JP2000247071A - 可逆性感熱表示部を有するカード - Google Patents

可逆性感熱表示部を有するカード

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JP2000247071A
JP2000247071A JP5264899A JP5264899A JP2000247071A JP 2000247071 A JP2000247071 A JP 2000247071A JP 5264899 A JP5264899 A JP 5264899A JP 5264899 A JP5264899 A JP 5264899A JP 2000247071 A JP2000247071 A JP 2000247071A
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reversible thermosensitive
thermosensitive display
sheet
convex portion
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Akisuke Tsukada
哲資 塚田
Satoshi Kinoshita
聡 木下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サーマルヘッドを使用して印字、書換えを行な
う可逆性感熱表示層を有するカードにおける、可逆性感
熱表示層層の湾曲による印字、書換えの障害を解消した
カードを提供する。 【解決手段】カード基材1の、表面の可逆性感熱表示層
2のある位置の裏面に、合成樹脂等により凸状部5を形
成することにより、ローラ7a、7b、および7c間で
の走行の際のサーマルヘッド8と可逆性感熱表示層2と
の密着性が改善されること、より好ましくは、カードの
署名欄を利用することにより、課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱表示部
をカード基材の表面の一部に埋設したカードの改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、銀行カードやクレジットカー
ド等の種々のカードが発行され、保有者の個人の特定
(ID)の手段として使用されている。代表的なカード
は、プラスチックのカード基材に印刷等が施され、さら
に磁気ストライプを表面の一部に保持した、いわゆる磁
気カードである。カードの持つ磁気ストライプに、必要
な情報を記録し、または記録された情報を読み出して使
用するものである。これら、ID手段として使用される
IDカードは、比較的厚いカード基材を使用して作られ
ており、長期間の使用に耐える耐久性を持たせるよう意
図されている。
【0003】これらとは観点が多少異なるカードもあ
り、例えば、都市周辺の交通機関の利用の目的で一括前
払い金に対し発行され、利用の都度、料金が差し引かれ
る料金前払いカードや、公衆電話料金の料金前払いカー
ド等がある。これらの料金前払いカードは、金銭の代替
的な価値を持っているために、カードの磁気層等に残金
を記録する事に加え、残りの使用可能金額をカードの裏
面に印字したり、金額目盛りに小孔を開ける等の手段に
より、残金を目に見えるように示す事が行われている。
【0004】上記の料金前払いカードに似たものとし
て、小売り業者が、売上げ金額に対し一定の割合で顧客
に点数(ポイント)を与え、点数に応じた優遇をするた
めに、その点数を表面に設けた、書換可能な可視情報を
表示できる部分(=リライタブル部、またはリライタブ
ル層)に記録するカード(=ポイントカード)もある。
顧客が一定の点数を獲得した際の優遇措置については、
予め、顧客に知らされているため、顧客の来店回数の増
加が見込まれ、最近、よく使用されている。これら前払
いカードやポイントカードは、IDカードにくらべる
と、比較的薄い基材を使用して構成されており、持ち運
びの際にかさばらないよう配慮がなされている。IDカ
ード、前払いカード、およびポイントカード、ならびに
その他の用途のいずれのカードも、その大きさは携帯の
便を考慮して、ほぼ名刺サイズに統一されたものであ
る。この明細書中でも、カードはそのようなものを指
す。
【0005】ところで、ID手段に使用されるカードに
ついては、当初は、銀行や、クレジットカードを取り扱
