JP2000247968A - ポリアリール抗腫瘍剤 - Google Patents

ポリアリール抗腫瘍剤

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JP2000247968A JP2000086494A JP2000086494A JP2000247968A JP 2000247968 A JP2000247968 A JP 2000247968A JP 2000086494 A JP2000086494 A JP 2000086494A JP 2000086494 A JP2000086494 A JP 2000086494A JP 2000247968 A JP2000247968 A JP 2000247968A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白血病、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色癌、
卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および乳癌等の腫瘍の治療
に有効なポリアリール化合物、およびそれを有効成分と
して含有する医薬組成物を提供する。 【解決手段】 化学式:Ar1 −B−Ar2 (化学式
中、Arは、フェニル、チエニル、フラニル、またはピ
ロリであり、Bは、R置換フェニレン、−CH=CH
−、または−C≡C−であり、そしてAr2は、置換フ
ェニル、置換チエニル、置換フラニル、または置換ピロ
リルである。)で示されるポリアリール化合物またはそ
の塩を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリール抗腫
瘍剤に関し、特に、例えば、白血病、肺癌、結腸癌、C
NS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および乳
癌等の腫瘍の治療に有効なポリアリール化合物、および
それを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】米国において、癌は、心臓病に次いで、
人に死をもたらす第二の原因となっている。米国癌協会
による推計によると、90年代に入って以来、約400
万人の人が癌で死亡している。癌の治療方法として、通
常、化学療法、外科手術、放射線照射、ホルモン投与、
および免疫療法が行われている。化学療法は、有効な治
療方法であり、特に外科手術ができない状態または転移
が進んだ状態の癌に有効である。
【0003】多くのアリール基含有化合物が細胞毒性活
性を有することが報告されており、例えば、2−アリー
ル−1,8−ナフチリジン−4(1H)−オン類(Chen
etal., J. of Med. Chem. 1997, 40(19), 3049-56
)、3−アリール置換オキサトリアゾール−5−イミ
ン誘導体(Vilpo et al., Anti-Cancer Drug Design, 1
997, 12(2), 75-89 )、および1,2−ジヒドロピリド
[3,4−b]ピラジン類(Temple et al., J. of Me
d. Chem. 1987, 30(10), 1746-51 )が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、アリール
基含有化合物の細胞毒性活性について研究し、腫瘍に対
して細胞毒性活性を示す新規なアリール基含有化合物を
見い出した。
【0005】本発明の目的は、白血病、肺癌、結腸癌、
CNS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および
乳癌等の腫瘍の治療に有効なポリアリール化合物、およ
びそれを有効成分として含有する医薬組成物を提供する
ことにある。
【0006】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0008】本発明の態様は、化学式:Ar1 −B−A
r2 (化学式中、Ar1 は、フェニル、チエニル、フラ
ニル、またはピロリルであり、Bは、R置換フェニレ
ン、−CH=CH−、または−C≡C−であり、ここで
Rは、H、アルキル、ヒドロキシルまたはそのエステ
ル、アルコキシ、アルデヒド、ヒドロキシアルキル、ア
ミノアルキル、カルボキシルまたはそのエステル、−C
H(OR1 )2 、またはNR2 R3 であり、ここでR1
は、それぞれ独立に、H、アルキル、またはアシルであ
り、そしてR2 およびR3 は、それぞれ独立に、H、ア
ルキル、ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキルで
あり、そしてAr2 は、置換フェニル、置換チエニル、
置換フラニル、または置換ピロリルであり、当該置換フ
ェニル、置換チエニル、置換フラニル、および置換ピロ
リルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立に、アミド、
ニトリル、ニトロ、シアノ、アセタール、ケタール、オ
キソアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、アルキ
ルイミノアルキル、カルボキシアルキル、酸ハライド、
アミノアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノ
アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、
またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキ
ルである。)で示されるポリアリール化合物(すなわ
ち、少なくとも二つのアリール基を有する化合物)また
はその塩に関する。ポリアリール化合物の塩とは、上記
化学式のポリアリール化合物のイオン化可能な基のカウ
ンターイオンとの間に形成されるものである。例えば、
ポリアリール化合物のナトリウム塩とは、ナトリウムイ
オンと当該化合物のカルボキシル基との間に形成される
ものである。また、ポリアリール化合物の塩基酸塩と
は、医薬的に使用可能な酸と当該化合物のアミノ誘導体
との間に形成されるものである。
【0009】上記化学式によりカバーされる化合物の一
つの好ましい態様は、BがR置換フェニレンであるもの
である。好ましくは、当該置換フェニル、置換チエニ
ル、置換フラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置
換基が、それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアル
キル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキ
ル、またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノア
ルキルである。本明細書において、“置換”という語
は、言及された構造に一つ以上の置換基を有すると定義
される。
【0010】上記化学式によりカバーされる化合物の他
の一つの好ましい態様は、Bが−CH=CH−であるも
のである。好ましくは、当該置換フェニル、置換チエニ
ル、置換フラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置
換基が、それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアル
キル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキ
ル、またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノア
ルキルである。
【0011】上記化学式によりカバーされる化合物の更
に他の一つの好ましい態様は、Bが−C≡C−であるも
のである。好ましくは、当該置換フェニル、置換チエニ
ル、置換フラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置
換基が、それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアル
キル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキ
ル、またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノア
ルキルである。
【0012】本発明の更なる態様は、上記と同一の化学
式によりカバーされるポリアリール化合物であって、A
r1 は、置換フェニル、置換チエニル、置換フラニル、
または置換ピロリルであり、当該置換フェニル、置換チ
エニル、置換フラニル、および置換ピロリルのそれぞれ
の置換基は、それぞれ独立に、アルデヒド、アシル、カ
ルボキシルまたはそのエステル、アミド、ニトリル、ニ
トロ、シアノ、アセタール、ケタール、オキソアルキ
ル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキ
ル、アルキルイミノアルキル、カルボキシアルキル、酸
ハライド、アミノアルキルアミノアルキル、アミノアル
キルアミノアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ
アルキル、またはヒドロキシアルキルアミノアルキルア
ミノアルキルであり、Bは、R置換フェニレン、−CH
=CH−、または−C≡C−であり、ここでRは、H、
アルキル、ヒドロキシルまたはそのエステル、アルコキ
シ、アルデヒド、ヒドロキシアルキル、アミノアルキ
ル、カルボキシルまたはそのエステル、−CH(OR1
)2 、またはNR2 R3 であり、ここでR1 は、H、
アルキル、またはアシルであり、そしてR2 およびR3
は、それぞれ独立に、H、アルキル、ヒドロキシアルキ
ル、またはアミノアルキルであり、そしてAr2 は、
【0013】
【化5】
【0014】または1〜3個の置換基を有するフェニル
であり、ここでAは、窒素、酸素、または硫黄であり、
Xは、H、カルボキシルまたはそのエステル、アミド、
ニトリル、ニトロ、シアノ、アセタール、ケタール、オ
キソアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、
ハロアルキル、カルボキシアルキル、酸ハライド、アミ
ノアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノアル
キルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、また
はヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルで
あり、Yは、H、アルデヒド、アシル、カルボキシルま
たはそのエステル、アミド、ニトリル、ニトロ、シア
ノ、アセタール、ケタール、オキソアルキル、アミノア
ルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキル
イミノアルキル、カルボキシアルキル、酸ハライド、ア
ミノアルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノア
ルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ま
たはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキル
であり、Zは、H、アシル、カルボキシルまたはそのエ
ステル、アミド、ニトリル、ニトロ、シアノ、アセター
ル、ケタール、オキソアルキル、アミノアルキル、ヒド
ロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルイミノアルキ
ル、カルボキシアルキル、酸ハライド、アミノアルキル
アミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、
またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキ
ルであり、当該置換フェニルのそれぞれの置換基は、そ
れぞれ独立に、アルデヒド、アシル、カルボキシルまた
はそのエステル、アミド、ニトリル、ニトロ、シアノ、
アセタール、ケタール、オキソアルキル、アミノアルキ
ル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルイミ
ノアルキル、カルボキシアルキル、酸ハライド、アミノ
アルキルアミノアルキル、アミノアルキルアミノアルキ
ルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、または
ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであ
る、ポリアリール化合物またはその塩に関する。
【0015】上記化合物の一つの好ましい態様は、Bが
R置換フェニレンであるものである。好ましくは、Ar
1 で示される当該置換フェニル、置換チエニル、置換フ
ラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置換基は、そ
れぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアルキル、ハロ
アルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、または
ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであ
る。より好ましくは、Ar2 が、
【0016】
【化6】
【0017】または1〜3個の置換基を有するフェニル
であり、ここでXおよびZは、それぞれ独立に、H、ヒ
ドロキシアルキルであり、Yは、H、アルデヒドまたは
ヒドロキシアルキルであり、当該置換フェニルのそれぞ
れの置換基は、それぞれ独立に、アルデヒド、またはヒ
ドロキシアルキルである。
【0018】上記化合物の他の一つの好ましい態様は、
Bが−CH=CH−であるものである。好ましくは、A
r1 で示される当該置換フェニル、置換チエニル、置換
フラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置換基が、
それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアルキル、ハ
ロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、また
はヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルで
ある。より好ましくは、Ar2 が、
【0019】
【化7】
【0020】または1〜3個の置換基を有するフェニル
であり、ここでXおよびZは、それぞれ独立に、H、ヒ
ドロキシアルキルであり、Yは、H、アルデヒドまたは
ヒドロキシアルキルであり、当該置換フェニルのそれぞ
れの置換基は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アルデ
ヒド、またはヒドロキシアルキルである。
【0021】上記化合物の更に他の一つの好ましい態様
は、Bが−C≡C−であるものである。好ましくは、A
r1 で示される当該置換フェニル、置換チエニル、置換
フラニル、および置換ピロリルのそれぞれの置換基が、
それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアルキル、ハ
ロアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、また
はヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルで
ある。より好ましくは、Ar2 が、
【0022】
【化8】
【0023】または1〜3個の置換基を有するフェニル
であり、ここでXおよびZは、それぞれ独立に、H、ヒ
ドロキシアルキルであり、Yは、H、アルデヒドまたは
ヒドロキシアルキルであり、当該置換フェニルのそれぞ
れの置換基は、それぞれ独立に、ヒドロキシル、アルコ
キシル、アルデヒド、またはヒドロキシアルキルであ
る。
【0024】本発明の更に他の一つの態様は、上記に記
載した非対称化合物であって、Ar1 およびAr2 は、
それぞれ独立に、1〜3個の置換基を有するフェニル、
1〜2個の置換基を有するピロリル、1〜2個の置換基
を有するフラニル、または1〜2個の置換基を有するチ
エニルであり、当該置換フェニル、置換ピロリル、置換
フラニル、および置換チエニルのそれぞれの置換基は、
それぞれ独立に、アセタール、ケタール、オキソアルキ
ル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルイ
ミノアルキル、アシル、カルボキシルまたはそのエステ
ル、アミド、酸ハライド、ニトリル、またはヒドロキシ
アルキルアミノアルキルアミノアルキルであり、そして
Bは、R置換フェニレン、−CH=CH−、または−C
≡C−であり、ここでRは、H、アルキル、ヒドロキシ
ルまたはそのエステル、アルコキシ、アルデヒド、ヒド
ロキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシルまたは
そのエステル、−CH(OR1 )2 、またはNR2 R3
であり、ここでR1 は、H、アルキル、またはアシルで
あり、そしてR2 およびR3 は、それぞれ独立に、H、
アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキル
である、非対称化合物またはその塩に関する。
【0025】上記化合物の一つの好ましい態様は、Ar
1 およびAr2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立
に、アルデヒド、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ア
シル、カルボキシルまたはそのエステルである化合物ま
たはその塩である。
【0026】上記化合物の他の一つの好ましい態様は、
Ar1 およびAr2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独
立に、アルデヒドまたはヒドロキシアルキルである化合
物またはその塩である。
【0027】本発明の更に他の一つの態様は、医薬的に
