JP2001127568A - 高周波用電力増幅器 - Google Patents

高周波用電力増幅器

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JP2001127568A
JP2001127568A JP30376499A JP30376499A JP2001127568A JP 2001127568 A JP2001127568 A JP 2001127568A JP 30376499 A JP30376499 A JP 30376499A JP 30376499 A JP30376499 A JP 30376499A JP 2001127568 A JP2001127568 A JP 2001127568A
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point
frequency power
power amplifier
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Yasuto Fujii
靖人 藤井
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力整合回路の高調波出力制御を行ないつつ
高周波用電力増幅器のさらなる高効率化・小型化を図る
ことが困難であった。 【解決手段】 高周波電力用トランジスタ32と、入力電
極33に接続された入力整合回路35と、出力電極34に接続
された、分布定数線路46およびコンデンサ47から成る出
力整合回路36と分布定数線路48から成るバイアス回路と
を具備し、出力整合回路36およびバイアス回路により、
ポーラーチャート上における出力インピーダンスを、基
本周波数に対しA(0.85∠178 °),B(0.80∠178 °),C(0.
80∠182°),D(0.85∠182 °) の範囲内に、2次高調波
に対しE(0.90∠140 °),F(0.80∠140 °),G(0.80∠130
°),H(0.90∠130 °) の範囲内に、3次高調波に対しI
(0.90∠220 °),J(0.80∠220 °),K(0.80∠270 °),L
(0.90∠270 °) の範囲内に設定した高周波用電力増幅
器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話等の移動体
通信などにおいて高周波信号の送信用に使用される高周
波用電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、PDC(Personal Digital Cellu
lar )やGSM(Grobal System forMobile Communicat
ion)等のディジタル携帯電話機における小型軽量化の
進展が著しい。特に、使用される電池の小型軽量化が望
まれるとともに、電池の容量の約1/3を消費する高周
波用電力増幅器に対する高効率化・小型化・軽量化の要
望がますます強くなっている。
【0003】このような高周波用電力増幅器の高効率化
回路設計にあたっては、例えば高周波電力用トランジス
タを中心として構成される出力部回路について高周波信
号の基本波の周波数成分だけではなく高調波の周波数成
分まで考慮して設計すれば、基本波だけを考慮して設計
する場合に比べて高周波用電力増幅器をより高効率で動
作させることができる。
【0004】従来、高周波用電力増幅器に使用される高
周波増幅部としての高周波電力用トランジスタの出力端
である出力電極(ドレイン電極)に対し、高周波信号の
基本周波数でのインピーダンスの整合を得ることに加え
て、基本周波数の偶数倍の周波数の高調波成分に対して
インピーダンスを零にするという最適効率条件を実現す
ることが提案されている。
【0005】図3は、そのような従来の高周波用電力増
幅器1の例を示す回路図である。図3に示す高周波用電
力増幅器1は、所定の値の比誘電率を有する誘電体基板
(図示せず)上に構成されており、高周波増幅部である
高周波電力用トランジスタ2と、その入力電極であるゲ
ート電極(制御電極)3に接続された入力整合回路5
と、出力電極であるドレイン電極(出力電極)4に接続
された出力整合回路6とを備えている。
【0006】入力整合回路5において、高周波電力用ト
ランジスタ2のゲート電極3には、入力端子7との間に
発振防止抵抗8と入力側直流阻止コンデンサ9が接続さ
れている。また、入力端子7に接続される入力回路との
インピーダンス整合を最適なものとするための分布定数
線路である入力側マイクロストリップ線路10が接続され
ている。この入力側マイクロストリップ線路10は、抵抗
11を介してゲートバイアス電圧供給端子12に接続されて
おり、また、入力整合用コンデンサ13を介して接地され
ている。