う商店等に設置された端末機に差し込むことにより、必
要なデータを取り扱うことはできても、預金残高や、カ
ードによる月間の支出累計はカードそのものには表示で
きなかった。このため、銀行カードであれば、個々の取
扱い毎に、明細を紙にプリントしてデータを提供するこ
とが行われているが、紙のデータをカードと共に保管し
ておく煩雑さが避けられない。また、クレジットカード
においても、個々の取引明細が記載されるものの、月間
のカードによる支出累計は分からないし、個々の取引に
ついても、やはり、紙によるデータ保管の煩雑さが避け
られない。
【0006】そこで、銀行カードやクレジットカード等
のIDカードに、ポイントカードにおいて使用されてい
るようなリライタブル層を形成して、可視情報を表示し
ようとする試みがなされ、厚いカード基材の表面の一部
に凹部を形成し、その凹部にリライタブルシート、例え
ば、薄いプラスチックシートの表側の面に感熱印字によ
り、可視情報を記録できる層を積層したもの、を埋め込
む試みがなされた。しかし、サーマルヘッドによる印字
を円滑に行わせようとの意図で、埋め込んだ表面が平ら
になるよう、熱プレス手段により加熱、加圧して貼り合
わせを行なったところ、理想的な平面が得にくいことが
判明した。
【0007】例えば、図2に示すように、カード基材1
を左右の横長に置いたとき、左右方向の端から端までの
間に、幅狭のテープ状のリライタブルシート2を長辺に
平行に埋め込んだとする。この場合のA−A線で切断し
た一部を示すのが図1であり、リライタブルシート2の
断面は、左側半分が上に凸なカーブを描き、右側半分が
下に凸なカーブを描いた、図1に示すように逆S字状の
状態(勿論、S字状態でもよい。)になり、カード基材
1の上面と同一な平面に納まらない。この現象は、リラ
イタブルシートが、上下から加圧された制約条件の下で
熱変形を起こすために生じるものと考えられ、このS字
状や逆S字状の状態以外にも、上向きの凸部が2つ以上
生じる等、様々な、平坦ではない表面状態が生じるの
で、図1で示すような状態は一例に過ぎない。この逆S
字状の状態は、リライタブルシート2を埋め込む際の加
工条件、例えば、加熱・加圧の条件を変えても解消せ
ず、凹凸の差は、実測で3〜5μm程度になり、被印字
体の表面に接触させて印字、消去を行なうサーマルヘッ
ドがカード表面に確実に接触せず、印字、消去が完全に
行われないことが起きる。他の、平坦ではない表面状態
についても同様である。また、リライタブルシート2が
図2に示すように、カード基材1の左右端部まで設けら
れてなく、内側に設けられているときは、リライタブル
シート2の始まるところで、段差を生じるから、サーマ
ルヘッドがひっかかる原因となり、やはり好ましくな
い。なお、カードの表側の表面のみについては、ここで
説明する従来技術のカードと、後に説明する本発明の可
逆性感熱表示部を有するカードは共通な構造を有するの
で、図2を共用する。
【0008】リライタブルシート2に、上記の逆S字状
の状態が生じるのは、カード基材1とリライタブルシー
ト2、特にその基材シートが互いに材質が異なるため、
熱膨張にる伸びが異なることが原因していると考えられ
る。リライタブルシート2が伸びようとするのを、接着
剤による接着力とカード基材の凹部1の寸法により規制
され、図1の左右方向に沿った伸びが抑制されるため
に、湾曲し、ただし、全体としては接着しているために
逆S字状になるものと想像される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、サーマルヘッドを使用して印字、書換えを行なう
リライタブルシートを有するカードにおける、上記のよ
うなリライタブルシートの湾曲による障害を解消するこ
とを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明においては、上記の課題
が、リライタブルシートの湾曲を直接解消する事による
のではなく、リライタブルシートのある部分のカード基
材の裏面に、合成樹脂等により凸状帯を形成することに
より解消されること、より好ましくは、カード保持者が
自信で署名する署名用の欄として形成する筆記性層をそ
の目的を兼ねて形成することにより、解決することがで
きた。
【0011】請求項1の発明は、薄いプラスチックシー
トの表側の面に可逆性感熱表示層を有する可逆性感熱表
示シートが、カード基材の表側の表面に埋設されて積層