使用可能な担体と、有効量の上記化学式のポリアリール
化合物であって、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立
に、ピロリル、1〜2個の置換基を有するピロリル、フ
ラニル、1〜2個の置換基を有するフラニル、チエニ
ル、1〜2個の置換基を有するチエニル、フェニル、ま
たは1〜3個の置換基を有するフェニルであり、当該置
換ピロリル、置換フラニル、置換チエニル、および置換
フェニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立に、アル
デヒド、アシル、カルボキシルまたはそのエステル、ア
ミド、ニトリル、ニトロ、シアノ、アセタール、ケター
ル、オキソアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアル
キル、ハロアルキル、アルキルイミノアルキル、カルボ
キシアルキル、酸ハライド、アミノアルキルアミノアル
キル、アミノアルキルアミノアルキルアミノ、ヒドロキ
シアルキルアミノアルキル、またはヒドロキシアルキル
アミノアルキルアミノアルキルであり、Bは、R置換フ
ェニレン、−CH=CH−、または−C≡C−であり、
ここでRは、H、アルキル、ヒドロキシルまたはそのエ
ステル、アルコキシ、アルデヒド、ヒドロキシアルキ
ル、アミノアルキル、カルボキシルまたはそのエステ
ル、−CH(OR1 )2 、またはNR2 R3 であり、こ
こでR1 は、H、アルキル、またはアシルであり、そし
てR2 およびR3 は、それぞれ独立に、H、アルキル、
ヒドロキシアルキル、またはアミノアルキルである、ポ
リアリール化合物の少なくとも一種とを含有する医薬組
成物に関する。
【0028】上記医薬組成物に使用可能な化合物の好ま
しいものとして、Ar1 およびAr2 のそれぞれの置換
基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシア
ルキルであるものが挙げられる。
【0029】本明細書において、“アルキル”という語
は、1〜8の炭素数を有する直鎖または分岐鎖式炭化水
素鎖、または3〜8の炭素数を有する環式炭化水素基を
意味する。アルキルの例として、これらに限定されない
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec −ブチル、tert−ブチル、アミ
ル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボル
ニル、イソボルニル、シクロヘキシルメチル、1 −また
は2 −シクロヘキシルエチル、および1 −, 2 −, また
は3 −シクロヘキシルプロピルが挙げられる。本明細書
中の“ハロ”または“ハロゲン化物”は、フルオロ、ク
ロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。アミド、エス
テル、およびシアノ基の何れかの末端が、ポリアリール
化合物に結合していてもよい。例えば、アミド基は窒素
末端(−NH−CO−R’)または炭素末端(−CO−
NH−R’)(ここで、R’はアルキル基である。)を
介して化合物の残りの部分に結合することができる。こ
こで、フェニレンとしてのBの置換パターンは、パラ、
メタ、またはオルトである。本明細書において、“置
換”という語は、一置換として定義される。ここで使用
される“非対称”ポリアリール化合物とは、当該化合物
のAr1 の置換基が、Ar2 の置換基とは同一たり得な
いことを意味する。
【0030】上記構成の発明において、特に、特許請求
の範囲の各請求項に記載の発明は以下の構成を有してい
る。
【0031】請求項1記載の発明は、化学式:Ar1 −
B−Ar2 を有する化合物またはその塩であって、Ar
1 は、フェニル、チエニル、またはフラニルであり、B
は、R置換フェニレンであり、ここでRはH、アルキ
ル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルであり、そし
て、Ar2 は、置換チエニルまたは置換フラニルであ
り、前記置換チエニル、および置換フラニルのそれぞれ
の置換基は、それぞれ独立に、アルキル、オキソアルキ
ル、アミノアルキル、アミノアルキルアミノアルキル、
ヒドロキシアルキルアミノアルキル、またはヒドロキシ
アルキルアミノアルキルアミノアルキルであることを特
徴とする。
【0032】請求項2記載の発明は、化学式:Ar1 −
B−Ar2 を有する化合物またはその塩であって、Ar
1 は、置換チエニルまたは置換フラニルであり、前記置
換チエニルおよび置換フラニルのそれぞれの置換基は、
それぞれ独立に、アルデヒド、アシル、オキソアルキ
ル、またはヒドロキシアルキルであり、Bは、R置換フ
ェニレンであり、ここでRはH、アルキル、ヒドロキシ
アルキル、アミノアルキルであり、そしてAr2 は、
【0033】
【化9】
【0034】で、ここでAは、酸素または硫黄であり、
Xは、オキソアルキルまたはヒドロキシアルキルであ
り、YおよびZは、それぞれHであることを特徴とす
る。
【0035】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の化合物またはその塩であって、前記Ar1 のそれぞれ
の置換基が、それぞれ独立に、アルデヒド、アシル、ま
たはヒドロキシアルキルであることを特徴とする。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の化合物またはその塩であって、前記Ar2 が、
【0037】
【化10】
【0038】で、ここでXはヒドロキシアルキルであ
り、YおよびZは、それぞれHであることを特徴とす
る。
【0039】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の化合物またはその塩であって、前記Ar1 のそれぞれ
の置換基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロ
キシアルキルであることを特徴とする。
【0040】請求項6に記載の発明は、化学式:Ar1
−B−Ar2 を有する非対称化合物またはその塩であっ
て、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換フラ
ニルまたは置換チエニルであり、前記置換フラニルおよ
び置換チエニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立
に、アシル、オキソアルキル、ヒドロキシアルキル、ア
ミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミ
ノアルキルであり、そしてBは、R置換フェニレンであ
り、ここでRは、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、
アミノアルキルであることを特徴とする。
【0041】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の非対称化合物またはその塩であって、前記Ar1 およ
びAr2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立に、アル
デヒド、アシル、ヒドロキシアルキルであることを特徴
とする。
【0042】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の非対称化合物またはその塩であって、前記Ar1 およ
びAr2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立に、アル
デヒドまたはヒドロキシアルキルであることを特徴とす
る。
【0043】請求項9に記載の発明は、有効量の、化学
式:Ar1 −B−Ar2 を有する化合物と、医薬的に使
用可能な担体とを含有する医薬組成物であって、Ar1
およびAr2 は、それぞれ独立に、フラニル、1〜2個
の置換基を有するフラニル、チエニル、1〜2個の置換
基を有するチエニル、フェニルであり、前記置換フラニ
ルおよび置換チエニルのそれぞれの置換基は、それぞれ
独立に、アルデヒド、オキソアルキル、アミノアルキ
ル、またはヒドロキシアルキルであり、Bは、R置換フ
ェニレンであり、ここでRは、H、アルキル、ヒドロキ
シアルキル、アミノアルキルであることを特徴とする。
【0044】請求項10記載の発明は、請求項9に記載
の医薬組成物であって、前記Ar1およびAr2 のそれ
ぞれの置換基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒ
ドロキシアルキルであることを特徴とする。
【0045】請求項11に記載の発明は、化学式:Ar
1 −B−Ar2 を有する化合物またはその塩であって、
Ar1 はフェニルまたはチエニルであり、Bは、−C≡
C−であり、Ar2 は、置換フェニルまたは置換チエニ
ルであり、前記置換フェニルおよび置換チエニルのそれ
ぞれの置換基は、それぞれ独立に、オキソアルキル、ア
ミノアルキル、アミノアルキルアミノアルキル、ヒドロ
キシアルキルアミノアルキル、またはヒドロキシアルキ
ルアミノアルキルアミノアルキルであることを特徴とす
る。
