JP2000247629A - 合成マイカ粉体、その製造方法及び該粉体を含有する化粧料 - Google Patents
合成マイカ粉体、その製造方法及び該粉体を含有する化粧料Info
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Abstract
いと共に化粧料としての安全性の基準を満たし得る合成
マイカ粉体を提供する。 【構成】合成フッ素金雲母粉と合成フッ素カリウム四ケ
イ素雲母粉とを混合して熱処理することによって、単に
混合したのでは全く得られない優れた性質を有する合成
マイカ粉体を得た。
Description
粉体及びその製造方法並びに該合成マイカ粉体を含有す
る化粧料に関する。
原料として使用されている。化粧料用の合成マイカ粉体
及び合成マイカを配合した化粧料については、特公平6
−99279号公報、特公平7−115858号公報に
開示されている。
鱗片状の粒子であるため伸展性に優れ、しかも皮膚への
付着性が良いため、化粧料の体質顔料として重要な原料
となっている。
の種類、粒子径、アスペクト比によって変化する。一般
に粒子径が大きく、アスペクト比の大きい雲母粉は、伸
展性、付着性に優れるが、光沢が高く、成型しにくい。
い雲母粉は、伸展性、付着性に劣るが、光沢が低く、成
型し易い。現在製造されている雲母粉は、この性質を勘
案し、用途に応じて品揃えされている。
た伸展性、付着性に優れ、光沢が低く、成型し易い雲母
粉は、未だ知られていない。
る過酷溶出試験におけるフッ素溶出量が20ppm以下
であることと、酸可溶物量が2%以下である必要があ
る。
伸展性、付着性に優れ、光沢が低く、成型し易いと共に
化粧料としての安全性の基準を満たし得る合成マイカ粉
体を提供することを目的とする。
ば、フアンデーションに配合するときに高配合でき、し
かも光沢がでず、良く伸びるといった従来にない化粧料
が得られる。
1に記載のマイカ粉体を製造する方法を提供することを
目的とする。
項1に記載のマイカ粉体を配合した化粧料を提供するこ
とを目的とする。
本発明者等は鋭意研究の結果、合成フッ素金雲母粉と合
成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを一緒に熱処理する
ことによって、伸展性、付着性に優れ、光沢が低く、成
型し易いと共に過酷溶出試験におけるフッ素溶出量が2
0ppm以下及び酸可溶物料が2%以下となるマイカ粉
体が得られることを見出し、本発明に到達した。
フッ素金雲母粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉と
を混合し、熱処理したことを特徴とする。
雲母粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを混合
後、900〜1200℃で熱処理することを特徴とす
る。
に記載のマイカ粉体の過酷溶出試験におけるフッ素溶出
量を20ppm以下にすると共に、酸可溶物量を2%以
下として化粧料に配合したことを特徴とする。
する。
着性に優れるが、光沢が高く、成型しにくい。また、合
成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉のみでは、光沢が低
く、成型し易いが、伸展性、付着性に劣る。
雲母粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを一緒に
熱処理し、伸展性、付着性に優れ、光沢が低く、成型し
易いマイカ粉としたものである。
四ケイ素雲母粉との混合割合は、広範囲に変化させるこ
とができ、目的とする性質、用途等に応じて、適宜選択
すれば良い。
素カリウム四ケイ素雲母粉との混合割合は、1対9〜9
対1、好ましくは3対7〜7対3とするのが良い。
おけるフッ素溶出量が20ppm以下であると共に、酸
可溶物試験における酸可溶物量が2%以下である必要が
ある。
ppmを越えても、酸可溶物試験における酸可溶物量が
2%を越えても、いずれも薬事法で定める規格に合格し
ないため安全性が確保できない。
四ケイ素雲母粉は、その面形状が多角板状様及び/又は
六角板状様であるのが好ましい。面形状が多角板状様及
び/又は六角板状様であるため、マイカ粉同士の滑り性
が良くなり、伸展性がより向上すると考えられる。
と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを混合後、90
0〜1200℃で熱処理することを特徴とする。
熱処理して混合したのでは、本発明のマイカ粉は得られ
ない。
ウム四ケイ素雲母粉を単独で900〜1200℃で熱処
理すると再結晶化が起こり、合成フッ素カリウム四ケイ
素粉同士が凝集し、焼結する現象が起き、また、過酷溶
出試験におけるフッ素溶出量が20ppmを越える。更
に、酸可溶物試験における酸可溶物量が、2%を越え
る。
四ケイ素雲母粉とを混合することによって、熱処理に際
して、合成フッ素金雲母粉が合成フッ素カリウム四ケイ
素雲母粉を凝集、焼結させない作用が起きると考えられ
る。
ケイ素雲母粉のその面形状が、多角板状様及び/又は六
角板状様のマイカ粉に形成されるものと考えられる。
