JP3315160B2 - 赤色合成雲母、その製法及び該雲母を含有する紫外線遮断剤 - Google Patents

赤色合成雲母、その製法及び該雲母を含有する紫外線遮断剤

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JP3315160B2 JP25766292A JP25766292A JP3315160B2 JP 3315160 B2 JP3315160 B2 JP 3315160B2 JP 25766292 A JP25766292 A JP 25766292A JP 25766292 A JP25766292 A JP 25766292A JP 3315160 B2 JP3315160 B2 JP 3315160B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化粧料、塗料、イン
キ、コーテイング剤、プラスチック、フイルム、繊維、ガラス
及び釉薬等の基剤として使用される新規赤色合成雲母、
その製法及び該雲母を含有する紫外線遮断剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】雲母粉は、その優れた絶縁性、リーフイ
ング性及び潤滑性等の性質を利用して、塗料添加材、プ
ラスチック添加材及び化粧料等に使用されている。天然
に産する雲母としては、白雲母、金雲母及び黒雲母等が
知られているが、これらは灰白色黒褐色を呈してい
る。また、雲母は種々の方法により合成することがで
き、これら合成品からは白色性の高い雲母が得られると
共に着色元素を結晶構造中に配位させることによって、
着色合成マイカを製造できることも知られている。一
方、化粧料には、雲母が、透明感に優れ、艶があり、使
用感触に伸展性がある等の利点があることから多く使用
されている。また最近では、天然の雲母だけでなく、合
成雲母も化粧料の添加剤として開発されて来ている。例
えば、特開昭63−241072号明細書には、フッ素
イオンの溶出が少なく、表面活性が少なく且つ油含みの
良い合成雲母粉体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、雲母
は優れた性質を持つにもかかわらず、着色性がないため、
絶縁性、リーフイング性等の鱗片形状に起因する性質し
か利用できなかった。塗料、プラスチック、化粧料等の分
野では特に赤色系で、しかも有機物の耐久性を向上させ
る紫外線遮断効果を有する材料の要望が強いが、現状で
は、赤色を出すためには、有機系染料や酸化鉄等の着色剤
を必要としていた。しかしながら、有機系赤色染料は耐光
性に乏しい難点があり、また酸化鉄は高屈折率の微粒子
であるため、ムラになり易く、また化粧料としての透明感
を損ねる難点があった。一方、化粧料には、紫外線防御の
ため、酸化チタン等の紫外線散乱剤や有機系の紫外線吸
収剤が使用されている。しかしながら、紫外線散乱剤は、
紫外線を遮断する効果には優れているものの同時に可視
光線をも散乱するため、透明感を損ない、チョーキング、
化粧料の白浮きの原因となる欠点があり、また、有機系の
紫外線吸収剤は、特定の波長範囲で顕著な紫外線吸収能
を有しているが、耐候性に乏しい欠点があった。 この発明は、このような従来の問題点を解消しようとす
るものであり、肌の色に近い赤色の発色があり、且つ紫外
線を効果的に遮断する合成雲母を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究の結果、合成雲母中の鉄含有
モル数が、0.01〜3モルである合成雲母を特定の温
度で熱処理することによって、従来の合成雲母には全く
見られなかった耐光性のある鮮やかな赤色の外観を呈
し、しかも紫外線遮断能にも極めて優れた新規合成雲母
が得られることを見いだし、本発明に到達した。即ち、
本発明は、次式(ll): 1/3〜1 2〜3 (Z 10 )F (式中、XはNa、K、Li、Ca、Rb及びSrから
なる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、Li、Co、Ti及びZ
nからなる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Z
はAl、Si、Ge、Fe、B、Co及びTiからなる
群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Y及びZの少