【0046】請求項12に記載の発明は、化学式:Ar
1 −B−Ar2 を有する化合物またはその塩であって、
Ar1 は、置換チエニルまたは置換フェニルであり、前
記置換チエニルおよび置換フェニルのそれぞれの置換基
は、それぞれ独立に、アルデヒド、オキソアルキル、ア
ミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルア
ミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ま
たはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキル
であり、Bは、−C≡C−であり、Ar2 は、
【0047】
【化11】
【0048】または1個の置換基を有するフェニルであ
り、ここでAは硫黄であり、Xはオキソアルキルまたは
ヒドロキシアルキルであり、YおよびZは、それぞれH
であり、前記置換フェニルのそれぞれの置換基は、それ
ぞれ独立に、アルデヒドまたはオキソアルキルであるこ
とを特徴とする。
【0049】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の抗腫瘍剤用の化合物またはその塩であって、前記
Ar1 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立に、アルデ
ヒドまたはヒドロキシアルキルであることを特徴とす
る。
【0050】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の抗腫瘍剤用の化合物またはその塩であって、前記
Ar2 が、
【0051】
【化12】
【0052】または1個の置換基を有するフェニルであ
り、ここでXはヒドロキシアルキルであり、YおよびZ
はHであり、前記置換フェニルの置換基はアルデヒドで
あることを特徴とする。
【0053】請求項15に記載の発明は、化学式:Ar
1 −B−Ar2 を有する非対称化合物またはその塩であ
って、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換フ
ェニルまたは置換チエニルであり、前記置換フェニルお
よび置換チエニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立
に、オキソアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアル
キル、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキ
ルであり、そして、Bは、−C≡C−であることを特徴
とする抗腫瘍剤用の非対称化合物またはその塩である。
【0054】請求項16に記載の発明は、請求項15に
記載の抗腫瘍剤用の非対称化合物またはその塩であっ
て、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの置換基が、そ
れぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシアルキルで
あることを特徴とする。
【0055】請求項17に記載の発明は、有効量の、化
学式:Ar1 −B−Ar2 を有する化合物と、医薬的に
使用可能な担体とを含有する医薬組成物であって、Ar
1 およびAr2 は、それぞれ独立に、チエニル、1〜2
個の置換基を有するチエニル、フェニル、または1〜3
個の置換基を有するフェニルであり、前記置換チエニル
および置換フェニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独
立に、アルデヒド、オキソアルキル、アミノアルキル、
ヒドロキシアルキル、アミノアルキルアミノアルキル、
ヒドロキシアルキルアミノアルキル、またはヒドロキシ
アルキルアミノアルキルアミノアルキルであり、Bは、
−C≡C−であることを特徴とする抗腫瘍剤用の医薬組
成物である。
【0056】請求項18に記載の発明は、請求項17に
記載の抗腫瘍剤用の医薬組成物であって、前記Ar1 お
よびAr2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立に、ア
ルデヒドまたはヒドロキシアルキルであることを特徴と
する。
【0057】また、他の本発明は次の構成を有する発明
である。化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する化合物ま
たはその塩であって、Ar1 は、チエニルまたはフラニ
ルであり、Bは、−CH=CH−であり、Ar2 は、置
換チエニルまたは置換フラニルであり、前記置換チエニ
ルおよび置換フラニルの置換基は、それぞれ独立に、オ
キソアルキル、アミノアルキル、アミノアルキルアミノ
アルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、または
ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであ
ることを特徴とする抗腫瘍剤用の化合物またはその塩で
ある。
【0058】上記記載の抗腫瘍剤用の化合物またはその
塩であって、前記置換チエニルおよび置換フラニルの置
換基が、それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアル
キル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、またはヒド
ロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであるこ
とを特徴とする。
【0059】また、化学式:Ar1 −B−Ar2 を有す
る化合物またはその塩であって、Ar1 は、置換チエニ
ルまたは置換フラニルであり、前記置換チエニルおよび
置換フラニルの置換基は、それぞれ独立に、アルデヒ
ド、アシル、オキソアルキル、またはヒドロキシアルキ
ルであり、Bは、−CH=CH−であり、Ar2 は、
【0060】
【化13】
【0061】で、ここでAは酸素または硫黄であり、X
は、オキソアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアル
キル、アミノアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアル
キルアミノアルキル、またはヒドロキシアルキルアミノ
アルキルアミノアルキルであり、YおよびZは、Hであ
ることを特徴とする抗腫瘍剤用の化合物またはその塩で
ある。
【0062】上記記載の抗腫瘍剤用の化合物またはその
塩であって、前記Ar1 の置換基が、それぞれ独立に、
アルデヒド、アシルまたはヒドロキシアルキルであるこ
とを特徴とする。前記Ar2 が、
【0063】
【化14】
【0064】で、ここでXはヒドロキシアルキルであ
り、YおよびZは、それぞれHであることを特徴とす
る。
【0065】上記抗腫瘍剤用の化合物またはその塩であ
って、前記Ar1 の置換基が、それぞれ独立に、アルデ
ヒドまたはヒドロキシアルキルであることを特徴とす
る。
【0066】また、化学式:Ar1 −B−Ar2 を有す
る非対称化合物またはその塩であって、Ar1 およびA
r2 は、置換チエニルまたは置換フラニルであり、前記
置換チエニルおよび置換フラニルのそれぞれの置換基
は、それぞれ独立に、オキソアルキル、ヒドロキシアル
キル、アミノアルキル、またはヒドロキシアルキルアミ
ノアルキルアミノアルキルであり、そして、Bは、−C
H=CH−であることを特徴とする。
【0067】上記記載の抗腫瘍剤用の非対称化合物また
はその塩であって、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれ
の置換基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロ
キシアルキルあることを特徴とする。
【0068】また、有効量の、化学式:Ar1 −B−A
r2 を有する化合物と、医薬的に使用可能な担体とを含
有する医薬組成物であって、Ar1 およびAr2 は、そ
れぞれ独立に、フラニル、または1〜2個の置換フラニ
ル、チエニル、または1〜2個の置換基を有するチエニ
ルであり、前記置換チエニルのそれぞれの置換基は、そ
れぞれ独立に、アルデヒド、オキソアルキル、アミノア
ルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルアミノア
ルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、またはヒ
ドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであ
り、Bは、−CH=CH−であることを特徴とする抗腫
瘍剤用の医薬組成物としてもよい。
【0069】上記記載の抗腫瘍剤用の医薬組成物であっ
て、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの置換基が、そ
れぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシアルキルで
あることを特徴とする。
【0070】本発明のその他の特徴および利点は、以下
