JP2000248150A - ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物

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JP2000248150A
JP2000248150A JP5640299A JP5640299A JP2000248150A JP 2000248150 A JP2000248150 A JP 2000248150A JP 5640299 A JP5640299 A JP 5640299A JP 5640299 A JP5640299 A JP 5640299A JP 2000248150 A JP2000248150 A JP 2000248150A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装、印刷、接着等の二次加工性が良好なポ
リオレフィン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂および水酸基を有
する石油樹脂を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物に関す
る。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は塗装、印
刷、接着等の二次加工性が良好であり、その成形体品は
物理的、化学的性質が良好であるため、家庭用品、各種
容器、各種部品など幅広い分野で利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィン系樹脂は物理
的、化学的性質が良好であるために、家庭用品、各種容
器、各種部品など幅広い分野で大量に消費されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂は分子中に極性基も官能
基も有しないため、化学的に不活性であり、また溶剤に
対する溶解性にも乏しいため塗装、印刷、接着等に関す
る付着性が悪く、ポリオレフィン系成形品表面に二次加
工を行うことは困難であった。そのため、ポリオレフィ
ン系成形品表面に容易に二次加工を施すべく、各種表面
処理法や添加剤を含有する各種樹脂組成物が提案されて
いる。
【0003】ポリオレフィン系成形品の表面処理法とし
ては、火焔処理、コロナ放電処理、クロム酸−硫酸混液
による酸化処理等が挙げられる。しかし、火焔処理、コ
ロナ放電処理等は特殊な設備を必要としたり、成形品の
形状が制約されるといった問題点が生じる。また、クロ
ム酸−硫酸混液による酸化処理では危険な化学薬品の使
用や、操作が煩雑であるといった問題があり、対応でき
る塗料も制約される。また、これら表面処理による方法
では時間の経過により、処理効果が弱くなるという問題
点も見られる。
【0004】また、樹脂組成物に添加される添加剤とし
ては、無機または有機充填剤が提案されているが、かか
る添加剤を含有する樹脂組成物は、二次加工しうる塗料
等の選択範囲が狭いといった問題がある。一方、添加剤
として有機化合物を用いる方法も検討はされているが、
濡れ性の向上はみられず、また、塗膜の付着性改良効果
も弱いもので、満足のできるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗装、印
刷、接着等の二次加工性が良好なポリオレフィン系樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、ポリオレフィン系樹脂に配合する各種添
加剤について鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン系
樹脂に、水酸基を含有する石油樹脂を含有させることに
より、得られる樹脂組成物の二次加工性が向上するとい
う事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明は、水酸基を含有する石油樹
脂を含有してなるポリオレフィン系樹脂用改質剤;さら
には、ポリオレフィン系樹脂(B)および前記改質剤
(A)を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物に関
する。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤
(A)として用いられる、水酸基を含有する石油樹脂
は、石油留分を主成分としてなり、樹脂中に水酸基を有
するものを特に制限なく使用できる。また、水酸基を含
有する石油樹脂の製法も特に制限はない。かかる水酸基
を含有する石油樹脂は、たとえば、ナフサの熱分解によ
って得られる石油留分(C5留分、C9留分)を重合し
て石油樹脂を製造する際に、水酸基含有化合物により石
油樹脂を変性することにより得られる。
【0010】前記石油留分のなかのC5留分としては、
たとえば、ジシクロペンタジエン等があげられる。ま
た、C9留分としては、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、インデン類等があげられる。
【0011】また、石油樹脂に水酸基を導入しうる水酸