なくとも一方は鉄イオンを表わし、YとZは異なる元素
を表わす。)で表される合成雲母であって、該合成雲母
中の鉄含有モル数が、0.01〜3モルである合成雲母
を、700〜1200℃で熱処理することによって製造
される 次式(1): X1/3〜1 2〜3 (Z10)F2×0.75〜 2×0.99 (式中、X,Y及びZは前記の意味を表わす。) で表さ
れる合成雲母であって、該合成雲母中の鉄含有モル数
が、0.01〜3モルであり、合成雲母を粉末セル法で
測定した時その色が、L*a*b*表色系でL*=55
〜75、a*=5〜20、b*=5〜20であることを特
徴とする赤色合成雲母、該雲母の製造方法及び該雲母を
含有する紫外線遮断剤である。
【0006】本発明の赤色雲母は、Feは必ず含有する
ことを必要としており、Feを含有しない合成雲母は赤
色とはならない。本発明の合成雲母中のFe含有モル数
は、0.013モルであり、好ましくは0.12モ
ル、更に好ましくは0.21モルである。0.01モ
ル未満では、赤色が弱すぎ、3モルを越えると雲母結晶
が不良となる。Feは、前記一般式(1)中のYで表さ
れる8面体位置、Zで表される4面体位置に配位する。
8面体位置に配位するFeのモル数が多いほど、雲母の
赤みを高めることができる。このように本発明において
は、鉄は必ず結晶構造中に入っている必要があり、単に
雲母表面に付着していたのでは、本発明の効果を発揮し
得ない。本発明の赤色雲母は、前記一般式(1)で表さ
れるように、合成雲母中のフッ素のモル数が、合成雲母
の化学量論組成の7599%である必要があり、好ま
しくは80:97.5%、更に好ましくは9095
%である。75%未満であると合成雲母とはならない
し、99%を越えると赤色とはならない。
【0007】本発明の新規赤色雲母は、次式(II): X1/3〜12〜3 (Z410) F2 (II) (式中、XはNa、K、Li、Ca、Rb及びSrからなる群より選ば
れる1種以上のイオンを表し、YはMg、Fe、Ni、Mn、Al、Li、
Co、Ti及びZnからなる群より選ばれる1種以上のイオン
を表し、ZはAl、Si、Ge、Fe、B、Co及びTiからなる群より選
ばれる1種以上のイオンを表し、Y及びZの少なくとも
一方は鉄イオンを表す。)で表される合成雲母であっ
て、該合成雲母中の鉄含有モル数が、0.01〜3モルであ
る合成雲母を、600〜1200℃で熱処理することによって製
造することができる。
【0008】上記式(ll)で表される原料合成雲母
は、公知の水熱法、固相反応法、溶融合成法等により合
成することができる。このようにして合成した雲母を、
湿式若しくは乾式粉砕により、0.1〜100μm程度
の粉体とし、この雲母粉を酸若しくはキレート剤の1種
若しくは2種以上の水溶液で処理した後、700〜12
00℃で熱処理することによって、本発明の赤色燐片状
雲母を製造することができる。雲母粉を処理する酸とし
ては無機酸及び有機酸を使用することができる。無機酸
としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、塩素酸、過塩素
酸、過ヨウ素酸、臭素酸、燐酸、硼酸及び炭酸等が挙げ
られ、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、アクリル
酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸及びフタル酸等のカルボ
ン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸等のオキシ
カルボン酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、
チロシン、トレオニン、セリン、プロリン、トリプトフ
アン、メチオニン、シスチン、チロキシン、アスパラギ
ン、グルタミン酸、リジン及びアルギニン等のアミノ酸
が挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン
四酢酸、ニトリロ三酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキ
サン−四酢酸、N−オキシエチルエチレンジアミン−三
酢酸、エチレングリコールビス−四酢酸、エチレンジア
ミン−四プロピオン酸等が挙げられる。
【0009】酸若しくはキレート剤による雲母粉の処理
時間及び処理温度は、酸若しくはキレート剤の種類及び
