JP2000165162A - 高周波用電力増幅器 - Google Patents

高周波用電力増幅器

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JP2000165162A
JP2000165162A JP33724298A JP33724298A JP2000165162A JP 2000165162 A JP2000165162 A JP 2000165162A JP 33724298 A JP33724298 A JP 33724298A JP 33724298 A JP33724298 A JP 33724298A JP 2000165162 A JP2000165162 A JP 2000165162A
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line
harmonic
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Yasuto Fujii
靖人 藤井
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高調波出力制御を行ないつつ高周波用電力増
幅器のさらなる小型化を図ることが困難であった。 【解決手段】 高周波電力用トランジスタ32と、その制
御電極33に接続された入力整合回路35と、その出力電極
34に接続された分布定数線路46およびコンデンサ47から
成る出力整合回路36と、出力電極34に接続された分布定
数線路48から成るバイアス回路とを具備し、出力整合回
路36およびバイアス回路により、3次高調波および2次
高調波に対する出力インピーダンスをポーラーチャート
上でそれぞれ点A(1.0 ∠180 °)・点B(0.8 ∠180
°)・点C(0.8 ∠225 °)・点D(1.0 ∠225 °)の
範囲内および点E(1.0 ∠140 °)・点F(0.8 ∠140
°)・点G(0.8 ∠270 °)・点H(1.0 ∠270 °)の
範囲内に設定した高周波用電力増幅器である。高効率で
かつ小型化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話等の移動体
通信などにおいて高周波信号の送信用に使用される高周
波用電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アナログあるいはディジタル携帯
電話を始めとする移動体通信機等に使用される半導体デ
バイスや電子部品に対する小型化・軽量化の要望が強く
なっており、特に、これらの機器においてマイクロ波帯
等の高周波信号を送信するために増幅する高周波用電力
増幅器に対する高効率化・小型化・軽量化の要望がます
ます強くなっている。
【0003】このような高周波用電力増幅器の回路設計
にあたっては、例えば高周波電力用トランジスタを中心
として構成される出力部回路について高周波信号の基本
波の周波数成分だけではなく高調波の周波数成分まで考
慮して設計すれば、基本波だけを考慮して設計する場合
に比べて高周波用電力増幅器をより高効率で動作させる
ことができる。
【0004】従来、高周波用電力増幅器に使用される高
周波電力用トランジスタの出力端である出力電極(ドレ
イン電極)に対し、基本波周波数でのインピーダンスの
整合を得ることに加えて、基本波周波数の偶数倍の周波
数の高調波成分に対してインピーダンスを零にするとい
う最適効率条件を実現することが提案されている。
【0005】図3は、そのような従来の高周波用電力増
幅器の例を示す回路図である。高周波用電力増幅器1
は、所定の値の比誘電率を有する誘電体基板(図示せ
ず)上に構成されており、高周波電力用トランジスタ2
の入力側であるゲート電極(制御電極)3に接続された
入力整合回路5と出力側であるドレイン電極(出力電
極)4に接続された出力整合回路6とを備えている。
【0006】入力整合回路5において、高周波電力用ト
ランジスタ2のゲート電極3には、入力端子7との間に
発振防止抵抗8と入力側直流阻止コンデンサ9が接続さ
れている。また、入力端子7に接続される入力回路との
インピーダンス整合を最適なものとするための分布定数
線路である入力側マイクロストリップ線路10が接続され
ている。この入力側マイクロストリップ線路10は、抵抗
11を介してゲートバイアス電圧供給端子12に接続されて
おり、また、入力整合用コンデンサ13を介して接地され
ている。
【0007】一方、出力整合回路6においては、高周波
電力用トランジスタ2のドレイン電極4には、出力端子
14との間に出力側直流阻止コンデンサ15が接続されてい
る。
【0008】また、出力端子14に接続される外部回路と
のインピーダンス整合を最適なものとして所望の出力特
性に整合をとるための分布定数線路である出力側マイク
ロストリップ線路16が接続されており、この出力側マイ
クロストリップ線路16は出力整合用コンデンサ17を介し
て接地されている。
【0009】さらに、高周波電力用トランジスタ2のド
レイン電極4と出力側マイクロストリップ線路16との間
には、接地に対して直列に接続されたマイクロストリッ
プ線路20とコンデンサ21とが接続されている。このマイ
クロストリップ線路20とコンデンサ21から成る回路22
は、高周波信号の2次高調波に対する出力インピーダン
スを、基本波に対する出力インピーダンスに影響を与え
ることなく独立して制御することができ、2次高調波出
力制御回路22として機能するものである。
