によって送信さ
れた信号の振幅または出力の変化を分析し、前記の変化
から、搬送波が受けるドップラー・シフトを演繹し、そ
こから前記移動速度を演繹するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無線セルラー・ネ
ットワークのような通信システムの、相互通信における
受信機の相対移動速度の推定方法、および、この推定方
法を利用した受信機と送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】無線セルラー・ネットワークのような通
信システムにおいて、移動中の送信機(または受信機)
は通信システムの移動局内に設置され、一方、受信機
(または送信機)は基地局に設置されている。
【0003】このようなシステムでは、通信は無線リン
クによって行われるので、移動局は移動中に通信するこ
とができる。しかし、通信プロセスにおける移動局の移
動の結果、情報の送信に影響を及ぼすドップラー・シフ
トと呼ばれる障害が発生する。このドップラー・シフト
に起因する劣化は移動局の移動速度と直接相関する。
【0004】基地局と移動局の双方とも、移動局の移動
速度を掌握することにより、送信パラメタを最適化し、
かつ移動局の移動による通信プロセスで用いられる信号
処理機能を調整することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなシステムで
は、上述のように通信プロセスにおける移動局の移動の
結果、情報の送信に影響を及ぼすドップラー・シフトと
呼ばれる障害が発生する。
【0006】この発明の目的は、送信機と受信機間で送
信される信号を処理することによって、通信システムの
移動局の移動速度を推定することを可能にする相互通信
における受信機の相対移動速度の推定方法、および、こ
の推定方法を利用した受信機と送信機を提案することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る通信シス
テムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方
法は、通信システムのチャネルを介して、また搬送波を
利用して、相互通信を行う送信機と受信機の相対移動の
速度を推定する方法において、送信機と受信機との間の
チャネル内での、送信機によって送信される信号の振幅
または出力の変化を分析するステップと、変化から、搬
送波が受けるドップラー・シフトを演繹し、それから相
対移動の速度を演繹するステップとを有する。
【0008】また、分析は、チャネルの出力の変化の統
計的特性および/またはスペクタル特性を評価するステ
ップを有する。
【0009】また、ある時点(n)および所定数の遅延
(i)ごとに、時点(n)および時点(n)に対して遅
延(i)時間だけ遅延した時点(n+i)に導出された
チャネル出力(C(n))の自己共分散を判定するステ
ップと、自己共分散が最初にその最小値に達するまでの
遅延(io)を判定するステップと、遅延(io)からド
ップラー・シフト(ωd(n))を演繹するステップと
を有する。
【0010】また、自己共分散が最初にその最小値に達
するまでの遅延(io(n))を判定するために、ある
時点(n)から、またチャネル出力のN個のサンプル
(C(n+j)、但しj=1からN)について、下記の
数式、
【0011】
【数6】
【0012】となるように遅延(io(n))を判定す
るステップを有する。
【0013】また、遅延(io(n))を判定するため
に、チャネル出力の自己共分散のそれぞれの導関数の符
号が反対である2つの連続的な遅延を判定するステップ
と、2つの遅延からの直線補外によって遅延(io)を
計算するステップとを有する。
【0014】また、チャネル出力(C(n))のN個の
サンプル列から、ゼロ値から最大値(imax)まで変化
する遅延(i)について各々がチャネル出力(C
(n))の自己共分散の導関数(Cov’〔C(n),
C(n+i)〕)を表す所定数(i max+1)の一連の
推定値を判定するステップと、自己共分散の導関数(C
ov’〔C(n),C(n+io(n))〕)がゼロで
ある遅延(io(n))を判定するステップと、遅延
(io(n))からドップラー・シフト(ωd(n))を
演繹するステップとを有する。
【0015】また、列内のサンプル数Nは、送信機と受
信機の相対速度の推定範囲、および/または送信機と受
信機の相対加速度の推定範囲、および/または出力制御
コマンド信号の送信の規則性に基づいて調整可能であ
る。
【0016】また、チャネル出力(C(n))の自己共
分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕、
但しi=0からimax)の所定数(imax+1)の推定値
は、送信機と受信機の相対速度の推定範囲、および/ま
たは送信機と受信機の相対加速度の推定範囲、および/
または出力制御コマンド信号の送信の規則性に基づいて
調整可能である。
【0017】また、チャネル出力(C(n))の自己共
分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕)
を推定するために、チャネル出力(C(n))の自己共
分散の導関数(RC(n)〔i〕)を推定するステップを有
する。
【0018】また、遅延(io(n))を判定する前
に、低域フィルタで、チャネル出力(C(n))の自己
共分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+
i)〕)の、またはチャネル出力(C(n))の自己共
分散の導関数(R’C(n)〔i〕)の(imax+1)個の
推定値をフィルタリングするステップを有する。
【0019】また、フィルタは各遅延(i)について、
下記の関係式
【0020】
【数7】
【0021】(但し、αは忘却係数)
【0022】によって得られる濾波値(R’
C(n)〔i〕)を送出する。
【0023】また、忘却係数(α)は、チャネルの推定
送信ノイズ・レベルに従って、または閉ループ出力制御
プロセスに必要な信号/干渉比の評価の結果に従って調
整可能である。
【0024】また、チャネル出力(C(n))のサンプ
ル列内のサンプル数(N)は、忘却係数(α)によって
導出された値に基づいて調整可能である。
【0025】また、チャネル出力(C(n))の自己共
分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕、
i=0からimax)の所定数(imax+1)の推定値は、
忘却係数(α)によって導出された値に基づいて調整可
能である。
【0026】また、遅延(io)を判定するために、チ
ャネル出力の自己共分散のそれぞれの導関数の符号が反
対である2つの連続的な遅延を判定するステップと、2
つの遅延から、直線補外によって遅延(io)を計算す
るステップとを有する。
【0027】また、ドップラー・シフト(ωd(n))
は、各遅延(io)に対応するドップラー・シフト
(ωd)を記載した表によって判定される。
【0028】また、ドップラー・シフト(ωd(n))
は下記の形式の実験式
【0029】
【数8】
【0030】(但し、Kは例えば送信条件に応じて調整
可能である実数の集合内の定数)
【0031】によって判定される。
【0032】また、実験式の定数Kは、フィルタの忘却
係数(α)によって導出される値に基づいて調整可能で
ある。
【0033】また、チャネル出力(C(n))の出力ス
ペクトル密度を判定してチャネル出力(C(n))の周
波数スペクトルを求めるステップと、スペクトルの周波
数のうち、スペクトルが所定レベルを上回るレベルを有
している最大周波数(fo)を判定するステップと、周
波数(fo(n))からドップラー・シフト(ω