されていると共に、前記カード基材の裏面の、前記可逆
性感熱表示シートが埋設された位置に相当する部分に
は、合成樹脂を主体とする凸状部を有することを特徴と
する可逆性感熱表示部を有するカードに関するものであ
る。
【0012】請求項2の発明は、請求項1において、前
記可逆性感熱表示シートが、カード基材の表側の表面
に、接着剤層を介して積層されていることを特徴とする
可逆性感熱表示部を有するカードに関するものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、凸状部が、前記可逆性感熱表示シートの形状に匹
敵する形状を有することを特徴とする可逆性感熱表示部
を有するカードに関するものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか
において、凸状部が、筆記具による筆記適性を有する合
成樹脂バインダーからなる筆記性層であることを特徴と
する可逆性感熱表示部を有するカードに関するものであ
る。
【0015】請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか
において、前記可逆性感熱表示シートと凸状部とが、前
記カード基材を挟んで対象な位置に積層されていること
を特徴とする可逆性感熱表示部を有するカードに関する
ものである。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜4いずれか
において、前記凸状部の重心と、前記可逆性感熱表示シ
ートの重心とが、前記カード基材を挟んで対象な位置に
存在することを特徴とする可逆性感熱表示部を有するカ
ードに関するものである。
【0017】請求項7の発明は、請求項5または6いず
れかにおいて、前記凸状部の外形が、前記可逆性感熱表
示シートよりも小さいことを特徴とする可逆性感熱表示
部を有するカードに関するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の可逆性感熱表示部を有す
るカードの構造を、図2〜図9を引用して説明する。図
2は本発明の可逆性感熱表示部を有するカードの表側を
示す平面図で、横長に置かれたカード基材1の表側の表
面の中央よりやや上方に、可逆性感熱表示シート2がカ
ード基材の長辺に平行な向きで、積層されたものであ
る。可逆性感熱表示シート2を積層する位置、方向は任
意であるが、通常、カード基材の上部には磁気ストライ
プ(図示せず。)が積層されるので、この図2のもの
は、磁気ストライプの位置を外したものである。このほ
か、カードの固有の番号3a、カード発行会社名3b、
有効期限3c、およびカード保持者の氏名3d等がエン
ボス文字(=インプリントとも言う。)により形成され
ており、さらに、有効期限の項目を示す印刷4aや、図
示はしていないが、その他の文字の印刷がなされてい
る。
【0019】図3は、図2の本発明の可逆性感熱表示部
を有するカードの、左右に裏返した状態を示す図で、カ
ード基材1の裏側の面の表面の中央よりやや上方に、合
成樹脂バインダーを主体とする凸状部5が積層れされて
おり、下方にはカード発行会社の会社名、住所、電話番
号等の印刷4bが形成されている。ここで、本発明の可
逆性感熱表示部を有するカードの凸状部5は、図2のA
−A線矢視断面図である図4に示すように、カード基材
1の表側の表面(=図4では上面)に可逆性感熱表示シ
ート2が埋設されている真下に、各々の長手方向の中心
線が一致するような位置に積層してある。また、凸状部
5の幅は、可逆性感熱表示シート2の幅よりも多少狭い
寸法となっている。カード基材1の右側の上面および下
面の凹凸はエンボス文字3が形成されている様子を示
す。なお、可逆性感熱表示シート2について言う埋設と
は、少なくともその一部がカード基材1の表面よりもカ
ード基材1の内側に位置していることを指す。可逆性感
熱表示シート2の表側の表面は、実際には、可逆性感熱
表示シート2および凸状部5のある部分を拡大した図5
に示すように、逆S字状態となっている。可逆性感熱表
示シート2は、図6に示すように、接着剤層6を介して
埋設されていてもよい。
【0020】本発明の可逆性感熱表示部を有するカード
は、カードの裏側の表面の、表側の表面に可逆性感熱表
示シート2が埋設された位置に相当する部分に、凸状部
5を有しているので、このカードをサーマルヘッドに対
して相対的に走行させるときには、凸状部5の存在によ