【0010】これら出力側マイクロストリップ線路16・
出力整合用コンデンサ17および2次高調波出力制御回路
22により出力整合回路6が構成されている。
【0011】また、ドレイン電極4には、ドレイン電極
4に直流電流を供給するためのバイアス回路として、分
布定数線路であるドレイン線路18を介してドレインバイ
アス電圧供給端子19が、出力側マイクロストリップ線路
16に接続される等して接続されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように高周波用電力増幅器に対する高効率化および小型
化の要求が強まっていることから、このような従来の高
周波用電力増幅器1に対してはその高調波出力制御回路
22を設けるスペースも問題となっており、このようなス
ペースをなくして高効率を維持しつつさらに小型化を行
なうことが高周波用電力増幅器に対する課題として要求
されるようになっている。
【0013】本発明は上記課題に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、出力整合回路に付加される高調波
出力制御回路を不要としながら2次高調波および3次高
調波に対する出力制御を容易に行なうことができ、それ
により高効率な電力増幅を行なうことができる高周波用
電力増幅器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波用電力増
幅器は、制御電極に供給された高周波入力信号を増幅し
出力電極より高周波出力信号として出力する高周波電力
用トランジスタと、前記制御電極に接続され、前記高周
波入力信号の基本周波数に対して入力インピーダンス整
合をとるための入力整合回路と、前記出力電極に接続さ
れ、所望の出力特性に整合をとるための分布定数線路お
よびコンデンサから成る出力整合回路と、前記出力電極
に接続され、直流電流を供給するための分布定数線路か
ら成るバイアス回路とを具備し、前記出力整合回路およ
び前記バイアス回路により、基本周波数の3次高調波に
対する出力インピーダンスをポーラーチャート上におい
て点A(1.0 ∠180 °)・点B(0.8 ∠180 °)・点C
(0.8 ∠225 °)・点D(1.0 ∠225 °)で囲まれた範
囲内に設定するとともに、2次高調波に対する出力イン
ピーダンスをポーラーチャート上において点E(1.0 ∠
140 °)・点F(0.8 ∠140 °)・点G(0.8 ∠270
°)・点H(1.0 ∠270 °)で囲まれた範囲内に設定し
たことを特徴とするものであり、以上の構成により上記
課題を解決するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高周波用電力増幅
器を図面に基づき説明する。図1は本発明の高周波用電
力増幅器の実施の形態の一例を示す回路図である。
【0016】図1において、本発明の高周波用電力増幅
器31は、所定の値の比誘電率を有する誘電体基板(図示
せず)上に設けられ、高周波電力用トランジスタ32の入
力側に接続された入力整合回路35と、出力側に接続され
た出力整合回路36および分布定数線路であるドレイン線
路48から成るバイアス回路とを具備している。
【0017】入力整合回路35において、高周波電力用ト
ランジスタ32のゲート電極(制御電極)33には、入力端
子37との間に発振防止抵抗38と入力側直流阻止コンデン
サ39が接続されている。また、ゲート電極33には、入力
端子37に接続される入力回路とのインピーダンス整合を
最適なものとするための分布定数線路である入力側マイ
クロストリップ線路40が接続されている。この入力側マ
イクロストリップ線路40は、抵抗41を介してゲートバイ
アス電圧供給端子42に接続されており、また、入力整合
用コンデンサ43を介して接地されている。
【0018】一方、出力整合回路36においては、高周波
電力用トランジスタ32のドレイン電極(出力電極)34に
は、出力端子44との間に出力側直流阻止コンデンサ45が
接続されている。また、出力端子44に接続される外部回
路とのインピーダンス整合を最適なものとして所望の出
力特性、例えば歪み特性・出力電圧・消費電流等を単独
であるいは同時に満足するように整合をとるために、分
布定数線路である出力側マイクロストリップ線路46が接
続されており、この出力側マイクロストリップ線路46は
出力整合用コンデンサ47を介して接地されている。
【0019】これら出力側マイクロストリップ線路46・
出力整合用コンデンサ47により出力接合回路36が構成さ
れている。
【0020】また、ドレイン電極44には、ドレイン電極
44に直流電流を供給するためのバイアス回路として、分
布定数線路であるドレイン線路48を介してドレインバイ
アス電圧供給端子49が、出力側マイクロストリップ線路
46に接続される等して接続されている。
【0021】そして、本発明の高周波用電力増幅器31に
おいては、これら出力接合回路36を構成する出力側マイ
クロストリップ線路46および出力整合用コンデンサ47
と、バイアス回路を構成するドレイン線路48とにより、
基本周波数の3次高調波に対する高周波電力用トランジ
スタ32の出力電極34より出力端子44側を見た出力インピ
ーダンスを所定の範囲、すなわちポーラーチャート上に
おいて点A(1.0 ∠180°)・点B(0.8 ∠180 °)・
点C(0.8 ∠225 °)・点D(1.0 ∠225 °)で囲まれ
た範囲内に設定するとともに、2次高調波に対する出力
インピーダンスをポーラーチャート上において点E(1.