d(n))を演繹するステップとを有する。
【0034】また、周波数スペクトルの最大周波数を除
去するステップを有する。
【0035】また、出力制御システムを使用して受信機
が送信機に制御信号(TC(n))を送信することによ
って、受信機によって受信される出力が所要出力にほぼ
等しくなるように、送信機がその送信出力を指令するよ
うにした出力制御システムを搭載した通信システムの受
信機で使用される種類の、上記に記載の推定方法におい
て、下記の関係式
【0036】
【数9】
【0037】(但し、nは時間変数、zはz変換変数、
xは送信機(10)によって送信された信号が受信機
(20)によって受信される時間と、制御信号が送信機
(10)によって受信される時間との総遅延時間)
【0038】によって、チャネル出力(C(n))を受
信出力(R(n))の関数として評価するステップを有
する。
【0039】また、出力制御システムを使用して受信機
が送信機に制御信号(TC(n))を送信することによ
って、受信機によって受信される出力が所要出力にほぼ
等しくなるように、送信機がその送信出力(T(n))
を指令するようにした出力制御システムを搭載した通信
システムの送信機で使用される種類の、上記に記載の推
定方法において、下記の数式
【0040】
【数10】
【0041】に基づいて、送信機によって送信される出
力((T(n))の自己共分散の導関数(Cov’〔C
(n),C(n+i)〕)に等しくすることによってチ
ャネル出力の自己共分散の導関数(Cov’〔C
(n),C(n+i)〕)を推定するステップを有す
る。
【0042】また、出力制御システムを搭載していない
通信システムの受信機で使用される種類の、上記に記載
の推定方法において、チャネル出力(C(n))の変化
を受信機20によって受信された出力(R(n))の変
化に等しいものと推定するステップを有する。
【0043】また、着信方向と発信方向の双方で相互通
信を行う固定局と移動局との間で利用される、上記に記
載の推定方法において、ドップラー・シフトを判定する
ために、上記に記載の推定方法を採用して、着信チャネ
ルと発信チャネルの各々のドップラー・シフトを推定す
るステップと、それによって得られたシフトを結合する
ステップとを有する。
【0044】また、結合は、重み付き加算である。
【0045】また、この発明に係る受信機においては、
受信機がチャネル(31)を使用して送信機(10)か
ら受信した出力を測定する装置(22)と、受信した出
力を所要出力と比較し、送信機(10)に制御信号(T
C(n))を送信して、受信機により受信された出力が
所要出力にほぼ等しくなるようにその送信出力(T
(n))を指令するようにした装置(21)とを有す
る、送信機との通信を開始することが可能な通信システ
ムの受信機において、受信機は、受信された出力に関す
る情報、および制御信号からチャネルの出力を推定する
装置(23)と、上記に記載の推定方法を利用して、か
つ装置(23)により送出されたチャネル出力の推定値
に基づいて、ドップラー・シフト推定値信号を発する装
置(24)をさらに有する。
【0046】さらに、この発明に係る送信機において
は、送信機がこれと通信中の受信機から制御信号(RC
(n))を受信し、かつ受信機によって受信された出力
が所要出力にほぼ等しくなるようにその送信出力を指令
する、受信機との通信を開始することが可能な通信シス
テムの送信機において、送信機は、上記に記載の推定方
法を利用して、送信機によって送信された出力に関する
信号に基づいてドップラー・シフト推定値信号を発する
装置(13)を有する。
【0047】
【発明の実施の形態】この発明の前述の特徴、およびそ
の他の特徴は、添付図面を参照した説明を読むことによ
ってより明解に理解されよう。
【0048】以下の説明では、時間tと共に変化する数
量が用いられる。しかし、この発明の方法を実施するた
めに行われる計算は、ディジタル計算、すなわち離散数
量を用いる計算である。このように、時間tはタイム・
スロットと呼ばれる素時間間隔から構成されている。
【0049】このような理由から、ディジタル時間変数
を一般的な意味で表わす場合、文字nが用いられ、nは
整数である。
【0050】更に、以下の説明では、出力はデシベルで
表され、大文字で記述される。
【0051】更にz変換も用いられる。タイム・スロッ
ト{0,1,...n,...}中、それぞれ数値{f
(0),f(1),...f(n)}を取る信号のz変
換は複素数zの下記の関数であることに留意されたい。
【0052】
【数11】
【0053】xのタイム・スロット遅延関数のz変換は
関数1/Zx=Z-xであることに留意されたい。
【0054】この発明は図1に示した種類の通信システ
ムに適用することができる。このシステムは送信機10
と、チャネル30と、受信機20とを有している。例え
ば、当該送信機10は無線通信ネットワークの基地局に
設置され、受信機20は移動局に設置され、またはその
逆のこともある。
【0055】送信機10は、脈動搬送波ωo(後述の[基
礎I]を参照)で、かつ指数n(nは整数)のタイム・
スロットで信号s(n)を送信し、その送信出力T
(n)はチャネル30内で時間と共に変化する出力変調
C(n)がなされる。このように、送信機20は、信号
y(n)を受信し、その出力R(n)は、全ての出力数
値がデシベルで表されるとしたとき、送信機10によっ
て送信される出力T(n)とチャネル30内での出力変
調C(n)との和によって示され、すなわち、デシベル
で表される下記の関係式によって得られる。
【0056】
【数12】
【0057】以下、出力変調C(n)をチャネル30の
出力とする。この発明に基づいて、送信機10と受信機
20の相対移動速度の推定は、送信機10と受信機20
の間のチャネル内での、(デシベルで表されるか否かを
問わず)出力C(n)の、または前記送信機10によっ
て送信された信号の振幅の変化を分析するステップと、
この分析から、脈動搬送波ωoが受けるドップラー・シ
フトωd(n)を演繹し、そこから前記速度を演繹する
ステップ([基礎I]を参照)によって行われる。
【0058】前記分析は、前記チャネル30の出力C
(n)の変化の統計的特性および/またはスペクトル特
性の評価によって行われる。
【0059】特に、受信機20によって受信される出力
を制御し、かつ送信機10によって送信された信号の出
力T(n)が時間と共に変化しないとの想定がなされる
システムを有していない、図1に示した通信システムの
場合、チャネルの出力C(n)の変化は受信機20によ
って受信された信号y(n)の受信出力R(n)の変化
でもあることに留意されたい。
【0060】この発明に基づいて、移動局の移動による
(ωd(n)で示される)ドップラー・シフトの判定
は、各時点(n)において、送信機10と受信機20の
間のチャネル30に起因し、かつ時点(n)およびこの
時点(n)に対して前記遅延時間iだけ遅延した時点
(n+1)に導出されたチャネル出力(C(n))の自
己共分散(autocovariance)を遅延iの関数として判定
するステップと、前記自己共分散が最初にその最小値に
達するまでの遅延io(n)を判定するステップと、そ
こからドップラー・シフト(ωd(n))を演繹するス
テップによって行われる。
【0061】なお、時点n、および時点nに対して前記
遅延時間iだけ遅延した時点n+1に導出されたチャネ
ル出力(C(n))の自己共分散(autocovariance)
は、下記の方程式によって算出されることに留意された
い。
【0062】
【数13】
【0063】上記の方程式で、Eは数学的期待値であ
り、RC(n)はチャネル出力(C(n))の自己相関関数
である。ドップラー・シフト(ωd(n))は下記のよ
うな簡略化された関係式によって算出されることを示す