の好ましい実施の形態の記述から明らかになるであろ
う。
【0071】
【発明の実施の形態】上記ポリアリール抗腫瘍化合物
は、公知技術による方法により製造することができる。
例えば、ジハロ置換ポリアリールエチレン化合物は、例
えば、ジメチルホルムアミドのようなホルミル基を有す
る適当な親核試薬の過剰量と、親核置換反応により反応
させ、例えば、ジホルミルポリアリールエチレン化合物
等の対応する生成物を製造する。他の例として、ジホル
ミルポリアリールアセチレン誘導体は、先ず適正に活性
化されたアセチレン核、例えば、銅トリメチルシリルア
セチリドと、還元脱離により、例えば、パラジウム触媒
化ホルミルチオフェン等のホルミル基で置換した触媒化
フラン、ピロールまたはチオフェンとを反応させること
により合成できる。この置換されたモノアリールアセチ
レンは、他の触媒化置換チオフェンと反応して所望のジ
ホルミル置換生成物を与える。Sonogashiraet al., Tet
rahedron Lett. 1975, 4467参照。更に他の例として、
ジホルミルポリアリールフェニレン誘導体は、ジハロ置
換フェニレンを、2当量の適正に置換されたフラン、チ
オフェン、またはピロール、例えば、ホルミルトリブチ
ルスタニルチオフェンとカップリングさせることによ
り、所望の生成物を合成して製造することができる。こ
れら上記ジホルミル置換化合物は、更に、水素化ホウ素
ナトリウムで還元することにより、対応するヒドロキシ
アルキル誘導体を生成できる。一方、これらジホルミル
置換ポリアリール誘導体は、適正に置換されたアミンお
よび水素化ホウ素ナトリウムと共に還元アミノ化するこ
とにより、対応するヒドロキシアルキルアミノアルキル
またはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキ
ル置換ポリアリール誘導体を製造することができる。
【0072】腫瘍(例えば、白血病、肺癌、結腸癌、C
NS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および乳
癌)の治療に使用される上記種々のポリアリール化合物
以外に、上記組成物を患者に投与することにより、腫瘍
を治療する方法もまた、本発明の態様として考慮され
る。本発明の範囲内に、腫瘍治療用医薬品の製造に使用
されるポリアリール化合物の用途も含まれる。
【0073】ここで使用される製剤の有効量とは、必要
な患者に投与の上、腫瘍細胞の成長を抑制し、悪性細胞
を殺し、または腫瘍を縮小させ、またさもなければ、治
療患者に治療効果を与えるポリアリール化合物の量とし
て定義される。患者に投与すべき有効量は、一般に、体
表面積、体重、および病状に基づき決定される。動物お
よび人(体表面積の平方メートル当たりのミリグラム基
準)の投与量の相互関係は、Freireich et al., Cancer
Chemother. Rep. 1966, 50, 219に記載されている。体
表面積は、患者の身長および体重から大体決定される。
Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticls, Ardley, N
ew York, 1970, 537参照。本発明を実施するために使用
されるポリアリール化合物の有効量は、約5mg/kg 〜約
50mg/kg の範囲とすることができる。有効投与量は、
当業者により認められているように、投与方法、賦形剤
量、ならびに他の抗腫瘍剤および放射線治療の使用を含
む他の治療方法を併用する可能性に基づき変化する。
【0074】医薬組成物は、皮下、腹膜腔内、筋肉内、
および静脈内を含む非経口ルートを経由して投与するこ
とができる。非経口投与製剤の形態の例として、等張塩
溶液中に、5%のグルコースまたは他の公知の医薬的に
使用可能な賦形剤と、活性剤の水溶液が挙げられる。シ
クロデキストリン等の可溶化剤、または当業者によく知
られている他の可溶化剤も、治療化合物投与のための医
薬的賦形剤として利用できる。
【0075】上記ポリアリール化合物も、公知の方法を
利用した他の投与方法により製剤中に配合することがで
きる。医薬組成物は、例えば、カプセル、ゲル封入剤ま
たは錠剤等の経口投与のための製剤中に配合することが
できる。カプセルは、ゼラチンまたはセルロース誘導体
等の公知の医薬的に使用可能な材料から成る。錠剤は、
活性ポリアリール化合物および固体担体、ならびに滑剤
の混合物を、公知の方法で圧縮することにより配合され
る。固体担体の例として、デンプンおよび糖ベントナイ
トが挙げられる。ポリアリール化合物は、例えば、バイ
ンダーとして乳糖またはマンニトール、および公知の充
填剤および錠剤化試薬を含む硬殻錠剤またはカプセルの
形態で投与することができる。
【0076】上記ポリアリール化合物の抗腫瘍活性は、
試験管内分析(in vitro assay)により予備的に評価す
ることができ、次いで、生体内試験(in vivo testing
)により確認することができる。例えば、ポリアリー
ル化合物は、試験管内細胞毒性について、3−(4,5
−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニ
ルテトラゾリウムブロミド(MTT)[Boyd, in Princ
iple of Practice of Oncology, Devita, Hellman, Ro
senberg (eds.) Vol. 3, PPO Update, No. 10, 1989]を
使用したミクロカルチャー分析により評価することがで
きる。MTT分析は、6日間薬剤にさらした後、生腫瘍
細胞のミトコンドリアにおける脱水素酵素による暗青色
のホルマザン生成物の産出に基づくものである [Alley,
et al., Cancer Res. 1988, 48, 589] 。このようにし
て、生細胞のみが染色され、570nmで測定すること
ができる。抗腫瘍細胞毒性は、IC50として報告されて
おり、それは、細胞の成長を腫瘍細胞の対称培養物の5
0%に遅延させる効果のある薬剤投与量であることを意
味する。
【0077】更に詳細な説明がなくとも、当業者であれ
ば、ここでの記載に基づいて、本発明を十分な程度に利
用することができるであろう。従って、以下の特定の実
施例は、どのような方法であれ本明細書の残りの部分の
単なる例示を意図したものであり、限定を意図するもの
ではない。
【0078】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明する。 (実施例1) −1,2−ビス[2−(5−ホルミル)−チエニル]ア
セチレンの合成− 100mlのフラスコに、20mlのベンゼンおよび1.1
2g(5mmol)の2−ホルミル−5−ヨードチオフェン
を入れた。この混合物を撹拌しながら、0.98g(1
0mmol)の(トリメチルシリル)アセチレン、600mg
のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
160mgのヨウ化第一銅、120mgの塩化トリエチルベ
ンジルアンモニウム(TEBAC)、および20mlの
2.5N脱酸素KOHを加えた。混合物を40℃で48
時間撹拌した。温度を室温(r.t.)に下げた後、飽和塩
化アンモニウム溶液を加え、そして混合物を0.5時間
撹拌し、生成した沈澱物をろ過により除去した。ろ液を
エーテルにて抽出した。有機抽出物を飽和重炭酸ナトリ
ウムおよび食塩水により洗浄し、次いで、無水MgSO
4 により乾燥した。ろ過および濃縮後、残渣をシリカゲ
ルカラムでクロマトグラフ分離(EtOAc/n−ヘキサンで
溶出)を行い、0.34g(収率:58%)の生成物
(mp:154℃)を得た。◎
【表1】
【0079】(実施例2) −1,2−ビス[2−(5−ヒドロキシメチル)−チエ
ニル]アセチレンの合成− 1,2−ビス[2−(5−ホルミル)−チエニル]アセ
チレン(3mmol)を30mlのエタノールに溶解し、1mm
olの水素化ホウ素ナトリウムで処理した。室温で4時間
撹拌した後、反応を停止させるために水を加えた。混合
物をエーテルにて抽出した。有機抽出物を飽和重炭酸ナ
トリウムおよび食塩水により洗浄し、次いで、無水Mg
SO4 により乾燥した。ろ過および濃縮を行い、ほとん
ど定量的収率で1,2−ビス[2−(5−ヒドロキシメ
チル)−チエニル]アセチレンを得た。 1,2−ビス[2−(5−ヒドロキシメチル)−チエニ
ル]アセチレン(mp:146〜147℃):◎
【表2】
【0080】(実施例3) −(E)−1,2−ビス[2−(5−ホルミル)−チエ
ニル]エテンの合成− 25mlのフラスコに、5mlのDMFおよび0.16ml
(1.74mmol)のオキシ塩化燐を入れた。この混合物
を氷浴で0.5時間撹拌した。次いで、混合物を303
mg(1.58mmol)の(E)−1,2−ビス(2−チエ
ニル)エチレンで処理し、50℃で48時間撹拌した。
温度を室温に下げた後、10mlの10%重炭酸ナトリウ
ムを加え、混合物をCH2 Cl2 にて抽出した。有機抽
出物を食塩水により洗浄し、次いで、無水MgSO4 に
より乾燥した。ろ過および濃縮後、残渣をシリカゲルカ
ラムでクロマトグラフ分離(EtOAc/n−ヘキサンで溶
出)を行い、0.04gのビス−ホルミル誘導体を得
た。ビス−ホルミル誘導体をEtOAcから再結晶し、0.
