JP3466737B2 - 塗装性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

塗装性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形後、トリクロロエタ
ン等の有機溶剤の蒸気によるエッチング処理、表面を酸
化する為のプラズマ処理や火炎処理等を行う必要がな
く、優れた塗料の密着性が得られるポリプロピレン系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパー、フェンダー等の外板
材にポリプロピレン樹脂組成物が金属材料に代わり使用
される様になってきた。ポリプロピレン樹脂はそのまま
では、塗装性が著しく劣るので、通常トリクロロエタン
等の有機溶剤の蒸気によるエッチング処理、表面を酸化
する為のプラズマ処理や火炎処理等を行った後、塗装し
ている。これらの処理方法の中でトリクロロエタンの蒸
気で表面をエッチングした後、塩素化ポリオレフィンを
含むプライマーを予め塗布し、加熱し乾燥した後、塗料
を塗布し加熱し硬化させる方法が塗装も簡単で、塗装の
経費も安く、最も容易に用いられている。ところが、近
年、トリクロロエタン等の、揮発性が高く、化学的に安
定な塩素化合物は大気中に放出した後も分解し難く、地
球の周囲に存在するオゾン層まで拡散すると、太陽から
放射される紫外線等を吸収する働きのあるオゾン分子を
破壊し、その結果、地上に降り注ぐ有害な紫外線等の量
が増え皮膚ガン等の病気が発生する頻度が高まるのでは
ないかと言われている。このような背景上、トリクロロ
エタン等の塩素系有機溶剤の使用量を地球的規模で削減
する為の規制が欧米各国で進められている。ところが、
トリクロロエタンを使用しない他の方法、例えばプラズ
マ処理は、装置が大型で自動車のバンパー等の様に大き
いものを処理する設備を建設するには多大な費用を必要
としている。火炎処理を、可燃性の樹脂の表面に行う
と、細くなっている部分等は溶融したり、燃え出す心配
があり収率は悪い。また、火炎処理の場合、ポリプロピ
レン樹脂の表面を強化する酸化炎の部分は、あまり大き
R>くできず、比処理物の形状が複雑であると、炎が十分
に届かない部分が生じ、塗装後の塗膜の密着強さが異常
に低い部分を生じる問題があり、利用できる形状は、ほ
ぼ平坦な形状のものに限られ、熱可塑性樹脂の最大の特
徴である容易に複雑な形状のものを短時間に製造できる
長所が失われる。
【0003】このようなポリプロピレン樹脂の接着性、
塗装性を改質する方法として、塗装性の良好なポリスチ
レン樹脂をポリプロピレン樹脂にブレンドすることが行
われている。しかしながら、ポリスチレン系樹脂は昜塗
装性に加え、高剛性で寸法安定性が良いものの、ポリプ
ロピレン樹脂とは相溶性が良くないので、物性の低下が
著しいという問題がある。そこで、スチレンと共役ジエ
ンのブロック共重合体またはその水素添加物を、スチレ
ン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂の相溶化剤として使
用することが提案されている(例えば、特開昭58−2
15446号公報、特開昭60−133039号公報、
特開昭61−14248号公報、特開平1−17455
0号公報などが挙げられる)。しかし、通常使用される
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体またはその水素添加物は、ポリプロピ
レン樹脂と混合し機械的に混練した後、射出成形する
と、成形品の表層部でゴム層は、球状に近い状態でポリ
プロピレン樹脂層の中に存在する。その為、塗料の中に
含まれる溶剤が表層部分に浸透してもゴム層の表面積が
大きくないので塗装性の向上にはあまり貢献しなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなポリプロピ
レン樹脂組成物からなる成形品の塗装性に関する技術の
現状において、本発明は、成形後、トリクロロエタン等
の有機溶剤の蒸気によるエッチング処理、表面を酸化す
る為のプラズマ処理、火炎処理等を行う必要がなく、優
れた塗料の密着性が得られるポリプロピレン系樹脂組成
物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の問
題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、ポリプロピレ
ン系樹脂に、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を配
合したものは、トリクロロエタンなどの蒸気で表面をエ
ッチング処理することなく、十分実用可能な塗膜の密着
強さが得られることを見い出した。
【0006】すなわち本発明によれば、ポリプロピレン
系樹脂(A−1)50〜90重量%、同一分子内にビニ
ル芳香族を主体とする重合体ブロックと、部分的にエポ
キシを含む共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クまたは部分的にエポキシを含む水素化共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックからなるエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体(A−2)50〜10重量%(両
者の合計100重量%)、および(A−1)と(A−
2)の合計100重量部に対して不飽和カルボン酸また
はその無水物により変性した変性ポリプロピレン樹脂
(B)0〜20重量部、さらに好ましくは11.1〜2