ことが可能であった(後述の[基礎I]を参照)。
【0064】
【数14】
【0065】(但し、Kは理論上3.8317に等しい
定数である)
【0066】以下に明らかになるように、ドップラー・
シフト(ωd(n))は、例えば、定数Kの実験値を斟
酌することによって、または、同様に例えば各遅延io
に対応するドップラー・シフトωdを示す表によって、
遅延値io(n)の値から演繹される。
【0067】自己共分散(Cov〔C(n),C(n+
i)〕)が最小または最大である遅延の判定は、自己共
分散の導関数がゼロである遅延iの値を探索することに
よって行われることは公知である。
【0068】更に、時点nでの共分散の最初のゼロでは
ない極値の位置の判定は、自己相関関数RC(n)〔i〕の
最初のゼロではない極値の、すなわちその下記のような
導関数がゼロである遅延ioの位置の判定と同じである
ことを示すことが可能であった(後述の[基礎II]を参
照)。
【0069】
【数15】
【0070】このことは下記のようにio(n)の値を
判定することになることを示すことが可能であった(こ
れも[基礎II]を参照)。
【0071】
【数16】
【0072】例えば、最小の非ゼロの正数であり、従っ
て自己相関の導関数RC(n)〔io(n)〕がゼロとなる
遅延io(n)を判定するためには、連続する2つの遅
延aとbの自己相関の導関数が反対の符号であるよう
に、連続する2つの遅延aとbを判定する。
【0073】
【数17】
【0074】従って連続する2つの整数は下記のように
求められる。
【0075】
【数18】
【0076】(但し、b=a+1)
【0077】次に、aとbを判定した後、直線補間によ
ってio(n)が計算される。すなわち、
【0078】
【数19】
【0079】[基礎I]および[基礎II]を参照すれば明
らかになるように、ここに記載している本発明の方法
は、同じ単一の伝搬遅延τを受けた1組の経路で信号が
伝搬されるという仮定に基づいている。実際には、信号
の伝搬は異なる時点に受信機に到達する多重経路によっ
て行われる。その場合、この方法は平均的なドップラー
・シフトを説明する。
【0080】図2はこのように4つの連続的ステップに
区分されたこの発明の方法のブロック図を示している。
【0081】ステップ41で、nの時点について、チャ
ネル出力C(n)のN個のサンプル列から、また、ゼロ
値(i=0)と所定の最大値(i=imax)との間の値
を有する各遅延iごとに、ゴー・チャネル31の出力C
(n)の自己相関の導関数の推定値R’C(n)〔i〕が計
算される。チャネル出力の自己共分散の導関数のこのよ
うな推定値は下記のように記載することができる(後述
の[基礎II]を参照)。
【0082】
【数20】
【0083】各推定値ごとに分析されたサンプル数のパ
ラメタNがとる値は、一方では結果の適正な平均を出す
ことができるような充分な数のサンプルと、他方では前
記の結果が単一のドップラー・シフトに、すなわち移動
局のゼロ加速に対応することを考慮できるような少ない
数のサンプルとの折衷でなければならない。
【0084】移動局の移動速度が一定である場合は、サ
ンプル数Nを増加する程、ステップ41で行われる推定
の信頼性は高まる。しかし、このような推定値の計算に
誘発される遅延もまた、この遅延が1つのタイム・スロ
ットの継続期間とサンプル数Nの積に等しいことから、
増大する。
【0085】一方、移動局の移動速度が可変の場合、移
動局の移動速度を計算時間中に一定であると見なすこと
ができるようにサンプル数Nを選択する必要がある。
【0086】例えば、UMTS規格の場合、タイム・ス
ロットの構造によって0.625ms(ミリ秒)毎に閉
ループ出力制御信号TC(n)を送出することが可能で
ある。従って、チャネル出力C(n)のサンプルは0.
625ms毎に更新される。そこで、計算に起因する遅
延は0.625×Nmsである。
【0087】実際には、移動局の移動速度は0.5秒の
期間、すなわちUMTSシステムでは約800のタイム
・スロット中に大幅には変化しない(10km/時未満
の変化)ものと見なすことができる。この近似計算は列
車、車、自転車または徒歩での移動に適用することがで
きる。従って、この近似計算はUMTSに当てはめる
と、800の連続するタイム・スロットが同じドップラ
ー・シフトを被ると想定することによって行われる。
【0088】それにも関わらず、実際には800のサン
プルを用いることで、瞬間的な妨害に敏感な自己共分散
の導関数が推定される。このような妨害をなくすため
に、低域フィルタを利用して推定値を平滑化する必要が
あろう(ステップ42を参照)。
【0089】分析シーケンスのサンプル数Nは例えば、
送信機10と受信機20の相対速度の予測範囲、および
/または送信機10と受信機20の相対加速度の予測範
囲に基づいて調整することができる。これは更に、出力
制御コマンド信号の送信の規則性に基づいて調整するこ
とも可能である。
【0090】処理されるべき最大遅延の値imaxは共分
散関数Cov〔C(n),C(n+i)〕の勾配の最初
の変化を検出できる値でなければならない。
【0091】この値の選択は、適用の文脈に従って行わ
れる。この値は例えば、送信機10と受信機20の相対
速度の予測範囲、および/または送信機10と受信機2
0の相対加速度の予測範囲、および/または出力制御コ
マンド信号(TC(n)の送信の規則性に基づいて調整
することができる。
【0092】UMTS規格において、共分散関数の極値
に対応する遅延ioの間隔〔0、im ax〕が存在すること
を保証するため、imax=50時間単位に設定すること
ができる。
【0093】ステップ41で計算された自己共分散の導
関数R’C(n)〔i〕の推定値に存在する推定ノイズをな
くすため、各遅延i毎に濾波値としての太文字R
C(n)〔i〕を得るための濾波ステップ42を設けること
ができる。
【0094】上記の濾波値太文字RC(n)〔i〕は例えば
下記のように表すことができる。
【0095】
【数21】
【0096】(但し、αは忘却係数(forgetting facto
r)である)
【0097】標準的には、α=0.9の場合に良好な濾
波レベルが得られる。
【0098】忘却係数(forgetting factor)αは、送
信機10と受信機20との間のチャネル30の予測ノイ
ズ送信レベルに基づいて、または閉ループ出力制御プロ
セスに必要な信号/干渉比の評価特質に基づいて調整す
ることができる。
【0099】前記分析シーケンスでのサンプル数N、お
よびパラメタの値imaxも忘却係数(α)によって導出
された値に基づいて調整可能である。
【0100】濾波の後、忘却係数αが大きい程、遅延i
に対する自己共分散の変化も大きい。濾波の後は、ドッ
プラー・シフトωd(n)(すなわち移動局の移動速
度)と遅延io(n)との間には常に全単射(bijection)
があることを確認することができる。
【0101】なお、ステップ42は任意である。
【0102】ステップ43で、先行ステップ42(また
はステップ42がない場合はステップ41)で計算され
た自己共分散の導関数の推定値がゼロである遅延i
o(n)が判定される。
【0103】この遅延io(n)の探索は、例えば既に
前述した方法で行うことができる。
【0104】imax+1のサンプル太文字RC(n)
〔0〕
から太文字RC(n)〔imax〕が利用可能であるため、ス
テップ43で、出現する導関数の推定値の符号が反対で
ある連続的な遅延値aとbが判定される。直線補間の
後、このステップ43の終わりで、観察されたNのサン
プル列C(n)に関する自己共分散の導関数の推定値の
ゼロ状態に対応する遅延の推定値io(n)が送出され
る。
【0105】ステップ44で、自己共分散曲線の勾配の
最初の変化に対応する遅延io(n)から、nの時点で