03g(収率:6%)の純粋な生成物を得た。 (E)−1,2−ビス[2−(5−ホルミル)−チエニ
ル]エテン(mp:209℃):◎
【表3】
【0081】(実施例4) −(E)−1,2−ビス[2−(5−ヒドロキシメチ
ル)−チエニル]エテンの合成− (E)−1,2−ビス[2−(5−ホルミル)−チエニ
ル]エテン(3mmol)を30mlのエタノールに溶解し、
1mmolの水素化ホウ素ナトリウムで処理した。室温で4
時間撹拌した後、反応を停止させるために水を加えた。
混合物をエーテルにて抽出した。有機抽出物を飽和重炭
酸ナトリウムおよび食塩水により洗浄し、次いで、無水
MgSO4 により乾燥した。ろ過および濃縮後、ほとん
ど定量的収率で対応するヒドロキシメチル誘導体を得
た。 (E)−1,2−ビス[2−(5−ヒドロキシメチル)
−チエニル]エテン(mp:133〜134℃):◎
【表4】
【0082】(実施例5) −(E)−1−(2−チエニル)−2−{2−[5−
(アミノメチル)]−チエニル}エテンの合成− (i )25mlのフラスコに、2.22g(10mmol)の
(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−(5−ヒド
ロキシメチル)チエニル]エテン、1.62g(11mm
ol)のフタルイミド、2.89g(11mmol)のトリフ
ェンニルホスフィン、および20mlのテトラヒドロフラ
ンを入れた。この混合物に、ゆっくりと1.92g(1
1mmol)のアゾジカルボン酸ジエチルを加え、室温で2
4時間撹拌した。反応を停止させるために水を加えた。
混合物をエーテルにて抽出した。有機抽出物を飽和重炭
酸ナトリウムおよび食塩水により洗浄し、次いで、無水
MgSO4 により乾燥した。ろ過および濃縮後、残渣を
シリカゲルカラムでクロマトグラフ分離(EtOAc/n−ヘ
キサンで溶出)を行い、2.22g(収率:64%)の
純粋な生成物(mp:160℃)を得た。◎
【表5】
【0083】(ii)(E)−1−(2−チエニル)−2
−{2−[5−(N−フタルイミドメチル)]−チエニ
ル}エテン(0.35g,1mmol)を5mlのエタノール
に溶解し、0.055g(1.1mmol)の80%ヒドラ
ジンにて、加熱下、60℃で処理した。この混合物を、
4時間加熱環流し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣を
7mlの0.5N HClで処理し、生成した沈澱物をろ
過により除去した。ろ液にpH>12となるまで1N
NaOHを加え、次いでクロロホルムにて抽出した。有
機抽出物を食塩水により洗浄し、次いで、無水MgSO
4 で乾燥した。ろ過および濃縮後、0.18g(収率:
83%)の生成物(mp:89〜90℃)を得た。◎
【表6】
【0084】(実施例6) −(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−{5−
[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル]}チエ
ニル]エテンの合成− 100mlのフラスコに、30mlのメタノール、10mmol
のエタノールアミン、および数滴の酢酸を入れた。
(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−(5−ホル
ミル)チエニル]エテン(1.10g、5mmol)を室温
でゆっくりと添加した。反応を、ホルミル基含有化合物
が消費されるまでTLCにより監視した。過剰の水素化
ホウ素ナトリウムを加え、再度の反応を、イミン中間体
が消失するまでTLCにより監視した。混合物を減圧下
で濃縮し、残渣を50mlのEtOAcおよび50mlの0.1
N HClで処理した。得られた沈澱をろ過し、ろ液を
EtOAcで洗浄した。沈澱物と合わせた後、ろ液を2N
NaOHでpH>12となるまで処理し、次いで、 Et
OAcで抽出した。有機抽出物を飽和重炭酸ナトリウムお
よび食塩水により洗浄し、次いで、無水MgSO4 で乾
燥した。反応液をろ過および濃縮した後、1.30gの
(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−{5−[N
−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル]}チエニ
ル]エテンを得た。n −ヘキサンで再結晶することによ
り、1.22gの所望の製造物を得た。(E)−1−
(2−チエニル)−2−[2−{5−[N−(2−ヒド
ロキシエチル)アミノメチル]}チエニル]エテン(m
p:91℃):◎
【表7】
【0085】(実施例7) −(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−{5−
[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]}チエニ
ル]エテンの合成− 100mlのフラスコに、30mlのメタノール、10mmol
のエチレンジアミン、および数滴の酢酸を入れた。
(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−(5−ホル
ミル)チエニル]エテン(1.10g、5mmol)を0℃
でゆっくりと添加した。反応を、ホルミル基含有化合物
が消費されるまでTLCにより監視した。過剰の水素化
ホウ素ナトリウムを加え、再度の反応を、イミン中間体
が消失するまでTLCにより監視した。混合物を減圧下
で濃縮し、残渣を50mlのEtOAcおよび50mlの0.1
N HClで処理した。得られた沈澱をろ過し、ろ液を
EtOAcで洗浄した。沈澱物と合わせた後、ろ液を2N
NaOHでpH>12となるまで処理し、次いで、 Et
OAcで抽出した。有機抽出物を飽和重炭酸ナトリウムお
よび食塩水により洗浄し、次いで、無水MgSO4 で乾
燥した。反応液をろ過および濃縮した後、0.74gの
(E)−1−(2−チエニル)−2−[2−{5−[N
−(2−アミノエチル)アミノメチル]}チエニル]エ
テンを得た。n −ヘキサンで再結晶することにより、
0.72gの所望の製造物を得た。(E)−1−(2−
チエニル)−2−[2−{5−[N−(2−アミノエチ
ル)アミノメチル]}チエニル]エテン(mp:104
〜105℃):◎
【表8】
【0086】(実施例8) −(E)−1−(2−チエニル)−2−(2−[5−
{N−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノエチル]
アミノメチル}]チエニル)エテンの合成− 100mlのフラスコに、30mlのメタノール、10mmol
の2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、および
数滴の酢酸を入れた。(E)−1−(2−チエニル)−
2−[2−(5−ホルミル)チエニル]エテン(1.1
0g、5mmol)を室温でゆっくりと添加した。反応を、
ホルミル基含有化合物が消費されるまでTLCにより監
視した。過剰の水素化ホウ素ナトリウムを加え、再度の
反応を、イミン中間体が消失するまでTLCにより監視
した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を50mlのEtOAc
および50mlの0.1N HClで処理した。得られた
沈澱をろ過し、ろ液をEtOAcで洗浄した。沈澱物と合わ
せた後、ろ液を2N NaOHでpH>12となるまで
処理し、次いで、 Et OAcで抽出した。有機抽出物を飽
和重炭酸ナトリウムおよび食塩水により洗浄し、次い
で、無水MgSO4 で乾燥した。反応液をろ過および濃
縮した後、1.36gの(E)−1−(2−チエニル)
−2−(2−[5−{N−[N−(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノエチル]アミノメチル}]チエニル)エテン
を得た。n −ヘキサンで再結晶することにより、1.2
9gの所望の製造物を得た。(E)−1−(2−チエニ
ル)−2−(2−[5−{N−[N−(2−ヒドロキシ
エチル)アミノエチル]アミノメチル}]チエニル)エ
テン(mp:51〜52℃):◎
【表9】
【0087】(実施例9) −1−(2−(5−ホルミルフリル))−4−(2−
(5−ホルミルチエニル))ベンゼンの合成− (i )二口フラスコに、1,4−ジブロモベンゼン(1
3.5g,57mmol)を触媒のPd(PPh3 )4 と共に入
れ、30mlのベンゼンおよび6mlの2M Na2 CO3 水
溶液を加えた。混合物にジヒドロキシ−(2−(5−ホ
ルミルフリル))ボラン(2g,14mmol)のメタノー
ル溶液を加え、12時間加熱環流した。TLCは二つの
蛍光スポットを示した。より極性が小さいスポットは、
所望のダイマー生成物であると同定した。混合物をエー
テルにて抽出した。合わせたエーテル抽出物を無水Mg
SO4 で乾燥し、そして濃縮した。クロマトグラフによ