【0007】一方、出力整合回路6においては、高周波
電力用トランジスタ2のドレイン電極4には、出力端子
14との間に出力側直流阻止コンデンサ15が接続されてい
る。
【0008】また、出力端子14に接続される外部回路と
のインピーダンス整合を最適なものとして所望の出力特
性に整合をとるための分布定数線路である出力側マイク
ロストリップ線路16が接続されており、この出力側マイ
クロストリップ線路16は出力整合用コンデンサ17を介し
て接地されている。
【0009】さらに、高周波電力用トランジスタ2のド
レイン電極4と出力側マイクロストリップ線路16との間
には、接地に対して直列に接続されたマイクロストリッ
プ線路20とコンデンサ21とが接続されている。このマイ
クロストリップ線路20とコンデンサ21から成る回路22
は、高周波信号の2次高調波に対する出力インピーダン
スを、基本波に対する出力インピーダンスに影響を与え
ることなく独立して制御することができ、2次高調波出
力制御回路22として機能するものである。
【0010】これら出力側マイクロストリップ線路16・
出力整合用コンデンサ17および2次高調波出力制御回路
22により出力整合回路6が構成されている。
【0011】また、ドレイン電極4には、ドレイン電極
4に直流電流を供給するためのバイアス回路として、分
布定数線路であるドレイン線路18を介してドレインバイ
アス電圧供給端子19が、出力側マイクロストリップ線路
16に接続される等して接続されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように高周波用電力増幅器に対する高効率化および小型
化の要求が強まっていることから、このような従来の高
周波用電力増幅器1に対してはその高調波出力制御回路
22を設けるスペースも問題となっており、このようなス
ペースをなくして高効率を維持しつつさらに小型化を行
なうことが高周波用電力増幅器に対する課題として要求
されるようになっている。
【0013】本発明はこのような課題を解決すべく案出
されたものであり、その目的は、さらなる小型化に対応
が可能でかつ基本波および2次・3次高調波出力制御を
容易に行なうことができ、さらに出力整合回路による高
効率化も行なうことができる高周波用電力増幅器を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用電力増
幅器は、入力電極からの高周波信号を増幅し出力電極よ
り送出する高周波電力増幅部と、前記入力電極に接続さ
れ、前記高周波信号の基本周波数に対して入力インピー
ダンス整合をとるための入力整合回路と、前記出力電極
に接続され、所望の出力特性に整合をとるための分布定
数線路およびコンデンサから成る出力整合回路と、前記
出力電極に接続され、直流電流を供給するための分布定
数線路から成るバイアス回路とを具備し、前記出力整合
回路および前記バイアス回路により、前記高周波電力増
幅部の出力電極から出力側をみた前記高周波信号の基本
周波数に対する出力インピーダンスをポーラーチャート
上において点A(0.85∠178 °)・点B(0.80∠178
°)・点C(0.80∠182 °)・点D(0.85∠182 °)で
囲まれた範囲内に、2次高調波に対する出力インピーダ
ンスをポーラーチャート上において点E(0.90∠140
°)・点F(0.80∠140°)・点G(0.80∠130 °)・
点H(0.90∠130 °)で囲まれた範囲内に、3次高調波
に対する出力インピーダンスをポーラーチャート上にお
いて点I(0.90∠220 °)・点J(0.80∠220 °)・点
K(0.80∠270 °)・点L(0.90∠270 °)で囲まれた
範囲内にそれぞれ設定したことを特徴とするものであ
り、以上の構成により上記課題を解決するものである。
【0015】また、本発明の高周波用電力増幅器は、上
記構成において、前記出力整合回路の分布定数線路の直
流導体抵抗値を5mΩ/mm以下に設定したことを特徴
とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波用電力増幅
器を図面に基づき説明する。図1は本発明の高周波用電
力増幅器の実施の形態の一例を示す回路図である。
【0017】図1において、本発明の高周波用電力増幅
器31は、所定の値の比誘電率を有する誘電体基板(図示
せず)上に構成されており、高周波電力増幅部としての
高周波電力用トランジスタ32と、その入力電極であるゲ
ート電極(制御電極)33に接続された、高周波信号の基
本周波数に対して入力インピーダンスをとるための入力
整合回路35と、出力電極であるドレイン電極34に接続さ
れた、所望の出力特性に整合をとるための出力整合回路
36と、おなじくドレイン電極34に接続された、直流電流
を供給するための分布定数線路であるドレイン線路48か