0重量部を配合したことを特徴とする塗装性に優れたポ
リプロピレン系樹脂組成物が提供される。
【0007】本発明ではポリプロピレン系樹脂(A−
1)として、ホモポリプロピレン、プロピレンとエチレ
ン等のオレフィンモノマーとの共重合体が利用可能であ
るが、特にホモポリプロピレンは、剛性、耐熱性、表面
光度に優れて好ましい。また、エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体は、衝撃強さに優れるので必要に応じて
使用するホモポリプロピレンの一部または、全部をエチ
レン−プロピレンブロック共重合体で置き換えてもよ
い。更に、ポリプロピレン樹脂の他に、衝撃強さ、表面
硬度を著しく低下させない範囲で、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリブデン等の他ポリオレフィン等の樹脂を配合しても
よい。
【0008】本発明で使用する(A−2)部分のエポキ
シ変性ジエン系ブロック重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビ
ニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニ
ルスチレン等のうちから1種または2種以上が選択で
き、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエン化合
物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3
−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1種、また
は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及
びこれらの組み合わせが好ましい。
【0009】ここでいうジエンブロック共重合体とは、
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとから
なるブロック共重合体をいい、ビニル芳香族化合物と共
役ジエン化合物の共重合比(モル基準)は5/95〜7
0/30であり、特に10/90〜60/40の共重合
比が好ましい。また、本発明に供するブロック共重合体
の数平均分子量は5,000〜600,000、好まし
くは10,000〜500,000の範囲であり、分子
量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)]は10以下である。またブ
ロック重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あ
るいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよ
い。
【0010】例えば、X−Y−X、Y−X−Y−X、
(X−Y−)4Si、X−Y−X−Y−X等の構造を有
するビニル芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエン化
合物(Y)ブロック共重合体である。さらにジエンブロ
ック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、部分
的に水素添加したものでもよい。
【0011】本発明に供するブロック重合体の製造方法
としては上記した構造を有するものであればどのような
製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−2
3798号、特公昭47−3252号、特公昭48−2
423号、特願昭49−105970号、特願昭50−
27094号、特公昭46−32415号、特開昭59
−166518号、特公昭49−36957号、特公昭
43−17979号、特公昭46−32415号、特公
昭56−28925号などの各公報に記載された方法に
より、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成
することができる。さらに特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59
−133203号公報に記載された方法により、不活性
溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明
に供する部分的に水添したブロック共重合体を合成する
ことができる。本発明では上記したジエンブロック共重
合体をエポキシ化することにより本発明で使用されるエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体が得られる。
【0012】本発明におけるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中で
ハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と
反応させることにより得ることができる。過酸類として
は過ギ酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができ
る。ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して
触媒効果を得ることができる。
【0013】エポキシ化剤の量には厳密な制限はなく、
それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポ
キシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブ
ロック共重合体等の可変要因によって決まる。
【0014】得られたエポキシ化ジエン系共重合体の単
離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈澱させる方法、重合
体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方
法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0015】また、本発明の樹脂組成物では、エポキシ
化ジエン系ブロック共重合体以外のエラストマー成分を
適量用いてもよい。例えば、ブタジエンエラストマー、
イソプレンエラストマー、クロロプレンエラストマー、
エチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−プロピ
レンターポリマー、ブチルエラストマー、アクリルエラ
ストマー、テトラフロロエチレン・パーフロロメチルエ
ーテル系エラストマー、フロロシリコンエラストマー、
エピクロルヒドリンエラストマー、多硫化エラストマ
ー、エチレン−ブテン共重合体エラストマー、スチレン
−ブタジエンジブロック共重合体エラストマー、スチレ
ン−ブタジエントリブロック共重合体エラストマー、ス
チレン−イソプレンジブロック共重合体エラストマー、
スチレン−イソプレントリブロック共重合体エラストマ
ー、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体エ
ラストマー、水素添加スチレン−ブタジエントリブロッ
ク共重合体エラストマー、水素添加スチレン−イソプレ
ンジブロック共重合体エラストマー等が挙げられる。
【0016】本発明で使用してもよい変性ポリプロピレ
ン樹脂(B)としては、不飽和カルボン酸またはその無
水物によりグラフト変性したものであり、グラフト変性
は常法によりラジカル開始剤を用いて行なわれ、変性ポ
リプロピレン樹脂当たり不飽和カルボン酸またはその無
水物が0.1〜10重量%グラフトされたものが好んで
用いられる。不飽和カルボン酸としてはマレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸、メ
チルナジック酸などが、無水物としては無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック
酸等が例示される。これらの中では無水物が好適であ
り、特に無水マレイン酸が好ましい。
【0017】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を構
成するポリプロピレン系樹脂(A−1)とに使用するエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体(A−2)の配合割
合は、前者が50〜90重量%、好ましくは60〜80
重量%、後者が50〜10重量%、好ましくは40〜2
0重量%である。また両者の合計100重量部に対し
て、変性ポリプロピレン樹脂は0〜20重量部であり、
さらに好ましくは11.1〜20重量部の範囲である。
【0018】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物で
は、前記樹脂成分の他に、必要によって、添加剤等を添
加してもよい。例えば、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、顔料、染料、結晶化促進剤、滑剤、
難燃剤、可塑剤等の添加剤が挙げられる。
【0019】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
各配合原料を通常のポリプロピレン系樹脂組成物を製造
する場合と同様にリボンブレンダー、ヘンシェルミキサ
ー等により混合した後、バンバリーミキサー、熱ロー
ル、押出機、コニーダー等の装置に溶融混練しペレット
状に得ることができる。このペレットを押出機によりシ
ート状に押し出し、真空成形、圧空成形、真空圧空成
形、プレス成形等の方法により二次成形する方法、ブロ
ー成形する方法、射出成形する方法等が可能である。本
発明の方法では上記成形加工品を直接、またはアルコー
ル類、酸またはアルカリ水溶液、界面活性剤の水溶液で
簡単に洗浄して塗料で塗装してもよいし、さらに塩素化
ポリオレフィン等を含有するプライマーで処理して塗料
で塗装してもよい。しかし、塗装を含む工程で従来問題
となっていたトリクロロエタン等の有機溶剤の蒸気によ
るエッチング処理、表面を酸化する為のプラスマ処理、
火炎処理等を行わなくても充分な接着強度が得られる。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが本発明は、これらによって限定されるものでは
ない。
【0021】(調製例1) 「エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の調製」攪拌
機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット付反
応器に水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭
化成製、タフテックH−1041)400g,シクロヘ
キサン1,500gを仕込み、ついで過酢酸の30wt
%酢酸エチル溶液39gを連続滴下させ、攪拌下50℃
で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻し
て反応器より取り出し、水洗し、更にスチームストリッ
