JP2000244263A - 高周波用電力増幅器 - Google Patents

高周波用電力増幅器

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JP2000244263A
JP2000244263A JP4662299A JP4662299A JP2000244263A JP 2000244263 A JP2000244263 A JP 2000244263A JP 4662299 A JP4662299 A JP 4662299A JP 4662299 A JP4662299 A JP 4662299A JP 2000244263 A JP2000244263 A JP 2000244263A
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frequency
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frequency power
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Yasuto Fujii
靖人 藤井
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力整合回路の高調波制御を行ないつつ高周
波用電力増幅器のさらなる高効率化を図ることが困難で
あった。 【解決手段】 2段構成の高周波増幅部42・43と、前段
の入力電極42に接続された入力整合回路45と、段間整合
回路48と、後段の出力電極49に接続された出力整合回路
50と、前段の出力電極46に接続された分布定数線路65か
ら成るバイアス回路とを具備し、段間整合回路48および
バイアス回路により、前段の高周波増幅部42の出力電極
46から後段の高周波増幅部43側を見た基本周波数に対す
るインピーダンスをポーラーチャート上でそれぞれ点A
(0.7 ∠160 °)・点B(0.4 ∠160 °)・点C(0.4
∠200 °)・点D(0.7 ∠200 °)の範囲内に設定した
高周波用電力増幅器である。小型化を図りつつさらに高
効率な電力増幅を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話等の移動体
通信などにおいて高周波信号の送信用に使用される高周
波用電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アナログあるいはディジタル携帯
電話を始めとする移動体通信機等に使用される半導体デ
バイスや電子部品に対する小型化・軽量化の要望が強く
なっており、特に、これらの機器においてマイクロ波帯
等の高周波信号を送信するために増幅する高周波用電力
増幅器に対する高効率化・小型化・軽量化の要望がます
ます強くなっている。
【0003】このような高周波用電力増幅器の回路設計
にあたっては、例えば高周波電力用トランジスタを中心
として構成される出力部回路について高周波信号の基本
波の周波数成分だけではなく高調波の周波数成分まで考
慮して設計すれば、基本波だけを考慮して設計する場合
に比べて高周波用電力増幅器をより高効率で動作させる
ことができることから、そのような設計による高周波用
電力増幅器が既に実用化されている。
【0004】従来、高周波用電力増幅器に使用される高
周波増幅部としての高周波トランジスタの出力端である
出力電極(ドレイン電極)に対し、高周波信号の基本周
波数でのインピーダンスの整合を得ることに加えて、基
本周波数の偶数倍の周波数の高調波成分に対してインピ
ーダンスを零にするという最適効率条件を実現すること
が提案されている。
【0005】図3は、そのような従来の高周波用電力増
幅器の例を示す回路図である。図3に示す高周波用電力
増幅器1は、2段構成の高周波用電力増幅器として所定
の値の比誘電率を有する誘電体基板(図示せず)上に構
成されており、前段の高周波トランジスタ2および後段
の高周波トランジスタ3と、前段の高周波トランジスタ
2の入力電極であるゲート電極(制御電極)4に接続さ
れた入力整合回路5と、前段の高周波トランジスタ2の
出力電極であるドレイン電極6と後段の高周波トランジ
スタ3の入力電極であるゲート電極7との間に接続され
た段間整合回路8と、後段の高周波トランジスタ3の出
力電極であるドレイン電極9に接続された出力整合回路
10とを備えている。
【0006】入力整合回路5において、高周波トランジ
スタ2のゲート電極4には、入力端子11との間に発振防
止抵抗12と入力側直流阻止コンデンサ13が接続されてい
る。
【0007】また、入力端子11に接続される入力回路と
のインピーダンス整合を最適なものとするための分布定
数線路である入力側マイクロストリップ線路14が接続さ