の観察シーケンスに対応するドップラー・シフトω
d(n)の推定値が送出される。可能な方法の1つは、
可能性がある遅延と、関連するドップラー・シフト(す
なわち速度)との対応関係を示した表を利用することで
ある。可能な第2の方法は、上記の関係式の1つの形式
の実験式を利用することである。
【0106】
【数22】
【0107】(但し、Kは定数である)
【0108】この実験式の定数Kは、例えばステップ4
2で用いられる前記フィルタの忘却係数αによって導出
される値に基づいて調整することができる。
【0109】移動局の移動速度の推定値が実際には約1
0km/時以内となり得ることを示すことが可能であっ
た。
【0110】送信機10と受信機20の間のチャネル3
0内での、出力C(n)、または前記送信機10によっ
て送信される信号の振幅の変化の分析は、更に前記チャ
ネル30の出力C(n)の変化のスペクトル特性の評
価、または前記出力C(n)の出力スペクトル密度の幅
の分析によっても可能であることに留意されたい。その
ためには、前記推定方法は、チャネル出力C(n)の出
力スペクトル密度を判定して前記チャネル出力C(n)
の周波数スペクトルを求めるステップと、前記スペクト
ルの周波数のうち、前記スペクトルが所定レベルを上回
るレベルを有している最高の周波数foを判定するステ
ップと、該周波数fo(n)からドップラー・シフトωd
(n)を演繹するステップと、からなっている。
【0111】好適には、前記推定方法は前記周波数スペ
クトルの最大周波数を除去するステップからなってい
る。
【0112】次に、図3に示すように通信システムが受
信機によって受信された出力の閉ループ制御のためのシ
ステムを搭載している、この発明に基づく方法の1つの
可能な実施の形態を説明する。
【0113】図3は、受信機20によって受信された出
力を制御するための前記システムを構成する構成要素を
示している。この制御システムは、送信機10側に、送
信機10の送信出力を指令するユニット11を有し、受
信機20側に、受信機20によって受信された信号y
(n)の出力R(n)と所要出力Rreqとを比較する比
較ユニット21を有している。
【0114】このシステムの動作は次のとおりである。
送信機10は指数n(nは整数)のタイム・スロットで
信号s(n)を送信し、その送信出力T(n)がゴー・
チャネル31で時間と共に変化する出力変調C(n)を
受ける。受信機20は、このように出力R(n)の信号
y(n)を受信する。受信機20は、受信された信号y
(n)の出力R(n)に基づいて、比較ユニット21内
で所要出力Rreqとの比較によって制御信号TC(n)
を発生し、この信号は次に戻りチャネル32を経て送信
機10へと送信される。戻りチャネル32では、制御信
号TC(n)は妨害を受け、その結果、送信機10によ
って受信される信号は信号RC(n)となる。
【0115】受信された制御信号RC(n)に基づい
て、送信機10は、その指令ユニット11によって、受
信機20が受信する出力R(n)が誤差は別として所要
出力に等しくなるように送信出力T(n)を指令する。
【0116】この発明の方法は送信機10、または受信
機20のいずれにおいても実施することができる。
【0117】このような実施の形態に関する機能にのみ
関して受信機20のブロック図を示した図4を参照し
て、前記方法が受信機20で実施される場合を説明す
る。
【0118】受信機20は、送信機10から受信した信
号y(n)の出力R(n)と所要出力Rreqとを比較
し、かつ制御信号TC(n)を発生するユニット21を
含んでいる。
【0119】受信機20は、受信機20が受信する信号
y(n)の出力を測定し、この測定結果を受信出力信号
R(n)の形式で送出するためのユニット22を含んで
いる。前記ユニット21は、例えば他の機能のために既
に受信機20内に搭載されており、従って、実際にはこ
の発明の方法を実施するために重複するものではないこ
とに留意されたい。
【0120】受信機は更にゴー・チャネル31(図3を
参照)内でチャネル出力C(n)を推定するためのユニ
ット23も含んでいる。
【0121】チャネル出力C(n)はデシベル単位であ
り、受信機20によって受信される出力と、送信機10
によって送信される出力の差であって、これ自体もデシ
ベルで表されることに留意されたい。従って、下記が得
られる。
【0122】
【数23】
【0123】しかし、この方程式では、受信機20はチ
ャネル出力C(n)の正確な値を掌握できないことに留
意されたい。従ってユニット23は制御信号TC(n)
に基づいて送信機10によって送信される出力T(n)
を推定することによって、チャネル出力C(n)の推定
を行う。
【0124】簡略にするため、送信機10によって送信
された信号s(n)が受信機20によって受信される時
点と、制御信号RC(n)が送信機10によって受信さ
れる時点との間には、戻りチャネル32によって全部で
xの反応遅延が誘発されるものとみなされる。このよう
に遅延xは計算時間、伝搬時間、同期化時間等の総計時
間である。更に、この戻りチャネル32での誤差は誤差
列e(n)の形式で与えられるものとみなされる。この
ように、送信機10によって受信された制御信号RC
(n)は、受信機20によって送信された制御信号TC
(n)の関数として下記のように表記することができ
る。
【0125】
【数24】
【0126】送信機10において、指令ユニット11
は、受信した制御信号RC(n)から送信出力T(n)
を指令する。
【0127】受信機20が送信機10の出力制御を制御
している場合は、離散値を有する制御信号TC(n)
は、実際にはQビットに亘って量子化された出力制御コ
マンド信号TPC(n)であり、これと対応するデシベ
ル数に基づいて、受信機20は、送信機10によって送
信された出力T(n)を増減する必要があると推定し
た。そこで出力T(n)の更新を定義する関係式は下記
のように表記することができる。
【0128】
【数25】
【0129】更に、戻りチャネル32での送信誤差e
(n)を無視すれば、下記が得られる。
【0130】
【数26】
【0131】その結果、ユニット23によって計算され
たゴー・チャネル31の出力C(n)は下記の関係式に
よって得られる。
【0132】
【数27】
【0133】これに対して、送信機10が送信出力全体
を制御している場合は、制御信号TC(n)は、Qビッ
トに亘って量子化される受信時に認められる出力偏差の
単純比較の結果得られる。そこで送信機10は、ディジ
タル伝達関数f(z)濾波によって、出力制御情報RC
(n)を処理し、受信機20で受信される出力レベルを
一定にするために生成されるべき出力制御信号TPC
(n)を評価する。従って、下記が得られる。
【0134】
【数28】
【0135】次に出力制御コマンド信号TPC(n)
は、下記のように送信された出力T(n)の計算式へと
積分される。
【0136】
【数29】
【0137】受信機20によって送出された制御信号T
C(n)は遅延xを別にすれば、出力信号制御コマンド
信号TPC(n)に近似しているものとみなすことがで
きる。
【0138】
【数30】
【0139】その結果、ユニット23によって計算され
たゴー・チャネル31のチャネル出力C(n)は下記の
関係式によって得られる。
【0140】
【数31】
【0141】受信機20は、ユニット23によって送出
されたチャネル出力C(n)の推定値に基づいて、各々
の時点nごとにドップラー・シフト推定信号ωd(n)
を送出するユニット23を供給するユニット24も有し
ている。このユニット24は上述のようなこの発明に基
づく推定方法を実行ずる。
【0142】次に図5を参照して、図3に示すようにな
閉ループ出力制御システムを搭載した通信システムの送
信機10で実行される、この発明の方法の実施の形態を