濃度等に応じて適宜選択すればよい。一般には、処理時
間は、数分〜数日で充分であり、処理温度は、0〜10
0℃で充分であり、処理水溶液の濃度は、0.05〜1
0モル/リットル程度が好ましい。例えば、0.1規定
の塩酸を使用し、20℃で処理する場合、処理時間は3
0分〜5時間程度が好ましい。処理方法は、攪拌機を使
用する方法、エアーレーション及び浸漬等公知のあらゆ
る方法を適用することができる。熱処理温度は、700
〜1200℃、好ましくは900〜1100℃である。
700℃未満であると、雲母は赤色とならず、また12
00℃を越えると赤色とはならず、しかも雲母は分解す
る。熱処理時間は一般には数秒〜数日で充分であり、熱
処理温度に応じて適宜選択すれば良い。例えば、8面体
位置にFeを0.2モル含有したフッ素金雲母を原料と
して使用する場合、1000℃で0.5〜10時間程度
処理するのが好ましい。熱処理雰囲気は、酸化雰囲気、
還元雰囲気、アルゴンガス雰囲気、N雰囲気、アンモ
ニアガス雰囲気及び真空中等いずれでもよく、これらの
組合わせであってもよく、目的とする合成雲母の用途、
機能等に応じて適宜選択すればよい。熱処理装置は、例
えばガス炉、電気炉、ロータリーキルン及びバッチ炉等
公知のあらゆる炉を使用することができる。
【0010】本発明の式(I)で表される赤色雲母は、
単独若しくは体質顔料、着色顔料、紫外線散乱剤及び紫
外線吸収剤等に配合し、混合して紫外線遮断剤とするこ
とができる。本発明に使用し得る体質顔料としては、例
えばタルク、カオリン、雲母、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、珪酸マグネシウム、無水珪酸、硫酸バリウ
ム、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー及びポリ
スチレンパウダー等が挙げられ、着色顔料としては、例
えば酸化鉄、群青、酸化クロム、紺青及びカーボンブラ
ック等が挙げられ、紫外線散乱剤としては、例えは酸化
チタン、超微粒子酸化チタン及び酸化亜鉛等が挙げら
れ、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフエノン系及
びベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤が挙げられ
る。式(I)で表される赤色雲母の配合量は、110
0%程度が好ましく、目的とする用途、性質等に応じて
適宜選択すればよい。
【0011】
【作用】尚、本発明に関連のあるものとして、特開平2
−289417号公報には、Fe含有量がFe2
算で218重量%、2価のFe含有量がFeO換算で
0.8重量%以下であり、かつ上記FeO換算値とFe
換算値との和に対するFeO換算値の重量比がF
eO/FeO+Fe≦0.1である紫外線吸収合
成雲母が記載されている。しかしながら、該公報に記載
の合成雲母は、白色度の高い合成雲母であり、本願発明
のように赤色に着色した合成雲母は全く開示されていな
い。また、大門信利著の工業化学雑誌第55巻第11号
には、Niを含有する雲母は帯緑黄色、Mnを含有する
雲母は褐色、Coを含有する雲母はピンク若しくは青
色、Feを含有する雲母は帯緑黒色若しくは褐色(黒っ
ぽい茶色)を呈すると記載され、赤色を呈するFe雲母
は全く開示されていない。実際、褐色系のFeを含有す
る雲母について色彩測定を行うと、赤みの尺度であるa
*の数値は、−11程度であり、本発明のa*=5
20の赤色鱗片状雲母とは全く異なる。しかるに本発明
は、特定の元素を特定の位置に、しかもフッ素のモル数
とFeイオンのモル数とを特定の範囲にすることによ
り、透明感のある明るい赤色となることを見いだしなさ
れたものであるが、このような効果は、上記従来技術か
らは全く予測し得ないことである。
【0012】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。 実施例1 ケイフッ化カリウム24.4g、酸化マグネシウム22.3g、酸化
アルミニウム11.3g、二酸化珪素33.2g及び酸化鉄8.8gをV
型混合機で30分間混合した。次いで、この混合物をアルミ
ナるつぼに入れ、電気炉中、1450℃で30分間溶融後、炉内
冷却した。このようにして鉄含有合成雲母95gを得た。こ
れをボールミル中で48時間粉砕した後、この粉末鉄含有
雲母90gを、0.05規定塩酸水溶液1リットル中で、撹拌しな