り、可逆性感熱表示シート2とサーマルヘッドとの接触
に良い影響を与える。図7は、本発明のカードがサーマ
ルヘッドに対して走行する際の、カードおよび機器の関
係を示す図である。可逆性感熱表示シート2と凸状部5
を表裏に有するカード基材1が、図7の手前から奥に向
かって走行するか、あるいはその逆方向に走行しつつ、
サーマルヘッド8と接触して可逆性感熱表示シート2へ
の印字・消去が行なわれるよう構成された印字・消去用
機器を使用する。この機器においては、カードの幅方向
の両端を上方から下方に押さえるローラ7a、7bと、
可逆性感熱表示シート2のある部分の裏側を下から上に
押さえるローラ7cとがカードの走行時の上下の位置を
規制する。本発明の可逆性感熱表示部を有するカード
は、裏面に凸状部5を有しているので、その位置で、凸
状部5の厚み分に由来する、上方に向かう圧力が生じ、
これにより、表側の可逆性感熱表示シート2とサーマル
ヘッド8との接触圧が増加する結果、逆S字状の可逆性
感熱表示シート2の表面が強制的に平坦化されて、両者
の接触を確実にする。逆S字状以外の表面形状について
も同様に、ヘッドとの接触が確実になる。
【0021】これまでに挙げた好ましい例では、可逆性
感熱表示シート2と凸状部5の両者とも、カード基材の
長手方向の端から端までの長さを有したストライプ状に
形成されており、可逆性感熱表示シート2の長手方向の
中心線の真下に凸状部5の長手方向の中心線が位置して
いるが、上記のような効果を生じる限り、適切に選択し
た形状、大きさであってよく、形成する位置についても
同様である。変形の一例として、図8に示すように、可
逆性感熱表示シート2の長さがカード基材の長辺より短
く、カード基材の端部に可逆性感熱表示シート2のない
余白を残して、埋設したものであってもよい。図8に示
す例では、可逆性感熱表示シート2の長手方向の中心線
の真下に凸状部5の長手方向の中心線が位置し、かつ左
右方向についても、凸状部5のある部分は、その真上に
可逆性感熱表示シート2が必ずあり、従って、凸状部5
は、可逆性感熱表示シート2よりも小さい形状を有して
いる。凸状部5は、可逆性感熱表示シート2よりも小さ
い方が、効果がより確実であるが、同じ大きさであって
も効果はある。図9に示すものは、他の変形例で、可逆
性感熱表示シート2と凸状部5の両者共、カードの左右
方向の一端寄りに形成されている。
【0022】カード基材1としては、この分野で使用さ
れているものであれば、原則的に使用できる。例えば、
紙、プラスチックシート、もしくは金属箔又は金属板等
を単独か、又は組合せたラミネート体の形で使用する。
用途によって必要な剛性、フレキシブルさ、加工の際の
接着性、印刷適性、必要であればエンボス適性等を考慮
して選択し、使用する。加工の適性から、過去から最近
に至るまで、塩化ビニル樹脂製のシートが使われる事が
多いが、他の樹脂のシート、特にポリオレフィン樹脂や
ポリエステル系樹脂等も、使用後の処分時における問題
が少なく、好ましいカード基材1となり得る。
【0023】可逆性感熱表示シート2は、適当な基材シ
ート2c上に、可逆性感熱表示層2bと、形成するのが
任意な保護層2aとが積層されたものである。このう
ち、基材シート2cの素材は、カード基材と同様でよ
く、ただ、厚みとしては、カード基材1に埋設する点か
ら、数μm〜数十μmの薄いものであることが望まし
い。可逆性感熱表示層2bは、一般的には、(1)ロイ
コ色素系、(2)高分子/有機低分子分散系、(3)液
晶系のおよそ3通りのタイプの素材のいずれかにより構
成される。
【0024】(1)ロイコ色素系の場合、発色/消色
は、ロイコ色素と酸性化合物の組合せによるもので、こ
れら化合物を高分子バインダーと共に混合した組成物に
よりリライタブル層を形成する。両性化合物を用いる
(1a)競争反応系と、長鎖アルキル酸性化合物を用い
る(1b)相分離系がある。 (1a)の競争反応系は、両性化合物としてフェノール
アミン塩を用い、発色反応がフェノール基によって、消
色反応がアミノ基によって進むことを利用するものであ
る。ここでロイコ染料としては、トリアリールメタン系
化合物(この範囲であるクリスタルバイオレットラクト
ンはよく知られている。)、ジフェニルメタン系化合
物、キサンテン系化合物、スピロ系化合物、又はフルオ
ラン系化合物等を用いる。このとき、発色反応の速度の
方が消色反応の速度よりも速いため、加熱して急冷する