れている。この入力側マイクロストリップ線路14は、抵
抗15を介してゲートバイアス電圧供給端子16に接続され
ており、また、入力整合用コンデンサ17を介して接地さ
れている。
【0008】一方、出力整合回路10においては、高周波
トランジスタ3のドレイン電極9には、出力端子18との
間に出力側直流阻止コンデンサ19が接続されている。ま
た、出力端子18に接続される外部回路とのインピーダン
ス整合を最適なものとして所望の出力特性に整合をとる
ための分布定数線路である出力側マイクロストリップ線
路20が接続されており、この出力側マイクロストリップ
線路20は出力整合用コンデンサ21を介して接地されてい
る。
【0009】さらに、高周波トランジスタ3のドレイン
電極9と出力側マイクロストリップ線路20には、接地に
対して直列に接続されたマイクロストリップ線路22とコ
ンデンサ23とが接続されている。このマイクロストリッ
プ線路22とコンデンサ23とから成る回路24は、高周波信
号の2次高調波に対する出力インピーダンスを、基本波
に対する出力インピーダンスに影響を与えることなく独
立して制御することができ、2次高調波出力制御回路24
として機能するものである。
【0010】この例における出力整合回路10は、これら
出力側マイクロストリップ線路20および出力整合用コン
デンサ21、ならびに2次高調波出力制御回路24により構
成されている。
【0011】また、前段の高周波トランジスタ2のドレ
イン電極6には、ドレイン電極6に直流電流を供給する
ためのバイアス回路として、分布定数線路であるドレイ
ン線路25を介してドレインバイアス電圧供給端子26が接
続され、また、後段の高周波トランジスタ3のドレイン
電極9には、ドレイン電極9に直流電流を供給するため
のバイアス回路として、分布定数線路であるドレイン線
路27を介してドレインバイアス電圧供給端子28が、出力
側マイクロストリップ線路20に接続される等して接続さ
れている。
【0012】一方、段間整合回路8においては、前段の
高周波トランジスタ2のドレイン電極6と後段の高周波
トランジスタ3のゲート電極7との間には、両高周波ト
ランジスタ2・3間のインピーダンス整合を最適なもの
として所望の段間整合特性に整合をとるための分布定数
線路である段間整合マイクロストリップ線路29および30
が接続されており、これら段間整合マイクロストリップ
線路29・30はそれぞれ段間整合コンデンサ31・32を介し
て接地されている。
【0013】また、段間整合マイクロストリップ線路29
・30間には直流阻止コンデンサ33が接続されている。さ
らに、後段の高周波トランジスタ3のゲート電極7に接
続されている段間整合マイクロストリップ線路30には、
抵抗34を介してゲートバイアス電圧供給端子35が接続さ
れている。
【0014】従来の高周波用電力増幅器1においては、
このような構成により、段間整合回路8は前段の高周波
トランジスタ2に対してA級バイアスになるように設定
され、前段にてゲイン特性をカバーし後段にて効率を改
善するA級+AB級の増幅回路を構成し、高効率化を行
なっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高利得
の電力増幅を行なうために2段構成あるいはそれ以上の
多段構成とした高周波用電力増幅器についても、前述の
ように高効率化および小型化の要求が強まっているのに
対し、上記のような従来の高周波用電力増幅器1の構成
では、前段の高周波トランジスタ2をA級バイアスにす
ることから、電力増幅の効率を飛躍的に改善することが
困難であり、さらなる高効率化の要求に対して十分に応
えることができないという問題点があった。
【0016】本発明は上記問題点に鑑みて案出されたも
のであり、その目的は、電力増幅の高効率化を容易に行
なうことができる多段構成の高周波用電力増幅器を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用電力増
幅器は、入力電極からの高周波信号を増幅して出力電極
より送出する2段構成の高周波電力増幅部と、前段の高
周波電力増幅部の前記入力電極に接続された入力整合回
路と、前記前段の高周波電力増幅部と後段の高周波電力
増幅部との間に接続された、分布定数線路およびコンデ
ンサから成る段間整合回路と、前記後段の高周波電力増
幅部の前記出力電極に接続された出力整合回路と、前記
前段の高周波電力増幅部と前記段間整合回路との間に接
続された、分布定数線路から成る直流電流バイアス回路
とを具備し、前記段間整合回路および前記直流電流バイ
アス回路により、前記前段の高周波電力増幅部の前記出
力電極から前記後段の高周波電力増幅部側を見た前記高
周波信号の基本周波数に対するインピーダンスをポーラ
ーチャート上において点A(0.7 ∠160 °)・点B(0.