基含有化合物としては、アルコール化合物やフェノール
化合物等があげられる。アルコール化合物の具体例とし
ては、たとえば、アリルアルコール等の二重結合を有す
るアルコール化合物があげられる。フェノール化合物と
しては、フェノールまたはクレゾール、キシレノール、
p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、
p−ノニルフェノール等のアルキルフェノール類を使用
できる。なお、前記フェノール化合物のなかでもフェノ
ールが、濡れ性、接着性、塗膜密着性の向上効果に優れ
た改質剤が得られる点で好ましい。これら水酸基含有化
合物は、単独で用いてもよく、二種以上を併用しても良
い。
【0012】また、水酸基を含有する石油樹脂は、石油
留分とともに(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を
熱重合して石油樹脂中にエステル基を導入した後、当該
エステル基を還元する方法、石油樹脂中に二重結合を残
存または導入した後、当該二重結合を水和する方法、石
油留分とともに酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルを熱重
合して石油樹脂中にアシルオキシ基を導入した後、当該
アシルオキシ基を加水分解する方法、等によっても製造
できる。
【0013】本発明では、水酸基を含有する石油樹脂と
して、前記のように各種の方法により得られるものを使
用できるが、アルコール変性石油樹脂やフェノール変性
石油樹脂等を使用するのが好ましい。特に、前記アルコ
ール変性石油樹脂としては、ジシクロペンタジエンとア
リルアルコール等を熱重合等により共重合して得られる
アルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹脂(たと
えば、特開昭50−132060号公報)を使用するの
が、接着性に寄与する水酸基価のコントロールが容易な
点で好ましい。またフェノール変性石油樹脂としては、
C9留分をフェノール化合物の存在下でカチオン重合し
て得られたフェノール変性C9系石油樹脂を使用するの
が低価格であり、また、作業性の点で好ましい。
【0014】また、水酸基を含有する石油樹脂の水酸基
含有量は、特に限定されるものではないが、アルコール
変性石油樹脂は、水酸基価10〜250程度のものが好
ましい。水酸基価が小さくなると接着性等の改質効果が
小さいことから、水酸基価は50以上とするのがより好
ましい。また、水酸基価が大きくなると分子量が小さく
なり作業性が悪くなる傾向があるためため水酸基価は2
30以下とするのがより好ましい。なお、アルコール変
性ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水酸基価を前記範
囲に調製するには、ジシクロペンタジエン100重量部
に対し、通常、アルコール化合物10〜200重量部程
度を共重合させる。
【0015】また、フェノール変性石油樹脂は、水酸基
価5〜60程度のものが好ましい。水酸基価が小さくな
ると接着性等の改質効果が小さいことから、水酸基価は
20以上とするのがより好ましい。また、水酸基価が大
きくなると分子量が小さくなり作業性が悪くなる傾向が
あるためため水酸基価は60以下とされる。なお、フェ
ノール変性C9系石油樹脂の水酸基価を前記範囲に調製
するには、C9留分100重量部に対し、通常、フェノ
ール化合物を5〜40重量部程度、好ましくは10重量
部以上、30重量部以下である。
【0016】こうして得られる本発明の水酸基含有石油
樹脂の軟化点は、70〜200℃程度が好ましい。得ら
れるポリオレフィン樹脂組成物の剛性を高く維持できる
ことから、軟化点の下限としては90℃、さらには12
0℃とするのがより好ましい。一方、得られるポリオレ
フィン樹脂組成物の二次成形加工性の点から、軟化点の
上限は180℃とするのがより好ましい。また、ガラス
転移温度(Tg)は、40〜130℃程度が好ましく、
下限としては70℃、上限としては110℃がより好ま
しい。
【0017】水酸基含有石油樹脂の平均分子量は特に限
定されないが、一般的には数平均分子量100〜200
0程度が好ましい。数平均分子量が小さくなると軟化点
が低くなり作業性が悪くなる傾向があることから、数平
均分子量は350以上とするのがより好ましい。一方、
数平均分子量が大きくなるとは軟化点が高くなるため混
練が困難となる傾向があることから、数平均分子量は1
500以下とするのがより好ましい。
【0018】また、本発明の水酸基含有石油樹脂として
は、前記アルコール変性石油樹脂やフェノール変性石油
樹脂等を水素化した水素化物を使用することもできる。
当該水素化物は、水素化率が5〜100%であり、色調
に優れた樹脂であり、通常、色調ガードナー3以下であ
る。なお、当該水素化物の軟化点、水酸基価、平均分子
量等の恒数は、未水素化物と同様のものを好ましく使用
できるが、当該恒数は水素化条件によって変わるため、
水素化条件を適切に設定することにより、水酸基価等の
恒数を調整する。
【0019】水素化条件は、水素化圧力は10〜300
kg/cm程度(下限としては30kg/cm、上
限として250kg/cmが好ましい)で、反応温度