ピングにより溶剤を除去し、エポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体(1)を得た(エポキシ当量5340)。
【0022】(調製例2) 「エポキシ化ジエン系ブロック共重合体(2)の調製」
攪拌機、および温度計を備えたジャケット付反応器にポ
リスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック
共重合体(日本合成ゴム(株)製、商品名:TR200
0)300g,シクロヘキサン3,000gを仕込み溶
解し、温度60℃、水添触媒としてジ−p−トリルビス
(1−シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキ
サン溶液(濃度1ミリモル/1)40mlと、n−ブチ
ルリチウム溶液(濃度5ミリモル/1)8mlとを0
℃,2.0kg/cm2の水素圧下で混合したものを添
加、水素分圧2.5kg/cm2にて30分間反応させ
た。得られた部分水添共重合体溶液は、減圧乾燥により
溶剤を除去した(ブタジエン部全体の水添率30%)。
この部分水添共重合体300g、シクロヘキサン1,5
00gを仕込み溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢
酸エチル溶液300gを連続滴下させ、攪拌下40℃で
3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻して
反応器より取り出し、多量のメタノールを加えて重合体
を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ化ジエン
系ブロック共重合体(2)を得た(エポキシ当量27
5)。
【0023】(調製例3) 「エポキシ化ジエン系ブロック共重合体(3)の調製」
攪拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンのブロック共重合体(日本合成ゴム(株)製、商品
名:TR2000)300g,酢酸エチル1,500g
を仕込み溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢酸エチ
ル溶液169gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間
エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻して反応器
より取り出し、多量のメタノールを加えて重合体を析出
させ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ化ジエン系ブロ
ック共変性重合体(3)を得た(重合体のエポキシ当量
470)。
【0024】(実施例1〜3、6)ポリプロピレン樹脂
(住友化学製、ノーブレンD501)、エポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体を表−1に示す組成比で配合し、
ヘンシルミキサーで混合した後、2軸押出機にてペレッ
ト化し、射出成形機で80mm×150mm×2mmの
板を成形した。この成形した板にプライマーとして「R
B−115」(日本ビーケミ製)を20〜50μになる
ように塗布し、80℃で30分間乾燥し、塗料としてア
ルキッド系塗料U−040(日本ペイント製)を膜厚が
40〜80μになるように塗布し、120℃で60分間
加熱した。48時間後、碁盤目剥離試験を行い塗膜の密
着強さを測定し、また塗膜を10mm幅で短冊状に切り
取り、引張試験機にてピール強さを測定した。また、プ
ライマーを塗布しない以外は同様にして塗料を塗布し、
同様に評価した。碁盤目剥離試験とピール強さの測定値
は実用に十分耐えうるものだった。結果を表−1に示
す。なお表中、A〜Iの欄の数値は樹脂の配合割合(重
量%)を示す。またJおよびL欄の塗料の密着強さの表
示において、分母(/100)は省略してある。
【0025】(実施例7)実施例3のポリプロピレン樹
脂、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体に対して酸変
性ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸含有量1.3重
量%)を添加(前二者の合計100重量部に対しては1
1.1重量部)した以外は、実施例4と同様にして板を
成形し、塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価した。碁盤
目剥離試験とピール強さの測定値は、実用に十分耐えう
るものだった。配合比と結果を表−1に示す。
【0026】(実施例4〜5)実施例1で使用したポリ
プロピレン樹脂の一部をMI(メルトフローインデック
ス)が8g/10分のエチレン−プロピレンブロック共
重合体(エチレン含有量8%)で置き換えた以外は、実
施例1と同様にして、プライマー、塗料を塗布し塗膜の
密着強さを評価した。碁盤目剥離試験とピール強さの測
定値は、実用に十分耐えうるものだった。結果を表−1
に示す。
【0027】(比較例1)実施例1で使用したポリプロ
ピレン樹脂をそのまま、実施例1と同様にして板を成形
し、塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価した。碁盤目剥
離試験とピール強さの測定値は、非常に低く実用に耐え
うるものではなかった。配合比と結果を表−1に示す。
【0028】(比較例2)エポキシ化ジエン系ブロック
共重合体の代りにエチレン−プロピレンエラストマー
「EP 02P」(日本合成ゴム(株)製、MI 3.