4 ∠160 °)・点C(0.4 ∠200 °)・点D(0.7 ∠16
0 °)で囲まれた範囲内に設定したことを特徴とするも
のであり、以上の構成により上記課題を解決するもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波用電力増幅
器を図面に基づき説明する。図1は本発明の高周波用電
力増幅器の実施の形態の一例を示す回路図である。
【0019】図1において、本発明の高周波用電力増幅
器41は、2段構成の高周波用電力増幅器として所定の値
の比誘電率を有する誘電体基板(図示せず)上に構成さ
れており、前段の高周波増幅部としての高周波トランジ
スタ42および後段の高周波増幅部としての高周波トラン
ジスタ43と、前段の高周波トランジスタ42の入力電極で
あるゲート電極(制御電極)44に接続された、高周波入
力信号の基本周波数に対して入力インピーダンス整合を
とるための入力整合回路45と、前段の高周波トランジス
タ42の出力電極であるドレイン電極46と後段の高周波ト
ランジスタ43の入力電極であるゲート電極47との間に接
続された、両高周波トランジスタ42・43間のインピーダ
ンス整合をとるための段間整合回路48と、後段の高周波
トランジスタ43の出力電極であるドレイン電極49に接続
された、所望の出力特性に整合をとるための出力整合回
路とを具備している。
【0020】入力整合回路45において、前段の高周波ト
ランジスタ42のゲート電極44には、入力端子51との間に
発振防止抵抗52と入力側直流阻止コンデンサ53が接続さ
れている。また、ゲート電極44には、入力端子51に接続
される入力回路とのインピーダンス整合を最適なものと
するための分布定数線路である入力側マイクロストリッ
プ線路54が接続されている。この入力側マイクロストリ
ップ線路54は、抵抗55を介してゲートバイアス電圧供給
端子56に接続されており、また、入力整合用コンデンサ
57を介して接地されている。
【0021】一方、出力整合回路50においては、後段の
高周波トランジスタ43のドレイン電極49には、出力端子
58との間に出力側直流阻止コンデンサ59が接続されてい
る。
【0022】また、出力端子58に接続される外部回路と
のインピーダンス整合を最適なものとして所望の出力特
性、例えば歪み特性・出力電力・消費電流等を単独であ
るいは同時に満足するように整合をとるために、分布定
数線路である出力側マイクロストリップ線路60が接続さ
れており、この出力側マイクロストリップ線路60は出力
整合用コンデンサ61を介して接地されている。
【0023】さらに、後段の高周波トランジスタ43のド
レイン電極49と出力側マイクロストリップ線路60には、
接地に対して直列に接続されたマイクロストリップ線路
62とコンデンサ63とが接続されている。このマイクロス
トリップ線路62とコンデンサ63とから成る回路64は、高
周波信号の高次高調波、例えば2次高調波に対する出力
インピーダンスを基本波に対する出力インピーダンスに
影響を与えることなく独立して制御することができ、2
次高調波出力制御回路64として機能するものである。
【0024】この例における出力整合回路50は、これら
出力側マイクロストリップ線路60および出力整合用コン
デンサ61、ならびに2次高調波出力制御回路64により構
成されている。
【0025】また、前段の高周波トランジスタ42のドレ
イン電極46には、ドレイン電極46に直流電流を供給する
ためのバイアス回路として、分布定数線路であるドレイ
ン線路65を介してドレインバイアス電圧供給端子66が接
続され、また、後段の高周波トランジスタ43のドレイン
電極49には、ドレイン電極49に直流電流を供給するため
のバイアス回路として、分布定数線路であるドレイン線
路67を介してドレインバイアス電圧供給端子68が、出力
側マイクロストリップ線路60に接続される等して接続さ
れている。
【0026】一方、段間整合回路48においては、前段の
高周波トランジスタ42のドレイン電極46と後段の高周波
トランジスタ43のゲート電極47との間には、両高周波ト
ランジスタ42・43間のインピーダンス整合を最適なもの
として所望の段間整合特性に整合をとるための分布定数
線路である段間整合マイクロストリップ線路69および70
が接続されており、これら段間整合マイクロストリップ
線路69・70はそれぞれ段間整合コンデンサ71・72を介し
て接地されている。
【0027】また、段間整合マイクロストリップ線路69
・70間には直流阻止コンデンサ73が接続されている。さ
らに、後段の高周波トランジスタ43のゲート電極47に接
続されている段間整合マイクロストリップ線路70には、
抵抗74を介してゲートバイアス電圧供給端子75が接続さ