は100〜400℃程度(下限としては140℃、上限
としては350℃が好ましい)である。水素化圧力が1
0kg/cmに満たない場合または反応温度が140
℃に満たない場合には、反応溶媒を添加しない場合に
は、水素化反応が進行し難い。また、反応温度が300
℃を超える場合には、樹脂の水素化分解反応が著しくな
り、いずれの場合も好ましくない。また、水素化の反応
時間は、通常10分〜7時間程度、好ましくは20分〜
7時間である。なお、上記記載は前記範囲外の条件にお
ける水素化を排除しているものではなく、たとえば水素
化圧力10kg/cm以下であってもかかる水素化圧
力で反応を起こしうる触媒を用いれば水素化は可能であ
る。
【0020】水素化触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウ
ム、等の金属またはこれらの酸化物、硫化物等の金属化
合物等の各種のものを使用できる。かかる水素化触媒は
多孔質で表面積の大きなアルミナ・シリカ(ケイソウ
土)・カーボン・チタニア等の担体に担持して使用して
もよい。これらの触媒の中でも不飽和結合の水素化効率
や費用の面からニッケルーケイソウ土触媒が好ましい。
触媒の使用量は、原料樹脂に対して、通常0.01〜5
重量%程度である。
【0021】前記水素化反応は原料樹脂を溶融して、ま
たは溶剤に溶解した状態で行う。溶剤としては、反応に
不活性で原料や生成物が溶解しやすい溶剤であればよ
い。たとえば、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、デカリン、イソプロピルアルコール、テトラヒ
ドロフラン等を1種または2種以上を組み合わせて使用
できる。溶剤の使用量は特に制限されないが、原料樹脂
に対して、固形分が、通常、10重量%以上であり、好
ましくは10〜70重量%の範囲である。
【0022】なお、触媒の使用量および反応時間につい
ては反応形式として、回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
【0023】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
ポリオレフィン系樹脂(B)に、前記水酸基を有する石
油樹脂を含有するポリオレフィン系樹脂用改質剤(A)
を添加したものであり、当該改質剤(A)により、ポリ
オレフィン系樹脂(B)の二次加工性が向上する。
【0024】本発明で使用するポリオレフィン系樹脂
(B)としては、エチレン、プロピレン、ブテン、メチ
ルペンテン等の炭素原子数2〜6のα−オレフィンのホ
モポリマー、当該α−オレフィンの任意の二種からなる
コポリマー等があげられる。具体的には、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、エチレンとプロピレンとのコポリマー等があげ
られる。なお、本発明のポリオレフィン系樹脂(B)
は、通常公知の方法により得ることができる。
【0025】ポリオレフィン系樹脂(B)の数平均分子
量は特に限定されるものではないが、通常100000
〜800000程度が好ましく、下限としては1500
00、上限としては500000がより好ましい。
【0026】前記改質剤(A)の配合量は、ポリオレフ
ィン系樹脂(B)100重量部に対して、通常0.1〜
50重量部が好ましく、下限としては0.5重量部、上
限としては30重量部がより好ましい。
【0027】ポリオレフィン系樹脂(B)に、前記改質
剤を添加する方法は特に制限されない。たとえば、ポリ
オレフィン系樹脂(B)と前記改質剤(A)を溶融混合
する方法の他、ポリオレフィン系樹脂(B)と前記改質
剤(A)を混合し、押出機あるいは成形機等で混練する
こともできる。
【0028】また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、フィルム化した場合の表面張力が33〜39mN
/m程度であり、濡れ性がよく、二次加工性に優れてい
る。
【0029】さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物には上記の成分以外に公知の各種の添加剤、例えば
ステアリン酸、ベヘニン酸、それらの金属塩(カルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛等)、エチレンビスステアリン
酸アミド等を添加することもできる。また、造核剤、顔
料、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等を添加
できる。
【0030】かかる本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は家庭用品、各種容器、各種部品など幅広い分野にお
いて各種の形態で使用できる。たとえば、食品包装や繊
維包装、雑貨包装、テープ等に用いられるフィルム、建
築物の内装、建具の表面化粧、車両内装、各種容器等に
用いられるシート、各種部品や家庭用品の内装、外装等
に用いられる射出成形品、自動車等の内装材料や家電・
OA機器のハウジング用材料、包装材料等に用いられる
フォーム等のさまざまな形態で利用できる。