5)を30重量%使用した以外は実施例1と同様にして
板を成形し、塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価した。
碁盤目剥離試験とピール強さの測定値は、低く実用に耐
えうるものではなかった。配合比と結果を表−1に示
す。
【0029】(比較例3)実施例1で使用したエポキシ
化ジエン系ブロック共重合体の代りに水添スチレン−イ
ソプレンブロック共重合体「セプトン2002」(クラ
レ(株)製、MI2.7g/10分、スチレン含量30
重量%)を25重量%使用した以外は実施例1と同様に
して板を成形し、塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価し
た。碁盤目剥離試験とピール強さの測定値は、低く実用
に耐えうるものではなかった。配合比と結果を表−1に
示す。
【0030】(比較例4)ホモポリプロピレンを95重
量%、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を5重量%
とした以外は実施例1と同様にして板を成形し、塗料を
塗布し塗膜の密着強さを評価した。碁盤目剥離試験とピ
ール強さの測定値は、エラストマーの量が不足し、塗料
の密着強さは低く実用に耐えうるものではなかった。配
合比と結果を表−1に示す。
【0031】(比較例5)実施例1で使用したエポキシ
化ジエン系ブロック共重合体エラストマーの代りに水素
添加スチレン−ブタジエントリブロック共重合体として
「クレイトンG−1652」(シェル化学(株)製、M
I 1.9g/10分、スチレン含量29重量%)を2
5重量%使用した以外は実施例1と同様にして板を成形
し、塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価した。碁盤目剥
離試験とピール強さの測定値は、低く実用に耐えうるも
のではなかった。配合比と結果を表−1に示す。
【0032】(参考例)比較例2で使用した板の表面
を、トリクロロエタンの蒸気で60秒間処理し、実施例
1と同様に塗料を塗布し塗膜の密着強さを評価した。碁
盤目剥離試験とピール強さの測定値は、ほぼ実用に耐え
うるものであった。配合比と結果を表−1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、従来ポリプロピ
レン系の樹脂組成物からなる成形物の塗装では不可欠で
あったトリクロロエタンなどの蒸気によるエッチング、
プラズマ処理、火炎処理を行うことなく、更に、プライ
マーを使用しなくても、塗料との間に十分実用に耐えう
る密着強さが得られる。従って、本発明の樹脂組成物を
用いれば、地球の大気の上層部のオゾン層を破壊する可
能性があるトリクロロエタンを使用しないので、その塗
装方法は、環境保安上殆ど問題が無い。また、プラズマ
処理などの様に、バッチ式の塗装工程を必要としない方
法が採用できるので、塗装量を減少させたり、塗装費用
を高めることは無い。また、火炎処理の様に本来熱可塑
性樹脂が持つ成形形状の自由さを失うことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/10 - 23/14 C08G 59/18 - 59/72 C08L 63/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂(A−1)50〜9
    0重量%、同一分子内にビニル芳香族を主体とする重合
    体ブロックと、部分的にエポキシを含む共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックまたは部分的にエポキシ
    を含む水素化共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
    ックからなるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体(A
    −2)50〜10重量%(両者の合計100重量%)、
    および(A−1)と(A−2)の合計100重量部に対
    して不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した
    変性ポリプロピレン樹脂(B)0〜20重量部を配合し
    たことを特徴とする塗装性に優れたポリプロピレン系樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂(A−1)50〜9
    0重量%、同一分子内にビニル芳香族を主体とする重合
    体ブロックと、部分的にエポキシを含む共役ジエン化合
    物を主体とする重合体ブロックまたは部分的にエポキシ
    を含む水素化共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
    ックからなるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体(A
    −2)50〜10重量%(両者の合計100重量%)、
    および(A−1)と(A−2)の合計100重量部に対
    して不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した
    変性ポリプロピレン樹脂(B)11.1〜20重量部を
    配合したことを特徴とする塗装性に優れたポリプロピレ
    ン系樹脂組成物。
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