と発色状態のまま固定化され、加熱して徐冷すると消色
状態で固定化されるものである。
【0025】(1b)の相分離系では、ロイコ色素と長
鎖アルキル酸性化合物との相溶状態と非相溶状態とを冷
却速度の差によって制御するもので、加熱して相溶状態
のまま急冷すると相溶したまま固定化されて発色状態と
なり、加熱して相溶状態のまま徐冷すると相分離を起こ
して非相溶状態となり、消色するものである。ここで、
長鎖アルキル酸性化合物としては、長鎖アルキル基を持
つフェノール化合物、又は長鎖アルキル基を持つホスホ
ン酸化合物が使用できる。長鎖アルキル基とは、前者の
場合で炭素数11以上が、後者の場合で炭素数14以上
が好ましい。なお、実際の使用においては、特別の冷却
を行なうよりも、通常は、サーマルヘッドで1/100
0秒のオーダーの時間で瞬間的に昇温して加熱した後、
常温で冷却することで「急冷」が実現でき、上記のよう
な系を発色させることができる。また、「除冷」につい
ては、ヒートローラー、ホットスタンプ、ヒーターバー
等の熱容量の大きい加熱手段を用いて加熱した後に冷却
すれば、与えられた熱量が多いため、「除冷」が実現
し、消色ができる。場合によっては、加熱温度、条件を
選定することにより、サーマルヘッドでの消去も可能で
ある。このようなロイコ系のリライタブル材料の場合、
ロイコ色素の種類を適宜選択することによって、黒、
青、赤など種々の色調にカラー化することもできる。
【0026】(2)高分子/有機低分子分散系では、透
明で成膜性を有する合成樹脂のバインダー中に、脂肪酸
などの有機低分子の物質を均一に分散させた組成物によ
り、リライタブル層を形成する。この層に対し、サーマ
ルヘッド等により所定の熱を与えて急冷すると透明化
し、また、熱を与えた後に徐冷すると白濁状態になるも
のである。合成樹脂のバインダーとしては、透明性があ
り、成膜性があり、かつ有機低分子の物質を均一に分散
して保持できる樹脂が好ましく、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル
系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂、その
他のポリエステル系樹脂などが挙げられる。有機低分子
の物質としては、各種脂肪酸、およびその誘導体が使用
でき、中でも、飽和直鎖脂肪酸であって、炭素数が10
〜30、融点が30〜160℃の範囲のものが好まし
く、1種又は2種以上を使用することができる。融点の
異なる有機低分子の物質、例えば、モノカルボン酸とジ
カルボン酸を用いると、透明化する温度範囲を広く取れ
る利点がある。
【0027】(3)液晶系では、高分子マトリックス中
にスメクチック液晶を分散させたものを用いて、液晶/
高分子複合膜を形成して使用する。この液晶系では、熱
と電界を用いることにより、液晶分子をランダム配向状
態、又は配向状態とし、これらの状態において、それぞ
れ、光散乱、光透過の性質を利用する。また、コントラ
ストの向上や、着色の目的で、二色性色素を添加するこ
ともでき、視認性に優れた可逆性感熱表示層2bとする
ことができる。
【0028】上記の(1)〜(3)は用途に合わせてい
ずれも利用できるが、これらの中でも、(1)のロイコ
色素系、(3)の液晶系はカラー表示ができるため、視
認性の点でより優れている。なお、上記(1)〜(3)
のいずれの系を利用するにせよ、リライタブル層の印字
適性を確保したり、耐久性を向上させる意味で透明又は
半透明な保護層2aを可逆性感熱表示層2b上に形成し
てもよく、素材としては、熱硬化型の樹脂や電離放射線
硬化性樹脂を用いるとよい。また、可逆性感熱表示層2
bを形成するのに先立ち、プライマー層や合成樹脂の中
間層を予め形成してもよい。
【0029】可逆性感熱表示層2bは薄いプラスチック
シート2a上に積層形成して、カード基材1に直接接着
して積層するのが、製造上、容易であるが、一旦、可逆
性感熱表示層2bを仮の基材上に剥離可能に形成した
後、転写によってカード基材1上に適用してもよい。可
逆性感熱表示層2bを薄いプラスチックシート上に積層
形成して、カード基材1上に適用する際には、基材シー
ト2c側をカード基材1に向けて接着しても、基材シー
ト2c側が外側になるような向きでカード基材1に接着
してもよいが、後者では基材シートが保護層として働く
のに対し、前者では最表面に露出するため、さらに表面
を保護層で覆っておくとよい。