0 ∠140 °)・点F(0.8 ∠140 °)・点G(0.8 ∠27
0 °)・点H(1.0 ∠270 °)に設定したことを特徴と
するものであり、これは3次高調波および2次高調波に
対する出力インピーダンスが上記の範囲外にある場合に
は効率が悪化することを見いだしたことに基づくもので
ある。
【0022】このような本発明の高周波用電力増幅器に
よれば、3次高調波および2次高調波に対する出力イン
ピーダンスを上記の範囲内にすることで効率の悪化を防
ぐことができるとともに、従来のように2次高調波出力
制御回路を付加することなく所望の出力特性を得ること
ができ、高効率な電力増幅を行ないつつさらなる小型化
を図ることができる。
【0023】ここで、ポーラーチャートとは、インピー
ダンス平面における定抵抗線と定リアクタンス線を反射
係数平面上に描き直した、スミスチャートと同様のイン
ピーダンスチャートであり、スミスチャートにおけるイ
ンピーダンスをベクトルとして|Γ|∠θ(Γは反射係
数、θは位相)で表現したものである。
【0024】本発明の高周波用電力増幅器31において
は、図2に示すポーラーチャート上において、基本周波
数の3次高調波に対する出力インピーダンスを点A(1.
0 ∠180 °)・点B(0.8 ∠180 °)・点C(0.8 ∠22
5 °)・点D(1.0 ∠225 °)で囲まれた範囲内(図2
中で斜線を施した範囲内)に設定するとともに、2次高
調波に対する出力インピーダンスをポーラーチャート上
において点E(1.0 ∠140 °)・点F(0.8 ∠140 °)
・点G(0.8 ∠270 °)・点H(1.0 ∠270 °)で囲ま
れた範囲内(図2中で他の斜線を施した範囲内)に設定
している。なお、図2において、円の中心は反射係数|
Γ|が0で、反射係数|Γ|は円が大きくなるほど同心
円状に大きくなり、一番外側の円が1.0 となる。また、
位相θは円の中心から右向きの横軸をθ=0°とし、こ
れを基準に反時計回りに90°毎にθ=90°、180 °、27
0 °、(360 °)としている。すなわち、このポーラー
チャートによれば、A点(1.0 ∠180 °)は、反射係数
|Γ|が1.0 で位相θが180°ということとなる。
【0025】そして、3次高調波に対する出力インピー
ダンスを点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定するには、
図1の本発明の高周波用電力増幅器31においてドレイン
線路48の線路長および形状を調整することで実現でき
る。例えば、ドレイン線路48の線路長を短くすると、3
次高調波に対する出力インピーダンスは位相が大きくな
って位相θが図2のポーラーチャートにおいて反時計回
りの方向に移動し、その結果、消費電流は低減され効率
は改善されるが、歪み特性が劣化することとなる。他
方、ドレイン線路48の線路長を長くすると、3次高調波
に対する出力インピーダンスは位相が小さくなって位相
θが図2のポーラーチャートにおいて時計回りの方向に
移動し、その結果、歪み特性は良くなるが、消費電流が
増加して効率が悪化することとなる。また、反射係数|
Γ|はドレイン線路48の形状を変えることによって調整
することができる。
【0026】ここで、3次高調波に対する出力インピー
ダンスを上記の点A〜点Dで囲まれた範囲内に設定する
のは、点Aと点Bとを結ぶ直線(位相θ=180 °)より
位相θが時計回りの方向に移動する(小さくなる)と歪
み特性が急激に悪くなる傾向があり、他方、点Cと点D
とを結ぶ直線(位相θ=225 °)より位相θが反時計回
りの方向に移動する(大きくなる)と消費電流が急激に
増加する傾向があるからである。また、点Aと点Dとを
結ぶ曲線(反射係数|Γ|=1.0 )を越えて反射係数|
Γ|が大きくなると増幅が安定しなくなるからであり、
点Bと点Cとを結ぶ曲線(反射係数|Γ|=0.8 )を越
えて反射係数|Γ|が小さくなると歪み特性が急激に悪
くなる傾向があるからである。従って、3次高調波に対
する出力インピーダンスを図2中で斜線を施した点A〜
点Dで囲まれた範囲内に設定することにより、良好な特
性を得ることができる。
【0027】このように本発明の高周波用電力増幅器31