り、30%の1−ブロモ−4−(2−ホルミルフリル)
ベンゼンを得た。◎
【表10】
【0088】(ii)二口フラスコに、1−ブロモ−4−
(2−(5−ホルミルフリル))ベンゼン(0.25
g,1mmol)、2−(ジエトキシメチル)−5−(トリ
ブチルスタニル)チオフェン(0.95g,2mmol)、
および5モル%の触媒Pd(PPh3)2Cl2を入れた。50m
lのTHFを加えた後、混合物を12時間加熱環流し
た。反応を水酸化アンモニウム水溶液を加えることによ
り停止させ、エーテルにて抽出した。合わせたエーテル
抽出物を無水MgSO4 で乾燥し、濃縮して、50%の
収率で所望の製造物を得た。◎
【表11】
【0089】(実施例10) −1,4−ビス[2−(5−ホルミル)チエニル]ベン
ゼンの合成− 二口フラスコに、1,4−ジブロモベンゼン0.236
g(1mmol)、2−(ジエトキシメチル)−5−(トリ
ブチルスタニル)チオフェン0.95g(2mmol)、お
よび5モル%の触媒Pd(PPh3 )2Cl2を入れた。50ml
のTHFを加えた後、混合物を12時間加熱環流した。
反応を水酸化アンモニウム水溶液を加えることにより停
止させ、エーテルにて抽出した。合わせたエーテル抽出
物を無水MgSO4 で乾燥し、濃縮して、0.24g
(収率:80%)の収量で所望の製造物(mp>268
℃、分解)を得た。◎
【表12】
【0090】(実施例11) −1,4−ビス[2−(5−ヒドロキシメチル)チエニ
ル]ベンゼンの合成− 1,4−ビス[2−(5−ホルミル)チエニル]ベンゼ
ン(100ml)のエタノール(50ml)溶液に窒素雰囲
気下、室温で、過剰のNaBH4 を加えた。反応は、4
時間撹拌して行い、水酸化アンモニウム水溶液を加える
ことにより停止させ、その後、エーテルにて抽出した。
合わせたエーテル抽出物を無水MgSO4 で乾燥し、濃
縮して、90%(収量:91mg)の収率で所望の製造物
(mp>300℃)を得た。◎
【表13】
【0091】(実施例12) −抗腫瘍活性についての化合物のスクリーニング− ポリアリール化合物の細胞毒性活性を、61種類の異な
るNCIヒト腫瘍セルラインのパネルに対する細胞毒性
を利用して測定した。
【0092】上記ポリアリール化合物の抗腫瘍活性試験
に使用した61種類の腫瘍セルラインを以下に記載す
る。 白血病 CCRF−CEM、HL−60(TB)、K−562、
MOLT−4、RPMI−8226、およびSR。 肺癌 A549/ATCC、EKVX、HOP−62、HOP
−92、NCI−H226、NCI−H23、NCI−
H322M、NCI−H460、およびNCI−H52
2。 結腸癌 COLO 205、HCC−2998、HCT−11
6、HCT−15、HT−29、KM−12、およびS
W−620。 CNS癌 SF−268、SF−295、SF−539、SNB−
19、SNB−75、およびU−251。 黒色腫 LOX−IMVI、MALME−3M、M−14、SK
−MEL−2、SK−MEL−28、SK−MEL−
5、UACC−257、およびUACC−62。 卵巣癌 IGR−OVI、OVCAR−3、OVCAR−4、O
VCAR−5、OVCAR−8、およびSK−OV−
3。 腎臓癌 786−0、A−498、SCHN、CAKI−1、R
XF−393、RXF−631、SN12C、TK−1
0、およびU0−31。 前立腺癌 PC−3およびDU−145。 乳癌 MCF 7、MCF7/ADR−RES、MDA−MB
−231/ATCC、HS578T、MDA−MB−4
35、MDA−N、BT−549、およびT−47D。
【0093】このNCI抗腫瘍活性スクリーニング分析
は、個々の化合物の一般的細胞毒性に関するデータを与
える。特にこのタイプの分析は、白血病腫瘍セルライン
等の成長の速い腫瘍細胞と比較して成長の遅い腫瘍に対
する有効な細胞毒性活性を示す化合物を同定するのに有
用である。このような化合物の同定は重要である。何故
なら、従来同定された抗腫瘍剤は、成長の遅い腫瘍に対
して低い細胞毒性活性を示すからである。
【0094】試験管内分析で試験したポリアリール化合
物の抗腫瘍細胞毒性を、3−(4,5−ジメチルチアゾ
ール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム
ブロミド(MTT)の何れかを使用したミクロカルチャ
ー分析により測定した。当該分析は、結果が1週間以内
に得られるので、数カ月かかる生体内分析と比較すると
有利である。この分析は、96−ウェル・ミクロタイタ
ープレートにより行った。MTT分析は、6日間薬剤に
さらした後、生腫瘍細胞のミトコンドリアにおける脱水
素酵素による暗青色のホルマザン生成物の産出に基づく
ものである [M.C. Alley, D.A. Scudiero, A. Monks,
M.L. Hursey, M.J. Czerwinski, D.L. Fine, B.J. Abbo
ut, J.G. Mayo, R.H. Shoemaker and M.R. Boyd, Cance
r Res.,48, 589, 1988]。このようにして、生細胞のみ
が染色され、570nmで測定することができる。抗腫
瘍細胞毒性は、IC50として報告されており、それは、
細胞の成長を腫瘍細胞の対称培養物の50%に遅延させ
る効果のある薬剤投与量であることを意味する。
【0095】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0096】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0097】すなわち、白血病、肺癌、結腸癌、CNS
癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、および乳癌等
の腫瘍を有効に治療することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 409/10 C07D 409/10

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する化
    合物またはその塩であって、 Ar1 は、フェニル、チエニル、またはフラニルであ
    り、 Bは、R置換フェニレンであり、ここでRはH、アルキ
    ル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルであり、そし
    て、 Ar2 は、置換チエニルまたは置換フラニルであり、前
    記置換チエニル、および置換フラニルのそれぞれの置換
    基は、それぞれ独立に、アルキル、オキソアルキル、ア
    ミノアルキル、アミノアルキルアミノアルキル、ヒドロ
    キシアルキルアミノアルキル、またはヒドロキシアルキ
    ルアミノアルキルアミノアルキルであることを特徴とす
    る化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する化
    合物またはその塩であって、 Ar1 は、置換チエニルまたは置換フラニルであり、前
    記置換チエニルおよび置換フラニルのそれぞれの置換基
    は、それぞれ独立に、アルデヒド、アシル、オキソアル
    キル、またはヒドロキシアルキルであり、 Bは、R置換フェニレンであり、ここでRはH、アルキ
    ル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルであり、そし
    て、 Ar2 は、 【化1】 で、ここでAは、酸素または硫黄であり、Xは、オキソ
    アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、YおよびZ
    は、それぞれHであることを特徴とする化合物またはそ
    の塩。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の化合物またはその塩で
    あって、前記Ar1のそれぞれの置換基が、それぞれ独
    立に、アルデヒド、アシル、またはヒドロキシアルキル
    であることを特徴とする化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の化合物またはその塩で
    あって、前記Ar2が、 【化2】 で、ここでXはヒドロキシアルキルであり、YおよびZ
    は、それぞれHであることを特徴とする化合物またはそ
    の塩。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の化合物またはその塩で
    あって、前記Ar1のそれぞれの置換基が、それぞれ独
    立に、アルデヒドまたはヒドロキシアルキルであること
    を特徴とする化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する非