がら常温で48時間処理した後、脱水、洗浄、乾燥した。この
乾燥粉体80gを、アルミナるつぼに入れ、電気炉中、1000℃
で10時間熱処理して本発明の合成雲母75gを得た。得られ
た合成雲母粉体の色は赤色であり、理学電気社製X線回折
装置RADーBにより測定した結果、図1に示すように、X線回
折パターンは、合成雲母と一致した。ESCAで鉄を分析した
ところ、結晶構造中に鉄が入っていることが確認された。 上記のようにして得た合成雲母について、L*a*b*、紫
外線透過率及び鉄,フッ素の含有モル数を下記の方法に
より測定した。結果を表-1に示す。 (測定法) (1)L*a*b*の測定:試料1gを採取し、これをミノルタ製
色彩色差計(CR-200)の粉末セルに入れて測定した。 (2)紫外線透過率の測定:試料をキャスターオイルに20%
濃度で添加し、3本ロールミルで混練し後、石英板上に10
μm厚塗布し、紫外線分光光度計(島津製作所製)を用い
て、300nmでの紫外線透過率を測定した。 (3)合成雲母粉末中の鉄及びフッ素の含有モル数の測定:
鉄の測定は、原子吸光分析法により行い、フッ素の測定は
吸光光度法により行った。
【0013】実施例2 ケイフッ化カリウム24.7g、酸化マグネシウム27.1g、酸化
アルミニウム5.7g、二酸化珪素33.6g及び酸化鉄8.9gをV
型混合機で30分間混合した以外は、実施例1と同様にして
本発明の赤色合成雲母を表-1に記載の量得た。実施例1と
同様にして測定したX線回折パターンは、合成雲母と一致
した。実施例1と同様にして、結晶構造中に鉄が入ってい
ることを確認した。得られた雲母について実施例1と同様
にL*a*b*、紫外線透過率及び鉄,フッ素の含有モル数
を測定した。結果を表-1に示す。 実施例3 実施例1に於いて、熱処理温度を700℃とした以外は実施
例1と同様に処理し、本発明の赤色合成雲母を表-1に記載
の量得た。実施例1と同様にして測定したX線回折パター
ンは、合成雲母と一致した。実施例1と同様にして、結晶構
造中に鉄が入っていることを確認した。得られた雲母に
ついて実施例1と同様にL*a*b*、紫外線透過率及び
鉄,フッ素の含有モル数を測定した。結果を表-1に示す。
【0014】実施例4 実施例1に於いて、熱処理温度を1200℃、熱処理時間を5分
とした以外は実施例1と同様に処理し、本発明の赤色合成
雲母を表-1に記載の量得た。実施例1と同様にして測定し
たX線回折パターンは、合成雲母と一致した。実施例1と同
様にして、結晶構造中に鉄が入っていることを確認した。
得られた雲母について実施例1と同様にL*a*b*、紫外
線透過率及び鉄,フッ素の含有モル数を測定した。結果
を表-1に示す。 実施例5 実施例1に於いて、0.05規定塩酸の代わりに10%クエン酸
水溶液を使用した以外は実施例1と同様に処理し、本発明
の赤色合成雲母を表-1に記載の量得た。実施例1と同様に
して測定したX線回折パターンは、合成雲母と一致した。
実施例1と同様にして、結晶構造中に鉄が入っていること
を確認した。得られた雲母について実施例1と同様にL*
a*b*、紫外線透過率及び鉄,フッ素の含有モル数を測
定した。結果を表-1に示す。
【0015】比較例1 ケイフッ化カリウム25.5g、酸化マグネシウム28.0g、酸化
アルミニウム11.8g及び二酸化珪素34.8gをV型混合機で3
0分間混合し、実施例1と同様に処理して鉄を含有しない
合成雲母を得た。得られた雲母について実施例1と同様に
L*a*b*、紫外線透過率及び鉄,フッ素の含有モル数を
測定した。結果を表-1に示す。 比較例2 実施例1に於いて、熱処理をしない以外は、実施例1と同
様に処理して合成雲母を製造した。得られた雲母につい
て実施例1と同様にL*a*b*、紫外線透過率及び鉄,フ
ッ素の含有モル数を測定した。結果を表-1に示す。 比較例3 実施例1に於いて、熱処理温度を600℃とした以外は実施
例1と同様に処理し、合成雲母を得た。得られた雲母につ
いて実施例1と同様にL*a*b*、紫外線透過率及び鉄,
フッ素の含有モル数を測定した。結果を表-1に示す。 比較例4 実施例1に於いて、熱処理温度を1300℃とした以外は実施
例1と同様に処理し、合成雲母を得た。得られた雲母につ
いて実施例1と同様にL*a*b*、紫外線透過率及び鉄,
フッ素の含有モル数を測定した。結果を表-1に示す。
【0016】
【表 ー1】
【0017】次に、本発明の赤色合成雲母を化粧料に適
用した実施例を示すが、本発明は、これら実施例に限定