において基本周波数の3次高調波に対する出力インピー
ダンスを上記の範囲内に設定するには、出力整合回路36
の分布定数線路である出力側マイクロストリップ線路46
の線路長およびコンデンサである出力整合用コンデンサ
47の容量値と、バイアス回路の分布定数線路であるドレ
イン線路48の線路長とを調整すればよく、これにより、
高周波信号の基本周波数に対してインピーダンスの整合
をとりつつ、従来のような高調波出力制御回路を付加す
ることなく3次高調波に対する出力インピーダンスを所
望の範囲内の値に設定することができる。
【0028】しかも、これら分布定数線路の線路長とコ
ンデンサの容量値を調整すればよいことから、3次高調
波出力制御を容易に行なうことができる。
【0029】一方、2次高調波に対する出力インピーダ
ンスを点E〜点Hで囲まれた範囲内に設定するには、出
力整合回路36の分布定数線路である出力側マイクロスト
リップ線路46の線路長と、バイアス回路の分布定数線路
であるドレイン線路48の線路長とを調整することで実現
できる。例えば、出力側マイクロストリップ線路46の線
路長を短くしたり、ドレイン線路48の線路長を短くする
と、2次高調波に対する出力インピーダンスは位相が大
きくなって位相θが図2のポーラーチャートにおいて反
時計回りの方向に移動する。他方、出力側マイクロスト
リップ線路46の線路長を長くしたり、ドレイン線路48の
線路長を長くすると、2次高調波に対する出力インピー
ダンスは位相が小さくなって位相θが図2のポーラーチ
ャートにおいて時計回りの方向に移動し、その結果、点
E〜点Hで囲まれた範囲内に設定できることとなる。ま
た、反射係数|Γ|は出力整合回路36の各パラメータを
調整することによって調整することができる。
【0030】ここで、2次高調波に対する出力インピー
ダンスを上記の点E〜点Hで囲まれた範囲内に設定する
のは、点Eと点Fとを結ぶ直線(位相θ=140 °)より
位相θが反時計回りの方向に移動する(大きくなる)と
歪み特性が悪くなる傾向があり、他方、点Gと点Hとを
結ぶ直線(位相θ=270 °)より位相θが時計回りの方
向に移動する(小さくなる)と、やはり歪み特性が悪く
なる傾向があるからである。また、点Eと点Hとを結ぶ
曲線(反射係数|Γ|=1.0 )を越えて反射係数|Γ|
が大きくなると増幅が安定しなくなるからであり、点F
と点Gとを結ぶ曲線(反射係数|Γ|=0.8 )を越えて
反射係数|Γ|が小さくなると特性がやや劣化する傾向
があるからである。従って、2次高調波に対する出力イ
ンピーダンスを図2中で斜線を施した点E〜点Hで囲ま
れた範囲内に設定することにより、良好な特性を得るこ
とができる。
【0031】このように本発明の高周波用電力増幅器31
において基本周波数の2次高調波に対する出力インピー
ダンスを上記の範囲内に設定するには、出力整合回路36
の分布定数線路である出力側マイクロストリップ線路46
の線路長と、バイアス回路の分布定数線路であるドレイ
ン線路48の線路長を調整すればよく、これにより、高周
波信号の基本周波数に対してインピーダンスの整合をと
りつつ、従来のような高調波出力制御回路を付加するこ
となく2次高調波に対する出力インピーダンスを所望の
範囲内の値に設定することができる。
【0032】また、3次高調波および2次高調波に対す
る出力インピーダンスをそれぞれ上記の範囲内に同時に
設定するには、以上の説明から分かるように、出力整合
回路36の分布定数線路である出力側マイクロストリップ
線路46の線路長と、バイアス回路の分布定数線路である
ドレイン線路48の線路長を調整すればよい。
【0033】本発明の高周波用電力増幅器31に用いられ
る高周波電力用トランジスタ32としては、制御電極33に
供給された高周波入力信号を増幅して出力電極34より高
周波出力信号として出力する一般的な高周波電力用トラ
ンジスタ、例えばGaAsMESFET等を使用するこ
とができる。
【0034】この高周波電力用トランジスタ32の基本波
でのドレイン効率・ゲインおよび歪み特性等の最適なイ
ンピーダンスZin・Zout は、ロードプル測定等を用い
れば一義的に求めることができる。例えば、電源電圧3.