れている。
【0028】さらに、この例においては、前段の高周波
トランジスタ42のドレイン電極46と段間整合マイクロス
トリップ線路69との間には、接地に対して直列に接続さ
れた分布定数線路、例えばマイクロストリップ線路76と
コンデンサ77とが接続されている。このマイクロストリ
ップ線路76とコンデンサ77とから成る回路78は、高周波
入力信号の基本周波数に対する後段の高周波トランジス
タ43側の段間入力インピーダンスを制御することができ
るものであり、段間入力制御回路78として機能するもの
である。
【0029】このような段間入力制御回路78は、段間整
合回路48において必ずしも必要とされるものではない
が、前段の高周波トランジスタ42に近い所にこのような
段間入力制御回路78を設けることで段間入力インピーダ
ンスの制御が容易となるので、このように形成すること
が好ましいものである。
【0030】この例では、これら段間整合マイクロスト
リップ線路69・70および段間整合コンデンサ71・72、な
らびに段間入力制御回路78により段間整合回路48が構成
されている。
【0031】そして、本発明の高周波用電力増幅器41に
おいては、これら段間整合回路48を構成する段間整合マ
イクロストリップ線路69・70および段間整合用コンデン
サ71・72と、バイアス回路を構成するドレイン線路65
と、段間入力制御回路78とにより、基本周波数の段間入
力インピーダンス、すなわち前段の高周波トランジスタ
42のドレイン電極46から後段の高周波トランジスタ43側
を見た高周波入力信号の基本周波数に対するインピーダ
ンスを所定の範囲、すなわちポーラーチャート上におい
て点A(0.7 ∠160 °)・点B(0.4 ∠160 °)・点C
(0.4 ∠200 °)・点D(0.7 ∠200 °)で囲まれた範
囲内に設定したことを特徴とするものであり、これによ
り従来の2段構成の高周波用電力増幅器1よりも高効率
な電力増幅を行なうことができる。これは、この範囲内
に設定することで、前段の高周波トランジスタ42をAB
級動作に近くすることで消費電流が低減することを見出
したことに基づくものである。
【0032】ここで、ポーラーチャートとは、インピー
ダンス平面における定抵抗線と定リアクタンス線を反射
係数平面上に描き直した、スミスチャートと同様のイン
ピーダンスチャートであり、スミスチャートにおけるイ
ンピーダンスをベクトルとして|Γ|∠θ(ただし、Γ
は反射係数、θは位相)で表現したものである。
【0033】本発明の高周波用電力増幅器41において
は、図2に示すポーラーチャート上において、基本周波
数の段間入力インピーダンスを点A(0.7 ∠160 °)・
点B(0.4 ∠160 °)・点C(0.4 ∠200 °)・点D
(0.7 ∠200 °)で囲まれた範囲内(図2中で斜線を施
した範囲内)に設定している。なお、図2に示すポーラ
ーチャートにおいて、円の中心は反射係数|Γ|が0
で、反射係数|Γ|は円が大きくなるほど同心円状に大
きくなり、一番外側の円が1.0 となる。また、位相θは
円の中心から右向きの横軸をθ=0°とし、これを基準
に反時計回りに90°毎にθ=90°、180 °、270 °、
(360 °)としている。すなわち、このポーラーチャー
トによれば、点A(0.7 ∠160 °)は、反射係数|Γ|
が0.7 で位相θが160 °ということとなる。
【0034】そして、基本周波数に対する段間入力イン
ピーダンスを点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定するに
は、図1に示す本発明の高周波用電力増幅器41におい
て、段間整合回路48の分布定数線路である段間整合マイ
クロストリップ線路69・70の線路長およびコンデンサで
ある段間整合コンデンサ71・72の容量値と、前段のバイ
アス回路の分布定数線路であるドレイン線路65の線路長
と、段間入力制御回路78のマイクロストリップ線路76の
線路長およびコンデンサ77の容量値を調整すればよい。
これにより前段の高周波トランジスタ42のドレイン電極
46から後段の高周波トランジスタ43側を見た高周波入力
信号の基本周波数に対するインピーダンスを上記点A〜
点Dで囲まれた所望の範囲内の値に設定することができ
る。
【0035】例えば、段間整合マイクロストリップ線路
69・70の線路長を短くすると、基本周波数に対する段間
入力インピーダンスは位相が大きくなって位相θが図2
のポーラーチャートにおいて反時計回りの方向に移動
し、その結果、消費電流は低減され効率は改善される
が、歪み特性が劣化することとなる。他方、段間整合マ
イクロストリップ線路69・70の線路長を長くすると、基