【0030】凸状部5は、カードの前記した印字・消去
等の工程でつぶれたり、損傷したりすることのない耐久
性を有し、カード基材1との密着性があるものが望まし
い。カード基材1の素材として挙げたものが原則的に使
用できるけれども、カード基材1と密着した後の挙動
が、カード基材単独の場合とあまり異なっても使用しに
くいので、合成樹脂バインダーを含有するインキ組成物
を使用して構成することが好ましい。合成樹脂バインダ
ーとしては、ロジン変成マレイン酸樹脂、ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセル
ロース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリア
ミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩素
化ポリプロピレン、アクリル樹脂、またはポリウレタン
樹脂等が例示できる。また、必要に応じ、インキ組成物
には、体質顔料、白色顔料等の着色顔料等を添加しても
よい。凸状部5の厚みとしては、1μm〜10μmであ
ることが好ましい。
【0031】カード基材1は、大きさが限られている
上、実際には、磁気ストライプやエンボス文字が形成さ
れており、結局、図2、図8、および図9に示したよう
な位置に可逆性感熱表示シートを形成するのが望まし
く、従って、凸状部5の形成位置もその裏側の位置にな
り、範囲が限られるのが実態である。実は、裏面の中央
やや上部には、従来、カード保持者が自身で署名する署
名欄(=筆記性層とも言う。)が、ポールペンや万年筆
による筆記の際のインキの吸収性を考慮して、合成樹脂
バインダーと体質顔料等を添加混練して作成したインキ
組成物を用いて直接、もしくは、別の仮基材上に剥離可
能に形成された後、転写される等により、形成されてい
ることが多いため、この筆記性層を凸状部2として利用
するのが、良策であり、筆記性層の形状、大きさ、形成
位置と、可逆性感熱表示シート2の形状、大きさ、形成
位置とを互いに適合するよう調整するとよい。
【0032】カード基材1には、一般的なカードを作成
するに当たって行なう、様々な加工が施してあってもよ
い。まず、文字、絵柄の形成であるが、(1)カードの
発行元を示すための商号、カードの名称、又は会員に配
付されるものであれば会の名称等、(2)カードの有効
期限、カードのリーダーライターへの挿入方向を示すた
めのマーク、利用に関する注意書き、(3)カード保有
者の氏名、カードの発行番号が印刷やエンボスによって
カード基材表面に、あるいはカード基材が透明な被覆を
伴っているときは、その被覆の下層に形成される。ま
た、カード基材1には、任意に公知の記録層を設けても
よい。(4)磁気記録層、(5)ホログラムや回折格
子、(6)レーザー光での記録可能な光記録層、(7)
演算部やメモリー部を持つIC、LSI、(8)昇華転
写や写真の貼付による画像の形成可能な区域、等であ
る。
【0033】本発明においては、上記した(1)の文
字、絵柄の形成から始まって、(8)の昇華転写等可能
な区域を設ける、までの各加工を行なう際には、カード
基材1の最表面に直接、加工してもよいが、カード基材
が複数のシートの熱プレスによる一体化により形成され
る場合には、各シートの間に加工する場合もある。記録
等のために、最表面に露出していなければならない場合
を除くと、最表面よりも内側に加工した方が摩耗による
損傷を防止でき、好ましい。表面の保護のための1〜3
μm程度の塗装等が行われる場合にも、その塗装による
保護層の下層に加工することが好ましい。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、可逆性感熱表
示シートのある裏面に凸状部を有しているので、サーマ
ルヘッドと対向するローラとの間で、圧力が高まり、可
逆性感熱表示シートとサーマルヘッドとの密着が保たれ
るため、印字、消去の際の支障が生じない。
【0035】請求項2の発明によれば、可逆性感熱表示
シートが接着剤層を介して積層されている場合において
も、請求項1の発明と同様な効果がある。
【0036】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明の効果に加え、凸状部の存在による圧力が可逆
性感熱表示シートのある部分に確実にかかるので、印字
・消去時の支障が生じない確率がより高い。
【0037】請求項4の発明によれば、請求項1〜3い