5 V・入力電力22dBm・周波数942.5 MHzの条件下
で、比誘電率8.1 の誘電体基板上で942.5 MHzに対し
て、バイアス回路を構成するドレイン線路48の線路長を
ほぼλ/4(4分の1波長)に相当する35mmに調整す
れば、各インピーダンスの最適インピーダンスは、それ
ぞれZin=0.85∠160 °およびZout =0.83∠178 °で
ある。
【0035】次に、基本波と3次高調波および2次高調
波のいずれについても良好な効率を得るために、ドレイ
ン線路48の線路長を短くして、3次高調波および2次高
調波に対するインピーダンスを調整する。このとき、ド
レイン線路48の線路長を短くしていくと、基本波に対す
るインピーダンスが変動するので、これについて出力側
マイクロストリップ線路46の線路長と出力整合用コンデ
ンサ47の容量値とを調整して最適化することにより、基
本波に対するインピーダンスの補正を行なう。
【0036】ここで、基本波の反射係数|Γ|は、出力
整合用コンデンサ47の容量値を大きくすると大きくな
り、容量値を小さくすると小さくなることから、出力整
合用コンデンサ47の容量値により調整することができ
る。また、基本波の位相θは、出力側マイクロストリッ
プ線路46の線路長を長くすると小さくなって図2のポー
ラーチャートにおいて時計回りの方向に移動させること
ができ、線路長を短くすると大きくなって図2のポーラ
ーチャートにおいて反時計回りの方向に移動させること
ができる。
【0037】従って、例えば3次高調波に対する出力イ
ンピーダンスを0.9 ∠210 °に設定するには、比誘電率
8.1 の誘電体基板上で周波数942.5 MHzに対して、バ
イアス回路を構成するドレイン線路48の線路長を15mm
に設定すればよい。このようにドレイン線路48の線路長
を変えることで、基本波に対する出力インピーダンスは
0.83∠178 °から0.83∠175 °に位相θが3°時計回り
の方向にずれることとなる。この位相のずれは、出力側
マイクロストリップ線路46の線路長を4mmから3.8 m
mに短くすることで補正が可能となる。
【0038】このように、ドレイン線路長48で3次高調
波に対するインピーダンスを調整し、それによって変動
した基本波に対するインピーダンスを出力側マイクロス
トリップ線路46と出力整合用コンデンサ47とで調整する
ことにより、増幅器の効率が良好な高周波用電力増幅器
31とすることができる。
【0039】また、同時に2次高調波に対する出力イン
ピーダンスを0.9 ∠90°に設定するには、比誘電率8.1
の誘電体基板上で周波数942.5 MHzに対して、出力側
マイクロストリップ線路46の線路長を4mmに設定すれ
ばよい。
【0040】このように、出力側マイクロストリップ線
路46の線路長で2次高調波に対するインピーダンスを調
整し、それによって変動した基本波および3次高調波に
対するインピーダンスをドレイン線路48の線路長で調整
することにより、増幅器の効率が良好な高周波用電力増
幅器31とすることができる。
【0041】以上の結果、従来の高周波用電力増幅器1
に比較して2次高調波出力制御回路22を付加する必要が
ないばかりか、従来のドレイン線路8よりもドレイン線
路48を短くすることができるため、非常に小型でかつ高
効率な高周波用電力増幅器を実現することが可能とな
る。
【0042】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。例
えば、上記の実施の形態の例では入力整合回路35・出力
整合回路36・バイアス回路を構成する分布定数線路とし
てそれぞれ入力側マイクロストリップ線路40・出力側マ
イクロストリップ線路46・ドレイン線路48を用いた例を
示したが、これら分布定数線路には誘電体基板内に形成
されたストリップ線路を用いてもよいことは言うまでも
ない。また、ドレイン線路48には空芯コイルを用いても
よい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の高周波用電力増
幅器によれば、高周波電力用トランジスタの出力電極に
接続された、分布定数線路およびコンデンサから成る出
力整合回路と分布定数線路から成るバイアス回路とによ
り、それらの線路長および容量値を調整することによっ
て、基本周波数の3次高調波に対する高周波電力用トラ
ンジスタの出力電極より出力端子側を見た出力インピー
ダンスをポーラーチャート上において点A(1.0 ∠180
°)・点B(0.8 ∠180 °)・点C(0.8 ∠225°)・
点D(1.0 ∠225 °)で囲まれた範囲内に設定するとと
もに、2次高調波に対する出力インピーダンスをポーラ
ーチャート上において点E(1.0 ∠140 °)・点F(0.