    対称化合物またはその塩であって、 Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換フラニル
    または置換チエニルであり、前記置換フラニルおよび置
    換チエニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立に、ア
    シル、オキソアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノア
    ルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアル
    キルであり、そしてBは、R置換フェニレンであり、こ
    こでRは、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アミノ
    アルキルであることを特徴とする非対称化合物またはそ
    の塩。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の非対称化合物またはそ
    の塩であって、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの置
    換基が、それぞれ独立に、アルデヒド、アシル、ヒドロ
    キシアルキルであることを特徴とする非対称化合物また
    はその塩。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の非対称化合物またはそ
    の塩であって、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの置
    換基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシ
    アルキルであることを特徴とする非対称化合物またはそ
    の塩。
  9. 【請求項9】 有効量の、化学式:Ar1 −B−Ar2
    を有する化合物と、医薬的に使用可能な担体とを含有す
    る医薬組成物であって、 Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、フラニル、1
    〜2個の置換基を有するフラニル、チエニル、1〜2個
    の置換基を有するチエニル、フェニルであり、前記置換
    フラニルおよび置換チエニルのそれぞれの置換基は、そ
    れぞれ独立に、アルデヒド、アミノアルキル、オキソア
    ルキル、またはヒドロキシアルキルであり、Bは、R置
    換フェニレンであり、ここでRは、H、アルキル、ヒド
    ロキシアルキル、アミノアルキルであることを特徴とす
    る医薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の医薬組成物であっ
    て、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの置換基が、そ
    れぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシアルキルで
    あることを特徴とする医薬組成物。
  11. 【請求項11】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する
    化合物またはその塩であって、 Ar1 は、フェニルまたはチエニルであり、 Bは、−C≡C−であり、 Ar2 は、置換フェニルまたは置換チエニルであり、前
    記置換フェニルおよび置換チエニルのそれぞれの置換基
    は、それぞれ独立に、オキソアルキル、アミノアルキ
    ル、アミノアルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキ
    ルアミノアルキル、またはヒドロキシアルキルアミノア
    ルキルアミノアルキルであることを特徴とする抗腫瘍剤
    用の化合物またはその塩。
  12. 【請求項12】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する
    化合物またはその塩であって、 Ar1 は、置換チエニルまたは置換フェニルであり、前
    記置換チエニルおよび置換フェニルのそれぞれの置換基
    は、それぞれ独立に、アルデヒド、オキソアルキル、ア
    ミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルア
    ミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、ま
    たはヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキル
    であり、 Bは、−C≡C−であり、 Ar2 は、 【化3】 または1個の置換基を有するフェニルであり、ここでA
    は硫黄であり、Xはオキソアルキルまたはヒドロキシア
    ルキルであり、YおよびZは、それぞれHであり、前記
    置換フェニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立に、
    アルデヒドまたはオキソアルキルであることを特徴とす
    る抗腫瘍剤用の化合物またはその塩。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の抗腫瘍剤用の化合
    物またはその塩であって、前記Ar1 のそれぞれの置換
    基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキシア
    ルキルであることを特徴とする抗腫瘍剤用の化合物また
    はその塩。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の抗腫瘍剤用の化合
    物またはその塩であって、 前記Ar2 が、 【化4】 または1個の置換基を有するフェニルであり、ここでX
    はヒドロキシアルキルであり、YおよびZはHであり、
    前記置換フェニルの置換基はアルデヒドであることを特
    徴とする抗腫瘍剤用の化合物またはその塩。
  15. 【請求項15】 化学式:Ar1 −B−Ar2 を有する
    非対称化合物またはその塩であって、 Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、置換フェニル
    または置換チエニルであり、前記置換フェニルおよび置
    換チエニルのそれぞれの置換基は、それぞれ独立に、オ
    キソアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、
    ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであ
    り、そして、 Bは、−C≡C−であることを特徴とする抗腫瘍剤用の
    非対称化合物またはその塩。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の抗腫瘍剤用の非対
    称化合物またはその塩であって、前記Ar1 およびAr
    2 のそれぞれの置換基が、それぞれ独立に、アルデヒド
    またはヒドロキシアルキルであることを特徴とする抗腫
    瘍剤用の非対称化合物またはその塩。
  17. 【請求項17】 有効量の、化学式:Ar1 −B−Ar
    2 を有する化合物と、医薬的に使用可能な担体とを含有
    する医薬組成物であって、 Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、チエニル、1
    〜2個の置換基を有するチエニル、フェニル、または1
    〜3個の置換基を有するフェニルであり、前記置換チエ
    ニルおよび置換フェニルのそれぞれの置換基は、それぞ
    れ独立に、アルデヒド、オキソアルキル、アミノアルキ
    ル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルアミノアルキ
    ル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、またはヒドロ
    キシアルキルアミノアルキルアミノアルキルであり、 Bは、−C≡C−であることを特徴とする抗腫瘍剤用の
    医薬組成物。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の抗腫瘍剤用の医薬
    組成物であって、前記Ar1 およびAr2 のそれぞれの
    置換基が、それぞれ独立に、アルデヒドまたはヒドロキ
    シアルキルであることを特徴とする抗腫瘍剤用の医薬組
    成物。
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