成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉は再結晶化しにくく、
しかも過酷溶出試験におけるフッ素溶出量が20ppm
を越え、安全性の規格を達成できない。
の焼結が起こり、伸展性が不良となる。
フッ素カリウム四ケイ素雲母粉は、溶融合成法によって
合成したフッ素金雲母及び合成フッ素カリウム四ケイ素
雲母粉を、公知の粉砕機によって微粉化すれば良い。
ジィアン径が、5〜50ミクロンであるのが好ましい。
50ミクロンを越えると光沢が高くなり、5ミクロン未
満であると、伸展性、付着性が劣るようになる。
ーザー回折式メジィアン径が、1〜20ミクロンである
のが好ましい。20ミクロンを越えると伸展性、付着性
が劣るようになる。
イ素雲母粉は、固体間反応により製造したものやタルク
とケイフッ化物によるインターカレーション法により製
造したものでも良い。
素カリウム四ケイ素雲母粉とを混合後、熱処理するもの
であるが、混合方法は、ナウターミキサー、ヘンシェル
ミキサー、リボン型ミキサー等の公知の混合機を使用す
れば良い。
雲母粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを入れて
固形分濃度10%程度とし、攪拌して混合すれば、均一
に混合できるので、更に好ましい。
後熱処理を行う。熱処理前に酸処理を行うと、酸溶解成
分が除去でき、目的とするマイカ粉体中の酸成分を容易
に2%以下とすることができるので好ましい。
母粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉を、固形分濃
度10%程度になるように入れて、例えば塩酸、硫酸等
の無機酸及び/又はクエン酸等の有機酸を加えて行えば
良い。その後、水洗浄を行い、脱水し、乾燥、解砕後熱
処理を行う。
粧料全量中の1〜100重量%未満である。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉からなる粉体を製造し
た実施例を挙げる。実施例及び比較例で得た粉体の物性
値は、以下の方法によって測定した。
試験法」に基づいて、下記方法によって、フッ素溶出量
試験を行った。
ラスコに入れ、1時間加熱還流を行った。冷却後、濾紙
及びメンブランフイルターで濾過した。濾液全量をフッ
素試験法に従って蒸留を行い、試験溶液を作成した。そ
の後のフッ素分析は、ランタン・アリザリンコンプレキ
ソンを用いた吸光光度法により行った。尚、フッ素溶出
量の規格は、20ppm以下である。
験法」に基づいて、下記方法によって、酸可溶物量試験
を行った。
スコに入れ、50℃で15分間かき混ぜながら加温した
後、水を加えて50ミリリットルとして濾過した。初め
の濾液15ミリリットルを除き、次の濾液25ミリリッ
トルを取り、水浴上で蒸発乾固し、恒量になるまで強熱
し、デシケーター中で放冷した後、その重量を量った。
尚、酸可溶物量の規格は、2%以下である。
A500)にて製品を測定し、その測定結果のメジィア
ン径(50%重量径)を粒径とした。
ロテープを貼り、これに製品を塗布し、日本電色工業
(株)製デジタル携帯用光沢計「VG−2PD」にて入
射角60°/受光角60°で測定した。尚、化粧料に適
した光沢値は、3.5〜4.5である。
れを乳鉢に入れ、乳棒で混合した。更に、この混合品
6.0gを25mmφの金型に入れ、204kg/cm
2(全圧1000kg)の圧力で1分間プレス成型し
た。この成型試料を針入硬度計にて針入硬度を測定し
た。この値を成型性とし、数値が小さい程硬度が高いこ
と即ち成型性が良いことを表す。尚、化粧料に適した成
型性の値は、35〜50である。
を、伸展性及び付着性の項目毎に行った。
て表した。
合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉K(粒径:9.33
μm)50gを水1リットルに分散させ、攪拌して均一
混合した。均一混合後、クエン酸5gを加えて酸処理を
行い、その後、水洗浄し、脱水、乾燥、解砕後1000
℃で3時間熱処理を行った。更に、この混合熱処理品を
水洗浄した後、脱水、乾燥、解砕し、本発明品(実施例
1)を得た。
な方法によって、本発明品(実施例2)を得た。
する以外は、実施例1と同様な方法によって、本発明品
(実施例3)を得た。
方法によって、本発明品(実施例4)を得た。
する以外は、実施例1と同様な方法によって、本発明品
(実施例5)を得た。
な方法によって、本発明品(実施例6)を得た。
と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉K(粒径:9.3
3μm)30gを水1リットルに分散させる以外は、実
施例1と同様な方法によって、本発明品(実施例7)を
得た。
合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉K(粒径:9.33
μm)70gを水1リットルに分散させる以外は、実施
例1と同様な方法によって、本発明品(実施例8)を得
た。
合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉K(粒径:9.33