8 ∠140 °)・点G(0.8 ∠270 °)・点H(1.0 ∠27
0 °)に設定したことから、従来の高周波用電力増幅器
のような2次高調波出力制御回路を構成するスペースを
不要とすることができ、しかもバイアス回路における分
布定数線路の線路長も短くすることができて、歪み特性
等の所望の出力特性を維持しつつ高効率な電力増幅を行
ない、さらに小型化を図ることができた。
【0044】また、本発明の高周波用電力増幅器によれ
ば、基本周波数の3次高調波および2次高調波に対する
出力インピーダンスは、出力整合回路の分布定数線路の
線路長およびコンデンサの容量値とバイアス回路の分布
定数線路の線路長とにより調整することができ、3次高
調波制御および2次高調波制御を容易に行なうことがで
きる。
【0045】以上により、本発明によれば、出力整合回
路に付加される高調波出力制御回路を不要としながら2
次高調波および3次高調波に対する出力制御を容易に行
なうことができ、それにより高効率な電力増幅を行なう
ことができる高周波用電力増幅器を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用電力増幅器の実施の形態の例
を示す回路図である。
【図2】本発明の高周波用電力増幅器における基本周波
数の3次高調波および2次高調波に対する出力インピー
ダンスを示すポーラーチャートである。
【図3】従来の高周波用電力増幅器の例を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
31・・・高周波用電力増幅器 32・・・高周波電力用トランジスタ 33・・・ゲート電極(制御電極) 34・・・ドレイン電極(出力電極) 35・・・入力整合回路 36・・・出力整合回路 46・・・出力側マイクロストリップ線路(分布定数線
路) 47・・・出力整合用コンデンサ 48・・・ドレイン線路(分布定数線路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御電極に供給された高周波入力信号を
    増幅し出力電極より高周波出力信号として出力する高周
    波電力用トランジスタと、前記制御電極に接続され、前
    記高周波入力信号の基本周波数に対して入力インピーダ
    ンス整合をとるための入力整合回路と、前記出力電極に
    接続され、所望の出力特性に整合をとるための分布定数
    線路およびコンデンサから成る出力整合回路と、前記出
    力電極に接続され、直流電流を供給するための分布定数
    線路から成るバイアス回路とを具備し、前記出力整合回
    路および前記バイアス回路により、基本周波数の3次高
    調波に対する出力インピーダンスをポーラーチャート上
    において点A(1.0∠180°)・点B(0.8∠1
    80°)・点C(0.8∠225°)・点D(1.0∠
    225°)で囲まれた範囲内に設定するとともに、2次
    高調波に対する出力インピーダンスをポーラーチャート
    上において点E(1.0∠140°)・点F(0.8∠
    140°)・点G(0.8∠270°)・点H(1.0
    ∠270°)で囲まれた範囲内に設定したことを特徴と
    する高周波用電力増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106921354A (zh) * 2017-02-08 2017-07-04 中国科学院微电子研究所 用于射频功率放大器的宽带匹配电路

Cited By (3)

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CN106921354A (zh) * 2017-02-08 2017-07-04 中国科学院微电子研究所 用于射频功率放大器的宽带匹配电路
CN106921354B (zh) * 2017-02-08 2020-07-28 中国科学院微电子研究所 用于射频功率放大器的宽带匹配电路

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