説明する。
【0143】送信機10内でのドップラー・シフトの推
定は、前述の場合とは異なり、ゴー・チャネル31によ
ってもたらされる出力C(n)の掌握に基づくもので
も、受信機20によって受信された出力に基づくもので
もない。これに対して、送信機10はこれが送信してい
る信号の出力T(n)を、出力制御の管理が何処でなさ
れていても正確に掌握する。
【0144】図5は、この発明の方法に関する機能のみ
に関連する送信機10のブロック図を示している。
【0145】送信機は、受信機20から受信した制御信
号RC(n)に基づいて、ユニット12に出力コマンド
信号を送出することにより、それが送信機10によって
送信される信号s(t)の出力をT(n)になるように
指令する。
【0146】ユニット11と12は図3に示したような
閉ループ出力制御システムの統合部品であり、この発明
を実施するために重複するものではないことを付記して
おく。
【0147】この発明の方法はユニット13で実行さ
れ、このユニットは次にnの時点でドップラー・シフト
信号ωd(n)を送出する。
【0148】総合的に、受信出力を制御するシステムが
ある場合は、送信された出力T(n)の自己共分散Co
v〔T(n),T(n+i)〕を、ゴー・チャネル31
の出力C(n)の自己共分散Cov〔C(n),C(n
+i)〕の優れた近似値であるとみなすことができるこ
とを示すことが可能であった([基礎III]を参照)。
その結果、Nのサンプル列があり、また遅延iが0とi
maxの間にある場合、推定値は次のように表記すること
ができる。
【0149】
【数32】
【0150】これは図5に示したユニット13内で実行
される機能である。次に、前述のように、前記導関数が
ゼロである最初の遅延i0(n)が探索され、この遅延
0(n)からドップラー・シフトωd(n)が演繹され
る。
【0151】図6は、送信機101と受信機201とから
なる固定局100と、送信機102と受信機202とから
なる移動局200を示している。
【0152】送信機101は、いわゆる着信方向で受信
機202と通信し、同様に送信機10 2はいわゆる発信方
向で受信機201と通信している。着信と発信のそれぞ
れの方向で、この発明に基づく推定方法を実行すること
ができる。このようにして推定されたドップラー・シフ
トの数値ωdm(n)およびωdd(n)は次に、ドップラ
ー・シフトωd(n)の推定値を判定するために組合わ
される。
【0153】例えば、この組合わせは、重み付き加算の
形式で下記のように行われる。
【0154】
【数33】
【0155】(但し、ωdm(n)およびωdd(n)はそ
れぞれ着信方向と発信方向でのドップラー・シフトの推
定値であり、α1とα2は重み係数である)
【0156】例えば、着信方向と発信方向でのこの発明
に基づく方法のそれぞれは同一局で実施される。
【0157】[基礎I]固定局(例えばセルラー・ネット
ワークの基地局)と速度Vで移動し、かつ下記のような
信号s(t)を固定局に送信している移動局との間で、
通信を行う場合を考えてみる。
【0158】
【数34】
【0159】(但し、u(t)は送信される信号の振幅
であり、ω0は無線周波数搬送波の角周波数である)
【0160】移動局と固定局との間に位置する、例えば
家屋、橋、またはその他の障害物のような障害物の結
果、送信されたこの信号s(t)は異なる経路を経て伝
搬される。指数iのこれらの経路は、それぞれ下記を特
徴とする。 減衰αi 均一分布を辿るランダムフェイズφi 伝搬遅延τi 移動局の移動による、下記のように定義されるドップラ
ー・シフトωdi ωdi=(2π)/λ・V・cos(αi) (但し、λは搬送波の波長、Vは移動局の移動速度、α
iは移動局の移動速度ベクトルへの経路iの方向の投影
角である)
【0161】実際に、固定局によって受信される信号y
(t)は、各々の方向iで受信される信号の合計であ
る。すなわち、
【0162】
【数35】
【0163】実際には、各々の時点τkで、等分布方向
(equidistributed direction)から到来したとみなされ
る1組の経路が受信機に到達する。同じ伝搬遅延τk
受けた経路の寄与をベース・バンド・モデルに集める
と、受信された信号は下記のように表される。
【0164】
【数36】
【0165】次に、係数Ak(t)は、スペクトル表記
k(f)が下記の関係式で表されるレイリー分布を辿
るものと仮定する。
【0166】
【数37】
【0167】(但し、fdは下記の関係式で定義される
最大ドップラー周波数である)
【0168】
【数38】
【0169】(但し、f0は送信周波数であり、νmax
移動局の最高速度であり、Cは光速である)
【0170】単一の組の経路が同一時点τkで到達する
ものと仮定すると、受信機でnの時点で受信される出力
は下記のように表記される。
【0171】
【数39】
【0172】C(n)の値をデシベルでC(n)として
表記すると、下記になる。
【0173】
【数40】
【0174】変数C(n)の自己共分散は下記の関係式
の1つによって定義される。
【0175】
【数41】
【0176】(但し、Covは共分散関数であり、Eは
数学的期待値であり、Rcはチャネル出力の自己共分散
関数である)
【0177】変数C(n)の自己共分散は下記の形式で
表記できることが分かる。
【0178】
【数42】
【0179】(但し、 γ=10/ln(10) ωd(n)=2πfd(n) Tbは1ビットの継続期間 J0(x)は0次のベッセル係数である)
【0180】また、下記の関係式が成り立つ。
【0181】
【数43】
【0182】このように、デシベルで表されたチャネル
出力の自己共分散Cov〔C(n),C(n+i)〕は
nの時点での移動局の移動に起因するドップラー・シフ
トω d(n)の関数である。
【0183】関数z.Φ{z,2,1}は増大し続ける
ので、自己共分散Cov〔C(n),C(n+i)〕の
最小値(あるいは最大値)は、ベッセル関数j0(x)
の最小値(あるいは最大値)である。ベッセル関数j0
(x)が最小値と最大値を有する値は表に記載される。
このように変数xが正の値(x>0)の場合、ベッセル
関数j0(x)の(xの増加に伴う)符号の最初の変化
はx=3.8317の値で生ずる。
【0184】その結果、自己共分散Cov〔C(n),
C(n+i)〕の最初の最小値または最大値は下記の方
程式を実証する伝搬遅延i0の間に出現する。
【0185】
【数44】
【0186】[基礎II]自己共分散Cov〔C(n),
C(n+i)〕の導関数Cov’〔C(n),C(n+
i)〕は下記のように表される。
【0187】
【数45】
【0188】この結果は、自己相関関数RC(n)〔i〕が
共分散Cov〔C(n),C(n+i)〕の最初の非ゼ
ロの極値の位置を判定するのに充分であることを示して
いる。
【0189】しかし、自己相関関数RC(n)〔i〕の近似
式は下記のように表される。
【0190】
【数46】
【0191】更に下記が判明すると、
【0192】
【数47】
【0193】下記の関係式が得られる。
【0194】
【数48】
【0195】最後に、下記の関係式が成り立つものと見
なすことができる。
【0196】
【数49】
【0197】[基礎III]自己共分散をnの時点、およ
び前記遅延iだけ遅延したn+iの時点で送信機によっ
て送信された出力であるとみなすと、下記の方程式が得
られる。
【0198】
【数50】
【0199】(但し、T(n)はnの時点で送信機によ
って送信された出力である)
【0200】送信機と受信機の通信システムでは、送信
機の送信出力T(n)は受信機により受信された出力R
(n)と、チャネル内の出力C(n)との関数として表
すことができる。
【0201】
【数51】
【0202】受信機によって受信される出力R(n)を