ら成るバイアス回路とを具備している。
【0018】入力整合回路35において、高周波電力用ト
ランジスタ32のゲート電極33には、入力端子37との間に
発振防止抵抗38と入力側直流阻止コンデンサ39が接続さ
れている。また、ゲート電極33には、入力端子37に接続
される入力回路とのインピーダンス整合を最適なものと
するための分布定数線路である入力側マイクロストリッ
プ線路40が接続されている。この入力側マイクロストリ
ップ線路40は、抵抗41を介してゲートバイアス電圧供給
端子42に接続されており、また、入力整合用コンデンサ
43を介して接地されている。
【0019】一方、出力整合回路36において、高周波電
力用トランジスタ32のドレイン電極34には、出力端子44
との間に出力側直流阻止コンデンサ45が接続されてい
る。また、出力端子44に接続される外部回路とのインピ
ーダンス整合を最適なものとして所望の出力特性、例え
ば歪み特性・出力電力・消費電流等を単独であるいは同
時に満足するように整合をとるために、分布定数線路で
ある出力側マイクロストリップ線路46が接続されてお
り、この出力側マイクロストリップ線路46は出力整合用
コンデンサ47を介して接地されている。これら出力側マ
イクロストリップ線路46および出力整合用コンデンサ47
により出力整合回路36が構成されている。
【0020】また、高周波電力用トランジスタ32のドレ
イン電極34には、ドレイン電極34に直流電流を供給する
ためのバイアス回路として、分布定数線路であるドレイ
ン線路48を介してドレインバイアス電圧供給端子49が、
出力側マイクロストリップ線路46に接続される等して接
続されている。
【0021】そして、本発明の高周波用電力増幅器31に
おいては、これら出力整合回路36を構成する出力側マイ
クロストリップ線路46および出力整合用コンデンサ47
と、バイアス回路を構成するドレイン線路48とにより、
高周波信号の基本周波数に対する出力インピーダンスを
ポーラーチャート上において点A(0.85∠178 °)・点
B(0.80∠178 °)・点C(0.80∠182 °)・点D(0.
85∠182 °)で囲まれた範囲内に、2次高調波に対する
出力インピーダンスをポーラーチャート上において点E
(0.90∠140 °)・点F(0.80∠140 °)・点G(0.80
∠130 °)・点H(0.90∠130 °)で囲まれた範囲内
に、3次高調波に対する出力インピーダンスをポーラー
チャート上において点I(0.90∠220 °)・点J(0.80
∠220 °)・点K(0.80∠270 °)・点L(0.90∠270
°)とするものであり、以上の構成により基本波および
2次・3次高調波出力制御を行なって高効率な電力増幅
を行なうことができるものである。そして、さらに前記
出力整合回路の分布定数線路である出力側マイクロスト
リップ線路46の直流導体抵抗値を5mΩ/mm以下に設
定したことを特徴とするものであり、以上の構成によ
り、出力整合回路の分布定数線路の導体抵抗値を所定の
値以下に低減して高効率な電力増幅を行ないつつさらな
る小型化を図ることができるものである。
【0022】なお、出力整合回路36の分布定数線路であ
る出力側マイクロストリップ線路46の直流導体抵抗値
は、5mΩ/mmより大きくなると消費電流が増加し、
効率が悪くなる傾向がある。また、低ければ低いほど消
費電流が減少し、効率が良くなることから、5mΩ/m
m以下で低ければ低いほど良い。
【0023】この場合、出力整合回路36の分布定数線路
を形成するための導体材料としては、例えば導体抵抗の
低いAg系の材料を用い、導体厚みを22μm以上30μm
以下にし、直流の導体抵抗値を5mΩ/mm以下になる
ようにすることで、高周波的な伝送損失が低減し効率改
善が可能となる。また、他の材料として、銅(Cu)系
の材料等も用いてもよい。
【0024】これにより、従来は導体厚みが15μm以上
19μm以下であったために出力整合回路6の出力側マイ
クロストリップ線路16の直流導体抵抗値は10mΩ/mm
程度であったが、これに対して、出力側マイクロストリ
ップ線路46の直流導体抵抗値を5mΩ/mm以下とした
本発明の高周波用電力増幅器31によれば、消費電流で12
mAの改善(電力増幅の効率で約1%の改善)が可能で
ある。
【0025】ここで、ポーラーチャートとは、インピー
ダンス平面における定抵抗線と定リアクタンス線を反射
係数平面上に描き直した、スミスチャートと同様のイン
ピーダンスチャートであり、スミスチャートにおけるイ
ンピーダンスをベクトルとして|Γ|∠θ(ただし、Γ
は反射係数、θは位相)で表現したものである。図2
に、本発明の高周波用電力増幅器に係るポーラーチャー
トを示す。
【0026】図2に示すポーラーチャートにおいて、円
の中心は反射係数|Γ|が0で、反射係数|Γ|は円が