μm)33gを水1リットルに分散させる以外は、実施
例1と同様な方法によって、本発明品(実施例9)を得
た。
と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉K(粒径:9.3
3μm)67gを水1リットルに分散させる以外は、実
施例1と同様な方法によって、本発明品(実施例10)
を得た。
は、次表1の通りであった。
物性を、次表2及び表3に示す。
マイカは、いずれも複数の項目で不満足な物性を示す
が、本発明品は、全て全項目で満足すべき物性を示す。
四ケイ素雲母粉K(粒径:9.33μm)と1000℃
で3時間予め熱処理した合成フッ素金雲母粉A(粒径:
20.66μm)とを同重量混合し、水中に投入して攪
拌し均一化した(固形分濃度10%)。更に、この混合
熱処理品を水洗浄した後、脱水、乾燥、解砕し、本発明
によらない雲母粉(比較例1)を得た。
な方法によって、本発明によらない雲母粉(比較例2)
を得た。
方法によって、本発明によらない雲母粉(比較例3)を
得た。
測定した。結果を、次表4に示す。
ぞれ別々に熱処理し、これを均一に混合したのでは、全
ての物性に全く不満足なマイカ粉しか得られない。
ファンデーションXを製造した。尚、成分量の数字は、
重量%を表す。
白雲母を使用する以外は、実施例11と同様にして、比
較用パウダーファンデーションYを製造した。
ンXと比較例で得たパウダーファンデーションYとにつ
いて、前記伸展性、付着性の官能評価方法と同様にし
て、「のび」、「つき」、「つや」、「なめらかな使用
感」についての官能評価を行った。結果を次表5に示
す。
成型し易く、付着性に優れ、且つ伸展性が良い性質を示
した。
独で熱処理すると、フッ素溶出量の値が20ppm以下
に収まらなかったので、従来はこの雲母を化粧品の用途
に使用することはできなかった。
母粉を合成フッ素金雲母粉と一緒に熱処理することによ
って、フッ素溶出量の値を20ppm以下及び酸可溶物
量が2%以下とすることに成功しただけでなく、それぞ
れの雲母の有する伸展性及び付着性に優れる性質と、光
沢が低く、成型し易いという性質を兼備したマイカ粉体
を得ることに成功したものであり、それ故、極めて画期
的な発明である。しかして、従来、伸展性及び付着性に
優れる性質と、光沢が低く、成型し易いという性質を兼
備したマイカ粉体は知られていなかった。
性質を併有しているので、ファンデーションに高配合で
き、しかも光沢が出ず、良く伸びるといった従来にない
化粧料が得られる。
Claims (11)
- 【請求項1】合成フッ素金雲母粉と合成フッ素カリウム
四ケイ素雲母粉とを混合し、熱処理したことを特徴とす
る合成マイカ粉体。 - 【請求項2】前記合成マイカ粉体の過酷溶出試験におけ
るフッ素溶出量が、20ppm以下である請求項1に記
載の合成マイカ粉体。 - 【請求項3】前記合成フッ素金雲母粉と前記合成フッ素
カリウム四ケイ素雲母粉との混合割合が、1対9〜9対
1である請求項1又は2に記載の合成マイカ粉体。 - 【請求項4】前記熱処理した合成フッ素カリウム四ケイ
素雲母粉のその面形状が、多角板状様及び/又は六角板
状様である請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成マ
イカ粉体。 - 【請求項5】前記合成マイカ粉体の酸可溶物量が、2%
以下である請求項2〜4のいずれか1項に記載の合成マ
イカ粉体。 - 【請求項6】合成フッ素金雲母粉と合成フッ素カリウム
四ケイ素雲母粉とを混合後、900〜1200℃で熱処
理することを特徴とする合成マイカ粉体の製造方法。 - 【請求項7】前記合成マイカ粉体の過酷溶出試験におけ
るフッ素溶出量が、20ppm以下である請求項6に記
載の合成マイカ粉体の製造方法。 - 【請求項8】前記合成フッ素金雲母粉のレーザー回折式
メジィアン径が、5〜50ミクロンである請求項6又は
7に記載の合成マイカ粉体の製造方法。 - 【請求項9】前記合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉の
レーザー回折式メジィアン径が、1〜20ミクロンであ
る請求項6〜8のいずれか1項に記載の合成マイカ粉体
の製造方法。 - 【請求項10】前記熱処理前に、前記合成フッ素金雲母
粉と合成フッ素カリウム四ケイ素雲母粉とを酸洗浄し酸
可溶物量が2%以下とする請求項7〜9のいずれか1項
に記載の合成マイカ粉体の製造方法。 - 【請求項11】前記請求項5又は10に記載の合成マイ
カ粉体を配合したことを特徴とする化粧料。
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-
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- 1999-02-24 JP JP04571799A patent/JP3904337B2/ja not_active Expired - Fee Related
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