されない。例中、配合割合は、「重量%」である。 実施例6:油性スチックフアンデーション (1)二酸化チタン 11.0 (2)カオリン 13.0 (3)実施例1で得た本発明の赤色合成雲母 16.5 (4)スクワラン 35.0 (5)セチル2ーエチルヘキサノエート 16.5 (6)ソルビタンセスキオレート 1.5 (7)アリストワックス 4.5 (8)カルナバロウ 1.8 (9)香料 0.2
【0018】上記(4)、(5)及び(6)の成分を8
0℃で混合し、これに上記(1)、(2)及び(3)の
成分を添加し、デイスパーで混合した後、TKミル処理
する。それから、上記(7)及び(8)の成分を加熱溶
解させ、上記TKミル処理物に添加混合し、脱気する。
ついで、上記成分(9)を徐々に混合した後、80℃で
容器に充填し、冷却して本発明の油性スチックフアンデ
ーションを得た。
【0019】 実施例7:固型フアンデーション (1)二酸化チタン 5.0 (2)微粒子二酸化チタン 10.0 (3)タルク 8.0 (4)白雲母 22.0 (5)実施例2で得た本発明の赤色合成雲母 30.0 (6)ナイロンパウダー 10.0 (7)黄酸化鉄 1.0 (8)黒酸化鉄 0.2 (9)シリコーン油 1.8 (10)2ーエチルヘキシルパルミテート 10.1 (11)ソルビタンセスキオレート 1.5 (12)防腐剤 0.3 (13)香料 0.1
【0020】上記(1)〜(8)の成分をヘンシエルミ
キサーで混合し、これに、加熱溶解させた上記(9)〜
(13)の成分を添加混合した後、パルベライザーで粉
砕し、これを中皿に成型し、本発明の固型フアンデーシ
ョンを得た。
【0021】 実施例8:乳化フアンデーション (1)ステアリン酸 0.4 (2)イソステアリン酸 0.3 (3)セチル2ーエチルヘキサノエート 4.0 (4)流動パラフイン 11.0 (5)POE(10)ステアリルエーテル 2.5 (6)タルク 10.0 (7)白雲母 5.0 (8)実施例3で得た本発明の赤色合成雲母 6.0 (9)黄酸化鉄 0.9 (10)黒酸化鉄 0.1 (11)セチルアルコール 0.3 (12)防腐剤 0.07 (13)トリエタノールアミン 0.42 (14)プロピレングリコール 5.0 (15)防腐剤 0.02 (16)イオン交換水 53.69 (17)香料 0.3
【0022】上記(1)〜(12)の成分を85℃に加
熱して溶解混合した後、デイスパーで均一に分散させ
る。これに、85℃で加熱溶解させた上記(13)〜
(16)の成分の混合物を徐々に添加し、ホモミキサー
で乳化させる。乳化時温度を85℃に10分間保持して
撹拌した後、撹拌冷却して45℃とする。これに上記
(17)の成分を加えて35℃まで撹拌冷却を続けた
後、容器に充填し本発明の乳化フアンデーションを得
た。
【0023】
【効果】以上述べたごとく、本発明によれば、特定の元
素を特定の位置に、しかもフッ素のモル数と鉄イオンの
モル数とを特定の範囲にすることによって、従来のこの
種雲母には全く見られない透明感のある耐光性赤色を有
する新規合成雲母を得ることができる。本発明の合成雲
母は、紫外線遮断能に極めて優れているので、化粧品、プ
ラスチック、塗料等に紫外線遮断剤として着色剤なしに
混合使用することができ、しかも赤色の着色が光により
劣化する等の問題も生じない。また、本発明の赤色鱗片状
雲母は、肌の色に近く、透明感のあるしかも明るい赤色で
あるので、化粧料、特にフアウンデーション等に使用する
のに特に有用である。
【0024】
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得た本発明の複合雲母粉のX線回折
チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 彰嗣 愛知県豊橋市明海町1番地トピー工業株 式会社 豊橋製造所内 (72)発明者 鈴木 福二 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂研究所内 (72)発明者 大野 和久 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂研究所内 (72)発明者 小川 克基 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社 資生堂研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−185810(JP,A) 