【0031】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、濡れ性がよく、印刷適正、塗料密着性、接着性等に
優れており、塗装、印刷、接着等の二次加工が容易であ
る。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお各例中の「部」および「%」はいずれ
も重量基準である。
【0033】製造例1 1リットル容オートクレーブに、アルコール変性ジシク
ロペンタジエン系石油樹脂(「クイントン1700」,
軟化点100℃,数平均分子量920,日本ゼオン
(株)製)500部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッ
ケル担持量50重量%)7部を仕込み、260℃に保温
し、水素圧200kg/cmで5時間、水素化を行っ
た。次いで、得られたアルコール変性ジシクロペンタジ
エン系石油樹脂の水素化物を取り出し、トルエン500
部に溶解し、濾紙ろ過により触媒を除去した後、200
℃、20Torrで30分間減圧脱溶剤して、軟化点1
00℃のアルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹
脂の水素化物450部を得た。得られたアルコール変性
ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水素化物の色調、水
酸基価、不飽和結合の水素化率、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
【0034】なお、軟化点は環球法(JIS K220
7)による測定値である。色調は、ハーゼンスタンダー
ドカラー(H)およびガードナースタンダードカラー
(G)による(JIS K5400)。水酸基価は電位
差滴定法による(JIS K0070)。芳香環の水素
化率は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NM
R)を測定することにより算出した。即ち、原料樹脂お
よび得られた水素化物の同濃度の重水素置換クロロホル
ム(CDCl溶液を作成して、H−NMRを測定
し、5〜6ppm付近に現れる不飽和二重結合のH−ス
ペクトル面積より以下の式に基づき算出した。水素化率
={1−(得られた水素化物のスペクトル面積/原料樹
脂のスペクトル面積)}×100(%)。数平均分子量
(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(東ソー(株)製,HLC8
02A,使用カラム:TSKGelG4000H+T
SKGelG2000H,展開溶剤:テトラヒドロフ
ラン)で測定したものである。
【0035】製造例2 1リットル容オートクレーブに、アルコール変性ジシク
ロペンタジエン系石油樹脂(「クイントン1700」,
軟化点100℃,数平均分子量920,日本ゼオン
(株)製)500部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッ
ケル担持量50重量%)10部を仕込み、280℃に保
温し、水素圧200kg/cmで5時間、水素化を行
った。次いで、得られたアルコール変性ジシクロペンタ
ジエン系石油樹脂の水素化物を取り出し、トルエン50
0部に溶解し、濾紙ろ過により触媒を除去した後、20
0℃、20Torrで30分間減圧脱溶剤して、軟化点
100℃のアルコール変性ジシクロペンタジエン系石油
樹脂の水素化物450部を得た。得られたアルコール変
性ジシクロペンタジエン系石油樹脂の水素化物の色調、
水酸基価、不飽和結合の水素化率、数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
【0036】製造例3 1リットル容オートクレーブに、フェノール変性C9系
石油樹脂の(「ネオポリマーE−100」,軟化点90
℃,数平均分子量540,日本石油化学(株)製)50
0部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッケル担持量50
重量%)2.5部を仕込み、280℃に保温し、水素圧
200kg/cmで5時間、水素化を行った。次い
で、得られたフェノール変性C9系石油樹脂の水素化物
を取り出し、トルエン500部に溶解し、濾紙ろ過によ
り触媒を除去した後、200℃、20Torrで30分
間減圧脱溶剤して、軟化点92℃のフェノール変性芳香
族系炭化水素樹脂の水素化物450部を得た。得られた
フェノール変性C9系石油樹脂の水素化物の色調、水酸
基価、不飽和結合の水素化率、数平均分子量(Mn)、
重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
【0037】製造例4 1リットル容オートクレーブに、フェノール変性C9系
石油素樹脂の(「ハイレジンPM−90」,軟化点90
℃,数平均分子量500,東邦化学(株)製)500
部、ニッケル/ケイソウ土触媒(ニッケル担持量50重
量%)15部を仕込み、250℃に保温し、水素圧20
0kg/cmで5時間、水素化を行った。次いで、得
られたフェノール変性C9系石油樹脂の水素化物を取り
出し、トルエン500部に溶解し、濾紙ろ過により触媒