大きくなるほど同心円状に大きくなり、一番外側の円が
1.0となる。また、位相θは円の中心から右向きの横軸
をθ=0°とし、これを基準に反時計回りに90°毎にθ
=90°、180 °、270 °、(360 °)としている。すな
わち、このポーラーチャートによれば、A点(0.85∠17
8 °)は、反射係数|Γ|が0.85で位相θが178 °とい
うこととなる。
【0027】そして、基本周波数に対する出力インピー
ダンスを点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定するには、
図1に示す本発明の高周波用電力増幅器31において、出
力側マイクロストリップ線路46の線路長と、出力整合用
コンデンサ47の容量値とを調整することで実現できる。
例えば、出力側マイクロストリップ線路46の線路長を短
くすると、基本周波数に対する出力インピーダンスは位
相θが大きくなって図2のポーラーチャートにおいて反
時計回りの方向に移動する。他方、ドレイン線路48の線
路長を長くすると、基本周波数に対する出力インピーダ
ンスは図2のポーラーチャートにおいて時計回りの方向
に移動し、線路長の調整により最適な歪み特性・消費電
流特性のポイントに置くことができる。
【0028】ここで、出力インピーダンスを上記の点A
〜点Dで囲まれた範囲内に設定するのは、点Aと点Bと
を結ぶ直線(位相θ=182 °)より位相θが反時計回り
の方向に移動する(大きくなる)と歪み特性が急激に悪
くなる傾向があり、他方、点Cと点Dとを結ぶ直線(位
相θ=178 °)より位相θが時計回りの方向に移動する
(小さくなる)と消費電流が急激に増加する傾向がある
からである。また、点Aと点Dとを結ぶ曲線(反射係数
|Γ|=1.0 )を越えて反射係数が大きくなると増幅が
安定しなくなるからであり、点Bと点Cとを結ぶ曲線
(反射係数|Γ|=0.80)を越えて反射係数|Γ|が小
さくなると歪み特性が急激に悪くなる傾向があるからで
ある。従って、基本周波数に対する出力インピーダンス
を図2中で斜線を施した点A〜点Dで囲まれた範囲内に
設定することにより、良好な電力増幅特性を得ることが
できる。
【0029】本発明の高周波用電力増幅器31において高
周波信号の2次高調波に対する出力インピーダンスをポ
ーラーチャート上において上記の範囲内に設定するに
は、出力整合回路36の分布定数線路である出力側マイク
ロストリップ線路46の線路長およびコンデンサである出
力整合用コンデンサ47の容量値と、バイアス回路の分布
定数線路であるドレイン線路48の線路長とを調整すれば
よく、これにより、高周波信号の基本周波数に対してイ
ンピーダンスの整合をとりつつ、従来のような2次高調
波出力制御回路を付加することなく2次高調波に対する
出力インピーダンスを所望の範囲内の値に設定すること
ができる。
【0030】さらに、本発明の高周波用電力増幅器31に
おいて高周波信号の3次高調波に対する出力インピーダ
ンスをポーラーチャート上において上記の範囲内に設定
するには、バイアス回路のドレイン線路48の線路長を調
整すればよく、これにより、高周波信号の基本周波数に
対する出力インピーダンスおよび2次高調波に対する出
力インピーダンスを所望の範囲内の値に設定しつつ、2
次高調波出力制御回路のような制御回路を付加すること
なく、さらに3次高調波出力制御を容易に行なうことが
できるものとなる。
【0031】本発明の高周波用電力増幅器31の高周波電
力増幅部に用いられる高周波電力用トランジスタ32とし
ては、入力電極であるゲート電極33に供給された高周波
入力信号を増幅して出力電極であるドレイン電極34より
高周波出力信号として出力する一般的な高周波電力用ト
ランジスタ、例えばGaAsMESFET等を使用する
ことができる。また、この高周波電力増幅部を他の高周
波増幅カイロ、多段構成の高周波トランジスタを用いた
増幅回路で構成してもよい。
【0032】図1に示すように高周波電力増幅部として
高周波電力用トランジスタ32を用いた場合であれば、そ
の基本周波数におけるドレイン効率・ゲイン(利得)お
よび歪み特性等の最適なインピーダンス(入力インピー
ダンスZin・出力インピーダンスZout )は、ロードプ
ル測定等を用いれば一義的に求めることができる。
【0033】例えば、電源電圧3.5 V・入力電力22dB
m・周波数942.5 MHzの条件下で、比誘電率8.1 の誘
電体基板上で942.5 MHzに対して、バイアス回路を構
成するドレイン線路48の線路長をほぼλ/4(4分の1
波長)に相当する35mmに調整すれば、各インピーダン
スの最適インピーダンスは、それぞれZin=0.85∠160
°およびZout =0.83∠180 °である。
【0034】次に、基本波と3次高調波の両方について