制御するシステムがある場合は、出力R(n)は誤差ε
(n)を別にすれば所要出力Rreqに等しい。
【0203】
【数52】
【0204】すなわち、
【0205】
【数53】
【0206】となる。その結果、送信機によって送信さ
れた出力の自己共分散は下記のように表すことができ
る。
【0207】
【数54】
【0208】これを展開して、数学的期待値の直線性を
当てはめることで、上記の方程式は下記になる。
【0209】
【数55】
【0210】所要出力Rreqが一定であることが判明し
ており、また、更にE〔C(n)〕=E〔C(n+
i)〕であり、かつE〔ε(n)〕=E〔ε(n+
i)〕であると想定すると、下記が得られる。
【0211】
【数56】
【0212】最後に、下記が得られる。
【0213】
【数57】
【0214】プロセスC(n)とε(n)が独立してい
るものと簡略に仮定すると、下記が得られる。
【0215】
【数58】
【0216】(但し、Cov〔C(n),C(n+
i)〕はチャネル出力の自己共分散を定義するものであ
り、Cov〔ε(n),ε(n+i)〕は出力制御シス
テムによってもたらされるノイズの自己共分散を定義す
るものである)
【0217】最後に、Cov〔ε(n),ε(n+
i)〕の項を無視できるとみなすことができる高効率の
出力制御システムであると仮定すると、下記が得られ
る。
【0218】
【数59】
【0219】このように、受信した出力R(n)を制御
するシステムがある場合は、送信された出力T(n)の
自己共分散Cov〔T(n),T(n+i)〕は、チャ
ネルによりもたららされる出力C(n)の自己共分散C
ov〔C(n),C(n+i)〕の優れた近似値である
ものとみなすことができる。
【0220】以上のことから、この発明に基づく推定方
法は、送信機と受信機との間のチャネル内での、送信機
によって送信される信号の振幅または出力の変化を分析
するステップと、前記変化から搬送波が受けるドップラ
ー・シフトを演繹し、そこから前記移動速度を演繹する
ステップと、を有することを特徴としている。そして、
前記分析は、好適には前記チャネルの出力の変化の統計
的特性および/またはスペクタル特性を評価するステッ
プからなっている。
【0221】また、この発明の別の特徴においては、前
記推定方法は、ある時点、および所定数の遅延ごとに、
前記時点、および該時点に対して前記遅延時間だけ遅延
した時点に導出されたチャネル出力の自己共分散を判定
するステップと、前記自己共分散が最初にその最小値に
達するまでの遅延を判定するステップと、前記遅延から
ドップラー・シフトを演繹するステップと、を有する。
【0222】また、この発明の別の特徴においては、チ
ャネル出力のN個のサンプル列から、チャネル出力の自
己共分散の導関数を表す所定数の一連の推定値を判定す
るステップと、前記自己共分散の前記導関数がゼロであ
る遅延を判定するステップと、該遅延からドップラー・
シフトを演繹するステップと、を有する。
【0223】また、この発明の別の特徴においては、チ
ャネル出力の出力スペクトル密度を判定して前記チャネ
ル出力の周波数スペクトルを求めるステップと、前記ス
ペクトルの周波数のうち、前記スペクトルが所定レベル
を上回るレベルを有している最大周波数を判定するステ
ップと、該周波数からドップラー・シフトを演繹するス
テップとを有する。
【0224】この発明は更に、出力制御システムを使用
して受信機が送信機に制御信号(TC(n))を送信す
ることによって、前記受信機によって受信される出力が
所要出力にほぼ等しくなるように、前記送信機がその送
信出力を指令するようにした出力制御システムを搭載し
た通信システムの受信機で使用される種類の、前述の推
定方法にも関するものである。その場合はこの方法は、
下記の関係式
【0225】
【数60】
【0226】(但し、nは時間変数、zはz変換変数、
xは送信機10によって送信された信号が受信機20に
よって受信される時間と、制御信号が送信機10によっ
て受信される時間との総遅延時間)によって、チャネル
出力(C(n))を受信出力(R(n))の関数として
評価するステップとを有している。
【0227】この発明は更に、出力制御システムを使用
して受信機が送信機に制御信号(TC(n))を送信す
ることによって、前記受信機によって受信される出力が
所要出力にほぼ等しくなるように、前記送信機がその送
信出力を指令するようにした出力制御システムを搭載し
た通信システムの送信機で使用される種類の、前述の推
定方法にも関するものである。その場合はこの方法は、
下記の関係式
【0228】
【数61】
【0229】に基づいて、前記送信機によって送信され
る出力((T(n))の自己共分散の導関数(Cov’
〔C(n),C(n+i)〕)に等しくすることによっ
てチャネル出力の自己共分散の導関数(Cov’〔C
(n),C(n+i)〕)を推定するステップを有して
いる。
【0230】この発明は更に、出力制御システムを搭載
していない通信システムの受信機で使用される種類の推
定方法にも関するものである。その場合はこの方法は、
チャネル出力の変化を前記受信機によって受信された出
力の変化に等しいものと推定するステップを有してい
る。
【0231】この発明は更に、着信方向と発信方向の双
方で相互通信を行う固定局と移動局との間で利用され
る、前述の方法にも関するものである。その場合はこの
方法は、前記ドップラー・シフトを判定するために、前
述の方法の1つを利用して、着信チャネルと発信チャネ
ルの各々のドップラー・シフトを推定するステップと、
前記シフトを例えば重み付き加算によって結合するステ
ップとを有している。
【0232】この発明は更に、受信機がチャネルを使用
して送信機から受信した出力を測定する装置と、前記受
信した出力を所要出力と比較し、かつ前記送信機に制御
信号を送信して、前記受信機により受信された出力が前
記所要出力にほぼ等しくなるようにその送信出力を指令
するようにした装置とを有する、送信機との通信を開始
することが可能な通信システムの受信機に関するもので
ある。
【0233】この発明の別の特徴においては、前記受信
機は更に、受信された出力に関する情報、および制御信
号から前記チャネルの出力を推定する装置と、前記装置
により送出されたチャネル出力の推定値に基づいて、ド
ップラー・シフト推定値信号を発する装置をさらに有し
ている。
【0234】この発明は更に、送信機がこれと通信中の
受信機から制御信号を受信し、かつ前記受信機によって
受信された出力が所要出力にほぼ等しくなるようにその
送信出力を指令する、受信機との通信を開始することが
可能な通信システムの送信機に関するものである。
【0235】この発明の別の特徴に基づいて、前記送信
機は、前記送信機によって送信された出力に関する信号
に基づいてドップラー・シフト推定値信号を発する装置
を有している。
【0236】
【発明の効果】このようなことから、この発明の相互通
信における受信機の相対移動速度の推定方法において
は、送信機と受信機間で送信される信号を処理すること
によって、通信システムの移動局の移動速度を推定する
ことを可能にする。そして、移動局の移動速度を掌握す
ることにより、送信パラメタを最適化し、かつ移動局の
移動による通信プロセスで用いられる信号処理機能を調
整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を適用できる通信システムのブロッ
ク図である。
【図2】 この発明に基づく方法のステップを示した図
である。
【図3】 受信機によって受信される出力の閉ループ制
御のためのシステムを備えた、この発明を適用できる通
信システムのブロック図である。
【図4】 この発明に基づく方法を実施可能な受信機の
ブロック図である。
【図5】 この発明に基づく方法を実施可能な送信機の