ずれかの発明の効果に加え、凸状部を筆記性層として利
用できるので、その形成位置を調整して形成すれば、別
体の凸状部を形成する必要がない。
【0038】請求項5の発明によれば、請求項1〜4い
ずれかの発明の効果に加え、印字・消去時の支障が生じ
ない確率を容易に高めることができる。
【0039】請求項6の発明によれば、請求項1〜4い
ずれかの発明の効果に加え、印字・消去時の支障が生じ
ない確率を容易に高めることができる。
【0040】請求項7の発明によれば、請求項5または
6いずれかの発明の効果に加え、印字・消去時の支障が
生じない効果がより確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の可逆性感熱表示部を有するカードの一部
の断面図である。
【図2】本発明のカードの平面図である。
【図3】本発明のカードの裏面の図である。
【図4】本発明のカードの断面図である。
【図5】本発明のカードの部分拡大された断面図であ
る。
【図6】別の例のカードの部分拡大された断面図であ
る。
【図7】印字・消去の様子を示す図である。
【図8】可逆性感熱表示シート、凸状部の位置を示すた
めの図である。
【図9】可逆性感熱表示シート、凸状部の位置を示すた
めの図である。
【図10】可逆性感熱表示シートの構造の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 カード基材 2 可逆性感熱表示シート 3 エンボス文字 4 印刷 5 凸状部 6 接着剤層 7 ローラ 8 サーマルヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 JA02 JA08 JA18 JA19 JA26 JC02 JC06 KA06 KA15 KA25 KA31 KA37 KA41 LA03 LA11 LA20 LA29 LB06 LB08 LB25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄いプラスチックシートの表側の面に可
    逆性感熱表示層を有する可逆性感熱表示シートが、カー
    ド基材の表側の表面に埋設されて積層されていると共
    に、前記カード基材の裏面の、前記可逆性感熱表示シー
    トが埋設された位置に相当する部分には、合成樹脂を主
    体とする凸状部を有することを特徴とする可逆性感熱表
    示部を有するカード。
  2. 【請求項2】 前記可逆性感熱表示シートが、カード基
    材の表側の表面に、接着剤層を介して積層されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱表示部を有す
    るカード。
  3. 【請求項3】 凸状部が、前記可逆性感熱表示シートの
    形状に匹敵する形状を有することを特徴とする請求項1
    または2記載の可逆性感熱表示部を有するカード。
  4. 【請求項4】 凸状部が、筆記具による筆記適性を有す
    る合成樹脂バインダーからなる筆記性層であることを特
    徴とする請求項1〜3いずれか記載の可逆性感熱表示部
    を有するカード。
  5. 【請求項5】 前記可逆性感熱表示シートと凸状部と
    が、前記カード基材を挟んで対象な位置に積層されてい
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の可逆性
    感熱表示部を有するカード。
  6. 【請求項6】 前記凸状部の重心と、前記可逆性感熱表
    示シートの重心とが、前記カード基材を挟んで対象な位
    置に存在することを特徴とする請求項1〜4いずれか記
    載の可逆性感熱表示部を有するカード。
  7. 【請求項7】 前記凸状部の外形が、前記可逆性感熱表
    示シートよりも小さいことを特徴とする請求項5または
    6いずれか記載の可逆性感熱表示部を有するカード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130681A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Toppan Forms Co Ltd 音声メッセージ伝達シート

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