良好な効率を得るために、ドレイン線路48の線路長を短
くして、2次高調波に対するインピーダンスを調整す
る。このとき、ドレイン線路48の線路長を短くしていく
と、基本波に対するインピーダンスが変動するので、こ
れについて出力側マイクロストリップ線路46の線路長と
出力整合用コンデンサ47の容量値とを調整して最適化す
ることにより、基本波に対するインピーダンスの補正を
行なう。
【0035】ここで、基本波の反射係数|Γ|は、出力
整合用コンデンサ47の容量値を大きくすると大きくな
り、容量値を小さくすると小さくなることから、出力整
合用コンデンサ47の容量値により調整することができ
る。また、基本波の位相θは、出力側マイクロストリッ
プ線路46の線路長を長くすると小さくなって図2に示す
ポーラーチャートにおいて時計回りの方向に移動させる
ことができ、線路長を短くすると大きくなって図2に示
すポーラーチャートにおいて反時計回りの方向に移動さ
せることができる。
【0036】従って、例えば3次高調波に対する出力イ
ンピーダンスを0.90∠250 °に設定するには、比誘電率
8.1 の誘電体基板上で周波数942.5 MHzに対して、バ
イアス回路を構成するドレイン線路48の線路長を15mm
に設定すればよい。このようにドレイン線路48の線路長
を変えることで、基本周波数に対する出力インピーダン
スは0.83∠180 °から0.83∠175 °になり、位相θが時
計回りの方向に5°ずれることとなる。この位相のずれ
は、出力側マイクロストリップ線路46の線路長を4mm
から3.8 mmに短くすることで補正が可能となる。
【0037】なお、このとき2次高調波に対するインピ
ーダンスは、出力側マイクロストリップ線路46の線路長
を短くすることでずれることはほとんどない。
【0038】このように、ドレイン線路48の線路長で3
次高調波に対するインピーダンスを調整し、それによっ
て変動した基本波および2次高調波に対するインピーダ
ンスを出力側マイクロストリップ線路46と出力整合用コ
ンデンサ47とで調整することにより、高周波電力増幅の
効率が良好な高周波用電力増幅器31とすることができ
る。その結果、従来の高周波用電力増幅器1に比較し
て、2次高調波出力制御回路22を付加する必要がないば
かりか、従来のドレイン線路18よりもドレイン線路48を
短くすることができ、非常に小型でかつ高効率な高周波
用電力増幅器を実現することが可能となる。
【0039】また、基本波および2次高調波に対する出
力インピーダンスを所定の値に設定するには、前述のよ
うに出力側マイクロストリップ線路46と出力整合用コン
デンサ47とで調整することで設定が可能である。例え
ば、出力側マイクロストリップ線路46の線路長を長くす
ると、基本波および2次高調波の位相はポーラーチャー
ト上で反時計方向に移動し、線路長を短くするとその逆
となる。また出力整合用コンデンサ47の容量値を大きく
すると、基本波の反射係数が大きくなり、位相もポーラ
ーチャート上で反時計方向に動く。
【0040】さらに、基本波および2次高調波とともに
3次高調波に対する出力インピーダンスを所定の値に設
定するには、バイアス回路のドレイン線路48の線路長を
調整することで設定が可能である。例えば、ドレイン線
路48を長くすると、3次高調波は時計方向に動き、短く
するとその逆となる。
【0041】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。例
えば、上記の実施の形態の例では入力整合回路35・出力
整合回路36・バイアス回路を構成する分布定数線路とし
てそれぞれ入力側マイクロストリップ線路40・出力側マ
イクロストリップ線路46・ドレイン線路48を用いた例を
示したが、これら分布定数線路には誘電体基板内に形成
されたストリップ線路を用いてもよいことは言うまでも
ない。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波用電力増
幅器によれば、高周波電力増幅部の出力電極に接続され
た、分布定数線路およびコンデンサから成る出力整合回
路と分布定数線路から成るバイアス回路とにより、それ
らの線路長および容量値を調整することによって、基本
周波数に対する出力インピーダンスをポーラーチャート
上において点A(0.85∠178 °)・点B(0.80∠178
°)・点C(0.80∠182 °)・点D(0.85∠182 °)で
囲まれた範囲内に、2次高調波に対する出力インピーダ
ンスをポーラーチャート上において点E(0.90∠140
°)・点F(0.80∠140 °)・点G(0.80∠130 °)・
点H(0.90∠130 °)で囲まれた範囲内に、3次高調波
に対する出力インピーダンスをポーラーチャート上にお
いて点I(0.90∠220 °)・点J(0.80∠220 °)・点