ブロック図である。
【図6】 この発明に基づく方法を実施可能な通信シス
テムのブロック図である。
【符号の説明】
10 送信機、11 指令ユニット、20 受信機、2
1 比較ユニット、30 チャネル、31 ゴー・チャ
ネル、32 戻りチャネル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコラ・ボワィエ フランス国、35700 レンヌ、アヴニュ ー・デ・ビュット・ド・コスケム 80 (72)発明者 ダミアン・キャステラン フランス国、35700 レンヌ、アヴニュ ー・デ・ビュット・ド・コスケム 80

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信システムのチャネルを介して、また
    搬送波を利用して、相互通信を行う送信機と受信機の相
    対移動の速度を推定する方法において、 前記送信機と前記受信機との間のチャネル内での、前記
    送信機によって送信される信号の振幅または出力の変化
    を分析するステップと、 前記変化から、搬送波が受けるドップラー・シフトを演
    繹し、それから前記相対移動の速度を演繹するステップ
    とを有することを特徴とする通信システムの相互通信に
    おける受信機の相対移動速度の推定方法。
  2. 【請求項2】 前記分析は、前記チャネルの出力の変化
    の統計的特性および/またはスペクタル特性を評価する
    ステップを有することを特徴とする請求項1に記載の通
    信システムの相互通信における受信機の相対移動速度の
    推定方法。
  3. 【請求項3】 ある時点(n)および所定数の遅延
    (i)ごとに、前記時点(n)および該時点(n)に対
    して前記遅延(i)時間だけ遅延した時点(n+i)に
    導出されたチャネル出力(C(n))の自己共分散を判
    定するステップと、 前記自己共分散が最初にその最小値に達するまでの遅延
    (io)を判定するステップと、 前記遅延(io)からドップラー・シフト(ωd(n))
    を演繹するステップとを有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の通信システムの相互通信における受
    信機の相対移動速度の推定方法。
  4. 【請求項4】 前記自己共分散が最初にその最小値に達
    するまでの遅延(i o(n))を判定するために、ある
    時点(n)から、またチャネル出力のN個のサンプル
    (C(n+j)、但しj=1からN)について、下記の
    数式、 【数1】 となるように遅延(io(n))を判定するステップを
    有することを特徴とする請求項3に記載の通信システム
    の相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  5. 【請求項5】 遅延(io(n))を判定するために、
    チャネル出力の自己共分散のそれぞれの導関数の符号が
    反対である2つの連続的な遅延を判定するステップと、 前記2つの遅延からの直線補外によって前記遅延
    (io)を計算するステップとを有することを特徴とす
    る請求項3または4に記載の通信システムの相互通信に
    おける受信機の相対移動速度の推定方法。
  6. 【請求項6】 チャネル出力(C(n))のN個のサン
    プル列から、ゼロ値から最大値(imax)まで変化する
    遅延(i)について各々がチャネル出力(C(n))の
    自己共分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+
    i)〕)を表す所定数(imax+1)の一連の推定値を
    判定するステップと、 前記自己共分散の前記導関数(Cov’〔C(n),C
    (n+io(n))〕)がゼロである遅延(io(n))
    を判定するステップと、 前記遅延(io(n))からドップラー・シフト(ω
    d(n))を演繹するステップとを有することを特徴と
    する請求項1または2に記載の通信システムの相互通信
    における受信機の相対移動速度の推定方法。
  7. 【請求項7】 前記列内のサンプル数Nは、送信機と受
    信機の相対速度の推定範囲、および/または送信機と受
    信機の相対加速度の推定範囲、および/または出力制御
    コマンド信号の送信の規則性に基づいて調整可能である
    ことを特徴とする請求項6に記載の通信システムの相互
    通信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  8. 【請求項8】 チャネル出力(C(n))の自己共分散
    の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕、但し
    i=0からimax)の所定数(imax+1)の推定値は、
    送信機と受信機の相対速度の推定範囲、および/または
    送信機と受信機の相対加速度の推定範囲、および/また
    は出力制御コマンド信号の送信の規則性に基づいて調整
    可能であることを特徴とする請求項6または7項に記載
    の通信システムの相互通信における受信機の相対移動速
    度の推定方法。
  9. 【請求項9】 前記チャネル出力(C(n))の自己共
    分散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕)
    を推定するために、チャネル出力(C(n))の自己共
    分散の導関数(RC(n)〔i〕)を推定するステップを有
    することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載
    の通信システムの相互通信における受信機の相対移動速
    度の推定方法。
  10. 【請求項10】 遅延(io(n))を判定する前に、
    低域フィルタで、チャネル出力(C(n))の自己共分
    散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕)
    の、またはチャネル出力(C(n))の自己共分散の導
    関数(R’C(n)〔i〕)の(imax+1)個の推定値を
    フィルタリングするステップを有することを特徴とする
    請求項6,7または8に記載の通信システムの相互通信
    における受信機の相対移動速度の推定方法。
  11. 【請求項11】 前記フィルタは各遅延(i)につい
    て、下記の関係式 【数2】 (但し、αは忘却係数)によって得られる濾波値(R’
    C(n)〔i〕)を送出することを特徴とする請求項10に
    記載の推定方法。
  12. 【請求項12】 前記忘却係数(α)は、チャネルの推
    定送信ノイズ・レベルに従って、または閉ループ出力制
    御プロセスに必要な信号/干渉比の評価の結果に従って
    調整可能であることを特徴とする請求項11に記載の通
    信システムの相互通信における受信機の相対移動速度の
    推定方法。
  13. 【請求項13】 チャネル出力(C(n))の前記サン
    プル列内のサンプル数(N)は、前記忘却係数(α)に
    よって導出された値に基づいて調整可能であることを特
    徴とする請求項11または12に記載の通信システムの
    相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  14. 【請求項14】 チャネル出力(C(n))の自己共分
    散の導関数(Cov’〔C(n),C(n+i)〕、i
    =0からimax)の所定数(imax+1)の推定値は、前