本周波数に対する段間入力インピーダンスは位相が小さ
くなって位相θが図2のポーラーチャートにおいて時計
回りの方向に移動し、その結果、歪み特性は良くなる
が、消費電流が増加して効率が悪化することとなる。ま
た、反射係数|Γ|は、例えば段間整合コンデンサ71・
72の容量値を大きくすると大きくなり、小さくすると小
さくなることから、これら段間整合コンデンサ71・72の
容量値により調整することができる。
【0036】ここで、基本周波数に対する段間入力イン
ピーダンスを上記の点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定
するのは、点Aと点Bとを結ぶ直線(位相θ=160 °)
より位相θが時計回りの方向に移動する(小さくなる)
と歪み特性が急激に悪くなる傾向があり、他方、点Cと
点Dとを結ぶ直線(位相θ=200 °)より位相θが反時
計回りの方向に移動する(大きくなる)と消費電流が急
激に増加する傾向があるからである。また、点Aと点D
とを結ぶ曲線(反射係数|Γ|=0.7 )を越えて反射係
数|Γ|が大きくなると増幅が安定しなくなるからであ
り、点Bと点Cとを結ぶ曲線(反射係数|Γ|=0.4 )
を越えて反射係数|Γ|が小さくなると歪み特性が急激
に悪くなる傾向があるからである。従って、基本周波数
に対する段間入力インピーダンスを図2中で斜線を施し
た点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定することにより、
良好な電力増幅特性を得ることができる。
【0037】本発明の高周波用電力増幅器41に用いられ
る高周波増幅部42・43としては、例えば高周波トランジ
スタ42・43として入力電極であるゲート電極44・47に供
給された高周波入力信号を増幅して出力電極であるドレ
イン電極46・49より高周波出力信号として出力する一般
的な高周波トランジスタ、例えばGaAsMESFET
等を使用することができる。また、各高周波増幅部42・
43内を他の高周波増幅回路や、多段構成の高周波トラン
ジスタを用いた増幅回路で構成してもよい。
【0038】図1に示すように前段の高周波増幅部42と
して高周波トランジスタ42を用いた場合であれば、その
基本周波数におけるドレイン効率・利得および歪み特性
等の最適なインピーダンス(入力インピーダンスZin
出力インピーダンスZout )は、ロードプル測定等を用
いれば一義的に求めることができる。
【0039】例えば、電源電圧3.5 V・入力電力5dB
m・周波数942.5 MHzの条件下で、比誘電率8.1 の誘
電体基板上で942.5 MHzに対して、バイアス回路を構
成するドレイン線路65の線路長をほぼλ/4(4分の1
波長)に相当する35mmに調整すれば、各インピーダン
スの最適インピーダンスは、それぞれZin=0.82∠120
°およびZout =0.50∠-175°である。
【0040】このように、本発明の高周波用電力増幅器
は、入力電極に供給された高周波入力信号を増幅し出力
電極より高周波出力信号として出力する2段構成の高周
波電力増幅部と、前段の高周波電力増幅部の前記入力電
極に接続され、前記高周波入力信号の基本周波数に対し
て入力インピーダンス整合をとるための入力整合回路
と、前記前段の高周波電力増幅部の前記出力電極と後段
の高周波電力増幅部の前記入力電極との間に接続され、
両高周波電力増幅部間のインピーダンス整合をとるため
の分布定数線路およびコンデンサから成る段間整合回路
と、前記後段の高周波電力増幅部の前記出力電極に接続
され、所望の出力特性に整合をとるための出力整合回路
と、前記前段の高周波電力増幅部の前記出力電極に接続
され、直流電流を供給するための分布定数線路から成る
バイアス回路とを具備し、前記段間整合回路および前記
バイアス回路により、前記前段の高周波電力増幅部の前
記出力電極から前記後段の高周波電力増幅部側を見た前
記高周波入力信号の基本周波数に対するインピーダンス
をポーラーチャート上において点A(0.7 ∠160 °)・
点B(0.4 ∠160 °)・点C(0.4 ∠200 °)・点D
(0.7 ∠160 °)で囲まれた範囲内に設定したことを特
徴とするものである。
【0041】以上の結果、本発明の高周波用電力増幅器
41によれば、従来の高周波用電力増幅器1に比較して、
従来と同様に後段の高周波トランジスタ43の高効率化を
行なうだけでなく、段間整合回路48により前段の高周波
トランジスタ42の高効率化も同時に行なうことによっ
て、2段構成の増幅器あるいはそれ以上の多段構成の増
幅器として総合的に効率の向上を行なった高周波用電力
増幅器が提供できるものとなる。
【0042】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。例