特開 平1−143822(JP,A) 特開 昭60−155523(JP,A) 特開 平3−88712(JP,A) 特開 昭63−195111(JP,A) 特開 昭61−83618(JP,A) 特開 昭63−241072(JP,A) 特開 平2−289417(JP,A) 特開 平3−115113(JP,A) 特開 昭63−183962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 - 39/54 A61K 7/00 - 7/50 C01B 9/08 C09K 3/00 CA(STN) EUROPAT(QUESTEL)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(ll): 1/3〜1 2〜3 (Z 10 )F (式中、XはNa、K、Li、Ca、Rb及びSrから
    なる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、YはM
    g、Fe、Ni、Mn、Al、Li、Co、Ti及びZ
    nからなる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Z
    はAl、Si、Ge、Fe、B、Co及びTiからなる
    群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Y及びZの少
    なくとも一方は鉄イオンを表わし、YとZは異なる元素
    を表わす。)で表される合成雲母であって、該合成雲母
    中の鉄含有モル数が、0.01〜3モルである合成雲母
    を、700〜1200℃で熱処理することによって製造
    される 次式(1): X1/3〜1 2〜3 (Z10)F2×0.75〜 2×0.99 (式中、X,Y及びZは前記の意味を表わす。) で表さ
    れる合成雲母であって、該合成雲母中の鉄含有モル数
    が、0.01〜3モルであり、合成雲母を粉末セル法で
    測定した時その色が、L*a*b*表色系でL*=55
    〜75、a*=5〜20、b*=5〜20であることを特
    徴とする赤色合成雲母。
  2. 【請求項2】次式(ll): X1/3〜1 2〜3 (Z10)F (式中、X、Y及びZは前記の意味を表す。)で表され
    る合成雲母であって、該合成雲母中の鉄含有モル数が、
    0.01〜3モルである合成雲母を、700〜1200
    ℃で熱処理することを特徴とする請求項1に記載の赤色
    合成雲母の製造方法。
  3. 【請求項3】鉄含有モル数が0.01〜3モルである合
    成雲母を、酸若しくはキレート剤の1種若しくは2種以
    上の水溶液で処理した後、700〜1200℃で熱処理
    する請求項2に記載の赤色合成雲母の製造方法。
  4. 【請求項4】次式(ll): 1/3〜1 2〜3 (Z10)F (式中、XはNa、K、Li、Ca、Rb及びSrから
    なる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、YはM
    g、Fe、Ni、Mn、Al、Li、Co、Ti 及びZ
    nからなる群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Z
    はAl、Si、Ge、Fe、B、Co及びTiからなる
    群より選ばれる1種以上のイオンを表し、Y及びZの少
    なくとも一方は鉄イオンを表わし、YとZは異なる元素
    を表わす。)で表される合成雲母であって、該合成雲母
    中の鉄含有モル数が、0.01〜3モルである合成雲母
    を、700〜1200℃で熱処理することによって製造
    される 次式(1):(式中、X、Y及びZは前記の意味を表す。) で表され
    る合成雲母であって、該合成雲母中の鉄含有モル数が、
    0.01〜3モルであり、合成雲母を粉末セル法で測定
    した時その色が、L*a*b*表色系でL*=55〜7
    5、a*=5〜20、b*=5〜20である赤色合成雲母
    を含有することを特徴とする紫外線遮断剤。
  5. 【請求項5】前記紫外線遮断剤が、化粧料に配合する化
    粧料用紫外線遮断剤である請求項4に記載の紫外線遮断
    剤。
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