    記忘却係数(α)によって導出された値に基づいて調整
    可能であることを特徴とする請求項11,12または1
    3に記載の通信システムの相互通信における受信機の相
    対移動速度の推定方法。
  15. 【請求項15】 遅延(io)を判定するために、チャ
    ネル出力の自己共分散のそれぞれの導関数の符号が反対
    である2つの連続的な遅延を判定するステップと、 前記2つの遅延から、直線補外によって前記遅延
    (io)を計算するステップとを有することを特徴とす
    る請求項6乃至14のいずれかに記載の通信システムの
    相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  16. 【請求項16】 前記ドップラー・シフト(ω
    d(n))は、各遅延(io)に対応するドップラー・シ
    フト(ωd)を記載した表によって判定されることを特
    徴とする請求項3乃至15のいずれかに記載の通信シス
    テムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方
    法。
  17. 【請求項17】 前記ドップラー・シフト(ω
    d(n))は下記の形式の実験式 【数3】 (但し、Kは例えば送信条件に応じて調整可能である実
    数の集合内の定数)によって判定されることを特徴とす
    る請求項3乃至15のいずれかに記載の通信システムの
    相互通信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  18. 【請求項18】 前記実験式の定数Kは、前記フィルタ
    の忘却係数(α)によって導出される値に基づいて調整
    可能であることを特徴とする請求項11乃至14のいず
    れかの従属項である場合の請求項17に記載の通信シス
    テムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方
    法。
  19. 【請求項19】 チャネル出力(C(n))の出力スペ
    クトル密度を判定して前記チャネル出力(C(n))の
    周波数スペクトルを求めるステップと、 前記スペクトルの周波数のうち、前記スペクトルが所定
    レベルを上回るレベルを有している最大周波数(fo
    を判定するステップと、 前記周波数(fo(n))からドップラー・シフト(ωd
    (n))を演繹するステップとを有することを特徴とす
    る請求項2に記載の通信システムの相互通信における受
    信機の相対移動速度の推定方法。
  20. 【請求項20】 前記周波数スペクトルの最大周波数を
    除去するステップを有することを特徴とする請求項19
    に記載の通信システムの相互通信における受信機の相対
    移動速度の推定方法。
  21. 【請求項21】 出力制御システムを使用して受信機が
    送信機に制御信号(TC(n))を送信することによっ
    て、前記受信機によって受信される出力が所要出力にほ
    ぼ等しくなるように、前記送信機がその送信出力を指令
    するようにした出力制御システムを搭載した通信システ
    ムの受信機で使用される種類の、請求項1乃至20のい
    ずれかに記載の推定方法において、下記の関係式 【数4】 (但し、nは時間変数、zはz変換変数、xは送信機
    (10)によって送信された信号が受信機(20)によ
    って受信される時間と、制御信号が前記送信機(10)
    によって受信される時間との総遅延時間)によって、チ
    ャネル出力(C(n))を受信出力(R(n))の関数
    として評価するステップを有することを特徴とする通信
    システムの相互通信における受信機の相対移動速度の推
    定方法。
  22. 【請求項22】 出力制御システムを使用して受信機が
    送信機に制御信号(TC(n))を送信することによっ
    て、前記受信機によって受信される出力が所要出力にほ
    ぼ等しくなるように、前記送信機がその送信出力(T
    (n))を指令するようにした出力制御システムを搭載
    した通信システムの送信機で使用される種類の、請求項
    1乃至20のいずれかに記載の推定方法において、 下記の数式 【数5】 に基づいて、前記送信機によって送信される前記出力
    ((T(n))の自己共分散の導関数(Cov’〔C
    (n),C(n+i)〕)に等しくすることによってチ
    ャネル出力の自己共分散の導関数(Cov’〔C
    (n),C(n+i)〕)を推定するステップを有する
    ことを特徴とする通信システムの相互通信における受信
    機の相対移動速度の推定方法。
  23. 【請求項23】 出力制御システムを搭載していない通
    信システムの受信機で使用される種類の、請求項1乃至
    20のいずれかに記載の推定方法において、 チャネル出力(C(n))の変化を前記受信機20によ
    って受信された出力(R(n))の変化に等しいものと
    推定するステップを有することを特徴とする通信システ
    ムの相互通信における受信機の相対移動速度の推定方
    法。
  24. 【請求項24】 着信方向と発信方向の双方で相互通信
    を行う固定局と移動局との間で利用される、前記請求項
    のいずれかに記載の推定方法において、 前記ドップラー・シフトを判定するために、請求項1乃
    至21のいずれかに記載の推定方法を採用して、着信チ
    ャネルと発信チャネルの各々のドップラー・シフトを推
    定するステップと、 それによって得られた前記シフトを結合するステップと
    を有することを特徴とする通信システムの相互通信にお
    ける受信機の相対移動速度の推定方法。
  25. 【請求項25】 前記結合は、重み付き加算であること
    を特徴とする請求項24に記載の通信システムの相互通
    信における受信機の相対移動速度の推定方法。
  26. 【請求項26】 受信機がチャネル(31)を使用して
    送信機(10)から受信した出力を測定する装置(2
    2)と、前記受信した出力を所要出力と比較し、前記送
    信機(10)に制御信号(TC(n))を送信して、前
    記受信機により受信された出力が前記所要出力にほぼ等
    しくなるようにその送信出力(T(n))を指令するよ
    うにした装置(21)とを有する、送信機との通信を開
    始することが可能な通信システムの受信機において、 前記受信機は、受信された出力に関する情報、および制
    御信号から前記チャネルの出力を推定する装置(23)
    と、請求項1乃至23のいずれかに記載の推定方法を利
    用して、かつ前記装置(23)により送出されたチャネ
    ル出力の推定値に基づいて、ドップラー・シフト推定値
    信号を発する装置(24)をさらに有することを特徴と
    する受信機。
  27. 【請求項27】 送信機がこれと通信中の受信機から制
    御信号(RC(n))を受信し、かつ前記受信機によっ
    て受信された出力が所要出力にほぼ等しくなるようにそ
    の送信出力を指令する、受信機との通信を開始すること
    が可能な通信システムの送信機において、 前記送信機は、請求項1乃至23のいずれかに記載の推
    定方法を利用して、前記送信機によって送信された出力
    に関する信号に基づいてドップラー・シフト推定値信号
    を発する装置(13)を有することを特徴とする送信
    機。
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