を除去した後、200℃、20Torrで30分間減圧
脱溶剤して、軟化点85℃のフェノール変性C9系石油
樹脂の水素化物430部を得た。得られたフェノール変
性C9系石油樹脂の水素化物の色調、水酸基価、不飽和
結合の水素化率、数平均分子量(Mn)、重量平均分子
量(Mw)を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1 ポリプロピレン(商品名グランドポリプロE−111,
(株)グランドポリマー製)80部に対し、樹脂A(ア
ルコール変性ジシクロペンタジエン系石油樹脂,クイン
トン1700,日本ゼオン(株)製)20部の割合で混
合したものを、ニーダー(S1 KRCニーダー、栗本
鐵工所製)により200℃で溶融混練しペレット化し
た。このペレットを用いて、Tダイを取り付けた一軸押
出し機(VS40−26、田辺プラスチック機械製)に
よりポリプロピレンシートを作製した。
【0040】実施例2〜5、比較例1〜2 実施例1において、添加する石油樹脂の種類を表2に示
すように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリプ
ロピレンシートを作製した。
【0041】(性能評価)上記、各実施例及び比較例に
於いて得られたポリプロピレンシートを下記の試験方法
によりそれぞれ評価した。また、比較例3として、各種
樹脂を用いることなく実施例1と同様の操作により得ら
れたポリプロピレンシートについて、同様の評価を行な
った。結果を表2に示す。
【0042】(濡れ性:表面張力)得られたポリプロピ
レンシートを二軸延伸機(岩本製作所製)でフィルム化
した後、フィルムの濡れ性をJIS K6768に準じ
て測定した。
【0043】(接着性)得られたポリプロピレンシート
に、アクリル系接着剤(Tg=−32.1℃)を膜厚24
μmで塗布したポリエチレンテレフタレートフィルムを
貼り合わせた後、JIS K 6854に準じて測定し
た。
【0044】(塗膜(インキ)付着性)JIS K54
00碁盤目テープ法に準じて測定した。100分割した
ものの残存率にて塗料付着性を評価した。なお、使用し
たインキは樹脂8部(ポリエステル系ウレタン樹脂:ポ
リプロピレンアジペートとイソホロンジイソシアネート
の反応物)、溶剤72部(トルエン/メチルエチルケトン
/イソプロピルアルコール=1/1/1(重量%))、
顔料20部(酸化チタン)を配合したものを用いた。
【0045】
【表2】
【0046】表2中、樹脂A(アルコール変性ジシクロ
ペンタジエン系石油樹脂,商品名クイントン1700,
日本ゼオン(株)製、色調9G、水酸基価220、軟化
点100℃)、樹脂B(水素化石油樹脂,商品名エスコ
レッツ5300,トーネックス(株)製、色調20H、
軟化点100℃)、樹脂C(水素化石油樹脂,商品名ア
イマーブP−100,出光石油化学(株)製、色調20
H、軟化点100℃)を用いた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有する石油樹脂を含有してなる
    ポリオレフィン系樹脂用改質剤。
  2. 【請求項2】 水酸基を有する石油樹脂が、アルコール
    変性石油樹脂またはその水素化物であり、その水酸基価
    が10〜250である請求項1記載のポリオレフィン系
    樹脂用改質剤。
  3. 【請求項3】 水酸基を有する石油樹脂が、フェノール
    変性石油樹脂またはその水素化物であり、その水酸基価
    が5〜60である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    用改質剤。
  4. 【請求項4】 水酸基を有する石油樹脂の軟化点が70
    〜200℃である請求項1〜3のいずれかに記載のポリ
    オレフィン系樹脂用改質剤。
  5. 【請求項5】 水酸基を有する石油樹脂の数平均分子量
    が200〜2000である請求項1〜4のいずれかに記
    載のポリオレフィン系樹脂用改質剤。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン系樹脂(B)および請求
    項1〜5のいずれかに記載の改質剤(A)を含有してな
    るポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン系樹脂(B)100重量
    部に対し、改質剤(A)0.1〜50重量部を添加して
    なる請求項6記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 表面張力が33〜39mN/mである請
    求項6または7記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
JP5640299A 1999-03-04 1999-03-04 ポリオレフィン系樹脂用改質剤およびポリオレフィン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3489613B2 (ja)

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