えば、上記の実施の形態の例では入力整合回路45・段間
整合回路48・出力整合回路50・バイアス回路を構成する
分布定数線路としてそれぞれ入力側マイクロストリップ
線路54・段間整合マイクロストリップ線路69・70・出力
側マイクロストリップ線路60・ドレイン線路65・67を用
いた例を示したが、これら分布定数線路には誘電体基板
内に形成されたストリップ線路を用いてもよいことは言
うまでもない。
【0043】また、ドレイン線路65・67には空芯コイル
を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波用電力増
幅器によれば、前段の高周波増幅部の出力電極と後段の
高周波増幅部の入力電極との間に接続された、分布定数
線路およびコンデンサから成る段間整合回路および分布
定数線路から成る直流電流バイアス回路により、ならび
に適宜付加すればよい段間入力制御回路により、それら
の分布定数線路の線路長およびコンデンサの容量値を調
整することによって、前段の高周波増幅部の出力電極か
ら後段の高周波増幅部側を見た基本周波数に対するイン
ピーダンスをポーラーチャート上において点A(0.7 ∠
160 °)・点B(0.4 ∠160 °)・点C(0.4 ∠200
°)・点D(0.7 ∠200 °)で囲まれた範囲内に設定し
たことから、従来の多段構成の高周波用電力増幅器より
もさらに高効率な電力増幅を行なうことができ、しか
も、特に回路を大型化させることもないため高効率化と
ともに小型化の要求にも応えることができるものとな
る。
【0045】以上により、本発明によれば、電力増幅の
高効率化を容易に行なうことができる多段構成の高周波
用電力増幅器を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用電力増幅器の実施の形態の例
を示す回路図である。
【図2】本発明の高周波用電力増幅器における前段の高
周波増幅部の出力電極から後段の高周波増幅部側を見た
基本周波数に対するインピーダンスを示すポーラーチャ
ートである。
【図3】従来の高周波用電力増幅器の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
41・・・・・高周波用電力増幅器 42・・・・・前段の高周波トランジスタ(高周波増幅
部) 43・・・・・後段の高周波トランジスタ(高周波増幅
部) 44、47・・・ゲート電極(入力電極) 46、49・・・ドレイン電極(出力電極) 45・・・・・入力整合回路 48・・・・・段間整合回路 69、70・・・段間整合マイクロストリップ線路(分布定
数線路) 71、72・・・段間整合コンデンサ(コンデンサ) 50・・・・・出力整合回路 65、67・・・バイアス回路のドレイン線路(分布定数線
路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電極からの高周波信号を増幅して出
    力電極より送出する2段構成の高周波電力増幅部と、前
    段の高周波電力増幅部の前記入力電極に接続された入力
    整合回路と、前記前段の高周波電力増幅部と後段の高周
    波電力増幅部との間に接続された、分布定数線路および
    コンデンサから成る段間整合回路と、前記後段の高周波
    電力増幅部の前記出力電極に接続された出力整合回路
    と、前記前段の高周波電力増幅部と前記段間整合回路と
    の間に接続された、分布定数線路から成る直流電流バイ
    アス回路とを具備し、前記段間整合回路および前記直流
    電流バイアス回路により、前記前段の高周波電力増幅部
    の前記出力電極から前記後段の高周波電力増幅部側を見
    た前記高周波信号の基本周波数に対するインピーダンス
    をポーラーチャート上において点A(0.7∠160
    °)・点B(0.4∠160°)・点C(0.4∠20
    0°)・点D(0.7∠160°)で囲まれた範囲内に
    設定したことを特徴とする高周波用電力増幅器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100414252B1 (ko) * 2000-02-08 2004-01-07 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 다단 증폭기
CN112994619A (zh) * 2021-02-25 2021-06-18 中电国基南方集团有限公司 带谐波匹配结构的高效率功率放大器电路拓扑结构

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