K(0.80∠270 °)・点L(0.90∠270°)で囲まれた
範囲内にそれぞれ設定したことから、従来の高周波用電
力増幅器のような2次高調波出力制御回路を構成するス
ペースを不要とすることができるとともにバイアス回路
における分布定数線路の線路長も短くすることができ
て、歪み特性等の所望の出力特性を維持しつつ高効率な
電力増幅を行ない、さらに一層の小型化を図ることがで
きた。
【0043】また、本発明の高周波用電力増幅器によれ
ば、高周波信号の3次高調波に対する出力インピーダン
スも出力整合回路の分布定数線路の線路長およびコンデ
ンサの容量値とバイアス回路の分布定数線路の線路長と
により調整することができ、3次高調波制御を容易に行
なうこともできる。
【0044】さらに、出力整合回路の分布定数線路の直
流導体抵抗値を5mΩ/mm以下に設定した場合には、
高周波的な伝送損失を低減させてより一層の電力増幅の
効率改善が可能となる。
【0045】以上により、本発明によれば、さらなる小
型化に対応が可能でかつ基本波および2次・3次高調波
出力制御を容易に行なうことができ、さらに出力整合回
路による高効率化も行なうことができる高周波用電力増
幅器を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用電力増幅器の実施の形態の一
例を示す回路図である。
【図2】本発明の高周波用電力増幅器における出力電極
から出力側をみた高周波信号の基本周波数・2次高調波
および3次高調波に対する出力インピーダンスを示すポ
ーラーチャートである。
【図3】従来の高周波用電力増幅器の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
31・・・高周波用電力増幅器 32・・・高周波電力用トランジスタ(高周波電力増幅
部) 33・・・ゲート電極(入力電極) 34・・・ドレイン電極(出力電極) 35・・・入力整合回路 36・・・出力整合回路 46・・・出力側マイクロストリップ線路(分布定数線
路) 47・・・出力整合用コンデンサ 48・・・バイアス回路のドレイン線路(分布定数線路)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電極からの高周波信号を増幅し出力
    電極より送出する高周波電力増幅部と、前記入力電極に
    接続され、前記高周波信号の基本周波数に対して入力イ
    ンピーダンス整合をとるための入力整合回路と、前記出
    力電極に接続され、所望の出力特性に整合をとるための
    分布定数線路およびコンデンサから成る出力整合回路
    と、前記出力電極に接続され、直流電流を供給するため
    の分布定数線路から成るバイアス回路とを具備し、前記
    出力整合回路および前記バイアス回路により、前記高周
    波電力増幅部の出力電極から出力側をみた前記高周波信
    号の基本周波数に対する出力インピーダンスをポーラー
    チャート上において点A(0.85∠178°)・点B
    (0.80∠178°)・点C(0.80∠182°)
    ・点D(0.85∠182°)で囲まれた範囲内に、2
    次高調波に対する出力インピーダンスをポーラーチャー
    ト上において点E(0.90∠140°)・点F(0.
    80∠140°)・点G(0.80∠130°)・点H
    (0.90∠130°)で囲まれた範囲内に、3次高調
    波に対する出力インピーダンスをポーラーチャート上に
    おいて点I(0.90∠220°)・点J(0.80∠
    220°)・点K(0.80∠270°)・点L(0.
    90∠270°)で囲まれた範囲内にそれぞれ設定した
    ことを特徴とする高周波用電力増幅器。
  2. 【請求項2】 前記出力整合回路の分布定数線路の直流
    導体抵抗値を5mΩ/mm以下に設定したことを特徴と
    する請求項1記載の高周波用電力増幅器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080773A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Daihen Corp 高周波電源装置および高周波電源の制御方法
JP2007087908A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Daihen Corp 高周波電源装置および高周波電源の制御方法
JP2009210393A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Nec Corp ロードプル測定治具

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